JPH05344537A - ディジタル色信号復調装置 - Google Patents

ディジタル色信号復調装置

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JPH05344537A
JPH05344537A JP4149169A JP14916992A JPH05344537A JP H05344537 A JPH05344537 A JP H05344537A JP 4149169 A JP4149169 A JP 4149169A JP 14916992 A JP14916992 A JP 14916992A JP H05344537 A JPH05344537 A JP H05344537A
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邦彦 藤井
Naoji Usuki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 AFCと1次補間のフィードフォワードAP
Cとの組合せにより、再生色信号に残留するジッタを大
幅に除去する。 【構成】 搬送波発生回路11で生成した搬送波を用い
て復調回路10で低域変換搬送色信号を色差信号に復調
する。位相誤差検出回路16は、くし形フィルタ12,
13を通った色差信号から残留位相誤差を検出して補正
信号を算出する。遅延回路14,15はくし形フィルタ
12,13を通った色差信号を1H間遅延させる。そし
て、位相誤差検出回路16で求めた補正信号を用いて遅
延回路14,15を通った色差信号を位相誤差補正回路
17で補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主に、民生用ビデオテー
プレコーダ(以下、VTRとする)で再生された色信号
の処理に関するもので、低域変換された色信号をディジ
タル信号処理により色差信号に復調するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、VTRの信号処理にディジタル技
術を導入して性能の向上を目指した様々な方式が提案さ
れている。
【0003】特に色信号の場合、信号のフォーマットは
規定されているものの信号処理については特に大きな規
定はないため、ディジタル処理に適した回路構成をある
程度自由に採用することが可能となる。
【0004】以下に、VHS方式の従来のアナログ色信
号処理回路と提案されたディジタル色信号処理回路につ
いて説明する。
【0005】図7は従来のアナログ色信号処理回路のブ
ロック図である。入力端子7aに与えられた低域変換搬
送色信号は周波数変換器700で周波数変換され、くし
形フィルタ701とBPF(Band Pass Filter)702
でクロストークおよび高調波成分が除去されたのち、搬
送色信号として出力端子7dに出力される。
【0006】一方、搬送色信号のバースト信号はバース
トゲート703で抜き出され、水晶発振器705の基準
周波数と位相比較器704で位相比較される。その結果
得られた位相誤差信号はLPF(Low Pass Filter)7
06で濾波され、VCO(Voltage Controlled Oscilla
tor)707を制御する。
【0007】また、搬送波発生回路708は入力端子7
bに与えられた水平同期信号fHの40倍の周波数で発
振するPLL回路であり、同時に入力端子7cに与えら
れるロータリー信号RSで90゜ローテーション処理を
行う。
【0008】そして、周波数変換器709はVCO70
7と搬送波発生回路708の出力をミックスし、BPF
710で不要成分を除去した出力を搬送波として周波数
変換器700に与える。
【0009】このような従来のアナログ方式では、メイ
ンの周波数変換がPLLループで行われていることと、
ループ内にくし形フィルタが存在していることにより、
高速の応答特性を得ようとすると回路動作が不安定にな
るため、ジッタに対する追従性を向上させることができ
ない。
【0010】図8はこうした問題点を解決するために提
案されたディジタル色信号処理回路の一部分を示したブ
ロック図である(例えば、特公平4−4799号公
報)。
【0011】入力端子8aに与えられた低域変換搬送色
信号はA/D変換器80でディジタル化され、復調器8
1でR−Y信号およびB−Y信号の2つの色差信号に復
