JPH0781996B2 - オートサンプラ - Google Patents

オートサンプラ

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JPH0781996B2
JPH0781996B2 JP63213356A JP21335688A JPH0781996B2 JP H0781996 B2 JPH0781996 B2 JP H0781996B2 JP 63213356 A JP63213356 A JP 63213356A JP 21335688 A JP21335688 A JP 21335688A JP H0781996 B2 JPH0781996 B2 JP H0781996B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、液体試料を自動的にサンプリングするオート
サンプラに係り、さらに詳細には、試料の吸引(サンプ
リング)が正確に行われたかどうかを検出する機構を備
えたオートサンプラに関する。
〔従来の技術〕
液体クロマトグラフのオートサンプラは、試料をサンプ
リングする場合に空気(試料中の気泡を含む)を吸引し
てしまうと、分析の信頼性が低下するだけではなく、脱
気して装置を再稼働するにも時間を要し、さらに分離カ
ラムの性能を劣化させる原因となる。
そのため、従来のオートサンプラにおいては、試料瓶
(試料容器)にキャップを用いない場合には、吸引部の
ニードルに金属製の電気伝導度検出用電極(液面セン
サ)を併設して、試料瓶が空検体か否か検出していた。
しかし、キャップを有する試料瓶では、液面センサ付の
ニードルではキャップを貫通できないため、液面センサ
を採用できなかった。そのため、ターンテーブル方式
では、試料容器の有無のみをマイクロスイツチまたは圧
力センサにより検出したり、 特開昭60−22665号公報に記載のように、試料導入装
置(オートサンプラ)のニードルと接続される試料液流
路(チューブ)の少なくとも一部を透明な側壁にて構成
し、その透明なチューブ箇所を挾んで透過光測定部の発
光素子と受光素子(例えば赤外発光ダイオードとフォト
トランジスタ)を対向配置して、その透過光量より被吸
引試料に気泡が混入しているか否かを検出する技術が提
案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術のうち、の方式はオートサンプラによっ
て吸引した試料の中に気泡が混入した場合にこれを検出
する配慮に欠け、の方式は、試料容器の有無のみを検
出するために、その試料容器が空検体であることや吸引
した試料の中に気泡が混入した場合にこれを検出する配
慮に欠ける。
一方、の方式は上記問題を解消できる。しかし、試料
導入装置に吸引した試料に気泡が混入している場合に
は、通常は、その吸引された試料は再使用に供されずに
排出され(吸引された試料を試料容器に戻してしまう
と、その時の吐き出し作用により試料容器中に気泡が発
生するおそれがあるため、排出される)てそのニードル
が洗浄工程に移るので、その試料損失を極力少なくする
ことが望まれるが、この配慮が十分になされていなっか
った。
本発明は以上の点に鑑みなされ、その目的は、試料容器
から液体試料をサンプリング(吸引)する場合に、試料
容器がキャップの有無にかかわらず、吸引した試料の中
に気泡の混入があるか否か、あるいは空気(空検体)の
みの吸引であるか否かを検出でき、しかも、気泡混入の
検出がなされても、その試料の損失を極力少なくするこ
とができ、さらに、この種の気泡,気体の検出機構をサ
ンプリングシステムに設置する場合のスペースの合理化
と取付け性の簡便化を図り得るオートサンプラを提供す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記目的を達成するために、基本的には次のよ
うな課題解決手段を提案する。なお、以下の構成要素に
付した符号は、内容の理解を容易にするために実施例の
説明に用いた第1図,第10図の符号を引用した。
すなわち、本発明は、試料の吸引・吐出に用いるニード
ル5を吸引・吐出源92に通じるチューブ7とコネクタ
(6,10)を介して着脱可能に接続して成るオートサンプ
