JP3601802B2 - 高密着耐熱性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は半導体素子、多層配線基板、マイクロエレクトロニクス素子などに用いられるポリアミド酸組成物に関するもので、Si、SiO、SiN、SiON等のシリコン含有膜に対し高密着性を付与するだけでなく、又プラスチックパッケージに使用されるエポキシ系封止材料に対しても、プラズマ処理後、吸湿処理後等においても密着性が低下しないことを特徴とするものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体チップの微細化・大型化につれ、信頼性確保のためポリイミド樹脂コートは必須の技術となっている。
またポリイミド樹脂を半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜などに用いる場合、Si、SiO2、Si3N4 などの無機下地膜やAl、Cuなどの回路形成用金属との接着性を向上する目的でポリイミド骨格中にシロキサン結合を有する構造を導入したり(特開昭61−64730号公報)、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などの添加が行われるのが通常であった(特開昭59−160140号公報、63−15847号公報)。ところが半導体製造工程中に無機パッシベーション膜の穴開け加工のドライエッチングプロセスにポリイミド樹脂膜が暴されると、ポリイミド表面との各種金属或いは封止樹脂との接着性が極端に低下してしまい、半導体装置としての信頼性を大幅に低下させる問題があった。
また、シロキサン結合を有する構造をポリイミド骨格に導入すると硬化フィルムの線膨張係数が大きくなり、基板が反ってしまうという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリアミド酸と有機ケイ素化合物を特定量配合することで、Si等の基板に対する密着性を保ちつつエポキシ系封止材料との密着性をも向上させた高密着性ポリイミド樹脂組成物を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)下記一般式(1)で示されるポリアミド酸と(B)下記一般式(2)で示される有機ケイ素化合物を必須成分とすることを特徴とする高密着耐熱性樹脂組成物であり、式(1)で示されるポリアミド酸中のR1 が、下記式(3)から選択される1種以上を含む耐熱性樹脂組成物であり、式(1)で示されるポリアミド酸中のR2 が下記式(4)から選択される1種以上を含む耐熱性樹脂組成物であり、好ましくは有機ケイ素化合物がポリアミド酸100重量部に対して0.01〜10重量部含有されていることを特徴とする耐熱性樹脂組成物である。
【0005】
【化5】
【0006】
【化6】
【0007】
【化7】
【0008】
【化8】
以上
(3)
(3)
(4)
(3)
(4)
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するポリアミド酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応によって得られる。
本発明に用いる酸二無水物はピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6,−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−テトラクロロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルフォン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフォン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン−2,3,8,9−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−4,5,10,11−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−5,6,11,12−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,9,10−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、使用にあたっては1種類でも2種類以上の混合物でもかまわない。
【0010】
好ましくは、ピロメリット酸二無水物、3,3′4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3′4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物が、密着性及びフィルム特性を良好にするので好ましい。
本発明におけるジアミンとテトラカルボン酸二無水物との反応は、できる限り等モルで行なうことが好ましく、重合度も大きくなる。いずれか一方が10モル%以上多くなると、重合度が著しく低下し、皮膜形成性の悪い低分子量物になるので好ましくない。通常ジアミン成分もしくは酸成分を1〜3モル%多く用いることが皮膜特性を良くする点で好ましい。
【0011】
本発明で使用するジアミン類としてはp−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノ−p−キシレン、m−フェニレンジアミン、3,5−ジアミノ−トルエン、2,6−ジアミノ−m−キシレン、2,6−ジアミノ−p−キシレン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、1−イソプロピル−2,4−フェニレン−ジアミン、4,4′−ジアミノ−ジフェニルプロパン、3,3′−ジアミノ−ジフェニルプロパン、4,4′−ジアミノ−ジフェニルエタン、3,3′−ジアミノ−ジフェニルエタン、4,4′−ジアミノ−ジフェニルメタン、3,3′−ジアミノ−ジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−ジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノ−ジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノ−ジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノ−ジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノ−ジフェニルエーテル、ベンジジン、3,3′−ジアミノ−ビフェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノ−ビフェニル、3,3′−ジメトキシ−ベンジジン、4,4′−ジアミノ−p−テルフェニル、3,3″−ジアミノ−p−テルフェニル、ビス(p−アミノ−シクロヘキシル)メタン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(2−メチル−4−アミノ−ペンチル)ベンゼン、p−ビス(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン、1,5−ジアミノ−ナフタレン、2,6−ジアミノ−ナフタレン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、2,4−ジアミノ−トルエン、2,6−ジアミノ−ピリジン、2,5−ジアミノ−ピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ジアミノ−シクロヘキサン、ピペラジン、メチレン−ジアミン、エチレン−ジアミン、プロピレン−ジアミン、2,2−ジメチル−プロピレン−ジアミン、テトラメチレン−ジアミン、ペンタメチレン−ジアミン、ヘキサメチレン−ジアミン、2,5−ジメチル−ヘキサメチレン−ジアミン、3−メトキシ−ヘキサメチレン−ジアミン、ヘプタメチレン−ジアミン、2,5−ジメチル−ヘプタメチレン−ジアミン、3−メチル−ヘプタメチレン−ジアミン、4,4−ジメチル−ヘプタメチレン−ジアミン、オクタメチレン−ジアミン、ノナメチレン−ジアミン、5−メチル−ノナメチレン−ジアミン、2,5−ジメチル−ノナメチレン−ジアミン、デカメチレン−ジアミン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチル−デカン、2,11−ジアミノ−ドデカン、1,12−ジアミノ−オクタデカン、1,12−ジアミノ−オクタデカン、2,17−ジアミノ−アイコサン、ジアミノシロキサン、2,6−ジアミノ−4−カルボキシリックベンゼン、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジカルボキシリックベンジジン等が挙げられるが、これらに限定されるのではない。また使用にあたっては、1種類でも2種類以上の混合物でもかまわない。
この中でp−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノ−p−キシレン、2,6−ジアミノ−p−キシレン、ジアミノジフェニルエーテルを用いることにより、高強度、低線膨張係数のポリイミド樹脂が得られ好ましい。
【0012】
本発明における反応系の溶媒は、その官能基がテトラカルボン酸二無水物又はジアミンと反応しない、ダイポールモーメントを有する有機極性溶媒である。系に対しては不活性であり、生成物に対しては溶媒であること以外に、この有機極性溶媒は反応成分の少なくとも一方の成分、好ましくは両者に対して溶媒でなければならない。この種の溶媒として代表的なものは、N−N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルフォスホアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルフォン、テトラメチルスルフォン、ジメチルテトラメチレンスルフォン等があり、これらの溶媒は単独又は混合して使用される。この他にも溶媒として組合せて用いられるものとして、ベンゼン、ベンゾニトリル、ジオキサン、γ−ブチロラクトン、キシレン、トルエン、シクロヘキサノン等の非溶媒が、原料の分散媒、反応調節剤、あるいは生成物からの溶媒の揮散調節剤、皮膜平滑剤等として使用される。
【0013】
反応は、一般に無水の条件下で行なうことが好ましい。これはテトラカルボン酸二無水物が水により開環し、不活性化し、反応を停止させる恐れがあるためである。このため、仕込原料中の水分も溶媒中の水分も除去する必要がある。
また、反応は不活性ガス雰囲気中で行なうことが好ましい。これはジアミンの酸化を防止するためである。不活性ガスとしては、一般に乾燥窒素ガスが使用される。
【0014】
本発明の有機ケイ素化合物はパターン形成されたポリイミドと無機のパッシベーション膜、回路形成用金属並びに半導体用封止樹脂との良好な接着性を発現するたに用いられるものである。その構造は一般式(2)で示される化合物であるが、通常アミノ基を有するシランカップリング剤とカルボン酸無水物とを反応させることによって得られる。シランカップリング剤の例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルエチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、γ−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルエチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルジエチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルジエチルエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、4−アミノブチルジメチルメトキシシラン等である。カルボン酸無水物の例としては前述したポリアミド酸の構成成分であるR1 残基を含むテトラカルボン酸二無水物又はフタル酸無水物、マレイン酸無水物等を用いることができる。シランカップリング剤、テトラカルボン酸二無水物は1種或いは2種以上を混合して用いることも何ら差し支えない。
反応は無水条件下、有機溶剤中で行うのが好ましい、反応は温度0〜80℃で5〜16時間行う。
【0015】
本発明の耐熱性樹脂組成物において一般式(2)で示される有機ケイ素化合物はポリアミド酸エステル100重量部に対して0.01〜10重量部使用されることが好ましい。0.01重量未満では金属、無機、半導体用封止樹脂に対する密着性向上効果が得られないし、10重量部を超えると最終硬化処理を施されたポリイミド皮膜の耐熱性が低下したり、機械的強度が低下し、また、線膨張係数が大きくなり、ひいては接着性自体低下してしまうので好ましくない。
【0016】
