JPH0799907A - 冷凍麺の製造方法 - Google Patents

冷凍麺の製造方法

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JPH0799907A
JPH0799907A JP5267838A JP26783893A JPH0799907A JP H0799907 A JPH0799907 A JP H0799907A JP 5267838 A JP5267838 A JP 5267838A JP 26783893 A JP26783893 A JP 26783893A JP H0799907 A JPH0799907 A JP H0799907A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子レンジ等により麺とスープとを分離した
形で同時に解凍、調理することが可能な冷凍麺であっ
て、電子レンジ等での解凍後においても、茹でたての本
格的な麺に近いコシのある優れた食感を有する高品質の
冷凍麺を提供する。 【構成】 常法よりも茹で時間を短くしてシンを残した
状態に茹で上げた麺を適当な大きさの塊となし、これを
急速凍結した後、増粘剤含有溶液に浸漬して当該溶液を
麺に付着させてから、これを更に急速冷凍し、当該付着
液を凍結させてなる冷凍麺の製造方法及び当該方法によ
り得られる冷凍麺。 【効果】 電子レンジでの解凍後も、麺線の表面付近の
水分含量が内部よりも多くなり、茹でたての麺に似た水
分分布とコシのある優れた食感を有する麺に復元するこ
とができる。また、解凍復元後の茹で伸びがなく、弾力
的な優れた食感のものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子レンジ等での解凍
後に、茹でたての麺に近いコシのある優れた食感の麺と
なる高品質の冷凍麺の製造方法に関するものであり、更
に詳しくは、電子レンジ等により麺とスープとを分離し
た形で同時に解凍、調理することが可能な冷凍麺であっ
て、電子レンジ等での解凍後においても、麺線の表面付
近の水分含量が内部よりも多くなり、いわゆる本格的な
茹でたての麺に似た水分分布とコシのある優れた食感を
有する麺に復元することが可能な高品質の冷凍麺の製造
方法及び当該方法により得られる冷凍麺に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】最近の食生活の多様化や生活様式の高度
化、及び冷凍技術の発展に伴い、冷凍食品が広く普及す
るようになり、一般家庭だけではなく、業務用の分野に
おいてもこの傾向は顕著なものがある。すなわち、例え
ば、和風ファーストフードの代表である立ち食いそばの
店などでは、従来、そば及びうどんなどの麺類は茹で上
げ処理されたままの生麺が中心であり、流通や在庫管理
の点でその保存性の面で問題があった。特に、製造から
数日を経た売れ残りの麺類は腐敗の問題があるので、結
局廃棄する以外に手がなかった。これに対して、冷凍麺
は長期保存が可能なため、流通も容易になるばかりでな
く、売れ残りなどが出ても廃棄する必要がないので在庫
管理の点からも専門業者に歓迎されており、このような
ことから、現在では、麺の流通形態としては冷凍麺が主
流になりつつある。
【0003】しかしながら、冷凍麺にも全く問題がない
わけではなく、特に、長期保存中において、麺線の表面
乾燥が生じ、品質劣化を起こすことがよく知られてお
り、その防止策として、現在、製品の流通期間をできる
だけ短縮する方法などが取られている。これらの防止策
が不十分であると、例えば、保管中の冷凍庫の状態、流
通段階における温度変化などの諸条件により多少の差は
あるが、約90日程度経過したものは冷凍麺の表面が部
分的に乾燥し、スポンジ状を呈する場合がある。このよ
うな現象は、麺塊の表面部分にのみ発生するもので、麺
塊内部には発生しないものであることから、部分的に麺
質の差異が生じることとなる。すなわち、解凍復元後の
麺質は軟化し、弾力性がなくなり、麺線表面の光沢も減
少する、いわゆる麺質の伸びの状態が発生し、このた
め、食感はかなり劣化したものになってしまうと云う問
