JPH0779702A - 抹茶ペースト及びその製造方法 - Google Patents

抹茶ペースト及びその製造方法

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JPH0779702A
JPH0779702A JP5189465A JP18946593A JPH0779702A JP H0779702 A JPH0779702 A JP H0779702A JP 5189465 A JP5189465 A JP 5189465A JP 18946593 A JP18946593 A JP 18946593A JP H0779702 A JPH0779702 A JP H0779702A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然の抹茶(挽茶)の中に稀に存在する生
菌、特に大腸菌群を殺菌するとともに、抹茶本来の若草
色や風味、薫りを保持し、更に、使い勝手の良い抹茶風
味食品の加工用抹茶を提供することにある。 【構成】 液体状油脂に粉末抹茶を混合攪拌した後、加
熱殺菌処理をして抹茶ペーストを得た。また、かかる抹
茶ペーストに乳化剤及び必要な調味料を添加し混合し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抹茶ペースト及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】天然の抹
茶(挽茶)はビタミン類や繊維などを豊富に含んだ健康
栄養食品であると同時に、古くは薬としても用いられて
きた極めて優れた食品である。また、天然の抹茶はそれ
が有する風味や薫りが一般に好まれており、しかも鮮や
かな若草色が好まれている。このような優れた特質を有
する天然の抹茶はそのまま飲用として使用されるだけで
なく、たとえばアイスクリームやムースなど、抹茶の特
質を活かした加工食品に使用されている。
【0003】一方、このように優れた特質を有する天然
の抹茶は加熱や酸化によって、その若草色が黄変し易い
ことから、抹茶は水分の低い粉末にし、酸素に触れるこ
とを極力避けるよう配慮して保存している。このため、
多くの抹茶風味加工食品は粉末の抹茶を混入して充分に
攪拌しているが、乾いた極微粒子の粉末であるため、粉
末の塊の周りが皮膜で覆われた状態のいわゆるダマにな
り易く、製造上、攪拌に注意を要するとともに時間を掛
けて攪拌する必要があった。しかも、抹茶を添加すると
き、抹茶は乾いた極微粒子の粉末であるため、周囲に飛
び散り易いなどの問題があった。
【0004】ところで、抹茶は天然の緑茶をひいて粉に
したものであるため、極稀に抹茶の中に大腸菌が含まれ
ていることがある。このため、加工食品の中には抹茶を
添加した後に加熱殺菌をすることが出来ない、たとえば
ソフトクリームなどの加工食品にあっては、大腸菌群陽
性になる危険性があった。
【0005】かかる問題を解決するため、加工食品に添
加する前の段階、すなわち粉末状の抹茶を加熱して殺菌
しておくことが考えられるが、粉末状の抹茶は加熱に弱
く、比較的低温で加熱しても黄変してしまうなどの問題
があった。このように、粉末状の抹茶は食品製造上必要
な加熱殺菌ができないため、大腸菌群陽性になる危険性
があった。加熱殺菌以外の殺菌方法も考えられるが、抹
茶に限らず粉末食品の殺菌は放射線やガスなどを用いる
ことが食品衛生法で規制されていて、現状では極めて難
しい。
【0006】そこで、本発明者らはかかる問題を解決す
るために鋭意研究を重ねた結果、抹茶を流動体状にする
とともに予め加熱殺菌しておき、抹茶風味食品の製造に
供することに想到し、本発明に至ったのである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る抹茶ペース
トの要旨とするところは、液体状油脂に粉末抹茶を混合
して成ることにある。
【0008】かかる抹茶ペーストにおいて、前記抹茶ペ
ーストは水分含有量が20%以下であることにある。
【0009】また、かかる抹茶ペーストにおいて、前記
抹茶ペーストは乳化剤及び必要な調味料が含まれること
にある。
【0010】次に、本発明に係る抹茶ペーストの製造方
法の要旨とするところは、液体状油脂に粉末抹茶を混合
