JP2004137411A - 半導体用接着フィルム、半導体装置、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体用接着フィルム、半導体装置、及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温での組み立て可能で、かつ組み立て後の熱処理による硬化で緩和ピークと熱時弾性率を大幅に向上し、強固な接着性と高い耐湿熱性に優れている半導体用接着フィルムを提供すること。
【解決手段】(A)スチレン/無水マレイン酸共重合体を用いた有機溶剤に可溶な熱可塑性ポリイミド樹脂100重量部、(B)熱硬化性樹脂10〜150重量部、及び(C)硬化促進剤0.1〜5重量部から構成される半導体用接着フィルムであり、好ましくは、前記熱可塑性ポリイミド樹脂は、スチレン/無水マレイン酸共重合体の含有量が無水カルボン酸モル数換算で、全無水カルボン酸モル数の1〜20モル%の範囲にあり、かつジアミン成分としてジアミノポリシロキサンを含んでなる半導体用接着フィルム。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリイミド樹脂組成物溶液および接着フィルムに関するものである。詳しくは、電子部品用接着剤に用いられるポリイミド樹脂組成物溶液に関するものであり、更には、特に回路基板材料や半導体実装材料として金属、積層板、プリント回路基板に対して接着性に優れた接着フィルムに関するもの、並びにそれを用いた半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の小型化、薄型化に伴って半導体素子の更なる高密度実装技術の確立が要求されている。そのため半導体装置の実装方法として従来から用いられている金属リードフレームを用いた半導体装置から、より高密度化を実現させるべくプリント回路基板等の有機基板への半導体素子の搭載が増えてきた。この様な有機硬質基板は熱に弱いため半導体素子の搭載時の温度は200℃以下の低温接着性かつ高い信頼性が要求されてきた。
【0003】
ポリイミド樹脂は、耐熱性が高いのみならず、高強度・高弾性で機械特性に優れ、高絶縁・低誘電率で電気特性に優れ、また耐薬品性、耐放射線性も優れていることから、高集積半導体などの電気、電子材料として必須の材料となってきた。フィルムとしてフレキシブル印刷配線板や耐熱性接着テープの基材に、また樹脂ワニスとして半導体絶縁皮膜、保護皮膜に広く利用されている。
該半導体用接着剤フィルムの更なる性能向上が求められている。すなわち、低温接着することができ、半導体素子搭載後は高耐熱、高強度、高弾性化させることが必須となっている。しかし、低温接着性を向上させる目的で樹脂のガラス転移温度を低くすると、高温時の弾性率が低下してしまい、耐熱信頼性が低くなってしまうという問題点があった。
又、特許文献1、特許文献2には、熱可塑性ポリイミドとして直鎖型のシロキサン変性ポリイミドと熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する方法が開示されている。しかしながら該手法によれば、第1に接着後の耐熱性は該熱可塑性ポリイミド樹脂に依るところが大きいという問題から使用可能なポリイミド樹脂が制限される問題があり、第2に150℃以下という更なる低温での接着は困難であった。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−27428号公報
【特許文献2】
特開平8−27429号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリイミド樹脂および熱硬化性樹脂用いて低温接着性と更なる耐熱信頼性を向上させた半導体用接着フィルムとそれらを用いた半導体装置並びにその製造方法を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果熱可塑性ポリイミド樹脂の分子骨格中にスチレン−マレイミド架橋構造を一部形成させることで得られた新規な熱可塑性ポリイミド樹脂により低温接着性かつ耐熱信頼性を得ることのできることを見出した。
【0007】
本発明は、
(1)(A)下記一般式(1)で表されるスチレン/無水マレイン酸共重合体を用い有機溶剤に可溶な熱可塑性ポリイミド樹脂100重量部、(B)熱硬化性樹脂10〜150重量部、及び(C)硬化促進剤0.1〜5重量部から構成されることを特徴とする半導体用接着フィルム、
【化4】
Figure 2004137411
(式中、mは1〜10、nは5〜20の整数)
(2)前記熱可塑性ポリイミド樹脂が、前記一般式(1)で表されるスチレン/無水マレイン酸共重合体の含量が無水カルボン酸モル数換算で、全無水カルボン酸モル数の1〜20モル%の範囲にあり、かつジアミン成分として下記一般式(2)で表されるジアミノポリシロキサンを含んでなる第(1)項記載の半導体用接着フィルム、
