JP5885913B2 - 米穀粒の加工方法、米穀粉の粒径および粒径分布の制御方法、ならびに米穀粉の糊化度および粘度の制御方法 - Google Patents

米穀粒の加工方法、米穀粉の粒径および粒径分布の制御方法、ならびに米穀粉の糊化度および粘度の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、米穀粒の加工方法、この方法によって得られた米穀粉、米穀粉の粒径分布の制御方法および米穀粉の粘度制御方法ならびにその加工品に関するものである。
食品製造に用いられている代表的な穀物粉としては、小麦粉および米粉を挙げることができ、それぞれの食味、食感などを活かして各種の食品の製造に用いられている。
このうち、米穀粉は、一般に、精白米を洗浄、浸漬、水切り、粉砕の工程を順次行うことにより製造されている。従来より、米穀粉は飯米品種の米を原料として製造されているが、これらの米粉は、(1)生菌数が高く、かつリポキシゲナーゼやリパーゼなどの脂質過酸化を起こす酵素活性が高いために、可食期間が短い、(2)コシヒカリなどの良食味飯米品種が多く、小麦粉のように食品別の用途に適した米粉を提供することが難しいこともあって、加工用原料としての用途が制限されることがあった。さらに(3)米粉加工食品は小麦粉加工食品に比べて、食後血糖値の上昇が速いという問題点もある。
加工用原料として用いられる米穀粉は、一般に米粒を粉砕処理に付すことによって製造されており、そして、このような米穀粉は、他の原料および水等が配合された後、必要に応じて加熱等の処理がなされて最終製品へと加工される。この際、米穀粉中のデンプンの糊化により粘度が過度に上昇してしまうことがあって、加工性が著しく低下することがあった。
また、食品等には、当然に優れた味覚、風味、食感等が求められているが、これらは各食品毎に異なるものであって、他の原料および調理、加工条件等によっても広範に変化するものである。したがって、加工用原料として用いられる米穀粉にも、多種多様な他の原料や調理、加工条件等に応じて、優れた味覚、風味、食感、色調等を食品に付与できるような性状、特性等が求められている。食品の味覚、風味、食感、色調等は、非常に複雑なものであり、仮に同一原材料からなるものであっても、その物理的性状ないし化学的性状の僅かな相違によって著しく変動する場合がある。例えば、米穀粉についていえば、大粒径の物と小粒径のものとは、例えば吸油性、吸水性、粒子性状、糊化度、他の原料との混合性、反応性等が相違して、これらの相違が食品の味覚、風味、食感、色調等に大きな影響を及ぼすことが考えられる。
よって、米穀粉の粒径および粒径分布を制御する技術を確立することは、従来より優れた、あるいは従来とは異なった新しい味覚、風味、食感等を有する食品を提供するうえで重要になる。
本発明は、安全性、加工適性、生理活性等が優れた米穀粉を提供し、そして、米穀粉の粒径および粒径分布の制御方法、ならびに米穀粉の粘度制御方法を提供するものである。
本発明による米穀粒の加工方法は、澱粉中のアミロース含量が20重量%以上の米穀粒を、0.05〜0.5MPaの圧力条件下、1〜60分間、水蒸気による湿熱処理に付した後、粉砕処理を行うこと、を特徴とするものである。
このような本発明による米穀粒の加工方法は、好ましくは、前記の湿熱処理に付す米穀粒が、うるち精白米、うるち玄米、うるち部搗米のいずれかであるもの、を包含する。
このような本発明による米穀粒の加工方法は、好ましくは、前記の湿熱処理に付す米穀粒が、水分含有量が10〜25重量%のもの、を包含する。
このような本発明による米穀粒の加工方法は、好ましくは、前記の湿熱処理によって、前記の米穀粒のリパーゼ活性およびリポキシナーゼ活性のそれぞれを低減させるもの、を包含する。
また、本発明による米穀粉は、上記いずれかの米穀粒の加工方法によって得られたものであること、を特徴とするものである。
また、本発明による米穀粉の粒径および粒径分布の制御方法は、澱粉中のアミロース含量が20重量%以上の米穀粒を、0.05〜0.5MPaの圧力条件下、1〜60分間、水蒸気による湿熱処理に付した後、粉砕処理を行うこと、を特徴とするものである。
そして、本発明による米穀粉の糊化度および粘度の制御方法は、澱粉中のアミロース含量が20重量%以上の米穀粒を、0.05〜0.5MPaの圧力条件下、1〜60分間、水蒸気による湿熱処理に付した後、粉砕処理を行うこと、を特徴とするものである。
そして、本発明による加工品は、前記の米穀粉から得られたものであること、を特徴とするものである。
