JP2003123548A - 平形ケーブル - Google Patents

平形ケーブル

Info

Publication number
JP2003123548A
JP2003123548A JP2001320015A JP2001320015A JP2003123548A JP 2003123548 A JP2003123548 A JP 2003123548A JP 2001320015 A JP2001320015 A JP 2001320015A JP 2001320015 A JP2001320015 A JP 2001320015A JP 2003123548 A JP2003123548 A JP 2003123548A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
flat cable
weight
insulating
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001320015A
Other languages
English (en)
Inventor
Nozomi Fujita
望 藤田
Kazuyuki Ogura
和幸 小倉
Masayoshi Nakai
正佳 中井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Cable Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Cable Industries Ltd
Priority to JP2001320015A priority Critical patent/JP2003123548A/ja
Publication of JP2003123548A publication Critical patent/JP2003123548A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Insulated Conductors (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、従来と同等以上の難燃性、柔軟性お
よび自重を有し、廃棄燃焼時にダイオキシンや塩化水素
ガスなどの有毒ガスを発生させない平形ケーブルであっ
て、自由曲げ径が小さい平形ケーブルを提供することを
課題とした。 【解決手段】導体の外周にハロゲンを含まないベースポ
リマーに金属水酸化物および膨潤性粘土鉱物を含有して
なる難燃性樹脂組成物を絶縁層として被覆して絶縁電線
とし、該絶縁電線を単線および、または複数本撚って絶
縁撚線とし、引続き、前記絶縁電線の単線および、また
は絶縁撚線を複数本並列に並べて、ハロゲンを含まない
ベースポリマーに金属水酸化物および膨潤性粘土鉱物を
含有してなる難燃性樹脂組成物をシース層として一括被
覆してなる平形ケーブルにおいて、前記シース層中およ
び、または前記絶縁撚線中に重量調整材が配置されてい
ることを特徴とする平形ケーブルで解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、ハロゲンを含まない難燃性樹脂
組成物を絶縁層およびシース層に使用した平形ケーブル
に関するものであり、特にエレベーターケーブルに使用
される平形ケーブルに関するものである。
【産業上の利用分野】
【0002】
【従来の技術】従来、平形ケーブルには、シース層に難
燃性と柔軟性の点からクロロプレンもしくはポリ塩化ビ
ニル(以下:PVC)が使用されてきた。しかしこれら
材料を使用した平形ケーブルは、廃棄焼却時にダイオキ
シンや塩化水素ガスなどの有毒ガスを発生させるため、
廃棄焼却してもダイオキシンや塩化水素ガスなどの有毒
ガスを発生させないシース層や絶縁層が開発されてき
た。
【0003】例えば、ハロゲンを含まないポリオレフィ
ン樹脂に金属水酸化物を添加した難燃性樹脂組成物が開
発されたが、従来のクロロプレンもしくはPVCが使用
されてきた平形ケーブルと同等の難燃性を有するには、
金属水酸化物を多量に含有させなければならなかった。
その結果、絶縁層およびシース層に使われている難燃性
樹脂組成物の比重がPVCやクロロプレンよりも小さく
なるため、PVCとの比重分離による分別回収が可能と
なった。しかし、従来のPVCと比べて軽いため平形ケ
ーブルとした場合、柔軟性を有していても軽量であるた
め、自由曲げ半径が大きくなってしまうといった問題が
あった。特にエレベータケーブルのような、布設スペー
スが限られている箇所への布設では軽量であるために、
エレベータホール内の風やエレベータ運転時の揺れに対
して揺れやすくなるために、エレベータホール側壁に接
