JP2021159059A - 電子レンジ調理用麺類 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、電子レンジ調理によって、茹で立てのような風味、食感を有するデリバリー用の電子レンジ調理用麺類を提供することを課題とする。【解決手段】生麺を茹でた茹で麺を冷凍した冷凍麺と、ゼラチンゲルと、電子レンジ調理可能な容器と、を含む麺調理部と、ゼラチンゲル及び濃縮スープ、ゼラチンでゲル化されたストレートスープ又はストレートスープの何れか一つのスープと、電子レンジ調理可能な容器と、を含むスープ調理部と、に分けることにより、電子レンジ調理により麺を茹で調理用に調理することが可能となり、茹で立てのような風味、食感を有する電子レンジ調理用麺類を提供することができる。また、本発明に係る電子レンジ調理用麺類はデリバリー用に適している。【選択図】図5

Description

本発明は、デリバリーに適した電子レンジ調理用麺類に関する。
従来、ラーメンなどの麺類のデリバリーは存在するが、調理された麺類をそのままデリバリーすることが多く、麺が伸びたり、スープの温度が下がるなど出来立ての風味、食感とは異なるものであった。
また、近年、冷凍麺やコンビニエンスストアなどでセット麺と呼ばれる麺類が販売されており、電子レンジで温めることで簡単に麺類を喫食することができる。しかしながら、これらの麺類は温めることで喫食できるようにすることを目的としているため、麺が十分下茹でされており、茹でたてのような生麺の風味、食感を得ることが困難であった。
ところで、ゼラチンによって固形化したゲルを用いた食品に関する技術が公開されている(特許文献1及び2)。
特許文献1には、耐熱性容器の中央部に引抜き可能な仕切板を配置し、その仕切板の下部にゼラチンにて固形化してなる固形出汁を、且つその仕切板の上部に食品材料を、それぞれ配置して、固形出汁と食品材料との鮮度を保ち、調理時には、仕切板を引抜くとすぐにそのまま調理することができる加熱用容器入り即席食品が開示されている。
特許文献2には、冷凍パスタを容器そのままで、電子レンジに掛け、追い水や容器の蓋を開けること無しに、簡便に、早くおいしいパスタを食べることができる冷凍パスタの解凍容器と解凍方法として、クラッシュされた冷凍パスタソースを、容器の底部に入れ、中央に穴を開け、 リング状に成型した冷凍パスタに空隙を残してその上部にのせ、更に水分補給のため、ゼラチンでゲル化した水分を乗せ、更にパスタの縁部分の過熱乾燥を防止するため、容器の外側でパスタの縁に当たる部分に箔又は塗料を用いマイクロウェーブを調節する方法が記載されている。
特開平9−47266号公報 特開平9−299052号公報
本発明は、電子レンジ調理によって、茹で立てのような麺の風味、食感を有するデリバリーに適した電子レンジ調理用麺類を提供することを課題とする。
発明者らは、茹で立てのような麺の風味、食感を有するデリバリー用の麺類を提供する方法について鋭意研究した結果、お客様が麺類を電子レンジで温めるのではなく、茹で調理の様に電子レンジ調理で麺を加熱調理する方法を考えた。そこで、更に鋭意研究した結果、本発明に至った。
すなわち、生麺を茹でた茹で麺を冷凍した冷凍麺と、ゼラチンゲルと、電子レンジ調理可能な容器と、を含む麺調理部と、ゼラチンゲル及び濃縮スープ、ゼラチンでゲル化されたストレートスープ又はストレートスープの何れか一つと、電子レンジ調理可能な容器と、を含むスープ調理部と、を含む電子レンジ調理用麺類である。
また、本発明に係る冷凍麺の水分は、48〜54重量%であり、麺調理部のゼラチンゲルは、冷凍麺の重量に対して25〜50重量%添加されており、麺調理部の調理後の麺の水分が54〜60重量%であることが好ましい。
また、本発明においては、下からスープ調理部の容器、ゼラチンゲル及び濃縮スープ、ゼラチンでゲル化したストレートスープ又はストレートスープの何れか一つのスープ、麺調理部の容器、ゼラチンゲル、冷凍麺、蓋の順に積層させることで麺調理部とスープ調理部が一体化した電子レンジ調理用麺類とすることもできる。
また、本発明に係る冷凍麺は、水洗冷却されずに冷凍された冷凍麺であってもよい。
また、本発明に係る冷凍麺は、麺塊の底面が上となるように配置されていることが好ましい。
また、本発明に係る電子レンジ調理用麺類は、デリバリー用であることが好ましい。
本発明により、電子レンジ調理によって、茹で立てのような麺の風味、食感を有するデリバリーに適した電子レンジ調理用麺類を提供することができる。
本発明に係る電子レンジ調理用麺類の麺調理部Aを示した模式図である。 本発明に係る電子レンジ調理用麺類のスープ調理部Bを示した模式図である。 本発明に係る電子レンジ調理用麺類の変形例である麺調理部A’を示した模式図である。 本発明に係る電子レンジ調理用麺の変形例であるスープ調理部B’を示した模式図である。 本発明に係る電子レンジ調理用麺の変形例である麺調理部A’とスープ調理部B’が一体化した状態を示した模式図である。 本発明に係る具材部Cを示した模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
