JPH11318335A - 親水性茶ペーストおよびその製造方法 - Google Patents

親水性茶ペーストおよびその製造方法

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JPH11318335A
JPH11318335A JP10126924A JP12692498A JPH11318335A JP H11318335 A JPH11318335 A JP H11318335A JP 10126924 A JP10126924 A JP 10126924A JP 12692498 A JP12692498 A JP 12692498A JP H11318335 A JPH11318335 A JP H11318335A
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tea
paste
hydrophilic
fat
powdered
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JP10126924A
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English (en)
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Masami Hoshino
正美 星野
Naoko Tamura
直子 田村
Toshimi Koyama
俊美 小山
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HOSHINO KAGAKU KK
MARUKYUU KOYAMAEN KK
Original Assignee
HOSHINO KAGAKU KK
MARUKYUU KOYAMAEN KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水溶性成分と混合しやすく、口当たりのよい
親水性茶ペーストを得ることを目的とする。 【解決手段】 液体状油脂に粉末茶を混合してなる茶ペ
ーストと、水、液体状油脂、および乳化剤を混合して均
一化して得られる乳化水溶液とを混合して、親水性茶ペ
ーストを得る。この親水性茶ペーストには、適宜、防腐
剤、安定剤等が加えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は親水性茶ペーストおよび
その製造方法に関し、さらに詳しくは、粉末緑茶、粉末
紅茶、粉末ほうじ茶、および粉末ハーブティーからなる
群より選択される粉末茶の親水性茶ペースト及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】緑茶をはじめ、紅茶、ほうじ茶あるいは
ハーブティーは、現在、広く飲用されている茶の種類で
ある。これらの茶は、ビタミン類や繊維などを豊富に含
むと共に、飲用に供された際、リラックスさせる効果が
ある。特に、緑茶は、日本では古くから飲用され、日本
人にとって欠かせない飲物である。最近では、緑茶など
の茶の持つ風味や香り、および鮮やかな天然色が好まれ
て、これらの特性に注目した様々な食品も市販されてい
る。すなわち、たとえば飴やクッキーなど、それぞれの
茶の特質を活かした加工食品に使用されている。
【0003】一方、このように優れた特質を有する天然
の茶は、加熱や酸化によって、その天然色が黄変あるい
は退色し易く、香りや風味も落ちる。従って、それぞれ
の茶葉を十分に乾燥した状態で、水分あるいは酸素に触
れることを極力避けるよう配慮して保存する必要があ
る。これまで製品化されている茶風味加工食品は、茶の
変質し易さの為に、ごく限られた製法で作られ、製品も
限られていた。茶風味加工食品には、乾燥した茶葉をそ
のまま原料に混入して茶葉の風味を生かした紅茶クッキ
ー;緑茶、紅茶、ほうじ茶、あるいはハーブティーか
ら、水、湯、あるいはアルコール等で抽出した高濃度成
分を直接原料に混入して茶の色や風味を加えた飴やガ
ム;あるいは、茶から抽出した成分をフリーズドライし
て原料に加えた飴やガム等がある。しかし、原料の茶葉
をそのまま加えたクッキーを食すと、口の中に茶葉が残
って、口当たりが悪くなってしまう。一方、水、湯、あ
るいはアルコール等で茶の成分を抽出する方法は、煩雑
である上、茶成分の変質は避けられないことが多いなど