触しケーブルを損傷する恐れがあった。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】本発明は、上記した問
題を解決することを課題とし、従来と同等以上の難燃
性、柔軟性および密度を有し、廃棄燃焼時にダイオキシ
ンや塩化水素ガスなどの有毒ガスを発生させない難燃性
樹脂組成物からなる絶縁層およびシース層からなる平形
ケーブルであって、自由曲げ径が小さい平形ケーブルを
提供することを課題とした。
【0005】
【課題を解決させるための手段】上記課題は、 (1)導体の外周にハロゲンを含まない難燃性樹脂組成
物を絶縁層として被覆して絶縁電線とし、該絶縁電線を
単線および、または複数本撚って絶縁電線撚線とし、引
続き、前記絶縁電線の単線および、または絶縁電線撚線
を複数本並列に並べて、ハロゲンを含まない難燃性樹脂
組成物をシース層として一括被覆してなる平形ケーブル
において、前記シース層中および、または前記絶縁電線
撚線中に前記絶縁層およびシース層の密度より大きい密
度を有する重量調整材が配置されていることを特徴とす
る平形ケーブル。 (2)前記難燃性樹脂組成物がポリオレフィン系樹脂1
00重量部に対して金属水酸化物が10〜70重量部お
よび膨潤性粘土鉱物が2〜30重量部添加されているこ
とを特徴とする(1)に記載の平形ケーブル。 (3)前記ポリオレフィン系樹脂がエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、またはエチレン−エチルアクリレート共重
合体であることを特徴とする(1)または(2)に記載
の平形ケーブル。 (4)前記重量調整材が金属の単線および、または撚線
であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記
載の平形ケーブル。 (5)前記重量調整材がピアノ線、軟鋼線、ステンレス
鋼線の中ら選ばれる少なくとも1種であることを特徴と
する(1)に記載の平形ケーブル。 (6)(1)〜(5)のいずれかに記載の平形ケーブル
であって、前記平形ケーブルの比重が1.84〜1.9
0であることを特徴とする平形ケーブルで解決される。
【0006】
【作用】本発明は、絶縁層およびシース層より密度の大
きい重量調整材がシース層もしくは絶縁撚線中に配置さ
れるので、ハロゲンを含まない難燃性樹脂組成物を被覆
した場合に起こる、ケーブル自重の軽量化を防ぐことが
できる。
【0007】
【発明の実施形態】導体のとしては、ケーブルの用途に
応じて、公知の材料(銅および銅合金、アルミニウムお
よびアルミニウム合金、またはこれらの線にメッキを施
したもの等)から適宜選択される単線や撚線を使用すれ
ば良い。エレベーターケーブルの場合、可撓軟銅撚線、
錫メッキ可撓軟銅撚線等が好ましい。
【0008】絶縁層およびシース層に使用されるハロゲ
ンを含まない難燃性樹脂組成物としては、ポリオレフィ
ン樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマからなる群から選ば
れる少なくとも1種類以上からなるベースポリマーに金
属水酸化物および膨潤性粘土鉱物が配合されているもの
であれば良く、ケーブルの絶縁材料およびまたはシース
材料に適用されるものであれば限定することはなく、例
えば、ポリオレフィン樹脂ではポリエチレン系樹脂、ポ
リプロピレン系樹脂、ポリ(1−ブテン)系樹脂、ポリ
ペンテン樹脂およびこれらの混合物等が挙げられ、これ
らは1種または2種以上のを併用してもよい。これらの
中でも樹脂組成物の柔軟性の点からポリエチレン系樹脂
を用いるのが好ましい。また、前記した組成からなる難
燃性樹脂組成物の比重は、従来使用されてきたポリ塩化
ビニルの比重よりも小さく、配合する割合にもよるが、
比重は1.1〜1.3である。
【0009】上記ポリエチレン系樹脂としては、エチレ
ンの単独重合体(低密度、中密度、高密度)、エチレン
を主成分とする共重合体およびこれらの混合物のいずれ
も使用可能であるが、エチレンを主成分とする共重合体
が好ましく、該共重合体としては、例えば、エチレンと
α−オレフィンとの共重合体が挙げられ、α−オレフィ
ンとしては、プロピレン、1−ヘキセン、4−メチル−
1−ペンテン、1−オクテン、1−ブテン、1−ペンテ
ン等を挙げることができる。また、エチレンとα−オレ
フィン以外のビニル系単量体との共重合体も使用でき、
例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エ
チレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)等が挙
げられる。かかるエチレンを主成分とする共重合体の中
でも、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチ
レン−エチルアクリレート共重合体(EEA)が好まし
く、特に好ましくはエチレン−エチルアクリレート共重
合体(EEA)である。また、これらエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)およびエチレン−エチルアクリ
レート共重合体(EEA)においては、酢酸ビニル(V
A)またはエチルアクリレート(EA)の含有量が10
〜30重量%のものが好ましく、酢酸ビニル(VA)ま
たはエチルアクリレート(EA)の含有量が15〜20
重量%のものがとりわけ好ましい。
【0010】金属水酸化物は、本発明の平形ケーブルに
難燃性を付与するものである。金属水酸化物としては、
公知のものを適用すれば良く、例えば水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化ジ
ルコニウム、水酸化バリウムからなる群から選ばれる少
なくとも1種類以上からなっていれば良い。特に、これ
らの中でも、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウムが好ましく、特に好ましくは水酸
化マグネシウムである。また、金属水酸化物の形状は、
化合物によって異なるが、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、水酸化カルシウム等の場合で、平均粒径
が一般に0.1μm〜20μm、好ましくは、0.5μ
m〜5μmである。前記平均粒径はレーザ回折散乱法で
測定した値である。金属水酸化物の添加量はポリオレフ
ィン系樹脂100重量部に対して一般に10〜70重量
部であるが、好ましくは、20〜60重量部、特に好ま
しのは、30〜50重量部である。添加量が10重量部
未満であると組成物が十分な難燃性を示さなくなる傾向
があり、70重量部より多いと組成物の柔軟性が損なわ
れる傾向にある。
【0011】前記金属水酸化物には、ポリオレフィン系
樹脂中での分散向上性(該分散性向上は、樹脂組成物の
難燃性、柔らかさ、引張特性(強度、伸び)等の更なる
向上に寄与する。)を目的に、また水酸化マグネシウム
に限られるが、前記効果に加え、水分存在下で二酸化炭
素と反応して炭酸マグネシウムに変化してしまうのを防
止する目的に、カップリング剤または脂肪酸による表面
処理を施してもよい。また、カップリング剤による表面
処理を施したものと、脂肪酸による表面処理を施したも
のを混合して使用してもよい。カップリング剤として
は、アミノシラン系カップリング剤、アミノチタネート
系カップリング剤等が好ましい。脂肪酸としては、炭素
数が15〜20のものが好ましく、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、リノール酸等が特に好ましく、
これらはいずれか1種を用いても2種以上を併用しても
よい。
【0012】アミノシランカップリング剤としては、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリ
ノプロピルトリメトキシシラン、アミノベンゼントリエ
トキシシラン、N−4,4’−メチレンビスベンゼンア
ミノ−シクロヘキサノールエチルトリメトキシシラン、
N−4,4’−メチレンビスベンゼンアミノ−2−ヒド
ロキシプロピルオキシプロピルトリメトキシシラン、N
−アミノベンゼンメチレン−p−フェニレン−γ−ウレ
イドプロピルトリメトキシシラン、N−4,4’−オキ
シビスベンゼンアミノ−シクロヘキサノールエチルトリ
メトキシシラン、N−4,4’−オキシビスベンゼンア
ミノ−2−ヒドロキシプロピルオキシプロピルトリメト
キシシラン、N−アミノベンゼンオキシ−p−フェニレ
ン−γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−
4,4’−スルホニルベンゼンアミノ−シクロヘキサノ
ールエチルトリメトキシシラン、N−4,4’−スルホ
ニルベンゼンアミノ−2−ヒドロキシプロピルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、N−アミノベンゼンスルホ
ニル−p−フェニレン−γ−ウレイドプロピルトリメト
キシシラン、N−p−フェニレンジアミノ−シクロヘキ
サンノールエチルトリメトキシシラン、N−p−フェニ
レンジアミノ−2−ヒドロキシプロピルオキシプロピル
トリメトキシシラン、N−p−フェニレンジアミノ−γ
−ウレイドプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、
これらは1種または2種以上が使用される。
【0013】アミノチタネート系カップリング剤として
は、γ−アミノプロピルトリエトキシチタン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシチ
タン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシチタン、γ−
アニリノプロピルトリメトキシチタン、網のベンゼント
リエトキシチタン、N−4,4’−メチレンビスベンゼ
ンアミノ−シクロヘキサノールエチルトリメトキシチタ
ン、N−4,4’−メチレンビスベンゼンアミノ−2−
ヒドロキシプロピルオキシプロピルトリメトキシチタ
ン、N−アミノベンゼンメチレン−p−フェニレン−γ
−ウレイドプロピルトリメトキシチタン、N−4,4’
−オキシビスベンゼンアミノ−シクロヘキサノールエチ
ルトリメトキシチタン、N−4,4’−オキシビスベン
ゼンアミノ−2−ヒドロキシプロピルオキシプロピルト
リメトキシチタン、N−アミノベンゼンオキシ−p−フ
ェニレン−γ−ウレイドプロピルトリメトキシチタン、
N−4,4’−スルホニルベンゼンアミノ−シクロヘキ
サノールエチルトリメトキシチタン、N−4,4’−ス
ルホニルベンゼンアミノ−2−ヒドロキシプロピルオキ
シプロピルトリメトキシチタン、N−アミノベンゼンス
ルホニル−p−フェニレン−γ−ウレイドプロピルトリ
メトキシチタン、N−p−フェニレンジアミノ−シクロ
ヘキサノールエチルトリメトキシチタン、N−p−フェ
ニレンジアミノ−2−ヒドロキシプロピルオキシプロピ
ルトリメトキシチタン、N−p−フェニレンジアミノ−
γ−ウレイドプロピルトリメトキシチタン等が挙げら
れ、これらは1種または2種以上が使用される。
【0014】カップリング剤または脂肪酸による表面処
理方法は、特に限定されるものではなく、一般的な方
法、例えば、カップリング剤または脂肪酸のアルコール
溶液に金属水酸化物を投入し処理した後に乾燥するいわ
ゆるスラリー法、あるいはカップリング剤または脂肪酸
を金属水酸化物粉末に直接スプレーする乾式法等が用い
られる。カップリング剤または脂肪酸の処理量(付着
量)は、カップリング剤または脂肪酸の種類によっても
異なるが、金属水酸化物に対して、0.002〜5重量
%程度が好ましく、特に好ましくは0.1〜3重量%で
ある。
【0015】膨潤性粘土鉱物は、金属水酸化物系難燃剤
の添加量を低減させ、それにともなう難燃性低下を補
い、平形ケーブルの柔軟性を損なわないために添加され
る。膨潤性粘土鉱物とは、水にて膨潤し得る粘土鉱物で
あり、例えば、スメクタイト、バーミキュライト、カオ
リナイト、ハロサイト、雲母および層状ケイ酸塩等から
なる群から選ばれる少なくとも1種類以上からなる粘土
鉱物が挙げられる。これらの中でもスメクタイトが好ま
しい。該膨潤性粘土鉱物は、その膨潤性から、比較的少
量で金属水酸化物による難燃作用を大きく向上させる。
また、粒径は平均粒径が0.001〜1μmであり、好
ましくは0.005〜0.05μmである。前記平均粒
径は粒子を水分散させた時の沈降速度の違いを利用する
アンドレアゼンピペット法(JIS Z 8821)で
測定した値である。これら膨潤性粘土鉱物を有機処理し
たものを適用すれば良く、該有機処理とはポリオレフィ
ン系樹脂中での分散性向上(該分散性向上は、樹脂組成
物の難燃性、柔軟性、引張特性(強度、伸び)等の向上
に寄与する)を目的に、前記粘土鉱物の層間に4級アン
モニウム塩等の有機陽イオンを導入する処理のことを指
し、前記有機陽イオンの有機成分としては、特に限定は
されないが、通常、炭素数1〜30の脂肪族(直鎖、分
岐のいずれでも良い)または、芳香族の炭化水素基であ
る。
【0016】の 前記有機処理された膨潤性粘土鉱物は
分子内に炭化水素基を含有するので、ポリオレフィン系
樹脂中での分散性が向上する。スメクタイトを有機処理
すると、有機イオンの導入量を他の膨潤性粘土鉱物のそ
れよりも多くできるので、有機処理されたスメクタイト
が好ましい。また、有機処理されたスメクタイトのうち
でも有機処理されたモンモリトナイトおよび、または有
機処理されたヘクトライトが好ましい。膨潤性粘土鉱物
の有機処理には、前記した金属水酸化物の表面処理と同
様のスラリー法、乾式法等が用いられる。また、処理量
は、膨潤性粘土鉱物に対して1〜50重量%が好まし
く、特に好ましくは10〜20重量%である。
【0017】前記した膨潤性粘土鉱物の添加量は、前記
したポリオレフィン系樹脂100重量部に対して一般的
に2〜30重量部であるが、好ましくは5〜15重量部
である。添加量が2重量部未満では、十分な難燃性が得
られず、30重量部より多いと得られる組成物の強度が
小さくなる傾向を示し、柔軟性が損なわれてしまう。
【0018】また、本発明にかかるポリオレフィン系樹
脂には、難燃性、柔軟性および平形ケーブルの絶縁層同
士、絶縁層とシース層との滑り性を阻害ぜす、PVCや
クロロプレンとの比重差による分別回収ができなくなら
