JPH064730B2 - 耐熱性にすぐれる難燃性エチレン−アクリル酸エチル共重合体組成物 - Google Patents

耐熱性にすぐれる難燃性エチレン−アクリル酸エチル共重合体組成物

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JPH064730B2
JPH064730B2 JP60127090A JP12709085A JPH064730B2 JP H064730 B2 JPH064730 B2 JP H064730B2 JP 60127090 A JP60127090 A JP 60127090A JP 12709085 A JP12709085 A JP 12709085A JP H064730 B2 JPH064730 B2 JP H064730B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は耐熱性、すなわち熱変形温度が高く、かつ機械
的強度のすぐれた難燃性エチレン−アクリル酸エチル共
重合体組成物に関する。
(従来の技術) ポリオレフィンは機械的強度、耐水性、耐薬品性にすぐ
れ、ケーブルの外被、その他の用途に適していることは
よく知られるところである。
しかしながら、ポリオレフィンは易難性であり、上記用
途において、難燃化が必要とされている。
従来、ポリオレフィンの難燃化においては、最も一般的
にはハロゲン系難燃剤または該ハロゲン系難燃剤と酸化
アンチモンとの混合物が用いられているが、加熱、燃焼
時に毒性の強いハロゲンガスや煙が多量に発生し、人体
に有害であるばかりでなく、その腐食性故に周辺の機器
類等をも腐食するという問題点を有する。
一方、難燃時に有害ガスの発生がなく、低煙性の難燃剤
として、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の
無機系難燃剤が有効であることがよく知られている。
また、上記無機難燃剤を使用する場合においては、ポリ
オレフィンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以
下EVAと称す)やエチレン−アクリル酸エチル共重合
体(以下EEAと称す)のような含酸素樹脂と併用する
ことによって相剰的難燃効果を示すことも知られてい
る。その中でもEEAは耐熱性、低温特性および電気特
性等の点でEVAよりすぐれ、高度な難燃性を要望され
昨今においては、そのニーズに合致し、急速に需要を高
めつつある。(それらの技術を開示するものとして例え
ば特開昭551−132254号、同56−13683
2号、同60−13832号等がある。) しかるに、従来、市販されているこれまでのEEAは難
燃性能の向上および難燃剤である無機金属化合物の受容
性を良くするためにアクリル酸エチル(以下EAと称
す)の含量を多くすると結晶化度が著しく低下し、機械
的強度や熱変形温度が低下し、実用的でなくなってしま
うという欠点を有している。一方、EA含量を減らすと
無機金属化合物の受容性が悪くなり、無機金属化合物の
添加量が自ずと制限されて、低温特性の悪化や難燃性の
低下を招く結果となっている。以上の様に、EEAは無
機難燃剤を添加した無公害型の難燃性樹脂として好まし
いにもかかわらずこれまでのEEAは高度な難燃性を要
求される昨今において、機械的強度および耐熱性等の点
において、十分満足しているとは云い難い。
(発明が解決しようという問題点) 本発明は上記の点に鑑み、耐熱性、機械的強度、低温特
性が特にすぐれ、低煙性でかつ無公害型の難燃性組成物
を提供するものであり、この難燃性組成物は電線、ケー
ブル、パッキング、シール材、ホース類、フィルム、射
出成形品等の成形用途向けや、マスターバッチ等として
好適に利用されるものである。
(問題点を解決する手段) 本発明はa)エチレン−アクリル酸エチル共重合体50〜
90重量%と、b)密度が0.88〜0.97g/cm3
範囲にあるエチレン−α−オレフィン共重合体10〜5
0重量%とからなる樹脂成分100重量部に、c)無機難
燃剤40〜200重量部を含有してなる組成物であっ
て、 前記エチレン−アクリル酸エチル共重合体が、イ )メルトインデックスが0.1〜10g/10分ロ )アクリル酸エチル含量が5〜40重量%の範囲で、か
つハ )アクリル酸エチルの含量(重量%)(E)と、融点(゜
C)(T)の関係が下記式 −0.8×E+115≧T≧−0.8×E+109 を満足するものである耐熱性にすぐれる難燃性エチレン
−アクリル酸エチル共重合体組成物を提供するものであ
る。
本発明のa)成分であるエチレン−アクリル酸エチル共重
合体は、アクリル酸エチル含量が5〜40重量%である
と共に、メルトインデックス(以下MIと称す)が0.