ラにおいて、 コネクタ(6,10)のうちチューブ7側のコネクタ要素10
がブロック状に形成され、このコネクタ要素10にチュー
ブ7の一端部が貫入される構造にし、且つニードル5に
よって吸引された流体が液体であるか気泡を含む液体ま
たは気体であるかをチューブ外部から検出可能な検出部
(1,2)がコネクタ要素10内においてチューブ7に近接
配置されて、コネクタ要素10が被吸引流体に対する気
泡,気体検出機構を兼用する構成とした。
なお、前記検出部(1,2)は、例えば、チューブ7のう
ち少なくともコネクタ要素10に貫入される端部を透明或
いは半透明にして、このチューブ端部を挾んで対向配置
された光照射部1と受光部2とよりなり、光照射部1か
ら出射された光がチューブ端部を透過して受光部2に至
る透過光量を利用して、ニードル5により吸引された流
体が液体であるか気泡を含む液体または気体であるかを
検出する構成とした光透過方式や、 チューブ端部周辺に配置された光照射部1と、該光照射
部からの光がチューブ端部内で反射した光を検出可能に
配置した受光部2とよりなり、反射光の光量を利用し
て、ニードル5により吸引された流体が液体であるか気
泡を含む液体または気体であるかを検出する構成とした
光反射式のもの等が代表例として挙げられる。
〔作用〕
ニードル部で吸引した試料を、例えば光で検出する場合
には、試料が通過する流路を横断する透過光を利用する
方法と流路から跳ね返る反射光を利用する2種類の方法
がある。
透過光方式の原理を示す断面図を第12図に、反射光方式
の原理を示す断面図を第13図に示す。第12図,第13図の
(a)は流路内が気体の場合、(b)は液体の場合であ
る。第12図,第13図において、光照射部100(第1図の
光照射部1に相当),受光部101(第1図の受光部2に
相当),出射光102,反射光103,106,透過光104,105,透明
または半透明のチューブ110(第1図のチューブ7に相
当),気体111,液体112があり、チューブ110と液体112
の屈折率は同程度で、気体111の屈折率より大きいと仮
定してある。
第12図の透過光方式の場合、流路内が気体111では、チ
ューブ110との界面で反射が生じ、流路内が液体112で
は、反射がなく液体112によるレンズ効果が生じ、結
局、流路内の液体112の方が光透過率が高くなる。流路
内が気体111の場合と液体112の場合での受光部101の出
力を予めそれらの中間に設定値を設けたコンパレータ出
力により信号が取り出せる。
第13図の反射光方式の場合は、前述したように、液体11
2とチューブ110での界面での反射より流路内が気体111
である方が大きいので、透過光方式とは逆に気体111の
方が受光部101の出力が大きくなる。なお、第12図,第1
3図において、液体112とチューブ110の屈折率は材料に
依存するが、多少異なるため、上記のような理想状態に
はなく、さらに、チューブ110外壁と外部の空気の界面
でも反射を生ずるが、これは(a)と(b)に共通な現
象なので、説明からは除去した。
さらに、光照射部100,受光部101の代りに超音波用の圧
電素子を用いれば、チューブと気体,チューブと液体と
の音響インピーダンスの違いからチューブ内壁と流体と
の界面での超音波反射強度に差違が認められ、これを利
用して気体の吸引を検出することも可能である。
以上のように、検出部(1,2)を用いてニードル5によ
り吸引された被吸引流体が液体であるか気泡を含む液体
または気体であるかを検出することができるが、本発明
では、この検出部(1,2)を、ニードル5・チューブ7
間を接続するコネクタ(6,10)のうちチューブ7側のコ
ネクタ要素10においてチューブ7に近接配置した構成に
より、ニードル5に接近したチューブ7の端部(換言す
ればチューブ7のうちコネクタ要素10内に貫入された部
分)を通過する被吸引流体からその流体が液体(試料)
であるか気泡を含む得体または気体であるかを検出する
ことができるので、ニードル5の先端から上記検出位置
までの距離を極力短くして、気泡,気体検出に至るまで
の吸引試料量が極めて少なくなり、その結果、被吸引試
料に気泡が含まれていたりしてその被吸引試料を使用に