攪拌した後、加熱殺菌処理をすることにある。
【0011】また、かかる抹茶ペーストの製造方法にお
いて、液体状油脂に粉末抹茶及び乳化剤を混合攪拌した
後、加熱殺菌処理を施すことにある。
【0012】
【作用】本発明に係る抹茶ペーストは液体状油脂に粉末
抹茶を混合して成り、特にその製造過程で加熱殺菌処理
が施されている。したがって、天然の粉末状の抹茶に稀
に存在する細菌、特に大腸菌群は熱処理によって死滅さ
せられており、製造された抹茶ペーストの中で大腸菌群
が繁殖し、陽性になることはない。このため、抹茶ペー
ストを長期間保存することも可能となる。また、抹茶ペ
ーストは流動性を有する液体(流体)であることから、
他の溶液などの中に混ぜて混合し易く、使用が容易であ
る。
【0013】また、上記得られた抹茶ペーストの水分含
有量を20%以下にすることにより、抹茶が本来有する
若草色の色を損なうことなく、熱処理を行うことができ
る。更に、水分含有量を20%以下にすることにより、
抹茶の色を褪色させることなく長期間保存することがで
きる。
【0014】更に、液体状油脂に粉末抹茶を混合した抹
茶ペーストの中に乳化剤を混合することにより、得られ
た抹茶ペーストを油脂成分に混合させるだけでなく、水
に対しても溶解させ混合させることができ、抹茶風味食
品の製造対象が広がる。また、調味料を予め混合してお
くことにより、抹茶風味食品の製造が一層容易なものと
なる。
【0015】
【実施例】次に、本発明に係る抹茶ペースト及びその製
造方法の実施例を説明する。まず、本発明に係る抹茶ペ
ーストの製造に用いられる抹茶すなわち挽茶は緑茶(茶
の芽)をひいて粉末にしたものであれば、いずれの産地
によるものであっても良く、特に限定されることはな
い。また、抹茶の製造方法はいかなる方法で製造された
ものであっても良く、市販されている飲用の抹茶であれ
ば、すべて使用することができる。
【0016】抹茶を混合する液体状の油脂についても特
に限定されるものではないが、たとえば綿実油、胡麻
油、オリーブ油、椿油、パーム油、コーン油、大豆油、
なたね油、ひまわり油、やし油などの植物性油脂や、こ
れらから選ばれる2種以上の混合油など、常温で液体状
の油脂が抹茶と混合させ易い点で特に好ましい。これら
植物性油脂の他、動物性油脂や加工油脂であっても良い
が、比較的低温域で加熱することによって液体状になる
油脂が抹茶を混合させるために好ましい。また、本発明
に用いられる油脂は製造される抹茶ペーストの用途にも
よるが、抹茶の風味や薫りを損なわずに汎用性のある抹
茶ペーストを製造するためには無味、無臭の油脂が最も
好ましい。更に、抹茶の若草色を損なわないためには、
無色の油脂が好ましい。但し、抹茶ペーストの使用目的
が特定されている場合には、その使用目的に応じて有
味、有臭の油脂を使用するのが好ましい。
【0017】これら液体状の油脂に抹茶を混合し、いわ
ゆるダマが生じないように充分攪拌して抹茶ペーストが
製造される。抹茶ペーストの粘性すなわち流動性は使用
目的によって決定されるが、抹茶風味食品の製造上、流
動性を備えているのが好ましい。抹茶が油脂に充分に攪
拌混合された抹茶ペーストは熱処理が施されて、加熱殺
菌される。熱処理の温度と処理時間は、たとえば特に大
腸菌群が死滅し得る条件が設定され、その他、一般生菌
が死滅し得る条件が設定されても良い。また、熱処理の
条件として温度と時間の他、圧力の設定があり、適宜圧
力が設定されても良い。
【0018】抹茶ペーストを熱処理することによって殺
菌されるが、抹茶は油脂によって外気中の酸素と遮断さ
れることにより、抹茶は酸化させられることはなく、褪
色することはない。したがって、抹茶ペーストは抹茶の
鮮やかな若草色を有するとともに、風味なども損なわれ
ることなく有している。このようにして得られた抹茶ペ
ーストは抹茶クリームやクッキーなど、水分を多く必要
としない抹茶風味食品に主として使用される。
【0019】次に、上述の抹茶ペーストを得るにあた
り、乳化剤を適宜混合しても良い。乳化剤としては、シ
ョ糖脂肪酸エステル(たとえばDKエステルF−16
0,DKエステルF−70,DKエステルF−10(い
ずれも第1工業(株)製)など)、ソルビタン脂肪酸エ
ステル(たとえばソルゲンFS−700(第1工業
