JPH0788426B2 - 耐熱性樹脂の製造方法 - Google Patents

耐熱性樹脂の製造方法

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JPH0788426B2
JPH0788426B2 JP17757286A JP17757286A JPH0788426B2 JP H0788426 B2 JPH0788426 B2 JP H0788426B2 JP 17757286 A JP17757286 A JP 17757286A JP 17757286 A JP17757286 A JP 17757286A JP H0788426 B2 JPH0788426 B2 JP H0788426B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は弾性率が小さく、しかも吸水性の低い耐湿特性
の良好な耐熱性樹脂の製造方法に関するものである。そ
の目的とする所はイミド化した樹脂が、ポリイミド樹脂
としての耐熱性、耐摩耗性、電気絶縁性、皮膜形成性、
可撓性、機械特性などが優れ、電子デバイス用材料、電
気絶縁材料被覆剤、塗料、成形品、積層品、繊維あるい
はフィルム材料などとして有用な耐熱性樹脂を提供する
にあるが、中でも特に電子デバイス用の半導体素子の表
面保護膜、層間絶縁膜、ジャンクション保護膜として有
用な耐熱性樹脂を提供するにある。
〔従来技術〕
従来、半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜、ジャンク
ション保護膜などには耐熱性が優れ、また卓越した電気
絶縁性、機械強度などを有する故にポリイミドが用いら
れているが、近年半導体素子の大型化、封止樹脂パッケ
ージの薄型化、小型化などの動きにより耐熱サイクル
性、耐熱ショック性等の著しい向上の要求がありこれま
でのポリイミド樹脂では対応できずその保護効果が薄れ
てきており、半導体装置の信頼性が充分とは言えなくな
ってきた。
〔発明の目的〕
本発明はかかる欠点を克服すべく検討した結果、比較的
低分子量のシリコン系ジアミンと比較的高分子量のシリ
コン系ジアミンとをジアミン成分中の必須成分として、
有機テトラカルボン酸二無水物成分と有機極性溶媒中で
0〜200℃の温度で反応させることにより耐熱性、耐熱
サイクル性、耐熱ショック性、耐湿性などが優れた耐熱
性樹脂が得られることを見出し本発明を完成するに至っ
たものである。
〔発明の構成〕
本発明は(1)有機テトラカルボン酸二無水物成分と一
般式(1) (式中、R1はメチレン基、フェニレン基または置換フェ
ニレン基、R2はメチル基、フェニル基または置換フェニ
ル基、nはR1がフェニレン基もしくは置換フェニレン基
の場合は1、メチレン基の場合は3または4の整数であ
る。)で示されるシリコン系ジアミンのうちシロキサン
結合の数mが1〜10の範囲にあるものが全ジアミン成分
中0.05〜20モル%、11〜500の範囲にあるものが0.05〜3
0モル%含有されるジアミン成分を必須成分とし、0〜2
00℃の温度で反応させることを特徴とする耐熱性樹脂の
製造方法である。
本発明で使用するジアミン成分としては上記のシリコン
系ジアミンの他に各種特性を附与する為に次の様な芳香
族ジアミンも勿論併用することができる。
例えばm−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、4,4′−ジア
ミノジフェニルメタン、ベンジジン、4,4′−ジアミノ
ジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルス
ルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−
ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェ
ニルエーテル、4,4″−ジアミノ−p−テルフェニル、
2,6−ジアミノピリジン、ビス(4−アミノフェニル)
ホスフィンオキシド、ビス(4−アミノフェニル)−N
−メチルアミン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3′−ジ
メチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメトキ
シベンジジン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)
−トルエン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニ
ル)エーテル、p−ビス(2−メチル−4−アミノペン
チル)ベンゼン、p−ビス(1,1−ジメチル−5−アミ
ノペンチル)ベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、m−
キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ビス
(p−アミノシクロヘキシル)メタンなどである。
また本発明で使用する有機テトラカルボン酸二無水物成
分は一種類でも、二種類以上の混合物でもかまわないが
用いられるテトラカルボン酸二無水物としてはピロメリ
ット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ジフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ジフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、3,3″,4,4″−p−テルフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシジフ
ェニル)−プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテト
ラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシジフ
ェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸
二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二
無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無
水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフ
タレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジ
クロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水
物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボ
ン酸二無水物、2,3,4,7−テトラクロロナフタレン−1,
4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−
1,2,9,10−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン
−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−
2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン2,3,5,6
−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,5−ジカル
ボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−
ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス
(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ベ
ンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4
−ブタンテトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,
4,5−テトラカルボン酸二無水物などである。
必須成分であるシリコン系ジアミンの使用量は全ジアミ
ン成分に対して0.1〜50モル%が好ましい。
このうちシロキシサン結合(O−Si)の数mが10以下の
比較的低分子量のシリコン系ジアミンの使用量は全ジア
ミン成分に対して0.05〜20モル%が好ましい。これは本
発明の樹脂を半導体素子の表面保護膜、層間絶縁膜、ジ
ャンクション保護膜などに用いる場合、Si、SiO2、プラ
ズマ窒化珪素膜等の無機物に対する密着性を向上させ、
半導体素子の耐湿信頼性を維持するために必要な成分で
はあるが全ジアミン成分に対して20モル%を越えると硬
化皮膜が脆くなりクラックが発生し易くなるので好まし
くないし、0.05モル%以下では密着性向上効果が得られ
ないので好ましくない。
またmが11〜500の比較的高分子量のシリコン系ジアミ