1〜10g/10分の範囲にあり、かつアクリル酸エチ
ル含量(E)と樹脂の融点(T)との関係が次式−0.8×E
+115≧T≧−0.8×E+109を満足する、特定
範囲のものであることが必要である。上記融点(T)が式
−0.8×E+115を超えるものは工業的に製造する
ことが難しく、式 −0.8×E+109未満のものは耐熱性に乏しいもの
となる。
上記MIが0.1g/10分未満では加工性が悪くな
り、10/10分を超えると強度が低下する。特に好ま
しいMIは0.5〜2g/10分の範囲である。
またEA含量が5重量%未満においては、後述の無機金
属化合物を難燃化するに充分な量を添加した場合に、機
械的強度が大幅に低下し、かつ低温特性が悪くなる。
一方、40重量%を超える場合には、融点の低下が著し
く、熱変形温度が低くなり、耐熱性がないものとなる。
上記の点から特に好ましいEA含量は10〜30重量%
の範囲である。
更に本発明においては、EEAのEA含量(E)と融点(T)
との関係すなわち、−0.8×E+115≧T≧−0.
8×E+109を満足することによって、従来のEEA
と本質的に区別され、かつ上記の特定範囲のEA含量に
限定することにより初めて昨今の難燃性に対する厳しい
要求に対応しうる組成物となるものである。
但し、〈融点〉は、示差走査熱量測定法(DSC)によ
る最大ピーク温度(Tm)で表わし、次のように測定され
る。
すなわち、約5mgの試料を精秤し、それをDSCにセッ
トし、170゜Cに昇温して、その温度で15分間保持し
た後、10゜C/分の速度で常温まで冷却する。次に、こ
の状態から10゜C/分の速度で170゜Cまで昇温して測
定を終了する。最大ピーク温度(Tm)は0゜Cから170゜C
に昇温する間に現われた最大ピークの頂点の位置の温度
をもって表わす。
〈EA含量〉は、赤外吸収スペクトル(IR)によるE
Aに帰属する860cm-1の吸収度から求める。
ただし、検量線は核磁気共鳴スペクトル(NMR)によ
りEA濃度を求め、IRの860cm-1の吸光度との相関
によって求める。
上記のEA含量(E)と融点との関係式を満足する本発明
のEEAは、本発明者らが上記の厳しい要求を満足させ
るために鋭意検討した結果、高圧ラジカル重合法による
特性の重合条件下で製造されるもので、従来提案されて
いるEEAと構造的にも異なるものである。
すなわち、本発明のEEAは、第1図に示される様に、
EA含量と融点との関係において、式−0.8×E+1
15≧T≧−0.8×E+109の範囲内に存在し、か
つ高度の難燃的性質を保持するためにEA含量を5〜4
0重量%の範囲に限定したものである。一方、従来提案
されているEEAは上記式のT≧−0.8×E+109
線以下に存在する。この理由はまだ明確でないが、特定
の製造条件とエチレン重合体鎖中に導入されるEA基の
分布状態に帰因する。構造的な相違からきたものであ
る。
本発明のb)成分である密度が0.88〜0.97g/cm
3のエチレン−α−オレフィン共重合体とは、エチレン
と炭素数3〜12のα−オレフィンの共重合体で密度が
上記範囲のものである。具体的なα−オレフィンとして
は、プロピレン、ブテン−1,4−メチルペンテン−
1,ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセ
ン−1等を挙げることができる。これらのうち特に好ま
しいのは、プロピレンとブテン−1である。エチレン−
α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン含量は5〜
40モル%であることが好ましい。
以下に、本発明において用いるエチレンとα−オレフィ
ンの共重合体の製造法について説明する。
まず使用する触媒系は、マグネシウムおよびチンタを含
有する固体触媒成分に有機アルミニウム化合物を組み合
わせたものを使用し、 重合反応は通常のチーグラー型触媒によるオレフィンの
重合反応と同様にして行われる。すなわち反応はすべて
実質的に酸素、水等を絶った状態で、気相、または不活
性溶媒の存在下、またはモノマー自体を溶媒として行わ
れる。オレフィンの重合条件は温度は20〜300゜C、
好ましくは40〜200゜Cであり、圧力は常圧ないし7
0Kg/cm2・G、好ましくは2Kg/cm2・Gないし60Kg
/cm2・Gのである。分子量の調節は重合温度、触媒の
モル比等の重合条件を変えることによってもある程度調
節できるが、重合系中に水素を添加することにより効果
的に行われる。もちろん、水素濃度、重合温度等の重合
条件の異なった2段階ないしそれ以上の多段階の重合反
応も何ら支障なく実施できる。
この様にして製造されるエチレン−α−オレフィン共重
合体は、低、中、高密度のエチレン−α−オレフィン共
重合体を包含するもので、密度0.88〜0.97g/
cm3の範囲、特に、密度0.88〜0.94g/cm3の範
囲のもの、すなわち、通常、線状低密度ポリエチレンと
呼ばれているものが、前記a)成分との相溶性や成形加工
性および可撓性等の特性を容易に保持できるという点で
好ましい。
上記b)成分のエチレン−α−オレフィン共重合体のメル
トインデックスは0.05〜50g/10分、好ましく
は0.1〜20g/10分の範囲から選定される。
本発明のc)成分である無機難燃剤としては、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、
塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、ハイドタルサイ
ト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、酸化スズの水
和物、硼砂等の無機金属化合物の水和物、ホウ酸亜鉛、
メタオウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸
マグネシウム−カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリ
ウム、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、酸化ジルコ
ニウム、酸化スズ、酸化アンチモン、赤リン等が挙げら
れる。これらは1種でも2種以上を併用しても良い。こ
の中でも特に、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトから
なる群から選ばれた少なくとも1種が難燃効果が良く、
経済的にも有利である。またこれら難燃剤の粒径は種類
によって異なるが、水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウム等においては平均粒径20μ以下が好ましい。
本発明の組成物はa)エチレン−アクリル酸エチル共重合
体50〜90重量%と、b)密度が0.88〜0.97g
/cm3の範囲にあるエチレン−α−オレフィン共重合体
10〜50重量%とからなる樹脂成分100重量部に、
c)無機難燃剤40〜200重量部を含有してなる耐熱性
にすぐれる難燃性エチレン−アクリル酸エチル共重合体
組成物である。
上記a)成分に対して、b)成分の配合量は10〜50重量
%まで配合することができる。該b)成分が10重量%未
満においては耐熱性の向上が差程望めず、50重量%を
超える場合においては難燃性の相剰効果が低下する。ま
た、無機難燃剤の量は樹脂成分100重量部に対して4
0〜200重量部、好ましくは70〜150重量部の範
囲である。該難燃剤の量が40重量%未満においては難
燃効果が小さく、200重量部を超えると伸びが低下
し、脆くなり、かつ低温特性も悪化する。また本発明で
は無機充填材と難燃剤とを併用することにより、難燃剤
の添加量を減少させることもできるし、他の特性を付与
させることもできる。
本発明で用いられる無機充填材としては、粉粒状、平板
状、鱗片状、針状、球状または中空状および繊維状等が
挙げられ、具体的には、硫酸カルシウム、珪酸カルシウ
ム、クレー、珪藻土、タルク、アルミナ、珪砂、ガラス
粉、酸化鉄、金属粉、グラフアイト、炭化珪素、窒化珪
素、シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、カーボン
ブラックなどの粉粒状充填材、雲母、ガラス板、セリサ
イト、パイロフィライト、アルミフレークなどの金属
泊、黒鉛などの平板状もしくは鱗片状充填材、シラスバ
ルーン、金属バルーン、ガラスバルーン、軽石などの中
空状充填材、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊
維、ウイスカー、金属繊維、シリコンカーバイド繊維、
アスベスト、ウオラストナイトなどの鉱物繊維などの例
を挙げることができる。
これらの添加量は本発明の組成物100重量部に対し
て、100重量部程度まで適用される。
上記添陸量が100重量部を超えると成形品の衝撃強度
等の機械的強度が低下するので好ましくない。
本発明において、前記無機難燃剤もしくは無機充填材を
使用する場合において、該無機材料の表面をステアリン
酸、オレイン酸、パルミチル酸等の脂肪酸またはそれら
の金属塩、パラフィン、ワックス、ポリエチレンワック
スまたはそれらの変性物、有機シラン、有機ボラン、有
機チタネート等で被覆するなどの表面処理を施すことが