本発明によれば、特定の湿熱処理によって、生菌数ならびに各種の酵素活性を低下させることができるので、米穀粉およびこの米穀粉から得られた加工品の品質低下を抑制することができる。したがって、米穀粉ならびに加工品の保存安定性および安全性を著しく向上させることができる。
そして、本発明によれば、特定の湿熱処理によって、その後の粉砕処理において米穀粒を粉砕するときに、その粒子性状(例えば、粒子径、粒度分布、安息角、かさ密度、分散度等)を容易に制御することができ、さらに、米穀粉の糊化度および粘度変化を制御できることができる。これらのことによって、本発明では用途に応じた最適な米穀粉を容易に得ることができる。特に、米穀粉製造の粉砕における米穀粉の粒度を制御することができ、吸水性の低下などの物性が変化するため、食品別の用途に適した米穀粉を提供することが可能になる。
このように、本発明によれば、最適な米穀粉を得ることができるので、従来は適用が難しかった多種多様な用途に米由来の加工用原料が適用可能になる。この場合、従来とは異なった米由来の加工用原料に基づく独特な風味、食味、食感等を加工品に付与することが可能になる。
単に、粒径の小さいあるいは大きい米穀粉を得ることは、例えば粉砕機械の選定や粉砕条件の変更などによって可能になる場合があるが、本発明によれば、米穀粉の粒径だけでなく粒径分布をも制御できたこと、ならびに米穀粉の糊化度および粘度をも制御できたこと、そして、従来より優れたあるいは従来とは異なった新しい味覚、風味、食感等を有する食品を提供できたことは、思いがけないことである。
さらに、米穀粉の粘度を低下させて、米穀粉を製造原料として使用する際の加工性を著しく向上させることができる。
実施例1で得られた本発明による米穀粉の糊化度を示す相関図である。 比較例2で得られた米穀粉の粒度分布を示す図である。 比較例3で得られた米穀粉の粒度分布を示す図である。 実施例2の条件(イ)で得られた米穀粉の粒度分布を示す図である。 実施例2の条件(ロ)で得られた米穀粉の粒度分布を示す図である。 実施例2の条件(ハ)で得られた米穀粉の粒度分布を示す図である。 実施例2の条件(ニ)で得られた米穀粉の粒度分布を示す図である。 実施例2の条件(ホ)で得られた米穀粉の粒度分布を示す図である。 実施例2の条件(ヘ)で得られた米穀粉の粒度分布を示す図である。 実施例2および比較例2で得られた米穀粉の粒度分布を示す図である。 実施例2で得られた米穀粉の粒度分布を示す相関図である。 比較例4で得られた小麦粉の粒度分布を示す図である。 実施例2の条件(ロ)および比較例2で得られた米穀粉ならびに比較例4で得られた小麦粉の粒度分布を示す図である。
<米穀粒の加工方法>
本発明による米穀粒の加工方法は、澱粉中のアミロース含量が20重量%以上の米穀粒を、0.05〜0.5MPaの圧力条件下、1〜60分間、水蒸気による湿熱処理に付した後、粉砕処理を行うこと、を特徴とする。
澱粉中のアミロース含量は20重量%以上、好ましくは25重量%以上、である。アミロース含量の上限は、特に制限はされないが、一般に40重量%程度である。アミロース含量は20重量%未満である場合には、わずかな湿熱処理によっても糊化度や粘度が急激に上昇してしまうことから制御することが困難であること、生理活性を付与することが困難であることから、好ましくない。ここで、澱粉中のアミロース含量は、例えばアミロース/アミロペクチン測定キット(メガザイム社製)によって求めることができる。
そのような澱粉中のアミロース含量が20重量%以上の米穀としては、好ましくはうるち精白米、うるち玄米、うるち部搗米を挙げることができる。これらの二種以上用いることができる。なお、本発明は、湿熱処理の付す米穀粒の全量が、常にアミロース含量が20重量%以上である必要はなく、アミロース含量が20重量%未満の上記米穀粒、あるいは上記以外の米穀粒、あるいは他の食品材料等が共存することができる。
そして、本発明において、湿熱処理に付すうるち精米または玄米は、水分含有量が10〜25重量%のものが好ましく、12〜18重量%のものが特に好ましい。水分含有量が10重量%未満の場合は、湿熱処理により米粒の胴割れが起こり、一方、25重量%超過の場合は、湿熱処理により粒状のままでは維持できず、糊状になってしまい、そのまま固まってしまうことから好ましくない。
湿熱処理に付す澱粉中のアミロース含量が20重量%以上の米穀粒は、米粒状であるのが通常であるが、米穀粒を例えば粒径が500〜2000μm程度に粗粉砕したものであっても、あるいは米粒状の物と粉体状の物とが混在したものであってもよい。
本発明において、湿熱処理は、0.05〜0.5MPaの圧力条件下、1〜60分間、水蒸気によって行うことができる。
