JPH0768614A - 光学素子の射出成形金型および射出成形方法 - Google Patents
光学素子の射出成形金型および射出成形方法Info
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- JPH0768614A JPH0768614A JP24375393A JP24375393A JPH0768614A JP H0768614 A JPH0768614 A JP H0768614A JP 24375393 A JP24375393 A JP 24375393A JP 24375393 A JP24375393 A JP 24375393A JP H0768614 A JPH0768614 A JP H0768614A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 離型剤の塗布や材料に離型剤を添加すること
を不要にするとともに、特殊な型構造を用いることな
く、変形の無い良好な離型を行う。 【構成】 抜け勾配を持たない側面を持つ光学素子を射
出成形する際に用いる射出成形金型において、抜け勾配
を持たない側面を形成する部分（成形品側面ｂ）のキャ
ビティ壁（スリーブ２）を熱伝導率が高くかつ熱膨張係
数の大きい材料により形成する。前記キャビティ壁に温
調油経路１９を設ける。この金型を用いて外側に抜け勾
配を持たない側面を持つ光学素子を射出成形するにあた
り、キャビティ内に樹脂を射出して取出し温度まで冷却
する。温調油経路１９に加熱媒体を流して抜け勾配の無
い成形品外側側面のキャビティ壁のみを部分的に急速加
熱する。型を開いて成形品を取出す。
を不要にするとともに、特殊な型構造を用いることな
く、変形の無い良好な離型を行う。 【構成】 抜け勾配を持たない側面を持つ光学素子を射
出成形する際に用いる射出成形金型において、抜け勾配
を持たない側面を形成する部分（成形品側面ｂ）のキャ
ビティ壁（スリーブ２）を熱伝導率が高くかつ熱膨張係
数の大きい材料により形成する。前記キャビティ壁に温
調油経路１９を設ける。この金型を用いて外側に抜け勾
配を持たない側面を持つ光学素子を射出成形するにあた
り、キャビティ内に樹脂を射出して取出し温度まで冷却
する。温調油経路１９に加熱媒体を流して抜け勾配の無
い成形品外側側面のキャビティ壁のみを部分的に急速加
熱する。型を開いて成形品を取出す。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、光学素子の射出成形金
型および射出成形方法に関する。
型および射出成形方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、射出成形においては、離型を良好
にするために、離型剤の金型への塗布または材料に離型
剤を添加することにより、離型抵抗を減らして金型より
成形品を離型することが行われている。また、特開平４
−４４８１６号公報には、抜け勾配を作らずにスライド
コアを用いて型から成形品を取出す金型が開示されてい
る。
にするために、離型剤の金型への塗布または材料に離型
剤を添加することにより、離型抵抗を減らして金型より
成形品を離型することが行われている。また、特開平４
−４４８１６号公報には、抜け勾配を作らずにスライド
コアを用いて型から成形品を取出す金型が開示されてい
る。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、離型剤の塗布
や離型剤を添加する場合には、成形品の表面に汚染を生
じていた。また、特開平４−４４８１６号公報記載の金
型では、型構造が複雑になり、型や入子の製造が困難で
あるために、成形品のコスト上昇をまねいていた。
や離型剤を添加する場合には、成形品の表面に汚染を生
じていた。また、特開平４−４４８１６号公報記載の金
型では、型構造が複雑になり、型や入子の製造が困難で
あるために、成形品のコスト上昇をまねいていた。
