JP6110155B2 - 冷凍麺の製造方法 - Google Patents

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本発明は、冷凍焼けが抑制された冷凍麺の製造方法に関する。
冷凍麺とは、うどん、そば、中華麺およびパスタ等の各種麺類を茹で上げるか又は蒸し上げた後に急速冷凍したものであり、熱湯で又は電子レンジで加熱調理することによって冷凍前の食感を再現し簡単に喫食することができる。このため、近年、冷凍麺の需要が高まっている。冷凍麺は、長期保存を目的としているものの、その表面積が大きいため、保存中に冷凍焼けが生じやすく、麺の乾燥、変色、食感の低下等の品質低下が起こりやすいことが知られている。
冷凍焼けは、冷凍保存時の温度変化によって麺の表面の水分が昇華して、麺の乾燥化が進むことで生じる。特に、冷凍麺が商品として店頭の冷凍庫に陳列された時には、冷凍庫の開閉による温度変化、さらに冷凍庫内の霜取りを目的としたデフロスト処理時の急激な温度変化等によって冷凍焼けが起こりやすい。また、陳列後すぐに冷凍麺の商品を購入した場合であっても、家庭の冷凍庫で一定期間保存することで、日常の頻繁に開閉がなされる環境下に置かれるため、やはり冷凍焼けが起こりやすくなる。このように、冷凍麺では、冷凍焼けが冷凍保存時の深刻な問題となっている。
冷凍麺の冷凍焼けを改善する方法として、冷凍麺の凹凸形状に沿って包材で密封包装する方法(特許文献1)、麺の表面に氷の皮膜を形成する、又は独立した氷層を設けることにより、乾燥によって損失される麺の水分を補充する方法(特許文献2〜4)が知られている。
これら特許文献1〜4に開示された技術のうち、麺の表面に氷の皮膜又は氷層を形成させる特許文献2〜4の方法では、冷凍前の麺の水分量や冷凍焼けの麺の水分損失量を考慮して氷の皮膜又は氷層の形成量を適切に制御する必要がある。このような制御には、製品出荷の際の輸送時や店舗での陳列方法など、製造時点では予測しづらい要素を考慮しなければならず、冷凍焼けを抑制する方法として簡便なものといいがたい。
一方で、保水効果のある乳酸ナトリウムを冷凍保存する生鮮魚介類に用いて、冷凍保存時に生ずる組織の劣化を抑制する方法が開示されている(特許文献5)。しかしながら、乳酸ナトリウムは、独特の酸味と塩味があり、特に麺のようなシンプルな味質の食材に一定の濃度(例えば効果の見込める濃度)を使用すると、その食材に乳酸ナトリウム由来の違和感ある味質が際立ってしまう。すなわち、味に影響のない添加量の乳酸ナトリウムを冷凍焼け防止の目的で冷凍麺に用いたとしても、麺はその表面積が大きいという特性を有するため、冷凍麺の冷凍焼けを防止する効果は十分に発揮されない。さらに、冷凍麺の冷凍焼けが防止できる十分な量の乳酸ナトリウムを用いると、乳酸ナトリウムの異味が際立ち、冷凍麺の価値が著しく低下してしまう。
特開2011−55709号公報 特開昭60−137255号公報 特開昭62−155057号公報 WO01/052669号 特開平5−292877号公報
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたもので、冷凍焼けによる品質劣化の激しい冷凍麺において、その味質に大きな影響を与えないよう、簡便な方法により、冷凍保存中に経時的に生じる冷凍焼けの問題を改善することができる冷凍麺の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、かかる技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、乳酸ナトリウム及び塩化カリウムをα化した麺線に付着させる工程を経ることにより、味質に大きな影響を与えず、上記従来技術に比べて簡便でありながら冷凍焼けが生じにくい冷凍麺を得ることができることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の態様を有する冷凍麺の製造方法に関する。
