JPH078052B2 - 色信号処理回路 - Google Patents

色信号処理回路

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JPH078052B2
JPH078052B2 JP63126432A JP12643288A JPH078052B2 JP H078052 B2 JPH078052 B2 JP H078052B2 JP 63126432 A JP63126432 A JP 63126432A JP 12643288 A JP12643288 A JP 12643288A JP H078052 B2 JPH078052 B2 JP H078052B2
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正博 本城
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は家庭用VTRのように、低域変換色信号を用いた
記録再生装置に於ける色信号処理回路に関するものであ
る。
従来の技術 一般に家庭用VTRでは、周波数fCの色信号は映像信号の
水平同期周波数fHと所定の関係にある周波数fSの低周波
色信号に変換され、FM変調された輝度信号と周波数多重
して記録再生する方式が用いられている。
ここでVHS方式はfSを40fHに設定し、90度ロータリを行
なうフェーズシフト方式(PS方式)を採用しており、ま
たβ方式、8mm方式は、fSを43.75fHと47.25fHに設定
し、かつ位相反転を行なうフェーズインバート方式(PI
方式)を採用しているのは周知である。
第4図は再生時の色信号処理を行なう従来の一例を示す
図である。以下VHSのNTSC方式の場合について説明する
が、原理はβ方式,8mm方式共同じである。
入力端子21より入来した周波数fSの低周波色信号lは、
周波数fC+fSのキャリア信号Pと乗算器22とにより、周
波数fCの信号mに周波数変換され、前記乗算器22の出力
信号mは遅延回路23にて1水平走査期間TH(=1/fH)遅
延され遅延信号nを得る。減算器24では前記乗算器22の
出力信号mと前記遅延信号nとが減算され、出力信号θ
を得る。前記遅延回路23と前記減算器24で構成されるブ
ロック28はクシ形フィルタを形成していることは周知で
ある。
ここで前記低周波色信号lをVTRに於けるテープ・パタ
ーン上の隣接トラックからのクロストーク成分を考慮
し、また、PS方式に於けるロータリ位相を考慮すると、 l=A cos{wst+θ} +C cos{wst+θ} ……(1) 但し、C:クロストーク成分の振幅 θ:主信号のロータリ位相 θ:クロストーク成分のロータリ位相 と表わす事ができ、次に前記キャリア信号Pについても
ロータリ位相を考慮すると、 P=B cos{(WC+WS)t+θ} ……(2) 但し、θ:キャリア信号のロータリ位相と表わす事が
できる。PS方式に於いて、前記低周波色信号lのロータ
リ位相θと前記キャリア信号のロータリ位相θとの
差(θ−θ)は、常に一定の値である事は周知であ
る。従って前記乗算器22の出力信号mは、 となり、前記乗算器22の出力信号mには、周波数fCとfC
+2fSの成分がある事がわかる。また前記遅延信号n
は、1水平走査期間TH前の低周波色信号及びキャリア信
号のロータリ位相をそれぞれθaH,θbH,θcHと表わす
となり、VHS・NTSCの方式の場合、 であり、クロストーク成分のロータリ位相は逆向きであ
る事より θ−θ=θbH−θaH ……(6) θ+θ=θbH+θaH±π ……(7) θ−θ=θbH−θcH±π ……(8) θ+θ=θbH+θcH ……(9) であるから、前記遅延信号nは、 となり、従って前記減算器24の出力信号θはθ=ABcos
{WCt+θ−θ}+ BC・cos{(WC+2WS)t+θ+θ} ……(11) となり、周波数fCのクロストーク成分と周波数fC+2fC
の主なる広域周波数成分の除去された信号が得られる。
従って前記減算器24の出力信号θが上記(11)式を満た
す場合は、一般にクロストーク成分はその振幅が小さい
事より、次段の帯域通過フィルタ(BPF)25では、周波
数fC+2fCのクロストーク成分のみを取り除けば良いた
め、比較的簡単なフィルタで良い。しかしながら、再生