なお、本発明において製造する麺の種類は、特に限定されず、通常、当技術分野で知られるいかなるものであってもよい。例えば、中華麺、うどん、そば、パスタ等が挙げられる。
1.麺原料配合
本発明に係る電子レンジ調理用麺類の生麺には、通常の麺類の原料が使用できる。すなわち、主原料粉としては、小麦粉(デュラム粉を含む)、そば粉及び米粉等の穀粉、並びに馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉及びコーンスターチ等の各種澱粉を単独で使用しても、または混合して使用してもよい。前記澱粉として、生澱粉、α化澱粉、並びにアセチル化澱粉、エーテル化澱粉及び架橋澱粉等の加工澱粉等を使用することもできる。これら主原料粉に対して麺類の製造において一般に使用されている食塩やアルカリ剤、各種増粘剤、麺質改良剤、食用油脂、カロチン色素等の各種色素等を添加することができる。これらは、主原料粉と一緒に粉体で添加しても、練り水に溶かすか懸濁させて添加してもよい。
2.製麺工程
前記原料を混練することによって麺生地(ドウ)を製造する。より具体的には、小麦粉や澱粉等の主原料粉に、麺質改良剤等の副原料粉を加え粉体混合した後、さらに水に食塩、アルカリ剤等の副原料を溶解させた練り水を加え、ミキサーを用いて各原料が均一に混ざるように良く混捏してドウを製造する。このとき、真空ミキサーなどにより減圧下でミキシングを行ってもよい。
次いで作製したドウから麺線を作製する。作製方法としては、常法に従って行えばよく、エクストルーダ等を用いてドウを押し出して麺線を作製する方法や、ドウを複合等により麺帯化した後、ロールにより複数回圧延し、所定の麺帯厚とした後、切刃と呼ばれる切出しロール又は包丁切りにより麺帯を切出し、麺線を作製する方法が挙げられる。次いで作製した麺線を適当な長さで切断し、生麺とする。このとき、切刃の形状は特に限定はなく、丸刃でも角刃でも包丁歯でもよい。本発明に係る生麺の水分としては、28〜35重量%のものを使用することが好ましい。
3.茹で処理工程
次いで作製した生麺をバケットに充填し、沸騰水中で茹で処理し、茹で麺とする。茹で温度及び茹で時間は、麺の種類、麺の太さにより好ましい条件が異なるため適宜設定すればよい。茹で温度については、90〜100℃程度である。また、茹で時間については、中華麺であれば20秒〜5分程度であり、うどんであれば4分〜20分程度である。
生麺を喫食できるようする場合、通常、茹で処理後の茹で麺の水分が57〜63重量%程度まで調理するが、本発明においては、完全に茹で処理するのではなく、茹で処理後の茹で麺の水分が50〜55重量%程度となるように調整することが好ましい。茹で麺の水分が低すぎると、茹で麺の糊化が進んでおらず、後述する麺調理部を電子レンジ調理する際に、麺の表面が溶けたり、芯が硬く、粉っぽい食感となる。逆に茹で麺の水分が高すぎると、本発明においては、後述する麺調理部を電子レンジ調理する際に、茹で立てのような風味、食感が得られにくくなる。より好ましい茹で麺の水分は50〜52重量%の範囲である。
茹で処理した茹で麺は、必要により水洗冷却を行ってもよいが、水洗冷却を行うと、表面が硬くなり、かんすい臭などの風味が落ちる傾向にあるため、かんすい臭を必要としない麺を除き、水洗冷却を行わない方が好ましい。水洗冷却を行う場合は、20℃以下の水道水で表面のぬめりを取る程度にかけ流しながら冷却すればよい。水洗冷却をする場合は、茹で麺の水分が3重量%前後上昇する。
茹で処理した茹で麺または必要により水洗冷却を行った茹で麺は、結着防止のために麺の表面にオイルを塗布してもよい。オイルの種類は食用であれば特に限定はないが、常温で液体の油脂か乳化油脂が好ましい。
4.冷凍処理工程
次いで茹で麺を冷凍容器に充填し、冷凍処理し、冷凍麺とする。冷凍容器がマイクロ波処理可能であれば、冷凍容器をそのまま麺調理部の容器としてもよい。冷凍容器は、冷凍麺が後述する麺調理部の容器に収まるように設計すればよい。また、冷凍容器への充填は、なるべく均等に密度が高くならないように充填することが好ましい。冷凍することで、必要な時にすぐに使用でき、デリバリーなどの輸送中に麺が電子レンジ用容器内で潰れることなく、適度な低温に保管することができる。また、後述する電子レンジ調理において、麺調理部のゼラチンゲルが溶解し、沸騰するまでの間に麺がマイクロ波により直接加熱されすぎることを防ぐことができる。
また、本発明における冷凍処理のための手段は、従来技術を適用することができる。例えば、エアブラスト式のトンネルフリーザー、スパイラルフリーザー、ワゴンフリーザーや急速凍結庫、ブライン式のフレキシブルフリーザー等の商業用の凍結装置だけでなく、一般的な業務用、家庭用の冷凍庫も適用できる。冷凍は、例えば約−35℃のトンネルフリーザーを利用して急速凍結してもよく、業務用の−18℃の冷凍庫に入れて凍結させてもよい。冷凍した冷凍麺は、使用されるまで−18℃の冷凍庫で保存することができる。