【０００４】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので、離型剤の塗布や材料に離型剤を添加する
ことを不要にするとともに、特殊な型構造を用いること
なく、変形の無い良好な離型を行うことができる光学素
子の射出成形金型および射出成形方法を提供することを
目的とする。
されたもので、離型剤の塗布や材料に離型剤を添加する
ことを不要にするとともに、特殊な型構造を用いること
なく、変形の無い良好な離型を行うことができる光学素
子の射出成形金型および射出成形方法を提供することを
目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、抜け勾配を持たない側面を持つ光学素子
を射出成形する際に用いる射出成形金型において、抜け
勾配を持たない側面を形成する部分のキャビティ壁を熱
伝導率が高くかつ熱膨張係数の大きい材料により形成す
るとともに、前記キャビティ壁に温調経路を設けること
とした。
に、本発明は、抜け勾配を持たない側面を持つ光学素子
を射出成形する際に用いる射出成形金型において、抜け
勾配を持たない側面を形成する部分のキャビティ壁を熱
伝導率が高くかつ熱膨張係数の大きい材料により形成す
るとともに、前記キャビティ壁に温調経路を設けること
とした。
【０００６】また、上記構成の本発明の射出成形金型を
用いて外側に抜け勾配を持たない側面を持つ光学素子を
射出成形するにあたり、キャビティ内に樹脂を射出して
取出し温度まで冷却する工程と、抜け勾配の無い成形品
外側側面のキャビティ壁の温調経路に加熱媒体を流して
抜け勾配の無い成形品外側側面のキャビティ壁のみを部
分的に急速加熱する工程と、型を開いて成形品を取出す
工程とを具備することとした。
用いて外側に抜け勾配を持たない側面を持つ光学素子を
射出成形するにあたり、キャビティ内に樹脂を射出して
取出し温度まで冷却する工程と、抜け勾配の無い成形品
外側側面のキャビティ壁の温調経路に加熱媒体を流して
抜け勾配の無い成形品外側側面のキャビティ壁のみを部
分的に急速加熱する工程と、型を開いて成形品を取出す
工程とを具備することとした。
【０００７】さらに、上記構成の本発明の射出成形金型
を用いて内側に抜け勾配を持たない側面を持つ光学素子
を射出成形するにあたり、キャビティ内に樹脂を射出し
て取出し温度まで冷却する工程と、抜け勾配の無い成形
品内側側面のキャビティ壁の温調経路に冷却媒体を流し
て抜け勾配の無い成形品内側側面のキャビティ壁のみを
部分的に更に急速冷却する工程と、型を開いて成形品を
取出す工程とを具備することとした。
を用いて内側に抜け勾配を持たない側面を持つ光学素子
を射出成形するにあたり、キャビティ内に樹脂を射出し
て取出し温度まで冷却する工程と、抜け勾配の無い成形
品内側側面のキャビティ壁の温調経路に冷却媒体を流し
て抜け勾配の無い成形品内側側面のキャビティ壁のみを
部分的に更に急速冷却する工程と、型を開いて成形品を
取出す工程とを具備することとした。
【０００８】本発明において、熱伝導率が高くかつ熱膨
張係数の大きい材料とは、成形品取出し時に、キャビテ
ィ壁と成形品との間にクリアランスを生じるようなもの
であればよく、アルミニウム、亜鉛合金、Ｍｇ合金等が
適している。
張係数の大きい材料とは、成形品取出し時に、キャビテ
ィ壁と成形品との間にクリアランスを生じるようなもの
であればよく、アルミニウム、亜鉛合金、Ｍｇ合金等が
適している。
【０００９】
【作用】本発明によれば、成形品を取出し温度以下まで
冷却後、抜け勾配の無い成形品外側側面を形成するキャ
ビティ壁を急速加熱することにより、熱伝導率が高くか
つ熱膨張係数の大きいキャビティ壁は急速に外側に膨張
し、成形品とキャビティ壁との間にクリアランスが生じ
る。これにより離型時の抵抗が小さくなり、離型による
変形が少なくなる。
冷却後、抜け勾配の無い成形品外側側面を形成するキャ
ビティ壁を急速加熱することにより、熱伝導率が高くか