題がある。
【0004】このような問題は和風のそばやうどんに限
らず、中華麺、スパゲティなどの麺類はもとより、高含
水率の澱粉質表面を有するその他の冷凍食品類、例え
ば、春巻、マカロニ、肉まん、あんまん、ピザ生地、ギ
ョウザ及びシューマイなどについても同様に発生する問
題である。
【0005】ところで、従来、このような問題を解決す
べく種々の技術が開発され、様々な冷凍食品が提案され
ているが、その代表的なものとしては、長期保存中にお
ける表面乾燥を防止することができ、かつこれに伴う品
質劣化も防止できる冷凍食品類及びその製造方法を提供
するものとして、例えば、冷凍処理した冷凍食品の表面
が、天然の多糖類粘質物、オリゴ糖もしくは合成糊料の
うちの少なくとも一種類のコーテイング剤で被覆されて
いることを特徴とする冷凍食品、及び冷凍処理した冷凍
食品に、天然の多糖類粘質物、オリゴ糖もしくは合成糊
料のうちの少なくとも一種類のコーテイングを噴霧、は
け塗りあるいは浸漬することにより、該冷凍食品の表面
に前記コーテイング剤の皮膜を形成させることを特徴と
する冷凍食品の製造方法(特開平3−80068号公
報)、などが提案されている。
【0006】更に、解凍後に品質の良好な茹で麺類を得
る方法として、例えば、常法により製造された茹で麺類
の表面に、(イ)カラギーナン、グアガム、タマリンド
ガムなどの糊料、(ロ)DE(dextrose Eq
uivalence)が2〜35のデキストリン、澱粉
リン酸エステル、ポリデキストロースよりなる糖質誘導
体、(ハ)カゼインナトリウム、ゼラチンよりなるタン
パク質からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の物
質を含む溶液を付着させ、その後凍結することを特徴と
する冷凍茹で麺類の製造方法、及び、常法により製造さ
れた茹で麺類を凍結した後、当該麺類の表面に前記
(イ)、(ロ)、(ハ)からなる群より選ばれる少なく
とも一種以上の物質を含む溶液を付着させることを特徴
とする冷凍茹で麺類の製造方法(特開平2−11735
3号公報)、などが提案されている。
【0007】更に、従来、冷凍麺は一般に保存性はよい
が解凍復元すると茹で伸びが生じ、その結果弾力性が低
下して食感が劣ったものになるという欠点があったが、
このような欠点を改良するものとして、例えば、常法に
より製麺し、茹処理、蒸熱処理などによりα化を行な
い、好ましくは水洗冷却し、次いで糊料を麺の表面にコ
ーテイングして冷凍する冷凍麺(特開昭62−1905
9号公報)、などが提案されている。
【0008】しかしながら、これらのものは、各種のコ
ーテイング剤を使用して冷凍麺の品質改善を図ろうとす
るものであるものの、基本的には、いずれも、常法によ
り製造された茹で麺などにコーテイング剤を被覆するも
のであり、本発明で云うところの電子レンジ等により麺
とスープとを分離した形で同時に解凍、調理することが
可能な冷凍麺を製造する点、そのために、茹で時間を短
くした麺を使用すると云う点、すなわちシンを残した状
態に茹で上げる点、等の本発明に特有の構成については
何ら言及しておらず、いずれの方法も本発明と基本的に
技術内容を異にするものである。
【0009】このように、従来、冷凍麺の品質劣化を防
止するための方策が種々提案されているものの、従来の
製品は、大別すると、スープに麺が入った形で冷凍され
ていて、これを電子レンジや適宜の火力を利用して解
凍、調理するタイプのもの、及び麺だけ冷凍されてい
て、これを沸騰水でボイル解凍するタイプのもの、がほ
とんどであり、このうち前者の製品にあっては、解凍、
調理を行う間に、麺にスープが滲み込み、品質が劣化し
て、それを食した際にいわゆる伸びたような食感になる
のを避けられず、また、後者の製品にあっては、麺の解
凍にはそれ程支障はないものの、これを食に供する際に
スープを別途準備しなければならず、通常の生麺の調理
と大差のない手の込んだ操作が必要とされる、と云った
問題点を有しており必ずしも満足し得ないものであっ
た。
【0010】そして、前記のように、冷凍食品が広く普
及しているにもかかわらず、冷凍麺については、電子レ