【化5】
Figure 2004137411
(式中、R1,R2は炭素数1〜4で二価の脂肪族基または芳香族基、R3,R4,R5,およびR6は一価の脂肪族基または芳香族基、kは1〜100の整数である。)
(3)成分(A)の熱可塑性ポリイミド樹脂は一般式(3)で表されるフェニルエーテルに可溶であるか、又はフェニルエーテルを反応溶媒として用いて重合可能である第(1)項又は第(2)項記載の半導体用接着フィルム、
【化6】
Figure 2004137411
(式中、R7は水素原子または炭素原子数1〜6の一価の炭化水素基であり、R8は炭素原子数1〜6の一価の炭化水素基を表す。)
(4)フェニルエーテルがアニソールである第(3)項記載の半導体用接着フィルム、
(5)第(1)〜(4)項いずれか記載の半導体用接着フィルムを介して半導体素子を有機硬質基板等の支持板に200℃以下かつ、1MPa以下の条件で接着することを特徴とする半導体装置の製造方法、
(6)第(1)〜(4)項いずれか記載の半導体用接着フィルムを該フィルムのガラス転移温度以上で、かつ半導体素子接着時の温度より40℃以上低い温度で半導体ウエハの裏面に加熱圧着した後、ダイシングにより得られた接着樹脂付き半導体素子と基板とを接着することを特徴とする半導体装置の製造方法、
(7)第(1)項又は第(2)項記載の半導体装置の製造方法で製造された半導体装置、
である。
【0008】
【発明実施の形態】
本発明に用いる接着フィルムは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応によって得られる一般式(4)の繰り返し単位からなる熱可塑性ポリイミド樹脂にスチレン/無水マレイン酸共重合体由来のスチレン−マレイミド構造を含んでなる有機溶剤に可溶な熱可塑性ポリイミド樹脂樹脂、及び熱硬化性樹脂を主たる成分とすることが好ましい。
【0009】
【化7】
Figure 2004137411
(式中、R1,R2は炭素数1〜4で二価の脂肪族基または芳香族基、R3,R4,R5,およびR6は一価の脂肪族基または芳香族基、R9,R10は四価の脂肪族基または芳香族基、R11は二価の脂肪族または芳香族基を表し、kは1〜100の整数であり、mは1〜4、nは6〜8の整数である。x、yの割合は各成分合計100モル%中、xが5〜50モル%、yが50〜95モル%である。)
【0010】
本発明で用いる熱可塑性ポリイミド樹脂の重合に使用する酸二無水物としては、例えば3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリット酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビスフェノールAカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)フタル酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、等が挙げられ。これらを単独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0011】
本発明で用いるジアミン成分としては、芳香族ジアミンでは2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘキサフルオロプロパン、ビス−4−(4−アミノフェノキシ)フェニルスルフォン、ビス−4−(3−アミノフェノキシ)フェニルスルフォン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル等が挙げられる。特に2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパンを用いるとガラス転移温度を高く維持したまま溶解性を向上させることが可能である。また1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを用いると接着性を向上させる事が可能である。更に、脂肪族ジアミンでは1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,12−ジアミノドデカン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジアミノジシクヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−ジシクヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−ジシクヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチル−ジシクヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチル−ジシクヘキシルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチル−ジシクヘキシルメタン、4,4’−  ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシル、4,4’−  ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジシクロヘキシル、4,4’−ジアミノジシクヘキシルエーテルなどが挙げられ、更に他のジアミン成分として他のジアミン成分としては4,4’−メチレンジ−o−トルイジン、4,4’−メチレンジ−2,6−キシリジン、4,4’−メチレンジ−2,6−ジエチルアニリン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘキサフルオロプロパン、ビス−4−(4−アミノフェノキシ)フェニルスルフォン、ビス−4−(3−アミノフェノキシ)フェニルスルフォン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4ジアミノジフェニルスルフォン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,5ジアミノトルエン、2,4ジアミノトルエン、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,4,6−トリメチル−m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル等を挙げることができる。
【0012】
また、前記ポリイミド樹脂のジアミン成分の一つとして一般式(2)で表されるジアミノポリシロキサンを用いることもできる。ジアミノポリシロキサンとして例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)テトラメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノフェニル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)テトラメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノフェニル)ポリジメチルシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラフェニルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジフェニルシロキサン等が挙げられ、これらを単独あるいは2種以上混合して用いられる。ジアミノポリシロキサンは、全アミン成分総量の5〜50モル%用いる事が好ましい。5モル%未満では有機溶剤への溶解性が低下し、50モル%を超えるとガラス転移温度が著しく低下し耐熱性に問題が生じる。
【0013】
テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応は、非プロトン性極性溶媒中で公知の方法で行われる。非プロトン性極性溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、アニソール、テトラヒドロフラン(THF)、ジグライム、シクロヘキサノン、ガンマ−ブチロラクトン(GBL)、1,4−ジオキサン(1,4−DO)などである。非プロトン性極性溶媒は、一種類のみ用いてもよいし、二種類以上を混合して用いてもよい。本発明で使用する溶剤は比較的沸点が低く、人体への有害性の低いアニソールを用いることがより好ましい。これは、溶剤の乾燥温度を大きく下げることが可能で、様々な熱硬化成分を加えることができるためである。
【0014】
この時、上記非プロトン性極性溶媒と相溶性がある非極性溶媒を混合して使用しても良い。非極性溶媒としては、トルエン、キシレン、ソルベントナフサなどの芳香族炭化水素が良く使用される。混合溶媒における非極性溶媒の割合は、50重量%以下であることが好ましい。これは非極性溶媒が50重量%を超えると共沸による熱イミド化の反応速度が著しく低下し目的の分子量のポリイミド樹脂を得ることが困難になる恐れがあるためである。
【0015】
このようにして得たポリアミック酸溶液は、続いて有機溶剤中で加熱脱水環化してイミド化しポリイミドにする。イミド化反応によって生じた水は閉環反応を妨害するため、水と相溶しない有機溶剤を系中に加えて共沸させてディーンスターク(Dean−Stark)管などの装置を使用して系外に排出する。水と相溶しない有機溶剤としてはジクロルベンゼン等が知られているが、エレクトロニクス用としては塩素成分が混入する恐れがあるので、前記芳香族炭化水素を使用することが好ましい。また、イミド化反応の触媒として無水酢酸、β−ピコリン、ピリジンなどの化合物を使用しても良い。
【0016】
