JP2003204776A - 食品用日持ち向上剤及び日持ちが向上する食品の製造方法 - Google Patents

食品用日持ち向上剤及び日持ちが向上する食品の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 菌の増殖による食品の変敗・腐敗を一定期間
防止し、かつ、食品に添加しても味質を損なうことが無
く、さらに、菌類の増殖を抑制するために使用する添加
物の種類や使用量をできるだけ少なくした、新しい食品
用日持ち向上剤や、かかる食品用日持ち向上剤を用いた
日持ちが向上する食品の製造方法を提供すること。 【解決手段】 糖アルコールとリゾチームからなる食品
用日持ち向上剤や、これらに加えて有機酸類やアミノ酸
類からなる食品用日持ち向上剤を食品に添加し、食品の
味質を損なうことなく、代表的な腐敗菌であるバチラス
・ズブチリスや代表的な食中毒菌であるスタフィロコッ
カス・アウレウスの増殖を抑制させ、食品の日持ちを向
上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糖アルコールとリ
ゾチームを組合わせることにより、相乗的に菌類の増殖
を抑制し、食品の日持ちを向上させることが可能な食品
用日持ち向上剤、及び食品用日持ち向上剤を用いること
で日持ちが向上し、かつ食品の味質が損なわれない食品
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スーパーマーケット、コンビニエンスス
トア、惣菜屋など、店頭に並ぶお弁当、調理済食品、加
工食品、及び種々の食品素材などは、製造直後に消費者
の口に入ることは少なく、製造現場から販売する場所ま
での輸送に要する時間、商品の包装や陳列に要する時
間、店頭で購入した消費者が自宅に持ちかえるのに要す
る時間など、ある一定の時間が経過した後に食べられる
のが一般的である。通常これらの食品類は、製造後ある
一定の比較的短時間内に食されるために、衛生面や食品
の安全性において問題となることは少ない。しかしなが
ら、これらの食品素材は、時間の経過と共に腐敗菌や食
中毒菌などの有害菌が徐々に増殖し、最終的には食品の
摂取が不可能となってしまう。
【0003】近年、消費者の志向は、食品の菌類による
汚染にますます敏感になっている反面、食品の保存性を
高める添加物の存在にも高い関心を持っていることか
ら、食品中における経時的な菌類の増殖抑制と、菌類の
増殖抑制を目的とする添加物の選択は、食品素材を提供
する者にとって常に最優先で検討しなければならない課
題となっている。
【0004】従来から食品中の菌類の増殖を抑える手段
として、アミノ酸や有機酸などの酸類及びその塩、グリ
セリン脂肪酸エステルに代表される乳化剤、エタノール
などが使用されているが、これらの成分に由来する味質
は好ましいものではなく、食品全体の風味に影響を与え
てしまうという問題点があった。
【0005】また、菌類の増殖を抑える別の手段とし
て、食品素材に糖類や糖アルコール類などを添加して水
分活性を低下させる方法により、食品素材の日持ち期間
の改良が行われているが、水分活性を低下させるには、
糖類や糖アルコール類を食品素材に対して高濃度の割合
で含有させる必要があるため、食品が粘性を持ち食感が
悪くなる、食品が甘くなりすぎてしまう、など使用用途
が制限されるという問題点を有していた。例えば、糖ア
ルコールを添加した食品の保存方法として、食品に対し
て、その重量を100として、酢酸イオンを0.02〜
1.0、糖アルコールを0.01〜0.5、グルタミン
酸を0.05〜1.0、カリウムを0.005〜0.
2、イノシン酸を0.001〜0.2の重量比率にて配
合することを特徴とする保存性に優れ、かつ、良好な呈
風味を有する食品の製造方法(特許文献1参照)や、米
飯に対して0.1〜30重量%のトレハロースおよび
0.1〜30重量%の糖アルコールを含有することを特
徴とする米飯食品(特許文献2参照)等が提案されてい
る。
【0006】また、リゾチームも食品の日持ち向上剤と
してよく利用されており、リゾチームを用いた食品の日
持ち向上剤としては、リゾチームとHLB値が13以上
であるショ糖脂肪酸エステルが含有されている食品等に
有用な抗菌剤(特許文献3参照)や、ジグリセリンモノ
カプリル酸エステル、テトラグリセリンモノカプリン酸
エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステルと
リゾチーム、ポリリジン又はその塩、グリシン、有機酸
および又は有機酸塩類等を組み合わせた食品保存剤(特
許文献4参照)や、ポリグリセリン脂肪酸エステルとリ
ゾチームを併用する食品の保存法(特許文献5参照)
や、ポリグリセリン脂肪酸エステル、リゾチーム、プロ
タミンを併用する食品の保存法(特許文献6参照)や、
リゾチーム、低級モノグリセライド、エタノールからな
る食品保存剤(特許文献7参照)や、グルコン酸ナトリ
ウムもしくはグルコン酸カリウムおよびグリシンの混合
物に、有機酸およびその塩類、エタノール、ショ糖脂肪
酸エステル、ビタミンB1エステル、ε−ポリリジン、
プロタミン、リゾチーム、キトサン、重合リン酸塩類か
ら成る群より選ばれた、1種または2種以上を含有する
食品用保存剤(特許文献8,9参照)や、リゾチーム
と、アラニンとを含有することを特徴とする食品用保存
剤(特許文献10参照)や、アジピン酸,クエン酸,酒
石酸,フマル酸及びリンゴ酸から選ばれる少なくとも1
種の有機酸及び/又はその塩0.1〜30%,リゾチー
ム0.01〜10%,エタノール0.1〜90%,及び
飽和脂肪酸の炭素数が8〜12のグリセリン脂肪酸エス
テル0.05〜50%を有効成分として含有する食品用
日持ち向上剤(特許文献11参照)や、リゾチーム、グ
リシン、酢酸ナトリウムおよび10〜30重量%のアジ
ピン酸を含有することを特徴とする食品日持向上剤やリ
ゾチーム、グリシン、酢酸ナトリウム、フマル酸および
10〜30重量%のアジピン酸を含有することを特徴と
する食品日持向上剤(特許文献12参照)等が提案され
ている。
【0007】また、カルシウム塩と、クエン酸3ナトリ
ウム、クエン酸1カリウム、乳酸ナトリウム、フマル酸
1ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、DL−酒石
酸ナトリウム、コハク酸1ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム、グリシン、低級脂肪酸モノグリセリド、ε−ポリリ
ジン、プロタミン、リゾチームおよび孟宗竹抽出物から
なる群から選択される1種または2種以上の物質とを含
有するボイル野菜日持向上剤(特許文献13参照)や、
グリシン及び酢酸ナトリウムと共に、リゾチーム、チア
ミンラウリル硫酸塩、グリセリン脂肪酸エステル及び孟
宗竹抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種を有
効成分として含有することを特徴とする赤飯の保存性向
上剤(特許文献14参照)や、リゾチーム、酢酸および
ビタミンB1を含有することを特徴とする魚卵日持向上
剤(特許文献15参照)や、プロタミンやリゾチーム等
の塩基性蛋白・ペプチド、グリシン及びクエン酸ナトリ
ウムを含有する中華麺用保存剤(特許文献16参照)等
が提案されている。
【0008】その他、塩化リゾチーム、塩酸ブロムヘキ
シン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン又はメ
コバラミンといった25℃の水に対する溶解度が1g/
L以上である水溶性薬物と、カラギーナン、キサンタン
ガムおよびローカストビーンガムから選ばれる植物性の
高分子ゲル化剤と、ソルビトール、マルチトール、エリ
スリトール、マンニトール、キシリトールおよびトレハ
ロースから選ばれる糖アルコールおよび水からなる、嚥
下能力の低い老人や小児でも容易に服用でき、かつ、服