供さない場合であっても、貴重な試料の損失が少量す
む。
さらに、本発明では、ニードル5・チューブ7間を接続
するコネクタ(コネクタ要素10)が被吸引流体に対する
気泡,気体検出機構を兼用するので、この気泡,気体検
出機構の設置スペースの合理化を図れる。加えて、コネ
クタを介してニードル5・チューブ7を接続すれば、自
ずと上記検出部(1,2)がサンプリングシステムに装着
されるので、その検出部の取付け作業の簡便化が図れ
る。
〔実施例〕
本発明の実施例を第1図〜第11図により説明する。
第1図は本発明の第1実施例に係るオートサンプラの一
部を示す要部断面図で、(a)は縦断面図、(b)は分
解斜視図である。
第1図において、5は試料の吸引・吐出に用いるニード
ル、7はニードル5と接続されるチューブ7で、チュー
ブ7は第10図に示すシリンジ(吸引・吐出源)92に通じ
る。
ニードル5とチューブ7とは、コネクタ6,10を介して接
続され、ニードル5側のコネクタ要素6がソケット型
で、チューブ7側のコネクタ要素10がプラグ型を呈し、
これらのコネクタ要素6,10が連結することによりニード
ル5とチューブ7とが着脱自在に接続される。ここで
は、一方のコネクタ要素6は、ニードル5と一体に成形
される。また、他方のコネクタ要素10はブロック状に形
成してあり、コネクタ要素10側にチューブ7の一端部
(被接続端部)が貫入されている。このチューブ7はコ
ネクタ貫入部の先端が符号8に示すようにフランジ状に
拡張され、この拡張部8がコネクタ要素6,10の連結時に
ニードル5側のコネクタ要素6の内底面に圧接すること
で、ニードル5とチューブ7とが接続する構造としてあ
る。9はパッキンである。
また、上記チューブ7側のコネクタ要素10の内部には、
チューブ7の貫入部分を通過する被吸引流体が液体であ
るか気泡を含む液体または気体であるかを検出可能な検
出部1,2がチューブ貫入部に近接配置により内装されて
いる。ここで、チューブ7は、透明または半透明のプラ
スチック製(ポリ四フッ化エチレン等)であり、チュー
ブ7の被接続端部を挾んで上記検出部を構成すべき光照
射部(例えば発光ダイオード)1と受光部(例えばフォ
トトランジスタ)2とが対向配置されている。3は光照
射部1のリード線、4は受光部2のリード線で、このリ
ード線4を介して受光部2の後段にコンパレータ19が接
続される。
上記構成によれば、オートサンプラの稼働中に光照射部
1からの出射光が、チューブ7のコネクタ貫入部の流路
内に照射される。したがって、ニードル5を介して吸引
された流体がチューブ7の被接続端部を通過すると、こ
の通過位置における被吸引流体が液体か気泡,気体かに
よって既述のように透過光量が異なるが、その情報を持
って受光部2に入射する。
従って、前もってチューブ7を通過する気体と液体に対
する受光部2の透過光量に相当する出力を求めておき、
両者の中間の値を基準値として設定したコンパレータ19
を受光部2の後段に設置することで、受光部2の信号か
ら流路中の流体が液体(試料)か気泡を含む液体又は空
気(空検体)かを判別できる。
本実施例によれば、試料容器がキャップ付きの如何にか
かわらず、被吸引流体が試料のみであるか、あるいは気
泡のある試料か、或いは試料容器が空検体であるかを検
出することができる。この検出は、ニードル5・チュー
ブ7間を接続するチューブ7側のコネクタ要素10内にお
いて可能である。従って、ニードル5先端から上記検出
位置までの距離を極力短くして、検出に至るまでの吸引
試料量を極めて少なくすることができ、その結果、試料
中に気泡が含まれていたりしてその被吸引試料を使用に
供さない場合であっても、貴重な試料の損失が少量すむ
という効果を奏する。
さらに、ニードル5・チューブ7間を接続するコネクタ
(コネクタ要素10)が被吸引流体に対する気泡,気体検
出機構を兼用するので、この気泡,気体検出機構の位置
スペースの合理化を図り得る。加えて、コネクタを介し
てニードル5・チューブ7を接続すれば、自ずと上記検
出部1,2がサンプリングシステムに装着されるので、そ
の検出部の取付け作業の簡便化が図れる。
第2図は本発明の第2実施例に係る要部断面図で、
(a)は縦断面図、(b)は組立順序を示す斜視図であ