本発明では、得られたポリイミド溶液にそのままエポキシ樹脂やシアネートエステル樹脂、エポキシ樹脂と反応可能な活性水素基を有する化合物、反応促進剤、触媒等を添加して用いることができる。又は、この溶液を貧溶媒中に投入してポリイミド樹脂を再沈殿析出させて未反応モノマーを除去精製し、乾燥させたものを再び有機溶剤に溶解し用いることも可能である。特に揮発分や不純物、異物などを嫌う用途においてはそのようにして精製したポリイミド溶液を更に濾過して用いることが好ましい。このとき使用する溶剤は加工作業性を考え、沸点の低い溶剤を用いることが好ましい。沸点が200℃以下の溶剤を選択することが好ましい。例えば、ケトン系溶剤としてアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、エーテル系溶剤として1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、アニソールを、アミド系溶剤としてN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドを挙げることができる。これらの溶剤は単独で使用しても良いし、2種類以上を混合して用いることもできる。本発明では、それのみで合成可能でかつ乾燥温度を低温にすることができるアニソールを溶剤として用いることが特に好ましい。
【0017】
上記の様に乾燥温度を大きく下げることで熱硬化成分の硬化開始温度より十分低い温度での加工プロセスを構築することができ、硬化成分を硬化させることなく接着フィルムを得ることができる。本発明の半導体用接着フィルムは従来からの問題点であった耐熱信頼性を一部架橋化させた熱可塑性ポリイミドにより耐湿熱性を、熱硬化性樹脂により低温接着性、熱接着特性を著しく向上させることで解決することができる。
【0018】
本発明における熱可塑性ポリイミド(A)はスチレン/マレイン酸共重合体の含量が無水カルボン酸モル数換算で、全無水カルボン酸モル数の1〜20モル%の範囲であることが好ましい。1モル%未満では十分な目標特性を得られないため好ましくない。20モル%より多いと有機溶剤への溶解性が著しく低下するため好ましくない。
【0019】
本発明における熱硬化性樹脂(B)は、熱圧着時には熱可塑性ポリイミド(A)と一緒に溶融することで基板上の微小な凹凸にも浸透し更に圧着後の熱処理により硬化するため良好な接着性を示す。また、三次元網目状化しているため耐熱信頼性も高い。具体的には、エポキシ樹脂、シアネートエステル、フェノール、レゾールシノール樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。中でも、エポキシ樹脂およびシアネートエステル樹脂が好ましい。
【0020】
エポキシ樹脂としては、種々のエポキシ樹脂が用いられるが、分子量300〜2000程度のものが好ましい。特に好ましくは、分子量300〜800の常温液状のエポキシ樹脂および/または、分子量400〜2000、好ましくは500〜1500の常温固体のエポキシ樹脂を含む形で用いるのが望ましい。また、本発明に特に好ましく使用されるエポキシ樹脂のエポキシ当量は、通常100〜1000g/eqである。
このようなエポキシ樹脂としては、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂などを挙げることができる。これらは、1種単独で、または2種類以上を組合せて用いることができる。中でも、本発明では、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂又はフェノールノボラック型エポキシ樹脂を用いることが特に好ましい。
【0021】
シアネートエステル樹脂としては、種々ある中でもビスE型のシアネートエステル又は、ノボラック型シアネート樹脂が特に好ましい。
【0022】
これらの熱硬化性樹脂成分(B)の含有量は、前記成分(A)100重量部に対し、10〜150重量部の割合で含まれることが好ましい。成分(B)の含有量が10重量部未満では接着時に十分な流動性を得ることができないため基板との接着性が低下するため好ましくない。また150重量部を超えると可とう性が低下しフィルムとしての取扱が困難になり、更に硬化物の脆質性が高くなると共に吸湿信頼性が著しく低下するため好ましくない。
【0023】
本発明において硬化促進剤も用いることができ、エポキシ樹脂を硬化促進させるために用いられるものであれば特に制限はない。
これら硬化促進剤として例えば、ジシアンジアミド誘導体、イミダゾール類、トリフェニルホスフィンなどが用いられる。これらは2種類以上を併用してもよい。中でも、イミダゾール類を使用することが好ましい。例えば、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチル−イミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。
【0024】