の問題があった。
【0004】このような問題を解決する方法として、液
体状油脂を用いた抹茶ペーストが開発されている(特開
平7−79702)。この液体状油脂を用いた抹茶ペー
ストは、ソフトクリーム、抹茶ケーキ、抹茶ムースなど
の油脂を使うお菓子の材料に混ぜ入れて用いるのに適し
ている。しかし、このような抹茶ペーストは、そのまま
食したり、あるいは水などで薄めて食すには、その油っ
ぽい食感のために適さない。さらにこのような抹茶ペー
ストを水溶性成分に直接混ぜて用いると、抹茶を含む油
成分と水溶性成分との分離が起こるために好ましくな
い。
【0005】一方、粉末茶は、一般的に水に触れると変
色が激しく、茶本来の鮮やかな天然色を保持し得ない。
この為、粉末茶の保存には、水分の含有は禁物である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、加工食品
などの原料として用いられる粉末茶は、乾燥した状態で
あるかあるいは液体状油脂に混合したペーストであり、
直接食したり、水溶性成分になじませるのに適した形態
のものは存在しなかった。
【0007】そこで、本発明者らはかかる問題を解決す
るために鋭意研究を重ねた結果、緑茶、紅茶、ほうじ
茶、あるいはハーブティーなどの茶を親水性茶ペースト
にして、口当たりのよい茶ペーストを製造するに想到
し、本発明に至ったのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る親水性茶ペ
ーストの要旨とするところは、液体状油脂に粉末茶を混
合してなる茶ペーストを、乳化水溶液に加えて得られる
ことにある。
【0009】本発明に係る親水性茶ペーストの要旨とす
るところは、上記乳化水溶液が、糖類を含むことにあ
る。
【0010】本発明に係る親水性茶ペーストの要旨とす
るところは、上記粉末茶が、粉末緑茶、粉末紅茶、粉末
ほうじ茶、および粉末ハーブティーからなる群より選択
される1種であることにある。
【0011】本発明に係る親水性茶ペーストを製造する
方法の要旨とするところは、粉末茶および液体状油脂と
を混合して茶ペースト(I液)を調製する工程;水、液
体状油脂、および乳化剤とを混合し、均質化して乳化水
溶液(II液)を得る工程;および上記I液とII液と
を混合する工程、からなることにある。
【0012】本発明に係る親水性茶ペーストを製造する
方法の要旨とするところは、上記II液を得る工程にお
いて、さらに糖類を添加することにある。
【0013】
【本発明の実施形態】次に、本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明で原料として用いられる緑茶、紅
茶、ほうじ茶、あるいはハーブティーは、その種類、品
質、産地は限定されない。市販されている茶をそのまま
用いることもできるし、原料の茶葉や茎等を乾燥させて
使用してもよい。
【0015】ここで、「緑茶」には、玉露、てん茶、煎
茶、玉緑茶、番茶などが含まれ、茶の原料となる品種
は、いずれの種でもよい。
【0016】ここで、「ほうじ茶」とは、緑茶の煎茶を
作る時にでてくる規格外の葉、茎、および芽などを原料
とした番茶や川柳を強火で焙じて製造したものをいう。
原料となる茶の品種や産地は特に限定されず、市販され
ているいずれのほうじ茶でもよい。
【0017】「ハーブティー」とは、乾燥させた香草を
いう。香草の種類は特に限定されない。例えば、タイ
ム、パセリ、ミント、セージ、バジル、オレガノ、チャ
ービル、マージョラム、タラゴン、ローズマリーなどが
挙げられるが、この他の香草も用い得る。さらに、最
近、エディブルフラワーとして知られるようになったミ
ニバラ、カーネーション、ナスタチウム、ウスベニアオ
イ等の花を加えることも可能である。
【0018】従来、緑茶の葉を微粉末化したいわゆる
「抹茶」は広く愛用されている。一方紅茶、ほうじ茶、
あるいはハーブティーを粉末にすることは通常行われて
いなかった。本発明者らは、抹茶をはじめこれらの茶葉
を広く食品に利用することを目的として、まず、茶葉を
粉末にする方法を適用した。緑茶、紅茶、ほうじ茶、あ
るいはハーブティーを粉末にする方法は特に限定され
ず、いかなる方法で製造されたものであっても良く、通
常の食品原料を粉砕するあらゆる機械を用いることが可
能である。ほうじ茶のように茎などを含む原料は、粉砕
を行う前に茎部を取り除く。緑茶やほうじ茶は、熱に弱