つ熱膨張係数の大きいキャビティ壁は急速に外側に膨張
し、成形品とキャビティ壁との間にクリアランスが生じ
る。これにより離型時の抵抗が小さくなり、離型による
変形が少なくなる。
【００１０】また、成形品を取出し温度以下まで冷却
後、抜け勾配の無い成形品内側側面を形成するキャビテ
ィ壁を更に急速冷却することにより、熱伝導率が高く熱
膨張係数の大きいキャビティ壁は急速に内側に収縮し、
成形品とキャビティ壁との間にクリアランスが生じる。
これにより離型時の抵抗が小さくなり、離型による変形
が少なくなる。
後、抜け勾配の無い成形品内側側面を形成するキャビテ
ィ壁を更に急速冷却することにより、熱伝導率が高く熱
膨張係数の大きいキャビティ壁は急速に内側に収縮し、
成形品とキャビティ壁との間にクリアランスが生じる。
これにより離型時の抵抗が小さくなり、離型による変形
が少なくなる。
【００１１】
【実施例１】 （構成）図１および図２に、外周側面に抜け勾配を持た
ないプリズムを射出成形する本実施例の射出成形金型の
縦断面図および平面図を示す（図１は金型の片側（左
側）を示したが、右側も左側と同じような構造をしてい
る）。成形するプリズムは、図３に示すようなもので、
軸方向長さが３０ｍｍの略三角柱形状であり、３つの光
学面の両側の外周側面にはそれぞれフランジが形成さ
れ、抜け勾配を持たないようになっている。
ないプリズムを射出成形する本実施例の射出成形金型の
縦断面図および平面図を示す（図１は金型の片側（左
側）を示したが、右側も左側と同じような構造をしてい
る）。成形するプリズムは、図３に示すようなもので、
軸方向長さが３０ｍｍの略三角柱形状であり、３つの光
学面の両側の外周側面にはそれぞれフランジが形成さ
れ、抜け勾配を持たないようになっている。
【００１２】このような側面に抜け勾配を持たないプリ
ズムを成形する金型において、光学面ａを形成する入子
１は、熱伝導率の低いセラミックス（ＴｉＣ；７．６×
１０-6／℃）で作製され、成形品側面ｂを形成するスリ
ーブ２は、熱伝導率が高く熱膨張係数の大きいアルミニ
ウム（２３．９×１０-6／℃）で作製されており、温調
油経路１９が設けられている。温調油経路１９は、型外
の加熱用温調機１２（図２参照）に接続されており、金
型７と加熱用温調機１２との間には制御装置１４に接続
された電磁弁１６が介装されている。射出成形工程にお
いては、キャビティ内に樹脂を射出し、取出し温度まで
冷却を行い、抜け勾配を持たない成形品側面ｂのスリー
ブ２を部分的に急速加熱し、型を開いて成形品を取出
す。
ズムを成形する金型において、光学面ａを形成する入子
１は、熱伝導率の低いセラミックス（ＴｉＣ；７．６×
１０-6／℃）で作製され、成形品側面ｂを形成するスリ
ーブ２は、熱伝導率が高く熱膨張係数の大きいアルミニ
ウム（２３．９×１０-6／℃）で作製されており、温調
油経路１９が設けられている。温調油経路１９は、型外
の加熱用温調機１２（図２参照）に接続されており、金
型７と加熱用温調機１２との間には制御装置１４に接続
された電磁弁１６が介装されている。射出成形工程にお
いては、キャビティ内に樹脂を射出し、取出し温度まで
冷却を行い、抜け勾配を持たない成形品側面ｂのスリー
ブ２を部分的に急速加熱し、型を開いて成形品を取出
す。
【００１３】（作用）成形品を取出し温度以下まで冷却
後、制御装置１４からの信号により電磁弁１６を開き、
加熱用温調機１２により温調油経路１９に高温の温調油
（例えば日本石油（株）製；ハイテクサーム３２）を流
し、抜け勾配の無い成形品側面ｂを形成するスリーブ２
を急速加熱して成形品との温度差を＋５０℃とする。こ
れによりスリーブ２は急速に外側へ膨張し、成形品との
クリアランスが０．０３６ｍｍとなる。次に、スリーブ
２の熱が成形品に伝わり、成形品が膨張する前に型を開
いてイジェクトピン１１で突出し、成形品を取出す。
後、制御装置１４からの信号により電磁弁１６を開き、
加熱用温調機１２により温調油経路１９に高温の温調油