湿熱処理の圧力条件は、0.05〜0.5MPa、好ましくは0.1〜0.3MPaである。0.05MPa未満の場合は、十分な湿熱処理効果が得られず、0.5MPa超過の場合は、著しい着色が発生してしまうことから好ましくない。
湿熱処理の時間は、1〜60分間、好ましくは1〜10分間、である。1分間未満の場合は、十分な湿熱処理効果が得られず、一方60分間超過の場合は、著しい着色が発生してしまうことから好ましくない。
本発明での湿熱処理は、圧力条件および温度条件のいずれか片方あるいは両方が上記範囲内において常に一定である必要はなく、上記範囲内で変動することができる。また、圧力条件および温度条件の双方が上記範囲内にある時間が1〜60分間であるならば、圧力条件および温度条件のいずれか片方あるいは両方が上記範囲内から一時的に逸脱してもよい。
この湿熱処理は、合目的な任意の装置ないし方法によって行うことができる。本発明では、上記の湿熱処理条件を実現しうる耐熱性および耐圧性を備えた密閉容器を用いことができる。この密閉容器には、好ましくは、その内部へ水蒸気の供給ができるような配管、および内部の水蒸気を放出するコック等を設けることができる。また、必要に応じて、この密閉容器に充填された内容物を撹拌出来るような攪拌装置等を設けることができる。
本発明では、上記の湿熱処理を少なくとも1回は行う必要があるが、複数回行うこともできる。例えば、上記条件の湿熱処理を行った後、水蒸気を容器外部に解放し、その後容器内に水蒸気を導入することを行うことができる。このような湿熱処理を複数回行うことによって試料に対する湿熱処理の均一性が向上する場合があるので好ましい。なお、湿熱処理を複数回行う場合、その湿熱処理の合計時間は60分間以下であることができ、また60分間を越えることもできる。
水蒸気の供給の仕方および方法も任意である。例えば、(イ)湿熱処理すべきうるち精米または玄米を密閉容器に収容した後に、水蒸気をこの密閉容器に所定の圧力に達するまで導入した後、水蒸気の導入を停止し、密閉容器内部の圧力を所定時間保持した後、密閉容器から水蒸気を放出する方法、(ロ)湿熱処理すべきうるち精米または玄米を密閉容器に収容した後に、水蒸気をこの密閉容器に連続的に導入および密閉容器から連続的に放出させながら所定の圧力を維持し、その状態を所定の時間保持した後、水蒸気の導入を停止する方法、(ハ)水蒸気によって所定の湿熱処理条件が維持された帯域に、湿熱処理すべきうるち精米または玄米を供給し、その帯域を所定の時間で通過させるようにする方法等を挙げることができる。この中では、特に(イ)が好ましい。
<米穀粉の生菌数、リパーゼ活性、リポキシゲナーゼ活性の低下方法>
本発明での湿熱処理によれば、米穀粉中の生菌数を低下させることができ、例えば、処理前に比べて1%以下に低下させることができる。
また、本発明での湿熱処理によれば、米穀粒のリパーゼ活性を低下させることができ、処理前に比べて80%以下、特に50%以下に低下させることができる。
そして、本発明での湿熱処理によれば、米穀粒のリポキシゲナーゼ活性を低下させることができ、例えば、処理前に比べて70%以下、特に50%以下に低下させることができる。
ここで、「生菌数」は、標準寒天培地法によって求められたものである。また、「リポキシゲナーゼ活性」は、特開2001-29097号公報に記載の穀類中のリポキシゲナーゼ活性の測定方法を参考にして求められたものであり、「リパーゼ活性」は、大日本製薬株式会社 リパーゼキットSを用いて求められたものである。
(参考資料)
・特開2001-29097号公報 穀類中のリポキシゲナーゼ活性の測定方法
・大日本製薬株式会社 リパーゼキットS
<米穀粉の粒径および粒径分布の制御方法>
本発明による米穀粉の粒径および粒径分布の制御方法は、澱粉中のアミロース含量が20重量%以上の米穀粒を、0.05〜0.5MPaの圧力条件下、1〜60分間、水蒸気による湿熱処理に付した後、粉砕処理を行うこと、を特徴とする。
本発明での上記の湿熱処理と粉砕処理とを組み合わせることによって、粉砕処理物の粒子性状(例えば、粒子径、粒度分布、安息角、かさ密度、分散度等)を容易に制御することができる。
なお、澱粉中のアミロース含量、湿熱処理および粉砕処理の詳細は、前記した通りである。
本発明での上記の湿熱処理と粉砕処理との組み合わせによれば、湿熱処理を行わずに単に粉砕処理のみを行った場合とは、明らかに粉砕処理物の粒子性状が異なる。