調され、くし形フィルタ82に通される。
【0012】ここで、バーストゲート84で抜き取られ
たR−Y信号のバースト期間の信号は、D/A変換器8
6でアナログ化され、LPF87をへて可変周波数発振
器88を制御する。
【0013】そして、可変周波数発振器88で生成した
クロックをA/D変換器80と復調器81に供給するこ
とにより、周波数および位相に追従するフィードバック
ループを形成し、復調軸を制御する。
【0014】一方、演算回路83はバーストゲート8
4,85で抜き取られたR−YおよびB−Y信号のバー
スト期間の信号から前述のフィードバックループで取り
除くことができなかった位相誤差信号を検出し、フィー
ドフォワード制御で正規の復調軸となるように演算を行
う。
【0015】従って、出力端子8bおよび8cにジッタ
の除去されたR−Y信号とB−Y信号を得ることができ
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、色復調を従来のアナログ信号処理と同様に
ループ内にくし形フィルタを含んだフィードバック方式
のAPC(Auto Phase Control)回路で行うため、回路
の安定性の面から十分な高速応答をさせることができな
い。
【0017】したがって、周波数の高いジッタ成分を含
んだ信号に対してはくし形フィルタは周波数特性通りの
ノイズ除去ができなくなる。
【0018】その結果、残留する位相誤差の検出精度が
下がるので、応答特性の改善を図るために導入されたフ
ィードフォワードの位相誤差補正回路によるジッタ抑圧
効果も不十分なものになるという問題点を有していた。
【0019】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、色復調をフィードバックループをもたないAFC
(Auto Frequency Control)回路のみで行うため、AP
C方式に比べて応答速度を速くすることができ、くし形
フィルタも本来の周波数特性通りのノイズ除去が可能と
なり、残留する位相誤差の検出精度が向上する。
【0020】そして検出精度が向上したことにより、さ
らに高性能なフィードフォワードの位相誤差補正方式を
採用して、よりジッタの抑圧効果を高めたディジタル色
信号復調装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のディジタル色信号復調装置は、第1,第2の
入力信号を基準として2つの直交した搬送波を出力する
搬送波発生回路と、前記搬送波発生回路の出力で、ビデ
オテープレコーダの再生信号である低域変換搬送色信号
を復調し、第1,第2の色差信号を出力する復調回路
と、前記第1,第2の色差信号をそれぞれくし形特性に
濾波する第1,第2のくし形フィルタと、前記第1,第
2のくし形フィルタの出力を一定期間遅延させる第1,
第2の遅延回路と、前記第1,第2のくし形フィルタの
出力に残留する位相誤差をゲートパルスの期間で検出す
る位相誤差検出回路と、前記第1,第2の遅延回路の出
力に残留する位相誤差を前記位相誤差検出回路の出力を
用いて補正する位相誤差補正回路とで構成している。
【0022】
【作用】本発明は上記した構成により、搬送波発生回路
で生成した互いに直交する2つの搬送波を用いて低域変
換搬送色信号を復調する。
【0023】復調された2つの色差信号はくし形フィル
タを通って位相誤差検出回路および遅延回路に導かれ
る。
【0024】そして、遅延回路により所定期間遅延され
た色差信号を、位相誤差検出回路で検出した位相誤差情
報をもとに位相誤差補正回路で補正し、ジッタのない色
差信号を得る。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図1から図
6を参照しながら説明する。
【0026】図1は本発明の実施例におけるディジタル
色信号復調装置の構成を示したブロック図である。
【0027】入力端子1aに与えられた低域変換搬送色
信号は搬送波発生回路11で生成された互いに直交する
2つの搬送波とともに復調回路10に入力される。復調
回路10では同期検波による復調が行われ、その際に生
じた不要成分が除去されて色差信号Er,Ebを出力す
る。
【0028】ここで、搬送波発生回路11で生成する搬
送波は水平同期信号の40倍の周波数に同期したもので
あり、その具体的な構成例を図2に示す。
【0029】まず、入力端子1bに与えられる水平同期