(株)製)など)、及びグリセリン脂肪酸エステル(た
とえばエキセルT−95(花王(株)製)など)が挙げ
られる。抹茶ペーストに乳化剤を混合させることによっ
て、水溶性の抹茶ペーストを得ることができ、ソフトク
リームなどの抹茶風味食品を製造するのに使用すること
ができる。更に、上記抹茶ペーストを製造するのにあた
り、あわせて甘味料などの調味料を予め混合しておくの
も好ましく、抹茶ペーストの使用目的に応じて適宜設定
されるものである。
【0020】抹茶ペーストを製造するのにあたり、抹茶
などに含まれる水分だけで、特に新たに水分を添加する
必要はないが、抹茶ペーストを用いて抹茶風味食品を製
造するために予め水分を添加して混合し、熱処理を施し
ても良い。この場合、水分による抹茶の黄変(褪色)を
防止するために、水分の含有量は20%以下であること
が好ましい。なお、水分の含有量20%以下で抹茶ペー
ストを熱処理した後、含有量20%を越える水分を添加
し、混合することは任意である。
【0021】以上、得られた抹茶ペーストの保存は袋や
瓶などの容器に入れて、密閉することで行なわれる。特
に、成分である抹茶の酸化を防止するために、真空包装
したり、あるいは窒素ガスなどの不活性ガスを充填して
包装するのがより好ましい。また、保存温度は殺菌処理
されているため、常温でも良いが、長期間保存する場合
は冷暗所におくのが好ましい。
【0022】本発明に係る抹茶ペーストはそのまま食す
るように製造し得るものであるが、本抹茶ペーストは抹
茶風味食品の製造のために用いられても良い。たとえ
ば、本抹茶ペーストを上述した抹茶風味食品の他に、バ
ターやマーガリンなどに混ぜてトーストに付けて食する
のも良く、あるいはケーキや菓子などの製造や、料理の
用に供しても良い。その他、本発明に係る抹茶ペースト
は本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、当業者の
知識に基づき種々なる改良、修正、変形を加えた態様で
実施し得るものである。
【0023】実施例 1(油脂の違いによる抹茶ペース
トの色素の検討) 抹茶、油脂、乳化剤をそれぞれ、抹茶:油脂:乳化剤=
2:4:0.5の割合でステンレスボールに入れ、泡立
器を使い、よく混合攪拌した後、レトルト用真空袋NL
−3号に各3g、5袋に分注し、空気を抜いてシールし
た。ここで、抹茶は丸久小山園製のものを使用した。ま
た、油脂については、綿実油(ゲッツ食品販売(株)
製、食用綿実油)、オリーブ油(コスモ油化(株)製、
オリーブ油・リファイン)、つばき油(コスモ油化
(株)製、つばき油)、ゴマ油(九鬼産業(株)製、純
正太白胡麻油)、パーム油(鐘淵化学工業(株)製、低
融点パーム油)の5種類を用い、それぞれについて実施
した。更に、乳化剤はショ糖脂肪酸エステル(第一工業
製薬(株)製、DKエステルF−160)を使用した。
【0024】5種類の油脂について、それぞれ分注して
得られた5袋のうち、1袋について分光光度計((株)
日立製作所製 100−10)を使い、吸光度(660
nm)を測定した。また、残りの4袋については、湯浴に
て80℃で10分間、加熱殺菌した。殺菌後、流水にて
冷却し、そのうち1袋について同様に吸光度を測定し
た。更に、残りの3袋は37℃のふ卵器に保存し、4日
目、7日目、14日目にそれぞれ1袋ずつ取り出し、同
様に吸光度を測定した。
【0025】ここで、抹茶ペーストの色素の測定は、ま
ず検体0.05gを試験管に入れた後、エタノール(試
薬特級)10gを加えて、シリコン栓をした。よく混合
した後、約20℃で約2時間放置し、その後、濾紙(東
洋濾紙製、No.2)を用いて濾過した。その濾液を、分光
光度計((株)日立製作所製100−10)で吸光度
(ディスポセル1961を使用)を660nmにて測定した。
【0026】加熱による吸光度の変化を図1に示す。ま
た、加熱後の吸光度の経時的変化を図2に示す。得られ
た結果から分かるように、660nmにおける吸光度は若
干低下するだけであり、抹茶ペーストが有する抹茶の若
草色はほとんど褪色することはなかった。
【0027】実施例 2(水分を含有する抹茶ペースト
の色素の検討) 水分含有率(=水/(油脂+水)×100(%))が
0,20,40,60,80,100(%)となる抹茶
ペーストをつくる。抹茶,(油脂+水),乳化剤を2:
10:0.5の割合でステンレスボールに入れ、泡立器
を使い、よく混合し、レトルト用真空袋NL−3に各3
gずつ5袋に分注し、空気を抜いてシールした。ここ
で、抹茶は丸久小山園製のものを使用した。また、油脂
については、綿実油(ゲッツ食品販売(株)製、食用綿
実油)、水は蒸留水、乳化剤はショ糖脂肪酸エステル
(第一工業製薬(株)製、DKエステルF−160)を
使用した。
【0028】水分含有率が6種類の抹茶ペーストについ
て、それぞれ分注して得られた5袋のうち、1袋につい
て分光光度計((株)日立製作所製 100−10)を
使い、実施例1と同様にして吸光度(660nm)を測定
した。また、残りの4袋については、湯浴にて80℃で
10分間、加熱殺菌した。殺菌後、流水にて冷却し、そ
のうち1袋について同様に吸光度を測定した。更に、残
りの3袋は37℃のふ卵器に静置し、3日目、7日目、
14日目にそれぞれ1袋ずつ取り出し、同様に吸光度を
測定した。
【0029】加熱による吸光度の変化を図3に示す。図
3に示すように、加熱前と加熱後の抹茶色素の変化は、
水分含有率が20%以下のものは、加熱した後も抹茶色
が残るが、水分含有率が20%以上だと褪色の変化が大
きく、色があせてしまうことが分かる。
【0030】また、加熱後の吸光度の経時的変化を図4
に示す。図4に示すように、経時による抹茶色素の変化
は、37℃で保存した14日後には水分含有率が0%の
抹茶ペーストのみが抹茶色が残り、水分含有率が20%
では抹茶色がやや残り、水分含有率が40%以上のもの
は使用できないほど褪色が大きかった。なお、抹茶ペー
ストの表面を観察したところ、水分含有率が0%のもの
は均一で滑らかな表面であった。また、水分含有率が2
0%のものは、ざらざらした砂状の表面をしていた。更
に、水分含有率が40%のものは、固形物と同様の表面
をしていた。
【0031】実施例 3(抹茶ペーストの殺菌の検討) 大腸菌群が存在する抹茶を見出すのは非常に困難である
ため、抹茶ペーストに大腸菌群を植菌し、加熱殺菌後に
菌数の変化を調べた。まず、抹茶:油脂:乳化剤を2:
4:0.5の割合でステンレスボールに入れ、泡立器で
よく混ぜた。ここで、抹茶は丸久小山園製のものを使用
した。また、油脂については、綿実油(ゲッツ食品販売
(株)製、食用綿実油)、乳化剤はショ糖脂肪酸エステ
ル(第一工業製薬(株)製、DKエステルF−160)
を使用した。
【0032】一方、大腸菌類縁菌(Enterobacter aerog
enes IFO12010 )を普通寒天培地で37℃・24時間培
養した後、滅菌生理食塩水に107 個/ml中になるよう
懸濁し、大腸菌懸濁液を得た。ここで、培地は、一般生
菌数については標準寒天培地、大腸菌群についてはデス
オキシコレート培地、BGLB培地(いずれも極東製薬
社製)を使用した。
【0033】得られた抹茶ペーストに1%の大腸菌懸濁
液を添加してよく混ぜた。これをレトルト用真空袋NL
−3号に3gずつ2袋に分注し、空気を抜いてシールし
た。そのうち1袋はそのまま細菌検査をし、もう1袋は
80℃で10分間湯浴にて加熱殺菌した後、流水で冷却
し、細菌検査をした。細菌検査は食品衛生検査指針に基
づいて行った。検査結果を表1に示す。表1から分かる
ように、一般生菌数及び大腸菌群の菌数はいずれも10
3 個のオーダーで減少しており、天然の抹茶に存在する
大腸菌群は殺菌されることが分かる。
【表1】
【0034】実施例 4(抹茶ペーストの殺菌の検討) 市販の抹茶5種類で抹茶ペーストを作り、それぞれにつ
いて加熱殺菌後に菌数の変化を調べた。まず、抹茶:油
脂:乳化剤を2:4:0.5の割合でステンレスボール
に入れ、泡立器でよく混ぜた。ここで、油脂について
は、綿実油(ゲッツ食品販売(株)製、食用綿実油)、
乳化剤はショ糖脂肪酸エステル(第一工業製薬(株)
製、DKエステルF−160)を使用した。
【0035】得られた抹茶ペーストをレトルト用真空袋
NL−3号に3gずつ2袋に分注した後、空気を抜いて
シールをした。そのうち1袋はそのまま細菌検査をし、
もう1袋は80℃で10分間湯浴にて加熱殺菌した後、
流水で冷却し、細菌検査をした。細菌検査は食品衛生検