用時に水を必要としない、服用性良好なゲル状組成物
(特許文献17参照)が知られている。
【0009】
【特許文献1】特開2002−10768号公報
【特許文献2】特開平9−163943号公報
【特許文献3】特開2002−234808号公報
【特許文献4】特開平6−261725号公報
【特許文献5】特開平1−218577号公報
【特許文献6】特開平2−23856号公報
【特許文献7】特公平6−6049号公報
【特許文献8】特開2001−258527号公報
【特許文献9】特開2000−201660号公報
【特許文献10】特開平5−336941号公報
【特許文献11】特開平5−72号公報
【特許文献12】特許第3328457号公報
【特許文献13】特開2001−112411号公報
【特許文献14】特開平11−313622号公報
【特許文献15】特開2000−37161号公報
【特許文献16】特開平10−127239号公報
【特許文献17】特開2000−281562号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、菌の
増殖による食品の変敗・腐敗を一定期間防止し、かつ、
食品に添加しても味質を損なうことがなく、さらに、菌
類の増殖を抑制するために使用する添加物の種類や使用
量をできるだけ少なくした、新しい食品用日持ち向上剤
や、かかる食品用日持ち向上剤を用いた日持ちが向上す
る食品の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究し、リゾチームと糖アルコール
を組合わせて食品に添加することにより、食品素材中に
おける腐敗菌や食中毒菌などの菌類の増殖を防止する効
果が相乗的に高められることを見い出し、本発明を完成
するに至った。
【0012】本発明者らによって見い出された食品用日
持ち向上剤は、本質的に、糖アルコールとリゾチームの
2種類だけの組合わせで十分な効果を有しており、その
味質が酸味やにがみといった不快な味を呈していないた
め、食品中へ添加しても食品に不快な味質を付与するこ
とがなく、更に酸味、にがみ、渋味、えぐ味、などの不
快な味をマスキングする好ましい効果も有しており、食
品に対する日持ち向上性の付与以外に、味質においても
満足できるものであった。
【0013】すなわち、本発明は糖アルコールとリゾチ
ームとを含むことを特徴とする食品用日持ち向上剤(請
求項1)や、糖アルコールとリゾチームとの重量比が、
500000〜20:1であることを特徴とする請求項
1記載の食品用日持ち向上剤(請求項2)や、さらに、
有機酸、有機酸塩、アミノ酸、アミノ酸塩からなる群か
ら選ばれる1種又は2種以上を含むことを特徴とする請
求項1又は2記載の食品用日持ち向上剤(請求項3)
や、糖アルコールとして結晶性マルチトールを用いるこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の食品用日
持ち向上剤(請求項4)や、アミノ酸としてグリシンを
用いることを特徴とする請求項3又は4記載の食品用日
持ち向上剤(請求項5)や、有機酸としてアジピン酸を
用いることを特徴とする請求項3〜5のいずれか記載の
食品用日持ち向上剤(請求項6)や、有機酸塩として酢
酸ナトリウムを用いることを特徴とする請求項3〜6の
いずれか記載の食品用日持ち向上剤(請求項7)や、バ
チルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)及び/又は
スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aur
eus)の増殖を8時間以上抑制しうることを特徴とする
請求項1〜7のいずれか記載の食品用日持ち向上剤(請
求項8)や、請求項1〜8のいずれか記載の食品用日持
ち向上剤を食品に添加することを特徴とする日持ちが向
上する食品の製造方法(請求項9)や、食品中に含まれ
る糖アルコール及びリゾチームの含有量が、糖アルコー
ル0.1重量%以上、リゾチーム1ppm以上であるこ
とを特徴とする請求項9記載の日持ちが向上する食品の
製造方法(請求項10)に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の食品用日持ち向上剤とし
ては、糖アルコールとリゾチームとを含むものであれば
特に制限されるものではなく、本発明の食品用日持ち向
上剤による日持ち向上効果は、本質的に糖アルコールと
リゾチームの相乗効果によるものであるため、糖アルコ
ール類とリゾチームの添加は必須である。また、両者の
配合割合は、対象食品の種類や形態、菌類の増殖抑制期
間、食品への味質への影響の度合によっても、適宜変更
することが可能であるが、糖アルコールとリゾチームの
重量比が500000〜20:1、好ましくは1000
0〜30:1、更に好ましくは1000〜40:1、最
も好ましくは400〜70:1の日持ち向上剤が、腐敗
菌や食中毒菌などの菌類の増殖抑制効果や、食品本来の
風味や食感の維持・改善効果の点で好ましい。
【0015】上記本発明の食品用日持ち向上剤に使用す
る糖アルコールとしては、糖類を水素化したものであれ
ばその品質など特に制限されないが、糖アルコールの中
でも、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、
マンニトール、マルチトール、ラクチトール、還元パラ
チノース、キシロビイトール、セロビトール、重合度1
乃至2の水素化された糖類を固形分当たり60重量%以
上含有する還元澱粉加水分解物、あるいは重合度1乃至
2の水素化された糖類を固形分当たり60重量%以上含
有する還元キシロオリゴ糖を好適に例示することがで
き、これらは1種単独又は2種以上を組合せて使用する
ことができる。
【0016】また、上記糖アルコールの中でも、エリス
リトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール
は、日持ち向上作用と味質の両面において優れた効果が
得られ易いこと、粉末状の形態で取り扱うことが可能で
あること、粉末状の形態で使用しても水に対する溶解性
に優れていることから食品中への拡散が容易であるこ
と、等の点から好ましい。これらの中でも特に好ましい
のはソルビトールとマルチトールであり、マルチトール
については結晶品や含蜜結晶品などの結晶性マルチトー
ルが好適に使用できる。
【0017】上記本発明の食品用日持ち向上剤に使用す
るリゾチームとしては、細菌細胞壁のペプチドグリカン
に作用し、N−アセチルムラミン酸とN−アセチルグル
コサミンとの間のβ−1,4−ムラミド結合を加水分解
する酵素活性を有するものであればどのようなものでも
よく、動物の各種組織・分泌液、卵白、キャベツやカブ
等の植物、納豆菌発酵物、遺伝子組換え産物など、その
由来は制限されないが、入手の容易さから卵白から抽出
したリゾチーム(卵白リゾチーム)が好ましく、かかる
卵白リゾチーム等として市販品を有利に用いることがで
きる。
【0018】本発明の食品用日持ち向上剤は、本質的
に、糖アルコールとリゾチームの2種類だけの組合わせ
で十分な効果を有するものであるが、糖アルコールとリ
ゾチームに加えて、アミノ酸やその塩といったアミノ酸
類、有機酸やその塩といった有機酸類などを併用するこ
とで、食品中の菌類の増殖をさらに効果的に抑制するこ
とができる。好ましいアミノ酸類としては、グリシンや
アラニンを挙げることができ、特に好ましいのはグリシ
ンである。また、好ましい有機酸類としては、酢酸、ア
ジピン酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、ポリリン酸やそ
れらの塩類を挙げることができ、特に好ましいのは酢酸
ナトリウムやアジピン酸であり、最も好ましいのは酢酸
ナトリウムである。
【0019】アミノ酸類や有機酸類を添加した本発明の
日持ち向上剤の場合、糖アルコール40.00〜95.
