JP4145120B2 - 食品用日持ち向上剤及び日持ちが向上する食品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、糖アルコールとリゾチームを組合わせることにより、相乗的に菌類の増殖を抑制し、食品の日持ちを向上させることが可能な食品用日持ち向上剤、及び食品用日持ち向上剤を用いることで日持ちが向上し、かつ食品の味質が損なわれない食品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スーパーマーケット、コンビニエンスストア、惣菜屋など、店頭に並ぶお弁当、調理済食品、加工食品、及び種々の食品素材などは、製造直後に消費者の口に入ることは少なく、製造現場から販売する場所までの輸送に要する時間、商品の包装や陳列に要する時間、店頭で購入した消費者が自宅に持ちかえるのに要する時間など、ある一定の時間が経過した後に食べられるのが一般的である。通常これらの食品類は、製造後ある一定の比較的短時間内に食されるために、衛生面や食品の安全性において問題となることは少ない。しかしながら、これらの食品素材は、時間の経過と共に腐敗菌や食中毒菌などの有害菌が徐々に増殖し、最終的には食品の摂取が不可能となってしまう。
【0003】
近年、消費者の志向は、食品の菌類による汚染にますます敏感になっている反面、食品の保存性を高める添加物の存在にも高い関心を持っていることから、食品中における経時的な菌類の増殖抑制と、菌類の増殖抑制を目的とする添加物の選択は、食品素材を提供する者にとって常に最優先で検討しなければならない課題となっている。
【0004】
従来から食品中の菌類の増殖を抑える手段として、アミノ酸や有機酸などの酸類及びその塩、グリセリン脂肪酸エステルに代表される乳化剤、エタノールなどが使用されているが、これらの成分に由来する味質は好ましいものではなく、食品全体の風味に影響を与えてしまうという問題点があった。
【0005】
また、菌類の増殖を抑える別の手段として、食品素材に糖類や糖アルコール類などを添加して水分活性を低下させる方法により、食品素材の日持ち期間の改良が行われているが、水分活性を低下させるには、糖類や糖アルコール類を食品素材に対して高濃度の割合で含有させる必要があるため、食品が粘性を持ち食感が悪くなる、食品が甘くなりすぎてしまう、など使用用途が制限されるという問題点を有していた。例えば、糖アルコールを添加した食品の保存方法として、食品に対して、その重量を100として、酢酸イオンを0.02〜1.0、糖アルコールを0.01〜0.5、グルタミン酸を0.05〜1.0、カリウムを0.005〜0.2、イノシン酸を0.001〜0.2の重量比率にて配合することを特徴とする保存性に優れ、かつ、良好な呈風味を有する食品の製造方法(特許文献1参照)や、米飯に対して0.1〜30重量%のトレハロースおよび0.1〜30重量%の糖アルコールを含有することを特徴とする米飯食品(特許文献2参照)等が提案されている。
【0006】
また、リゾチームも食品の日持ち向上剤としてよく利用されており、リゾチームを用いた食品の日持ち向上剤としては、リゾチームとHLB値が13以上であるショ糖脂肪酸エステルが含有されている食品等に有用な抗菌剤(特許文献3参照)や、ジグリセリンモノカプリル酸エステル、テトラグリセリンモノカプリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステルとリゾチーム、ポリリジン又はその塩、グリシン、有機酸および又は有機酸塩類等を組み合わせた食品保存剤(特許文献4参照)や、ポリグリセリン脂肪酸エステルとリゾチームを併用する食品の保存法(特許文献5参照)や、ポリグリセリン脂肪酸エステル、リゾチーム、プロタミンを併用する食品の保存法(特許文献6参照)や、リゾチーム、低級モノグリセライド、エタノールからなる食品保存剤(特許文献7参照)や、グルコン酸ナトリウムもしくはグルコン酸カリウムおよびグリシンの混合物に、有機酸およびその塩類、エタノール、ショ糖脂肪酸エステル、ビタミンB1エステル、ε−ポリリジン、プロタミン、リゾチーム、キトサン、重合リン酸塩類から成る群より選ばれた、1種または2種以上を含有する食品用保存剤(特許文献8,9参照)や、リゾチームと、アラニンとを含有することを特徴とする食品用保存剤(特許文献10参照)や、アジピン酸,クエン酸,酒石酸,フマル酸及びリンゴ酸から選ばれる少なくとも1種の有機酸及び/又はその塩0.1〜30%,リゾチーム0.01〜10%,エタノール0.1〜90%,及び飽和脂肪酸の炭素数が8〜12のグリセリン脂肪酸エステル0.05〜50%を有効成分として含有する食品用日持ち向上剤(特許文献11参照)や、リゾチーム、グリシン、酢酸ナトリウムおよび10〜30重量%のアジピン酸を含有することを特徴とする食品日持向上剤やリゾチーム、グリシン、酢酸ナトリウム、フマル酸および10〜30重量%のアジピン酸を含有することを特徴とする食品日持向上剤(特許文献12参照)等が提案されている。
【0007】
また、カルシウム塩と、クエン酸3ナトリウム、クエン酸1カリウム、乳酸ナトリウム、フマル酸1ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、DL−酒石酸ナトリウム、コハク酸1ナトリウム、酢酸ナトリウム、グリシン、低級脂肪酸モノグリセリド、ε−ポリリジン、プロタミン、リゾチームおよび孟宗竹抽出物からなる群から選択される1種または2種以上の物質とを含有するボイル野菜日持向上剤(特許文献13参照)や、グリシン及び酢酸ナトリウムと共に、リゾチーム、チアミンラウリル硫酸塩、グリセリン脂肪酸エステル及び孟宗竹抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とする赤飯の保存性向上剤(特許文献14参照)や、リゾチーム、酢酸およびビタミンB1を含有することを特徴とする魚卵日持向上剤(特許文献15参照)や、プロタミンやリゾチーム等の塩基性蛋白・ペプチド、グリシン及びクエン酸ナトリウムを含有する中華麺用保存剤(特許文献16参照)等が提案されている。
【0008】
その他、塩化リゾチーム、塩酸ブロムヘキシン、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン又はメコバラミンといった25℃の水に対する溶解度が1g/L以上である水溶性薬物と、カラギーナン、キサンタンガムおよびローカストビーンガムから選ばれる植物性の高分子ゲル化剤と、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、キシリトールおよびトレハロースから選ばれる糖アルコールおよび水からなる、嚥下能力の低い老人や小児でも容易に服用でき、かつ、服用時に水を必要としない、服用性良好なゲル状組成物(特許文献17参照)が知られている。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−10768号公報
【特許文献2】
特開平9−163943号公報
【特許文献3】
特開2002−234808号公報
【特許文献4】
特開平6−261725号公報
【特許文献5】
特開平1−218577号公報
【特許文献6】
特開平2−23856号公報
【特許文献7】
特公平6−6049号公報