色信号の中心周波数や帯域を考慮すると、上記(11)式
を得るには、NTSC方式の場合、前記遅延回路の周波数特
性として3MHz〜5.5MHzという高帯域にわたってフラット
な特性が必要となり、その様な遅延回路は非常に高価で
あるため、実際の回路では前記出力信号θには周波数fC
+2fSの成分として、クロストーク成分によるもののみ
ならず、主なる高域成分がかなり残っている。従って、
前記減算器24の出力信号θは、前記帯域通過フィルタ
(BPF)25にて、周波数fC+2fSの成分が精度良く取り
除かれる必要があり、それによって出力端子27にて、再
生色信号qを得る事ができる。PAL方式の場合、前記遅
延回路23として、2水平走査期間遅延させる遅延回路を
用いれば良い。
発明が解決しようとする課題 上記のような従来例の構成では、クシ形フィルタの出力
である減算器24の出力にて、周波数fC+2fCの成分をク
ロストーク成分のみとするには非常に高価な遅延回路が
必要であり、また、コスト面より非常に高価な遅延回路
を使用し得ない場合は、周波数fC+2fCの主なる高域成
分を精度良く取り除く必要があるため、帯域通過フィル
タ(BPF)25を精度の良い高価なものとしなければなら
ない。しかし、帯域通過フィルタ(BPF)25により、周
波数fC+2fCの成分をより多く取り除こうとすると、再
生色信号の通過帯域が狭くなったり、側帯域の位相特性
が悪くなったりして、正しい色信号の再現ができなくな
るという問題がある。また上記従来例の構成は、一般に
VTRの色信号再生処理系に於けるフェーズロックドルー
プ(以下PLLループと略す)の一部を成しているため、
帯域通過フィルタ(BPF)25の後の周波数fC+2fSの残
留成分はノイズとして作用するため、前記PLLループの
特性を劣化させてしまうという問題がある。
課題を解決するための手段 本発明は、周波数fCの色信号を水平同期信号周波数fH
所定の関係にある周波数fSの低周波色信号に低域変換し
て記録し、再生時に逆の処理にて周波数fCの色信号を得
る記録再生方式の再生系において、周波数fSの低周波色
信号を周波数fC+fSのキャリア信号と第1の乗算器によ
り周波数変換し第1の再生色信号を得る手段と、前記低
周波色信号号を1又は2水平走査期間TH(=1/fH)遅延
させ、該遅延信号をフィールド毎に反転して第2の乗算
器に入力し、前記キャリア信号を+90度又は−90度移相
した信号により周波数変換し第2の再生色信号を得る手
段と、前記第1の再生色信号と前記第2の再生色信号と
を加算する事により、出力信号となる第3の再生色信号
を得るように構成したものである。
作用 本発明は、上述した構成により、遅延回路は特に高価な
ものは必要とせず、また、再生色信号の周波数特性を向
上させ、その上、色信号処理に於けるPLLループの特性
をも向上させるものである。
実施例 第1図は本発明の第1の一実施例を示すブロック図であ
る。以下、VHS方式の場合について説明する。
入力端子1より入来した周波数fSの低周波色信号aは遅
延回路3にて1水平走査期間TH(=1/fH)遅延され、前
記遅延回路3の遅延信号bの一方はそのままスイッチ回
路5に入力され、他方は、反転回路4で位相反転され
て、前記スイッチ回路5に入力される。前記スイッチ回
路5は、ヘッド切換信号j(HSW)の情報により切り換
えられ、前記スイッチ回路5の出力信号dはフィールド
毎に位相反転した周波数fSの低周波色信号となる。また
前記入力端子1より入来した低周波色信号aは、周波数
fC+fsのキャリア信号hと第1の乗算器2とにより、周
波数fCの第1の再生色信号eに周波数変換され、前記ス
イッチ回路5の出力信号dは、前記キャリア信号hを位
相器7により、+90度移相した信号iと第2の乗算器6
とにより、周波数fCの第2の再生色信号gに周波数変換
される。ここで前記入力端子1より入来した低周波色信
号aをVTRに於けるテープ・パターン上の隣接トラック
からのクロストーク成分を考慮し、また、PS方式に於け
るロータリ位相を考慮すると a=Acos{WSt+θ}+ Ccos{WSt+θ} ……(12) 但し、C:クロストーク成分の振幅 θ:主信号のロータリ位相 θ:クロストーク成分のロータリ位相 と表わす事ができ、次に、前記キャリア信号hについて
