JPH0618938B2 - 電線・ケーブル被覆材 - Google Patents
電線・ケーブル被覆材Info
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- JPH0618938B2 JPH0618938B2 JP60149948A JP14994885A JPH0618938B2 JP H0618938 B2 JPH0618938 B2 JP H0618938B2 JP 60149948 A JP60149948 A JP 60149948A JP 14994885 A JP14994885 A JP 14994885A JP H0618938 B2 JPH0618938 B2 JP H0618938B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はエチレン−アクリル酸エチル共重合体および高
密度ポリエチレンを基体とする機械的強度および電気的
特性がすぐれ、かつ耐摩耗性、高速成形性の改善された
難燃性電気材料用組成物に関する。
密度ポリエチレンを基体とする機械的強度および電気的
特性がすぐれ、かつ耐摩耗性、高速成形性の改善された
難燃性電気材料用組成物に関する。
〈従来技術〉 ポリオレフィン樹脂は機械的強度、電気特性、耐薬品性
にすぐれ、押出加工が容易なことより、電線の絶縁、ケ
ーブルの外被、その他の用途に適していることはよく知
られているところである。
にすぐれ、押出加工が容易なことより、電線の絶縁、ケ
ーブルの外被、その他の用途に適していることはよく知
られているところである。
しかしながら、ポリオレフィン樹脂は易燃性であり、上
記用途において、難燃化が必要とされている。
記用途において、難燃化が必要とされている。
従来から、ポリオレフィン樹脂を難燃化する目的で各種
の難燃剤を配合する方法が提案されている。その中で、
最も一般的にはハロゲン系難燃剤または該ハロゲン系難
燃剤と酸化アンチモンとの併用配合が用いられている。
この系は少量の配合で高い難燃効果を有し、かつ機械的
強度、電気特性の低下度合も小さい利点がある。しかし
ながら、この系は燃焼時に多量の煙や毒性のハロゲンガ
スが発生し、人体に有害であるばかりでなく、その腐食
性故に、周辺の機器類等をも腐食するという問題点を有
している。
の難燃剤を配合する方法が提案されている。その中で、
最も一般的にはハロゲン系難燃剤または該ハロゲン系難
燃剤と酸化アンチモンとの併用配合が用いられている。
この系は少量の配合で高い難燃効果を有し、かつ機械的
強度、電気特性の低下度合も小さい利点がある。しかし
ながら、この系は燃焼時に多量の煙や毒性のハロゲンガ
スが発生し、人体に有害であるばかりでなく、その腐食
性故に、周辺の機器類等をも腐食するという問題点を有
している。
一方、燃焼時に有害ガスの発生がなく、低煙性の難燃剤
として、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなど
の無機金属化合物の水和物が有効であることはよく知ら
れている。
として、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなど
の無機金属化合物の水和物が有効であることはよく知ら
れている。
しかしながら、上記無機難燃剤をポリオレフィン樹脂に
配合する場合、ポリオレフィン樹脂として、例えば、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体に対しては高い難燃性を与
えるものの、電気特性、耐熱性、低温特性が悪いという
問題点を有している。一方、電気特性にすぐれるポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体などと上記無機難燃剤の配合系は難燃性に乏しいとい
う欠点を有している。
配合する場合、ポリオレフィン樹脂として、例えば、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体に対しては高い難燃性を与
えるものの、電気特性、耐熱性、低温特性が悪いという
問題点を有している。一方、電気特性にすぐれるポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体などと上記無機難燃剤の配合系は難燃性に乏しいとい
う欠点を有している。
一方、エチレン−アクリル酸エチル共重合体と上記無機
難燃剤の配合系は高い難燃性とすぐれた電気特性、耐熱
性、低温特性を有することはよく知られており、今日、
急速に需要を高めつつある。
難燃剤の配合系は高い難燃性とすぐれた電気特性、耐熱
性、低温特性を有することはよく知られており、今日、
急速に需要を高めつつある。
(例えば、特開昭51−132254号、同56−13
682号、同60−13832号などがある。) しかしながら、通信ケーブルの絶縁等、被覆厚みが薄く
て、かつ高速押出加工を行なう分野に前記組成物を適用