【特許文献8】
特開2001−258527号公報
【特許文献9】
特開2000−201660号公報
【特許文献10】
特開平5−336941号公報
【特許文献11】
特開平5−72号公報
【特許文献12】
特許第3328457号公報
【特許文献13】
特開2001−112411号公報
【特許文献14】
特開平11−313622号公報
【特許文献15】
特開2000−37161号公報
【特許文献16】
特開平10−127239号公報
【特許文献17】
特開2000−281562号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、菌の増殖による食品の変敗・腐敗を一定期間防止し、かつ、食品に添加しても味質を損なうことがなく、さらに、菌類の増殖を抑制するために使用する添加物の種類や使用量をできるだけ少なくした、新しい食品用日持ち向上剤や、かかる食品用日持ち向上剤を用いた日持ちが向上する食品の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究し、リゾチームと糖アルコールを組合わせて食品に添加することにより、食品素材中における腐敗菌や食中毒菌などの菌類の増殖を防止する効果が相乗的に高められることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
本発明者らによって見い出された食品用日持ち向上剤は、本質的に、糖アルコールとリゾチームの2種類だけの組合わせで十分な効果を有しており、その味質が酸味やにがみといった不快な味を呈していないため、食品中へ添加しても食品に不快な味質を付与することがなく、更に酸味、にがみ、渋味、えぐ味、などの不快な味をマスキングする好ましい効果も有しており、食品に対する日持ち向上性の付与以外に、味質においても満足できるものであった。
【0013】
すなわち、本発明は糖アルコールとリゾチームとを含み、糖アルコールとリゾチームとの重量比が、500000〜20:1であることを特徴とする食品用日持ち向上剤(請求項1)や、さらに、有機酸、有機酸塩、アミノ酸、アミノ酸塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1記載の食品用日持ち向上剤(請求項2)や、糖アルコールとして結晶性マルチトールを用いることを特徴とする請求項1又は2記載の食品用日持ち向上剤(請求項3)や、アミノ酸としてグリシンを用いることを特徴とする請求項2又は3記載の食品用日持ち向上剤(請求項4)や、有機酸としてアジピン酸を用いることを特徴とする請求項2〜4のいずれか記載の食品用日持ち向上剤(請求項5)や、有機酸塩として酢酸ナトリウムを用いることを特徴とする請求項2〜5のいずれか記載の食品用日持ち向上剤(請求項6)や、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)及び/又はスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)の増殖を8時間以上抑制しうることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の食品用日持ち向上剤(請求項7)や、請求項1〜7のいずれか記載の食品用日持ち向上剤を、糖アルコール濃度が0.1〜30%、リゾチーム1ppm以上となるように食品に添加することを特徴とする日持ちが向上する食品の製造方法(請求項8)に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の食品用日持ち向上剤としては、糖アルコールとリゾチームとを含むものであれば特に制限されるものではなく、本発明の食品用日持ち向上剤による日持ち向上効果は、本質的に糖アルコールとリゾチームの相乗効果によるものであるため、糖アルコール類とリゾチームの添加は必須である。また、両者の配合割合は、対象食品の種類や形態、菌類の増殖抑制期間、食品への味質への影響の度合によっても、適宜変更することが可能であるが、糖アルコールとリゾチームの重量比が500000〜20:1、好ましくは10000〜30:1、更に好ましくは1000〜40:1、最も好ましくは400〜70:1の日持ち向上剤が、腐敗菌や食中毒菌などの菌類の増殖抑制効果や、食品本来の風味や食感の維持・改善効果の点で好ましい。
【0015】
上記本発明の食品用日持ち向上剤に使用する糖アルコールとしては、糖類を水素化したものであればその品質など特に制限されないが、糖アルコールの中でも、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、還元パラチノース、キシロビイトール、セロビトール、重合度1乃至2の水素化された糖類を固形分当たり60重量%以上含有する還元澱粉加水分解物、あるいは重合度1乃至2の水素化された糖類を固形分当たり60重量%以上含有する還元キシロオリゴ糖を好適に例示することができ、これらは1種単独又は2種以上を組合せて使用することができる。
【0016】
また、上記糖アルコールの中でも、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトールは、日持ち向上作用と味質の両面において優れた効果が得られ易いこと、粉末状の形態で取り扱うことが可能であること、粉末状の形態で使用しても水に対する溶解性に優れていることから食品中への拡散が容易であること、等の点から好ましい。これらの中でも特に好ましいのはソルビトールとマルチトールであり、マルチトールについては結晶品や含蜜結晶品などの結晶性マルチトールが好適に使用できる。
【0017】
上記本発明の食品用日持ち向上剤に使用するリゾチームとしては、細菌細胞壁のペプチドグリカンに作用し、N−アセチルムラミン酸とN−アセチルグルコサミンとの間のβ−1,4−ムラミド結合を加水分解する酵素活性を有するものであればどのようなものでもよく、動物の各種組織・分泌液、卵白、キャベツやカブ等の植物、納豆菌発酵物、遺伝子組換え産物など、その由来は制限されないが、入手の容易さから卵白から抽出したリゾチーム(卵白リゾチーム)が好ましく、かかる卵白リゾチーム等として市販品を有利に用いることができる。
【0018】
本発明の食品用日持ち向上剤は、本質的に、糖アルコールとリゾチームの2種類だけの組合わせで十分な効果を有するものであるが、糖アルコールとリゾチームに加えて、アミノ酸やその塩といったアミノ酸類、有機酸やその塩といった有機酸類などを併用することで、食品中の菌類の増殖をさらに効果的に抑制することができる。好ましいアミノ酸類としては、グリシンやアラニンを挙げることができ、特に好ましいのはグリシンである。また、好ましい有機酸類としては、酢酸、アジピン酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、ポリリン酸やそれらの塩類を挙げることができ、特に好ましいのは酢酸ナトリウムやアジピン酸であり、最も好ましいのは酢酸ナトリウムである。
【0019】