も、ロータリ位相θを考慮すると h=Bcos{(WC+WS)t+θ} ……(13) と表わす事ができる。いま、VTRの再生に於けるフィー
ルドを90度位相遅れロータリの行なわれているフィール
ドとし、前記スイッチ回路5は、前記遅延信号bをその
まま出力しているとし、前記移相器7は、+90度の移相
を行なっているとすると、前記スイッチ回路5の出力信
号dおよび前記移相器の出力信号iは d=Acos{WS(t−TH)+θaH}+ Ccos{WS(t−TH)+θcH} ……(14) 但し、θaH,θcHは、θ,θのTH時間前の位相 いま、90度位相遅れロータリのフィールドとしているの
で、隣接トラックからのクロストーク成分は、90度位相
進みロータリとなっており、また、VHS,NTSC方式の場
合、fS=40fHである事より、 WSTH=2π×40fH ……(16) となり従って、第1および第2の乗算器の出力である第
1および第2の再生色信号e,gは となる。従って、前記第1の再生色信号eと前記第2の
再生色信号gとを加算器8により加算すると、前記加算
器の出力信号である第3の再生色信号kは、 k=ABcos{WCt+θ−θ}+ BCcos{WC+2Ws)t+θ+θ} ……(22) となり、周波数fCのクロスローク成分と周波数fC+2fS
の主成分が除去された信号となる。本発明の場合、前記
遅延回路3を通過する信号は、前記低周波色信号aのみ
であるため、前記遅延回路3の周波数特性としては、DC
〜1.5MHz程度あれば十分であるので、例えばクロック周
波数の低い安価な電荷結合素子(CCD)を用いても上記
(22)式は容易に達成する事ができる。
上記(22)式に示される様に、出力色信号である第3の
再生色信号kは、周波数fC+2fSのクロストーク成分を
含んでいるが、一般にクロストーク成分の振幅は小さい
ので、第3の再生色信号kに含まれる周波数fC+2fS
クロストーク成分は、帯域通過フィルタ(BPF)や低域
通過フィルタ(LPF)によって簡単に除去する事が可能
である。次に、フィールドを90度位相進みロータリの行
なわれているフィールドとし、前記スイッチ回路5の出
力を前記反転回路4の出力信号dとすると、 であり、前述の90度位相遅れロータリの行なわれるフィ
ールドの場合と同様な方式で計算すれば、上記(22)式
と同じ式が得られる。また、β方式や8mm方式の場合、 WS=43.75fH(B方式) WS=47.25fH(8mm方式) ……(26) とし、前記スイッチ回路5の出力の切換えをフィールド
毎に選択すれば、上記(22)式と同じ式が得られる。な
お本発明の説明文中、前記移相回路7の移相量を+90度
として説明したが、前記移相量を−90度とする場合は、
前記スイッチ回路5の出力の切り換えを逆にすれば良
い。また第1の実施例として示した第1図は、クシ形フ
ィルタの特性をも有する事は明らかである。
なお第1図中、フィールド毎に位相を反転させる前記反
転回路4および前記スイッチ回路5と、前記遅延回路3
との構成を入れ替えても、本発明の特徴を損なうもので
はない。
第2図は、第2の実施例を示す図であり、フィールド毎
の位相反転を、第2の乗算器6の後に行なうものであ
り、結果は第1の実施例の場合と同じ結果を得る事がで
きる。
第3図は、第3の実施例を示す図であり、フィールド毎
の位相反転を位相器7の後に行なうものであり、結果は
第1の実施例の場合と同じ結果を得る事ができる。
なお、PAL方式の場合は前記遅延回路3を2水平走査期
間遅延する遅延回路とすれば良い。
発明の効果 以上のように本発明は、周波数fCの色信号を水平同期信
号周波数fHと所定の関係にある周波数fSの低周波数色信
号に周波数変換して記録し、再生時には逆の処理を行な
って再生色信号を得るような記録再生装置の再生系にお
いて、周波数fSの低周波色信号を周波数fC+fSのキャリ
ア信号により周波数変換する事により第1の再生色信号
を得る第1の乗算器と、前記低周波色信号を1又は2水
平走査期間TH(=1/fH)遅延させ、前記遅延信号をフィ
ールド毎に反転し、前記キャリア信号を+90度、又は−
90度移相した信号により周波数変換する事により第2の
再生色信号を得る第3の乗算器と、第1及び第2の乗算
器の出力信号をおのおの加算し、出力信号となりうる第
3の再生色信号を得るように構成したものである。