好ましい。
本発明の難燃性組成物に、本発明の特徴を損なわない範
囲において、他のオレフィン系重合体は、例えば、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重
合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、本発明の範囲
を除くエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、
プロピレン単独重合体またはプロピレンと他のα−オレ
フィンとの共重合体、あるいはエチレンもしくはプロピ
レン単独重合体またはエチレンもしくはプロピレンを主
成分とする他のα−オレフィンとの共重合体をアクリル
酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸またはその誘導体
で変性した重合体およびそれらの混合物等を添加しても
差支えない。
更に、本発明においては、難燃効果を向上せしめるため
に前記無機難燃剤と、少量のハロゲン系難燃剤またはリ
ン系難燃剤等の有機難燃剤あるいは難燃助剤と併用して
も良い。
また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、銅害防止剤等の各種
安定剤、顔料、架橋剤、架橋助剤、発泡剤、核剤等の通
常の添加剤を添加しても良い。
本発明の組成物は前記脂肪成分と難燃剤、添加剤等をド
ライブレンドして用いるか、バンバリーミキサー、加圧
ニーダー、混練押出機、二軸押出機、ロール等の通例用
いられる混練機により溶融混練し、ペレット化等とし
て、成形品またはマスターバッチ等として供給される。
(実施例) 実施例1〜5および比較例1〜7 a)成分 前述のEA含量(E)と融点(T)との関係式を満足する本発
明のEEAは、チューブラー反応器を用いて、高圧ラジ
カル重合法により、下記の条件、すなわち 1)反応器入口圧力を2500Kg/cm2以上、 2)反応器内での平均反応温度が(TAV)が190゜C<T
AV<230゜Cの範囲で、かつ 3)共単量体であるアクリル酸エチルの導入方法を必ず全
量反応器の入口端より導入すること によっ製造される。
本発明の実施例に用いたEEAは、エチレンと共単量体
であるアクリル酸エチルを反応器入口から供給し、連鎖
移動剤の存在下で、約2800Kg/cm2に圧縮する。次
にこの混合物を加熱ジャケットを備えた管状反応器の1
端から導入し、通常の有機過酸化物を触媒として平均反
応温度が上記範囲内になるようにして、種々反応せしめ
た。反応器内を通過した後に、その共重合体と未反応の
単量体との混合物を適当な調節弁を通して、分離用容器
に取り出し、ここでその重合体を分離し、かつ未反応の
エチレンを再循環させる。このようにして得られた共重
合体を第1表に示した。
(E)エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EA含量=
13重量%、MI=1.4g/10分、融点95゜C) (銘柄:DPDJ6182,日本ユニカー(株)社製) (F)エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EA含量=
19重量%、MI=4.5g/10分82゜C) (銘柄:A702,三井デュポンポリケミカル(株)社
製) b)成分 (G)エチレン−ブテン−1共重合体(密度=0.935
g/cm3,MI=0.8g/10分) (銘柄:日石リニレックスAM1720,日本石油化学
(株)社製) (H)エチレン−ブテン−1共重合体(密度=0.954
g/cm3,MI=0.3g/10分) (銘柄:日石スタフレンE803,日本石油化学(株)
社製) (I)エチレン−ブテン−1共重合体(密度0.922g
/cm3,MI=1.0g/10分) (銘柄:日石リニレックスAF2320,日本石油化学
(株)社製) 上記第1表に示したa)成分である各種EEAおよびb)成
分であるエチレン−α−オレフィン共重合体を所定量配
合した樹脂成分100重量部に難燃剤として、水酸化マ
グネシウム(商品名:キスマ5B,協和化学(株)社製)
所定量を150゜Cにセットしたプラストグラフで溶融混
合したものを試料として、各種の試験を行なった結果を
第2表に示した。
尚、試験法は以下の通りである。
〈試験法〉 1.引張強度 厚さ1m/mのシートから3号ダンベンを打ち抜いた試
験片で、テンシロンを用い、引張速度200mm/分の速
度で測定した。
2.耐熱性(加熱変形率) 厚さ6m/m、直径10m/mの円柱を100゜Cのオイ
ルバス中で、荷重2.64Kgで加圧し、30分後の変形