い為に、石臼の使用が特に好ましい。ここで緑茶、粉末
紅茶、粉末ほうじ茶、あるいは粉末ハーブティーの粉末
粒子の粒径は、数μmである。
【0019】本発明の親水性茶ペーストの製造方法で
は、このようにして得られた粉末茶を液体状油脂と混合
する。このとき、さらに乳化剤を混合することもでき
る。ここで用いられる乳化剤は、当業者に公知のいずれ
の乳化剤をも用い得るが、好ましくは、ショ糖脂肪酸エ
ステル(たとえばDKエステルF−160,DKエステ
ルF−70,DKエステルF−10(いずれも第1工業
(株)製)など)、ソルビタン脂肪酸エステル(たとえ
ばソルゲンFS−700(第1工業(株)製)など)、
及びグリセリン脂肪酸エステル(たとえばエキセルT−
95(花王(株)製)など)が用いられ得る。
【0020】本発明に用いられる液体状の油脂は、限定
されるものではないが、たとえば綿実油、胡麻油、オリ
ーブ油、椿油、パーム油、コーン油、大豆油、なたね
油、ひまわり油、やし油などの植物性油脂や、これらか
ら選ばれる2種以上の混合油など、常温で液体状の油脂
が茶粉末と混合させ易い点で特に好ましい。これら植物
性油脂の他、動物性油脂や加工油脂であっても良いが、
比較的低温域で加熱することによって液体状になる油脂
が茶を混合させるために好ましい。また、本発明に用い
られる油脂は製造される茶ペーストの用途にもよるが、
茶の風味や薫りを損なわずに汎用性のある茶ペーストを
製造するためには無味、無臭の油脂が最も好ましい。更
に、茶の天然色を損なわないためには、無色の油脂が好
ましい。但し、茶ペーストの使用目的が特定されている
場合には、その使用目的に応じて有味、有臭の油脂を使
用することができる。
【0021】これら液体状の油脂に粉末茶を混合してい
わゆるダマが生じないように十分攪拌して茶ペースト
(I液)が調製される。または、液体状油脂および乳化
剤の混合物に粉末茶を混合するか、乳化剤および粉末茶
の混合物を液体状油脂と混合するか、あるいは液体状油
脂、乳化剤および粉末茶を同時に混合し、いわゆるダマ
が生じないように充分攪拌して茶ペースト(I液)が製
造される。I液の組成は、粉末茶2に対し、油脂4が好
ましく、乳化剤が入れられる場合、0.1から0.6の
間が好ましい。粉末茶の量はできるだけ多い方が好まし
いが、この割合を超えると、最終的に得られる親水性茶
ペーストが均一でなくなり、取り扱いが困難となる。し
かし、粉末の含有率は使用目的によって、適宜変更し得
る。粉末茶が油脂に充分に攪拌混合された茶ペーストは
そのまま次の工程に供されてもよく、熱処理による加熱
殺菌に供されてもよい。熱処理の温度と処理時間は、た
とえば特に大腸菌群が死滅し得る条件が設定され、その
他、一般生菌が死滅し得る条件が設定されても良い。ま
た、熱処理の条件として温度と時間の他、圧力の設定が
あり、適宜圧力が設定されても良い。
【0022】次に、乳化水溶液を調製する方法を示す。
乳化水溶液とは、油脂、乳化剤、および水溶性成分を含
み、均一にホモジナイズした分散液をいう。油脂と水溶
性成分の量の割合は、25:75〜35:65の間であ
り、乳化剤は、少量添加するだけでよい。乳化剤の量
は、特に限定されないが、好ましくは、0.1重量%〜
1重量%である。乳化剤は、当業者に公知のいずれの乳
化剤でもよいが、特に好ましくは、ショ糖脂肪酸エステ
ル(たとえばDKエステルF−160,DKエステルF
−70,DKエステルF−10(いずれも第1工業
(株)製)など)、ソルビタン脂肪酸エステル(たとえ
ばソルゲンFS−700(第1工業(株)製)など)、
及びグリセリン脂肪酸エステル(たとえばエキセルT−
95(花王(株)製)など)の乳化剤が用いられる。乳
化水溶液にはさらに、アルコールなどの防腐剤、カラギ
ーナン、カゼインナトリウム等の安定剤を含み得る。例
えばアルコールなどの防腐剤の添加量は、液全体の7重
量%〜15重量%の間であり、好ましくは10重量%で
ある。
【0023】防腐剤は、特に限定されないが、食品に使
用し得るエタノールなどのアルコールが特に好ましい。
使用するエタノール濃度は、特に限定されるものではな
いが、エタノールの殺菌効果を期待して、60〜98%
濃度のエタノールを用いることが好ましい。このような
濃度のエタノールを用いて、適切な量をペーストに混入
させた場合、茶ペーストの殺菌がなされ得る為、熱処理
を施さなくてもよい。更に、添加するエタノールの量