信号に同期したパルスHSの1周期内に40周期分のの
こぎり波ωc(n)(nは自然数)をAFC20で発生させ
る。
【0030】次に、位相シフタ21で入力端子1cに与
えられるロータリー信号RSの極性によりパルスHSの
周期毎にωc(n)の位相が90゜進相あるいは遅相するよ
うにシフトされる。
【0031】そして、sin−Table22およびc
os−Table23で(数1),(数2)に示す互い
に直交した搬送波が生成される。
【0032】
【数1】
【0033】
【数2】
【0034】図3は上述したAFC20と位相シフタ2
1の回路動作を示した波形図である。図3(a)はAF
C20の出力であるωc(n)の出力波形であり、ダイナミ
ックレンジを2nとして、時刻tH(tHは水平同期信号
期間)のあいだに40サイクルののこぎり波が存在して
いる。
【0035】また、図3(b)は位相シフタ21でωc
(n)の位相が時刻tH毎に90゜ずつシフトする様子(図
では進相)を示したものである。
【0036】ダイナミックレンジが2nであるので90
゜の位相情報は2n-2で表される。したがって、時刻tH
毎に90゜進相させるにはωc(n)の値に2n-2を加えて
いけばよく、これにより4周期で360゜進むことがわ
かる。
【0037】ただし、搬送波発生回路11はAFCのみ
で構成されているため、生成された搬送波は周波数にし
か追従しない。
【0038】したがって、低域変換搬送色信号がωc(n)
+θなる周波数および位相で変調されていた場合、くし
形フィルタ12,13を通った色差信号Er,Ebは、初
期位相θだけ復調軸がずれたかたちで復調される。この
様子を図4で示す。
【0039】図4(a)は正規の復調軸で復調された場
合のベクトル図であり、ERはR−Y信号、EBはB−Y
信号、そしてAはバースト信号の振幅を表している。
【0040】一方、初期位相θが補正されずに復調され
た場合のベクトル図が図4(b)であり、ErはR−Y
信号、EbはB−Y信号、そしてバースト信号はR−Y
軸に(数3),B−Y軸に(数4)なるかたちで現れ
る。
【0041】
【数3】
【0042】
【数4】
【0043】また、ERとEr,EBとEbの関係は(数
5),(数6)のようになる。
【0044】
【数5】
【0045】
【数6】
【0046】ここで、搬送波発生回路11のAFC20
で取りきれないジッタ成分が存在すれば、θは一定でな
く時間の関数となり、θ(t)は図5(a)に示すよう
な正弦波状の変化をする。
【0047】この位相誤差θ(t)をライン毎に検出す
ると、タイムベースエラーと呼ばれる図5(b)に示す
ような零次ホールド特性の位相誤差が得られる。
【0048】しかしながら、図5(b)の時刻t=tH
で検出された位相誤差θ(tH)のみで誤差補正を行う
と、t=tH+1付近では図5(c)に示すような位相誤
差が残留することになる。
【0049】ここで、図5(c)で表わされる一次ホー
ルド特性の位相誤差をベロシティエラーと呼ぶ。
【0050】以上のことから、ジッタ抑圧特性をさらに
優れたものにするためには、一次近似されたライン間の
位相誤差をライン内の1サンプリングデータ毎に補正す
ればよいことがわかる。
【0051】図6はベロシティエラーを検出し、1サン
プリング毎の補正データを算出する位相誤差検出回路1
6の具体的な構成を示したブロック図である。
【0052】入力端子6a,6bに与えられる色差信号
が図5(b)の時刻tH+1の信号、すなわちH+1ライ
ン目の信号であるとすれば、そのバースト信号はそれぞ
れ(数7),(数8)で表わされる。
【0053】
【数7】
【0054】
【数8】
【0055】これらの信号はそれぞれ、バースト信号平
均回路600,602で入力端子1dに与えられたゲー
トパルスBGの期間平均化され、log−Table6
01,603で対数変換されて、減算器604で減算さ
れる。
【0056】減算器604の出力は(数9)となるた
め、exp−Table605で指数変換し、arct
an−Table606でアークタンジェントをとるこ
とにより、H+1ライン目のタイムベースエラーθH+1
が求まる。
【0057】
【数9】
【0058】また、ホールド回路607では1ライン前
のタイムベースエラーθHがホールドされているため、
減算器608でθH+1−θHなるベロシティエラーが算出
される。
【0059】この値を1/N回路609でN分の1(N