また、冷凍処理により凍結前の麺の水分が2重量%前後蒸発することから、冷凍麺の水分としては、48〜54重量%とすることが好ましい。
5.ゼラチンゲル
本発明に係るゼラチンゲルは、麺調理部及びスープ調理部の両方に使用することができる。麺調理部に使用するゼラチンゲルは、ゼラチンを水に加温溶解した後、冷却し、固めたゲルを使用する。スープ調理部に使用するものは、ゼラチンを水に加温溶解した後、冷却し固めたゲルだけでなく、直接ストレートスープにゼラチンを加温溶解した後、冷却し固めたゲルを使用することもできる。
ゼラチンの種類は特に限定はなく、板ゼラチン、粉ゼラチン、顆粒ゼラチンなど何れのゼラチンも使用することができる。また、豚由来、牛由来、魚由来の何れのゼラチンも使用でき、ゼリー強度も100〜300gタイプの何れも使用することができる。ゼラチンの添加量としては、使用するゼラチンのタイプによっても異なるが、ゼラチンゲルの保形性や離水性、スープの風味や粘度への影響を考慮して調整すればよく、ゼラチンゲル中に0.5〜3重量%となるように添加することが好ましい。ゼラチン濃度が低すぎるとゲル化しなかったり、離水が多くなり、逆に高すぎるとスープの風味や粘度への影響がある。
また、ゼラチンゲルのゲル強度としては、4(/g)以上であれば保形性を保つことができる。4よりも低いとゲルが弱く、輸送中に液漏れがおきる可能性がある。また、ゲル強度が10以上であればゼラチンゲルから離水を少なくでき、さらに20以上あれば保形性が非常に良好で、ゲルからの離水もほとんどなくなる。ゼラチンゲルのゲル強度の測定方法は、4℃の冷蔵庫で24時間冷却したゲルを検体とする以外は、「JIS K 6503:2001 にかわ及びゼラチン 5.4ゼリー強度」に準じて行えばよい。麺調理部に使用するゼラチンゲルのゲル強度は、10以上が好ましく、より好ましくは20以上である。スープ調理部に使用するゼラチンゲルの強度としては、4以上あればよい。ただし、イートインなどの輸送せずにその場で調理して喫食する場合、ストレートスープを袋に密封する場合、液漏れ対策がなされた容器に入れ、徒歩程度の軽微な輸送で持ち帰る場合などは、必ずしもスープ調理部のスープをゼラチンゲルとする必要はなく、ストレートスープのまま使用することもできる。尚、本発明に係るストレートスープとは、そのまま喫食できる状態のスープのことを指す。
また、麺調理部に使用するゼラチンゲルは、消泡剤を添加してもよい。消泡剤としては、シリコーンや消泡性のある乳化剤が挙げられ、消泡性のある乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステルである理研ビタミン社のエマルジースーパーが挙げられる。消泡剤の添加量の添加量は、麺調理部を調理中にゼラチン溶液の泡の発生や吹きこぼれを抑える範囲で味に影響が出ない程度に調整することが好ましい。
6.電子レンジ用容器
本発明に係る麺調理部及びスープ調理部は、電子レンジ調理可能な容器を使用する。容器本体の材質は、電子レンジ調理が可能であれば特に問わない。例えば、ガラスや陶器、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン及びポリサルホンなどのプラスチック素材、紙が挙げられる。ただ、ガラスや陶器の場合は容器に熱が奪われるため、発泡ポリプロピレン製や耐寒耐熱性のある発泡ポリスチレン製が好ましい。
容器本体の形状は、特に限定はなく、カップ状、どんぶり状、皿状、深皿状など好みの形状とすることができる。また、容器に合うように蓋を使用することもできる。蓋の材質としては容器と同様に電子レンジ調理が可能であれば特に問わず、耐熱性のあるポリプロピレンやポリスチレンが好ましい。蓋を電子レンジ調理に使用する場合は、蒸気穴を設けることが好ましい。蓋を設けることにより、輸送中に麺やゼラチンゲルが電子レンジ用容器から飛び出すのを防ぎ、後述する電子レンジ調理時に突沸や吹きこぼれを防ぎ、調理効率を上げることができる。
8.電子レンジ調理用麺類
本発明の電子レンジ調理用麺類は、デリバリー用を想定しているため、注文が来てから、電子レンジ調理用麺類を作製する。図1及び図2は、本発明に係る電子レンジ調理用麺類の麺調理部Aとスープ調理部Bを示した図である。
図1で示すように、本発明に係る電子レンジ調理用麺類の麺調理部Aは、電子レンジ調理可能な容器1にゼラチンゲル4を入れ、茹で処理された冷凍麺3をその上に乗せ、電子レンジ調理可能な蓋2を容器1に被せてある。通常の電子レンジ調理用麺類ではスープと麺が一体となった状態で調理されるが、本発明に係る電子レンジ調理用麺類の麺調理部Aは、麺調理部Aのみで電子レンジ調理される。