ンジ等による解凍後の食感、風味等の品質上の特性が劣
化することを確実に防止することは難しく、当業界にお
いては、それを根本的に解決し得るような新しい技術を
開発することが強く要請されている状況にあった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このような状況を踏ま
え、本発明者らは、前記のような従来製品にみられる冷
凍麺の解凍、調理時に生起する品質劣化の原因を究明
し、根本的にその防止を図るべく検討に着手したとこ
ろ、一般に、麺とスープとではその解凍に必要とされる
時間が異なること、そして、スープと麺とを比較した場
合、スープの方がその解凍時間が余分にかかること、従
って、スープと麺とを同時に解凍、調理した場合、麺の
方が必要以上に長く加熱されることになり、いわゆる過
加熱の状態となり、これが原因で解凍後における麺の食
感、風味等の品質上の劣化が生じるものであるとの知見
を得た。そこで、本発明者らは、かかる知見を基礎とし
て、冷凍麺にみられる前記のような従前の各種問題点を
確実に解消すると共に、電子レンジ等での解凍後にも、
茹でたての本格的な麺に近いコシがある優れた食感の麺
にすることが可能な高品質の冷凍麺の製造方法を開発す
ることを目標として鋭意検討を積み重ねた結果、常法よ
りも茹で時間を短くしてシンが残る状態に茹で上げた麺
を使用し、これを急速凍結した後、増粘剤含有溶液に浸
漬し、更にこれを急速冷凍することにより製造される冷
凍麺を、スープと分離した形で電子レンジ等にて同時に
解凍、調理するようにすることにより所期の目的を達成
し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、電子レンジ等により
麺とスープを分離した形で同時に解凍、調理することに
より高品質の麺を得ることが可能な冷凍麺の製造方法及
び当該方法により得られる冷凍麺を提供することを目的
とするものである。
【0013】また、本発明は、電子レンジ等により麺と
スープとを分離した形で同時に解凍、調理するタイプの
製品であって、電子レンジ等での解凍後においても、茹
でたての本格的な麺に近いコシのある優れた食感となる
高品質の冷凍麺の製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0014】また、本発明は、電子レンジ等により麺と
スープとを分離した形で同時に解凍、調理するタイプの
製品であって、電子レンジ等での解凍後においても、麺
線の表面付着の水分含量が内部よりも多くなり、茹でた
ての本格的な麺に似た水分分布と優れた食感を有する麺
に復元することが可能な高品質の冷凍麺の製造方法を提
供することを目的とするものである。
【0015】また、本発明は、うどん、中華麺等の麺類
を対象とする高品質の冷凍麺の製造方法を提供すること
を目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
る本発明は、次の(1)〜(4)の技術的手段から構成
されるものである。 (1)常法よりも茹で時間を短くしてシンを残した状態
に茹で上げた麺を適当な大きさの塊となし、これを急速
凍結した後、増粘剤含有溶液を麺に付着させてから、こ
れを更に急速冷凍し、当該付着液を凍結させることを特
徴とする冷凍麺の製造方法。
【0017】(2)常法よりも茹で時間を短くしてシン
を残した状態に茹で上げた麺を適当な大きさの塊とな
し、これを急速凍結した後、0〜10℃の増粘剤含有溶
液に浸漬してから取り出し、更に当該溶液が麺塊100
gにつき10〜40g程度付着するように霧吹きなどで
微調整してから急速冷凍し、当該付着液を凍結させるこ
とを特徴とする冷凍麺の製造方法。
【0018】(3)増粘剤が、キサンタンガム、グアー
ガム、カラギーナン、デンプン、ゼラチン、ペクチンで
ある前記(1)又は(2)記載の冷凍麺の製造方法。
【0019】(4)前記(1)又は(2)記載の製造方
法により製造される冷凍麺と別に準備した冷凍スープと
を分離した形で一体に適宜の包装形態に包装したことを
特徴とする電子レンジ等により麺とスープとを同時に解