例えば、実施例2ならびに表2、図4、図5、図6、図7、図8、図9に示されるように、同一条件での粉砕処理を実施した場合、湿熱処理と粉砕処理との組み合わせによれば、平均粒子径は40〜210μm、頻度比率の最大値が3.5〜7%、そのときの粒子径が40〜210μm、粒子径の範囲が10〜100μmの頻度比率の合計が10〜70%、100〜600μmの頻度比率の合計が20〜90%と変動し、粒度分布のピークが鋭い(頻度比率の最大値が高い)ものから粒度分布のピークが横ばいの(頻度比率の最大値が低い)ものまで様々な粒度分布を持つ破砕物が得られる。それに対して、単に粉砕処理のみを行った場合には、実施例2ならびに図2、図3に示されるように、平均粒子径が25〜40μmと細かく、頻度比率の最大値が5%付近と比較的高い粒度分布のピークが鋭い粉砕物のみが形成される。
より具体的には、実施例2、図2に示される通り、本発明の所定の湿熱処理を行わない比較例2では、レーザー回折式粒度分布測定装置による体積基準粒度分布において、平均粒子径が26.3μmであり、頻度比率の最大値が5.4%でその粒子径が23.5μmであった。また、粒子径の範囲が10〜100μmの頻度比率の合計が81.1%、100〜600μmの頻度比率の合計が8.9%であるのに対し、
(イ):0.05MPa、10分の湿熱処理によって、平均粒子径が41.6μmであり、頻度比率の最大値が3.8%でその粒子径が44.0μmであった。また、粒子径の範囲が10〜100μmの頻度比率の合計が68.7%、100〜600μmの頻度比率の合計が24.3%を持つ米穀粉が得られ、
(ロ):0.1MPa、10分の湿熱処理によって、平均粒子径が56.7μmであり、頻度比率の最大値が3.7%でその粒子径が82.1μmであった。また、粒子径の範囲が10〜100μmの頻度比率の合計が58.5%、100〜600μmの頻度比率の合計が36.5%を持つ米穀粉が得られ、
(ハ):0.15MPa、10分の湿熱処理によって、平均粒子径が81.0μmであり、頻度比率の最大値が5.0%でその粒子径が153.4μmであった。また、粒子径の範囲が10〜100μmの頻度比率の合計が47.7%、100〜600μmの頻度比率の合計が50.6%を持つ米穀粉が得られ、
(ニ):0.2MPa、10分の湿熱処理によって、平均粒子径が139.8μmであり、頻度比率の最大値が6.1%でその粒子径が153.4μmであった。また、粒子径の範囲が10〜100μmの頻度比率の合計が26.1%、100〜600μmの頻度比率の合計が72.6%を持つ米穀粉が得られ、
(ホ):0.25MPa、10分の湿熱処理によって、平均粒子径が182.5μmであり、頻度比率の最大値が6.5%でその粒子径が188.9μmであった。また、粒子径の範囲が10〜100μmの頻度比率の合計が15.0%、100〜600μmの頻度比率の合計が81.2%を持つ米穀粉が得られ、
(ヘ):0.3MPa、10分の湿熱処理によって、平均粒子径が203.7μmであり、頻度比率の最大値が6.8%でその粒子径が209.7μmであった。また、粒子径の範囲が10〜100μmの頻度比率の合計が10.5%、100〜600μmの頻度比率の合計が86.0%を持つ米穀粉が得られる。
このように、本発明の所定の湿熱処理によれば、平均粒子径および頻度比率が最大を示すときの粒子径を次第に大きくなるように制御することができる。また、粒子径の範囲が10〜100μmの頻度比率の合計が次第に減少するように、一方、粒子径の範囲が100〜600μmの頻度比率の合計が次第に増加するように制御することができる。
湿熱処理の圧力が比較的低い0.05〜0.1MPaおよび時間が比較的短い1〜5分程度では、頻度比率の最大値が減少するように制御することが容易であり、湿熱処理の圧力が比較的高い0.1〜0.3MPaおよび時間が比較的長い5〜10分程度では、頻度比率の最大値が増加するように制御することが容易である。また、実施例2ならびに表2、図13に示されるように平均粒子径、頻度比率の最大値、そのときの粒子径、粒子径の範囲が10〜100μmの頻度比率の合計および100〜600μmの頻度比率の合計が小麦粉と同程度の粉砕物が得られる。
なお、湿熱処理を行わずに単に粉砕処理のみで平均粒子径30〜210μm、粒子径の範囲が10〜100μmの頻度比率の合計が10〜70%、100〜600μmの頻度比率の合計が20〜90%の粉砕物を得ようとする場合は、例えば、ロール粉砕や気流粉砕など様々な粉砕機を使用すれば可能となるが、その場合には頻度比率の最大値が5%以上と粒度分布のピークが鋭い破砕物のみしか得られず、結果として、湿熱処理と粉砕処理とを組み合わせた時のような粒子径および粒度分布を得ることは困難である。