アミノ酸類や有機酸類を添加した本発明の日持ち向上剤の場合、糖アルコール40.00〜95.00重量%、リゾチーム0.01〜2.00重量%、アミノ酸類及び/又は有機酸類4.99〜59.99重量%の配合が好ましく、特に好ましくは、糖アルコール44.00〜85.00重量%、リゾチーム0.10〜1.50重量%、アミノ酸類及び/又は有機酸類13.50〜55.90重量%である。例えば、グリシンを添加する場合、糖アルコール50.00〜95.00重量%、リゾチーム0.01〜2.00重量%、グリシン3.00〜49.90重量%の配合が好ましく、特に好ましくは、糖アルコール60.00〜80.00重量%、リゾチーム0.10〜1.50重量%、アミノ酸類及び/又は有機酸類18.5〜39.9重量%である。また、アミノ酸類としてグリシン、有機酸類として無水酢酸ナトリウムとアジピン酸を添加する場合、糖アルコール40.00〜95.00重量%、リゾチーム0.01〜2.00重量%、グリシン4.89〜59.89重量%、無水酢酸ナトリウム0.05.0〜35.00重量%、アジピン酸0.05〜9.50重量%の配合が好ましく、特に好ましくは、糖アルコール44.00〜85.00重量%、リゾチーム0.10〜1.50重量%、グリシン7.00〜43.0重量%、無水酢酸ナトリウム5.00〜30.00重量%、アジピン酸1.00〜8.00重量%である。
【0020】
本発明の食品用日持ち向上剤としては、上記有機酸類やアミノ酸類以外にも、通常の食品用日持ち向上剤に用いられる配合成分、例えば、エタノール、低級脂肪酸モノグリセライド、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤、ポリリジン、プロタミン、辛子抽出物、ワサビ抽出物、柑橘種子抽出物、キトサン等の天然抽出物や、これら以外の食品用添加物などを必要に応じて適宜混合して調製したものを用いてもよく、たとえこれら配合成分や添加物に酸味、にがみ、渋味、えぐ味などの不快な味質があったとしても、糖アルコールによってマスキングされるため、食品に添加した場合に食品の味質を損なうことのない食品用日持ち向上剤として使用することができる。
【0021】
上記本発明の食品用日持ち向上剤には、糖アルコールの種類、糖アルコールとリゾチームとの配合割合(重量比)など、種々の態様のものが含まれるが、これらの中でも、その適量を用いた場合に、代表的な腐敗菌であるバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)及び/又は代表的な食中毒菌であるスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)の増殖を8時間以上、好ましくは24時間以上、より好ましくは48時間以上抑制しうるものを好適に例示することができる。ここでバチルス・ズブチリス及び/又はスタフィロコッカス・アウレウスの増殖を抑制しうるとは、後述の実施例1に記載の増殖抑制試験方法により測定した所定時間後の培地の吸光度(OD値)が0.1以下である場合をいう。
【0022】
また、本発明の食品用日持ち向上剤の中でも、その適量を対象となる食品に用いた場合に、所定時間後の食品中の一般生菌数が所定値以下となるものが好ましく、具体的には、食品製造後、所定温度、例えば10〜30℃に調整した恒温槽中で24時間経過した時点において、食品1g当たりの一般生菌数が、1.0×104以下、好ましくは1.0×103以下、更に好ましくは1.0×102以下、最も好ましくは1.0×101以下のレベルに抑制しうるものや、48時間経過した時点において、食品1g当たりの一般生菌数が、1.0×106以下、好ましくは1.0×105以下、更に好ましくは1.0×104以下、最も好ましくは1.0×103以下のレベルに抑制しうるものや、72時間経過した時点において、食品1g当たりの一般生菌数が、1.0×106以下、好ましくは1.0×105以下、更に好ましくは1.0×104以下、最も好ましくは1.0×103以下のレベルに抑制しうるものを、本発明の食品用日持ち向上剤として好適に例示することができる。なお、一般生菌数の測定は、後述する実施例6記載のサンプル中の一般生菌数の測定方法にしたがった。
【0023】
さらに、本発明の食品用日持ち向上剤の中でも、その適量を対象となる食品に用いた場合に、所定時間後の食品中の一般生菌数の初発菌数からの増加割合が所定値以下となるものが好ましく、具体的には、食品製造後、所定温度、例えば10〜30℃に調整した恒温槽中で24時間経過した時点において、一般生菌数の増加が初発菌数の1000倍以下、好ましくは100倍以下、更に好ましくは10倍以下、最も好ましくは菌数の増加が殆ど見られないレベルにまで、菌類の増殖を抑制しうるものや、食品製造から48時間経過した時点において、一般生菌数の増加が初発菌数の100000倍以下、好ましくは10000倍以下、更に好ましくは1000倍以下、特に好ましくは100倍以下、最も好ましくは10倍以下のレベルにまで、菌類の増殖を抑制しうるものや、食品製造から72時間経過した時点において、一般生菌数の増加が初発菌数の100000倍以下、好ましくは10000倍以下、更に好ましくは1000倍以下のレベルにまで、菌類の増殖を抑制しうるものを、本発明の食品用日持ち向上剤として好適に例示することができる。なお、一般生菌数の測定は、後述する実施例6記載のサンプル中の一般生菌数の測定方法にしたがった。
【0024】
本発明の食品用日持ち向上剤は、食品用日持ち向上剤を添加する食品の形態や添加時期に応じ、液状、粉末状、錠剤などの形状で使用することが可能である。なかでも、取扱いが容易なこと、食品用日持ち向上剤中の成分を長期間安定的に保持できること、食品に対して均一に拡散させることが容易なことなどから粉末状の形態での使用が好ましい。
【0025】
次に、本発明の日持ちが向上する食品の製造方法としては、上述の本発明の食品用日持ち向上剤を食品(食品素材を含む)に添加する方法であれば特に制限されるものではないが、食品中に含まれる糖アルコール及びリゾチームの含有量は、食品の種類、食品の通常の保管・流通状態、糖アルコール及びリゾチームの配合比、糖アルコールの種類等により一概にいえないが、それぞれ糖アルコールが0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上、より好ましくは0.4重量%以上、リゾチームが1ppm以上、好ましくは4ppm以上、より好ましくは20ppm以上、最も好ましくは30ppm以上、となるように添加することが、食品の日持ち向上の点で好ましい。
【0026】
本発明の食品用日持ち向上剤を食品に添加する方法に特に制限はなく、例えば、食品原材料中に予め添加する方法、食品の加工途中に添加する方法、食品用日持ち向上剤を含有する溶液を噴霧する、もしくは該水溶液中に含浸させる方法、加工や調理済の完成した食品に対して直接添加する方法などを具体的に挙げることができる。
【0027】
また、本発明の日持ちが向上する食品の製造方法としては、所定時間後の食品中の一般生菌数が所定値以下となる方法が好ましく、具体的には、通常の食品の保管・流通状態で食品製造から24時間経過した時点において、食品1g当たりの一般生菌数が、1.0×104以下、好ましくは1.0×103以下、更に好ましくは1.0×102以下、最も好ましくは1.0×101以下のレベルに抑制しうる方法や、48時間経過した時点において、食品1g当たりの一般生菌数が、1.0×106以下、好ましくは1.0×105以下、更に好ましくは1.0×104以下、最も好ましくは1.0×103以下のレベルに抑制しうる方法や、72時間経過した時点において、食品1g当たりの一般生菌数が、1.0×106以下、好ましくは1.0×105以下、更に好ましくは1.0×104以下、最も好ましくは1.0×103以下のレベルに抑制しうる方法を、本発明の日持ちが向上する食品の製造方法として好適に例示することができる。なお、一般生菌数の測定は、後述する実施例6記載のサンプル中の一般生菌数の測定方法にしたがった。