ンの使用量は全ジアミン成分に対して0.05〜30モル%が
好ましい。これは半導体素子への熱サイクル、熱ショッ
ク等で発生する応力を緩和するために弾性率の低い柔ら
かな樹脂にする必要があるが、0.05モル%以下では弾性
率の低下効果が得られないので好ましくないがまた逆に
30モル%を越えると耐熱性が著しく低下し、ポリイミド
樹脂本来の特徴が得られなくなるので好ましくない。ま
たシリコン系ジアミンのシロキサン結合(−O−Si−)
の数、mは1〜500であるのが好ましい。
mの数が500を越える長鎖シリコン系ジアミンを使用す
るとテトラカルボン酸二無水物との反応が定量的に進行
しにくくなり、未反応物として系に残存し分子量が大き
くならないばかりか、可撓性を低下させクラックが発生
し易くなるので好ましくない。
本発明におけるジアミン類とテトラカルボン酸二無水物
類との反応は、出来る限り等モルで行なう方が好まし
く、重合度も大きくなる。何れか一方の原料が5モル%
以上多くなると、重合度が著しく低下し、皮膜形成性の
悪い低分子量が出来る様になるので注意を要する。通
常、一方の原料を0〜3モル%多く用いることが、作業
性・加工性を良くする上で良く行なわれる。
本発明における反応系の溶媒はその官能基がテトラカル
ボン酸二無水物またはジアミン類と反応しない有機極性
溶媒である。系に対して不活性であり、かつ生成物に対
して溶媒であること以外に、この有機極性溶媒は反応成
分の少なくとも一方、好ましくは両者に対して良溶媒で
なければならない。
この種の溶媒として代表的なものは、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチ
ルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、
ヘキサメチルフォスホアミド、N−メチル−2−ピロリ
ドン、ピリジン、ジメチルスルホン、テトラメチレンス
ルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等がありこれ
らの溶媒は単独又は組合せて使用される。
この他にも溶媒として組合せて用いられるものとしてベ
ンゼン、ベンゾニトリル、ジオキサン、ブチロラクト
ン、キシレン、トルエン、シクロヘキサン等の非溶媒
が、原料の分散媒、反応調節剤、あるいは生成物からの
溶媒の揮散調節剤、皮膜平滑剤などとして使用される。
本発明は一般に無水の条件下で行うことが好ましい。
これはテトラカルボン散二無水物が水により開環し不活
性化し反応を停止させる恐れがあるためである。
このため仕込原料中の水分も溶媒中の水分も除去する必
要がある。
しかし一方反応の進行を調節し、樹脂重合度をコントロ
ールするためにあえて水を添加することも行なわれる。
また本発明は不活性ガス雰囲気中で行なわれることが好
ましい。
これはジアミン類の酸化防止と空気中の炭酸ガスとの反
応を防ぐためである。
不活性ガスとしては一般に乾燥窒素ガスが使用される。
本発明における反応の方法は、次の様な種々の方法で行
なわれる。
(1)ジアミン類とテトラカルボン酸二無水物を予め混
合し、その混合物を少量づつ有機溶媒中に撹拌しながら
添加する。この方法は、ポリイミド樹脂の様な発熱反応
においては比較的有利である。
(2)これとは逆に、ジアミン類とテトラカルボン酸二
無水物の混合物に、撹拌しながら溶剤を添加する方法も
ある。
(3)一般によく行なわれる方法はジアミン類だけを溶
剤にとかしておき、これに反応速度をコントロールでき
る割合でテトラカルボン酸二無水物を加える方法であ
る。
(4)またジアミン類とテトラカルボン酸二無水物を別
々に溶剤にとかしておき、ゆっくりと反応器中で二つの
溶液を加えることもできる。
(5)更には予めジアミン類過剰のポリアミック酸生成
物とテトラカルボン酸二無水物過剰のポリアミック酸生
成物を作っておき、これを反応中で更に反応させること
もできる。
(6)またジアミン類の内、1部のジアミン化合物とテ
トラカルボン酸二無水物をはじめに反応させた後残りの
ジアミン化合物を反応させる方法あるいはこれの逆の方
法もある。
(7)この他、ジアミン類の内の1部のジアミン化合物
とテトラカルボン酸二無水物を反応させたものと、残り
のジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物を反応さ
せたものとを、使用前に混合する方法もある。
反応温度は0℃〜200℃で行なう。0℃以下だと反応が
遅く、また200℃以上で反応を行なうと、加水分解等の
副反応が活発となり、重合度の高いものが得られなくな
る。