ゼラチンゲル4は、冷凍麺3と直に接しているため、水分移行を防止するためにゼラチンゲル4の強度は20以上が好ましい。ゼラチンゲル4の添加量としては、出来上がりの後の麺の水分が3〜8重量%上昇するように添加することが好ましい。具体的には、冷凍麺の重量に対して25〜50重量%程度添加することが好ましい。少なすぎると、電子レンジ調理においてゼラチンゲルが溶解し沸騰することによる茹でたてのような調理感が得られにくく、多すぎるとゼラチンゲルを溶解し沸騰させるのに時間がかかるだけでなく、麺に吸収されないゼラチン溶液が多くなる。ゼラチンゲル4は、予め容器1内でゲル化させてもいいが、スプーン等でゼラチンゲル4をすくいながら、必要な量となるように容器1に添加してもよい。後者の方がゼラチンゲル4の表面積が増えるため、早く溶解し好ましい。
冷凍麺3は、麺塊の底面、つまり、冷凍容器にて茹で麺を凍結する際の容器の底側の平坦な面を上となるように反転して乗せることが好ましい。麺塊の表面、つまり、冷凍容器にて茹で麺を凍結する際の上側の凹凸な面を上にするように乗せると、後述する電子レンジ調理において、麺の凸部に電磁波が集中して麺が変色しやすくなる。
図2で示すように、本発明に係る電子レンジ調理用麺類のスープ調理部Bは、電子レンジ調理可能な容器6にゼラチンゲル9を入れ、濃縮スープ8を添加し、電子レンジ調理可能な蓋7を容器6に被せてある。通常の電子レンジ調理用麺類ではスープと麺が一体となった状態で調理されるが、本発明に係る電子レンジ調理用麺類のスープ調理部Bは、スープ調理部Bのみで電子レンジ調理される。
ゼラチンゲル9は、ゲルの形状を保ち、輸送中の液漏れが抑えられれば良く、ゲル強度としては4以上であればよい。また、本発明に係るスープ調理部Bは、濃縮スープ8とゼラチンゲル9に分けているが、ストレートスープをゼラチンでゲル化した物でも構わない。本発明に係るスープ調理部Bのように濃縮スープ8とゼラチンゲル9に分けておく方が、ゼラチンゲルをスープのバリエーションごとに用意する必要が無く、共通化できるため、好ましい。
また、濃縮スープ8を使用する場合は、容器6に入れる順番は、下から、ゼラチンゲル9、濃縮スープ8の順番が好ましい。濃縮スープ8を先に入れると電子レンジ調理時に焦げるなどの問題がある。
スープ調理部のスープは、必ずしもゼラチンゲル化してある必要はなく、イートインなどの輸送せずにその場で調理して喫食する場合、ストレートスープを袋に密封する場合、液漏れ対策がなされた容器に入れ、徒歩程度の軽微な輸送で持ち帰る場合などは、濃縮スープ8とゼラチンゲル9の代わりに、ストレートスープをそのまま使用することもできる。
また、必要により、図6で示すようなもやしやキャベツ、メンマやチャーシューなどの具材10を含む具材部Cを麺調理部Aまたはスープ調理部Bに内包するか、もしくは別包で添付できる。
本発明の電子レンジ調理用麺類の変形例としては、図3〜5で示すような麺調理部A’とスープ調理部B’が一体化した状態で電子レンジ調理されるものであってもよい。この場合、図5で示すように、蓋は1つでよく、麺調理部A’がスープ調理部B’の内部に含まれるような形がよい。また麺調理部の容器1には、ゼラチンゲル4が溶解しても流出しない位置に蒸気孔を設けることが好ましい。そうすることで電子レンジ調理時に発生した蒸気が麺調理部A’の蒸気孔から蓋7の蒸気孔を通って出て行くため、長時間加熱してもスープ調理部B’内のスープの突沸が起こりにくくなる。
また、必要により、図6で示すようにもやしやキャベツ、メンマやチャーシューなどの具材10を含む具材部Cを麺調理部Aの上に内包するか、もしくは別包で添付できる。
麺がある程度細い場合は、図3〜5で示すような麺調理部とスープ調理部を一体化した電子レンジ調理用麺類が好ましいが、麺が太くなると、麺の調理に時間がかかるため、図1及び図2で示すような麺調理部とスープ調理部を分けたものが好ましい。また、ゼラチンゲル化していないストレートスープをスープ調理部に使用する場合は、スープの温度が高いと、麺調理部の冷凍麺塊が溶解しやすくなり、品質に影響を及ぼす可能性があるため、図1及び図2で示すように麺調理部とスープ調理部が分かれたものが好ましい。
9.デリバリー
本発明の電子レンジ用麺類は、自転車、バイク、自動車などによるデリバリーを想定しているが、直接店舗等で客に提供することや、客が店舗から持ち帰って喫食することもできる。デリバリーや持ち帰り時間は30分以内を想定しており、電子レンジ用麺類を保温容器に入れて低温下で輸送し、電子レンジを用いて調理する。30分以内であれば麺が十分冷えた状態で客まで届けることができる。
10.電子レンジ調理
本発明の電子レンジ調理用麺類は、喫食者が電子レンジにて最終調理する。調理時間は、電子レンジ調理用麺類のタイプや麺の太さなどにもよるが、麺調理部とスープ調理部を別々に調理する場合は、通常500〜600Wで麺調理部の調理に3〜6分、スープ調理部の調理に5〜6分調理すればよい。また、麺調理部とスープ調理部を同時に調理する場合は、通常500〜600Wで8〜12分程度調理すればよい。本発明に係る電子レンジ調理用麺類においては、麺調理部とスープ調理部を分けて設けることにより、麺とスープを分けてそれぞれ調理することが可能となり、それぞれが最適な調理となるように設定できる。