【0028】
さらに、本発明の日持ちが向上する食品の製造方法としては、所定時間後の食品中の一般生菌数の初発菌数からの増加割合が所定値以下となる方法が好ましく、具体的には、通常の食品の保管・流通状態で食品製造から24時間経過した時点において、一般生菌数の増加が初発菌数の1000倍以下、好ましくは100倍以下、更に好ましくは10倍以下、最も好ましくは菌数の増加が殆ど見られないレベルにまで、菌類の増殖を抑制しうる方法や、食品製造から48時間経過した時点において、一般生菌数の増加が初発菌数の100000倍以下、好ましくは10000倍以下、更に好ましくは1000倍以下、特に好ましくは100倍以下、最も好ましくは10倍以下のレベルにまで、菌類の増殖を抑制しうる方法や、食品製造から72時間経過した時点において、一般生菌数の増加が初発菌数の100000倍以下、好ましくは10000倍以下、更に好ましくは1000倍以下のレベルにまで、菌類の増殖を抑制しうる方法を、本発明の日持ちが向上する食品の製造方法として好適に例示することができる。なお、一般生菌数の測定は、後述する実施例6記載のサンプル中の一般生菌数の測定方法にしたがった。
【0029】
本発明に係る食品用日持ち向上剤の使用用途に特に限定はなく、例えば、ポテトサラダ、マカロニサラダ、野菜サラダ、ハンバーグ、肉団子、シュウマイ、ギョウザ、卵焼き、から揚げ、フライ食品、天ぷら、グラタン、パスタ料理、和え物、煮物、炒め物、焼き魚、等の惣菜類、蒲鉾、竹輪、揚げかま、つみれ、すり身、等の水産練り製品、ハム、ソーセージ、ベーコン、等の畜肉製品、水羊羹、餡、餅、カスタードクリーム、プリン等の和洋菓子類、クッキー、パン、ケーキ、ゼリー、煎餅などの焼き菓子類、冷菓、チューインガム等の菓子類や、生麺、茹で麺等の麺類、米飯、かやくご飯、炊き込みご飯、ピラフ、焼き飯、その他の米飯を用いた調理食品類、ソース、ドレッシング、マヨネーズ、焼き肉のたれ等の調味料類、ジャム類、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、ジュース、牛乳、豆乳、コーヒー、紅茶、煎茶、ウーロン茶、スポーツ飲料等の各種飲料類、その他の調理食品、加工食品、調味料、及び種々の食品素材に利用することができる。
【0030】
本発明の食品用日持ち向上剤は、経時的に腐敗菌及び/又は食中毒菌などの菌類の増殖が予測されるお弁当、調理食品、加工食品、及び種々の食品素材などに対して、その増殖をある一定期間抑制することが可能であり、結果的に食品用日持ち向上剤を添加しない食品よりも、ある一定期間において、微生物、特に細菌類による食品類の汚染が明らかに少ない状態を提供することができる。また、構成成分が糖アルコールとリゾチームからなる本発明の食品用日持ち向上剤は、調製が非常に容易なだけでなく、味質も優れており、添加量が増加しても食品の風味を損ないにくいという特徴がある。
【0031】
【実施例】
本発明に係る食品用日持ち向上剤の効果について、以下に示す実施例で詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。また、本実施例においては、リゾチームとして「Lysozyme Base Powder(LOT LC 0401、Canadian Inovatech Inc.製)」を、ソルビトールとして「ソルビットDP(東和化成工業株式会社製)」を、エリスリトールとして三菱化学フーズ株式会社製を、マルチトールとして「レシス;結晶マルチトール(東和化成工業株式会社製)」又は「アマルティMR;マルチトール含蜜結晶(東和化成工業株式会社製)」を使用した。また、グリシンとして昭和電工株式会社製を、また、酢酸ナトリウムとして「酢酸ナトリウム(無水)(日本合成化学工業株式会社製)」を、また、アジピン酸として「アサピック(旭化成株式会社製)」を使用した。なお、本実施例中に記載されている%の表記は、特に断りのない限り重量%を表す。
【0032】
実施例1[増殖抑制試験方法]
(基礎培地の調製)
基礎培地の組成を以下に示す。なお、ペプトンとしては、ポリペプトンS(新日本製薬株式会社製)、酵母エキスとしては、粉末酵母エキスD−3(新日本製薬株式会社製)、グルコース(試薬特級)、Tween80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、試薬特級)を使用した。
基礎培地の組成
ペプトン :0.5%
酵母エキス :0.25%
グルコース :0.1%
Tween80 :0.05%
滅菌蒸留水 :99.1%
【0033】
(前培養培地の調製)
上記基礎培地に水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを7.0に調整後、試験管(φ18×130mm)に5ml分注し、オートクレーブで滅菌(121℃、15分)したものを前培養培地とした。
【0034】
(供試菌株の前培養物の調製)
供試菌株として、バチルス・ズブチリス IFO 3009(Bacillus subtilis subsp. subtilis)とスタフィロコッカス・アウレウス IFO 12712を用いた。これら供試菌株をそれぞれスラント内で培養したものを種菌として用い、上記前培養培地に1白金耳接種し、30℃、80rpmで24時間振盪培養を行い、それぞれバチルス・ズブチリスとスタフィロコッカス・アウレウスの前培養物を得た。
【0035】
(増殖抑制試験用培地の調製)
上記基礎培地中の糖アルコールとリゾチームとが所定の終濃度となるように、以下の要領にて増殖抑制試験用培地の調製を行った。基礎培地に所定量の糖アルコールを添加し、希塩酸でpH6.0に調整後、試験管(φ18×180mm)に9ml分注し、オートクレーブで滅菌(121℃、15分)した。次いで、ろ過滅菌したリゾチーム水溶液1mlを無菌的に添加し、増殖抑制試験用培地とした。リゾチームを含有しない培地の調製では、リゾチーム水溶液に代わり滅菌水1mlを添加し、培地中のリゾチーム含有量が0ppmとなるようにした。
【0036】
(増殖抑制試験)
増殖抑制試験用培地に、上記供試菌株の前培養物100μlを接種し、30℃、80rpmで48時間又は50時間振盪培養を行った。所定時間後の供試菌株の増殖度合を、培養液の濁度値(以下、OD値)の測定値で表した。培養液の濁度の測定には、菌濃度測定用光度計BACT−550(株式会社ジコー製)を用いた。
【0037】
実施例2[ソルビトールとリゾチームによるバチルス・ズブチリスの増殖抑制相乗効果]