00重量%、リゾチーム0.01〜2.00重量%、ア
ミノ酸類及び/又は有機酸類4.99〜59.99重量
%の配合が好ましく、特に好ましくは、糖アルコール4
4.00〜85.00重量%、リゾチーム0.10〜
1.50重量%、アミノ酸類及び/又は有機酸類13.
50〜55.90重量%である。例えば、グリシンを添
加する場合、糖アルコール50.00〜95.00重量
%、リゾチーム0.01〜2.00重量%、グリシン
3.00〜49.90重量%の配合が好ましく、特に好
ましくは、糖アルコール60.00〜80.00重量
%、リゾチーム0.10〜1.50重量%、アミノ酸類
及び/又は有機酸類18.5〜39.9重量%である。
また、アミノ酸類としてグリシン、有機酸類として無水
酢酸ナトリウムとアジピン酸を添加する場合、糖アルコ
ール40.00〜95.00重量%、リゾチーム0.0
1〜2.00重量%、グリシン4.89〜59.89重
量%、無水酢酸ナトリウム0.05.0〜35.00重
量%、アジピン酸0.05〜9.50重量%の配合が好
ましく、特に好ましくは、糖アルコール44.00〜8
5.00重量%、リゾチーム0.10〜1.50重量
%、グリシン7.00〜43.0重量%、無水酢酸ナト
リウム5.00〜30.00重量%、アジピン酸1.0
0〜8.00重量%である。
【0020】本発明の食品用日持ち向上剤としては、上
記有機酸類やアミノ酸類以外にも、通常の食品用日持ち
向上剤に用いられる配合成分、例えば、エタノール、低
級脂肪酸モノグリセライド、ショ糖脂肪酸エステル等の
乳化剤、ポリリジン、プロタミン、辛子抽出物、ワサビ
抽出物、柑橘種子抽出物、キトサン等の天然抽出物や、
これら以外の食品用添加物などを必要に応じて適宜混合
して調製したものを用いてもよく、たとえこれら配合成
分や添加物に酸味、にがみ、渋味、えぐ味などの不快な
味質があったとしても、糖アルコールによってマスキン
グされるため、食品に添加した場合に食品の味質を損な
うことのない食品用日持ち向上剤として使用することが
できる。
【0021】上記本発明の食品用日持ち向上剤には、糖
アルコールの種類、糖アルコールとリゾチームとの配合
割合(重量比)など、種々の態様のものが含まれるが、
これらの中でも、その適量を用いた場合に、代表的な腐
敗菌であるバチルス・ズブチリス(Bacillus subtili
s)及び/又は代表的な食中毒菌であるスタフィロコッ
カス・アウレウス(Staphylococcus aureus)の増殖を
8時間以上、好ましくは24時間以上、より好ましくは
48時間以上抑制しうるものを好適に例示することがで
きる。ここでバチルス・ズブチリス及び/又はスタフィ
ロコッカス・アウレウスの増殖を抑制しうるとは、後述
の実施例1に記載の増殖抑制試験方法により測定した所
定時間後の培地の吸光度(OD値)が0.1以下である
場合をいう。
【0022】また、本発明の食品用日持ち向上剤の中で
も、その適量を対象となる食品に用いた場合に、所定時
間後の食品中の一般生菌数が所定値以下となるものが好
ましく、具体的には、食品製造後、所定温度、例えば1
0〜30℃に調整した恒温槽中で24時間経過した時点
において、食品1g当たりの一般生菌数が、1.0×1
4以下、好ましくは1.0×103以下、更に好ましく
は1.0×102以下、最も好ましくは1.0×101
下のレベルに抑制しうるものや、48時間経過した時点
において、食品1g当たりの一般生菌数が、1.0×1
6以下、好ましくは1.0×105以下、更に好ましく
は1.0×104以下、最も好ましくは1.0×103
下のレベルに抑制しうるものや、72時間経過した時点
において、食品1g当たりの一般生菌数が、1.0×1
6以下、好ましくは1.0×105以下、更に好ましく
は1.0×104以下、最も好ましくは1.0×10 3
下のレベルに抑制しうるものを、本発明の食品用日持ち
向上剤として好適に例示することができる。なお、一般
生菌数の測定は、後述する実施例6記載のサンプル中の
一般生菌数の測定方法にしたがった。
【0023】さらに、本発明の食品用日持ち向上剤の中
でも、その適量を対象となる食品に用いた場合に、所定
時間後の食品中の一般生菌数の初発菌数からの増加割合
が所定値以下となるものが好ましく、具体的には、食品
製造後、所定温度、例えば10〜30℃に調整した恒温
槽中で24時間経過した時点において、一般生菌数の増
加が初発菌数の1000倍以下、好ましくは100倍以
下、更に好ましくは10倍以下、最も好ましくは菌数の
増加が殆ど見られないレベルにまで、菌類の増殖を抑制
しうるものや、食品製造から48時間経過した時点にお
いて、一般生菌数の増加が初発菌数の100000倍以
下、好ましくは10000倍以下、更に好ましくは10
00倍以下、特に好ましくは100倍以下、最も好まし
くは10倍以下のレベルにまで、菌類の増殖を抑制しう
るものや、食品製造から72時間経過した時点におい
て、一般生菌数の増加が初発菌数の100000倍以
下、好ましくは10000倍以下、更に好ましくは10
00倍以下のレベルにまで、菌類の増殖を抑制しうるも
のを、本発明の食品用日持ち向上剤として好適に例示す
ることができる。なお、一般生菌数の測定は、後述する
実施例6記載のサンプル中の一般生菌数の測定方法にし
たがった。
【0024】本発明の食品用日持ち向上剤は、食品用日
持ち向上剤を添加する食品の形態や添加時期に応じ、液
状、粉末状、錠剤などの形状で使用することが可能であ
る。なかでも、取扱いが容易なこと、食品用日持ち向上
剤中の成分を長期間安定的に保持できること、食品に対
して均一に拡散させることが容易なことなどから粉末状
の形態での使用が好ましい。
【0025】次に、本発明の日持ちが向上する食品の製
造方法としては、上述の本発明の食品用日持ち向上剤を
食品(食品素材を含む)に添加する方法であれば特に制
限されるものではないが、食品中に含まれる糖アルコー
ル及びリゾチームの含有量は、食品の種類、食品の通常
の保管・流通状態、糖アルコール及びリゾチームの配合
比、糖アルコールの種類等により一概にいえないが、そ
れぞれ糖アルコールが0.1重量%以上、好ましくは
0.3重量%以上、より好ましくは0.4重量%以上、
リゾチームが1ppm以上、好ましくは4ppm以上、
より好ましくは20ppm以上、最も好ましくは30p
pm以上、となるように添加することが、食品の日持ち
向上の点で好ましい。
【0026】本発明の食品用日持ち向上剤を食品に添加
する方法に特に制限はなく、例えば、食品原材料中に予
め添加する方法、食品の加工途中に添加する方法、食品
用日持ち向上剤を含有する溶液を噴霧する、もしくは該
水溶液中に含浸させる方法、加工や調理済の完成した食
品に対して直接添加する方法などを具体的に挙げること
ができる。
【0027】また、本発明の日持ちが向上する食品の製
造方法としては、所定時間後の食品中の一般生菌数が所