は1ラインのサンプリングデータ数)し、積分器610
で積分したデータとホールド回路607の出力を加算器
611で加算することにより、出力端子6cに(数1
0)で表わされる、1サンプリング毎の補正データθ
(n)(0≦n≦N−1)が得られる。
【0060】
【数10】
【0061】一方、くし形フィルタ12,13の出力は
遅延回路14,15にも入力されるが、これは上述した
ように2ライン間の位相誤差から補正データを算出する
ために補正対象が1ライン前の色差信号となるためで、
通常はラインメモリ等を用いることになる。
【0062】遅延回路14,15の出力である色差信号
Er,Ebと位相誤差検出回路16の出力であるθ(n)
を用いて、位相誤差補正回路17では(数5)および
(数6)に示した演算を行い、その結果出力端子1e,
1fにジッタのない色差信号E R,EBが得られる。
【0063】なお、本発明ではくし形フィルタが常時入
った構成になっているが、記録が長時間モードと標準モ
ードの場合とでくし形フィルタのオン・オフを切り替え
る構成をとっても構わない。
【0064】
【発明の効果】以上のように本発明は、くし形フィルタ
の影響がないAFC回路を用いたことにより応答特性の
よい色復調が可能となるため、くし形フィルタでは周波
数特性通りのノイズ除去効果が得られる。
【0065】したがって位相誤差の検出精度も向上する
ため、フィードフォワードの位相誤差補正回路で正確な
ベロシティエラー補正が可能となり、さらなる画質の向
上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるディジタル色信号復調
装置の構成を示すブロック図
【図2】図1の搬送波発生回路11の具体構成を示すブ
ロック図
【図3】図2のAFC20および位相シフタ21の出力
を表わす波形図
【図4】NTSC信号の復調軸とθだけ位相がずれたと
きの関係を表わすベクトル図
【図5】同実施例におけるタイムベースエラーおよびベ
ロシティエラーを表わす波形図
【図6】図1の位相誤差検出回路16の具体構成を示す
ブロック図
【図7】従来例におけるアナログ色信号処理回路の構成
を示すブロック図
【図8】従来例におけるディジタル色信号処理回路の構
成を示すブロック図
【符号の説明】
10 復調回路 11 搬送波発生回路 12,13 くし形フィルタ 14,15 遅延回路 16 位相誤差検出回路 17 位相誤差補正回路 20 AFC 21 位相シフタ 22 sin−Table 23 cos−Table 600,602 バースト信号平均回路 601,603 log−Table 605 exp−Table 606 arctan−Table 607 ホールド回路 610 積分器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1,第2の入力信号を基準として2つの
    直交した搬送波を出力する搬送波発生回路と、 前記搬送波発生回路の出力で、ビデオテープレコーダの
    再生信号である低域変換搬送色信号を復調し、第1,第
    2の色差信号を出力する復調回路と、 前記第1,第2の色差信号をそれぞれくし形特性に濾波
    する第1,第2のくし形フィルタと、 前記第1,第2のくし形フィルタの出力を一定期間遅延
    させる第1,第2の遅延回路と、 前記第1,第2のくし形フィルタに残留する位相誤差を
    ゲートパルスの期間で検出する位相誤差検出回路と、 前記第1,第2の遅延回路の出力に残留する位相誤差を
    前記位相誤差検出回路の出力を用いて補正する位相誤差
    補正回路と、 を備えたディジタル色信号復調装置。
  2. 【請求項2】搬送波発生回路は、第1の入力信号に同期
    した信号を作成する自動周波数制御回路と、前記第1の
    入力信号と第2の入力信号とに応じて前記自動周波数制
    御回路の出力位相をシフトする位相シフタと、前記位相
    シフタの出力に応じて、互いに直交する第1および第2
    の搬送波を作成するsin−Tableおよびcos−
    Tableとで構成し、 低域変換搬送色信号の変調周波数およびライン毎の位相
    シフトに同期した搬送波を発生させる請求項1記載のデ
    ィジタル色信号復調装置。
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