凍、調理することが可能な冷凍麺。
【0020】次に、本発明について更に詳細に説明す
る。本発明は、前記したように、常法よりも茹で時間を
短くしてシンを残した状態に茹で上げた麺を適当な大き
さの塊となし、これを急速凍結した後、増粘剤含有溶液
を麺に付着させてから、これを更に急速冷凍し、当該付
着液を凍結させることを特徴とする冷凍麺の製造方法及
び当該方法により得られる冷凍麺に係るものである。こ
こで、本発明で云う冷凍麺とは、うどん、中華麺などの
他、これらと同等のものも包含する。
【0021】本発明においては、まず、常法により製造
したこれらの麺を茹で処理するが、常法よりも茹で時間
を短くしてシンが残る状態に茹で上げた、いわば麺の茹
で状態を不充分な形で、適当な大きさの塊となし、これ
を急速凍結することが重要であり、この場合、麺線の中
心部分と周辺部分の水分分布を不均一な状態にした形で
急速凍結することが必要である。
【0022】次に、このように急速凍結した後、麺を増
粘剤含有溶液に浸漬するなどして当該溶液を麺の表面に
付着させてから、これを更に急速冷凍して、当該付着液
を凍結させるようにする。ここで、本発明で云う増粘剤
とは、天然のものでも合成のものでもよいが、水溶性で
コロイドを形成するものであれば如何なるものでもよ
く、特に制限されるものではないが、特に好適なものは
キサンタンガム、グアーガム、カラギーナン、デンプ
ン、ゼラチン、ペクチンもしくはこれらと同効のもので
ある。これらの増粘剤は単独でも又は組合せて使用して
もよい。
【0023】次に、増粘剤を麺に付着させるには、麺を
増粘剤含有溶液に浸漬する方法が好適なものとしてあげ
られるが、これと同効の方法であれば、他の方法であっ
てもよく、特に限定されるものではない。すなわち、増
粘剤を適量付着するように麺の表面にコーテイングする
方法としては、増粘剤を水、エタノールあるいは食用油
などに溶解もしくは分散させて、この液の中に麺を浸漬
したり、この液を麺に噴霧する方法等も適宜使用される
が、要は均一にコーテイングできる方法であればよく、
特に限定されるものではない。また、この場合、付着量
が一定になるように霧吹きなどで微調整すると、解凍時
間が一定になるので好ましい。
【0024】増粘剤のコーテイング量としては、麺の重
量に対し、増粘剤を麺塊100gにつき10〜40g、
好ましくは15〜30gであればよい。コーテイング量
が10gより少ないと水分分布が不均一な状態にならな
いので所定の効果が得られず、また、40gより多いと
増粘剤のスープへの溶出量が多くなり風味的に好ましく
ないものとなる。
【0025】増粘剤含有溶液をコーテイングした麺を次
いで冷凍するが、冷凍は急速冷凍により行うことが必要
とされる。その理由は、シンを残すために茹で時間を短
くしても、これを急速冷凍しないと麺表面の水分が内部
に浸透し、麺の水分分布が均一化するからである。次い
で、この冷凍した麺の表面にさらに噴霧、浸漬などによ
り水を付着させ、これを急速冷凍することにより高品質
の冷凍麺が得られる。本発明の冷凍麺は、その製品形態
としては、かかる方法により製造される冷凍麺と別に準
備した適宜の冷凍スープとを分離した形で一体に適宜の
包装形態に包装したことを特徴とするものであり、電子
レンジ等により麺とスープとを同時に簡便、かつ確実に
解凍、調理して、復元することができるものである。な
お、本発明は、シンを残した状態に茹で上げ、かつ急速
冷凍した麺の表面に増粘剤含有溶液をコーテイングする
ものであり、かかる場合にのみ所期の効果が得られるの
であって、麺生地に増粘剤を練り込んだ場合、常法によ
り通常の茹で時間で茹で処理した麺に適用した場合、あ
るいは、増粘剤をコーテイングした後冷凍した場合、な
どの場合にはこのような効果は得られない。
【0026】このように、本発明は、常法よりも茹で時
間を短くしてシンが残る状態に茹で上げた麺を使用する
ものであること、これを急速凍結した後、増粘剤含有溶
液を付着させるものであること、そして、更にこれを急
速冷凍すること、などを必須の要件とするものであり、
これらのいずれの構成を欠いても所期の目的を達成する