定値以下となる方法が好ましく、具体的には、通常の食
品の保管・流通状態で食品製造から24時間経過した時
点において、食品1g当たりの一般生菌数が、1.0×
104以下、好ましくは1.0×103以下、更に好まし
くは1.0×102以下、最も好ましくは1.0×101
以下のレベルに抑制しうる方法や、48時間経過した時
点において、食品1g当たりの一般生菌数が、1.0×
106以下、好ましくは1.0×105以下、更に好まし
くは1.0×104以下、最も好ましくは1.0×103
以下のレベルに抑制しうる方法や、72時間経過した時
点において、食品1g当たりの一般生菌数が、1.0×
106以下、好ましくは1.0×105以下、更に好まし
くは1.0×104以下、最も好ましくは1.0×103
以下のレベルに抑制しうる方法を、本発明の日持ちが向
上する食品の製造方法として好適に例示することができ
る。なお、一般生菌数の測定は、後述する実施例6記載
のサンプル中の一般生菌数の測定方法にしたがった。
【0028】さらに、本発明の日持ちが向上する食品の
製造方法としては、所定時間後の食品中の一般生菌数の
初発菌数からの増加割合が所定値以下となる方法が好ま
しく、具体的には、通常の食品の保管・流通状態で食品
製造から24時間経過した時点において、一般生菌数の
増加が初発菌数の1000倍以下、好ましくは100倍
以下、更に好ましくは10倍以下、最も好ましくは菌数
の増加が殆ど見られないレベルにまで、菌類の増殖を抑
制しうる方法や、食品製造から48時間経過した時点に
おいて、一般生菌数の増加が初発菌数の100000倍
以下、好ましくは10000倍以下、更に好ましくは1
000倍以下、特に好ましくは100倍以下、最も好ま
しくは10倍以下のレベルにまで、菌類の増殖を抑制し
うる方法や、食品製造から72時間経過した時点におい
て、一般生菌数の増加が初発菌数の100000倍以
下、好ましくは10000倍以下、更に好ましくは10
00倍以下のレベルにまで、菌類の増殖を抑制しうる方
法を、本発明の日持ちが向上する食品の製造方法として
好適に例示することができる。なお、一般生菌数の測定
は、後述する実施例6記載のサンプル中の一般生菌数の
測定方法にしたがった。
【0029】本発明に係る食品用日持ち向上剤の使用用
途に特に限定はなく、例えば、ポテトサラダ、マカロニ
サラダ、野菜サラダ、ハンバーグ、肉団子、シュウマ
イ、ギョウザ、卵焼き、から揚げ、フライ食品、天ぷ
ら、グラタン、パスタ料理、和え物、煮物、炒め物、焼
き魚、等の惣菜類、蒲鉾、竹輪、揚げかま、つみれ、す
り身、等の水産練り製品、ハム、ソーセージ、ベーコ
ン、等の畜肉製品、水羊羹、餡、餅、カスタードクリー
ム、プリン等の和洋菓子類、クッキー、パン、ケーキ、
ゼリー、煎餅などの焼き菓子類、冷菓、チューインガム
等の菓子類や、生麺、茹で麺等の麺類、米飯、かやくご
飯、炊き込みご飯、ピラフ、焼き飯、その他の米飯を用
いた調理食品類、ソース、ドレッシング、マヨネーズ、
焼き肉のたれ等の調味料類、ジャム類、ヨーグルト、ド
リンクヨーグルト、ジュース、牛乳、豆乳、コーヒー、
紅茶、煎茶、ウーロン茶、スポーツ飲料等の各種飲料
類、その他の調理食品、加工食品、調味料、及び種々の
食品素材に利用することができる。
【0030】本発明の食品用日持ち向上剤は、経時的に
腐敗菌及び/又は食中毒菌などの菌類の増殖が予測され
るお弁当、調理食品、加工食品、及び種々の食品素材な
どに対して、その増殖をある一定期間抑制することが可
能であり、結果的に食品用日持ち向上剤を添加しない食
品よりも、ある一定期間において、微生物、特に細菌類
による食品類の汚染が明らかに少ない状態を提供するこ
とができる。また、構成成分が糖アルコールとリゾチー
ムからなる本発明の食品用日持ち向上剤は、調製が非常
に容易なだけでなく、味質も優れており、添加量が増加
しても食品の風味を損ないにくいという特徴がある。
【0031】
【実施例】本発明に係る食品用日持ち向上剤の効果につ
いて、以下に示す実施例で詳細に説明するが、本発明は
以下の実施例に制限されるものではない。また、本実施
例においては、リゾチームとして「Lysozyme Base Powd
er(LOT LC 0401、Canadian Inovatech Inc.製)」を、
ソルビトールとして「ソルビットDP(東和化成工業株
式会社製)」を、エリスリトールとして三菱化学フーズ
株式会社製を、マルチトールとして「レシス;結晶マル
チトール(東和化成工業株式会社製)」又は「アマルテ
ィMR;マルチトール含蜜結晶(東和化成工業株式会社
製)」を使用した。また、グリシンとして昭和電工株式
会社製を、また、酢酸ナトリウムとして「酢酸ナトリウ
ム(無水)(日本合成化学工業株式会社製)」を、ま
た、アジピン酸として「アサピック(旭化成株式会社
製)」を使用した。なお、本実施例中に記載されている
%の表記は、特に断りのない限り重量%を表す。
【0032】実施例1[増殖抑制試験方法] (基礎培地の調製)基礎培地の組成を以下に示す。な
お、ペプトンとしては、ポリペプトンS(新日本製薬株
式会社製)、酵母エキスとしては、粉末酵母エキスD−
3(新日本製薬株式会社製)、グルコース(試薬特
級)、Tween80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオ
レエート、試薬特級)を使用した。 基礎培地の組成 ペプトン :0.5% 酵母エキス :0.25% グルコース :0.1% Tween80 :0.05% 滅菌蒸留水 :99.1%
【0033】(前培養培地の調製)上記基礎培地に水酸
化ナトリウム水溶液を添加してpHを7.0に調整後、
試験管(φ18×130mm)に5ml分注し、オート
クレーブで滅菌(121℃、15分)したものを前培養
培地とした。
【0034】(供試菌株の前培養物の調製)供試菌株と
して、バチルス・ズブチリス IFO 3009(Bacill
us subtilis subsp. subtilis)とスタフィロコッカス
・アウレウス IFO 12712を用いた。これら供試
菌株をそれぞれスラント内で培養したものを種菌として
用い、上記前培養培地に1白金耳接種し、30℃、80
rpmで24時間振盪培養を行い、それぞれバチルス・
ズブチリスとスタフィロコッカス・アウレウスの前培養
物を得た。
【0035】(増殖抑制試験用培地の調製)上記基礎培
地中の糖アルコールとリゾチームとが所定の終濃度とな
るように、以下の要領にて増殖抑制試験用培地の調製を
行った。基礎培地に所定量の糖アルコールを添加し、希
塩酸でpH6.0に調整後、試験管(φ18×180m
m)に9ml分注し、オートクレーブで滅菌(121
℃、15分)した。次いで、ろ過滅菌したリゾチーム水
溶液1mlを無菌的に添加し、増殖抑制試験用培地とし
た。リゾチームを含有しない培地の調製では、リゾチー
ム水溶液に代わり滅菌水1mlを添加し、培地中のリゾ