ない範囲で、ハロゲン原子を含有しない各種補助剤を添
加しても良い。かかる補助剤としては、安定剤、酸化防
止剤、充填剤、着色剤、カーボンブラック、架橋剤、滑
剤、加工性改良剤、帯電防止剤、耐侯剤等が挙げられ
る。
【0019】重量調整材は、平形ケーブル自体の重量を
大きくするために用いるものであり、平形ケーブルの体
積を大きくせずに平形ケーブルの自重を大きくするも
の、つまり絶縁層およびシース層に使われている難燃性
樹脂組成物の密度より大きいものを使用すればよく、一
般的には金属材料を適用すればよい。形状としては特に
規定する必要はないが、撤去後、導体、絶縁層とシース
層、重量調整材との分別回収が容易に行われる点で、単
線や撚線である線材が好ましく、特に同じ断面積で比較
した場合、単線よりは撚線の方が平形ケーブル自体の自
由曲げ径を小さくするのでさらに好ましい。具体的に
は、銅線、銅合金線、鉄線、鉄合金線、アルミニウム
線、アルミニウム合金等の単線や撚線が挙げられる。中
でも密度が大きく引張強度も大きい鉄合金線、例えばJ
IS G 3502に規定されているピアノ線材、JI
S G 3506に規定されている硬鋼線材、JIS
G 4308に規定されているステンレス鋼線材を加工
熱処理した線が好ましく、その中でも、さらにJIS
G 3535に合致するように加工熱処理した線が好ま
しい。
【0020】重量調整材の設ける位置としては、絶縁電
線を撚り合わせた絶縁電線撚線中および、またはシース
層中が挙げられる。前記絶縁電線撚線中に重量調整材を
設ける手段としては、絶縁電線と同径の重量調整材が適
用される。また、重量調整材は撚線の中心となるように
すれば撚り工程での線材の張力調整が容易にできるので
好ましい(図1(a))。シース層に重量調整材を設け
る箇所としては、平形ケーブルのバランスが均一になる
ような箇所に設けることが好ましく、例えば、図1
(b)に示すような、絶縁電線および、または絶縁電線
撚線線と水平に配置されている場合、図1(c)に示す
ような、絶縁電線および、または絶縁電線撚線の上下に
設けることが挙げられる。
【0021】以下、本発明をより具体的に説明する。本
発明の平形ケーブルは、導体の外周にハロゲンを含まな
い難燃性樹脂組成物を絶縁層として被覆して絶縁電線と
し、該絶縁電線を単線および、または複数本撚って絶縁
電線撚線とし、引続き、前記絶縁電線の単線および、ま
たは絶縁電線撚線を複数本並列に並べて、ハロゲンを含
まない難燃性樹脂組成物をシース層として一括被覆して
なる平形ケーブルにおいて、前記シース層中および、ま
たは前記絶縁電線撚線中に前記絶縁層およびシース層の
密度より大きい密度を有する重量調整材が配置されてい
ることを特徴としている。
【0022】図2は本発明の平形ケーブルの製造方法の
一具体例である。平形ケーブル8は6本のハロゲンを含
まない難燃性樹脂組成物からなる絶縁層2として導体1
の外周に被覆した絶縁電線3を集合体として絶縁電線撚
線(以下ケーブルコアともいう)5を作製し、該ケーブ
ルコア5を10本および重量調整材7を2本を並列に並
べて、該10本のケーブルコア5および該2本の重量調
整材7を前記難燃性樹脂組成物からなるシース層6で被
覆、1体化されて、平形ケーブル8が製造される(平形
(ケーブル長手方向に対する直交方向の断面が扁平状)
構造のケーブルになっている(図2(e))。なお、図
2中の符号4は例えばポリプロピレン等の合成樹脂製の
紐からなる絶縁電線撚線の芯材である。
【0023】上記した平形ケーブル8では、絶縁電線3
を6本、ポリプロピレン製の紐4を芯材としてケーブル
コア5として構成し、前記ケーブルコア5と重量調整材
7を並列に並べてシース層で一括被覆した断面構造の平
形ケーブル(図2(e))が挙げられるが、用途に応じ
て重量調整材の位置や本数、絶縁電線の本数などは、適
宜決定されるものである。一般的に導体および重量調整
材の断面積が同じの場合、平形ケーブルの曲げ特性を良
好にするには撚線にすることが好ましい。
【0024】本発明の平形ケーブルでは、シース厚さ
(図2(e)のAの距離)、導体の断面積、構造(単線
か撚線(集合体))、絶縁層の厚さ等の平形ケーブルの
仕上がり寸法は、目的とする平形ケーブルの用途での規
格(JIS規格等)に従って設定される。例えば、エレ
ベータケーブルであれば、JIS C 3408に規定
された範囲に設定される。
【0025】本発明の平形ケーブルの絶縁層、シース層
に使用される難燃性樹脂組成物の製造方法は、ポリオレ
フィン系樹脂、表面処理された金属水酸化物、有機処理
された膨潤性粘土鉱物と必要に応じて補助剤を添加した
ものを、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、二軸押出
機等の公知の混錬装置で溶融混錬する。