上述した構成により、クシ形フィルタを安価な遅延回路
を用いて構成できると同時に、色信号再生処理時に発生
する周波数fC+2fSの成分を大幅に低減する事ができ、
それより、帯域通過フィルタの帯域を広く取る事ができ
るので、再生色信号の帯域も広げられる事になる。ま
た、不要成分が低減される事により、色信号処理に於け
るPLLループの特性も向上させることになり、コスト・
性能面での大幅な改善を実現するのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例を示すブロック図、第2
図は本発明の第2の実施例を示すブロック図、第3図は
本発明の第3の実施例を示すブロック図、第4図は従来
例を示すブロック図である。 2,6,22……乗算器、3,23……遅延回路、4……反転回
路、5……スイッチ回路、7……移相器、8……加算
器、24……減算器、25……帯域通過フィルタ(BPF)。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周波数がfCである色信号を周波数fSの低域
    変換色信号に変換して記録し、再生時に逆の処理を行な
    って、周波数fCの再生色信号を得る記録再生方式の再生
    系に於いて、周波数fSの低周波色信号を、周波数fC+fS
    のキャリア信号により周波数fCの第1の再生色信号に変
    換する第1の乗算器と、前記低周波色信号を1又は2水
    平走査期間遅延させる遅延回路と、前記遅延回路の出力
    信号の位相を180度移相する反転回路と、前記反転回路
    の出力信号と前記遅延回路の出力信号とをフィールド毎
    に切り換えるスイッチ回路と、前記キャリア信号の位相
    を90度又は−90度移相する移相器と、周波数fSの前記ス
    イッチ回路の出力信号を、周波数fC+fSの前記移相器の
    出力信号により周波数fCの第2の再生色信号に変換する
    第2の乗算器とを具備し、前記第1の再生色信号と前記
    第2の再生色信号とを加算することにより出力色信号と
    なる第3の再生色信号を得ることを特徴とする色信号処
    理回路。
  2. 【請求項2】周波数がfCである色信号を周波数fSの低域
    変換色信号に変換して記録し、再生時に逆の処理を行な
    って、周波数fCの再生色信号を得る記録再生方式の再生
    系に於いて、周波数fSの低周波色信号を、周波数fC+fS
    のキャリア信号により周波数fCの第1の再生色信号に変
    換する第1の乗算器と、周波数fSの低周波色信号を1又
    は2水平走査期間遅延させる遅延回路と、前記遅延回路
    の出力信号を+90度又は−90度移相した周波数fC+fS
    キャリア信号により周波数fCの信号に変換する第2の乗
    算器と、前記第2の乗算器の出力信号をフィールドごと
    に反転させる反転回路及びスイッチ回路とを具備し、前
    記スイッチ回路の出力信号である第2の再生色信号と第
    1の再生色信号とを加算することにより出力色信号とな
    る第3の再生色信号を得ることを特徴とする色信号処理
    回路。
  3. 【請求項3】周波数がfCである色信号を周波数fSの低域
    変換色信号に変換して記録し、再生時に逆の処理を行っ
    て、周波数fCの再生色信号を得る記録再生方式の再生系
    に於いて、周波数fSの低周波色信号を、周波数fC+fS
    キャリア信号により周波数fCの第1の再生色信号に変換
    する第1の乗算器と、周波数fSの低周波色信号を1又は
    2水平走査期間遅延させる遅延回路と、周波数fC+fS
    キャリア信号を+90度又は−90度移相する移相器と、前
    記移相器の出力信号をフィールドごとに反転させる反転
    回路及びスイッチ回路と、前記遅延回路の出力信号を前
    記スイッチ回路の出力信号にて周波数fCの第2の再生色
    信号に変換する第2の乗算器とを具備し、前記第2の再
    生色信号と第1の再生色信号とを加算することにより出
    力色信号となる第3の再生色信号を得ることを特徴とす
    る色信号処理回路。
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