は、特に限定されない。殺菌効果を期待できる程度に添
加し、ペーストの粘度と濃度を保持できる量であれば、
どのような量であってもよい。さらに、茶ペーストの使
用目的に応じて、一般に飲用されている各種酒類を添加
して粘度と濃度を調整するとともに、風味を加えること
もできる。
【0024】油脂、乳化剤、および水溶性成分の混合物
を例えばホモジナイザー等を用いて均一化して乳化水溶
液(II液)を得る。この均一化の過程が、得られる親
水性茶ペーストの品質を左右するため、十分にホモジナ
イズすることが好ましい。
【0025】このようにして得られたI液とII液とを
適当な割合で混合する。混合する前あるいは混合する際
にII液に糖類を加えることもできる。加える糖類は特
に限定されず、グルコース、ガラクトース、マンノース
などの単糖類、シュークロース、トレハロースなどの二
糖類、各種のオリゴ糖、多糖類、あるいはそれらの混合
物、市販の白糖などを用い得る。
【0026】I液とII液との混合に際して、防腐剤、
安定剤等の添加物を加えることもできる。また、あらか
じめI液に防腐剤や安定剤等の添加物を加えておいても
よい。
【0027】I液とII液との混合の割合は、特に限定
されないが、1:3.5〜2.25:3.5の範囲が好
ましい。I液とII液の割合が同量に近づくと、液の分
離が起こる。一方、I液の量をII液の量より多くする
と、液の状態は安定するが、油性の茶ペーストとなる。
【0028】糖を加える場合、糖の添加量は特に制限さ
れないが、II液全体の5重量%〜40重量%、より好
ましくは、9重量%〜30重量%である。糖は、親水性
茶ペーストの粘度の調整に寄与し得る。さらに、低温に
おける親水性茶ペーストの保存安定性にも寄与する。
【0029】このようにして得られる本発明の親水性茶
ペーストは、非常に安定な懸濁液である。I液に含まれ
る粉末茶を囲む油脂ペーストの大きな粒子が、乳化水溶
液(II液)に混合されると、乳化水溶液中の安定な小
さな油の粒子に取り囲まれる。すなわち、茶ペーストの
大きな粒子の周りを安定な小さな油粒子が取り囲み、安
定な懸濁状態を形成しているのである。
【0030】従って、本発明の親水性茶ペースト中の茶
の成分は、油脂によって外気中の酸素と遮断されてお
り、酸化され難く、褪色あるいは褐変などの変質し難
い。親水性茶ペーストは茶本来の鮮やかな茶色、緑色、
うす緑色などの天然色を有するとともに、風味および香
りも損なわれ難い。しかも油脂に包まれた粉末茶が水な
どの水溶液中に分散体として存在する為、水溶性成分と
よく混合され得る。さらに、本発明の親水性茶ペースト
は、油脂による油っぽい食感がなく、滑らかで口当たり
もさわやかである。従って、本発明の親水性茶ペースト
は、様々な食品に添加することができるばかりでなく、
そのままあるいは希釈して食すことができる。
【0031】本発明の親水性茶ペーストを製造するのに
あたり、あわせて香料などの調味料を予め混合しておく
のも好ましく、茶ペーストの使用目的に応じて適宜設定
されるものである。
【0032】得られた茶ペーストの保存は、袋や瓶など
の容器に入れて、密閉することで行なわれる。特に、茶
成分の酸化防止をより確実にするために、真空包装した
り、あるいは窒素ガスなどの不活性ガスを充填して包装
するのが好ましい。また、殺菌処理あるいは防腐剤添加
されていれば、低温における保存性があるが、長期間保
存する場合は冷凍保存が好ましい。
【0033】本発明に係る親水性茶ペーストは本発明の
趣旨を逸脱しない範囲内において、当業者の知識に基づ
き種々なる改良、修正、変形を加えた態様で実施し得
る。
【0034】以下に本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明は、これらの実施例に限定されない。
【0035】(本発明の親水性茶ペースト1の調製)市
販の抹茶(商品名:りんどう(丸久小山園製))とDK
エステルF−160(第一工業製薬(株)製)を2:
0.185の割合で混合する。これに綿実油(ゲッツ食
品販売(株)製、食用綿実油)を、抹茶:油脂:乳化剤
が、2:4:0.185になるように混合した。(I
液)
【0036】DKエステルF−160、綿実油、カゼイ
ンナトリウムおよび水を混合して乳化液を調製した。綿
実油と水の割合は、3:7であった。乳化剤およびカゼ
インナトリウムの添加割合は、0.2重量%および0.