【0026】導体1の外周に上記難燃性樹脂組成物を導
体の外周に押出成形、射出成形、回転成形、プレス成形
等の公知の成形法にて被覆し絶縁層2を形成し、絶縁電
線3を作製する。引続き、該絶縁電線3の単線および、
または絶縁電線撚線(絶縁電線3とポリプロピレン紐4
との集合体:ケーブルコア5)を重量調整材7とともに
複数本並列に並べてシース層6を一括被覆させて平形ケ
ーブル8を製造する場合、前記ケーブルコアの繰出孔と
重量調整材の繰出孔を有する樹脂成形用金型(ニップ
ル)をダイスの内部に装着した押出成形機を用いて、ケ
ーブルコア5および重量調整材7を繰出孔を通して、前
方(押出方向)に送り出しながら、これと同時に、ニッ
プル外周面とダイス内周孔との間に後方から溶融混錬物
(難燃性樹脂組成物)を供給し、ニップルの前方開口端
に繰り出されるケーブルコア5および重量調整材7の周
囲を覆い、この状態でダイスの内周孔の前方開口端から
押出されることにより、ケーブルコア5および重量調整
材7を被覆するシース層が形成され平形ケーブル8が製
造される(断面形状:図2(e))。
【0027】製造された平形ケーブルは、従来絶縁層も
しくはシース層に使用していたPVCの比重(1.3
8)よりも小さい難燃性樹脂組成物(比重:1.1〜
1.3)を使用するために起こる平形ケーブルの軽量化
を重量調整材によって平形ケーブルの比重を大きくして
おり、その比重は1.80〜1.95であり、好ましく
は、1.84〜1.90である。平形ケーブルの比重が
1.80より小さいとケーブル自由曲げ径が小さくする
ことができなく、布設環境の影響(風や振動)によって
平形ケーブルが、側壁に擦れて磨耗する問題が起こりや
すくなる。また、平形ケーブルの比重が1.95より大
きくなると、平形ケーブル自体にかかる荷重が大きくな
り好ましくない。
【0028】
【実施例】本発明の実施例にてより具体的に説明する
(実施例1〜4、比較例1〜4、従来例1)。表1に示
す材料をバンバリーミキサー(東洋精機製作所製)に一
括投入し、20分間溶融混錬した後、プレス成形により
160℃×10分間成形して酸素指数(LOI)測定用
の試料片(A−1号試験片)を作製した。その結果を表
1に示す。
【0029】(酸素指数(LOI))JIS K 72
01の規定に従い、厚み3mm、幅6.5mmの試験片
(A−1号試験片)について酸素指数を測定する。な
お、酸素指数とは、材料が燃焼を持続するのに必要な最
低酸素濃度を容積%で表した数値である。
【0030】
【表1】
【0031】本発明を以下の実施例を用いて説明する。
表1に示す密度の絶縁層を銅導体(断面積:0.75m
)の周りに押出機にて被覆し、絶縁電線とし、該絶
縁電線を6本をポリプロピレン紐である前記絶縁電線と
同径線材の周りに撚ってケーブルコア5を作製し、該ケ
ーブルコア10本と2本の重量量製材7(材質:JIS
G 4308記載のSUS304のステンレス鋼線材
をJIS G 3535 A3号(構成記号A7×1
9、ロープ径:4mm)の特性を満たす加工熱処理した
線材)とを並列に並べて、表1に示す配合・密度のシー
ス層を押出機にて一括被覆した。断面形状は、ケーブル
コア10本のうち3本目と4本目および7本目と8本目
の間に隔壁を設け、そこへ重量調整材を設けた形状とし
た。シースの厚み(A)は1.8mmにした。またケー
ブル寸法は、断面の寸法(w:83mm×t:9.2m
m)、全長100mとした(断面形状:図2(e))。
比較例1〜比較例4として、重量調整材を有しないもの
を同様に製造した。また、従来例として、PVCを絶縁
層およびシース層に使用して同サイズのケーブルを製造
した。
【0032】(平形ケーブルの比重)前記平形ケーブル
から、長さ1mの試料(平形ケーブル)を切断し、該試
料の重量と切断した面の断面積を測定し、以下の式で比
重を算出し、その結果を表1に記載した。 比重=重量/断面積 (ケーブルの自由曲げ径)前記平形ケーブルから、長さ
6mの試料(平形ケーブル)を切断し、該試料を、20
℃の温度条件下で図4に示すように、一端を固定し、向
かい合った平形ケーブルが長さ方向に平行となるよう
に、U字状に吊り下げ、この時のU字部の内径(D)を
測定し、その結果を表1に記載した。
【0033】
【発明の効果】本発明のとおり、絶縁層およびシース層
の密度より大きい密度の重量調整材を絶縁電線とともに
撚り合わせたり、およびまたはシース層に設けること
で、平形ケーブルの導体を除く部分の比重が大きくなる
ので、柔軟性があり軽量である絶縁層およびシース層を
導体の外周に順に被覆した平形ケーブルであっても、平
形ケーブルの自重が大きくなるので、自由曲げ半径が小
さくでき、特にエレベータケーブルに使用されるよう
な、スペースが限られた箇所に布設することが可能とな
る。また、重量調整材は、絶縁層、シース層から容易に