また、本発明の電子レンジ調理用麺類の冷凍麺は、通常の茹で麺の水分よりも低く設定されており、電子レンジ調理時に麺調理部のゼラチンゲルが溶解、沸騰し、冷凍麺を茹で調理のように加熱、調理することができる。そのため、茹で立てのような麺の風味や食感を再現することが可能となる。
このとき、本発明の電子レンジ調理用麺類の電子レンジ調理後の麺の水分は、生麺をそのまま喫食できるように茹でたときの茹で麺の水分より3重量%程度低い水分となるようにゼラチンゲルの添加量や、電子レンジによる加熱時間を調整することが好ましい。具体的には、生麺をそのまま喫食できるように茹でたときの茹で麺の水分が57〜63重量%の場合は、電子レンジ調理後の水分が54〜60重量%となるようにゼラチンゲルの添加量、電子レンジによる加熱時間を調整すればよい。理由としては、茹で調理は、麺の外側から水分の浸透と糊化が進んでいくのに対し、電子レンジ調理は、内部の麺の糊化も進んでいくため、生麺を茹でた時と同じ水分となるまで電子レンジ加熱すると、糊化が進みすぎて柔らかい食感となってしまうためである。
また、適度に茹で処理した冷凍麺を用いることにより、麺の表面が糊化されているため、電子レンジ調理によりゼラチンゲルが沸騰するまでの間に麺の表面が茹で解けることなく、麺の表面と内部の糊化度合いに茹で麺のような勾配をつけることができ、より茹でたての麺のような食感となる。
以下に実施例を挙げて本実施形態をさらに詳細に説明する。
<予備試験>ゼラチンゲルの検討
粉末ゼラチン(牛由来、ゼリー強度250g)を下記0.6〜2.6重量%となるように50℃の水に加温溶解し、室温で放冷後、4℃で24時間凝固したゼラチンゲルを作製し、ゼラチンゲルのゲル強度、保形性、離水性、レンジ加熱後のゼラチン溶液のスープへの影響(風味、粘度)について評価を行った。官能評価については、5人のベテランパネラーにより行った。
ゲル強度については、上述した方法によりゲル強度を測定した。保形性については、目視で行い、ゲル化していないものを×、ゲル化しているが容易に形が崩れるものを△、ゲル化しており保形性が良好なものを○、しっかりとゲル化しており保形性が非常に良好なものを◎、とした。離水性については、作製したゼラチンゲルに寒天フィルム(50℃溶解性)を乗せて常温で60分経過後の寒天フィルム上の濡れ具合を確認し、寒天フィルムが明らかに濡れているものを×、寒天フィルムが湿っているものを△、寒天フィルムが僅かに湿っているが概ね離水できているものを○、寒天フィルムが乾いており、完全に離水できているものを◎とした。
スープへの影響については、ゼラチンゲル280gを600W6分間電子レンジ調理し、とんこつラーメン用の濃縮液体スープ30gを添加したものを、とんこつラーメン用の濃縮液体スープ30gを熱湯280gで溶解したスープと比較してスープの風味や粘度を官能評価した。風味については、ゼラチンの風味を全く感じないものを◎、ゼラチンの風味を僅かに感じるが概ね良好なものを○、ゼラチンの風味を感じるがスープとしては概ね可なものを△、ゼラチンの風味が強く、スープとして不可なものを×とした。また、粘度については、スープの粘性(とろみ具合)に全く影響のないものを◎、僅かにとろみが出るが概ね良好なものを○、とろみが強いものを△、著しくとろみが出るものを×とした。
予備試験の評価結果を下記表1に示す。
Figure 2021159059
表1で示すように、ゼラチンゲルのゼラチン濃度が高くなるほどゼラチン強度が高く、保形性が良くなっていくことがわかる。使用するゼラチンの種類によって濃度とゼラチン強度との関係が異なるため、ゼラチン強度としては、4以上であればゼラチンゲルとしての十分な保形性を有し、20以上であれば非常に良好な保形性を有すると考える。
離水性については、ゼラチン濃度(ゼラチン強度)が高くなるほどゼラチンゲルからの離水を抑え、麺への水分移行を防げると考える。ゼラチン強度としては、10以上であれば良好に、20以上であれば非常に良好にゼラチンゲルからの離水を防ぐことができると考える。
風味については、ゼラチン濃度が高くなるほどゼラチン由来の風味が強くなることがわかる。ゼラチンの種類やスープの種類によって風味の感じる濃度が異なるが、スープに使用する場合は適切なゼラチン強度の中で出来る限り強度が低い方が好ましい。
粘度については、電子レンジ調理後のスープは高温のためほとんど影響がないが、濃度が高すぎると粘度に若干影響が出ることがわかる。粘度については、適切なゼラチン強度、風味の中で調整することが好ましい。
<実験1>電子レンジ用麺類の検討
(実施例1)
準強力粉1000gに、卵白粉4g、グルテン6gを粉体混合し、食塩15g、かんすい製剤(炭酸ナトリウム50:炭酸カリウム45:重合リン酸塩5)13g、クチナシ色素6g、乳酸ナトリウム製剤(60重量%)15g、アルコール製剤(60重量%)55gを水290gに溶解した練水を加え、真空ミキサーにて常圧下で3分間混捏した後、減圧下で8分間混捏し、麺生地(ドウ)を作製した。
作製したドウを複合して麺帯を作製し、ロール圧延にて1.55mmまで麺帯を圧延した後、18番角のロール切刃にて麺帯を切断し、麺線とした後、約30cmとなるように麺線をカットし(水分32.0重量%)とし、一食140gに分けて麺玉した。