り、い第1図と同一部分は同じ符号で示し、説明は省略
する。
本実施例において、第1実施例と異なる点は、チューブ
7側のコネクタ要素10′に配置される光照射部1,受光部
2の配置及びその受光方式にある。
すなわち、コネクタ10′内部には、チューブ被接続端部
周辺に光照射部1と受光部2とを上下方向に並置して、
光照射部1からの光がチューブ被接続端部内で反射した
光を受光部2が検出可能にし、この反射光の光量を利用
して、チューブ7のコネクタ貫入部を通過する被吸引流
体が液体であるか気泡を含む液体または気体であるかを
検出する構成とした。すなわち、流体が気体か液体かに
よって上記反射光量が異なり、これに応じて受光部2の
出力が異なるので、第1図で説明したのと同じようにコ
ンパレータ19を受光部2の後段に設置すれば、被吸引流
体が液体であるか気泡,気体であるかを検出することが
できる。本実施例も第1実施例同様の効果を奏すること
ができる。
第3図は本発明の他の実施例に係る縦断面図で、(a)
は第3実施例に係るもので光ファイバを用いた透過光方
式を採用し、(b)は第4実施例に係るもので光ファイ
バを用いた反射光方式を採用し、(c)は第5実施例に
係るもので同じく反射光方式のものである。
第3図(a)では、光照射用の光ファイバ11(第1図の
光照射部1に相当)と受光用の光ファイバ12(第1図の
受光部2に相当)との各一端をチューブ7のコネクタ要
素20(第1図のコネクタ要素10に相当)に導入して、こ
れらのファイバ11,12をチューブ7のコネクタ貫入部に
対して直交するよう近接装置して、それらのファイバ照
射端とファイバ受光端により挾みつけるようにした。光
照射用の光ファイバ11の他端には発光ダイオード等の光
源13が、受光用の光ファイバ12の他端にはフォトトラン
ジスタ等の受光素子14が接続されている。受光素子14の
後段には、第1図で示したコンパレータ19が接続されて
いる。
本実施例によれば、光照射用ファイバ11及び受光用の光
ファイバ12が第1実施例の透過光方式の光照射部1,受光
部2同様の機能をなす。
第3図(b),(c)では、光照射用の光ファイバ21或
いは31と、受光用の光ファイバ22或いは32との各一端を
重ねて、それらのファイバの各一端をチューブ7側のコ
ネクタ要素30或いは40に配置して、これらの光ファイバ
21,31及び光ファイバ22,32に第2実施例の反射光方式の
光照射部1及び受光部2と同様の機能を付与したもので
ある。
各光照射用の光ファイバ21,31の端部には、(a)で図
示した発光ダイオード等の光源13が、各受光用の光ファ
イバ22,32の端部には、(a)で図示したコンパレータ
に接続されるフォトトランジスタ等の受光用の光電変換
部14が接続されている。第3図(a)と(b)は、光フ
ァイバ端面を切断して研磨してあるが、(c)は光ファ
イバ端面を45度にカットした後、切断部分に金属製の光
反射材を塗布して光が90度反射するようにしてある。第
3図(a),(b),(c)に使用する気泡,気体検出
部は吸引部周辺の構造により、それに適したものを使用
すればよい。
第4図(a)は本発明の第6実施例に係り、被吸引流体
が液体(試料)であるか気体,気泡であるかを検出する
ための検出部(ここでは光照射用の光ファイバ及び受光
用の光ファイバ)を2組用いた透過光方式のもので実施
例であり、各検出部の配置態様は第3図(a)方式のも
のを応用している。
試料瓶中の試料をニードル5により吸引する場合に、吸
引される試料がニードル中にある洗浄液と直接接触して
試料の拡散が生じる事態を防ぐために洗浄液・試料液間
に故意的に空気相を介在させることがある。この場合に
は、本実施例に示すように、上記検出部を2組、ここで
は一組の検出部の光照射用が光ファイバ41で、これに対
応の受光用が光ファイバ42で構成され、もう一組の検出
部の光照射用が光ファイバ43で、これに対応の受光用の
光ファイバ44で構成され、光ファイバ41,43が第1実施
例の光照射部1にそれぞれ相当し、光ファイバ42,44が
第1実施例の受光部2にそれぞれ相当する。これらの検
出部のそれぞれのファイバ照射端,ファイバ受光端をコ
ネクタ要素50或いは60(コネクタ要素50,60は第1実施