本発明の方法により製造された耐熱性樹脂組成物は、使用にあたってその他のシランカップリング剤、ボランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、その他のキレート系の接着性・密着性向上剤や各種溶剤、フローエージェントを併用してもよく、またこれらに加えて通常の酸硬化剤、アミン硬化剤、ポリアミド硬化剤及びイミダゾール、3級アミン等の硬化促進剤の少量を加えてもよく、またゴムやポリサルファイド、ポリエステル、低分子エポキシ等の可撓性賦与剤及び粘度調節剤、タルク、クレー、マイカ、長石粉末、石英粉末、酸化マグネシウム等の充填剤、カーボンブラック、フタロシアニンブルー等の着色剤、テトラブロモフェニルメタン、トリブチルフォスフェート等の難燃剤、三酸化アンチモン、メタ硼酸バリウム等の難燃助剤の少量を加えてもよく、これらを添加することにより多くの用途が開かれる。
【0017】
【実施例】
以下本発明を実施例により本発明を具体的に説明する。
《実施例1》
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル0.99モルをN−メチル−2−ピロリドン3310gに撹拌しつつ溶かした。次に3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物0.50モル、ピロメリット酸二無水物0.50モルを加えた後、80℃で3時間反応させた。
またγ−アミノプロピルトリメトキシシラン2モルと3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物1モルとをN−メチル−2−ピロリドン2000gに撹拌しつつ、25℃で5時間反応させた。得られた有機ケイ素化合物の固形分を上記ポリアミド酸固形分100重量部に対し、1重量部加え、ポリアミド酸組成物を得た。これを窒化膜(SiN)付シリコンウエハーにスピンナーを用いて、硬化膜厚が5μmになるようにして塗布した。更に硬化炉で窒素中150℃/30分、350℃/60分硬化し、ポリイミド皮膜を得た。このフィルムのSiN付シリコンウエハーへの密着性をJIS−D−0202に準じて測定したところ、プレッシャクッカーで125℃/2.3気圧下にて48時間処理後も0/100(剥がれ数/総数)で硬い密着性を示した。
【0018】
次に同様な方法で別途作成したポリイミド皮膜付きウェハーを2分割し、一方に東京応化工業(株)製 プラズマエッチング装置OPM−EM1000を用いて100W、10分間(1Torr、O2 流量:100cssm)の条件で処理を施した。これらの最終硬化したポリイミド皮膜上に住友ベークライト(株)製エポキシ系半導体用封止材料『スミコンEME−6300H』を175℃、2分の条件でトランスファーモールドし、たて2mm、横2mm、高さ2mmの成形品、プラズマ処置の有無で各10個を得た。175℃で4時間後硬化した後、テンシロン万能試験機で図1に示すような成形品側部への剪断剥離強度試験を5個実施して、成形品とポリイミド界面又はポリイミドとシリコンウエハー界面の接着強度を測定したところプラズマ処理無しの平均値は4.1kgf/mm2 、プラズマ処理有りの平均値は3.9kgf/mm2 であった。又残りの成形品各5個については120℃、2.1atm のプレッシャークッカー(PCT)処理100時間を施した後、同様に接着強度を測定しプラズマ処理無しの平均値1.5kgf/mm2 、プラズマ処理有りの平均値1.4kgf/mm2 を得た。
【0019】
《実施例2〜6》
表1に示す配合及び反応条件に従い、実施例1と同様にして反応させ、ポリアミド酸を得、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。硬化後の密SiN基板、エポキシ系封止材料共に良好の値を示した。評価結果を表1に示す。《比較例1、2》
ポリイミド骨格中にシロキサン結合を導入する目的で表1に示す反応処方で実施例1と同様の方法で反応を行ない、ポリアミド酸を得た。評価結果を表1に示す。実施例1と同様の評価を行なったところ、シリコーンジアミン量が0.02モルの場合はSiN基板に対して100/100と全て剥がれてしまい、また0.12モルの場合はプラズマ処理後のモールド材との密着性が大巾に低下してしまった。
《比較例3、4》
実施例1と同様の反応を行ない、ポリアミド酸エステルを得、有機ケイ素化合物▲1▼をトリメトキシリルプロピルメタクリレートに替え、ポリアミド酸固形分100に対し、3または15重量部配合した。評価結果を表1に示す。実施例1と同様の評価を行なっこところ、3重量部の場合はSiN基板に対して100/100と全て剥がれてしまい、また15重量部の場合はプラズマ処理後のモールド材との密着性が大巾に低下してしまった。
【0020】
使用した原材料は下記のとおりである。
・ピロメリット酸二無水物:PMDA
・3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物:BPDA
・3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物:BTDA
・4,4′−ジアミノジフェニルエーテル:DDE
・2,5−ジアミノ−p−キシレン:DPX
・p−フェニレンジアミン:PPD
・1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン:APDS
・有機ケイ素化合物▲1▼:
γ−アミノプロピルトリメトキシシランとBTDAとの反応物
・有機ケイ素化合物▲2▼:
γ−アミノプロピルトリエトキシシランとBTDAとの反応物
・有機ケイ素化合物▲3▼:
γ−アミノプロピルトリエトキシシランとBPDAとの反応物
・有機ケイ素化合物▲4▼:
γ−アミノプロピルトリエトキシシランと無水マレイン酸との反応物
・トリメトキシシリルプロピルメタクリレート
【0021】
【0022】
【0023】
【発明の効果】
従来、SiN、SiO2等の基板やポリイミド/ポリイミド間の接着性に対する発明は多くみられた。これらの発明では、ポリイミドにシロキサン結合を導入したり、シランカップリング剤を添加する方法であったが、かなり多量のSiを添加しないと、その効果がないため、プラズマ処理後にモールド材との密着性が低下し、半導体装置の信頼性を低下させた。
しかし、本発明によれば少量の有機ケイ素化合物を添加することに基板との密着性を向上させ、しかもプラズマ処理後のモールド材との密着性も良好であり、また有機ケイ素化合物を添加するだけで良いため、ポリイミド構造の変更なしに従ってポリイミドの特性を維持したままで高密着耐熱性樹脂を得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】テンシロン万能試験機で成形品側部への剪断剥離強度試験を行うことを示す概略断面図。
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