率を求めた。
3.酸素指数 (O.I)…D.2863−A.S.T.M 試料の燃焼時間が3分以上継続して燃焼するか、燃焼長
さが50m/m以上燃え続けるに必要な最低の酸素濃
度。
a)成分のEA含量(E)と融点(T)との関係式との関係で試
験結果をみとる次のことがわかる。
用いたa)成分の上記関係式を満足する範囲と実際の融点
を対比すると第3表のとおりである。
(E)及び(F)が関係式を満足せず、それらを用いた比較例
5及び6は対応する実施例(特に実施例1)に比し引張
強度、加熱変形率が劣ることがわかる。
(発明の作用効果) 上述の様に、本発明の難燃性組成物は、特定のEEAを
主成分とし、線状低密度ポリエチレン等を用いているの
で、難燃剤との難燃性の相剰効果を有しているのみなら
ず、可撓性を失なわずに、難燃剤、無機充填材等の充填
率を高めることができることから、耐熱性および難燃性
をより向上せしめることが可能であり、燃焼時に有害ガ
スの発生がなく、低煙性で、無公害型の難燃性組成物と
なるので、高度に難燃化することが要求されている昨今
のニーズと合致するものとなる。
また、本発明の組成物は耐熱性に富み、かつ電気的特性
にもすぐれるため、架橋されて、あるいは架橋されず
に、電線、ケーブル等の電気絶縁材、外被材等の電気材
料として用いることができる。特に、腐食性ガス量を規
定している原子力研究所を初めとした各種発電プラント
用ケーブル、化学、鉄鋼、石油等のプラント用ケーブ
ル、耐火電線や一般屋内配線等の高度の難燃性を要求さ
れる場所で好適に使用される。
また、フィルム、シート、パイプ等の押出成形品あるい
は射出成形品等の成形用途向けや、マスターバッチ等と
して利用され、繊維、電気、電子、自動車、船舶、航空
機、土木建築等の諸分野で、バネル、包装梱包資材、家
具、家庭用品等として活用される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明で用いられるエチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体の範囲を示す線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−31871(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)エチレン−アクリル酸エチル共重合体5
    0〜90重量%と、b)密度が0.88〜0.97g/cm3の範囲
    にあるエチレン−α−オレフィン共重合体10〜50重
    量%とからなる樹脂成分100重量部に、c)無機難燃剤
    40〜200重量部を含有してなる組成物であって、 前記エチレン−アクリル酸エチル共重合体が、 チューブラー反応器を用いて、高圧ラジカル重合法によ
    り、下記の条件、すなわち 1)反応器入口圧力を2500kg/cm2以上、 2)反応器内での平均反応温度(TAV)が190℃<TAV
    <230℃の範囲で、かつ 3)共単量体であるアクリル酸エチルの導入方法を必ず全
    量反応器の入口端より導入すること によって製造されたものであって、イ )メルトインデックスが0.1〜10g/10分ロ )アクリル酸エチル含量が5〜40重量%の範囲で、か
    つハ )アクリル酸エチルの含量(重量%)(E)と、融点
    (℃)(T)の関係が下記式 −0.8×E+115≧T≧−0.8×E+109 を満足するものである耐熱性にすぐれる難燃性エチレン
    −アクリル酸エチル共重合体組成物。
  2. 【請求項2】前記無機難燃剤が無機金属化合物の水和物
    である特許請求の範囲第1項に記載の耐熱性にすぐれる
    難燃性エチレン−アクリル酸エチル共重合体組成物。
  3. 【請求項3】前記無機金属化合物の水和物が、水酸化ア
    ルミニウムまたは水酸化マグネシウムである特許請求の
    範囲第2項に記載の耐熱性にすぐれる難燃性エチレン−
    アクリル酸エチル共重合体組成物。
  4. 【請求項4】前記b)成分が密度0.88〜0.94g/cm3のエ
    チレン−α−オレフィン共重合体である特許請求の範囲
    第1項〜第3項のいずれかに記載の耐熱性にすぐれる難
    燃性エチレン−アクリル酸エチル共重合体組成物。
JP60127090A 1985-06-13 1985-06-13 耐熱性にすぐれる難燃性エチレン−アクリル酸エチル共重合体組成物 Expired - Lifetime JPH064730B2 (ja)

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