分別回収でき、引続いて絶縁層、シース層は従来使用さ
れてきたPVCと比重分別が可能であるため、焼却処理
時に有毒ガスが発生する可能性のあるPVCと、有毒ガ
スが発生しない(本発明に使用されている絶縁層、シー
ス層)ものと分別処理が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平形ケーブルの断面の一例を示す図で
ある。
【図2】本発明の平形ケーブルの製造工程の一例を説明
する図である。
【図3】本発明の平形ケーブルの断面の一例を示す図で
ある。
【図4】平形ケーブルの自由曲げ径の測定方法を説明す
る図である。
【符号の説明】
1 導体 2 絶縁層 3 絶縁電線 4 ポリプロピレンの紐 5 絶縁電線撚線(ケーブルコア) 6 シース層 7 重量調整材 8 平形ケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB011 BB051 BB061 BB071 BB151 DE046 DE076 DE086 DE146 DJ037 DJ057 FB096 FB146 FB166 FB236 GQ01 5G311 CA05 CB02 CB03 CC04 CD05 5G315 CA03 CB02 CB06 CC08 CD02 CD13 CD14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導体の外周にハロゲンを含まない難燃性樹
    脂組成物を絶縁層として被覆して絶縁電線とし、該絶縁
    電線を単線および、または複数本撚って絶縁電線撚線と
    し、引続き、前記絶縁電線の単線および、または絶縁電
    線撚線を複数本並列に並べて、ハロゲンを含まない難燃
    性樹脂組成物をシース層として一括被覆してなる平形ケ
    ーブルにおいて、前記シース層中および、または前記絶
    縁電線撚線中に前記絶縁層およびシース層の密度より大
    きい密度を有する重量調整材が配置されていることを特
    徴とする平形ケーブル。
  2. 【請求項2】前記難燃性樹脂組成物がポリオレフィン系
    樹脂100重量部に対して金属水酸化物が10〜70重
    量部および膨潤性粘土鉱物が2〜30重量部添加されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の平形ケーブル。
  3. 【請求項3】前記ポリオレフィン系樹脂がエチレン−酢
    酸ビニル共重合体、またはエチレン−エチルアクリレー
    ト共重合体であることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の平形ケーブル。
  4. 【請求項4】前記重量調整材が金属の単線および、また
    は撚線であることを特徴とする請求項1に記載の平形ケ
    ーブル。
  5. 【請求項5】前記重量調整材がピアノ線、硬鋼線、ステ
    ンレス鋼線の中ら選ばれる少なくとも1種であることを
    特徴とする請求項1記載の平形ケーブル。
  6. 【請求項6】請求項1〜請求項5のいずれかに記載の平
    形ケーブルであって、前記平形ケーブルの比重が1.8
    4〜1.90であることを特徴とする平形ケーブル。
JP2001320015A 2001-10-17 2001-10-17 平形ケーブル Pending JP2003123548A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001320015A JP2003123548A (ja) 2001-10-17 2001-10-17 平形ケーブル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001320015A JP2003123548A (ja) 2001-10-17 2001-10-17 平形ケーブル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003123548A true JP2003123548A (ja) 2003-04-25

Family

ID=19137466

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001320015A Pending JP2003123548A (ja) 2001-10-17 2001-10-17 平形ケーブル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003123548A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015076410A1 (ja) * 2013-11-25 2015-05-28 矢崎エナジーシステム株式会社 平形ケーブル