ことはできない。本発明によれば、これらの特定の構成
を組み合わせることにより、電子レンジ等でのスープと
の同時解凍後においても、麺線の表面付近の水分含量が
内部よりも多くなり、いわゆる茹でたての本格的な麺の
水分分布と似た状態にすることができ、食感の面におい
ても、当該本格的な麺と比較して遜色のないものとする
ことができる。
【0027】一般に、本格的な茹で麺の水分分布は、麺
線の表面付近の水分含量が内部よりも多くなり、麺線の
中心部分と周辺部分の水分分布が不均一であることが原
因して、本格的な茹で麺に特有のコシの強さと独特のテ
クスチャーをもたらすことが知られているが、本発明の
冷凍麺を電子レンジ等で解凍した後の麺線の水分分布
は、本格的な茹で麺の水分分布と同等のものであり、通
常の冷凍麺の場合と明確に差があることがその断面写真
から明らかとなった(図1〜図4)。すなわち、本発明
者らは、前記したような特定の構成を組み合わせること
により、電子レンジ等により麺とスープとを分離した形
で同時に解凍、調理するタイプの冷凍麺においても、そ
れと同等の状態に維持し得ることができることを見い出
したものであり、かかる知見は、本発明者らの知るとこ
ろによればこれまで報告された例はなく、新規な知見で
あると云える。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例に基づいて
具体的に説明するが、本発明は当該実施例に限定される
ものではない。 実施例1 小麦粉25kg当たり、Be’5°のかん水を9.5l
加え、常法により製造し、麺帯厚1.4m/mとしたも
のを、切刃#20で切り出し、中華麺を製造した。次
に、この中華麺を常法よりも茹で時間を短くして1分間
茹で処理し、これを適当な大きさの塊に分けた後、−4
0℃のトンネルフリーザーで急速凍結して冷凍中華麺と
した。次に、当該冷凍中華麺を5℃の0.3%キサンタ
ンガム含有溶液に1〜2秒間浸漬してから取り出し、更
に当該溶液が麺塊100gにつき23g程度付着するよ
うに噴霧処理して微調整した後、−40℃の冷凍庫内で
急速冷凍し、当該付着液を完全に凍結させた。これをポ
リエチレン製の包装袋に別に準備した袋入り冷凍スープ
と分離した形で一体に密封し、製品とした。
【0029】比較例 同様にして、比較例として、茹で時間を常法の茹で時間
である2.5分間として茹で処理した以外は実施例1と
同様にして冷凍中華麺(比較例1)を調製し、また、常
法よりも茹で時間を短くして1分間として茹で処理した
後、これを急速冷凍することなしにキサンタンガム含有
溶液に浸漬した他は実施例1と同様にして冷凍中華麺
(比較例2)を調製した。
【0030】製品の品質評価試験 これらの冷凍中華麺をサンプルとして使用して、各冷凍
中華麺については、冷凍麺160gと冷凍スープ200
g(袋により分離したもの)とを1つの容器に入れて、
電子レンジで同時に解凍後、製品の品質評価試験(比較
テスト)を実施した。なお、製品の品質評価は、断面写
真による水分の分布状態の解析、及び弾力性、固さ、光
沢の各項目に関する20人のパネルを用いた5点評価法
による官能評価、を実施することにより行った。その結
果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、本発明製品は、
本格的に調製した麺製品と比較して、同等の性状のもの
であり、従来製品として示した比較例1〜2の製品と比
較して、明確に品質上の差があることが確認された。な
お、グアーガム、カラギーナン、デンプン、ゼラチン、
ペクチンを使用して同様に試験したところほぼ同様の結
果が得られた。
【0033】実施例2 うどん用小麦粉1kgに対して、食塩を30g、水を4
25gの割合で添加して混練し、次いで角カッターN
o.8(幅13.2mm、厚み2.5mm)を用いて製
麺して生うどんを製造した。このようにして製造した生
うどんを常法よりも茹で時間を短く10分間茹で、その
後直ちに冷水で洗っていわゆる冷水によるしめ処理を行
って茹でうどんを得た。当該茹でうどんを十分に水切り
した後、−40℃で急速凍結した。次いで、当該凍結麺
を0.3%キサンタンガム溶液に浸漬し、その後プラス