例のコネクタ要素10に相当する)内にチューブ7の流路
方向に距離を隔てて(この距離は、上記空気相以上とし
てある)配置して、両検出機構のAND出力を得る。
光照射用及び受光用の各光ファイバの端部に接続する図
示していない光素子(発光ダイオード,フォトトランジ
スタ)は第3図の実施例と同じである。
本実施例によれば、気泡,気体の検出部を所定距離をお
いて2組設け、2個の受光素子が同時に気体を検出した
ときのみ、上記故意的な気相以外の気泡,空気(空検
体)を吸引したアンド回路(図示せず)により判定す
る。これにより、第1実施例同様の効果を奏するほか
に、気泡,気体検出部の距離以内に試料の拡散防止用空
気相が入っても、空検体,異物としての気泡侵入等とし
て検出する誤動作がなくなる。
第4図(b)は、気泡,気体の有無を検出する検出部を
2組用いた反射光方式の実施例(第7実施例)を示す縦
断面図である。
本実施例は、第3図(c)に用いる反射方式の2組の気
泡,気体検出部(一組は光照射用の光ファイバ51と受光
用の光ファイバ52、もう一組は光照射用の光ファイバ53
と受光用の光ファイバ54)を位置をずらして配置したも
のであり、その効果は第6実施例と同様である。
洗浄液と試料との間に拡散防止用の気相を故意に挿入す
る場合、上記のように気泡,気体検出部を2組設けてそ
のAND出力で検出することも可能であるが、価格等の点
からは以下の方法が実用的である。すなわち、第4図に
おいて、気泡,気体検出部を1組みのみ設置し(すなわ
ち、この検出部を1組配置した第1図〜第3図の状態に
相当)、光照射部から出て減衰量の差によの流体が気体
または気泡であるとの情報を設定時間以上得たときに拡
散防止用気泡以外の気体または気泡を含む試料を吸引し
たと判断する方法である。例えば、第4図(a),
(b)において、光照射用光ファイバ41,51及び光受光
用光ファイバ42,52を除去した場合を考える。ニードル
5から試料を吸引する直前はニードル5の先端部を除き
流路内は洗浄液で満され、先端部に空気相の気泡が形成
されている。続いて試料を吸引すると、洗浄液と試料に
挾まれた気泡は、一定時間をかけて気泡,気体検出部
分、すなわち、第4図(a)では光照射用光ファイバ43
と光受光用光ファイバ44、(b)では光照射用光ファイ
バ53と光受光用光ファイバ54を通過する。この通過時間
は気泡長さと試料の吸引速度により決定できるので、こ
の時間に裕度を持たせて上記設定時間を決めることが可
能である。このようにすると、液体試料は代りに空気を
吸引したり、気泡の混入した試料を吸引したときは、こ
の設定時間より長時間にわたり空気のあることを検出で
き、設定時間より短時間にわたり空気のあることを検出
したときは、拡張防止用気泡であると判断し、空気や試
料中の混入気泡は検出しない。このためには、受光用光
ファイバ44,54の端部に設置する図示してない受光素子
の出力に、例えば、積分回路を設置し、その出力を直接
あるいはホールド回路を介して設定を設けたコンパレー
タに入力すればよい。この方法は、光ファイバ及び発光
素子,受光素子を1組除くことができ、簡単な回路を追
加するだけでよく、実装の簡易化がはかれるという特長
がある。
第5図は本発明の試料検出装置の反射光方式の他の実施
例(第8実施例)を示す縦断面図である。第5図におい
ては、オートサンプラのニードル5とチューブ7とを直
角に接続するコネクタ部分にガラス窓97を配設し、この
ガラス窓97と直交するようにその上に光ファイバ75を設
けた。ニードル5を試料瓶82の中に入れたとき、光ファ
イバ75からの照射光がガラス窓97を透過してニードル5
の流路に入射する。このとき、試料瓶82の中に試料81が
充分満たされているときは、試料81を吸引しても第5図
(a)のように入射光は試料液中に放射されて反射光量
が減少する。一方、同図(b)のように試料瓶82の中に
試料81がない場合あるいは試料81がニードル5の先端部
より少ない場合には、ニードル5の先端部から気体を吸
引することになり、このとき、入射部の一部が液体と気
体の境界面98で反射し、ニードル5の流路とガラス窓97
及び光ファイバ75を反射光が通るようになり、反射光量
が増すことになる。従って、第5図(a)と(b)との