項1.乳酸ナトリウム及び塩化カリウムをα化した麺線に付着させる工程を含む、冷凍麺の製造方法。
項2.乳酸ナトリウムを1.5〜18質量%及び塩化カリウムを0.5〜6質量%含有する溶液をα化した麺線に付着させる工程を含む、冷凍麺の製造方法。
項3.前記乳酸ナトリウム及び塩化カリウムをα化した麺線に付着させる工程後、該麺線に前記乳酸ナトリウム及び塩化カリウムを付着させたまま、該麺線を凍結する工程を含む、項1又は2に記載の冷凍麺の製造方法。
項4.乳酸ナトリウム及び塩化カリウム溶液中にα化した麺線を浸漬することにより、乳酸ナトリウム及び塩化カリウムを麺線に付着させる、項1〜3のいずれかに記載の冷凍麺の製造方法。
項5.前記溶液が、乳酸ナトリウム1.5〜12質量%及び塩化カリウム0.5〜4質量%を含むものである、項4に記載の冷凍麺の製造方法。
項6.前記溶液中にα化した麺線を10秒以上浸漬させる、項4又は5に記載の冷凍麺の製造方法。
項7.乳酸ナトリウム及び塩化カリウム溶液をα化した麺線に噴霧又はまぶすことにより、乳酸ナトリウム及び塩化カリウムを麺線に付着させる、項1〜3のいずれかに記載の冷凍麺の製造方法。
項8.前記溶液が、乳酸ナトリウム6〜18質量%及び塩化カリウム2〜6質量%を含むものである、項7に記載の冷凍麺の製造方法。
項9.麺重量1gあたり前記溶液を15mg以上、α化した麺線に噴霧又はまぶす、項7又は8に記載の冷凍麺の製造方法。
本発明の冷凍麺の製造方法によれば、入念な制御・調整や複雑な工程を経ることなく、非常に簡便な方法により、冷凍麺に経時的に生じる冷凍焼けを抑制することができる。また、本発明の冷凍麺の製造方法によれば、冷凍麺の味質に大きな影響を及ぼすことなく、効果的に冷凍焼けを抑制することができる。
本発明の冷凍麺とは、解凍するだけで喫食することができるように、各種麺類を茹で上げた後又は蒸し上げた後に急速冷凍することによって得られるものである。
また、本発明の冷凍麺としては、特に限定されず、中華麺、和風麺、パスタ等、いかなる種類や太さ、硬さの麺についても使用することができる。
本発明の冷凍麺の主原料としては、本発明の性質上特に限定されないが、小麦粉、そば粉、ライ麦粉、大麦粉、澱粉等の粉体原料が挙げられ、これらを単独または組み合わせて用いられる。小麦粉としては、麺類の製造に用いられるすべての種類が使用可能である。また、これら粉体原料に、必要に応じて、かんすい、食塩、増粘多糖類若しくはグルテン等の麺質改良剤、その他の副原料を添加することもできる。
本発明の冷凍麺の製造方法において、α化した麺線を得るまでに至る工程は、冷凍麺の製造方法における公知の方法を採用することができ、いずれの方法によっても本発明の効果を享受しうる。なお、α化の方法は、蒸し又は茹でのいずれの方法も使用することができる。
すなわち、最も一般的な方法として、粉体原料や必要な副原料に水を加えて混練して混練物を得、この混練物を圧延によって麺帯として切り出すか、若しくはこの混練物を押し出して麺線とし、これを上記方法によるα化処理する方法が挙げられる。また、前記のα化した麺線を得るまでに、混練や麺帯の形成を減圧下で行う工程、麺帯や麺線を熟成させる工程、麺線をα化するまでに一旦乾燥させて乾麺とする工程などを、最終的な冷凍麺の品質等を考慮して適宜追加することもできる。
本発明は、このようにして得られたα化麺線に、乳酸ナトリウム及び塩化カリウムを付着させる工程を含むことを特徴とする。また本発明においては、前記乳酸ナトリウム及び塩化カリウムを含有する溶液をα化麺線に付着させることによって、十分な効果が発揮される。
なお、本発明における、乳酸ナトリウム及び塩化カリウムを含有する溶液をα化麺線に付着させる工程とは、別に調製された乳酸ナトリウム溶液及び塩化カリウム溶液を同時又は別々に麺線へ付着させる方法、乳酸ナトリウム及び塩化カリウムが混合された一の溶液を麺線へ付着させる方法のいずれも包含されるものである。
本発明で使用される乳酸ナトリウムは、前記溶液に、1.5〜18質量(w/w)%の濃度で含有されていることが例示される。また、本発明で使用される塩化カリウムは、前記溶液に、0.5〜6質量(w/w)%の濃度で含有されていることが例示される。