ポリアミック酸の重合度は計画的にコントロールでき
る。
重合度をコントロールするために、フタル酸無水物やア
ニリンで末端封鎖したり、水を添加して酸無水物基の一
方を開環し不活性化することもできる。
本発明の方法により製造されたポリアミック酸生成物
は、使用するにあたって各種のシランカップリング剤、
ボランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、
アルミニウム系カップリング剤その他キレート系の接着
性・密着性向上剤や各種溶剤、フローエージェントを加
えてもよく、又これらに加えて通常の酸硬化剤、アミン
硬化剤、ポリアミド硬化剤及びイミダゾール、3級アミ
ン等の硬化促進剤の少量を加えてもよく、又ゴムやポリ
サルファイド、ポリエステル、低分子エポキシ等の可撓
性賦与剤及び粘度調整例、タルク、クレー、マイカ、長
石粉末、石英粉末、酸化マグネシウム等の充填剤、カー
ボンブラック、フタロシアニンブルー等の着色剤、テト
ラブロモフェニルメタン、トリブチルフォスフェート等
の難燃剤、三酸化アンチモン、メタ硼酸バリウム等の難
燃助剤の少量を加えてもよく、これらを添加することに
より多くの用途が開かれる。
本発明の方法によって製造された樹脂ワニスは、加熱あ
るいは脱水剤によりイミド化を完結し硬化する。加熱温
度は通常50℃〜400℃の範囲で行なうが、徐々に昇温し
ても良いし、80℃、150℃、250℃、350℃でそれぞれが
数分から数十分保持する等のステップ加熱法にすること
もできる。
この場合の雰囲気は空気中でもさしつかえない場合もあ
るが、減圧ないしは不活性ガスといった非酸化性状態下
の方が好ましい場合が多い。後者の脱水剤としては、無
水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸などの無水カ
ルボン酸がよく用いられるが、これらは特にピリジン、
キノリン等の塩基性物質の共存下に使用すると効果が大
きい。又、固形の脱水剤としてはゼオライト系のモレキ
ュラーシーブやシリカゲル、活性アルミナなどがあり、
これ等は少々加温して使用する方が効果的である。
〔発明の効果〕
本発明による重合体は耐熱性、耐熱サイクル性、耐熱シ
ヨック性、耐湿性などが優れた耐熱性樹脂である。
即ち本発明の重合体は、シロキサン結合単位が1〜10の
低分子量シリコンジアミンと11〜500の高分子量シリコ
ンジアミンの併用によりSi、SiO2、プラズマ窒化珪素等
の無機物へ接着性に優れた低弾性率の樹脂とすることが
可能となった。また通常の全芳香族ポリイミド樹脂に比
べ主鎖中に含まれる極性の高いイミド環の密度を下げた
ことにより、得られる重合体の吸水性も低くすることが
可能となった。
本発明が用いられる用途を具体的にあげると、先ず各種
電子機材の表面を保護するコート用塗膜として、又その
上に多層配線を行う耐熱絶縁膜として用いられる。
例えば半導体、トランジスター、リニアーIC、ハイブリ
ットIC、発光ダイオード、LSI、超LSIなどの電子回路用
配線構造体である。
その他高温用のコーティングワニスとして、電線被覆、
マグネットワイヤ、各種電気部品の浸漬コーティング、
金属部品の保護コーティングなどとして用いられると共
に含浸ワニスとしても、ガラスクロス、溶融石英クロ
ス、グラファイド繊維やボロン繊維の含浸に使用し、レ
ーダードーム、プリント基板、放射性廃棄物収納容器、
タービン翼、高温性能と優れた電気特性を要する宇宙
船、その他の構造部品に使われ、またマイクロ波の防止
用放射線の防止用としてコンピューターなどの導波管、
原子機器、レントゲン機器の内装材としても使用され
る。
また成形材料としてもグラファイト粉末、グラファイト
繊維、二硫化モリブデンやポリ四フッ化エチレンを添加
して自己潤滑性の摺動面の製作に用い、ピストンリン
グ、弁座、ベアリング、シール用などに用いられまた、
ガラス繊維、グラファイト繊維もボロン繊維を添加し
て、ジェットエンジン部品、高強度の構造用成形部品な
どが作られる。
〔実施例〕
以下実施例を示して更に具体的に説明する。
実施例1 温度計、撹拌機、原料仕込口及び乾燥窒素ガス導入口を
備えた四ツ口セパラブルフラスコに4,4′−ジアミノジ
フェニルエーテル19.02g(95モル%)、 1.24g(0.5モル%)、 17.46g(4.5モル%) をとり、これに無水のN−メチル−2−ピロリドンを全
仕込原料中の固形分割合が15重量%になるだけの量を加
えて溶解した。次いで0〜50℃の水溶中にフラスコを浸
漬し、発熱を抑制しながら、精製したピロメリット酸二
無水物21.81g(0.1モル、100モル%)を投入した。テト