（例えば日本石油（株）製；ハイテクサーム３２）を流
し、抜け勾配の無い成形品側面ｂを形成するスリーブ２
を急速加熱して成形品との温度差を＋５０℃とする。こ
れによりスリーブ２は急速に外側へ膨張し、成形品との
クリアランスが０．０３６ｍｍとなる。次に、スリーブ
２の熱が成形品に伝わり、成形品が膨張する前に型を開
いてイジェクトピン１１で突出し、成形品を取出す。
【００１４】（効果）キャビティ壁と成形品との間にク
リアランスを生じるので、離型時の抵抗が小さくなり、
離型による変形が少なくなるので、面精度の良い成形品
が得られ、また離型剤を使用しないので、成形品表面の
品質も良くすることができる。
リアランスを生じるので、離型時の抵抗が小さくなり、
離型による変形が少なくなるので、面精度の良い成形品
が得られ、また離型剤を使用しないので、成形品表面の
品質も良くすることができる。
【００１５】
【実施例２】 （構成）図４および図５に、内径嵌合を行うレンズを射
出成形する本実施例の射出成形金型の縦断面図および平
面図を示す（図４は金型の片側（左側）を示したが、右
側も左側と同じような構造をしている）。成形品の内径
は２０ｍｍである。ここに、内径嵌合を行うレンズと
は、レンズの外周面に径方向に延在するフランジ部と、
このフランジ部に光軸方向に延在するリング状部を設
け、このリング状部の内径をレンズ鏡枠の筒部と嵌合す
るようにしたレンズをいう。
出成形する本実施例の射出成形金型の縦断面図および平
面図を示す（図４は金型の片側（左側）を示したが、右
側も左側と同じような構造をしている）。成形品の内径
は２０ｍｍである。ここに、内径嵌合を行うレンズと
は、レンズの外周面に径方向に延在するフランジ部と、
このフランジ部に光軸方向に延在するリング状部を設
け、このリング状部の内径をレンズ鏡枠の筒部と嵌合す
るようにしたレンズをいう。
【００１６】このような内径に抜け勾配を持たない光学
素子を成形する金型において、光学面ａを形成する入子
１は、熱伝導率の低いセラミックス（Ａｌ2 Ｏ3 ；８．
５×１０-6／℃）で作製され、内径嵌合面ｃを形成する
内径スリーブ３は、熱伝導率が大きくかつ熱膨張係数の
大きい亜鉛合金（２７．４×１０-6／℃）で作製されて
おり、冷却水経路２０が設けられている。冷却水経路２
０は、型外の冷却用温調機１３（図５参照）に接続され
ており、金型７と冷却用温調機１３との間には制御装置
１４に接続された電磁弁１５が介装されている。射出成
形工程においてキャビティ内に樹脂を射出し、取出し温
度まで冷却を行い、内径嵌合面を形成するキャビティ壁
を更に急速冷却し、型を開いて成形品を取出す。
素子を成形する金型において、光学面ａを形成する入子
１は、熱伝導率の低いセラミックス（Ａｌ2 Ｏ3 ；８．
５×１０-6／℃）で作製され、内径嵌合面ｃを形成する
内径スリーブ３は、熱伝導率が大きくかつ熱膨張係数の
大きい亜鉛合金（２７．４×１０-6／℃）で作製されて
おり、冷却水経路２０が設けられている。冷却水経路２
０は、型外の冷却用温調機１３（図５参照）に接続され
ており、金型７と冷却用温調機１３との間には制御装置
１４に接続された電磁弁１５が介装されている。射出成
形工程においてキャビティ内に樹脂を射出し、取出し温
度まで冷却を行い、内径嵌合面を形成するキャビティ壁
を更に急速冷却し、型を開いて成形品を取出す。
【００１７】（作用）成形品を取出し温度以下まで冷却
後、制御装置１４からの信号により電磁弁１５を開き、
冷却用温調機１３により冷却水経路２０に低温の冷却水
を流し、抜け勾配の無い内径嵌合面ｃを形成する内径ス
リーブ３を更に急速冷却して成形品との温度差を−５０
℃にする。これにより内径スリーブ３は急速に内側へ収
縮し、成形品とのクリアランスが０．０２７ｍｍとな
る。次に、内径スリーブ３の熱が成形品に伝わり、内径
嵌合面ｃが収縮する前に型を開きいて入子１によって突
出し、成形品を取出す。
後、制御装置１４からの信号により電磁弁１５を開き、