上記により調製した溶液にα化した麺線を浸漬する、又は、その溶液をα化した麺線に噴霧若しくはまぶすことにより、該麺線に乳酸ナトリウム及び塩化カリウムを付着させることができる。なお、乳酸ナトリウム及び塩化カリウムの混合溶液を調製した場合は、溶液へ浸漬する工程又は溶液の噴霧若しくはまぶす工程が一度で済むため、好ましい。乳酸ナトリウム溶液及び塩化カリウム溶液を別個に調製した場合は、α化麺線に対して、乳酸ナトリウム溶液若しくは塩化カリウム溶液のいずれかの溶液へ浸漬し又は該溶液の噴霧若しくはまぶしを行い、その後、別の一方の溶液へ浸漬し又は該溶液を噴霧若しくはまぶす方法などをとりうる。また別法として、乳酸ナトリウム溶液及び塩化カリウム溶液を別個に調製した後、α化麺線に対して、乳酸ナトリウム溶液及び塩化カリウム溶液をそれぞれ同時に噴霧又はまぶす方法もとりうる。
本発明においてα化麺線を浸漬する場合は、乳酸ナトリウムの濃度が1.5〜12質量%、塩化カリウムの濃度が0.5〜4質量%をそれぞれ含有する溶液を使用することが好ましい。また、前記の場合においてα化麺線の溶液への浸漬時間は、10秒以上であることが、乳酸ナトリウム及び塩化カリウムがα化麺線の表面に十分に付着されるため好ましい。
本発明においてα化麺線に噴霧又はまぶす場合は、乳酸ナトリウムの濃度が6〜18質量%、塩化カリウムの濃度が2〜6質量%をそれぞれ含有する溶液を使用することが好ましい。前記の場合においてα化麺線への噴霧又はまぶす溶液の量は、α化麺線の麺重量1gあたり15mg以上であることが、乳酸ナトリウム及び塩化カリウムが麺線表面に満遍なく付着されるため好ましい。
本発明においては、α化した麺線に、乳酸ナトリウム及び塩化カリウムを付着させるほか、本発明の効果を阻害しない範囲で必要に応じて、トレハロース、ソルビトール、マルトース、マルトトリオース、還元水あめ、シクロデキストリン、リン酸塩類、セルロース、セルロース誘導体などを、麺線の乾燥防止などをさらに向上させる目的で併せて用いることもできる。
本発明における冷凍麺の製造方法においては、乳酸ナトリウム及び塩化カリウムを麺線に付着させた後、水洗いや茹で等を行わず、つまり、麺線に付着した乳酸ナトリウム及び塩化カリウムを取り除くことなく、麺線を凍結させることが好ましい。麺線表面に乳酸ナトリウム及び塩化カリウムが付着したまま凍結することで、冷凍焼け抑制の効果が発揮される。
本発明において、麺線を凍結するまでに、1食分毎に所定の形状を有するリテーナに型詰することもできる。型詰することにより、麺線を所定の形状に凍結させることができ、輸送や店舗での陳列、保管などの点で有利となる。
本発明における麺線を凍結させる工程は、冷凍麺の製造方法において常用されている方法を採用することができ、リテーナに収納された状態でできるだけ急速に凍結するのが好ましい。
このようにして得られた冷凍麺は、茹で処理、熱湯注加、電子レンジ調理等の加熱処理方法により喫食することができる。
以下、本発明の内容を実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、特に記載のない限り「%」とは「質量%」を意味するものとする。
実験例1:浸漬による冷凍スパゲッティの冷凍焼け抑制効果の検討
(実施例1)
乾燥スパゲティ(太さ1.55mm)80gを沸騰湯中に入れ、8分間にわたって茹で処理を行い、次いで水洗い処理を行った。ここで得られた茹で処理後の麺線を、予め調製した60%乳酸ナトリウムを5%及び塩化カリウムを1%含有する溶液に60秒間浸漬した。浸漬後の麺線(約190g)を、リテーナに収納した後、−38℃で凍結処理し、実施例1の冷凍麺を得た。
(実施例2)
実施例1で得られたものと同様の茹で処理後の麺線を、予め調製した60%乳酸ナトリウムを5%、塩化カリウムを1%及びトレハロースを5%含有する溶液に60秒間浸漬した。浸漬後の麺線(約190g)を、リテーナに収納した後、−38℃で凍結処理し、実施例2の冷凍麺を得た。