反射光量の差異により図示しないコンパレータからの信
号で試料瓶82中の試料81の有無を判別できる。
第6図は本発明の試料検出装置の超音波方式の実施例
(第9実施例)を示す概略縦断面図である。第6図は、
ニードル5,ニードル5側のコネクタ要素6,チューブ7,チ
ューブ7のフランジ部8,パッキン9,チューブ7側のブロ
ック状のコネクタ要素10″,超音波を送受信する圧電素
子18,圧電素子18の駆動回路16,圧電素子18の検出回路2
4,変換回路25,コンパレータ26,リード線17,27からな
る。ニードル5から液体が吸引されたときと気体が吸引
されたときでは、圧電素子18から放射された超音波のチ
ューブ7と流体界面での音響インピーダンスの差により
反射波の強度に差異を生ずる。すなわち、気体の場合の
方が液体より反射波強度が高くなることになる。これを
検出回路24で検知し、反射波の波高値に比例する直流電
圧を出力する交換回路25を通してコンパレータ26に入力
する。従って、前もって気体と液体での変換回路25の出
力を求めておき、両者の中間に値を設定したコンパレー
タ26をその後段に設置することで、その信号から流路中
の流体が気体か液体かを判別できる。
第7図は本発明の試料検出装置の電気化学的方式の一実
施例(第10実施例)を示す概略縦断面図である。第7図
は、ニードル5,ニードル5側のコネクタ要素6,チューブ
7,チューブ7のフランジ部8,パッキン9,チューブ7側の
コネクタ要素40′,電極46,47,電流計48,変流電源49か
らなる。電極46,47には、例えば、グラシーカーボン製
のネット電極いあるいは繊維束電極を用い、両電極46,4
7間に交流電圧を発生する交流電源49を接続する。電源
は直流電源でも適用可能であるが、分極の影響を除去す
るため、ここでは交流電源49を用い、両電極46,47間に
流れる電流を電流計48で測定し、電気抵抗または電気伝
導度を検出するようにした。ニードル5が液体を吸引し
た場合は、液体中のイオンにより電流が検出されるが、
気体を吸引した場合ほとんど電流が検出されないため、
両者を区別することが可能である。なお、本実施例でも
電流計48の後段にコンパレータを設置することはいうま
でもない。
第8図は本発明の要部たる気泡,気体検出機構を兼用す
るコネクタの具体的態様を示す斜視図である。本図で述
べたコネクタ70は、第3図(a)の実施例のコネクタ要
素20に相当し、チューブ貫通口71,チューブ保護部72,光
ファイバ挿入用穴73,ニードル側のコネクタ要素との接
続部74からなる。製造方法としては、チューブ保護部7
2,接続部74を切り出した不透明部材にチューブ貫通口7
1,光ファイバ挿入用穴73を開けることにより完成する。
第9図は上記コネクタの組立工程の一例を示す説明する
ための斜視図で、(a)は組立て開始直後、(b)は完
成直前の斜視図である。第9図において、構成要素は、
ニードル5,ニードル側のコネクタ要素6,チューブ7,チュ
ーブ7のフランジ部8,パッキン9,チューブ貫通口71,チ
ューブ保護部72,光ファイバ挿入用穴73,接続部74,チュ
ーブ7側のコネクタ要素70,光照射用光ファイバ75(第
3図の光ファイバ11に相当),受光用光ファイバ76(第
3図の光ファイバ12に相当)よりなる。
第10図は本発明に係る気泡,気体検出機構付きコネクタ
を用いたオートサンプラを含む液体のクロマトグラフの
一実施例を示す概略図である。液体クロマトグラフは、
洗浄ポート80,試料81,試料瓶82,本発明に係る気泡,気
体検出機構(コネクタ)83,ニードル5,チユーブ7,6方バ
ルブ84,試料ループ85,溶離液88,溶離液溶器89,ポンプ9
0,分離カラム86,検出器87,三方活栓91,シリンジ92,洗浄
液93,洗浄液容器94から構成されている。このオートサ
ンプラによると、次のようにして試料81が液体クロマト
グラフに導入される。まず、3方活栓91が破線のように
設定され、シリンジ92を引くことによりシリンジ92内に
洗浄液93を吸引する。次に、3方活栓91を実線のように
切り換え、6方バルブ84も実線のように切り換えて、ニ
ードル5を洗浄ポート80上に移動し、シリンジ92を押す