しようとする場合においては被覆外観の滑らかなものは
得られず、また耐摩耗性の低下度合も著しいという問題
を有しており、それらの改善が望まれている。
682号、同60−13832号などがある。) しかしながら、通信ケーブルの絶縁等、被覆厚みが薄く
て、かつ高速押出加工を行なう分野に前記組成物を適用
しようとする場合においては被覆外観の滑らかなものは
得られず、また耐摩耗性の低下度合も著しいという問題
を有しており、それらの改善が望まれている。
〈発明が解決しようとする問題点〉 本発明は上記の点に鑑み、鋭意検討した結果、難燃性、
電気特性、機械的強度、耐摩耗性、高速加工性が特にす
ぐれ、低煙性で無公害型の難燃性電線・ケーブル被覆材
を提供するものである。
電気特性、機械的強度、耐摩耗性、高速加工性が特にす
ぐれ、低煙性で無公害型の難燃性電線・ケーブル被覆材
を提供するものである。
〈問題点を解決する手段〉 本発明は、a)メルトインデックスが0.2〜5g/10
分、アクリル酸エチル含量が5〜20重量%の範囲にあ
るエチレン−アクリル酸エチル共重合体70〜97重量
%および b)メルトインデックスが2g/10分以下、密度0.950
〜0.97g/cm3の範囲で、かつメルトインデックス(M
I)と190℃における溶融張力(MT)が次式 MT≧6.0×MI−0.314を満足するエチレン−α
−オレフィン共重合体3〜30重量% からなる樹脂成分100重量部に、 c)無機難燃剤40〜150重量部 を含有してなる高速成形性にすぐれる難燃性電線・ケー
ブル被覆材を提供するものである。本発明において電線
・ケーブル被覆材とは電線、ケーブルの被覆絶縁層又は
外被層を形成するための材料を意味する。
分、アクリル酸エチル含量が5〜20重量%の範囲にあ
るエチレン−アクリル酸エチル共重合体70〜97重量
%および b)メルトインデックスが2g/10分以下、密度0.950
〜0.97g/cm3の範囲で、かつメルトインデックス(M
I)と190℃における溶融張力(MT)が次式 MT≧6.0×MI−0.314を満足するエチレン−α
−オレフィン共重合体3〜30重量% からなる樹脂成分100重量部に、 c)無機難燃剤40〜150重量部 を含有してなる高速成形性にすぐれる難燃性電線・ケー
ブル被覆材を提供するものである。本発明において電線
・ケーブル被覆材とは電線、ケーブルの被覆絶縁層又は
外被層を形成するための材料を意味する。
本発明のa)成分であるエチレン−アクリル酸エチル共重
合体(以下単にEEAと略す)は、アクリル酸エチル
(以下単にEAと略す)含量が5〜20重量%の範囲
で、かつメルトインデックス(以下単にMIと略す)が
0.2〜5g/10分の範囲である必要がある。
合体(以下単にEEAと略す)は、アクリル酸エチル
(以下単にEAと略す)含量が5〜20重量%の範囲
で、かつメルトインデックス(以下単にMIと略す)が
0.2〜5g/10分の範囲である必要がある。
上記MIが0.2g/10分未満では押出加工が困難であ
り、5g/10分を越えると機械的強度が低下するもの
で、特に好ましくは0.5〜2g/10分の範囲のもので
ある。
り、5g/10分を越えると機械的強度が低下するもの
で、特に好ましくは0.5〜2g/10分の範囲のもので
ある。
また、EA含量が5重量%未満においては、後述する無
機難燃剤を、難燃化するに充分な量を配合した場合に、
機械的強度が大幅に低下するばかりでなく、耐摩耗性も
悪くなる。一方、EA含量が20重量%を越える場合は
樹脂が柔くなり、耐摩耗性が劣るものとなる。以上の点
から特に好ましいEA含量は10〜17重量%の範囲に
ある。
機難燃剤を、難燃化するに充分な量を配合した場合に、
機械的強度が大幅に低下するばかりでなく、耐摩耗性も
悪くなる。一方、EA含量が20重量%を越える場合は
樹脂が柔くなり、耐摩耗性が劣るものとなる。以上の点
から特に好ましいEA含量は10〜17重量%の範囲に
ある。
本発明のb)成分であるエチレン−α−オレフィン共重合
体を配合する目的は高速成形時のケーブルの平滑性およ
び完成ケーブルの耐摩耗性の改良にある。
体を配合する目的は高速成形時のケーブルの平滑性およ
び完成ケーブルの耐摩耗性の改良にある。
上記エチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチ
レンと炭素数3〜12のα−オレフィン共重合体および
それらの混合物で、具体的なα−オレフィンとしては、
プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘ
キセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1
等を挙げることができる。これらのうち特に好ましいも
のは、プロピレンとブテン−1である。
レンと炭素数3〜12のα−オレフィン共重合体および
それらの混合物で、具体的なα−オレフィンとしては、
プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘ
キセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1
等を挙げることができる。これらのうち特に好ましいも
のは、プロピレンとブテン−1である。
該α−オレフィンの含有量は好ましくは2モル%以下で
ある。
ある。
その密度は0.950g/cm3〜0.97g/cm3の範囲、MIが
2.0g/10分以下、好ましくは0.01g/10分〜1.8g
/10分であり、かつMIと190℃における溶融張力
(MT)が次式MT≧6.0MI−0.314を満足す
る、特定範囲のものであることが必要である。
2.0g/10分以下、好ましくは0.01g/10分〜1.8g
/10分であり、かつMIと190℃における溶融張力
(MT)が次式MT≧6.0MI−0.314を満足す
る、特定範囲のものであることが必要である。
上記の密度が0.950g/cm2未満では充分な耐摩耗性の改
良効果が得られず、0.97g/cm3を越えるものは工業的
に製造することが難しく、またMIが2g/10分を越
える場合には機械的強度の低下度合が大きくなるためで
ある。
良効果が得られず、0.97g/cm3を越えるものは工業的
に製造することが難しく、またMIが2g/10分を越
える場合には機械的強度の低下度合が大きくなるためで
ある。
さらに、本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の
MIと190℃における溶融張力(MT)との関係すな
わち、第1図に示されるような範囲MT≧6.0MI
−0.314を満足することによって、はじめて高速成
形加工時の被覆外観が平滑なものが得られるものであ
る。
MIと190℃における溶融張力(MT)との関係すな
わち、第1図に示されるような範囲MT≧6.0MI
−0.314を満足することによって、はじめて高速成
形加工時の被覆外観が平滑なものが得られるものであ
る。
尚、前記EA含量および溶融張力は以下のようにして測
定した。
定した。
EA含量;赤外吸スペクトル(IR:日本分光(株)
製)によりEAに帰属する860cm-1の吸光度から求め
た。ただし、検量線は核磁気共鳴スペクトル(NMR:
日本電子(株)製)によりEA濃度を求め、IRの86
0cm-1の吸光度との相関によって求めた。
製)によりEAに帰属する860cm-1の吸光度から求め
た。ただし、検量線は核磁気共鳴スペクトル(NMR:
日本電子(株)製)によりEA濃度を求め、IRの86
0cm-1の吸光度との相関によって求めた。
溶融張力;メルトテンションテスター((株)東洋精機
製作所製)により、190℃でL/D=8.0mm/2.095mm
のオリフィスを用い、押出速度20mm/分、ロール系5
0mmφのロールで引取速成100rpmの条件下で求め
た。
製作所製)により、190℃でL/D=8.0mm/2.095mm
のオリフィスを用い、押出速度20mm/分、ロール系5
0mmφのロールで引取速成100rpmの条件下で求め
た。
本発明のc)成分である無機難燃剤としては、水酸化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、
塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサ
イト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、酸化スズの
水和物、硼砂等の無機金属化合物の水和物、ホウ酸亜
鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、三塩基性硫
酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、炭酸亜
鉛、炭酸マグネシウム−カルシウム、炭酸カルシウム、
炭酸バリウム、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、酸
化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アンチモン、赤リン等
が挙げられ、これらの中の少なくとも1種が用いられ
る。この中でも特に、水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウムが難燃効果や経済的に有利である。またこれら
の難燃剤の粒径は種類によって異なるが、水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム等においては平均粒径20
μm以下が好ましい。
ミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、
塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサ
イト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、酸化スズの
水和物、硼砂等の無機金属化合物の水和物、ホウ酸亜
鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、三塩基性硫
酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、炭酸亜
鉛、炭酸マグネシウム−カルシウム、炭酸カルシウム、
炭酸バリウム、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、酸
化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アンチモン、赤リン等
が挙げられ、これらの中の少なくとも1種が用いられ
る。この中でも特に、水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウムが難燃効果や経済的に有利である。またこれら
の難燃剤の粒径は種類によって異なるが、水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム等においては平均粒径20
μm以下が好ましい。
上記無機難燃剤の量はポリオレフィン樹脂100重量部
に対して、40〜150重量部、好ましくは70〜12
0重量部の範囲である。該難燃剤の量が40重量部未満
においては、難燃効果が小さく、150重量部を越える
と機械的強度や伸びが低下し、耐摩耗性も悪化する。
に対して、40〜150重量部、好ましくは70〜12
0重量部の範囲である。該難燃剤の量が40重量部未満
においては、難燃効果が小さく、150重量部を越える
と機械的強度や伸びが低下し、耐摩耗性も悪化する。
また、上記無機難燃剤の他に、クレー、シリカ、タルク
等の一般的な無機充填剤を併用しても何らさしつかえな
い。
等の一般的な無機充填剤を併用しても何らさしつかえな
い。
さらに、該無機難燃剤の表面をステアリン酸、オレイン
酸、パルチミン酸等の脂肪酸またはそれらの金属塩、ワ
ックス、有機シラン、有機ボラン、有機チタネート等で
被覆するなどの表面処理を施すことが好ましい。
酸、パルチミン酸等の脂肪酸またはそれらの金属塩、ワ
ックス、有機シラン、有機ボラン、有機チタネート等で
被覆するなどの表面処理を施すことが好ましい。
本発明の難燃性電気絶縁組成物に、本発明の特性を損な
わない範囲において、他のオレフィン系重合体、例え
ば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、高密
度および低密度のエチレン単独重合体、本発明の範囲を
除くエチレンとプロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン
−1、デセン−1等の炭素3〜12のα−オレフィンと
の共重合体、プロピレン単独重合体またはプロピレンと
他のα−オレフィンとの共重合体等を添加しても何ら差
しつかえない。
わない範囲において、他のオレフィン系重合体、例え
ば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、高密
度および低密度のエチレン単独重合体、本発明の範囲を
除くエチレンとプロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン
−1、デセン−1等の炭素3〜12のα−オレフィンと
の共重合体、プロピレン単独重合体またはプロピレンと
他のα−オレフィンとの共重合体等を添加しても何ら差
しつかえない。
さらに、本発明においては難燃効果を向上せしめるため
に前記無機難燃剤と少量のハロゲン系難燃剤またはリン
系難燃剤等の有機難燃剤と併用しても良い。
に前記無機難燃剤と少量のハロゲン系難燃剤またはリン
系難燃剤等の有機難燃剤と併用しても良い。
また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、銅害防止剤等の各種
安定剤、顔料、架橋剤、架橋助剤、発泡剤、核剤等の通
常の添加剤を添加しても良い。
安定剤、顔料、架橋剤、架橋助剤、発泡剤、核剤等の通
常の添加剤を添加しても良い。
実施例 上記a)成分、およびb)成分を用いて、無機難燃剤として
水酸化マグネシウム(商品名:キスマ5B、協和化学
(株)社製)の場合においては、各配合成分をヘンシエ
ルミキサー((株)三井、三池製作所製)で混合し、混
和物を2軸押出機(プラスチック工学研究所(株)社
製:30mmφ押出機L/D=30、設定温度180℃、ス
クリュー回転数200rpm)でペレットとした後、高速
電線被覆機(日本製鋼所(株)社製:65mmφ押出機、
L/D=26、設定温度230℃、スクリュー回転数33r
pm、芯線予熱120℃、被覆速度1000m/分)で電
線形状(導体0.5mmφ、軟銅単線、仕上外径0.86mm
φ、)に成形し、ケーブル物性を評価した結果を第1表