JP2015115300A (ja) * 2013-12-16 2015-06-22 株式会社フジクラ フラットケーブル
KR20190025073A (ko) * 2017-08-23 2019-03-11 주식회사 브라이트코리아 가동플랫케이블
CN110708496A (zh) * 2019-10-29 2020-01-17 四川易诚智讯科技有限公司 一种便于使用的视频会议一体机
CN113035425A (zh) * 2021-03-22 2021-06-25 上海交通大学 一种用于波浪滑翔机的新型脐带缆
CN113140355A (zh) * 2018-10-03 2021-07-20 3M创新有限公司 阻燃扁平电缆

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015076410A1 (ja) * 2013-11-25 2015-05-28 矢崎エナジーシステム株式会社 平形ケーブル
JP2015103366A (ja) * 2013-11-25 2015-06-04 矢崎エナジーシステム株式会社 平形ケーブル
CN105684100A (zh) * 2013-11-25 2016-06-15 矢崎能源系统公司 扁平电缆
JP2015115300A (ja) * 2013-12-16 2015-06-22 株式会社フジクラ フラットケーブル
KR20190025073A (ko) * 2017-08-23 2019-03-11 주식회사 브라이트코리아 가동플랫케이블
KR102015948B1 (ko) * 2017-08-23 2019-08-28 주식회사 브라이트코리아 가동플랫케이블
CN113140355A (zh) * 2018-10-03 2021-07-20 3M创新有限公司 阻燃扁平电缆
CN110708496A (zh) * 2019-10-29 2020-01-17 四川易诚智讯科技有限公司 一种便于使用的视频会议一体机
CN110708496B (zh) * 2019-10-29 2020-07-17 四川易诚智讯科技有限公司 一种视频会议一体机
CN113035425A (zh) * 2021-03-22 2021-06-25 上海交通大学 一种用于波浪滑翔机的新型脐带缆

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN106397947B (zh) 无卤阻燃性树脂组合物、绝缘电线和电缆
JP4974041B2 (ja) ノンハロゲン電線、電線束及び自動車用ワイヤーハーネス
US20110240335A1 (en) Flame-retardant electrical cable
JP2001514793A (ja) 耐燃性、耐湿性被膜を有するケーブル
JP5260852B2 (ja) 電線被覆用樹脂組成物、絶縁電線およびその製造方法
US20030059613A1 (en) Self-extinguishing cable and flame-retardant composition used therein
JP2008277142A (ja) 絶縁電線およびワイヤーハーネス
JP2003123548A (ja) 平形ケーブル
JP3632735B2 (ja) 絶縁樹脂組成物および絶縁電線
JP5260868B2 (ja) 絶縁樹脂組成物および絶縁電線
JP7363557B2 (ja) 難燃性樹脂組成物、難燃性絶縁電線および難燃性ケーブル
JP3966632B2 (ja) 電線被覆用樹脂組成物および絶縁電線
JP2005133036A (ja) 非ハロゲン難燃性熱可塑性樹脂組成物およびこれを用いた電線・ケーブル
KR101560997B1 (ko) 비할로겐계 난연성 폴리올레핀 가교 절연 전선
CN100580820C (zh) 非卤阻燃电线和电缆
JP2007070483A (ja) 電線・ケーブル被覆用難燃性組成物および難燃電線・ケーブル
JP4652845B2 (ja) 絶縁樹脂組成物および絶縁電線
JP2002231070A (ja) 難燃性ケーブル
WO2012005357A1 (ja) 太陽光集電ケーブル
JP2001236830A (ja) 電線用被覆材料及び該被覆材料を用いた電線
JP4057414B2 (ja) 絶縁組成物及び絶縁電線
JP2003007143A (ja) 平形ケーブル
JP2005346941A (ja) 架橋耐外傷性難燃性絶縁電線
JP3821212B2 (ja) ノンハロゲン難燃電線・ケーブル
EP1288970B1 (en) Self-extinguishing cable and flame-retardant composition used therein