ことによりシリンジ92内の洗浄液を流路に長して流路を
洗浄する。このとき、ポンプ90は溶離液88を送液してい
るので、試料ループ85,分離カラム86,検出器87の流路は
初期状態にある。さらに、6方バルブ84を破線のように
切り換えてニードル5を試料瓶82に挿入し、シリンジ92
を引くことにより試料81が試料ループ85に導入される。
チユーブ7には本発明による気泡,気体検出機構83が設
置されているので、試料81以外の空気を吸引したとき
は、6方バルブ84を実線の流路に切り換えないようにで
きる。試料81が試料ループ85に満たされたときは、6方
バルブ84を実線の流路に切り換えて分析を行う。
第11図は本発明の気泡,気体研修機構付きコネクタを用
いたオートサンプラを含む液体クロマトグラフの他の例
を示す概略図であり、第10図と同一構成要素は同一符号
で示し、説明を省略する。第11図においては、第10図の
6方バルブ84が96となっており、これには注入ポート95
が接続されており、ニードル5の洗浄は6方バルブ69を
介さずに行うことができるようにしてある。このオート
サンプラによると、次の手順で試料81が液体クロマトグ
ラフに導入される。まず、三方活栓91が破線の位置に設
定され、シリンジ92により洗浄液93が吸引され、次に、
3方活栓91を実線の流路に、6方バルブ96を実線の流路
に切り換えて、ニードル5を注入ポート95に稼働し、シ
リンジ92を押して流路内を洗浄する。このとき、ポンプ
90は溶離液88を送液しているので、試料ループ85,分離
カラム86,検出器87の流路は初期状態にある。次に、6
方バルブを破線の流路に切り換えてニードル5が試料瓶
82に挿入され、シリンジ92を引いて試料81を吸引後、ニ
ードル5を注入ポート95に移動して試料を試料ループ85
に導入する。第10図と同様に、試料81が試料ループ85に
入ったときのみ6方バルブ96を実線の流路に切り換えて
分析する。
第10図と第11図の実施例において、洗浄液93と試料81と
の間に試料拡散防止用の空気相を入れるときは、第4図
の気泡,気体検出部2組の試料検出装置が有効である。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明によれば、オートサンプラのニー
ドル・チューブのコネクタが気泡,気体検出機構を兼用
する構成となるため、試料容器から液体試料をサンプリ
ング(吸引)する場合に、試料容器がキャップの有無に
かかわらず、吸引した試料の中に気泡の混入があるか否
か、あるいは空気(空検体)のみの吸引であるか否かを
検出でき、しかも、気泡混入の検出がなされても、その
試料の損失を極力少なくすることができ、さらに、この
種の気泡,気体の検出機構をサンプリングシステムに設
置する場合のスペースの合理化と取付け性の簡便化を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図はそれぞれ本発明に係るオートサンプラ
の気泡,気体検出機構の実施例を示す概略図、第3図〜
第5図は上記気泡,気体検出機構に光ファイバを用いた
実施例の縦断面図、第6図は上記気泡,気体検出機構に
超音波方式を用いた実施例を示す概略縦断面図、第7図
は電気化学的方式を用いた実施例を示す概略縦断面図、
第8図は上記試料,気体検出機構を兼用するコネクタ要
素の一例を示す斜視図、第9図は上記コネクタの組立工
程を説明するための斜視図、第10図、第11図はそれぞれ
本発明の気泡,気体検出機構を設置したオートサンプラ
を含む液体クロマトグラフの一例を示す概略図、第12
図,第13図はそれぞれ本発明の光利用の気泡,気体検出
原理を示す縦断面図である。 1,2……検出部(光照射部、受光部)、5……ニード
ル、6……ニードル側コネクタ要素、7……チユーブ、
10,10′,10″,20,30,40,40′,50,60,70……チユーブ側
コネクタ要素、11,21,31,41,43,51,53,75……光照射用
光ファイバ、12,22,32,42,44,52,54,76……受光用光フ
ァイバ、13……光源、14……受光素子、16……駆動回
路、18……圧電素子、19,26……コンパレータ、24……
検出回路、25……変換回路、46,47……電極、48……電