に示した。また、他の物性評価は上記ペレットを用いて
試験片を作成し評価した結果を同様に第1表に示した。
水酸化マグネシウム(商品名:キスマ5B、協和化学
(株)社製)の場合においては、各配合成分をヘンシエ
ルミキサー((株)三井、三池製作所製)で混合し、混
和物を2軸押出機(プラスチック工学研究所(株)社
製:30mmφ押出機L/D=30、設定温度180℃、ス
クリュー回転数200rpm)でペレットとした後、高速
電線被覆機(日本製鋼所(株)社製:65mmφ押出機、
L/D=26、設定温度230℃、スクリュー回転数33r
pm、芯線予熱120℃、被覆速度1000m/分)で電
線形状(導体0.5mmφ、軟銅単線、仕上外径0.86mm
φ、)に成形し、ケーブル物性を評価した結果を第1表
に示した。また、他の物性評価は上記ペレットを用いて
試験片を作成し評価した結果を同様に第1表に示した。
また無機難燃剤が水酸化アルミニウム(商品名:ハイジ
ライト42STV、昭和軽金属(株)社製)の場合にお
いてはペレット化の際の2軸押出機の設定温度を150
℃とし、高速電線被覆機の設定温度を150℃として上
記と同様にして電線被覆し、電気特性および他の物性を
評価した。
ライト42STV、昭和軽金属(株)社製)の場合にお
いてはペレット化の際の2軸押出機の設定温度を150
℃とし、高速電線被覆機の設定温度を150℃として上
記と同様にして電線被覆し、電気特性および他の物性を
評価した。
尚、各試験法は以下の通りである。
1.引張強度および伸び 前記の配合ペレットを用いて、160℃のオーブンロー
ルでロール練り後、熱プレス成形機で1辺が150mm、
厚さ1mmの正方形のシートからJIS 6301 3号ダン
ベルを打ち抜いた試験片で、引張試験機((株)東洋ボ
ールドウイン製)を用い引張速度200mm/分で測定し
た。
ルでロール練り後、熱プレス成形機で1辺が150mm、
厚さ1mmの正方形のシートからJIS 6301 3号ダン
ベルを打ち抜いた試験片で、引張試験機((株)東洋ボ
ールドウイン製)を用い引張速度200mm/分で測定し
た。
2.酸素指数 前記の配合ペレットを用い、160℃のオープンロール
でロール練り後、熱プレス成形機で1辺が150mm、厚
さ1mmの正方形のシートを作成し、ASTM D286
3に規定される方法により測定した。
でロール練り後、熱プレス成形機で1辺が150mm、厚
さ1mmの正方形のシートを作成し、ASTM D286
3に規定される方法により測定した。
3.誘電率および誘電正接 上記と同様の方法で厚さ1mmのシートを作成し、JIS
K6760に規定される方法(ただし、測定周波数1
MHz、測定温度23℃)により測定した。
K6760に規定される方法(ただし、測定周波数1
MHz、測定温度23℃)により測定した。
4.体積固有抵抗 上記と同様の方法で厚さ1mmのシートを作成し、AST
M D−257に規定される方法により測定した。
M D−257に規定される方法により測定した。
5.表面粗さ(高速成形性) 前記で得た電線被覆物の表面粗れを万能表面形状測定器
((株)小坂研究所製)により、走査距離4mm、走査速
度2mm/秒で測定した。
((株)小坂研究所製)により、走査距離4mm、走査速
度2mm/秒で測定した。
6.摩耗性 前記で得た電線被覆物をネマ式摩耗試験器((株)東洋
精機製作所製)を用い、直径4mmφの摩耗棒、荷重30
0gの条件で摩耗し、摩耗棒が導体に到達するまでの回
数を求めた。
精機製作所製)を用い、直径4mmφの摩耗棒、荷重30
0gの条件で摩耗し、摩耗棒が導体に到達するまでの回
数を求めた。
実施例1〜3および比較例1〜2 a)成分とし、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂
(A)およびb)成分として、エチレン−α−オレフィン共
重合体(F)を用いて、c)成分の無機難燃剤(水酸化マグ
ネシウム:以下Mg(OH)2と略す)の添加量の影響を
観察した。
(A)およびb)成分として、エチレン−α−オレフィン共
重合体(F)を用いて、c)成分の無機難燃剤(水酸化マグ
ネシウム:以下Mg(OH)2と略す)の添加量の影響を
観察した。
その結果、無機難燃剤の添加量が本発明の範囲より少な
い場合においては、酸素指数が小さく、難燃性に乏しい
ものとなり、過剰の場合においては、引張強度、伸び等
の機械的強度が低下し、耐摩耗性も劣るものとなる。
い場合においては、酸素指数が小さく、難燃性に乏しい
ものとなり、過剰の場合においては、引張強度、伸び等
の機械的強度が低下し、耐摩耗性も劣るものとなる。
実施例4〜5および比較例3〜4 a)成分の各種EEA樹脂(B、C、D、E)および実施
例1で用いたエチレン−α−オレフィン共重合体(F)を
用いて、EA含量およびMIの影響を観察した。
例1で用いたエチレン−α−オレフィン共重合体(F)を
用いて、EA含量およびMIの影響を観察した。
その結果、EA含量およびMIが本発明の範囲より少な