5重量%であった。この乳化液にエタノールを添加し
た。エタノールは、液全体の10重量%になるよう調整
した。この液をホモミキサー(特殊機化工業(株)社
製)で、均一になるまでホモジナイズして、II液を調
製した。
【0037】上記のようにして得られたI液とII液と
を1:3.5の割合で混合して親水性茶ペーストを得
た。
【0038】(本発明の親水性茶ペースト2の調製)市
販の抹茶(商品名:りんどう(丸久小山園製))とDK
エステルF−160(第一工業製薬(株)製)を2:
0.185の割合で混合する。これに綿実油(ゲッツ食
品販売(株)製、食用綿実油)を、抹茶:油脂:乳化剤
が、2:4:0.185になるように混合した。(I
液)
【0039】DKエステルF−160、綿実油、カゼイ
ンナトリウムおよび水を混合して乳化液を調製した。綿
実油と水の割合は、3:7であった。乳化剤およびカゼ
インナトリウムの添加割合は、それぞれ、0.2重量%
および0.5重量%であった。この乳化液にエタノール
を添加した。エタノールは、液全体の10重量%になる
よう調整した。この液をホモミキサー(特殊機化工業
(株)社製)で、均一になるまでホモジナイズして、I
I液を調製した。さらにこのII液に上白糖(大日本明
治製糖(株)社製)をII液全体の15重量%となるよ
うに加えた。
【0040】上記のようにして得られたI液とII液と
を1:3.5の割合で混合して親水性茶ペーストを得
た。
【0041】(本発明の親水性茶ペースト3の調製)市
販の抹茶(商品名:りんどう(丸久小山園製))とDK
エステルF−160(第一工業製薬(株)製)を2:
0.185の割合で混合する。これに綿実油(ゲッツ食
品販売(株)製、食用綿実油)を、抹茶:油脂:乳化剤
が、2:4:0.185になるように混合した。(I
液)
【0042】DKエステルF−160、綿実油、カゼイ
ンナトリウムおよび水を混合して乳化液を調製した。綿
実油と水の割合は、3:7であった。乳化剤およびカゼ
インナトリウムの添加割合は、それぞれ0.2重量%お
よび0.5重量%であった。この乳化液にエタノールを
添加した。アルコールは、液全体の10重量%になるよ
う調整した。この液をホモミキサー(特殊機化工業
(株)社製)で、均一になるまでホモジナイズして、I
I液を調製した。さらにこのII液に上白糖(大日本明
治製糖(株)社製)をII液全体の30重量%となるよ
うに加えた。
【0043】上記のようにして得られたI液とII液と
を1:3.5の割合で混合して親水性茶ペーストを得
た。
【0044】(対照試料1の調製)DKエステルF−1
60、綿実油、および水を混合して乳化水溶液を調製し
た。綿実油と水の割合は、3:7であった。乳化剤およ
びカゼインナトリウムの添加割合は、0.2重量%およ
び0.5重量%であった。この乳化液にエタノールを添
加した。エタノールは、液全体の10重量%になるよう
調整した。この液をホモミキサー(特殊機化工業(株)
社製)で、均一になるまでホモジナイズして、液を調製
した。
【0045】上記の混合液に粉末の抹茶を加えてよく懸
濁し、このときの抹茶と混合液の割合は、0.33:
3.5であった。
【0046】実施例1 上記で得られた親水性茶ペースト1と対照試料1とを、
それぞれ100gずつ取り、レトルト袋に詰めた。これ
を25℃および50℃にて0日、3日、および1週間保
存後の色調の変化を測色色差計(ZE−2000:日本
電色工業株式会社製)で、丸型セルを用いて測定した。
色差計で自動的に検出されるL値、a値およびb値によ
り、試料の明度、色調の変化がわかる。0日(保存前)
の試料のL値、a値およびb値を基準として、3日保存
および1週間保存後のそれぞれの値の変化を表1に示
す。
【0047】
【表1】
【0048】この表から、本発明の親水性茶ペースト
は、対照試料と比較して、色調の変化が少なく、状態が
安定していることがわかる。
【0049】実施例2 親水性茶ペースト1と親水性茶ペースト3を100gず
つ取り、レトルト袋煮詰め、冷蔵庫、25℃、および3
5℃で、それぞれ0日、3日および1週間保存した。保
存後の色調の変化を測色色差計(ZE−2000:日本
電色工業株式会社製)で、丸型セルを用いて測定した。
色差計で自動的に検出されるL値、a値およびb値によ