本発明では、粉砕処理条件が石臼式粉砕方法である場合、湿熱処理の圧力を上昇させると、粉砕物の平均粒子径が大きくなるとともに、頻度比率の最大値が5%付近と鋭いピークの粒度分布が徐々に頻度比率の最大値が低下し、ピークが横ばいの粒度分布になり、圧力が0.15MPa程度を越えると、それを境に、頻度比率の最大値が上昇し、再び鋭いピークの粒度分布にもどる傾向がある。湿熱処理の時間を長くしていくと、粉砕物の平均粒子径が大きくなるとともに、頻度比率の最大値が5%付近と鋭いピークの粒度分布が徐々に頻度比率の最大値が低下し、ピークが横ばいの粒度分布になり、処理時間が10分を越えると、それを境に、頻度比率の最大値が上昇し、再び鋭いピークの粒度分布にもどる傾向がある。
粉砕処理の具体的条件は、例えば加工米の具体的用途、目的等に応じて、適宜定めることができる。好ましくは、湿熱処理の圧力が0.05〜0.15MPaであり処理時間が0.1〜20分間の場合、パンやプレッツェル等に適する。また、湿熱処理の圧力が0.15〜0.5MPaであり処理時間が10〜60分間の場合、米菓等に適する。特に好ましくは、湿熱処理の圧力が0.05〜0.1MPaであり処理時間が1〜10分間の場合、パンやプレッツェル等に適する。また、湿熱処理の圧力が0.2〜0.3MPaであり処理時間が10〜30分間の場合、米菓等に適する。
<米穀粉の糊化度および粘度制御方法>
本発明による米穀粉の糊化度および粘度制御方法は、澱粉中のアミロース含量が20重量%以上の米穀粒を、0.05〜0.5MPaの圧力条件下、0.1〜60分間、水蒸気による湿熱処理に付した後、粉砕処理を行うこと、を特徴とする。
ここで、澱粉中のアミロース含量、湿熱処理および粉砕処理の詳細は、前記した通りである。
このような本発明では、米穀粒の糊化度、温度変化時の糊化熱量並びに粘度を制御できることができる。例えば、実施例1、表1、ならびに図1に示されるように、湿熱処理がなされていない物の場合には、糊化度が7〜8%であったが、所定の湿熱処理がなされた物の場合には、糊化度を10〜80%まで調節することが可能となる。湿熱処理の圧力を上昇させると、それに伴い糊化度も上昇する傾向があり、湿熱処理の時間を延長させると、それに伴い糊化度も上昇する傾向がある。
また、実施例3、表3に示されるように、温度変化による糊化粘度特性を調べた場合、湿熱処理がなされていない物の場合には、糊化熱量、最高粘度、セットバックはそれぞれ7.1J/g、4668RVU、2166RVUであったが、所定の湿熱処理がなされた物の場合には、糊化熱量(2〜5J/g)、最高粘度(900〜3300RVU)、セットバック(200〜1600RVU)を制御することが可能となる。湿熱処理の圧力を上昇させると、糊化熱量、最高粘度、セットバックともに低下する傾向があり、湿熱処理の時間を延長させると、糊化熱量、最高粘度、セットバックともに低下する傾向がある。
このように、本発明による所定の湿熱処理によれば、糊化粘度を低下させることができるので、食品への加工性が向上させることができる。
本発明では、食品のGIを低減させることができる。例えば、実施例4、ならびに表4に示されるように、所定の湿熱処理がなされたアミロース含量20重量%未満の米粉の場合には、推定GIが79.3であったが、所定の湿熱処理がなされたアミロース含量20重量%以上の米粉の場合には、推定GIを70.2まで低減させることが可能となる。湿熱処理の圧力を上昇させると、推定GIは低減する傾向があり、湿熱処理の時間を延長させると、推定GIは低減する傾向がある。
<加工品>
本発明による米穀粉の用途としては、保存性、物性が向上し、血糖値上昇抑制効果を持つものになるため、強力粉や薄力粉といった小麦粉原料の代替として用いることができるほか、飲食品、医薬品、化粧品、工業製品等の各分野で利用することができる。
飲食品としては特に制限はないが、例えば、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味噌、もろみ、ひしお、マヨネーズ、ドレッシング、食酢、三杯酢、粉末すし酢、中華の素、天つゆ、麺つゆ、ソース、ケチャップ、焼き肉のタレ、カレールー、シチューの素、スープの素、だしの素、複合調味料、みりん、新みりん、テーブルシロップなどの種々の調味料に加工原料として用いることができる。また、せんべい、あられ、おかき、おこし、餅類、まんじゅう、ういろう、あん類、羊羹、水羊羹、錦玉、ゼリー、カステラ、飴玉などの各種和菓子、パン、ビスケット、クラッカー、クッキー、パイ、プリン、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリーム、ワッフル、スポンジケーキ、ドーナッツ、チョコレート、チューインガム、キャラメル、キャンディー、ヨーグルトなどの各種洋菓子、アイスクリーム、シャーベットなどの氷菓、果実のシロップ漬け、氷蜜などのシロップ類、フラワーペースト、ピーナッツペースト、フルーツぺーストなどのペースト類、ジャム、マーマレード、シロップ漬け、糖菓などの果実、野菜の加工食品類にも添加することができる。更に、福神漬け、べったら漬け、千枚漬け、らっきょう漬けなどの漬物類、うどん、そば、中華麺、スパゲッティなどの麺類、パン粉、トンカツ、ハムカツ、ビーフカツ、エビフライ、イカフライ、魚フライ、鶏から揚げ、竜田揚げなどのフライ食品、エビ天ぷら、キス天ぷら、野菜天ぷら、かき揚げなどの各種天ぷら類、ハム、ソーセージ、ハンバーグ、ミートボールなどの畜肉製品類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、揚げかまぼこ、はんぺんなどの魚肉製品類、ウニ、イカの塩辛、さきするめ、フグのみりん干しなどの各種珍味類、のり、山菜、するめ、小魚、貝などから製造される佃煮類、煮豆、ポテトサラダ、昆布巻きなどの惣菜食品、魚肉、畜肉、果実、野菜のビン詰め、缶詰類、コーヒー、ココア、ジュース、炭酸飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲料などの清涼飲料水、プリンミックス、ホットケーキミックス、即席ジュース、即席コーヒー、即席しるこなどの各種飲食物等にも添加することができる。
また、医薬品及び化粧品としては、例えば、内服薬、トローチ、肝油ドロップ、経口栄養剤、口中清涼剤、口中香剤、うがい薬、ファンデーション、口紅等に利用することができる。更に、本発明で得られた加工米は、上記飲食品、医薬品、化粧品以外の一般工業製品にも利用することができる。その具体例としては、例えば液状塗料(バインダーとして)、石膏ボード(接着剤として)、セメント(硬化時間の遅延剤として)、印画紙、剥離剤等を挙げることができる。
<実施例1> 糊化度測定
耐圧性の密閉できる内容積20リットルのステンレス加圧容器(TB20N、アズワン社製)を用い、予め蒸気を導入して、装置全体を予備加熱した後、澱粉中のアミロース含量が33.1重量%のうるち精米約1kgを入れた容器を入れ、蒸気を導入した。耐圧性容器内の圧力が0.05MPa、0.1MPa、0.15MPa、0.2MPa、0.25MPaまたは0.3MPaに達してから10分間保持した後、蒸気コックを閉じ、内圧を開放して、大気圧まで降圧させた。
放冷して品温を25℃まで下げ、湿熱処理された加工米を得た。これを石臼式冷却製粉機(有限会社ウエスト社製の「ミクロパウダー」)により粉砕して湿熱処理米粉を得た。ここで、粉砕条件は、1kg当たり60分間かけて粉砕した。(尚、この粉砕条件は、以下の各実施例および各比較例において同一である)
結果は、表1および図1に示される通りである。
<比較例1>
実施例1において湿熱処理を行わない以外は実施例1と同様な方法によって、粉砕した米粉を得た。結果は表1に示される通りである。
得られた米粉の糊化度を、澱粉科学(J. Jap. Soc. Starch Sci.)28 (4),p235-240 に記載された「β−アミラーゼ−プルラナーゼ(BAP)系を用いた澱粉の糊化度、老化度の新測定法」にしたがって測定した。
生デンプンを全く分解しないβ−アミラーゼとアミロペクチンの立体構造変化に非常に影を受けるプルラナーゼの混合酵素を用い、分解度の比から糊化澱粉と老化澱粉を識別する方法である。米粉試料80mgと蒸留水8mlをガラスホモジナイザーに採取しよく分散させ、試料溶液とした。また、この試料溶液に10N水酸化ナトリウムを加えて完全に糊化させた完全糊化試料溶液も調製した。これら2種類の試料溶液にβ−アミラーゼ・プルラナーゼ混合溶液を加えて分解させた。
各試料の全糖量はフェノール・硫酸法により、還元糖量はSomogyi-Nelson法により測定した。
糊化度は、完全糊化試料の分解度を100とした際に試料溶液がどの程度分解したかで表した。
Figure 0005885913
表1の結果から、湿熱処理の蒸気圧を上昇させることで、米粉の糊化度が増加した。
図1の結果から、蒸気圧と米粉の糊化度には高い正の相関が認められた。
以上の結果から、湿熱処理条件を変化させることで米粉の糊化度を調節することが可能となった。
<実施例2> 粒度分布測定
耐圧性の密閉できる内容積20リットルのステンレス加圧容器(TB20N、アズワン社製)を用い、予め蒸気を導入して、装置全体を予備加熱した後、澱粉中のアミロース含量が33.1重量%のうるち精米約1kgを入れた容器を入れ、蒸気を導入した。耐圧性容器内の圧力が0.05MPa、0.1MPa、0.15MPa、0.2MPa、0.25MPaまたは0.3MPaに達してから10分間保持した後、蒸気コックを閉じ、内圧を開放して、大気圧まで降圧させた。
放冷して品温を25℃まで下げ、湿熱処理された加工米を得た。これを石臼式冷却製粉機(有限会社ウエスト社製の「ミクロパウダー」)により粉砕して湿熱処理米粉を得た。
結果は、表2および図4〜図11、図13に示される通りである。ここで、サンプルの粒度は、レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−2200、島津製作所を用いて乾式測定法で測定したときのものである。(尚、この粒度分布測定方法は、以下の比較例2〜4において同一である)
図4は、湿熱条件(イ):0.05MPa、10分 について、
図5は、(ロ):0.1MPa、10分 について、
図6は、(ハ):0.15MPa、10分 について、
図7は、(ニ):0.2MPa、10分 について、
図8は、(ホ):0.25MPa、10分 について、
図9は、(ヘ):0.3MPa、10分 について、示すものである。
<比較例2>
実施例2において湿熱処理を行わない以外は実施例1と同様な方法によって、粉砕した米粉を得た。
結果は、表2および図2、図10、図13に示される通りである。
<比較例3>
実施例2において、アミロース含量33.1重量%以上のうるち精米をアミロース含量17.5%のうるち精米(コシヒカリ)に代え、湿熱処理を行わない以外は実施例1と同様な方法によって、粉砕した米粉を得た。
結果は、表2および図3に示される通りである。
<比較例4>
市販されている小麦粉(スタート、日清製粉)を購入した。
結果は、表2および図12、図13に示される通りである。
Figure 0005885913
<実施例3> 米穀粉の物性評価
耐圧性の密閉できる内容積20リットルのステンレス加圧容器(TB20N、アズワン社製)を用い、予め蒸気を導入して、装置全体を予備加熱した後、澱粉中のアミロース含量が33.1重量%のうるち精米約1kgを入れた容器を入れ、蒸気を導入した。耐圧性容器内の圧力が0.1または0.25MPaに達してから10分間保持した後、蒸気コックを閉じ、内圧を開放して、大気圧まで降圧させた。
放冷して品温を25℃まで下げ、湿熱処理された加工米を得た。これを石臼式冷却製粉機(有限会社ウエスト社製の「ミクロパウダー」)により粉砕して湿熱処理米粉を得た。 結果は、表3に示される通りである。
<比較例5>
実施例3において湿熱処理を行わない以外は実施例1と同様な方法によって、粉砕した米粉を得た。
《示差走査熱量分析》
示差走査熱量分析(DSC,differential scanning calorimetry)は温度を上昇あるいは下降させながら系に起こる熱の出入りを測定する方法である。
各米粉試料をアルミ簡易密閉容器に3mg秤量し、3倍量の蒸留水を加えて十分水和させる。
その後、DSC6100(Seiko Instruments Inc.)を用いて熱量測定を行った。
昇温速度は5℃/分で測定し、吸熱曲線の編曲点より、糊化開始温度(To)、糊化ピーク温度(Tp)、糊化終了温度(Tc)を読み取り、吸熱曲線とベースラインによって囲まれる面積より糊化熱量(ΔH)を算出した。
結果は表3に示される通りである。
《RVAによる粘度特性測定》
RVA(Rapid Visco Analyzer)は測定容器内のサンプル懸濁液をハネで撹拌しながら温度を上昇あるいは下降させた時の粘度変化を測定する装置である。
各米粉試料を蒸留水25mlの入ったサンプルカップに入れ、サンプルと蒸留水をなじませる。
その後、Rapid Visco Analyser-4(Newport Scientific Pty. Ltd)を用いて粘度変化を測定した。単位はラピッドビスコアナライザーユニット(RVU)で表示した。
Figure 0005885913
表3の結果から、湿熱処理をすることで、米粉の糊化度が高くなり、糊化が進んでいることが分かった。
また、米粉の糊化度を上げることで、粘度の低下を誘発し、食品への加工性が向上することが考えられる。
<実施例4>消化性試験および推定GI
耐圧性の密閉できる内容積20リットルのステンレス加圧容器(TB20N、アズワン社製)を用い、予め蒸気を導入して、装置全体を予備加熱した後、澱粉中のアミロース含量が31.1重量%のうるち精米約1kgを入れた容器を入れ、蒸気を導入した。耐圧性容器内の圧力が0.3MPaに達してから5分間保持した後、蒸気コックを閉じ、内圧を開放して、大気圧まで降圧させた。放冷して品温を25℃まで下げ、湿熱処理された加工米を得た。これを石臼式冷却製粉機(有限会社ウエスト社製の「ミクロパウダー」)により粉砕して湿熱処理米粉を得た。
結果は、表4に示される通りである。
<比較例6>
実施例4において、アミロース含量31.1重量%のうるち精米をアミロース含量17.5重量%のうるち精米(コシヒカリ)に代え、あとは実施例4と同様な方法によって、粉砕した湿熱処理米粉を得た。
結果は、表4に示される通りである。
《消化性試験》
デンプン10mg相当の米粉試料をふた付き試験管に秤量し、水分が65%になるように加水した。沸騰浴中で40分間煮沸し、室温にて放冷した。37℃に加温した1%ペプシンを含む10mM HClを0.5ml添加し、37℃の恒温振とう機で60分間振とうした。その後、α-アミラーゼ20U相当のパンクレアチンを含む0.1Mマレイン酸緩衝液を2ml添加し、37℃で0、30、60、90分間恒温振とう機で振とうした。反応時間が終了したものから沸騰浴中で煮沸させて酵素を失活させ、3000rpm、5分間遠心分離し、上清を採取し、Somogyi-Nelson法にて還元糖量を測定した。消化率は大澤、井上の方法(参考文献)に準拠し、以下の計算式で算出した。
Yt = a+b(1−e−ct
Yt:t時間分解した時の分解率(%)
a :試料の加熱前処理によって生じたデンプン分解物の割合(%)
b :α-アミラーゼの作用に由来する分解割合(%)
c :分解速度
《推定GI》
推定GIは大澤、井上の方法(参考文献)に準拠し、以下の計算式で算出した。
推定GI=39.71+[0.549×加水分解指数(HI)]
ここで、HIは各サンプルの加水分解曲線下面積(AUC)の基準試料(α−コーンスターチ)のAUCに対する比率[HI=各試料のAUC/α−コーンスターチのAUC]を示している。
AUC = b(t−t)−(b/c)[1−exp[−c(t−t)]]
:120分
:0分
(参考文献)
大澤実、井上直人 : Jpn. J. Crop Sci. 2008;77:pp61-68
Figure 0005885913
<実施例5>パン
下記の各原料を下記割量で配合し、常法に従ってパンを製造した。
なお、下記の湿熱処理米粉とは、澱粉中のアミロース含量が33.1重量%のうるち精米を、実施例1〜3と同様の、圧力0.1MPa、時間10分の湿熱処理に付して得られたものであって、実施例1ならびに表1、図1で記載の糊化度、実施例2ならびに表2、図5、図10、図13で記載の粒度分布、実施例3ならびに表3で記載の物性を持つ米粉である。
湿熱処理米粉 300g
砂糖 18g
食塩 6g
脱脂粉乳 9g
ドライイースト 7g
ショートニング 18g
水 240g
合計 598g
得られたパンは、良好な風味および食味を示すものであった。
<実施例6>ビスケット
下記の各原料を下記割量で配合し、常法に従ってビスケットを製造した。
なお、下記の湿熱処理米粉とは、澱粉中のアミロース含量が33.1重量%のうるち精米を、実施例1〜3と同様の、圧力0.1MPa、時間10分の湿熱処理に付して得られたものであって、実施例1ならびに表1、図1で記載の糊化度、実施例2ならびに表2、図5、図10、図13で記載の粒度分布、実施例3ならびに表3で記載の物性を持つ米粉である。
湿熱処理米粉 300g
バター 120g
砂糖 120g
全卵 36g
牛乳 24g
合計 600g
得られたビスケットは、良好な風味および食味を示すものであった。

Claims (6)

  1. 澱粉中のアミロース含量が25重量%以上の米穀粒を、0.1〜0.5MPaの圧力条件下、1〜60分間、水蒸気による湿熱処理に付した後、粉砕処理を行うことを特徴とする、米穀粒の加工方法。
  2. 前記の湿熱処理に付す米穀粒が、うるち精白米、うるち玄米、うるち部搗米のいずれかである、請求項1に記載の米穀粒の加工方法。
  3. 前記の湿熱処理に付す米穀粒が、水分含有量が10〜25重量%のものである、請求項1または2に記載の米穀粒の加工方法。
  4. 前記の湿熱処理によって、前記の米穀粒のリパーゼ活性およびリポキシナーゼ活性のそれぞれを低減させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の米穀粒の加工方法。
  5. 澱粉中のアミロース含量が25重量%以上の米穀粒を、0.1〜0.5MPaの圧力条件下、1〜60分間、水蒸気による湿熱処理に付した後、粉砕処理を行うことを特徴とする、米穀粉の粒径および粒径分布の制御方法。
  6. 澱粉中のアミロース含量が25重量%以上の米穀粒を、0.1〜0.5MPaの圧力条件下、1〜60分間、水蒸気による湿熱処理に付した後、粉砕処理を行うことを特徴とする、米穀粉の糊化度および粘度の制御方法。
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