い場合においては、引張強度、伸びが小さく、かつ酸素
指数も小さいものとなる。一方、EA含量およびMIが
本発明の範囲を超える場合においては、引張強度、伸び
が小さく、耐摩耗性も劣るものとなる。
い場合においては、引張強度、伸びが小さく、かつ酸素
指数も小さいものとなる。一方、EA含量およびMIが
本発明の範囲を超える場合においては、引張強度、伸び
が小さく、耐摩耗性も劣るものとなる。
実施例6〜7および比較例5〜7 a)成分として、(A)のEEA樹脂を用い、b)成分とし
て、(F)のエチレン−α−オレフィン共重合体を用いて
b)成分の添加量の影響を観察した。
て、(F)のエチレン−α−オレフィン共重合体を用いて
b)成分の添加量の影響を観察した。
その結果、b)成分が未添加の場合においてはケーブルの
表面粗さおよび耐摩耗性が劣るものとなり、2重量部を
添加しても若干ケーブル物性が向上するものの、改良効
果は乏しく不満足な結果であった。
表面粗さおよび耐摩耗性が劣るものとなり、2重量部を
添加しても若干ケーブル物性が向上するものの、改良効
果は乏しく不満足な結果であった。
一方、b)成分を本発明の範囲を超えて、過剰に添加する
と、引張強度、伸び等の機械的強度の劣るものとなる。
と、引張強度、伸び等の機械的強度の劣るものとなる。
実施例8〜9および比較例8〜9 a)成分として、(A)のEEA樹脂を用い、b)成分とし
て、各種のエチレン−α−オレフィン共重合体(G、
H、I、J)を用いて、b)成分のMTおよびMIの影響
を観察した。
て、各種のエチレン−α−オレフィン共重合体(G、
H、I、J)を用いて、b)成分のMTおよびMIの影響
を観察した。
その結果、本発明の範囲を外れる場合においてはいずれ
もケーブルの表面粗さが大きくなり、実用に供せないも
のとなる。特にMTが小さいものは引張強度、伸びとも
に劣るものとなる。
もケーブルの表面粗さが大きくなり、実用に供せないも
のとなる。特にMTが小さいものは引張強度、伸びとも
に劣るものとなる。
比較例10 比較例10はエチレン−α−オレフィン共重合体の密度
を本発明の範囲から外れたもので、耐摩耗性が劣るもの
となる。
を本発明の範囲から外れたもので、耐摩耗性が劣るもの
となる。
実施例10および比較例11〜12 実施例2の難燃剤を水酸化マグネシウムから水酸化アル
ミニウム(以下、Al(OH)3と略す)に代えた以外
は実施例2と同様に評価した。
ミニウム(以下、Al(OH)3と略す)に代えた以外
は実施例2と同様に評価した。
また、a)成分のEEA樹脂(A)の代わりにエチレン−酢
酸ビニル共重合体樹脂(L)を用いて、b)成分を添加しな
いで、比較例5と同様に評価した結果(比較例11)お
よび、b)成分を実施例10と同様に添加し、評価した結
果(比較例12)を第1表に示した。
酸ビニル共重合体樹脂(L)を用いて、b)成分を添加しな
いで、比較例5と同様に評価した結果(比較例11)お
よび、b)成分を実施例10と同様に添加し、評価した結
果(比較例12)を第1表に示した。
その結果、EVA樹脂は体積固有抵抗が小さく、電気的
特性に劣るものであった。また、b)成分を添加しない場
合においては、ケーブルの表面粗さ、耐摩耗性に劣るも
のであった。
特性に劣るものであった。また、b)成分を添加しない場
合においては、ケーブルの表面粗さ、耐摩耗性に劣るも
のであった。
以上、上述のように、本発明の特定範囲からなるEEA
樹脂およびエチレン−α−オレフィン共重合体からなる
組成物は、機械的強度、電気的特性およびケーブル物性
をバランス良く、改良することができる。
樹脂およびエチレン−α−オレフィン共重合体からなる
組成物は、機械的強度、電気的特性およびケーブル物性
をバランス良く、改良することができる。
〈発明の作用効果〉 上述のように、本発明の難燃性電線・ケーブル被覆材
は、特定のMIおよびEA含量のEEA樹脂および高密
度で、特定MIの範囲で、かつMIとMTとの特別の関
係式を満足するエチレン−α−オレフィン共重合体から
なる樹脂成分と基体とするので、機械的強度、電気的特
性や、高速成形性(ケーブルの表面粗さでもって表わし
ている)および耐摩耗性にすぐれるものとなる。
は、特定のMIおよびEA含量のEEA樹脂および高密
度で、特定MIの範囲で、かつMIとMTとの特別の関
係式を満足するエチレン−α−オレフィン共重合体から
なる樹脂成分と基体とするので、機械的強度、電気的特
性や、高速成形性(ケーブルの表面粗さでもって表わし
ている)および耐摩耗性にすぐれるものとなる。
また、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無
機難燃剤を使用することにより、燃焼時に有害ガスの発
生がなく、低煙性で無公害型の難燃性組成物となり、高
度に難燃化することが要求されている昨今のニーズと合
致するものとなる。
機難燃剤を使用することにより、燃焼時に有害ガスの発
生がなく、低煙性で無公害型の難燃性組成物となり、高