チーム含有量が0ppmとなるようにした。
【0036】(増殖抑制試験)増殖抑制試験用培地に、
上記供試菌株の前培養物100μlを接種し、30℃、
80rpmで48時間又は50時間振盪培養を行った。
所定時間後の供試菌株の増殖度合を、培養液の濁度値
(以下、OD値)の測定値で表した。培養液の濁度の測
定には、菌濃度測定用光度計BACT−550(株式会
社ジコー製)を用いた。
【0037】実施例2[ソルビトールとリゾチームによ
るバチルス・ズブチリスの増殖抑制相乗効果] 実施例1記載の方法に従い、ソルビトール含有量とリゾ
チーム含有量が、表1に示す組成となるように調製した
増殖抑制試験用培地を用いて、48時間培養する増殖抑
制試験を行った。結果を図1〜10に示す。なお、図中
のSorはソルビトールを、Lysはリゾチームを表す。これ
らの結果から、ソルビトール10%とリゾチーム1pp
mとの組合せ(図1)は8時間以上、ソルビトール10
%とリゾチーム2ppmとの組合せ(図2)は24時間
以上、ソルビトール10%とリゾチーム4ppmとの組
合せ(図3)、ソルビトール20%とリゾチーム1pp
mとの組合せ(図4)、ソルビトール20%とリゾチー
ム2ppmとの組合せ(図5)、ソルビトール20%と
リゾチーム4ppmとの組合せ(図6)、ソルビトール
30%とリゾチーム1ppmとの組合せ(図7)、ソル
ビトール30%とリゾチーム2ppmとの組合せ(図
8)、ソルビトール30%とリゾチーム4ppmとの組
合せ(図9)はいずれも48時間以上、ソルビトール5
%とリゾチーム4ppmとの組合せ(図10)は32時
間以上、それぞれバチルス・ズブチリスの増殖を抑制し
うることがわかった。一方、相当する量のソルビトール
及び/又はリゾチームを含まないものは、すべてバチル
ス・ズブチリスの増殖を抑制し得ないことがわかった。
これらのことから、バチルス・ズブチリスの増殖抑制は
ソルビトールとリゾチームとの相乗効果によるものと考
えられる。
【0038】
【表1】
【0039】実施例3[エリスリトールとリゾチームに
よるバチルス・ズブチリスの増殖抑制相乗効果] 実施例1記載の方法に従い、エリスリトール含有量とリ
ゾチーム含有量が、表2に示す組成となるように調製し
た増殖抑制試験用培地を用いて、50時間培養する増殖
抑制試験を行った。結果を図11、12に示す。なお、
図中のEryはエリスリトールを、Lysはリゾチームを表
す。これらの結果から、エリスリトール5%とリゾチー
ム4ppmとの組合せ(図11)は32時間以上、エリ
スリトール10%とリゾチーム4ppmとの組合せ(図
12)は50時間以上、それぞれバチルス・ズブチリス
の増殖を抑制しうることがわかった。一方、相当する量
のエリスリトール及び/又はリゾチームを含まないもの
は、すべてバチルス・ズブチリスの増殖を抑制し得ない
ことがわかった。これらのことから、バチルス・ズブチ
リスの増殖抑制はエリスリトールとリゾチームとの相乗
効果によるものと考えられる。
【0040】
【表2】
【0041】実施例4[マルチトールとリゾチームによ
るバチルス・ズブチリスの増殖抑制相乗効果] 実施例1記載の方法に従い、マルチトール(レシス)含
有量とリゾチーム含有量が、表3に示す組成となるよう
に調製した増殖抑制試験用培地を用いて、48時間培養
する増殖抑制試験を行った。結果を図13〜15に示
す。なお、図中のMalはマルチトールを、Lysはリゾチー
ムを表す。これらの結果から、マルチトール5%とリゾ
チーム4ppmとの組合せ(図13)、マルチトール1
0%とリゾチーム4ppmとの組合せ(図14)、マル
チトール20%とリゾチーム4ppmとの組合せ(図1
5)はいずれも48時間以上バチルス・ズブチリスの増
殖を抑制しうることがわかった。一方、相当する量のマ
ルチトール及び/又はリゾチームを含まないものは、す
べてバチルス・ズブチリスの増殖を抑制し得ないことが
わかった。これらのことから、バチルス・ズブチリスの
増殖抑制はマルチトールとリゾチームとの相乗効果によ
るものと考えられる。
【0042】
【表3】
【0043】実施例5[ソルビトールとリゾチームによ
るスタフィロコッカス・アウレウスの増殖抑制相乗効
果] 実施例1記載の方法に従い、ソルビトール含有量とリゾ
チーム含有量が、表4に示す組成となるように調製した
増殖抑制試験用培地を用いて、48時間培養する増殖抑
制試験を行った。結果を図16〜21に示す。なお、図
中のSorはソルビトールを、Lysはリゾチームを表す。こ
れらの結果から、ソルビトール20%とリゾチーム50
ppmとの組合せ(図16)は24時間以上、ソルビト
ール20%とリゾチーム100ppmとの組合せ(図1
7)、ソルビトール20%とリゾチーム200ppmと
の組合せ(図18)、ソルビトール30%とリゾチーム
50ppmとの組合せ(図19)、ソルビトール30%
とリゾチーム100ppmとの組合せ(図20)、ソル
ビトール30%とリゾチーム200ppmとの組合せ
(図21)はいずれも48時間以上、それぞれスタフィ
ロコッカス・アウレウスの増殖を抑制しうることがわか
った。一方、相当する量のソルビトール及び/又はリゾ
チームを含まないものは、すべてスタフィロコッカス・
アウレウスの増殖を抑制し得ないことがわかった。これ
らのことから、スタフィロコッカス・アウレウスの増殖
抑制はソルビトールとリゾチームとの相乗効果によるも
のと考えられる。
【0044】
【表4】
【0045】実施例6[サンプル中の一般生菌数の測定
方法] サンプル中の一般生菌数の測定は以下の方法で行った。
まず、所定時間、所定温度で保存(静置培養)したサン
プル10gと希釈水90gを、ストマッカー用の滅菌袋
に入れてストマッカーSH−IIM(株式会社エルメック
ス製)で15〜60秒程度、完全に乳化するまでホモジ
ナイズし、乳化状物を得た。次に、予め希釈水4.5m
lが分注された滅菌済み試験管に、得られた乳化状物
0.5mlを加えて十分に攪拌し10倍希釈液を得た。
以下、測定するサンプル中の菌の増殖具合により、さら
に希釈水4.5mlに対し先の希釈液0.5mlを添加
する同様の方法により10倍希釈を繰り返し、一般生菌
数測定用のサンプル溶液とした。次いで、所定濃度に希
釈したサンプル溶液1mlを、20mlの寒天培地を加
えたプレート上表面に均一になるように加え、培地表面
が乾燥した後、培地を上に向けて、30℃の恒温槽で培
養を行い、24〜48時間後にコロニー数をカウント
し、希釈倍率に基づき、サンプル1g中の一般生菌数を
求めた。なお、サンプルの希釈に使用する希釈水は、塩
化ナトリウム0.85%、ペプトン0.1%、蒸留水9
9.05%の組成を有し、塩化ナトリウムは試薬特級
(和光純薬工業株式会社製)、ペプトンはポリペプトン
S(新日本製薬株式会社製)、水は滅菌した蒸留水をそ
れぞれ使用した。また、一般生菌数の測定に用いる寒天
培地には、標準寒天培地(栄研器材株式会社製)23.
5gを1000mlの滅菌蒸留水に溶かしたものを使用
した。
【0046】実施例7[カスタードクリーム中の一般生
菌数の測定] (カスタードクリームの調製)砂糖125g、牛乳35
0gを容器に入れ、70℃に加熱した後、予め篩に掛け
た薄力粉12.5gと、コーンスターチ3g、卵黄25
gを添加し、均一になるまで攪拌したものを裏ごしし
た。裏ごし後、ゆっくりと加熱して煮詰めを行い、Brix
濃度が45%になった時点で、7.26gのソルビトー
ルと0.002gのリゾチームを添加した。その後、さ
らに加熱を行い、最終的にBrix濃度が50%になるまで
煮詰めた。煮詰め終了後、ステンレス製のバットに入れ
て18℃の室温で1時間放冷し、カスタードクリームを
調製した(試料1)。また、カスタードクリームの調製
過程で、ソルビトールのみを同量添加したもの(試料
2)、リゾチームのみを同量添加したもの(試料3)、
ソルビトールとリゾチームを添加しないもの(試料4)
も調製した。カスタードクリーム原料の配合量を表5に
示す。
【0047】
【表5】
【0048】(一般生菌数の経時変化)次に、調製した
カスタードクリーム約15gをプラスチック容器に取り
分けて、20℃に調節した恒温槽に保存、カスタードク
リーム中の一般生菌数の経時変化を実施例6記載の方法
で測定した。結果を図22に示す。この結果から、ソル
ビトール(1.77%)とリゾチーム(4.87pp
m)との併用は、食品1g当たりの一般生菌数が、カス
タードクリーム製造から、24時間経過した時点におい
て1.0×101以下のレベルに、48時間経過した時
点において、1.0×103以下のレベルに、72時間
経過した時点において1.0×104以下のレベルに抑
制しうることがわかった。また、カスタードクリーム製
造から、24時間経過した時点において、一般生菌数の
増加が初発菌数の増加が殆ど見られないレベルまで、4
8時間経過した時点において、一般生菌数の増加が初発
菌数の10倍以下のレベルまで、72時間経過した時点
において、一般生菌数の増加が初発菌数の1000倍以
下のレベルまで、菌類の増殖を抑制しうることもわかっ
た。
【0049】実施例8[卵焼き中の一般生菌数の測定] (卵焼きの調製)全卵150.00gを容器に入れ、水
15.00gに予め溶解した食塩0.52g、砂糖3.
00g、コーンスターチ1.50gからなる卵焼き原料
に、15.00gのマルチトール(アマルティMR)及
び0.05gのリゾチームを添加した。上記原料を均一
に混合した後、ホットプレートで加熱して卵焼きを調製
した(試料1)。また、卵焼きの調製過程で、マルチト
ールのみを同量添加したもの(試料2)、リゾチームの
みを同量添加したもの(試料3)、マルチトールとリゾ
チームを添加しないもの(試料4)も調製した。卵焼き
原料の配合量を表6に示す。
【0050】
【表6】
【0051】(一般生菌数の経時変化)次に、調製した
卵焼き約10gをプラスチック容器に取り分けて、30
℃に調節した恒温槽に保存し、卵焼き中の一般生菌数の
経時変化を測定した。結果を図23に示す。この結果か
ら、マルチトール(8.11%)とリゾチーム(270
ppm)との併用は、食品1g当たりの一般生菌数が、
卵焼き製造から、24時間経過した時点において1.0
×101以下のレベルに、48時間経過した時点におい
て、1.0×102以下のレベルに、72時間経過した
時点において1.0×103以下のレベルに抑制しうる
ことがわかった。また、卵焼き製造から、24時間経過
した時点において、一般生菌数の増加が初発菌数の増加
が殆ど見られないレベルまで、48時間経過した時点に
おいて、一般生菌数の増加が初発菌数の100倍以下の
レベルまで、72時間経過した時点において、一般生菌
数の増加が初発菌数の1000倍以下のレベルまで、菌
類の増殖を抑制しうることもわかった。
【0052】実施例9[蒸しパン中の一般生菌数の測
定] (蒸しパンの調製)全卵165.00g、砂糖100.
00g、食塩0.70g、水30.0gを用意し、そこ
に20gのマルチトール(アマルティMR)及び0.0
3gのリゾチームを添加した。上記原料を菓子用ミキサ
ーで約5分間混合し、その後、予め篩っておいた薄力粉
とベーキングパウダーを加え、杓文字にて混合し、これ
を生地とした。この生地を直径約5cmで厚さ3cmの
円形の型枠(アルミホイル製)に流し込み、均等になら
した。型枠を蒸し器に入れて蒸成雰囲気温度99〜10
0℃に調節して約30分間蒸成した。蒸成した蒸しパン
を番重にて放冷し、蒸しパンを調製した(試料1)。ま
た、蒸しパンの調製過程で、マルチトールのみを同量添
加したもの(試料2)、リゾチームのみを同量添加した
もの(試料3)、マルチトールとリゾチームを添加しな
いもの(試料4)も調製した。蒸しパン原料の配合量を
表7に示す。
【0053】
【表7】
【0054】(一般生菌数の経時変化)次に、調製した
蒸しパン約15gをポリ袋容器に取り分けて、30℃に
調節した恒温槽に保存し、蒸しパン中の一般生菌数の経
時変化を測定した。結果を図24に示す。この結果か
ら、マルチトール(4.27%)とリゾチーム(64p
pm)との併用は、食品1g当たりの一般生菌数が、蒸
しパン製造から、24時間経過した時点において1.0
×103以下のレベルに、48時間経過した時点におい
て、1.0×106以下のレベルに抑制しうることがわ
かった。また、蒸しパン製造から、24時間経過した時
点において、一般生菌数の増加が初発菌数の増加が殆ど
見られないレベルまで、48時間経過した時点におい
て、一般生菌数の増加が初発菌数の1000倍以下のレ
ベルまで、菌類の増殖を抑制しうることもわかった。
【0055】実施例10[卵サラダ中の一般生菌数の測
定] (卵サラダの調製)鶏卵を95℃の湯中で15分間加熱
し、水を用いて冷却し、殻むきした茹で卵を約0.5c
m角にダイスカットしたもの80gに、マヨネーズを2
0g加えた。そこに10gのマルチトール(アマルティ
MR)及び0.012gのリゾチームを添加した。上記
原料を均一になるよう混合し、卵サラダを調製した(試
料1)。また、卵サラダの調製過程で、マルチトールの
みを同量添加したもの(試料2)、リゾチームのみを同
量添加したもの(試料3)、マルチトールとリゾチーム
を添加しないもの(試料4)も調製した。卵サラダ原料
の配合量を表8に示す。
【0056】
【表8】
【0057】(一般生菌数の経時変化)次に、調製した
卵サラダ約10gをプラスチック容器に取り分けて、3
0℃に調節した恒温槽に保存し、卵サラダ中の一般生菌
数の経時変化を測定した。結果を図25に示す。この結
果から、マルチトール(9.09%)とリゾチーム(1
09ppm)との併用は、食品1g当たりの一般生菌数
が、卵サラダ製造から、24時間経過した時点において
1.0×104以下のレベルに、48時間経過した時点
において、1.0×106以下のレベルに抑制しうるこ
とがわかった。また、卵サラダ製造から、24時間経過
した時点において、一般生菌数の増加が初発菌数の10
00倍以下のレベルまで、48時間経過した時点におい
て、一般生菌数の増加が初発菌数の100000倍以下
のレベルまで、菌類の増殖を抑制しうることもわかっ
た。
【0058】実施例11[食品用日持ち向上剤A〜Dの
調製] リゾチーム、マルチトール(アマルティMR)、グリシ
ンからなる食品用日持ち向上剤Aを処方した。また、リ
ゾチーム、マルチトール(アマルティMR)、グリシ
ン、無水酢酸ナトリウム、アジピン酸からなる食品用日
持ち向上剤B〜Dを処方した。食品用日持ち向上剤A〜
Dの配合割合は表9の通りである。
【0059】
【表9】
【0060】実施例12[食品用日持ち向上剤Aによる
卵焼き中の一般生菌数の経時変化] 全卵、水、食塩、砂糖に食品用日持ち向上剤Aを添加
し、よく混合したものを卵焼きの原料とした。調製した
卵焼き原料は、160℃のホットプレート上で片面につ
き5分ずつ、計10分焼成して卵焼きを調製した(本発
明品1)。なお、食品用日持ち向上剤Aを無添加のもの
も調製した(対照品1)。出来上がった卵焼きは、室温