(比較例1)
実施例1で得られたものと同様の茹で処理後の麺線を、予め調製した60%乳酸ナトリウムを5%含有する溶液に60秒間浸漬した。浸漬後の麺線(約190g)を、リテーナに収納した後、−38℃で凍結処理し、比較例1の冷凍麺を得た。
(比較例2)
実施例1で得られたものと同様の茹で処理後の麺線を、予め調製した60%乳酸ナトリウムを5%及びトレハロースを5%含有する溶液に60秒間浸漬した。浸漬後の麺線(約190g)を、リテーナに収納した後、−38℃で凍結処理し、比較例2の冷凍麺を得た。
(対照例1)
実施例1で得られたものと同様の茹で処理後の麺線を、氷水に60秒間浸漬した。浸漬後の麺線(約190g)を、リテーナに収納した後、−38℃で凍結処理し、対照例1の冷凍麺を得た。
上記により得られた、実施例1〜2、比較例1〜2及び対照例1の各冷凍麺について、ポリオレフィンフィルムにより2重に包装した後、常時−20℃であって、庫内温度を−5〜0℃に上昇させるデフロスト処理が1日に4回行われる冷凍ショーケース内(LSZ−065B−TD:サンデン株式会社製)で1ヶ月間冷凍保存した。その後、各冷凍麺の外観を視認して、さらに、電子レンジにて加熱調理し、麺の味質を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0006110155
表1の結果より、60%乳酸ナトリウムを5%及び塩化カリウムを1%含む溶液に浸漬して製造された実施例1及び2の冷凍麺は、冷凍焼けを十分に抑制しているにもかかわらず、乳酸ナトリウムや塩化カリウム由来の異味や雑味が感じられなかった。
一方、比較例1及び2の冷凍麺は、対照例1の冷凍麺に比べて冷凍焼けを抑制していたが、その効果は実施例1及び2の冷凍麺ほどでなく、しかも、乳酸ナトリウム由来の酸味が感じられた。また、保水性を付与する目的で一般的に使用されているトレハロースを乳酸ナトリウムと併用しても(比較例2)、冷凍焼けの抑制効果は実施例1及び2の冷凍麺に比べて低かった。
以上の結果より、乳酸ナトリウム及び塩化カリウムを含む溶液に浸漬して製造された冷凍麺は、乳酸ナトリウム固有の機能に、塩化カリウムが加わって効果が相乗的に向上し、味に影響を及ぼすことなく、冷凍焼け抑制に極めて有効であることが示された。
実験例2:噴霧による冷凍スパゲッティの冷凍焼け抑制効果の検討
(実施例3)
実施例1で得られたものと同様の茹で処理後の麺線に、予め調製した60%乳酸ナトリウムを10%及び塩化カリウムを2%含有する溶液4gを麺線全体に満遍なく噴霧した。噴霧後の麺線(約190g)を、リテーナに収納した後、−38℃で凍結処理し、実施例3の冷凍麺を得た。
(実施例4)
実施例1で得られたものと同様の茹で処理後の麺線に、予め調製した60%乳酸ナトリウムを15%及び塩化カリウムを3%含有する溶液4gを麺線全体に満遍なく噴霧した。噴霧後の麺線(約190g)を、リテーナに収納した後、−38℃で凍結処理し、実施例4の冷凍麺を得た。
実験例1で得られた対照例1の冷凍麺、並びに、上記により得られた実施例3〜4の各冷凍麺について、ポリオレフィンフィルムにより2重に包装した後、常時−20℃であって、庫内温度を−5〜0℃に上昇させるデフロスト処理が1日に4回行われる冷凍ショーケース内(LSZ−065B−TD:サンデン株式会社製)で1ヶ月間冷凍保存した。その後、各冷凍麺の外観を視認して、さらに、電子レンジにて加熱調理し、麺の味質を評価した。その結果を表2に示す。
Figure 0006110155
表2の結果より、60%乳酸ナトリウムを5%及び塩化カリウムを1%含む溶液を4g噴霧して製造された実施例3及び4の冷凍麺は、冷凍焼けを十分に抑制しているにもかかわらず、乳酸ナトリウムや塩化カリウム由来の異味や雑味が感じられなかった。
実験例3:冷凍中華麺における冷凍焼け抑制効果の検討
(実施例5〜6)