り、試料の明度、色調の変化がわかる。0日(保存前)
の試料のL値、a値およびb値を基準として、3日保存
および1週間保存後のそれぞれの値の変化を表2に示
す。
【0050】
【表2】
【0051】表2より糖を添加した親水性茶ペースト3
の方は、特に低温における安定性が顕著に増加している
ことがわかる。
【0052】実施例3(粘度の測定) 親水性茶ペースト1、親水性茶ペースト2および親水性
茶ペースト3の粘度を測定し、糖添加が親水性茶ペース
トの粘度に与える影響を調べた。
【0053】測定は、B型粘度計(トキメック)を用い
て、20℃にて30秒間測定で実施した。その結果を表
3に示す。
【0054】
【表3】
【0055】表3から、糖の添加量を増やすと粘度が減
少することがわかった。糖の添加量を増減させること
で、親水性茶ペーストを適度な粘度に調節することがで
き、用途に合わせた粘度調整が可能となる。
【0056】実施例4 本発明の親水性茶ペースト1〜3と対照試料1および液
体状油脂と抹茶を混合したペーストの官能試験を行っ
た。本発明の親水性茶ペースト1〜3はいずれもそのま
まで滑らかな口当たりで、味や風味の点でも申し分な
く、さらに、舌触りが滑らかであった。しかし、対照試
料1は抹茶そのものが溶け切れていないざらざらした口
あたりが残り、一方液体状油脂と抹茶の混合ペースト
は、そのまま食すには油っぽくて適していなかった。
【0057】
【発明の効果】本発明に係る親水性茶ペーストは粉末
茶、液体状の油脂、乳化剤、水溶性成分およびアルコー
ルを所定の方法で混合して成り、衛生上安心して食する
ことができ、また長期間保存しても茶本来の色や香りを
保持することが可能となる。
【0058】親水性茶ペーストは流動性を有する液体
(流体)であることから、他の溶液などの中に混ぜて混
合し易く、茶葉や粉末を直接混入する際に問題となる飛
散もないため、茶風味食品の製造現場の環境衛生を保持
することが容易である。
【0059】更に、製造された親水性茶ペーストは、油
脂ベースの茶ペーストのような油っぽい食感がなく、そ
のまま食すのに適している。さらに水溶性成分との混合
も容易で、茶が本来有する風味や香りを水溶性成分に容
易に付与することも可能となる。すなわち、本発明によ
って、茶風味食品の製造対象が広がることになる。ま
た、調味料を予め混合しておくことにより、茶風味食品
の製造が一層容易なものとなる。
フロントページの続き (72)発明者 小山 俊美 京都府宇治市小倉町寺内八拾六番地 株式 会社丸久小山園内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体状油脂に粉末茶を混合してなる茶ペ
    ーストを、乳化水溶液に加えて得られることを特徴とす
    る、親水性茶ペースト。
  2. 【請求項2】 前記乳化水溶液が、糖類を含むことを特
    徴とする、請求項1に記載の親水性茶ペースト。
  3. 【請求項3】 前記粉末茶が、粉末緑茶、粉末紅茶、粉
    末ほうじ茶、および粉末ハーブティーからなる群より選
    択される1種であることを特徴とする、請求項1または
    2に記載の親水性茶ペースト。
  4. 【請求項4】 請求項1から3までのいずれかに記載の
    親水性茶ペーストを製造する方法であって、 粉末茶および液体状油脂とを混合して茶ペーストを調製
    する工程; 水、液体状油脂、および乳化剤とを混合
    し、均質化して乳化水溶液を得る工程; および該茶ペ
    ーストと乳化水溶液とを混合する工程、からなることを
    特徴とする親水性茶ペーストの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記乳化水溶液を得る工程において、さ
    らに糖類を添加することを特徴とする請求項4に記載の
    親水性茶ペーストの製造方法。
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WO2019044016A1 (ja) * 2017-08-31 2019-03-07 株式会社伊藤園 植物含有組成物の製造方法
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