JPH0791868B2 - ユニット住宅の庇構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、ユニット住宅における庇構造に関する。

（従来の技術） 従来、ユニット住宅の庇構造としては、例えば、特公昭
57-29622号公報等に記載されているようなものが知られ
ている。この従来の庇構造は、庇全体が複数の庇ユニッ
トで構成されていて、各庇ユニットは、室ユニットの鉄
骨構造体の短辺あるいは長辺とほぼ同一の長さに形成さ
れ、鉄骨構造体の各辺に対し、その辺の寸法に対応した
長さの庇ユニットを一部品づつ固定していた。従って、
庇ユニット同士は、室ユニット同士の連結部とほぼ重な
る位置で連結されていた。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、室ユニット自身の製造寸法の誤差及び各
室ユニットの据え付け位置の誤差等が集まって、第６図
に示すように、室ユニット01,01′同士の連結部に段差
が生じていることがある。従来の庇構造にあっては、隣
り合う庇ユニット02,02′は、それぞれ室ユニット01と0
1′とに固定されるため、このような場合には、庇ユニ
ット02,02′の連結部にも室ユニット01,01′の連結部と
同じだけの段差03が発生してしまう。このような庇の段
差03は、外観的に見栄えの悪いものであった。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、上述のような問題点を解決することを目的と
してなされたもので、この目的達成のために、本発明で
は、庇が複数の庇ユニットから構成され、該庇ユニット
には、それぞれ室ユニットに固定されるアームが長手方
向に複数配列して設けられ、庇ユニットは、室ユニット
の連結部を跨ぐ位置に配置される第１の庇ユニットと、
第１の庇ユニットに連結される第２の庇ユニットと、か
らなり、第１の庇ユニットと第２の庇ユニットとの連結
部は、それぞれの庇ユニットの端部のアームによって、
庇ユニット同士に段差なく同一の室ユニットに固定され
ている手段とした。

（作用） 従って、本考案のユニット住宅の庇構造では、室ユニッ
トの連結部を跨ぐ位置に配置される庇ユニットと、その
庇ユニットと連結する庇ユニットとが、それぞれの庇ユ
ニットの端部のアームによって、庇ユニット同士に段差
なく同一の室ユニットに固定されているので、室ユニッ
ト同士の連結部に段差があったとしても、美観を損なう
ことがない。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面により詳述する。

まず、第１図〜第５図に示す実施例の構成について説明
する。

本実施例は、第１図に示すように、複数の室ユニット１
を連結させて構成された構造体に、庇２及び屋根材３を
設置して組み立てられるユニット住宅のうちの、庇２の
構造である。尚、各室ユニット１は、鉄骨構造体11に壁
材12が組み付けられた箱形ユニットで、隣り合う室ユニ
ット1,1は、鉄骨構造体11,11同士を互いにボルト緊結す
ることで連結されている。

本実施例の庇２は、第１図及び第４図に示すように、四
部品づつ二種類の庇ユニット20a,20bが交互に連結され
て構成されており、これら庇ユニット20a,20bは、室ユ
ニット１の鉄骨構造体11に固定される。この庇ユニット
20a,20bは、屋根の直線部分に用いられる直線状のもの
と、屋根のコーナー部分に用いられるＬ形のものとの二
種類に分類できるが、どちらも第２図及び第３図に示す
ように、パラペット21,アーム22,軒天板23で構成されて
いる。

パラペット21は、庇２の前面を構成する長尺状のもの
で、アーム22は、プレート24を介して溶接等によりこの
パラペット21の内面側に固定されて、長手方向に等間隔
で複数配列されている。

軒天板23は、庇２の下面を構成するもので、前記パラペ
ット21及びアーム22に対して固定されている。

次に実施例の作用を説明する。

庇ユニット20を室ユニット１に固定する際には、室ユニ
ット１の連結部を跨ぐ位置に各庇ユニット20a（第１の
庇ユニット）を配置し、アーム22の先端の固定板222を
第３図、第４図に示すように、ボルト４及びナット５で
鉄骨構造体11に締結する。ここで、隣り合う庇ユニット
20a,20bの端部に固定されたアーム22は、同じ室ユニッ
ト１に対して固定されることになる。

従って、第５図に示すように、室ユニット1,1同士の連
結部に段差があったとしても、庇ユニット20aは、その
段差を跨いで室ユニット中央部分のフラットな部分で隣
接する庇ユニット20b（第２の庇ユニット）と段差なく
連結される。即ち、外観的に誤差が目立たない美観性に
優れた庇構造を提供できる。

ここで隣り合う庇ユニット20a,20b同士は、第２図に示
すように、パラペット21,21同士をジョイント部材６を
介してボルト７及びナット８で締結すると共に、軒天板
23,23同士をリベット９で締結して連結される。尚、軒
天板23の連結部には、上から帯状のテープを貼り付けて
おくと下から見た際に光洩れがなくきれいである。

尚、図中25はカバーであって、前記パラペット21と屋根
材３との間を覆って設けられ、屋根材３に対して固定さ
れている。

また、屋根材３の先端部下方位置には、軒樋10がアーム
22に固定されて配設されている。

以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、具
体的な構成はこの実施例に限られるものではなく本発明
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明
に含まれる。

例えば、実施例では、四部品づつ二種類の庇ユニットを
連絡して庇を構成したが、屋根の形状や広さ等に応じ
て、三種類以上の庇ユニットで構成してもよいし、また
合計八部品に満たない部品点数で構成してもよい。

また、庇ユニット同士の連結構造も実施例に限られず、
ジョイント部材を用いる必要はないし、接着剤を兼用す
る等してもよい。

また、実施例では、パラペットと軒天板とが別体である
例を示したが、一体であってもよい。

（発明の効果） 以上説明してきたように、本発明のユニット住宅の庇構
造にあっては、庇ユニット同士が段差なく連結されてい
て、美観性に優れているという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例の庇構造が適用されたユニット住
宅を示す斜視図、第２図は実施例の庇構造を示す斜視
図、第３図は実施例の庇構造を示す断面図、第４図は実
施例の庇構造が適用されたユニット住宅を示す平面図、
第５図は実施例の庇構造が適用されたユニット住宅の要
部平面図、第６図は従来の庇構造が適用されたユニット
住宅を示す要部平面図である。 １……室ユニット ２……庇 20……庇ユニット 22……アーム

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】庇が複数の庇ユニットから構成され、該庇
   ユニットには、それぞれ室ユニットに固定されるアーム
   が長手方向に複数配列して設けられ、庇ユニットは、室
   ユニットの連結部を跨ぐ位置に配置される第１の庇ユニ
   ットと、第１の庇ユニットに連結される第２の庇ユニッ
   トと、からなり、第１の庇ユニットと第２の庇ユニット
   との連結部は、それぞれの庇ユニットの端部のアームに
   よって、庇ユニット同士に段差なく同一の室ユニットに
   固定されていることを特徴とするユニット住宅の庇構
   造。