査指針に基づいて行った。培地は、一般生菌数について
は標準寒天培地、大腸菌群についてはデスオキシコレー
ト培地、BGLB培地(いずれも極東製薬社製)を使用
した。検査結果を表2に示す。
【表2】
【0036】表2から明らかなように、加熱殺菌によ
り、一般生菌数は102 〜103 のオーダーで減少して
いた。また、大腸菌群のデスオキシコレート培地におけ
る菌数は0(ゼロ)であり、更に、BGLB培地では陽
性から陰性になっていた。
【0037】実施例 5(抹茶ペーストの食品への利用
例) 抹茶(丸久小山園製)160gに綿実油(ゲッツ食品販
売(株)製、食用綿実油)320g、及び乳化剤(第一
工業製薬(株)製、DKエステルF−160)40gを
ステンレスボールに入れ、泡立器でよく混ぜた。得られ
た抹茶ペーストをレトルト用真空袋に100gずつ分注
し、空気を抜いてシールをした。更に、この抹茶ペース
トを湯浴で80℃・10分間、加熱殺菌した後、流水に
て冷却した。
【0038】1.ソフトクリームを作った。袋入りのソ
フトサーブミックス・バニラ(日世(株)製)の口をハ
サミで切って、そこへ抹茶ペースト65gを注ぎ込ん
だ。袋の口を折り、手で押さえて軽く振って混ぜた後、
ソフトクリーム製造機へ入れ、作動させた。
【0039】得られたソフトクリームは抹茶の色が鮮や
かに出ていて、しかも、風味は損なわれていなかった。
また、粉末の抹茶そのものを加えるよりは、ソフトサー
ブミックス・バニラとの均一な混合が容易であり、手
間、風味の点で優れ、特に抹茶ペーストは殺菌されてい
るため、細菌(おもに大腸菌群)などの衛生上の点で優
れていた。
【0040】2.ヌードル(パスタの一種)を作った。
小麦粉(ムソー(株)製、中力粉)300gに卵2個、
塩小さじ4分の1、抹茶ペースト65gを加え、固く練
り合わせた後、ぬれぶきんに包んで1時間置いた。その
後、打粉をふった台の上で薄く伸ばし、細く切り、次い
で熱湯の中でゆであげた。これを流水にさらして水気を
切り、バターで炒め、塩、胡椒で味をつけた。抹茶の風
味が良く、色も鮮やかであった。
【0041】3.抹茶クリームを作った。ショートニン
グ(鐘淵化学工業(株))100gに上白糖30g、抹
茶ペースト6.5gを加え、泡立器でホイップした。得
られた抹茶クリームは抹茶の色や風味が良く、また、い
わゆるダマができることなく、容易に均一に混ぜること
ができた。得られた抹茶クリームをクラッカー等にはさ
んで食すると、抹茶の風味のよいお菓子となる。
【0042】4.クッキーを作った。薄力粉(ムソー
(株)製)100gに無塩バター70g、砂糖30g、
卵12g、抹茶ペースト20gを混ぜた後、ラップに包
んで冷蔵庫に1時間置いた。その後、取り出して形を作
り、200℃のオーブンで焼いた。いわゆるダマができ
ることなく、容易に均一に混ぜることができた。このた
め、得られたクッキー中に抹茶の塊が残ることがなく、
食感が良かった。
【0043】以上、いずれの場合も、抹茶の色が調理後
もきれいに出ていた。また、味や風味の点でも申し分な
く、さらに、舌触りが滑らかであった。何よりも抹茶ペ
ーストを別処理することなく、直接添加することがで
き、しかも混ざり易いので使い易かった。また、長期保
存による色褪せが少なかった。更に、加熱殺菌している
ので大腸菌群陰性であり、衛生上、安心して食すること
ができた。
【0044】
【発明の効果】本発明に係る抹茶ペーストは液体状の油
脂に粉末状の抹茶を混合して成り、特にその製造過程で
加熱殺菌処理が施されているため、天然の粉末状の抹茶
に稀に存在する細菌、特に大腸菌群は熱処理によって死
滅させられている。したがって、製造された抹茶ペース
トの中で大腸菌群が繁殖し、陽性になることはない。こ
のため、衛生上安心して食することができ、また抹茶ペ
ーストを長期間保存することも可能となる。また、抹茶
ペーストは流動性を有する液体(流体)であることか
ら、他の溶液などの中に混ぜて混合し易く、その際、抹
茶の粉末が飛散することがないため、抹茶風味食品の製
造現場の環境衛生を保持することが容易である。更に、
製造された抹茶ペーストは抹茶が本来有する風味や薫り
を保持しており、したがって風味、薫りの優れた抹茶風
味食品を製造することができる。
【0045】また、上記得られた抹茶ペーストの水分含