本発明に用いることのできる熱硬化性樹脂において、上記の硬化促進剤剤は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部の割合で用いることが好ましい。0.1重量部未満では熱処理による硬化が不十分なため目標とする耐熱接着性を得ることができないため好ましくない。また、5重量部より多くなると接着フィルムの保存安定性が悪く低温接着性が低下するため好ましくない。
【0025】
更に本発明の接着フィルムには必要に応じてカップリング剤等の添加剤を用いることができる。カップリング剤としては、シラン系、チタネート系、アルミニウム系カップリング剤などある。その中でも、シリコンチップとの界面での密着性が良いシラン系カップリング剤が好ましい。例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタクロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。カップリング剤の配合量は樹脂100重量部に対し0.5〜10重量部が好ましい。
【0026】
本発明の半導体用接着フィルムの製造方法としては、まず、前記各成分をN−メチル−2−ピロリドンや、アニソール等の有機溶剤中で混合してワニス状とし、これを塗布してフィルムを形成する。具体的には、例えば耐熱性フィルム基材を支持体として用い、その片面または両面に同様のフィルム層を形成させ、支持体と共に接着フィルムとして得るか、またはロールや金属シート、ポリエステルシートなどの離型シート上に、フローコーター、ロールコーター、コンマコーターなどによりフィルムを形成させ、加熱乾燥後、剥離して、単層の接着フィルムとするなどの方法で得ることができる。
【0027】
この様にして得られた半導体用接着フィルムは、含有する硬化成分を加熱乾燥中に硬化させることなく得ることができる。この接着フィルムをウエハ上への熱圧着時に半硬化(Bステージ状態)させることを可能とし、続いてダイシング後更に半導体素子搭載時にも十分な流動性を有するため低温接着性が可能である。また、本発明の半導体用接着フィルムは従来からの問題点であった高耐湿熱性と高接着特性を併せもつことを特徴とする。
【0028】
本発明の半導体用接着フィルムをウエハに貼り付ける条件としては接着フィルムのガラス転移温度(Tg)以上、半導体素子の熱圧着時の温度より40℃以上低い温度であることが好ましい。接着フィルムの圧着温度がTg未満ではウエハとの密着性が低下し、半導体素子の熱圧着時の温度より40℃未満の温度では硬化成分の硬化が進行するため、半導体素子の熱圧着時に十分な流動性がないため接着性が低下するため好ましくない。ウエハへ貼り付ける圧力は1MPa以下が好ましい。1MPaを超えるとその荷重によりウエハが割れる恐れがあるため好ましくない。
【0029】
本発明の半導体装置は、前記半導体用接着フィルムを用いてウエハの裏面に一括に熱圧着した後、ダイシングにより個片分離した半導体素子が外接着フィルムを介して有機基板に搭載されることを特徴とする。
【0030】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない
【0031】
実施例に用いたスチレン/無水マレイン酸共重合体は、スチレン/マレイン酸比が3:1であるエルフ・アトケム株式会社製のEF−30(平均分子量2900)である。
実施例1
シリコーン変性ポリイミド樹脂:温度計、攪拌機、原料投入口を備えた四つ口のセパラブルフラスコ中に、酸成分として4,4’−オキシジフタル酸二無水物7.38g(0.0238モル)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物7.01g(0.0238モル)、スチレン/無水マレイン酸共重合体1.90g(0.0024モル)をアニソール83.5g、トルエン38.0gに縣濁させる。そして、ジアミン成分としては2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン10.26g(0.025モル)とα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(平均分子量836)20.9g(0.025モル)をアニソール68.4g中70℃で加熱溶解させたものを滴下ロートに入れる。次いで、ディーンスターク還流冷却管を取り付け、オイルバスにより加熱すると縣濁溶液が溶解し透明になった。加熱還流が始まったらジアミン溶液を15分間ゆっくり滴下した。この際、イミド化に伴い発生する水をトルエンとの共沸により系外へ除去した。滴下終了後30分加熱還流したところで反応を終了した。この様にアニソールに可溶なポリイミド樹脂を得た。分子量はMw=45,000、118,000の2つのピークを示した。
【0032】