チックトレー内に入れて−40℃で急速に凍結し、本発
明による冷凍茹でうどんを製造した。次いで、得られた
冷凍茹でうどんをポリエチレンフィルムに別に準備した
袋入り冷凍スープと分離した形で一体に包装し、−20
℃の冷凍庫内に入れて一定期間保存した。保存一ヶ月、
電子レンジで麺とスープ(袋により分離したもの)とを
一つの容器に入れて加熱、解凍したところ茹で伸びがな
く弾力的な優れた食感を有するうどんが得られた。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明は、電子レ
ンジ等により麺とスープとを分離した形で同時に解凍、
調理することが可能な冷凍麺の製造方法及び当該方法に
よって得られる冷凍麺に係るものであり、本発明により
得られる冷凍麺は、電子レンジ等により麺とスープとを
分離した形で同時に解凍、調理した後も、麺線の表面付
近の水分含量が内部よりも多くなり、茹でたての麺に似
た水分分布とコシのある特有の優れた食感を有する麺に
復元することができる。また、本発明の冷凍麺によれ
ば、解凍復元後の茹で伸びがなく、弾力的な優れた食感
のものとなる。しかも、従来の冷凍麺の製造方法におけ
る製造工程を大幅に変更することなく、前記特定の構成
を採用することにより簡便、かつ確実に所期の効果を得
ることができる。このような本発明の冷凍麺に関する優
れた効果は、従来の冷凍麺の製造技術では到底得られな
かった格別のものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の麺製品の茹で上げ直後の断
面における水分分布の説明図(水分の粒子の分布構造の
写真)を示す。
【図2】本発明の実施例1の麺製品の解凍後の断面にお
ける水分分布の説明図(水分の粒子の分布構造の写真)
を示す。
【図3】比較例1の麺製品の茹で上げ直後の断面におけ
る水分分布の説明図(水分の粒子の分布構造の写真)を
示す。
【図4】比較例1の麺製品の解凍後の断面における水分
分布の説明図(水分の粒子の分布構造の写真)を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】本発明においては、まず、常法により製造
したこれらの麺を茹で処理するが、常法よりも茹で時間
を短くしてシンが残る状態に茹で上げた、いわば麺の茹
で状態を不充分な形で、適当な大きさの塊となし、これ
を急速凍結することが重要であり、この場合、麺線の水
分を不足した状態にして、その中心部分と周辺部分の水
分分布を不均一な状態にした形で急速凍結することが重
である。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常法よりも茹で時間を短くしてシンを残
    した状態に茹で上げた麺を適当な大きさの塊となし、こ
    れを急速凍結した後、増粘剤含有溶液を麺に付着させて
    から、これを更に急速冷凍し、当該付着液を凍結させる
    ことを特徴とする冷凍麺の製造方法。
  2. 【請求項2】 常法よりも茹で時間を短くしてシンを残
    した状態に茹で上げた麺を適当な大きさの塊となし、こ
    れを急速凍結した後、0〜10℃の増粘剤含有溶液に浸
    漬してから取り出し、更に当該溶液が麺塊100gにつ
    き10〜40g程度付着するように霧吹きなどで微調整
    してから急速冷凍し、当該付着液を凍結させることを特
    徴とする冷凍麺の製造方法。
  3. 【請求項3】 増粘剤が、キサンタンガム、グアーガ
    ム、カラギーナン、デンプン、ゼラチン、ペクチンであ
    る請求項1又は請求項2記載の冷凍麺の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2記載の製造方法に
    より製造される冷凍麺と別に準備した冷凍スープとを分
    離した形で一体に適宜の包装形態に包装したことを特徴
    とする電子レンジ等により麺とスープとを同時に解凍、
    調理することが可能な冷凍麺。
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