実施例1記載の方法に従い、ソルビトール含有量とリゾチーム含有量が、表1に示す組成となるように調製した増殖抑制試験用培地を用いて、48時間培養する増殖抑制試験を行った。結果を図1〜10に示す。なお、図中のSorはソルビトールを、Lysはリゾチームを表す。これらの結果から、ソルビトール10%とリゾチーム1ppmとの組合せ(図1)は8時間以上、ソルビトール10%とリゾチーム2ppmとの組合せ(図2)は24時間以上、ソルビトール10%とリゾチーム4ppmとの組合せ(図3)、ソルビトール20%とリゾチーム1ppmとの組合せ(図4)、ソルビトール20%とリゾチーム2ppmとの組合せ(図5)、ソルビトール20%とリゾチーム4ppmとの組合せ(図6)、ソルビトール30%とリゾチーム1ppmとの組合せ(図7)、ソルビトール30%とリゾチーム2ppmとの組合せ(図8)、ソルビトール30%とリゾチーム4ppmとの組合せ(図9)はいずれも48時間以上、ソルビトール5%とリゾチーム4ppmとの組合せ(図10)は32時間以上、それぞれバチルス・ズブチリスの増殖を抑制しうることがわかった。一方、相当する量のソルビトール及び/又はリゾチームを含まないものは、すべてバチルス・ズブチリスの増殖を抑制し得ないことがわかった。これらのことから、バチルス・ズブチリスの増殖抑制はソルビトールとリゾチームとの相乗効果によるものと考えられる。
【0038】
【表1】
Figure 0004145120
【0039】
実施例3[エリスリトールとリゾチームによるバチルス・ズブチリスの増殖抑制相乗効果]
実施例1記載の方法に従い、エリスリトール含有量とリゾチーム含有量が、表2に示す組成となるように調製した増殖抑制試験用培地を用いて、50時間培養する増殖抑制試験を行った。結果を図11、12に示す。なお、図中のEryはエリスリトールを、Lysはリゾチームを表す。これらの結果から、エリスリトール5%とリゾチーム4ppmとの組合せ(図11)は32時間以上、エリスリトール10%とリゾチーム4ppmとの組合せ(図12)は50時間以上、それぞれバチルス・ズブチリスの増殖を抑制しうることがわかった。一方、相当する量のエリスリトール及び/又はリゾチームを含まないものは、すべてバチルス・ズブチリスの増殖を抑制し得ないことがわかった。これらのことから、バチルス・ズブチリスの増殖抑制はエリスリトールとリゾチームとの相乗効果によるものと考えられる。
【0040】
【表2】
Figure 0004145120
【0041】
実施例4[マルチトールとリゾチームによるバチルス・ズブチリスの増殖抑制相乗効果]
実施例1記載の方法に従い、マルチトール(レシス)含有量とリゾチーム含有量が、表3に示す組成となるように調製した増殖抑制試験用培地を用いて、48時間培養する増殖抑制試験を行った。結果を図13〜15に示す。なお、図中のMalはマルチトールを、Lysはリゾチームを表す。これらの結果から、マルチトール5%とリゾチーム4ppmとの組合せ(図13)、マルチトール10%とリゾチーム4ppmとの組合せ(図14)、マルチトール20%とリゾチーム4ppmとの組合せ(図15)はいずれも48時間以上バチルス・ズブチリスの増殖を抑制しうることがわかった。一方、相当する量のマルチトール及び/又はリゾチームを含まないものは、すべてバチルス・ズブチリスの増殖を抑制し得ないことがわかった。これらのことから、バチルス・ズブチリスの増殖抑制はマルチトールとリゾチームとの相乗効果によるものと考えられる。
【0042】
【表3】
Figure 0004145120
【0043】
実施例5[ソルビトールとリゾチームによるスタフィロコッカス・アウレウスの増殖抑制相乗効果]
実施例1記載の方法に従い、ソルビトール含有量とリゾチーム含有量が、表4に示す組成となるように調製した増殖抑制試験用培地を用いて、48時間培養する増殖抑制試験を行った。結果を図16〜21に示す。なお、図中のSorはソルビトールを、Lysはリゾチームを表す。これらの結果から、ソルビトール20%とリゾチーム50ppmとの組合せ(図16)は24時間以上、ソルビトール20%とリゾチーム100ppmとの組合せ(図17)、ソルビトール20%とリゾチーム200ppmとの組合せ(図18)、ソルビトール30%とリゾチーム50ppmとの組合せ(図19)、ソルビトール30%とリゾチーム100ppmとの組合せ(図20)、ソルビトール30%とリゾチーム200ppmとの組合せ(図21)はいずれも48時間以上、それぞれスタフィロコッカス・アウレウスの増殖を抑制しうることがわかった。一方、相当する量のソルビトール及び/又はリゾチームを含まないものは、すべてスタフィロコッカス・アウレウスの増殖を抑制し得ないことがわかった。これらのことから、スタフィロコッカス・アウレウスの増殖抑制はソルビトールとリゾチームとの相乗効果によるものと考えられる。
【0044】
【表4】
Figure 0004145120
【0045】
実施例6[サンプル中の一般生菌数の測定方法]
サンプル中の一般生菌数の測定は以下の方法で行った。まず、所定時間、所定温度で保存(静置培養)したサンプル10gと希釈水90gを、ストマッカー用の滅菌袋に入れてストマッカーSH−IIM(株式会社エルメックス製)で15〜60秒程度、完全に乳化するまでホモジナイズし、乳化状物を得た。次に、予め希釈水4.5mlが分注された滅菌済み試験管に、得られた乳化状物0.5mlを加えて十分に攪拌し10倍希釈液を得た。以下、測定するサンプル中の菌の増殖具合により、さらに希釈水4.5mlに対し先の希釈液0.5mlを添加する同様の方法により10倍希釈を繰り返し、一般生菌数測定用のサンプル溶液とした。次いで、所定濃度に希釈したサンプル溶液1mlを、20mlの寒天培地を加えたプレート上表面に均一になるように加え、培地表面が乾燥した後、培地を上に向けて、30℃の恒温槽で培養を行い、24〜48時間後にコロニー数をカウントし、希釈倍率に基づき、サンプル1g中の一般生菌数を求めた。なお、サンプルの希釈に使用する希釈水は、塩化ナトリウム0.85%、ペプトン0.1%、蒸留水99.05%の組成を有し、塩化ナトリウムは試薬特級(和光純薬工業株式会社製)、ペプトンはポリペプトンS(新日本製薬株式会社製)、水は滅菌した蒸留水をそれぞれ使用した。また、一般生菌数の測定に用いる寒天培地には、標準寒天培地(栄研器材株式会社製)23.5gを1000mlの滅菌蒸留水に溶かしたものを使用した。
【0046】
実施例7[カスタードクリーム中の一般生菌数の測定]
(カスタードクリームの調製)
砂糖125g、牛乳350gを容器に入れ、70℃に加熱した後、予め篩に掛けた薄力粉12.5gと、コーンスターチ3g、卵黄25gを添加し、均一になるまで攪拌したものを裏ごしした。裏ごし後、ゆっくりと加熱して煮詰めを行い、Brix濃度が45%になった時点で、7.26gのソルビトールと0.002gのリゾチームを添加した。その後、さらに加熱を行い、最終的にBrix濃度が50%になるまで煮詰めた。煮詰め終了後、ステンレス製のバットに入れて18℃の室温で1時間放冷し、カスタードクリームを調製した(試料1)。また、カスタードクリームの調製過程で、ソルビトールのみを同量添加したもの(試料2)、リゾチームのみを同量添加したもの(試料3)、ソルビトールとリゾチームを添加しないもの(試料4)も調製した。カスタードクリーム原料の配合量を表5に示す。
【0047】
【表5】
Figure 0004145120
【0048】
(一般生菌数の経時変化)