度に難燃化することが要求されている昨今のニーズと合
致するものとなる。
本発明の組成物は種々の電気的特性にすぐれていること
から、架橋されて、あるいは架橋されずに、電線、通信
ケーブル等の電気絶縁材、外被材の電気絶縁層又は外被
層として用いられる。特に、腐食ガス量を規定している
原子力発電所を初めとした各種発電プラント用ケーブ
ル、耐火電線や一般家屋内配線等の高度の難燃性を要す
る場所で好適に使用される。
から、架橋されて、あるいは架橋されずに、電線、通信
ケーブル等の電気絶縁材、外被材の電気絶縁層又は外被
層として用いられる。特に、腐食ガス量を規定している
原子力発電所を初めとした各種発電プラント用ケーブ
ル、耐火電線や一般家屋内配線等の高度の難燃性を要す
る場所で好適に使用される。
図は本発明で用いるエチレン−α−オレフィン共重合体
のメルトインデックス(MI)と溶融張力(MT)との
関係を示す線図である。
のメルトインデックス(MI)と溶融張力(MT)との
関係を示す線図である。
Claims (2)
- 【請求項1】a)メルトインデックスが0.2〜5g/10
分、アクリル酸エチル含量が5〜20重量%の範囲にあ
るエチレン−アクリル酸エチル共重合体70〜97重量
%と b)メルトインデックスが2g/10分以下、密度0.950
〜0.97g/cm3の範囲で、かつメルトインデックス(M
I)と190℃における溶融張力(MT)が次式 MT≧6.0×MI−0.314を満足するエチレン−α
−オレフィン共重合体3〜30重量% からなる樹脂成分100重量部に、 c)無機難燃剤40〜150重量部 を含有してなる高速成形性にすぐれる難燃性電線・ケー
ブル被覆材。 - 【請求項2】前記無機難燃剤が水酸化マグネシウムまた
は水酸化アルミニウムである特許請求の範囲第1項記載
の高速加工性にすぐれる難燃性電線・ケーブル被覆材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60149948A JPH0618938B2 (ja) | 1985-07-10 | 1985-07-10 | 電線・ケーブル被覆材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60149948A JPH0618938B2 (ja) | 1985-07-10 | 1985-07-10 | 電線・ケーブル被覆材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6211746A JPS6211746A (ja) | 1987-01-20 |
JPH0618938B2 true JPH0618938B2 (ja) | 1994-03-16 |
Family
ID=15486080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60149948A Expired - Fee Related JPH0618938B2 (ja) | 1985-07-10 | 1985-07-10 | 電線・ケーブル被覆材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0618938B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01243309A (ja) * | 1988-03-24 | 1989-09-28 | Hitachi Cable Ltd | 難燃性電線・ケーブル |
EP3423519B1 (en) * | 2016-02-29 | 2023-09-13 | Dow Global Technologies LLC | Halogen-free flame retardant compositions with improved tensile properties |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5531871A (en) * | 1978-08-29 | 1980-03-06 | Furukawa Electric Co Ltd:The | Polyethylene resin composition filled with large amount of inorganic material |
JPH064730B2 (ja) * | 1985-06-13 | 1994-01-19 | 日本石油化学株式会社 | 耐熱性にすぐれる難燃性エチレン−アクリル酸エチル共重合体組成物 |
-
1985
- 1985-07-10 JP JP60149948A patent/JPH0618938B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6211746A (ja) | 1987-01-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |