JP2019050775A - マウスコーティング感増強剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】効果的なマウスコーティング感増強剤の提供。【解決手段】β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を有効成分とする、マウスコーティング感増強剤。β−カリオフィレン加熱物が、β−カリオフィレンの油中加熱物であり、フルフリルアルコール加熱物が、フルフリルアルコールの油中加熱物である増強剤。該β−カリオフィレン加熱物の、マウスコーティング感増強剤における含有量を、加熱前のβ−カリオフィレン相当量でA1(重量)とし、かつ、当該フルフリルアルコール加熱物の、マウスコーティング感増強剤における含有量を、加熱前のフルフリルアルコール相当量でB1(重量)としたとき、当該A1とB1との比が、A1:B1=1:0.00000008〜12000000の範囲内である、増強剤。喫食時の食品の重量に対して0.0000008〜120ppm添加する増強剤。【選択図】なし

Description

本発明は、マウスコーティング感増強剤及びその製造方法に関する。また本発明は、マウスコーティング感が増強された食品及びその製造方法、並びに、マウスコーティング感の増強方法に関する。
「マウスコーティング感」とは、油脂あるいは油脂を含む溶液又は食品を口腔内に含んだ際に顕著に感じられる、口腔内が薄い膜で覆われる感覚、口腔内が油脂又は油脂様の膜で覆われる感覚、並びに、口腔内で感じるなめらかな感覚をいい、マウスコーティング感を簡便に増強できる方法があれば、例えば、少ない量の油脂でも、油脂等を口腔内に含んだ際に顕著に感じられる好ましい感覚を十分に提供できるため、カロリーの過剰摂取を抑制でき、また、肥満等の代謝疾患の予防にも効果が期待できる等の利点があると考えられる。
マウスコーティング感を増強する方法としては、従来、ハイドロコロイド類、低分子化合物類、ポリフェノール類又はグリコシド類を活用する方法(非特許文献1〜5)等が報告されているが、いずれの方法によって増強される感覚も、油脂等を口腔内に含んだ際に顕著に感じられるマウスコーティング感とは質が異なる等の問題点があった。
Arocas et al., "Sensory properties determined by starch type in white sauces: effects of freeze/thaw and hydrocolloid addition." J Food Sci 2010, 75:S132−S140. Flett et al., "Perceived creaminess and viscosity of aggregated particles of casein micelles and κ−carrageenan." J Food Sci 2010, 75:S255−S261. Dawid et al., "Identification of sensory−active phytochemicals in asparagus (Asparagus officinalisL.)." J Agric Food Chem 2012, 60:11877-11888. Schwarz et al., "Identification of novel orosensory active molecules in cured vanilla beans (Vanilla planifolia)." J Agric and Food Chem 2009, 57:3729-3737. Scharbert et al., "Identification of the astringent taste compounds in black tea infusions by combining instrumental analysis and human bioresponse." J Agric and Food Chem 2004, 52:3498-3508.
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、効果的なマウスコーティング感増強剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、β−カリオフィレンを加熱して得られるβ−カリオフィレン加熱物、フルフリルアルコールを加熱して得られるフルフリルアルコール加熱物が、マウスコーティング感を増強し得ることを見出し、かかる知見に基づいてさらに研究を進めることによって本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を有効成分とする、マウスコーティング感増強剤。
[2]β−カリオフィレン加熱物が、β−カリオフィレンの油中加熱物であり、
フルフリルアルコール加熱物が、フルフリルアルコールの油中加熱物である、[1]記載の増強剤。
[3]β−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物を有効成分とし、
当該β−カリオフィレン加熱物の、マウスコーティング感増強剤における含有量を、加熱前のβ−カリオフィレン相当量でA(重量)とし、かつ、当該フルフリルアルコール加熱物の、マウスコーティング感増強剤における含有量を、加熱前のフルフリルアルコール相当量でB(重量)としたとき、当該AとBとの比が、A:B=1:0.00000008〜12000000の範囲内である、[1]又は[2]記載の増強剤。
[4]少なくともβ−カリオフィレン加熱物を有効成分とし、
当該β−カリオフィレン加熱物の、マウスコーティング感増強剤における含有量を、加熱前のβ−カリオフィレン相当量でA(重量)とし、かつ、マウスコーティング感増強剤が添加された食品の喫食時の重量を、Cとしたとき、当該Aが、Cに対して0.000008〜120ppmである、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の増強剤。
[5]少なくともフルフリルアルコール加熱物を有効成分とし、
当該フルフリルアルコール加熱物の、マウスコーティング感増強剤における含有量を、加熱前のフルフリルアルコール相当量でB(重量)とし、かつ、マウスコーティング感増強剤が添加された食品の喫食時の重量を、Cとしたとき、当該Bが、Cに対して0.000008〜120ppmである、[1]〜[4]のいずれか一つに記載の増強剤。
[6]油脂含有食品用である、[1]〜[5]のいずれか一つに記載の増強剤。
[7]β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を添加することを含む、マウスコーティング感増強方法。
[8]β−カリオフィレン加熱物が、β−カリオフィレンを油脂中で加熱して得られるものであり、
フルフリルアルコール加熱物が、フルフリルアルコールを油脂中で加熱して得られるものである、[7]記載の増強方法。
[9]β−カリオフィレンの加熱温度が、40〜200℃であり、その加熱時間が、0.1〜500分間であり、
フルフリルアルコールの加熱温度が、40〜200℃であり、その加熱時間が、0.1〜500分間である、[7]又は[8]記載の増強方法。
[10]β−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物を添加することを含み、
当該β−カリオフィレン加熱物の添加量を、加熱前のβ−カリオフィレン相当量でA(重量)とし、かつ、当該フルフリルアルコール加熱物の添加量を、加熱前のフルフリルアルコール相当量でB(重量)としたとき、当該AとBとの比が、A:B=1:0.00000008〜12000000の範囲内である、[7]〜[9]記載の増強方法。
[11]β−カリオフィレン加熱物を添加することを少なくとも含み、
当該β−カリオフィレン加熱物の添加量を、加熱前のβ−カリオフィレン相当量でA(重量)とし、かつ、当該β−カリオフィレン加熱物を添加した食品の喫食時の重量を、Cとしたとき、当該Aが、Cに対して0.000008〜120ppmである、[7]〜[10]のいずれか一つに記載の増強方法。
[12]フルフリルアルコール加熱物を添加することを少なくとも含み、
当該フルフリルアルコール加熱物の添加量を、加熱前のフルフリルアルコール相当量でB(重量)とし、かつ、当該フルフリルアルコール加熱物を添加した食品の喫食時の重量を、Cとしたとき、当該Bが、Cに対して0.000008〜120ppmである、[7]〜[11]のいずれか一つに記載の増強方法。
[13]油脂含有食品のマウスコーティング感増強方法である、[7]〜[12]のいずれか一つに記載の増強方法。
[14]β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を添加することを含む、食品の製造方法。
[15]β−カリオフィレン加熱物が、β−カリオフィレンを油脂中で加熱して得られるものであり、
フルフリルアルコール加熱物が、フルフリルアルコールを油脂中で加熱して得られるものである、[14]記載の製造方法。
[16]β−カリオフィレンの加熱温度が、40〜200℃であり、その加熱時間が、0.1〜500分間であり、
フルフリルアルコールの加熱温度が、40〜200℃であり、その加熱時間が、0.1〜500分間である、[14]又は[15]記載の製造方法。
[17]β−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物を添加することを含み、
当該β−カリオフィレン加熱物の添加量を、加熱前のβ−カリオフィレン相当量でA(重量)とし、かつ、当該フルフリルアルコール加熱物の添加量を、加熱前のフルフリルアルコール相当量でB(重量)としたとき、当該AとBとの比が、A:B=1:0.00000008〜12000000の範囲内である、[14]〜[16]のいずれか一つに記載の製造方法。
[18]β−カリオフィレン加熱物を添加することを少なくとも含み、
当該β−カリオフィレン加熱物の添加量を、加熱前のβ−カリオフィレン相当量でA(重量)とし、かつ、製造する食品の喫食時の重量を、Cとしたとき、当該Aが、Cに対して0.000008〜120ppmである、[14]〜[17]のいずれか一つに記載の製造方法。
[19]フルフリルアルコール加熱物を添加することを少なくとも含み、
当該フルフリルアルコール加熱物の添加量を、加熱前のフルフリルアルコール相当量でB(重量)とし、かつ、製造する食品の喫食時の重量を、Cとしたとき、当該Bが、Cに対して0.000008〜120ppmである、[14]〜[18]のいずれか一つに記載の製造方法。
[20]食品が、マウスコーティング感が増強された食品である、[14]〜[19]のいずれか一つに記載の製造方法。
[21]食品が、油脂含有食品である、[14]〜[20]のいずれか一つに記載の製造方法。
[22]β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を含有する食品。
[23]β−カリオフィレン及び/又はフルフリルアルコールを加熱することを含む、マウスコーティング感増強剤の製造方法。
[24]β−カリオフィレン及び/又はフルフリルアルコールの加熱が、β−カリオフィレン及び/又はフルフリルアルコールを油脂中で加熱して行われる、[23]記載の製造方法。
[25]β−カリオフィレンの加熱温度が、40〜200℃であり、その加熱時間が、0.1〜500分間であり、
フルフリルアルコールの加熱温度が、40〜200℃であり、その加熱時間が、0.1〜500分間である、[23]又は[24]記載の製造方法。
[26]β−カリオフィレン及びフルフリルアルコールを加熱することを含み、
加熱するβ−カリオフィレン及びフルフリルアルコールの量を、それぞれA(重量)及びB(重量)としたとき、当該AとBとの比が、A:B=1:0.00000008〜12000000の範囲内である、[23]〜[25]のいずれか一つに記載の製造方法。
[27]マウスコーティング感増強剤が、油脂含有食品用である、[23]〜[26]のいずれか一つに記載の製造方法。
本発明によれば、マウスコーティング感を増強することができるマウスコーティング感増強剤及びその製造方法を提供し得る。
また本発明によれば、マウスコーティング感が増強された食品及びその製造方法を提供し得る。
また本発明によれば、マウスコーティング感の増強方法を提供し得る。
<マウスコーティング感増強剤>
本発明のマウスコーティング感増強剤(本明細書中、単に「本発明の増強剤」と称する場合がある)は、β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を有効成分とすることを、主たる特徴とする。
[β−カリオフィレン加熱物]
本発明において用いられる「β−カリオフィレン加熱物」とは、β−カリオフィレン(CAS登録番号:87−44−5)を加熱して得られる物質をいう。
本発明において用いられるβ−カリオフィレンは、食品材料として用い得るものであればその製造方法は特に制限されず、例えば合成品又は抽出品等であってよい。また市販品も利用でき、簡便であることから好ましい。
β−カリオフィレンの加熱方法は特に制限されず、例えば、β−カリオフィレンを直接に加熱するものであってよく、あるいは、β−カリオフィレンを例えば溶媒、分散媒等の媒体に、溶解又は分散させた後、これを加熱するもの、すなわちβ−カリオフィレンを媒体中で加熱するものであってもよい。β−カリオフィレンを媒体中で加熱する場合、静置条件下で加熱してよく、又は適宜、撹拌しながら加熱してもよい。
β−カリオフィレンの加熱温度は、加熱時間等に応じて適宜調整してよいが、マウスコーティング感増強効果により優れるβ−カリオフィレン加熱物を得ることができることから、好ましくは40〜200℃であり、より好ましくは50〜150℃であり、更に好ましくは、50〜120℃であり、特に好ましくは80〜120℃である。
β−カリオフィレンの加熱時間は、加熱温度等に応じて適宜調整してよいが、マウスコーティング感増強効果により優れるβ−カリオフィレン加熱物を得ることができることから、好ましくは0.1〜500分間であり、より好ましくは2.5〜400分間であり、より好ましくは3.5〜150分間であり、特に好ましくは8〜100分間である。
β−カリオフィレンの加熱は、常圧下で行ってよく、又は加圧下で行ってもよい。
本発明において用いられるβ−カリオフィレン加熱物は、β−カリオフィレンをどのような方法で加熱したものであってもよく、例えば、β−カリオフィレンを媒体中で加熱して得られるもの等であってよい。一態様として、β−カリオフィレンを媒体中で加熱する場合、用いられる媒体は特に制限されないが、例えば、油脂、脂肪酸、ステロール、カロテノイド、リン脂質、糖脂質、ろう等の脂質類;グリセロール、脂肪族アルコール等が挙げられる。β−カリオフィレン加熱物のうち、β−カリオフィレンを油脂中で加熱して得られるものを、本発明において「β−カリオフィレンの油中加熱物」とも称する。
本発明において「油脂」とは、アシルグリセロール(トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド等)を主成分とする物質をいい、一般に常温で流動性を有するものを「油」、流動性を有しないものを「脂肪」と呼ぶ場合があるが、それらの両方を包含する概念である。
β−カリオフィレンの加熱に用いられ得る油脂としては、例えば、菜種油、コーン油、大豆油、ごま油、米油、糠油、べに花油、ヤシ油、パーム油、ひまわり油、荏油、えごま油、アマニ油、オリーブ油、グレープシード油等の植物油脂;豚脂(ラード)、牛脂、鶏油、羊脂、馬脂、魚油、鯨油等の動物油脂等が挙げられ、これらの油脂は単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
β−カリオフィレンを媒体中で加熱した後、得られたβ−カリオフィレン加熱物は、媒体から分離して用いられてよく、または、例えば加熱に用いた媒体が食品材料として使用され得るもの等である場合は、得られたβ−カリオフィレン加熱物を媒体から分離せずに、当該媒体ごと用いられてもよい。
[フルフリルアルコール加熱物]
本発明において用いられる「フルフリルアルコール加熱物」とは、フルフリルアルコール(CAS登録番号:98−00−0)を加熱して得られる物質をいう。
本発明において用いられるフルフリルアルコールは、食品材料として用い得るものであればその製造方法は特に制限されず、例えば合成品又は抽出品等であってよい。また市販品も利用でき、簡便であることから好ましい。
フルフリルアルコールの加熱方法は特に制限されず、例えば、上述のβ−カリオフィレンの加熱方法と同様であってよく、その好適な態様も同様である。
フルフリルアルコールの加熱温度は、加熱時間等に応じて適宜調整してよいが、マウスコーティング感増強効果により優れるフルフリルアルコール加熱物を得ることができることから、好ましくは40〜200℃であり、より好ましくは50〜150℃であり、更に好ましくは、50〜120℃であり、特に好ましくは80〜120℃である。
フルフリルアルコールの加熱時間は、加熱温度等に応じて適宜調整してよいが、マウスコーティング感増強効果により優れるフルフリルアルコール加熱物を得ることができることから、好ましくは0.1〜500分間であり、より好ましくは2.5〜400分間であり、より好ましくは3.5〜150分間であり、特に好ましくは8〜100分間である。
本発明において用いられるフルフリルアルコール加熱物は、フルフリルアルコールをどのような方法で加熱したものであってもよく、例えば、フルフリルアルコールを媒体中で加熱して得られるもの等であってよい。一態様として、フルフリルアルコールを媒体中で加熱する場合、用いられる媒体は特に制限されないが、例えば、油脂、脂肪酸、ステロール、カロテノイド、リン脂質、糖脂質、ろう等の脂質類;グリセロール、脂肪族アルコール等が挙げられる。フルフリルアルコール加熱物のうち、フルフリルアルコールを油脂中で加熱して得られるものを、本発明において「フルフリルアルコールの油中加熱物」とも称する。
フルフリルアルコールの加熱に用いられ得る油脂の例としては、上述のβ−カリオフィレン加熱物の説明において、β−カリオフィレンの加熱に用いられ得る油脂として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
フルフリルアルコールを媒体中で加熱した後、得られたフルフリルアルコール加熱物は、媒体から分離して、本発明の増強剤に用いられてよく、または、例えば加熱に用いた媒体が食品材料として使用され得るもの等である場合は、得られたフルフリルアルコール加熱物を媒体から分離せずに、当該媒体ごと本発明の増強剤に用いられてもよい。
本発明の増強剤が、一態様として、β−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物を有効成分とし、当該β−カリオフィレン加熱物の、本発明の増強剤における含有量を、加熱前のβ−カリオフィレン相当量でA(重量)とし、かつ、当該フルフリルアルコール加熱物の、本発明の増強剤における含有量を、加熱前のフルフリルアルコール相当量でB(重量)としたとき、当該AとBとの比(A:B)は、より効果的にマウスコーティング感を増強し得ることから、好ましくは1:0.00000008〜12000000の範囲内であり、より好ましくは1:0.000008〜1200000の範囲内であり、更に好ましくは1:0.008〜12000の範囲内であり、特に好ましくは1:0.08〜1200の範囲内である。ここで、A及びBの重量単位が同一であることは言うまでもない。
本明細書中、β−カリオフィレン加熱物の含有量を「加熱前のβ−カリオフィレン相当量で」示すとは、β−カリオフィレン加熱物の含有量を、当該β−カリオフィレン加熱物を得るために加熱されるβ−カリオフィレンの量で示すことを意味し、例えば、マウスコーティング感増強剤におけるβ−カリオフィレン加熱物の含有量が、「加熱前のβ−カリオフィレン相当量で」Xgである場合、当該マウスコーティング感増強剤は、Xgのβ−カリオフィレンを加熱した場合に得られる量のβ−カリオフィレン加熱物を含有する。尚、当該説明は、フルフリルアルコール加熱物の含有量を「加熱前のフルフリルアルコール相当量で」示す場合にも準用される。
本発明の増強剤が、一態様として、β−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物を有効成分とする場合、当該β−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物は、β−カリオフィレン及びフルフリルアルコールが個別に加熱されて得られたものであってよく、あるいは、これらが併せて加熱されて得られたものであってもよい。β−カリオフィレン及びフルフリルアルコールが併せて加熱されることにより得られる加熱物は、マウスコーティング感増強効果により優れ得る。β−カリオフィレン及びフルフリルアルコールを併せて加熱して得られるβ−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物としては、例えば、β−カリオフィレン及びフルフリルアルコールを一つの媒体中で加熱して得られる加熱物等が挙げられる。
本発明の増強剤の形態は特に制限されず、例えば、固体状(粉末状、顆粒状等を含む)、液体状(スラリー状等を含む)、ゲル状、ペースト状等が挙げられる。
本発明の増強剤は、β−カリオフィレン加熱物(及び、β−カリオフィレンの加熱に用いた媒体)のみ、あるいは、フルフリルアルコール加熱物(及び、フルフリルアルコールの加熱に用いた媒体)のみからなるものであってよく、β−カリオフィレン加熱物(及び、β−カリオフィレンの加熱に用いた媒体)並びにフルフリルアルコール加熱物(及び、フルフリルアルコールの加熱に用いた媒体)のみからなるものであってもよいが、これらに加えて、本発明の増強剤の形態等に応じた慣用の基剤をさらに含有することもできる。
本発明の増強剤の形態が液体状の場合の基剤としては、例えば、水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール等が挙げられる。
本発明の増強剤の形態が固体状の場合の基剤としては、例えば、澱粉、デキストリン、シクロデキストリン、スクロース及びグルコース等の各種糖類、蛋白質、ペプチド、食塩、固形脂、二酸化ケイ素、及びそれらの混合物、また酵母菌体や各種の粉末エキス類等が挙げられる。
本発明の増強剤は、本発明の目的を損なわない限り、β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物に加えて、例えば、賦形剤、pH調整剤、酸化防止剤、増粘安定剤、甘味料(例、砂糖類等)、酸味料、香辛料、着色料等を更に含有してよい。
本発明の増強剤の製造は、自体公知の手法により行い得る。本発明の増強剤は、例えば、濃縮処理、乾燥処理、脱色処理等を、単独で又は組み合わせて施されてもよい。
本発明の増強剤に含有され得るβ−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物は、上述の通り、それぞれβ−カリオフィレンを加熱して得られる物質及びフルフリルアルコールを加熱して得られる物質であるから、本発明の増強剤の製造方法は、β−カリオフィレン及び/又はフルフリルアルコールを加熱することを含むものであり得る。本発明の増強剤の製造方法において、β−カリオフィレン、フルフリルアルコールの加熱方法は、上述のβ−カリオフィレン、フルフリルアルコールの加熱方法と同様であり、その好適な態様も同様である。また、それぞれの加熱温度、加熱時間も、前述のものと同様に設定すればよい。
本発明の増強剤の製造方法が、一態様として、β−カリオフィレン及びフルフリルアルコールを加熱することを含み、加熱するβ−カリオフィレン及びフルフリルアルコールの量を、それぞれA(重量)及びB(重量)としたとき、当該AとBとの比は、上述のAとBとの比と同様の範囲内に設定すればよく、好ましい範囲も同様である。
本発明の増強剤の製造方法が、β−カリオフィレン及びフルフリルアルコールを加熱することを含む場合、当該β−カリオフィレン及びフルフリルアルコールは個別に加熱してよく、あるいは、これらを併せて加熱してもよい。β−カリオフィレン及びフルフリルアルコールを併せて加熱することにより、マウスコーティング感増強効果により優れる加熱物を得ることができる。β−カリオフィレン及びフルフリルアルコールを併せて加熱する方法としては、例えば、β−カリオフィレン及びフルフリルアルコールの両方を、一つの媒体に溶解又は分散させた後、これを加熱する方法等が挙げられる。
本発明の増強剤は、食品に添加されて用いられ得る。本発明の増強剤を食品に添加することにより、当該食品のマウスコーティング感を増強し得る。
本発明において「マウスコーティング感」とは、油脂あるいは油脂を含む溶液又は食品を口腔内に含んだ際に顕著に感じられる、口腔内が薄い膜で覆われる感覚、口腔内が油脂又は油脂様の膜で覆われる感覚、並びに、口腔内で感じるなめらかな感覚をいう。マウスコーティング感の「増強」とは、上記の感覚の少なくとも一つが増強されることをいう。マウスコーティング感の有無や程度は、専門パネルによる官能評価によって評価できる。
また本発明において「食品」とは、経口的に摂取し得るものを広く包含する概念であり、例えば、飲料、調味料、食品添加物等も包含する。
本発明の増強剤が添加され得る食品は、元から喫食に適した状態で提供(販売、流通)されるものであってよく、又は喫食に適した状態になるための所定の処理や調理を必要とする状態で提供されるものであってもよい。例えば、本発明の増強剤が添加され得る食品は、喫食に適した状態となるために水等で希釈することを必要とする濃縮物等として提供されてよい。
本発明の増強剤が添加され得る食品は、マウスコーティング感を有することを所望され得るものであれば特に制限されないが、例えば、油脂(例、植物油脂、動物油脂等)、マヨネーズ、スープ、ドレッシング、カレーフライ食品、スナック菓子、チョコレート、クッキー、パン、油脂を含有する乳及び乳製品(例、生乳、牛乳、低脂肪乳、クリーム、バター、マーガリン、ファットスプレッド、チーズ、ヨーグルト等)等の油脂含有食品;ノンオイルドレッシング、油脂を含有しない乳及び乳製品(無脂肪乳、脱脂粉乳、無脂肪ヨーグルト)等の油脂を含有しない食品が挙げられる。ここで油脂含有食品は、油脂のみを含有するものであってよく、すなわち、油脂含有食品は、油脂そのものであってよい。
本発明の増強剤は、油脂を口腔内に含んだときに感じられるマウスコーティング感を顕著に増強し得ることから、油脂含有食品に添加されて用いられることが好ましく、すなわち本発明の剤は、好ましくは、油脂含有食品用である。
本発明の増強剤が用いられ得る油脂含有食品が含有する油脂は、食用であれば特に制限されないが、例えば、菜種油、コーン油、大豆油、ごま油、米油、糠油、べに花油、ヤシ油、パーム油、ひまわり油、荏油、えごま油、アマニ油、オリーブ油、グレープシード油等の植物油脂;豚脂(ラード)、牛脂、鶏油、羊脂、馬脂、魚油、鯨油、乳脂肪等の動物油脂等が挙げられる。これらの油脂は単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の増強剤が用いられ得る油脂含有食品における油脂の含有量は特に制限されないが、より明確に効果が発揮され得ることから、好ましくは0.1〜100重量%、より好ましくは0.5〜100重量%である。
本発明の増強剤が、少なくともβ−カリオフィレン加熱物を有効成分とする場合、当該β−カリオフィレン加熱物の、本発明の増強剤における含有量を、加熱前のβ−カリオフィレン相当量でA(重量)とし、かつ、本発明の増強剤が添加された食品の喫食時の重量を、Cとしたとき、当該Aは、Cに対して、より効果的にマウスコーティング感を増強し得ることから、好ましくは0.000008〜120ppmであり、より好ましくは0.000008〜12ppmであり、更に好ましくは0.0008〜1.2ppmであり、特に好ましくは0.008〜1.2ppmである。ここで、A及びCの重量単位が同一であることは言うまでもない。本発明の増強剤は、AがCに対して、上記の範囲内となるように食品に添加されることが好ましい。
本明細書中、食品の「喫食時の」重量とは、食品を喫食に適した状態としたときの当該食品の重量を意味し、例えば、食品が、喫食に適した状態となるために水等で希釈することを必要とする濃縮物等である場合、当該食品の喫食時の重量は、希釈後の重量をいう。
本発明の増強剤が、少なくともフルフリルアルコール加熱物を有効成分とする場合、当該フルフリルアルコール加熱物の、本発明の増強剤における含有量を、加熱前のフルフリルアルコール相当量でB(重量)とし、かつ、本発明の増強剤が添加された食品の喫食時の重量を、Cとしたとき、当該Bは、Cに対して、より効果的にマウスコーティング感を増強し得ることから、好ましくは0.000008〜120ppmであり、より好ましくは0.000008〜12ppmであり、更に好ましくは0.0008〜1.2ppmであり、特に好ましくは0.008〜1.2ppmである。ここで、B及びCの重量単位が同一であることは言うまでもない。本発明の増強剤は、BがCに対して、上記の範囲内となるように食品に添加されることが好ましい。
本発明の増強剤を食品に添加する方法及び条件は特に限定されず、本発明の増強剤の形態や食品の種類等に応じて適宜設定できる。本発明の増強剤を食品に添加する時期は特に限定されず、いかなる時点で添加してもよいが、例えば、食品の製造中、食品の完成後(食品の喫食直前、食品の喫食中等)等が挙げられる。食品を製造する前の原料に本発明の増強剤を添加してもよい。
<マウスコーティング感増強方法>
本発明は、β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を添加することを含む、マウスコーティング感増強方法(本明細書中、単に「本発明の増強方法」と称する場合がある)も提供する。
本発明の増強方法において用いられ得るβ−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物は、本発明の増強剤に含有され得る上述のβ−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物と同様のものであり、好適な態様も同様である。またそれらの製造も、上述の方法と同様に行い得る。
本発明の増強方法が、一態様として、β−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物を添加することを含み、当該β−カリオフィレン加熱物の添加量を、加熱前のβ−カリオフィレン相当量でA(重量)とし、かつ、当該フルフリルアルコール加熱物の添加量を、加熱前のフルフリルアルコール相当量でB(重量)としたとき、当該AとBとの比は、上述のAとBとの比と同様の範囲内に設定すればよく、好ましい範囲も同様である。
本明細書中、β−カリオフィレン加熱物の添加量を「加熱前のβ−カリオフィレン相当量で」示すとは、β−カリオフィレン加熱物の添加量を、当該β−カリオフィレン加熱物を得るために加熱されるβ−カリオフィレンの量で示すことを意味し、例えば、β−カリオフィレン加熱物の添加量が、「加熱前のβ−カリオフィレン相当量で」Xgである場合、Xgのβ−カリオフィレンを加熱した場合に得られる量のβ−カリオフィレン加熱物が添加される。尚、当該説明は、フルフリルアルコール加熱物の添加量を「加熱前のフルフリルアルコール相当量で」示す場合にも準用される。
本発明の増強方法において用いられ得るβ−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物は、上述の通り、それぞれβ−カリオフィレンを加熱して得られる物質及びフルフリルアルコールを加熱して得られる物質であるから、本発明の増強方法は、β−カリオフィレン及び/又はフルフリルアルコールを加熱すること、並びに、得られたβ−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を添加することを含み得る。
本発明の増強方法によれば、食品のマウスコーティング感を増強し得る。本発明の増強方法により、マウスコーティング感を増強し得る食品の例としては、本発明の増強剤が添加され得る食品として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
本発明の増強方法は、油脂を口腔内に含んだときに感じられるマウスコーティング感を顕著に増強し得ることから、好ましくは、油脂含有食品のマウスコーティング感増強方法である。
本発明の増強方法が、一態様として、β−カリオフィレン加熱物を添加することを少なくとも含み、当該β−カリオフィレン加熱物の添加量を、加熱前のβ−カリオフィレン相当量でA(重量)とし、かつ、当該β−カリオフィレン加熱物を添加した食品の喫食時の重量を、Cとしたとき、当該Aは、Cに対して、上述のAのCに対する範囲と同様に設定すればよく、好ましい範囲も同様である。
本発明の増強方法が、一態様として、フルフリルアルコール加熱物を添加することを少なくとも含み、当該フルフリルアルコール加熱物の添加量を、加熱前のフルフリルアルコール相当量でB(重量)とし、かつ、当該フルフリルアルコール加熱物を添加した食品の喫食時の重量を、Cとしたとき、当該Bは、Cに対して、上述のBのCに対する範囲と同様に設定すればよく、好ましい範囲も同様である。
本発明の増強方法において、β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を添加する方法及び条件は特に限定されず、食品の種類等に応じて適宜設定できる。β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を添加する時期は特に限定されず、いかなる時点で添加してもよいが、例えば、食品の製造中、食品の完成後(食品の喫食直前、食品の喫食中等)等が挙げられる。食品を製造する前の原料にβ−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を添加してもよい。
<食品の製造方法>
本発明は、β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を添加することを含む、食品の製造方法(本明細書中、単に「本発明の製造方法」と称する場合がある)も提供する。
本発明の製造方法において用いられ得るβ−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物は、本発明の増強剤に含有され得る上述のβ−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物と同様のものであり、好適な態様も同様である。またそれらの製造も、上述の方法と同様に行い得る。
本発明の製造方法が、β−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物を添加することを含む場合、当該β−カリオフィレン加熱物の添加量を、加熱前のβ−カリオフィレン相当量でA(重量)とし、かつ、当該フルフリルアルコール加熱物の添加量を、加熱前のフルフリルアルコール相当量でB(重量)としたとき、当該AとBとの比は、上述のAとBとの比と同様の範囲内に設定すればよく、好ましい範囲も同様である。
本発明の製造方法が、β−カリオフィレン加熱物を添加することを少なくとも含む場合、当該β−カリオフィレン加熱物の添加量を、加熱前のβ−カリオフィレン相当量でA(重量)とし、かつ、製造する食品の喫食時の重量を、Cとしたとき、当該Aは、Cに対して、上述のAのCに対する範囲と同様に設定すればよく、好ましい範囲も同様である。
本発明の製造方法が、フルフリルアルコール加熱物を添加することを少なくとも含む場合、当該フルフリルアルコール加熱物の添加量を、加熱前のフルフリルアルコール相当量でB(重量)とし、かつ、製造する食品の喫食時の重量を、Cとしたとき、当該Bは、Cに対して、上述のBのCに対する範囲と同様に設定すればよく、好ましい範囲も同様である。
本発明の製造方法において用いられ得るβ−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物は、上述の通り、それぞれβ−カリオフィレンを加熱して得られる物質及びフルフリルアルコールを加熱して得られる物質であるから、本発明の製造方法は、β−カリオフィレン及び/又はフルフリルアルコールを加熱すること、並びに、得られたβ−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を添加することを含み得る。
本発明の製造方法において、β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を添加する方法及び条件は特に限定されず、製造する食品の種類等に応じて適宜設定できる。β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を添加する時期は特に限定されず、食品の製造開始から完成までのいかなる時点で添加してもよい。また、食品を製造する前の原料にβ−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を添加してもよい。
本発明の製造方法は、β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を添加することに加えて、食品の製造において慣用の処理工程、調理工程を、製造する食品の種類等に応じて適宜含んでよい。
本発明の製造方法によれば、β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を含有する食品を製造し得、好ましくは、β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を含有し、マウスコーティング感が増強された食品を製造し得る。本発明の製造方法によって製造され得る食品の例としては、本発明の増強剤が添加され得る食品として例示したものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
本発明の製造方法は、好ましくは、油脂含有食品の製造方法であり、より好ましくは、マウスコーティング感が増強された油脂含有食品の製造方法である。
以下の実施例において本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。尚、本明細書において「%」、「ppm」と記載されている場合は、特に断りのない限り「重量%」、「重量ppm」を意味する。
(試験例1)
<ポジティブコントロール及びネガティブコントロール>
ポジティブコントロールには、通常の市販のマヨネーズ(味の素株式会社製、商品名「ピュアセレクト(登録商標) マヨネーズ」、油脂含量:73%)に対して加熱していない菜種油(味の素株式会社製)を1重量%添加したものを使用した。
ネガティブコントロールには、ポジティブコントロールのマヨネーズに比べて油脂含量が少ない市販のマヨネーズ(味の素株式会社製、商品名「ピュアセレクト(登録商標) コクうま(登録商標) 65%カロリーカット」、油脂含量:23%)に対して加熱していない菜種油(味の素株式会社製)を1重量%添加したものを使用した。
<評価サンプル>
所定量のβ−カリオフィレン及び/又はフルフリルアルコール(いずれもシグマアルドリッチ社製)を菜種油(味の素株式会社製)に溶解させた後、当該菜種油を、ウォーターバス(東京理化器械株式会社製)を用いて100℃で30分間加熱した。上記ネガティブコントロールの調製に使用した市販のマヨネーズに対して、加熱していない菜種油を1重量%添加する代わりに、当該加熱後の菜種油を1重量%添加し、得られたマヨネーズを評価サンプルとした。喫食時の評価サンプルにおけるβ−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物の各濃度(含有量)は、それぞれ加熱前のβ−カリオフィレン相当量及び加熱前のフルフリルアルコール相当量で、喫食時の評価サンプルの重量に対して0.00001〜100ppmの範囲となるよう調整した。尚、当該濃度の調整は、加熱前の菜種油に溶解させるβ−カリオフィレン及びフルフリルアルコールの量を適宜調節することにより行った。
<官能評価>
マウスコーティング感の評価は、2名の専門パネルが、ポジティブコントロール、ネガティブコントロール及び評価サンプルの各マヨネーズを喫食し、ポジティブコントロールを「5.0点」、ネガティブコントロールを「0.0点」として、0.0〜5.0点の範囲で、評価サンプルを評点付けすることにより行った。
結果を下表1に示す。
表1の結果から明らかなように、β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を添加することにより、各評価サンプルのマウスコーティング感が増強した。
尚、各加熱物を高濃度(例えば、加熱前の化合物相当量で、10〜100ppm)で含有する評価サンプルの評点に、やや低下する傾向が見られたが、これは濃度が高くなると異風味が生じる場合があり、そのような異風味により、マウスコーティング感が感知しにくくなったことによるものと推察される。
(試験例2)
<ポジティブコントロール及びネガティブコントロール>
ポジティブコントロール及びネガティブコントロールは、試験例1と同様のものを使用した。
<評価サンプル>
所定量のβ−カリオフィレン及びフルフリルアルコール(いずれもシグマアルドリッチ社製)を菜種油(味の素株式会社製)に溶解させた後、当該菜種油を、オイルバス(ヤマト科学株式会社製)を用いて下表2に示す条件(温度、時間)で加熱した。ネガティブコントロールの調製に使用した市販のマヨネーズに対して、加熱していない菜種油を1重量%添加する代わりに、当該加熱後の菜種油を1重量%添加し、得られたマヨネーズを評価サンプルとした。喫食時の評価サンプルにおけるβ−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物の各濃度(含有量)は、それぞれ加熱前のβ−カリオフィレン相当量及び加熱前のフルフリルアルコール相当量で、喫食時の評価サンプルの重量に対して0.1ppm及び1.0ppmとなるよう調整した。
<官能評価>
マウスコーティング感の評価は、試験例1と同様に行った。
結果を下表2に示す。
表2の結果から、β−カリオフィレン及びフルフリルアルコールの加熱条件(温度、時間)が、得られるβ−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物のマウスコーティング感増強効果に影響する可能性が示唆された。
(試験例3)
<ポジティブコントロール及びネガティブコントロール>
ポジティブコントロールには、モデルラーメンスープ(「スーパーカップ醤油」粉末スープ(エースコック株式会社製)2.17g、鶏油(丸善食品工業株式会社製)1.60g、濃口醤油(キッコーマン株式会社製)1.00g、コウジ・ベース(味の素株式会社製)0.40g、マローポークオイル(丸善食品工業株式会社製)0.20gを熱湯で100gに調製、油脂含量:1.8%)に対して加熱していない菜種油(味の素株式会社製)を1重量%添加したもの、及び市販のファットスプレッド(株式会社明治製、商品名「セブンプレミアムかろやかソフト」、油脂含量:70%)に対して加熱していない菜種油(味の素株式会社製)を1重量%添加したものを使用した。
ネガティブコントロールには、ポジティブコントロールのラーメンスープに比べて油脂含量が少ないモデルラーメンスープ(「スーパーカップ醤油」粉末スープ(エースコック株式会社製)2.17g、鶏油(丸善食品工業株式会社製)0.80g、濃口醤油(キッコーマン株式会社製)1.00g、コウジ・ベース(味の素株式会社製)0.40g、マローポークオイル(丸善食品工業株式会社製)0.20gを熱湯で100gに調製、油脂含量:1.0%)に対して加熱していない菜種油(味の素株式会社製)を1重量%添加したもの、及びポジティブコントロールのファットスプレッドに比べて油脂含量が少ない市販のファットスプレッド(株式会社明治製、商品名「明治コーンソフト」、油脂含量:64%)に対して加熱していない菜種油(味の素株式会社製)を1重量%添加したものを使用した。
マヨネーズのポジティブコントロール及びネガティブコントロールには、試験例1と同様のものを使用した。
<評価サンプル>
所定量のβ−カリオフィレン及びフルフリルアルコール(いずれもシグマアルドリッチ社製)を菜種油(味の素株式会社製)に溶解させた後、当該菜種油を、ウォーターバス(東京理化器械株式会社製)を用いて100℃で30分間加熱した。上記ネガティブコントロールの調製に使用した各食品(市販のマヨネーズ、モデルラーメンスープ、市販のファットスプレッド)に対して、加熱していない菜種油を1重量%添加する代わりに、当該加熱後の菜種油を1重量%添加し、得られた各食品を評価サンプルとした。喫食時の評価サンプルにおけるβ−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物の各濃度(含有量)は、それぞれ加熱前のβ−カリオフィレン相当量及び加熱前のフルフリルアルコール相当量で、喫食時の評価サンプルの重量に対して0.1ppm及び1.0ppmとなるよう調整した。
<官能評価>
マウスコーティング感の評価は、3名の専門パネルが、ポジティブコントロール、ネガティブコントロール及び評価サンプルの各食品(マヨネーズ、ラーメンスープ及びファットスプレッド)を喫食し、ポジティブコントロールを「5.0点」、ネガティブコントロールを「0.0点」として、0.0〜5.0点の範囲で、評価サンプルを評点付けすることにより行った。
結果を下表3に示す。
表3の結果から明らかなように、β−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物を添加することにより、マヨネーズ、ラーメンスープ及びファットスプレッドのいずれにおいても、マウスコーティング感が増強した。
(試験例4)
<ポジティブコントロール及びネガティブコントロール>
ポジティブコントロール及びネガティブコントロールは、試験例1と同様のものを使用した。
<評価サンプル>
(a)β−カリオフィレン(シグマアルドリッチ社製)を単独で菜種油(味の素株式会社製)に溶解させた後、当該菜種油を、ウォーターバス(東京理化器械株式会社製)を用いて100℃で30分間加熱した。
(b)フルフリルアルコール(シグマアルドリッチ社製)を単独で菜種油に溶解させた後、当該菜種油(味の素株式会社製)を、ウォーターバス(東京理化器械株式会社製)を用いて100℃で30分間加熱した。
(c)β−カリオフィレン及びフルフリルアルコール(いずれもシグマアルドリッチ社製)を菜種油(味の素株式会社製)に溶解させた後、当該菜種油を、ウォーターバス(東京理化器械株式会社製)を用いて100℃で30分間加熱した。
ネガティブコントロールの調製に使用した市販のマヨネーズに対して、加熱していない菜種油を1重量%添加する代わりに、上記(a)〜(c)において調製した加熱後の各菜種油、及び、上記(a)において調製した加熱後の菜種油と上記(b)において調製した加熱後の菜種油との混合物を、それぞれ1重量%添加し、得られた各マヨネーズを評価サンプルとした。
喫食時の評価サンプルにおけるβ−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物の各濃度(含有量)は、下表4に示す通り、それぞれ加熱前のβ−カリオフィレン相当量及び加熱前のフルフリルアルコール相当量で、喫食時の評価サンプルの重量に対して0.1ppm及び1.0ppmとなるよう調整した。
<官能評価>
マウスコーティング感の評価は、試験例1と同様に行った。
結果を下表4に示す。
表4の結果から明らかなように、β−カリオフィレン加熱物を単独で添加して調製した評価サンプル及びフルフリルアルコール加熱物を単独で添加して調製した評価サンプルのいずれにおいても、マウスコーティング感が増強した。
また、β−カリオフィレン及びフルフリルアルコールを併せて加熱して得られた加熱物を添加して調製した評価サンプル(上記(c)において調製した加熱後の菜種油を添加した評価サンプル)、並びに、β−カリオフィレン及びフルフリルアルコールを個別に加熱して得られた各加熱物を添加して調製した評価サンプル(上記(a)において調製した加熱後の菜種油と上記(b)において調製した加熱後の菜種油との混合物を添加した評価サンプル)のいずれにおいても、マウスコーティング感が増強した。
(試験例5)
<ポジティブコントロール及びネガティブコントロール>
ポジティブコントロール及びネガティブコントロールは、試験例1と同様のものを使用した。
<評価サンプル>
(I)ネガティブコントロールの調製に使用した市販のマヨネーズに対して、加熱していない菜種油を1重量%添加する代わりに、菜種油(味の素株式会社製)、大豆油(味の素株式会社製)、オリーブ油(味の素株式会社製)、ごま油(竹本油脂株式会社製)、米油(味の素株式会社製)、べに花油(味の素株式会社製)、グレープシード油(味の素株式会社製)、アマニ油(株式会社朝日製)、えごま油(株式会社朝日製)及び魚油(タマ生化学株式会社製)を、それぞれ加熱することなくそのまま1重量%添加し、得られたマヨネーズを、それぞれ評価サンプルとした。
(II)菜種油(味の素株式会社製)、大豆油(味の素株式会社製)、オリーブ油(味の素株式会社製)、ごま油(竹本油脂株式会社製)、米油(味の素株式会社製)、べに花油(味の素株式会社製)、グレープシード油(味の素株式会社製)、アマニ油(株式会社朝日製)、えごま油(株式会社朝日製)及び魚油(タマ生化学株式会社製)を、そのままウォーターバス(東京理化器械株式会社製)を用いて100℃で30分間加熱した。ネガティブコントロールの調製に使用した市販のマヨネーズに対して、加熱していない菜種油を1重量%添加する代わりに、加熱後の各油脂を1重量%添加し、得られたマヨネーズを、それぞれ評価サンプルとした。
(III)所定量のβ−カリオフィレン及びフルフリルアルコール(いずれもシグマアルドリッチ社製)を、菜種油(味の素株式会社製)、大豆油(味の素株式会社製)、オリーブ油(味の素株式会社製)、ごま油(竹本油脂株式会社製)、米油(味の素株式会社製)、べに花油(味の素株式会社製)、グレープシード油(味の素株式会社製)、アマニ油(株式会社朝日製)、えごま油(株式会社朝日製)及び魚油(タマ生化学株式会社製)に、それぞれ溶解させた後、ウォーターバス(東京理化器械株式会社製)を用いて100℃で30分間加熱した。ネガティブコントロールの調製に使用した市販のマヨネーズに対して、加熱していない菜種油を1重量%添加する代わりに、加熱後の各油脂を1重量%添加し、得られたマヨネーズを、それぞれ評価サンプルとした。喫食時の評価サンプルにおけるβ−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物の各濃度(含有量)は、それぞれ加熱前のβ−カリオフィレン相当量及び加熱前のフルフリルアルコール相当量で、喫食時の評価サンプルの重量に対して0.1ppm及び1.0ppmとなるよう調整した。
<官能評価>
マウスコーティング感の評価は、試験例1と同様に行った。
結果を下表5に示す。尚、表中の「化合物」は、β−カリオフィレン及びフルフリルアルコールを指す。
表5の結果から明らかなように、β−カリオフィレン及びフルフリルアルコールを、菜種油、大豆油、オリーブ油、ごま油、米油、べに花油、グレープシード油、アマニ油、えごま油及び魚油の各媒体中で加熱して得られたβ−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物のいずれについても、評価サンプルのマウスコーティング感が増強した。
本発明によれば、マウスコーティング感を増強することができるマウスコーティング感増強剤及びその製造方法を提供し得る。
また本発明によれば、マウスコーティング感が増強された食品及びその製造方法を提供し得る。
また本発明によれば、マウスコーティング感の増強方法を提供し得る。

Claims (27)

  1. β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を有効成分とする、マウスコーティング感増強剤。
  2. β−カリオフィレン加熱物が、β−カリオフィレンの油中加熱物であり、
    フルフリルアルコール加熱物が、フルフリルアルコールの油中加熱物である、請求項1記載の増強剤。
  3. β−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物を有効成分とし、
    当該β−カリオフィレン加熱物の、マウスコーティング感増強剤における含有量を、加熱前のβ−カリオフィレン相当量でA(重量)とし、かつ、当該フルフリルアルコール加熱物の、マウスコーティング感増強剤における含有量を、加熱前のフルフリルアルコール相当量でB(重量)としたとき、当該AとBとの比が、A:B=1:0.00000008〜12000000の範囲内である、請求項1又は2記載の増強剤。
  4. 少なくともβ−カリオフィレン加熱物を有効成分とし、
    当該β−カリオフィレン加熱物の、マウスコーティング感増強剤における含有量を、加熱前のβ−カリオフィレン相当量でA(重量)とし、かつ、マウスコーティング感増強剤が添加された食品の喫食時の重量を、Cとしたとき、当該Aが、Cに対して0.000008〜120ppmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の増強剤。
  5. 少なくともフルフリルアルコール加熱物を有効成分とし、
    当該フルフリルアルコール加熱物の、マウスコーティング感増強剤における含有量を、加熱前のフルフリルアルコール相当量でB(重量)とし、かつ、マウスコーティング感増強剤が添加された食品の喫食時の重量を、Cとしたとき、当該Bが、Cに対して0.000008〜120ppmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の増強剤。
  6. 油脂含有食品用である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の増強剤。
  7. β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を添加することを含む、マウスコーティング感増強方法。
  8. β−カリオフィレン加熱物が、β−カリオフィレンを油脂中で加熱して得られるものであり、
    フルフリルアルコール加熱物が、フルフリルアルコールを油脂中で加熱して得られるものである、請求項7記載の増強方法。
  9. β−カリオフィレンの加熱温度が、40〜200℃であり、その加熱時間が、0.1〜500分間であり、
    フルフリルアルコールの加熱温度が、40〜200℃であり、その加熱時間が、0.1〜500分間である、請求項7又は8記載の増強方法。
  10. β−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物を添加することを含み、
    当該β−カリオフィレン加熱物の添加量を、加熱前のβ−カリオフィレン相当量でA(重量)とし、かつ、当該フルフリルアルコール加熱物の添加量を、加熱前のフルフリルアルコール相当量でB(重量)としたとき、当該AとBとの比が、A:B=1:0.00000008〜12000000の範囲内である、請求項7〜9記載の増強方法。
  11. β−カリオフィレン加熱物を添加することを少なくとも含み、
    当該β−カリオフィレン加熱物の添加量を、加熱前のβ−カリオフィレン相当量でA(重量)とし、かつ、当該β−カリオフィレン加熱物を添加した食品の喫食時の重量を、Cとしたとき、当該Aが、Cに対して0.000008〜120ppmである、請求項7〜10のいずれか一項に記載の増強方法。
  12. フルフリルアルコール加熱物を添加することを少なくとも含み、
    当該フルフリルアルコール加熱物の添加量を、加熱前のフルフリルアルコール相当量でB(重量)とし、かつ、当該フルフリルアルコール加熱物を添加した食品の喫食時の重量を、Cとしたとき、当該Bが、Cに対して0.000008〜120ppmである、請求項7〜11のいずれか一項に記載の増強方法。
  13. 油脂含有食品のマウスコーティング感増強方法である、請求項7〜12のいずれか一項に記載の増強方法。
  14. β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を添加することを含む、食品の製造方法。
  15. β−カリオフィレン加熱物が、β−カリオフィレンを油脂中で加熱して得られるものであり、
    フルフリルアルコール加熱物が、フルフリルアルコールを油脂中で加熱して得られるものである、請求項14記載の製造方法。
  16. β−カリオフィレンの加熱温度が、40〜200℃であり、その加熱時間が、0.1〜500分間であり、
    フルフリルアルコールの加熱温度が、40〜200℃であり、その加熱時間が、0.1〜500分間である、請求項14又は15記載の製造方法。
  17. β−カリオフィレン加熱物及びフルフリルアルコール加熱物を添加することを含み、
    当該β−カリオフィレン加熱物の添加量を、加熱前のβ−カリオフィレン相当量でA(重量)とし、かつ、当該フルフリルアルコール加熱物の添加量を、加熱前のフルフリルアルコール相当量でB(重量)としたとき、当該AとBとの比が、A:B=1:0.00000008〜12000000の範囲内である、請求項14〜16のいずれか一項に記載の製造方法。
  18. β−カリオフィレン加熱物を添加することを少なくとも含み、
    当該β−カリオフィレン加熱物の添加量を、加熱前のβ−カリオフィレン相当量でA(重量)とし、かつ、製造する食品の喫食時の重量を、Cとしたとき、当該Aが、Cに対して0.000008〜120ppmである、請求項14〜17のいずれか一項に記載の製造方法。
  19. フルフリルアルコール加熱物を添加することを少なくとも含み、
    当該フルフリルアルコール加熱物の添加量を、加熱前のフルフリルアルコール相当量でB(重量)とし、かつ、製造する食品の喫食時の重量を、Cとしたとき、当該Bが、Cに対して0.000008〜120ppmである、請求項14〜18のいずれか一項に記載の製造方法。
  20. 食品が、マウスコーティング感が増強された食品である、請求項14〜19のいずれか一項に記載の製造方法。
  21. 食品が、油脂含有食品である、請求項14〜20のいずれか一項に記載の製造方法。
  22. β−カリオフィレン加熱物及び/又はフルフリルアルコール加熱物を含有する食品。
  23. β−カリオフィレン及び/又はフルフリルアルコールを加熱することを含む、マウスコーティング感増強剤の製造方法。
  24. β−カリオフィレン及び/又はフルフリルアルコールの加熱が、β−カリオフィレン及び/又はフルフリルアルコールを油脂中で加熱して行われる、請求項23記載の製造方法。
  25. β−カリオフィレンの加熱温度が、40〜200℃であり、その加熱時間が、0.1〜500分間であり、
    フルフリルアルコールの加熱温度が、40〜200℃であり、その加熱時間が、0.1〜500分間である、請求項23又は24記載の製造方法。
  26. β−カリオフィレン及びフルフリルアルコールを加熱することを含み、
    加熱するβ−カリオフィレン及びフルフリルアルコールの量を、それぞれA(重量)及びB(重量)としたとき、当該AとBとの比が、A:B=1:0.00000008〜12000000の範囲内である、請求項23〜25のいずれか一項に記載の製造方法。
  27. マウスコーティング感増強剤が、油脂含有食品用である、請求項23〜26のいずれか一項に記載の製造方法。
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