次に、調製したカスタードクリーム約15gをプラスチック容器に取り分けて、20℃に調節した恒温槽に保存、カスタードクリーム中の一般生菌数の経時変化を実施例6記載の方法で測定した。結果を図22に示す。この結果から、ソルビトール(1.77%)とリゾチーム(4.87ppm)との併用は、食品1g当たりの一般生菌数が、カスタードクリーム製造から、24時間経過した時点において1.0×101以下のレベルに、48時間経過した時点において、1.0×103以下のレベルに、72時間経過した時点において1.0×104以下のレベルに抑制しうることがわかった。また、カスタードクリーム製造から、24時間経過した時点において、一般生菌数の増加が初発菌数の増加が殆ど見られないレベルまで、48時間経過した時点において、一般生菌数の増加が初発菌数の10倍以下のレベルまで、72時間経過した時点において、一般生菌数の増加が初発菌数の1000倍以下のレベルまで、菌類の増殖を抑制しうることもわかった。
【0049】
実施例8[卵焼き中の一般生菌数の測定]
(卵焼きの調製)
全卵150.00gを容器に入れ、水15.00gに予め溶解した食塩0.52g、砂糖3.00g、コーンスターチ1.50gからなる卵焼き原料に、15.00gのマルチトール(アマルティMR)及び0.05gのリゾチームを添加した。上記原料を均一に混合した後、ホットプレートで加熱して卵焼きを調製した(試料1)。また、卵焼きの調製過程で、マルチトールのみを同量添加したもの(試料2)、リゾチームのみを同量添加したもの(試料3)、マルチトールとリゾチームを添加しないもの(試料4)も調製した。卵焼き原料の配合量を表6に示す。
【0050】
【表6】
Figure 0004145120
【0051】
(一般生菌数の経時変化)
次に、調製した卵焼き約10gをプラスチック容器に取り分けて、30℃に調節した恒温槽に保存し、卵焼き中の一般生菌数の経時変化を測定した。結果を図23に示す。この結果から、マルチトール(8.11%)とリゾチーム(270ppm)との併用は、食品1g当たりの一般生菌数が、卵焼き製造から、24時間経過した時点において1.0×101以下のレベルに、48時間経過した時点において、1.0×102以下のレベルに、72時間経過した時点において1.0×103以下のレベルに抑制しうることがわかった。また、卵焼き製造から、24時間経過した時点において、一般生菌数の増加が初発菌数の増加が殆ど見られないレベルまで、48時間経過した時点において、一般生菌数の増加が初発菌数の100倍以下のレベルまで、72時間経過した時点において、一般生菌数の増加が初発菌数の1000倍以下のレベルまで、菌類の増殖を抑制しうることもわかった。
【0052】
実施例9[蒸しパン中の一般生菌数の測定]
(蒸しパンの調製)
全卵165.00g、砂糖100.00g、食塩0.70g、水30.0gを用意し、そこに20gのマルチトール(アマルティMR)及び0.03gのリゾチームを添加した。上記原料を菓子用ミキサーで約5分間混合し、その後、予め篩っておいた薄力粉とベーキングパウダーを加え、杓文字にて混合し、これを生地とした。この生地を直径約5cmで厚さ3cmの円形の型枠(アルミホイル製)に流し込み、均等にならした。型枠を蒸し器に入れて蒸成雰囲気温度99〜100℃に調節して約30分間蒸成した。蒸成した蒸しパンを番重にて放冷し、蒸しパンを調製した(試料1)。また、蒸しパンの調製過程で、マルチトールのみを同量添加したもの(試料2)、リゾチームのみを同量添加したもの(試料3)、マルチトールとリゾチームを添加しないもの(試料4)も調製した。蒸しパン原料の配合量を表7に示す。
【0053】
【表7】
Figure 0004145120
【0054】
(一般生菌数の経時変化)
次に、調製した蒸しパン約15gをポリ袋容器に取り分けて、30℃に調節した恒温槽に保存し、蒸しパン中の一般生菌数の経時変化を測定した。結果を図24に示す。この結果から、マルチトール(4.27%)とリゾチーム(64ppm)との併用は、食品1g当たりの一般生菌数が、蒸しパン製造から、24時間経過した時点において1.0×103以下のレベルに、48時間経過した時点において、1.0×106以下のレベルに抑制しうることがわかった。また、蒸しパン製造から、24時間経過した時点において、一般生菌数の増加が初発菌数の増加が殆ど見られないレベルまで、48時間経過した時点において、一般生菌数の増加が初発菌数の1000倍以下のレベルまで、菌類の増殖を抑制しうることもわかった。
【0055】
実施例10[卵サラダ中の一般生菌数の測定]
(卵サラダの調製)
鶏卵を95℃の湯中で15分間加熱し、水を用いて冷却し、殻むきした茹で卵を約0.5cm角にダイスカットしたもの80gに、マヨネーズを20g加えた。そこに10gのマルチトール(アマルティMR)及び0.012gのリゾチームを添加した。上記原料を均一になるよう混合し、卵サラダを調製した(試料1)。また、卵サラダの調製過程で、マルチトールのみを同量添加したもの(試料2)、リゾチームのみを同量添加したもの(試料3)、マルチトールとリゾチームを添加しないもの(試料4)も調製した。卵サラダ原料の配合量を表8に示す。
【0056】
【表8】
Figure 0004145120
【0057】
(一般生菌数の経時変化)
次に、調製した卵サラダ約10gをプラスチック容器に取り分けて、30℃に調節した恒温槽に保存し、卵サラダ中の一般生菌数の経時変化を測定した。結果を図25に示す。この結果から、マルチトール(9.09%)とリゾチーム(109ppm)との併用は、食品1g当たりの一般生菌数が、卵サラダ製造から、24時間経過した時点において1.0×104以下のレベルに、48時間経過した時点において、1.0×106以下のレベルに抑制しうることがわかった。また、卵サラダ製造から、24時間経過した時点において、一般生菌数の増加が初発菌数の1000倍以下のレベルまで、48時間経過した時点において、一般生菌数の増加が初発菌数の100000倍以下のレベルまで、菌類の増殖を抑制しうることもわかった。
【0058】
実施例11[食品用日持ち向上剤A〜Dの調製]
リゾチーム、マルチトール(アマルティMR)、グリシンからなる食品用日持ち向上剤Aを処方した。また、リゾチーム、マルチトール(アマルティMR)、グリシン、無水酢酸ナトリウム、アジピン酸からなる食品用日持ち向上剤B〜Dを処方した。食品用日持ち向上剤A〜Dの配合割合は表9の通りである。
【0059】
【表9】
Figure 0004145120
【0060】
実施例12[食品用日持ち向上剤Aによる卵焼き中の一般生菌数の経時変化]
全卵、水、食塩、砂糖に食品用日持ち向上剤Aを添加し、よく混合したものを卵焼きの原料とした。調製した卵焼き原料は、160℃のホットプレート上で片面につき5分ずつ、計10分焼成して卵焼きを調製した(本発明品1)。なお、食品用日持ち向上剤Aを無添加のものも調製した(対照品1)。出来上がった卵焼きは、室温下で15分放冷し、直径5.5cmに型抜きしたものをサンプル袋に入れ、30℃に調節した恒温槽に保存し、卵焼き中の一般生菌数の経時変化を測定した。原料の配合割合を表10に、結果を表11に示す。その結果、本発明品1においては卵焼き製造から3日経過した時点においても、食品1g当たりの一般生菌数が1.0×101以下のレベルに抑制しうることがわかった。
【0061】
【表10】
Figure 0004145120
【0062】
【表11】
Figure 0004145120
【0063】
実施例13[食品用日持ち向上剤Aによるカスタードクリーム中の一般生菌数の経時変化]