得られたポリイミド樹脂100重量部に対して、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名EOCN−1020−90)56.25重量部、ノボラック型シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン株式会社製、商品名PRIMASET PT−30)37.5重量部、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製商品名1B2PZ)0.5重量部、コバルトアセチルアセトナート(日本化学産業株式会社製、商品名ナーセム第二コバルト)0.0456重量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン株式会社製、商品名KBM−403E)1重量部、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン株式会社製、商品名KBM−573)0.5重量部を加え攪拌混合した後、真空脱気した。この樹脂ワニスを厚さ38μmのポリエチレンテレフタラート支持基材上にロールコーターで乾燥後の膜厚が40μmになるように塗布し、60℃で2分、80℃で2分、90℃で2分、熱風循環式乾燥機の中で加熱乾燥を行い、離型フィルムの付いたポリイミド樹脂フィルムを得た。
【0033】
次に、得られた半導体用接着フィルムの硬化物特性及び接着強度を測定した。
【0034】
[動的粘弾性測定]フィルムを180℃で1時間硬化させ、セイコー・インスツルメント社製DMS210測定装置にて昇温速度5℃/分、0℃から300℃までの温度依存性測定モードで行った。240℃での貯蔵弾性率、tanδピークをガラス転移温度として値を読みとった。
【0035】
[240℃熱時剪断接着強度]7×7mmの金型でフィルムを打ち抜き、圧着温度160℃、圧力2MPa、加圧時間0.3秒で仮圧着し、次いで、圧着温度160℃、圧力1MPa、圧着時間1.0秒でフィルムを42−合金のリードフレームに貼り付ける。次いで、4mm角のポリイミドでバッファーコートされたシリコンチップのコート面を、上記7×7mmフィルムに、圧着温度180℃、圧力1MPa、圧着時間1.0秒でチップマウントし、180℃で1時間硬化させる。硬化後、プッシュプルゲージを用い240℃−20秒後での熱時ダイシェア強度を測定した。
【0036】
実施例2
シリコーン変性ポリイミド樹脂:温度計、攪拌機、原料投入口を備えた四つ口のセパラブルフラスコ中に、酸成分として4,4’−オキシジフタル酸二無水物6.65g(0.0.0214モル)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物6.30g(0.0214モル)、スチレン/無水マレイン酸共重合体5.71g(0.0071モル)をアニソール91.1、トルエン39.9gに縣濁させる。そして、ジアミン成分としては2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン10.26g(0.025モル)とα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(平均分子量836)20.9g(0.025モル)をアニソール68.4g中70℃で加熱溶解させたものを滴下ロートに入れる。次いで、ディーンスターク還流冷却管を取り付け、オイルバスにより加熱すると縣濁溶液が溶解し透明になった。加熱還流が始まったらジアミン溶液を15分間ゆっくり滴下した。この際、イミド化に伴い発生する水をトルエンとの共沸により系外へ除去した。滴下終了後30分加熱還流したところで反応を終了した。この様にアニソールに可溶なポリイミド樹脂を得た。分子量はMw=65,000、120,000の2つのピークを示した。
【0037】
得られたポリイミド樹脂100重量部に対して、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名EOCN−1020−90)56.25重量部、ノボラック型シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン株式会社製、商品名PRIMASET PT−30)37.5重量部、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製商品名1B2PZ)0.5重量部、コバルトアセチルアセトナート(日本化学産業株式会社製、商品名ナーセム第二コバルト)0.0456重量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン株式会社製、商品名KBM−403E)1重量部、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン株式会社製、商品名KBM−573)0.5重量部を加え攪拌混合した後、真空脱気した。この樹脂ワニスを厚さ38μmのポリエチレンテレフタラート支持基材上にロールコーターで乾燥後の膜厚が40μmになるように塗布し、60℃で2分、80℃で2分、90℃で2分、熱風循環式乾燥機の中で加熱乾燥を行い、離型フィルムの付いたポリイミド樹脂フィルムを得た。