ラカルボン酸二無水物が溶解した後、系の温度を20℃に
保ち、10時間反応を続けた。尚乾燥窒素ガスは反応の準
備段階より生成物の取り出しまでの全行程にわたり流し
ておいた。得られた生成物は淡黄色の粘調な溶液であ
り、N−メチル−2−ピロリドン0.5重量%溶液の固有
粘度は1.10(30℃)であった。またこの溶液をガラス基
板上に塗布したのち、150℃、250℃、350℃で各30分加
熱処理してポリイミド皮膜を形成し、赤外吸収スペクト
ルを測定したところ、720cm-1および1780cm-1にイミド
基に基づくC=0の吸収が認められた。またこのワニ
スから同様の加熱処理を経て、厚さ約20μmフィルムを
形成し引張り試験と吸水性試験を実施し、第2表の結果
を得た。
また上記ワニスをN,N−ジメチルアセトアミド溶液で12
重量%溶液に希釈したものをSiウェハー及びアルミ配線
を有するモデル素子上にそれぞれスピンナーを用いて塗
布し、150℃、250℃、350℃で各30分間ずつ加熱し、厚
さ3μの皮膜を形成した。Siウェハー上に塗布したもの
についてはセロテープによる基盤目引き剥しテスト(JI
S−D−0202)を実施し、樹脂の密着性を評価し第2表
の結果を得た。樹脂を塗布したモデル素子についてはリ
ードフレームにマウントし金線ボンディング後エポキシ
樹脂成形材料で16pin DIPの形にモールドした。このサ
ンプルについて耐熱シヨック試験と腐食性試験を実施し
第2表の結果を得た。耐熱シヨック試験は16pin DIPを
液体窒素中で2分間保持した後150℃のオイルバスに2
分間漬けるという操作を1サイクルとして500サイクル
後にモールド樹脂を開封してアルミ配線のズレを測定し
た。腐食性試験はPCT(プレッシャークッカーテスト;12
5℃、2.3気圧下飽和水蒸気中の加圧試験)500時間を行
ない、テスターによりアルミ配線の腐食によるオープン
不良を調べた。試験はサンプルパターン数20で行ない、
1000時間後のオープン不良のパターン率を%で表わし
た。
実施例2〜6および比較例1〜6 酸無水物、ジアミンの反応組成並びに反応条件は第1表
のように設定し、実施例1と同様の装置並びに操作で反
応を実施した。これらの反応によって得られたポリイミ
ド前駆体ワニスの樹脂分濃度、溶液粘度、固有粘度等の
特性は第1表記載の通りであった。またこれらのワニス
を実施例1と同様の加熱処理を施した後各種特性試験を
して得られた結果は第2表に示した通りであった。
第2表の結果からも明らかな様に、本発明により得られ
る実施例1〜6の耐熱性樹脂は弾性率が小さいため、半
導体素子の表面保護膜として用いた場合、熱ストレスに
よって発生する応力を緩和する効果が極めて大きい。ま
た吸水性が低く、密着力も大きいため素子のAl回路の腐
食を防止する効果も併せ有することがわかる。また比較
例1については高分子量のシリコンジアミンが含有され
ていないため弾性率が大きく、吸水率も大きいので耐熱
シヨック性、耐湿性が劣っている。比較例2では逆に低
分子量ジアミンが含有されていないため密着性が悪く、
耐湿性が劣っている。比較例3は低分子量のシリコンジ
アミンが25モル%と多く、皮膜が脆弱となり、耐熱シヨ
ック性、耐湿性を低下させている。一方比較例4は高分
子量のシリコンジアミンが35モル%と多くなり比較例3
の場合と同様な結果となっている。比較例5はシリコン
ジアミンの分子量があまりにも大きく、皮膜としての特
性が発揮できなくなったために耐湿性が劣っている。比
較例6はシリコンジアミンが全く含有されていないため
に皮膜強度は大きいが弾性率も大きいためストレス緩和
効果も密着性も劣り耐熱シヨック性、耐湿性何れも良好
な結果が得られていない。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機テトラカルボン酸二無水物成分と、一
    般式(1) (式中、R1はメチレン基、フェニレン基または置換フェ
    ニレン基、R2はメチル基、フェニル基または置換フェニ
    ル基、nはR1がフェニレン基もしくは置換フェニレン基
    の場合は1、メチレン基の場合は3または4の整数であ
    る。)で示されるシリコン系ジアミンのうちシロキサン
    結合の数mが1〜10の範囲にあるものが全ジアミン成分
    中0.05〜20モル%、11〜500の範囲にあるものが0.05〜3
    0モル%含有されるジアミン成分を必須成分とし、0〜2
    00℃の温度で反応させることを特徴とする耐熱性樹脂の
    製造方法。
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