牛乳と砂糖を加えたものを70℃に加熱し、篩った薄力粉とコーンスターチ、卵黄、食品用日持ち向上剤Aを添加したものをよく混合し、裏ごししてから、Brix34%まで煮詰めた。煮詰め後、混合しながら水冷し、カスタードクリームを調製した(本発明品2)。なお、食品用日持ち向上剤Aを無添加のものも調製した(対照品2)。調製したカスタードクリームを滅菌シャーレに15g取り分けて、10℃に調節した恒温槽内に保存し、カスタードクリーム中の一般生菌数の経時変化を測定した。原料の配合割合を表12に、結果を表13に示す。その結果、本発明品2においてはカスタードクリーム製造から4日経過した時点においても、食品1g当たりの一般生菌数が1.0×102以下のレベルに抑制され、初発一般生菌数よりも減少していることがわかった。
【0064】
【表12】
Figure 0004145120
【0065】
【表13】
Figure 0004145120
【0066】
実施例14[食品用日持ち向上剤B〜Dによる鶏の唐揚げ中の一般生菌数の経時変化]
酒、醤油、水を加えて調製した調味液に、所定量の食品用日持ち向上剤B〜Dをそれぞれ配合した。調製した調味液(5℃)に鶏肉のささみを30分漬込み、調味液を鶏肉ささみにしみ込ませた後、表面に片栗粉をまぶし、180℃で3分間油ちょうした。油ちょう後、鶏の唐揚げを放冷し、3種類の鶏の唐揚げを調製した(本発明品3〜5)。なお、食品用日持ち向上剤を無添加のものも調製した(対照品3)。調製した鶏の唐揚げをサンプル袋に封入し、30℃に調節した恒温槽内に保存し、鶏の唐揚げ中の一般生菌数の経時変化を測定した。原料の配合割合を表14に、結果を表15に示す。その結果、本発明品3〜5においては鶏の唐揚げ製造から3日経過した時点においても、食品1g当たりの一般生菌数が1.0×101以下のレベルに抑制されていることがわかった。
【0067】
【表14】
Figure 0004145120
【0068】
【表15】
Figure 0004145120
【0069】
実施例15[食品用日持ち向上剤A,Cによる蒸しパン中の一般生菌数の経時変化]
全卵、砂糖、ベーキングパウダー、食塩、水に、所定量の食品用日持ち向上剤を配合したものを均一になるよう十分に混合した。次いで予め篩っておいた薄力粉を加えて、さらに混合したものを蒸しパン原料とした。調製した蒸しパン原料を専用の型枠に15g流し込み、そのまま30分間蒸し上げて蒸しパンを調製した(本発明品6,7)。なお、食品用日持ち向上剤を無添加のものも調製した(対照品4)。出来上がった蒸しパンは、室温になるまで放冷し、サンプル袋に封入し、30℃に調節した恒温槽内に保存し、蒸しパン中の一般生菌数の経時変化を測定した。原料の配合割合を表16に、結果を表17に示す。その結果、本発明品6,7においては蒸しパン製造から2日経過した時点においても、食品1g当たりの一般生菌数が1.0×101以下のレベルに抑制されていることがわかった。
【0070】
【表16】
Figure 0004145120
【0071】
【表17】
Figure 0004145120
【0072】
実施例16[食品用日持ち向上剤A,Cによるクレープ中の一般生菌数の経時変化]
割りほぐした全卵に、砂糖と予め篩っておいた薄力粉と食塩を加えた後、牛乳と溶かしたバターを少量ずつ加えながらよく攪拌混合し、最後に所定量の食品用日持ち向上剤を配合して、クレープ原料を調製した。調製したクレープ原料約60gを、150℃のホットプレート上で片面につき1.5分ずつ、計3分焼成してクレープを調製した(本発明品8,9)。なお、食品用日持ち向上剤を無添加のものも調製した(対照品5)。出来上がったクレープは、室温になるまで放冷し、4等分にカットしたものをサンプル袋に封入し、15℃に調節した恒温槽内に保存し、クレープ中の一般生菌数の経時変化を測定した。原料の配合割合を表18に、結果を表19に示す。その結果、本発明品8,9においてはクレープ製造から3日経過した時点においても、食品1g当たりの一般生菌数が1.0×101以下のレベルに抑制されていることがわかった。
【0073】
【表18】
Figure 0004145120
【0074】
【表19】
Figure 0004145120
【0075】
実施例17[食品用日持ち向上剤C,Dによる卵サラダ中の一般生菌数の経時変化]
鶏卵を沸騰した湯中で12分間茹で、殻を剥き、殻を剥いた茹で卵を更に1分間熱湯に浸した。その後、茹で卵を放冷し、約0.5cm角にダイスカットした。カットした茹で卵に、マヨネーズと食品用日持ち向上剤を添加し、よく混合して卵サラダを調製した(本発明品10,11)。なお、食品用日持ち向上剤を無添加のものも調製した(対照品6)。調製した卵サラダ15gを滅菌シャーレに入れ、テープで側面を巻き密封した。これを30℃に調節した恒温槽内に保存し、卵サラダ中の一般生菌数の経時変化を測定した。原料の配合割合を表20に、結果を表21に示す。その結果、本発明品10,11においては卵サラダ製造から3日経過した時点においても、食品1g当たりの一般生菌数が1.0×101以下のレベルに抑制されていることがわかった。
【0076】
【表20】
Figure 0004145120
【0077】
【表21】
Figure 0004145120
【0078】
実施例18[食品用日持ち向上剤によるハンバーグの味質に関する官能検査]
合い挽き肉350g、玉ねぎ(微塵切りにしたもの)90g、生パン粉42g、食塩2.5g、コショウ1.2g、全卵50gをハンバーグ原料とした。このハンバーグ原料を良く混ぜ合わせ、適当な大きさに成形した後、230℃のオーブンで15分間加熱調理し、ハンバーグを調製した。このハンバーグを官能検査の基準品(ハンバーグ4)とした。上記ハンバーグ原料を混ぜ合わせる際に、表22記載の配合成分(本発明区)である本発明に係る食品用日持ち向上剤を添加してハンバーグを調製した(ハンバーグ1,ハンバーグ2)。また、上記ハンバーグ原料を混ぜ合わせる際に、表22記載の配合成分(比較試験区)である既存の日持ち向上成分(酢酸ナトリウム、グリシン、リゾチーム)を添加してハンバーグを調製した(ハンバーグ3)。なお、マルチトールとしてはマルチトール含蜜結晶であるアマルティMRを使用した。次に、ハンバーグの味質について基準品との対比試験を行った。官能検査は、10名の専門家からなるパネルの合計点数で評価した。官能検査結果を表22に示す。その結果、本発明品であるハンバーグ1,ハンバーグ2は、基準品であるハンバーグ4に比して、酸味臭の少なさ、ジューシー感、特にジューシー感において優れていたが、比較品であるハンバーグ3は酸味臭の点で著しく劣化していた。
【0079】
【表22】
Figure 0004145120
【0080】
実施例18[食品用日持ち向上剤によるポテトサラダの味質に関する官能検査]