有量を20%以下で熱処理することにより、抹茶が本来
有する若草色の色を損なうことなく、熱処理を行うこと
ができる。更に、水分含有量を20%以下にすることに
より、抹茶の色を褪色させることなく長期間保存するこ
とができる。したがって、抹茶の色を最大限利用した抹
茶風味食品を提供することができる。
【0046】更に、液体状油脂に粉末抹茶を混合した抹
茶ペーストの中に乳化剤を混合することにより、得られ
た抹茶ペーストを油脂成分に混合させるだけでなく、水
に対しても溶解させ混合させることができるため、抹茶
風味食品の製造対象が広がることになる。また、調味料
を予め混合しておくことにより、抹茶風味食品の製造が
一層容易なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加熱による吸光度の変化を示す図である。
【図2】加熱後の吸光度の経時的変化を示す図である。
【図3】加熱による吸光度の変化を示す図である。
【図4】加熱後の吸光度の経時的変化を示す図である。
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】抹茶ペーストを製造するのにあたり、抹茶
などに含まれる水分だけで、特に新たに水分を添加する
必要はないが、抹茶ペーストを用いて抹茶風味食品を
造する際の使用目的に応じた粘度・濃度の抹茶ペースト
を得るために、予め液体状油脂とともに水分を添加して
混合し、熱処理を施しても良い。この場合、水分による
抹茶の黄変(褪色)を防止するために、水分の含有量は
20%以下であることが好ましい。なお、水分の含有量
20%以下で抹茶ペーストを熱処理した後、含有量20
%を越える水分を添加し、混合することは任意である。
また、上記水分の代わりに、あるいは水分とともにエタ
ノールを添加して混合し、必要に応じて適宜熱処理を施
して該抹茶ペーストを製造しても良い。抹茶ペーストを
製造する際において、粉末抹茶にエタノールを添加して
混合した後に油脂を添加しても、また、逆に粉末抹茶に
油脂を添加して混合した後にエタノールを添加してもよ
く、これらの添加順序は特に限定されない。エタノール
の添加は加工食品の製造工程において慣習的に行われて
おり、殺菌効果を期待することもできる。添加するエタ
ノールの濃度は特に限定されるものではないが、エタノ
ールの殺菌効果を期待する場合は60〜98%のエタノ
ールを用いることが好ましい。かかる濃度のエタノール
を用いた場合は、エタノールにより抹茶ペーストの殺菌
がなされるので熱処理を施さなくてもよい。更に、添加
するエタノールの量(割合)についても限定されるもの
ではないが、水分の含有量が20%以下となる範囲内で
使用目的に応じた粘度・濃度となるように添加するのが
好ましい。また、抹茶ペーストの使用目的に応じて、一
般に飲用されている各種酒類を添加して粘度等を調節す
るとともに風味をつけておいてもよい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23G 9/02 A23L 1/19 // A23L 1/00 A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体状油脂に粉末抹茶を混合して成るこ
    とを特徴とする抹茶ペースト。
  2. 【請求項2】 前記抹茶ペーストは水分含有量が20%
    以下であることを特徴とする請求項1に記載する抹茶ペ
    ースト。
  3. 【請求項3】 前記抹茶ペーストは乳化剤及び必要な調
    味料が含まれることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載する抹茶ペースト。
  4. 【請求項4】 液体状油脂に粉末抹茶を混合攪拌した
    後、加熱殺菌処理をすることを特徴とする抹茶ペースト
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 液体状油脂に粉末抹茶及び乳化剤を混合
    攪拌した後、加熱殺菌処理を施すことを特徴とする請求
    項4に記載する抹茶ペーストの製造方法。
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