下で15分放冷し、直径5.5cmに型抜きしたものを
サンプル袋に入れ、30℃に調節した恒温槽に保存し、
卵焼き中の一般生菌数の経時変化を測定した。原料の配
合割合を表10に、結果を表11に示す。その結果、本
発明品1においては卵焼き製造から3日経過した時点に
おいても、食品1g当たりの一般生菌数が1.0×10
1以下のレベルに抑制しうることがわかった。
【0061】
【表10】
【0062】
【表11】
【0063】実施例13[食品用日持ち向上剤Aによる
カスタードクリーム中の一般生菌数の経時変化] 牛乳と砂糖を加えたものを70℃に加熱し、篩った薄力
粉とコーンスターチ、卵黄、食品用日持ち向上剤Aを添
加したものをよく混合し、裏ごししてから、Brix3
4%まで煮詰めた。煮詰め後、混合しながら水冷し、カ
スタードクリームを調製した(本発明品2)。なお、食
品用日持ち向上剤Aを無添加のものも調製した(対照品
2)。調製したカスタードクリームを滅菌シャーレに1
5g取り分けて、10℃に調節した恒温槽内に保存し、
カスタードクリーム中の一般生菌数の経時変化を測定し
た。原料の配合割合を表12に、結果を表13に示す。
その結果、本発明品2においてはカスタードクリーム製
造から4日経過した時点においても、食品1g当たりの
一般生菌数が1.0×102以下のレベルに抑制され、
初発一般生菌数よりも減少していることがわかった。
【0064】
【表12】
【0065】
【表13】
【0066】実施例14[食品用日持ち向上剤B〜Dに
よる鶏の唐揚げ中の一般生菌数の経時変化] 酒、醤油、水を加えて調製した調味液に、所定量の食品
用日持ち向上剤B〜Dをそれぞれ配合した。調製した調
味液(5℃)に鶏肉のささみを30分漬込み、調味液を
鶏肉ささみにしみ込ませた後、表面に片栗粉をまぶし、
180℃で3分間油ちょうした。油ちょう後、鶏の唐揚
げを放冷し、3種類の鶏の唐揚げを調製した(本発明品
3〜5)。なお、食品用日持ち向上剤を無添加のものも
調製した(対照品3)。調製した鶏の唐揚げをサンプル
袋に封入し、30℃に調節した恒温槽内に保存し、鶏の
唐揚げ中の一般生菌数の経時変化を測定した。原料の配
合割合を表14に、結果を表15に示す。その結果、本
発明品3〜5においては鶏の唐揚げ製造から3日経過し
た時点においても、食品1g当たりの一般生菌数が1.
0×101以下のレベルに抑制されていることがわかっ
た。
【0067】
【表14】
【0068】
【表15】
【0069】実施例15[食品用日持ち向上剤A,Cに
よる蒸しパン中の一般生菌数の経時変化] 全卵、砂糖、ベーキングパウダー、食塩、水に、所定量
の食品用日持ち向上剤を配合したものを均一になるよう
十分に混合した。次いで予め篩っておいた薄力粉を加え
て、さらに混合したものを蒸しパン原料とした。調製し
た蒸しパン原料を専用の型枠に15g流し込み、そのま
ま30分間蒸し上げて蒸しパンを調製した(本発明品
6,7)。なお、食品用日持ち向上剤を無添加のものも
調製した(対照品4)。出来上がった蒸しパンは、室温
になるまで放冷し、サンプル袋に封入し、30℃に調節
した恒温槽内に保存し、蒸しパン中の一般生菌数の経時
変化を測定した。原料の配合割合を表16に、結果を表
17に示す。その結果、本発明品6,7においては蒸し
パン製造から2日経過した時点においても、食品1g当
たりの一般生菌数が1.0×101以下のレベルに抑制
されていることがわかった。
【0070】
【表16】
【0071】
【表17】
【0072】実施例16[食品用日持ち向上剤A,Cに
よるクレープ中の一般生菌数の経時変化] 割りほぐした全卵に、砂糖と予め篩っておいた薄力粉と
食塩を加えた後、牛乳と溶かしたバターを少量ずつ加え
ながらよく攪拌混合し、最後に所定量の食品用日持ち向
上剤を配合して、クレープ原料を調製した。調製したク
レープ原料約60gを、150℃のホットプレート上で
片面につき1.5分ずつ、計3分焼成してクレープを調
製した(本発明品8,9)。なお、食品用日持ち向上剤
を無添加のものも調製した(対照品5)。出来上がった
クレープは、室温になるまで放冷し、4等分にカットし
たものをサンプル袋に封入し、15℃に調節した恒温槽
内に保存し、クレープ中の一般生菌数の経時変化を測定
した。原料の配合割合を表18に、結果を表19に示
す。その結果、本発明品8,9においてはクレープ製造
から3日経過した時点においても、食品1g当たりの一
般生菌数が1.0×101以下のレベルに抑制されてい
ることがわかった。
【0073】
【表18】
【0074】
【表19】
【0075】実施例17[食品用日持ち向上剤C,Dに
よる卵サラダ中の一般生菌数の経時変化] 鶏卵を沸騰した湯中で12分間茹で、殻を剥き、殻を剥
いた茹で卵を更に1分間熱湯に浸した。その後、茹で卵
を放冷し、約0.5cm角にダイスカットした。カット
した茹で卵に、マヨネーズと食品用日持ち向上剤を添加
し、よく混合して卵サラダを調製した(本発明品10,
11)。なお、食品用日持ち向上剤を無添加のものも調
製した(対照品6)。調製した卵サラダ15gを滅菌シ
ャーレに入れ、テープで側面を巻き密封した。これを3
0℃に調節した恒温槽内に保存し、卵サラダ中の一般生
菌数の経時変化を測定した。原料の配合割合を表20
に、結果を表21に示す。その結果、本発明品10,1
1においては卵サラダ製造から3日経過した時点におい
ても、食品1g当たりの一般生菌数が1.0×101
下のレベルに抑制されていることがわかった。
【0076】
【表20】
【0077】
【表21】
【0078】実施例18[食品用日持ち向上剤によるハ
ンバーグの味質に関する官能検査] 合い挽き肉350g、玉ねぎ(微塵切りにしたもの)9
0g、生パン粉42g、食塩2.5g、コショウ1.2
g、全卵50gをハンバーグ原料とした。このハンバー
グ原料を良く混ぜ合わせ、適当な大きさに成形した後、
230℃のオーブンで15分間加熱調理し、ハンバーグ
を調製した。このハンバーグを官能検査の基準品(ハン
バーグ4)とした。上記ハンバーグ原料を混ぜ合わせる
際に、表22記載の配合成分(本発明区)である本発明
に係る食品用日持ち向上剤を添加してハンバーグを調製
した(ハンバーグ1,ハンバーグ2)。また、上記ハン
バーグ原料を混ぜ合わせる際に、表22記載の配合成分
(比較試験区)である既存の日持ち向上成分(酢酸ナト
リウム、グリシン、リゾチーム)を添加してハンバーグ
を調製した(ハンバーグ3)。なお、マルチトールとし
てはマルチトール含蜜結晶であるアマルティMRを使用
した。次に、ハンバーグの味質について基準品との対比
試験を行った。官能検査は、10名の専門家からなるパ
ネルの合計点数で評価した。官能検査結果を表22に示
す。その結果、本発明品であるハンバーグ1,ハンバー
グ2は、基準品であるハンバーグ4に比して、酸味臭の
少なさ、ジューシー感、特にジューシー感において優れ
ていたが、比較品であるハンバーグ3は酸味臭の点で著
しく劣化していた。
【0079】
【表22】
【0080】実施例18[食品用日持ち向上剤によるポ
テトサラダの味質に関する官能検査] 茹でたじゃがいも515g、茹でたニンジン40g、キ
ュウリ45g、食塩2.1g、コショウ0.1g、マヨ
ネーズ80gをポテトサラダ原料とした。このポテトサ
ラダ原料を良く混ぜ合わせてポテトサラダを調製し、こ
れを官能検査の基準品(ポテトサラダ4)とした。上記
ポテトサラダ原料を混ぜ合わせる際に、表23記載の配
合成分(本発明区)である本発明に係る食品用日持ち向
上剤を添加してポテトサラダを調製した(ポテトサラダ
1,ポテトサラダ2)。また、上記ポテトサラダ原料を
混ぜ合わせる際に、表23記載の配合成分(比較試験
区)である既存の日持ち向上成分(酢酸ナトリウム、グ
リシン、リゾチーム)を添加してポテトサラダを調製し
た(ポテトサラダ3)。なお、マルチトールとしてはマ
ルチトール含蜜結晶であるアマルティMRを使用した。
次に、ポテトサラダの味質について基準品との対比試験
を行った。官能検査は、10名の専門家からなるパネル
の合計点数で評価した。官能検査結果を表23に示す。