茹でたじゃがいも515g、茹でたニンジン40g、キュウリ45g、食塩2.1g、コショウ0.1g、マヨネーズ80gをポテトサラダ原料とした。このポテトサラダ原料を良く混ぜ合わせてポテトサラダを調製し、これを官能検査の基準品(ポテトサラダ4)とした。上記ポテトサラダ原料を混ぜ合わせる際に、表23記載の配合成分(本発明区)である本発明に係る食品用日持ち向上剤を添加してポテトサラダを調製した(ポテトサラダ1,ポテトサラダ2)。また、上記ポテトサラダ原料を混ぜ合わせる際に、表23記載の配合成分(比較試験区)である既存の日持ち向上成分(酢酸ナトリウム、グリシン、リゾチーム)を添加してポテトサラダを調製した(ポテトサラダ3)。なお、マルチトールとしてはマルチトール含蜜結晶であるアマルティMRを使用した。次に、ポテトサラダの味質について基準品との対比試験を行った。官能検査は、10名の専門家からなるパネルの合計点数で評価した。官能検査結果を表23に示す。その結果、本発明品であるポテトサラダ1,ポテトサラダ2は、基準品であるポテトサラダ4に比して、酸味臭の少なさ、艶、特に艶において優れていたが、比較品であるポテトサラダ3は酸味臭の点で著しく劣化していた。
【0081】
【表23】
Figure 0004145120
【0082】
【発明の効果】
本発明に係る食品用日持ち向上剤は、菌類の増殖を相乗的に抑制する効果が得られ、食品の味質の劣化が少なく、菌類による汚染が少ない食品とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】培地1、培地11、培地13、培地16について、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図2】培地2、培地11、培地13、培地17について、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図3】培地3、培地11、培地13、培地18について、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図4】培地4、培地11、培地14、培地16について、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図5】培地5、培地11、培地14、培地17について、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図6】培地6、培地11、培地14、培地18について、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図7】培地7、培地11、培地15、培地16について、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図8】培地8、培地11、培地15、培地17について、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図9】培地9、培地11、培地15、培地18について、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図10】培地10、培地11、培地12、培地18について、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図11】培地19、培地21、培地22、培地24について、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図12】培地20、培地21、培地23、培地24について、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図13】培地25、培地28、培地29、培地32について、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図14】培地26、培地28、培地30、培地32について、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図15】培地27、培地28、培地31、培地32について、Bacillus subtilisを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図16】培地33、培地39、培地40、培地42について、Staphylococcus aureusを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図17】培地34、培地39、培地40、培地43について、Staphylococcus aureusを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図18】培地35、培地39、培地40、培地44について、Staphylococcus aureusを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図19】培地36、培地39、培地41、培地42について、Staphylococcus aureusを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図20】培地37、培地39、培地41、培地43について、Staphylococcus aureusを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図21】培地38、培地39、培地41、培地44について、Staphylococcus aureusを添加した際の培地濁度の経時変化を示す図である。
【図22】カスタードクリーム中の一般生菌数について、その経時変化を示す図である。
【図23】卵焼き中の一般生菌数について、その経時変化を示す図である。
【図24】蒸しパン中の一般生菌数について、その経時変化を示す図である。
【図25】卵サラダ中の一般生菌数について、その経時変化を示す図である。

Claims (8)

  1. 糖アルコールとリゾチームとを含み、糖アルコールとリゾチームとの重量比が、500000〜20:1であることを特徴とする食品用日持ち向上剤。
  2. さらに、有機酸、有機酸塩、アミノ酸、アミノ酸塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1記載の食品用日持ち向上剤。
  3. 糖アルコールとして結晶性マルチトールを用いることを特徴とする請求項1又は2記載の食品用日持ち向上剤。
  4. アミノ酸としてグリシンを用いることを特徴とする請求項2又は3記載の食品用日持ち向上剤。
  5. 有機酸としてアジピン酸を用いることを特徴とする請求項2〜4のいずれか記載の食品用日持ち向上剤。
  6. 有機酸塩として酢酸ナトリウムを用いることを特徴とする請求項2〜5のいずれか記載の食品用日持ち向上剤。
  7. バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)及び/又はスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)の増殖を8時間以上抑制しうることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の食品用日持ち向上剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか記載の食品用日持ち向上剤を、糖アルコール濃度が0.1〜30%、リゾチーム1ppm以上となるように食品に添加することを特徴とする日持ちが向上する食品の製造方法。
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