小麦粉1000g、卵白粉末10g及び小麦タンパク質10gを粉体混合し、これに食塩10g及びかんすい6gを溶解した練り水350gを加えてミキサーで混練して、麺生地を作成した。この麺生地を、麺帯機に通して圧延し、1.8mmの麺帯厚とし、丸刃12番で切り出して麺線を得た。次いで、この麺線を1食分ずつ取り分け、沸騰水中で4分間茹でた。得られた茹で後の麺線を水洗い及び氷冷した後、麺線(約180g)に、下記表3に記載するとおり、予め調製した乳酸ナトリウム及び塩化カリウムを含有する溶液4gを麺線全体に満遍なく噴霧した。噴霧後の麺線に15gの水をまぶし、これをリテーナに収納した後、−38℃で凍結処理し、実施例5〜6の冷凍麺を得た。
(実施例7〜8)
実施例5〜6で得られたものと同様の茹で処理後の麺線を、水洗いした後(麺線約180g)、下記表3に記載するとおり、予め調製した乳酸ナトリウム及び塩化カリウムを含有する溶液に浸漬した。浸漬後の麺線に15gの水をまぶし、これをリテーナに収納した後、−38℃で凍結処理し、実施例7〜8の冷凍麺を得た。
(対照例2)
実施例5〜6で得られたものと同様の茹で処理後の麺線を、水洗い及び氷冷し、15gの水をまぶし、リテーナに収納した後、−38℃で凍結処理し、対照例2の冷凍麺を得た。
上記により得られた、実施例5〜8及び対照例2の各冷凍麺について、ポリオレフィンフィルムにより2重に包装した後、常時−20℃であって、庫内温度を−5〜0℃に上昇させるデフロスト処理が1日に4回行われる冷凍ショーケース内(LSZ−065B−TD:サンデン株式会社製)で1ヶ月間冷凍保存した。その後、各冷凍麺の外観を視認して、さらに、電子レンジにて加熱調理し、麺の味質を評価した。その結果を表3に示す。
Figure 0006110155
表3の結果より、乳酸ナトリウム及び塩化カリウムを含む溶液を4g噴霧して製造された実施例5及び6の冷凍麺は、冷凍焼けを十分に抑制しているにもかかわらず、乳酸ナトリウムや塩化カリウム由来の異味や雑味が感じられなかった。
また、60%乳酸ナトリウムを5%及び塩化カリウムを1%含む溶液に浸漬して製造された実施例7及び8の冷凍麺は、噴霧したときの実施例5及び6の冷凍麺と同様、冷凍焼けを十分に抑制しているにもかかわらず、乳酸ナトリウムや塩化カリウム由来の異味や雑味が感じられなかった。なお、実施例7及び8を比較すると、浸漬時間の長い実施例8の方が実施例7に対して、高い冷凍焼けの抑制効果を示していることがわかった。

Claims (8)

  1. 乳酸ナトリウム及び塩化カリウムをα化した麺線に付着させる工程
    該麺線に前記乳酸ナトリウム及び前記塩化カリウムを付着させたまま、該麺線を凍結し、加熱調理によって喫食可能な冷凍麺を得る工程とを含む、
    冷凍麺の製造方法。
  2. 乳酸ナトリウムを1.5〜18質量%及び塩化カリウムを0.5〜6質量%含有する溶液をα化した麺線に付着させる工程
    該麺線に前記乳酸ナトリウム及び前記塩化カリウムを付着させたまま、該麺線を凍結し、加熱調理によって喫食可能な冷凍麺を得る工程とを含む、
    冷凍麺の製造方法。
  3. 乳酸ナトリウム及び塩化カリウム溶液中にα化した麺線を浸漬することにより、乳酸ナトリウム及び塩化カリウムを麺線に付着させる、請求項1又は2に記載の冷凍麺の製造方法。
  4. 前記溶液が、乳酸ナトリウム1.5〜12質量%及び塩化カリウム0.5〜4質量%を含むものである、請求項に記載の冷凍麺の製造方法。
  5. 前記溶液中にα化した麺線を10秒以上浸漬させる、請求項又はに記載の冷凍麺の製造方法。
  6. 乳酸ナトリウム及び塩化カリウム溶液をα化した麺線に噴霧又はまぶすことにより、乳酸ナトリウム及び塩化カリウムを麺線に付着させる、請求項1又は2に記載の冷凍麺の製造方法。
  7. 前記溶液が、乳酸ナトリウム6〜18質量%及び塩化カリウム2〜6質量%を含むものである、請求項に記載の冷凍麺の製造方法。
  8. 麺重量1gあたり前記溶液を15mg以上、α化した麺線に噴霧又はまぶす、請求項又はに記載の冷凍麺の製造方法。
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