【0038】
得られた半導体用接着フィルムを実施例1と同様の手法で動的粘弾性測定及び240℃熱時剪断接着強度測定を行った
【0039】
比較例1
シリコーン変性ポリイミド樹脂:温度計、攪拌機、原料投入口を備えた四つ口のセパラブルフラスコ中に、酸成分として4,4’−オキシジフタル酸二無水物18.61g(0.06モル)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物17.65(0.06モル)をアニソール133.23g、トルエン74.36gに縣濁させる。そして、ジアミン成分としては2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン24.63g(0.06モル)とα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(平均分子量836)50.16g(0.06モル)をアニソール164.2g中70℃で加熱溶解させたものを滴下ロートに入れる。次いで、ディーンスターク還流冷却管を取り付け、オイルバスにより加熱すると縣濁溶液が溶解し透明になった。加熱還流が始まったらジアミン溶液を1時間ゆっくり滴下した。この際、イミド化に伴い発生する水をトルエンとの共沸により系外へ除去した。滴下終了後3.0時間加熱還流したところで反応を終了した。この様にアニソールに可溶なポリイミド樹脂を得た。分子量はMw=65000である。
【0040】
得られたポリイミド樹脂100重量部に対して、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名EOCN−1020−90)56.25重量部、ノボラック型シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン株式会社製、商品名PRIMASET PT−30)37.5重量部、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製商品名1B2PZ)0.5重量部、コバルトアセチルアセトナート(日本化学産業株式会社製、商品名ナーセム第二コバルト)0.0456重量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン株式会社製、商品名KBM−403E)1重量部、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン株式会社製、商品名KBM−573)0.5重量部を加え攪拌混合した後、真空脱気した。この樹脂ワニスを厚さ38μmのポリエチレンテレフタラート支持基材上にロールコーターで乾燥後の膜厚が40μmになるように塗布し、60℃で2分、80℃で2分、90℃で2分、熱風循環式乾燥機の中で加熱乾燥を行い、離型フィルムの付いたポリイミド樹脂フィルムを得た。
【0041】
得られた半導体用接着フィルムを実施例1と同様の手法で動的粘弾性測定及び240℃熱時剪断接着強度測定を行った。
【0042】
比較例2
シリコーン変性ポリイミド樹脂:温度計、攪拌機、原料投入口を備えた四つ口のセパラブルフラスコ中に、酸成分として4,4’−オキシジフタル酸二無水物18.61g(0.06モル)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物17.65(0.06モル)をアニソール133.23g、トルエン74.36gに縣濁させる。そして、ジアミン成分としては2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン24.63g(0.06モル)とα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(平均分子量836)50.16g(0.06モル)をアニソール164.2g中70℃で加熱溶解させたものを滴下ロートに入れる。次いで、ディーンスターク還流冷却管を取り付け、オイルバスにより加熱すると縣濁溶液が溶解し透明になった。加熱還流が始まったらジアミン溶液を1時間ゆっくり滴下した。この際、イミド化に伴い発生する水をトルエンとの共沸により系外へ除去した。滴下終了後3.0時間加熱還流したところで反応を終了した。この様にアニソールに可溶なポリイミド樹脂を得た。分子量はMw=65000である。
【0043】