麺玉化した生麺を沸騰水中で60秒茹でて茹で麺(水分51.4重量%)を作製した。茹で麺206gと乳化油脂5gを混ぜて、耐寒、耐熱性のあるポリプロピレン製の中皿(径196mm、高さ28mm)に209g入れ、−36℃のエアブラスト式冷蔵庫で40分凍結し、冷凍麺196g(水分50.5重量%)を作製した後、−18℃の冷凍庫で保管した。
次いで粉末ゼラチン(牛由来、ゼリー強度250g)を50℃のお湯に1.7重量%となるように添加し、粗熱を取った後、4℃の冷蔵庫で24時間凝固し、麺調理用のゼラチンゲルを作製した(ゲル強度22.9/g)。
次いで、中皿から冷凍麺を取り出し、作製したゼラチンゲルを100gとなるようにスプーンですくいながら入れ、その上に作製した冷凍麺を麺塊の底面が上となるように反転して置き、図3のような電子レンジ調理用麺類の麺調理部を作製した。
次いで、粉末ゼラチン(牛由来、ゼリー強度250g)を50℃のお湯に1.0重量%となるように添加し、粗熱を取った後、4℃の冷蔵庫で24時間凝固し、スープ調理部用のゼラチンゲルを作製した(ゲル強度4.6/g)。
電子レンジ調理可能な耐熱ポリスチレン製の容器(上径195mm、下径107mm、高さ80mm)に、作製したゼラチンゲルを270gとなるようにスプーンですくいながら入れ、その上に液体の濃縮スープ(味噌ラーメン)を146g添加し、その上に作製した麺調理部を含む中皿を載せ、容器と内嵌合する電子レンジ調理可能なポリプロピレン製の蓋(径187mm、高さ25mm)を被せ、図4、図5のような電子レンジ調理用麺類(及びスープ調理部)を作製した。
(実施例2)
茹で時間を50秒(水分50.2重量%)とする以外は、実施例1に従って、電子レンジ調理用麺類を作製した。
(実施例3)
茹で時間を100秒(水分55.0重量%)とする以外は、実施例1に従って、電子レンジ調理用麺類を作製した。
(実施例4)
準強力粉1000gに、卵白粉5gを粉体混合し、食塩12g、かんすい製剤(炭酸ナトリウム50:炭酸カリウム45:重合リン酸塩5)11g、クチナシ色素1g、乳酸ナトリウム製剤(60重量%)15g、アルコール製剤(60重量%)53gを水275gに溶解した練水を加え、常圧ミキサーで15分間混捏し、麺生地(ドウ)を作製した。
作製したドウを複合して麺帯を作製し、ロール圧延にて1.7mmまで麺帯を圧延した後、20番角のロール切刃にて麺帯を切断し、麺線とした後、約30cmとなるように麺線をカットし(水分31.0重量%)とし、一食135gに分けて麺玉した。
麺玉化した生麺を沸騰水中で45秒茹でて茹で麺(水分50.6重量%)を作製した。茹で麺183gと乳化油脂5gを混ぜて、耐寒、耐熱性のあるポリプロピレン製の中皿(径196mm、高さ28mm)に186g入れ、−36℃のエアブラスト式冷蔵庫で40分凍結し、冷凍麺180g(水分48.3重量%)を作製した後、−18℃の冷凍庫で保管した。
次いで、中皿から冷凍麺を取り出し、中皿に実施例1で作製した麺調理用のゼラチンゲルを80gとなるようにスプーンですくいながら入れ、その上に作製した冷凍麺を麺塊の底面が上となるように反転して置き、図3のような電子レンジ調理用麺類の麺調理部を作製した。
電子レンジ調理可能な耐熱ポリスチレン製の容器(上径195mm、下径107mm、高さ80mm)に、実施例1で作製したスープ調理部用のゼラチンゲルを250gとなるようにスプーンですくいながら入れ、その上に液体の濃縮スープ(醤油とんこつラーメン)を151g添加し、その上に作製した麺調理部を含む中皿を載せ、容器と内嵌合する電子レンジ調理可能なポリプロピレン製の蓋(径187mm、高さ25mm)を被せ、図4、図5のような電子レンジ調理用麺類(及びスープ調理部)を作製した。
(実施例5)
準強力粉1000gに、卵白粉11g、グルテン4gを粉体混合し、食塩10g、かんすい製剤(炭酸ナトリウム50:炭酸カリウム45:重合リン酸塩5)12g、クチナシ色素1g、乳酸ナトリウム製剤(60重量%)15g、アルコール製剤(60重量%)55gを水260gに溶解した練水を加え、常圧ミキサーで15分間混捏し、麺生地(ドウ)を作製した。
作製したドウを複合して麺帯を作製し、ロール圧延にて1.35mmまで麺帯を圧延した後、22番角のロール切刃にて麺帯を切断し、麺線とした後、約30cmとなるように麺線をカットし(水分30.0重量%)とし、一食115gに分けて麺玉した。
麺玉化した生麺を沸騰水中で45秒茹でて茹で麺(水分52.1重量%)を作製した。茹で麺を流水にて水洗し、表面のぬめりをとって冷却した麺(水分55.2重量%)173gと乳化油脂5gを混ぜて、耐寒、耐熱性のあるポリプロピレン製の中皿(径196mm、高さ28mm)に176g入れ、−36℃のエアブラスト式冷蔵庫で40分凍結し、冷凍麺171g(水分53.2重量%)を作製した後、−18℃の冷凍庫で保管した。