その結果、本発明品であるポテトサラダ1,ポテトサラ
ダ2は、基準品であるポテトサラダ4に比して、酸味臭
の少なさ、艶、特に艶において優れていたが、比較品で
あるポテトサラダ3は酸味臭の点で著しく劣化してい
た。
【0081】
【表23】
【0082】
【発明の効果】本発明に係る食品用日持ち向上剤は、菌
類の増殖を相乗的に抑制する効果が得られ、食品の味質
の劣化が少なく、菌類による汚染が少ない食品とするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】培地1、培地11、培地13、培地16につい
て、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時
変化を示す図である。
【図2】培地2、培地11、培地13、培地17につい
て、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時
変化を示す図である。
【図3】培地3、培地11、培地13、培地18につい
て、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時
変化を示す図である。
【図4】培地4、培地11、培地14、培地16につい
て、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時
変化を示す図である。
【図5】培地5、培地11、培地14、培地17につい
て、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時
変化を示す図である。
【図6】培地6、培地11、培地14、培地18につい
て、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時
変化を示す図である。
【図7】培地7、培地11、培地15、培地16につい
て、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時
変化を示す図である。
【図8】培地8、培地11、培地15、培地17につい
て、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時
変化を示す図である。
【図9】培地9、培地11、培地15、培地18につい
て、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時
変化を示す図である。
【図10】培地10、培地11、培地12、培地18に
ついて、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の
経時変化を示す図である。
【図11】培地19、培地21、培地22、培地24に
ついて、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の
経時変化を示す図である。
【図12】培地20、培地21、培地23、培地24に
ついて、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の
経時変化を示す図である。
【図13】培地25、培地28、培地29、培地32に
ついて、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の
経時変化を示す図である。
【図14】培地26、培地28、培地30、培地32に
ついて、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の
経時変化を示す図である。
【図15】培地27、培地28、培地31、培地32に
ついて、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の
経時変化を示す図である。
【図16】培地33、培地39、培地40、培地42に
ついて、Staphylococcus aureusを添加した際の培地濁
度の経時変化を示す図である。
【図17】培地34、培地39、培地40、培地43に
ついて、Staphylococcus aureusを添加した際の培地濁
度の経時変化を示す図である。
【図18】培地35、培地39、培地40、培地44に
ついて、Staphylococcus aureusを添加した際の培地濁
度の経時変化を示す図である。
【図19】培地36、培地39、培地41、培地42に
ついて、Staphylococcus aureusを添加した際の培地濁
度の経時変化を示す図である。
【図20】培地37、培地39、培地41、培地43に
ついて、Staphylococcus aureusを添加した際の培地濁
度の経時変化を示す図である。
【図21】培地38、培地39、培地41、培地44に
ついて、Staphylococcus aureusを添加した際の培地濁
度の経時変化を示す図である。
【図22】カスタードクリーム中の一般生菌数につい
て、その経時変化を示す図である。
【図23】卵焼き中の一般生菌数について、その経時変
化を示す図である。
【図24】蒸しパン中の一般生菌数について、その経時
変化を示す図である。
【図25】卵サラダ中の一般生菌数について、その経時
変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角田 高宏 静岡県富士市元町10−30 セジュール元町 105 (72)発明者 八木 芙雪 静岡県富士市平垣476−1 コーポヤマク ロ201 Fターム(参考) 4B021 LA41 MC01 MK20 MK23 MK28

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糖アルコールとリゾチームとを含むこと
    を特徴とする食品用日持ち向上剤。
  2. 【請求項2】 糖アルコールとリゾチームとの重量比
    が、500000〜20:1であることを特徴とする請
    求項1記載の食品用日持ち向上剤。
  3. 【請求項3】 さらに、有機酸、有機酸塩、アミノ酸、
    アミノ酸塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上を
    含むことを特徴とする請求項1又は2記載の食品用日持
    ち向上剤。
  4. 【請求項4】 糖アルコールとして結晶性マルチトール
    を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載
    の食品用日持ち向上剤。
  5. 【請求項5】 アミノ酸としてグリシンを用いることを
    特徴とする請求項3又は4記載の食品用日持ち向上剤。
  6. 【請求項6】 有機酸としてアジピン酸を用いることを
    特徴とする請求項3〜5のいずれか記載の食品用日持ち
    向上剤。
  7. 【請求項7】 有機酸塩として酢酸ナトリウムを用いる
    ことを特徴とする請求項3〜6のいずれか記載の食品用
    日持ち向上剤。
  8. 【請求項8】 バチルス・ズブチリス(Bacillus subti
    lis)及び/又はスタフィロコッカス・アウレウス(Sta
    phylococcus aureus)の増殖を8時間以上抑制しうるこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の食品用日
    持ち向上剤。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか記載の食品用日
    持ち向上剤を食品に添加することを特徴とする日持ちが
    向上する食品の製造方法。
  10. 【請求項10】 食品中に含まれる糖アルコール及びリ
    ゾチームの含有量が、糖アルコール0.1重量%以上、
    リゾチーム1ppm以上であることを特徴とする請求項
    9記載の日持ちが向上する食品の製造方法。
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