流計、71……チユーブ貫通口、73……光ファイバ挿入用
穴、81……試料、82……試料瓶、83……気泡,気体検出
機構付きコネクタ、97……ガラス窓、98……境界面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 釜堀 政男 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 宮城 宏行 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 松村 泰秀 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 金友 正文 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−22665(JP,A) 特開 昭58−38856(JP,A) 特開 昭57−127848(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料の吸引・吐出に用いるニードル(5)
    を吸引・吐出源(92)に通じるチューブ(7)とコネク
    タ(6,10)を介して着脱可能に接続して成るオートサン
    プラにおいて、 前記コネクタ(6,10)のうちチューブ(7)側のコネク
    タ要素(10)がブロック状に形成され、このコネクタ要
    素(10)に前記チューブ(7)の一端部が貫入される構
    造にし、且つ前記ニードル(5)によって吸引された流
    体が液体であるか気泡を含む液体または気体であるかを
    チューブ外部から検出可能な検出部(1,2)が前記コネ
    クタ要素(10)内において前記チューブ(7)に近接配
    置されて、前記コネクタ要素(10)が被吸引流体に対す
    る気泡,気体検出機構を兼用する構成としたことを特徴
    とするオートサンプラ。
  2. 【請求項2】前記検出部(1,2)は、前記チューブ
    (7)のうち少なくとも前記コネクタ要素(10)に貫入
    される端部を透明或いは半透明にして、このチューブ端
    部を挾んで対向位置された光照射部(1)と受光部
    (2)とよりなり、前記光照射部(1)から出射された
    光が前記チューブ端部を透過して前記受光部(2)に至
    る透過光量を利用して、前記ニードル(5)により吸引
    された流体が液体であるか気泡を含む液体または気体で
    あるかを検出する構成とした請求項1記載のオートサン
    プラ。
  3. 【請求項3】前記検出部(1,2)は、前記チューブ
    (7)のうち少なくとも前記コネクタ要素(10)に貫入
    される端部を透明或いは半透明にして、このチューブ端
    部周辺に配置された光照射部(1)と、該光照射部から
    の光が前記チューブ端部内で反射した光を検出可能に配
    置した受光部(2)とよりなり、前記反射光の光量を利
    用して、前記ニードル(5)により吸引された流体が液
    体であるか気泡を含む液体または気体であるかを検出す
    る構成とした請求項1記載のオートサンプラ。
  4. 【請求項4】前記検出部(1,2)は、前記コネクタ要素
    (10)内に前記チューブ(7)の流路方向に距離を隔て
    て2組配置され、この2組の検出部の検出信号がいずれ
    も“被吸引流体に気泡又は気体が存在する”ことを示す
    値であることを条件に、前記ニードル(5)が気泡また
    は気体を吸引したものと判定する判定手段を備えた請求
    項1ないし請求項3のいずれか1項記載のオートサンプ
    ラ。
  5. 【請求項5】前記検出部(1,2)が設定時間よりも長時
    間にわたり“被吸引流体に気泡又は気体が存在する”こ
    とを示す値を出力することを条件に、前記ニードル
    (5)が気泡または気体を吸引したものと判定する判定
    手段を備えた請求項1ないし請求項3のいずれか1項記
    載のオートサンプラ。
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