次いで、中皿から冷凍麺を取り出し、中皿に実施例1で作製した麺調理用のゼラチンゲルを50gとなるようにスプーンですくいながら入れ、その上に作製した冷凍麺を麺塊の底面が上となるように反転して置き、図3のような電子レンジ調理用麺類の麺調理部を作製した。
電子レンジ調理可能な耐熱ポリスチレン製の容器(上径195mm、下径107mm、高さ80mm)に、実施例1で作製したスープ調理部用のゼラチンゲルを280gとなるようにスプーンですくいながら入れ、その上に液体の濃縮スープ(醤油ラーメン)を102g添加し、その上に作製した麺調理部を含む中皿を載せ、容器と内嵌合する電子レンジ調理可能なポリプロピレン製の蓋(径187mm、高さ25mm)を被せ、図4、図5のような電子レンジ調理用麺類(及びスープ調理部)を作製した。
(実施例6)
準強力粉1000gに、グルテン10gを粉体混合し、食塩15g、かんすい製剤(炭酸ナトリウム50:炭酸カリウム45:重合リン酸塩5)15g、乳酸ナトリウム製剤(60重量%)15g、アルコール製剤(60重量%)55gを水270gに溶解した練水を加え、常圧ミキサーで15分間混捏し、麺生地(ドウ)を作製した。
作製したドウを複合して麺帯を作製し、ロール圧延にて1.70mmまで麺帯を圧延した後、9番角のロール切刃にて麺帯を切断し、麺線とした後、約30cmとなるように麺線をカットし(水分31.0重量%)とし、一食360gに分けて麺玉した。
麺玉化した生麺を沸騰水中で180秒茹でて茹で麺(水分51.5重量%)を作製した。茹で麺360gと乳化油脂15gを混ぜて、耐寒性のあるポリプロピレン製の冷凍容器(径154mm、高さ45mm)に331g入れ、−36℃のエアブラスト式冷蔵庫で40分凍結し、冷凍麺320g(水分52.0重量%)を作製した後、−18℃の冷凍庫で保管した。
次いで、冷凍容器から冷凍麺を取り出し、実施例1で作製した麺調理用のゼラチンゲルを110gとなるように電子レンジ調理可能な耐熱発泡ポリスチレン製の容器(上径179mm、下径107mm、高さ60mm)スプーンですくいながら入れ、その上に作製した冷凍麺を底面が上となるように反転して置き、図1のような電子レンジ調理用麺類の麺調理部を作製した。
次いで電子レンジ調理可能な耐熱発泡ポリスチレン製の容器(上径195mm、下径107mm、高さ80mm)に、実施例1で作製したスープ調理部用のゼラチンゲルを250gとなるようにスプーンですくいながら入れ、その上に液体の濃縮スープ(とんこつラーメン)を154g添加し、容器と内嵌合する電子レンジ調理可能なポリプロピレン製の蓋(径187mm、高さ25mm)を被せ、図2のような電子レンジ調理用麺類のスープ調理部を作製した。
(比較例1)
実施例1で作製した生麺140gを沸騰水で180秒間茹でて茹で麺230g(水分61.0重量%)を作製した。次いで、電子レンジ調理可能な耐熱ポリスチレン製の容器(上径195mm、下径107mm、高さ80mm)に濃縮スープ146gと沸騰水270gを入れ、そこに茹で麺を入れ、比較用の茹で麺サンプルを作製した。
(比較例2)
実施例1で作製した生麺140gを沸騰水で150秒茹でて茹で麺220g(水分57.8重量%)を作製した。作製した茹で麺を流水にて水洗し、表面のぬめりをとって冷却した麺228g(水分60.5重量%)と乳化油脂5gを混ぜて、耐寒、耐熱性のあるポリプロピレン製の中皿(径196mm、高さ28mm)に230g入れ、チルド麺の麺調理部として4℃で保管した。
次いで実施例1同様に電子レンジ調理可能な耐熱発泡ポリスチレン製の容器(上径195mm、下径107mm、高さ80mm)に、実施例1で作製したスープ調理部用のゼラチンゲルを270gとなるようにスプーンですくいながら入れ、その上に液体の濃縮スープ(味噌ラーメン)を146g添加し、その上に作製したチルド麺の麺調理部を含む中皿を載せ、容器と内嵌合する電子レンジ調理可能なポリプロピレン製の蓋(径187mm、高さ25mm)を被せ、図5のような形態のコンビニエンスストア風の電子レンジ調理用セット麺を作製した。
(比較例3)
実施例1で作製した生麺140gを沸騰水で150秒茹でて茹で麺220g(水分57.8重量%)を作製した。作製した茹で麺を流水にて水洗し、表面のぬめりをとって冷却した麺228g(水分60.5重量%)と乳化油脂5gを混ぜて、耐寒、耐熱性のあるポリプロピレン製の中皿(径196mm、高さ28mm)に230g入れ、−36℃のエアブラスト式冷蔵庫で40分凍結し、冷凍麺221g(水分58.5重量%)を作製し、冷凍麺の麺調理部として−18℃の冷凍庫で保管した。
次いで実施例1同様に電子レンジ調理可能な耐熱発泡ポリスチレン製の容器(上径195mm、下径107mm、高さ80mm)に、実施例1で作製したスープ調理部用のゼラチンゲルを270gとなるようにスプーンですくいながら入れ、その上に液体の濃縮スープ(味噌ラーメン)を146g添加し、その上に作製したチルド麺の麺調理部を含む中皿を載せ、容器と内嵌合する電子レンジ調理可能なポリプロピレン製の蓋(径187mm、高さ25mm)を被せ、図5のような電子レンジ調理用冷凍麺を作製した。