得られたポリイミド樹脂100重量部に対して、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名EOCN−1020−90)7.5重量部、高純度ビスF型エポキシ樹脂(エポキシ当量175、日本火薬株式会社製、商品名RE403S)34.8重量部、ノボラック型シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン株式会社製、商品名PRIMASET PT−30)65.2重量部、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製商品名1B2PZ)0.35重量部、コバルトアセチルアセトナート(日本化学産業株式会社製、商品名ナーセム第二コバルト)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン株式会社製、商品名KBM−403E)1重量部、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン株式会社製、商品名KBM−573)0.5重量部を加え攪拌混合した後、真空脱気した。この樹脂ワニスを厚さ38μmのポリエチレンテレフタラート支持基材上にロールコーターで乾燥後の膜厚が40μmになるように塗布し、60℃で2分、80℃で2分、90℃で2分、熱風循環式乾燥機の中で加熱乾燥を行い、離型フィルムの付いたポリイミド樹脂フィルムを得た。
【0044】
得られた半導体用接着フィルムを実施例1と同様の手法で動的粘弾性測定及び240℃熱時剪断接着強度測定を行った。
【0045】
実施例1の半導体用接着フィルムを180℃、1時間の熱処理により硬化させると動的粘弾性測定でガラス転移温度が140℃、弾性率が240℃で25MPa、240℃熱時剪断接着強度は2.8MPaとなった。これに対し、比較例1の半導体用接着フィルムは同様の熱処理により、動的粘弾性測定でガラス転移温度が112℃、弾性率が240℃で14MPa、240℃熱時剪断接着強度は1.1MPaであった。実施例2の半導体用接着フィルムを180℃、1時間の熱処理により硬化させると動的粘弾性測定でガラス転移温度が150℃、弾性率が240℃で34MPa、240℃熱時剪断接着強度は3.1MPaとなった。これに対し比較例2の半導体用接着フィルムは同様の熱処理により、動的粘弾性測定でガラス転移温度が114℃、弾性率が240℃で17MPa、240℃熱時剪断接着強度は0.9MPaとなった。
【0046】
【発明の効果】
以上のように本発明のポリイミド樹脂によれば、低温で組み立て可能であり、しかも組み立て後の熱処理による硬化で緩和ピークと熱時弾性率を大幅に向上させることが可能である。更に本発明の接着フィルムは強固な接着性と高い耐湿熱性に優れておりエレクトロニクス実装材料に最適な接着材フィルムを提供することができる。

Claims (7)

  1. (A)下記一般式(1)で表されるスチレン/無水マレイン酸共重合体を用いた有機溶剤に可溶な熱可塑性ポリイミド樹脂100重量部、(B)熱硬化性樹脂10〜150重量部、及び(C)硬化促進剤0.1〜5重量部から構成されることを特徴とする半導体用接着フィルム。
    Figure 2004137411
    (式中、m=1〜10、n=5〜20の整数)
  2. 前記熱可塑性ポリイミド樹脂は、前記一般式(1)で表されるスチレン/無水マレイン酸共重合体の含有量が無水カルボン酸モル数換算で、全無水カルボン酸モル数の1〜20モル%の範囲にあり、かつジアミン成分として下記一般式(2)で表されるジアミノポリシロキサンを含んでなる請求項1記載の半導体用接着フィルム。
    Figure 2004137411
    (式中、R1,R2は炭素数1〜4で二価の脂肪族基または芳香族基、R3,R4,R5,およびR6は一価の脂肪族基または芳香族基、kは1〜100の整数である。)
  3. 成分(A)の熱可塑性ポリイミド樹脂は一般式(3)で表されるフェニルエーテルに可溶であるか、又はフェニルエーテルを反応溶媒として用いて重合可能である請求項1又は2記載の半導体用接着フィルム。
    Figure 2004137411
    (式中、R7は水素原子または炭素原子数1〜6の一価の炭化水素基であり、R8は炭素原子数1〜6の一価の炭化水素基を表す。)
  4. フェニルエーテルがアニソールである請求項3記載の半導体用接着フィルム。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の半導体用接着フィルムを介して半導体素子を有機硬質基板等の支持板に200℃以下かつ、1MPa以下の条件で接着することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項1〜4いずれか記載の半導体用接着フィルムを該フィルムのガラス転移温度以上で、かつ半導体素子接着時の温度より40℃以上低い温度で半導体ウエハの裏面に加熱圧着した後、ダイシングにより得られた接着樹脂付き半導体素子と基板とを接着することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項5又は6記載の半導体装置の製造方法で製造された半導体装置。
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