(比較例4)
実施例4で作製した生麺135gを沸騰水で150秒間茹でて茹で麺221g(水分57.6重量%)を作製した。次いで、電子レンジ調理可能な耐熱ポリスチレン製の容器(上径195mm、下径107mm、高さ80mm)に濃縮スープ151gと沸騰水250gを入れ、そこに茹で麺を入れ、比較用の茹で麺サンプルを作製した。
(比較例5)
実施例5で作製した生麺115gを沸騰水で120秒間茹でて茹で麺201g(水分62.1重量%)を作製した。次いで、電子レンジ調理可能な耐熱ポリスチレン製の容器(上径195mm、下径107mm、高さ80mm)に濃縮スープ102gと沸騰水280gを入れ、そこに茹で麺を入れ、比較用の茹で麺サンプルを作製した。
(比較例6)
実施例6で作製した生麺を沸騰水で360秒間茹でて茹で麺306g(水分58.6重量%)を作製した。次いで、電子レンジ調理可能な耐熱ポリスチレン製の容器(上径195mm、下径107mm、高さ80mm)に濃縮スープ154gと沸騰水250gを入れ、そこに茹で麺を入れ、比較用の茹で麺サンプルを作製した。
比較例1、4、5、6以外の各サンプルを電子レンジ調理して官能評価を行った。評価は、5人のベテランパネラーにより実施し、比較例1、4、5、6のサンプルを基準として、麺の食感、風味について行い、比較例1、4、5、6と同等なものを◎、やや劣るが良好なものを○、やや劣るものを△、著しく劣るものを×、とした。
比較例1、4、5、6以外の各サンプルの電子レンジ調理条件及び官能評価結果を下記表2に示す。
Figure 2021159059
比較例2で示すように、コンビニエンスストア等で販売されているセット麺のような、チルド麺をスープとともに温めるような形態では、麺がスープを吸うことにより麺の風味が悪く、また、調理も茹でるというよりかは温める程度であるため、麺の食感も悪くなった。
また、比較例3で示すように、単純に冷凍麺を調理した場合には、茹で立てのような風味は弱く、食感も冷凍麺独特の全体的に弾力のある食感となった。
それに対し、実施例1〜6で示すように、電子レンジ調理用麺類を麺調理部とスープ調理部とに分け、それぞれを電子レンジ調理することにより、電子レンジ調理であっても、麺調理部は、ゼラチンゲルが溶解し、沸騰することで麺が茹でられたような調理となるため、茹で麺のような風味や食感が得られた。
実施例2で示すように茹で時間が短く、茹で麺の水分が低くなると、表面の糊化が少なく、ゼラチンゲルが沸騰するまでの間に麺が水を吸うため、表面がやや茹で解けしたような食感となった。また、麺内部にも水分が浸透しておらず、電子レンジ調理による麺の芯のα化が弱くなるため、麺の芯が粉っぽく、風味や食感が劣る傾向がみられた。
また、実施例3で示すように茹で時間が長く、茹で麺の水分が高くなると、生麺を茹でたような風味が弱くなり、麺表面の張りを感じ、麺の水分勾配が少なく、麺内部の糊化が進み、弾力が欠ける傾向がみられた。
1 容器(麺調理部)
2 蓋(麺調理部)
3 冷凍麺
4 ゼラチンゲル(麺調理部)
5 (電子レンジ調理用容器)蓋
6 容器(スープ調理部)
7 蓋(スープ調理部)
8 濃縮スープ
9 ゼラチンゲル(スープ調理部)
10 具材
11 トレー
A 麺調理部
A’ 麺調理部(変形例)
B スープ調理部
B’ スープ調理部(変形例)
C 具材部

Claims (6)

  1. 生麺を茹でた茹で麺を冷凍した冷凍麺と、ゼラチンゲルと、電子レンジ調理可能な容器と、を含む麺調理部と、
    ゼラチンゲル及び濃縮スープ、ゼラチンでゲル化されたストレートスープ又はストレートスープの何れか一つのスープと、電子レンジ調理可能な容器と、を含むスープ調理部と、
    を含む電子レンジ調理用麺類。
  2. 前記冷凍麺の水分は、48〜54重量%であり、
    前記麺調理部のゼラチンゲルは、前記冷凍麺の重量に対して25〜50重量%添加されており、前記麺調理部の調理後の麺の水分が54〜60重量%であることを特徴とする請求項1記載の電子レンジ調理用麺類。
  3. 前記麺調理部と前記スープ調理部とが一体化した状態であって、
    前記スープ調理部の上に、前記麺調理部があり、
    下から前記スープ調理部の容器、前記ゼラチンゲル及び濃縮スープ、ゼラチンでゲル化されたストレートスープ又はストレートスープの何れか一つのスープ、前記麺調理部の容器、前記麺調理部のゼラチンゲル、前記冷凍麺、蓋の順に積層されていることを特徴とする請求項1または2記載の電子レンジ調理用麺類。
  4. 前記冷凍麺が、水洗冷却されずに冷凍された麺であることを特徴とする請求項1〜3何れか一項記載の電子レンジ調理用麺類。
  5. 前記冷凍麺は、麺塊の底面が上となるように配置されていることを特徴とする請求項1〜4何れか一項記載の電子レンジ調理用麺類。
  6. 前記電子レンジ調理用麺類がデリバリー用であることを特徴とする請求項1〜5何れか一項記載の電子レンジ調理用麺類。
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