冷却用温調機１３により冷却水経路２０に低温の冷却水
を流し、抜け勾配の無い内径嵌合面ｃを形成する内径ス
リーブ３を更に急速冷却して成形品との温度差を−５０
℃にする。これにより内径スリーブ３は急速に内側へ収
縮し、成形品とのクリアランスが０．０２７ｍｍとな
る。次に、内径スリーブ３の熱が成形品に伝わり、内径
嵌合面ｃが収縮する前に型を開きいて入子１によって突
出し、成形品を取出す。
【００１８】（効果）内径の抜け勾配が無い成形品で、
内径スライドといった型構造にしなくてもキャビティ壁
と成形品との間にクリアランスを生じるので、離型時の
抵抗が小さくなり、離型による変形が少なくなるので、
光学的に面精度の良い成形品が得られ、また離型剤を使
用していないので、成形品表面の品質も良くすることが
できる。
内径スライドといった型構造にしなくてもキャビティ壁
と成形品との間にクリアランスを生じるので、離型時の
抵抗が小さくなり、離型による変形が少なくなるので、
光学的に面精度の良い成形品が得られ、また離型剤を使
用していないので、成形品表面の品質も良くすることが
できる。
【００１９】
【実施例３】 （構成）図６および図７に、内径および外径嵌合を行う
レンズを射出成形する本実施例の射出成形金型の縦断面
図および平面図を示す（図６は金型の片側（左側）を示
したが、右側も左側と同じような構造をしている）。成
形品の内径は２０ｍｍ、外径は２５ｍｍである。ここ
に、内径および外径嵌合を行うレンズとは、レンズの外
周面に径方向に延在するフランジ部と、このフランジ部
に光軸方向に延在するリング状部を設け、このリング状
部の内径をレンズ鏡枠の筒部と嵌合するようにし、リン
グ状部の内径および外径をレンズ鏡枠の筒部とそれぞれ
嵌合するようにしたレンズをいう。
レンズを射出成形する本実施例の射出成形金型の縦断面
図および平面図を示す（図６は金型の片側（左側）を示
したが、右側も左側と同じような構造をしている）。成
形品の内径は２０ｍｍ、外径は２５ｍｍである。ここ
に、内径および外径嵌合を行うレンズとは、レンズの外
周面に径方向に延在するフランジ部と、このフランジ部
に光軸方向に延在するリング状部を設け、このリング状
部の内径をレンズ鏡枠の筒部と嵌合するようにし、リン
グ状部の内径および外径をレンズ鏡枠の筒部とそれぞれ
嵌合するようにしたレンズをいう。
【００２０】このような内径および外径に抜け勾配を持
たないレンズを成形する金型において、光学面ａを形成
する入子１は、熱伝導率の低いセラミックス（Ｓｉ3 Ｎ
3 ；３．３〜３．６×１０-6）で作製され、内径嵌合面
ｃおよび外径嵌合面ｄを形成する内径スリーブ３および
外径スリーブ４は、熱伝導率が高くかつ熱膨張係数の大
きいＭｇ合金（２６×１０-6／℃）で作製されており、
内径スリーブ３内には冷却水経路２０が、外径スリーブ
４内には温調油経路１９が設けられている。内径スリー
ブ３と外径スリーブ４との間には、断熱材５が配置され
ている。温調油経路１９および冷却水経路２０は、型外
の加熱用温調機１２および冷却用温調機１３（図７参
照）に接続されており、金型と加熱用温調機１２および
冷却用温調機１３との間には、制御装置１４に接続され
た電磁弁１６が介装されている。射出成形工程におい
て、キャビティに樹脂を射出し、取出し温度まで冷却を
行い、外径嵌合面ｄの外径スリーブ４を急速加熱および
内径嵌合面ｃの内径スリーブ３を急速冷却を行い、型を
開いて成形品を取出す。
たないレンズを成形する金型において、光学面ａを形成
する入子１は、熱伝導率の低いセラミックス（Ｓｉ3 Ｎ
3 ；３．３〜３．６×１０-6）で作製され、内径嵌合面
ｃおよび外径嵌合面ｄを形成する内径スリーブ３および
外径スリーブ４は、熱伝導率が高くかつ熱膨張係数の大
きいＭｇ合金（２６×１０-6／℃）で作製されており、
内径スリーブ３内には冷却水経路２０が、外径スリーブ
４内には温調油経路１９が設けられている。内径スリー
ブ３と外径スリーブ４との間には、断熱材５が配置され
ている。温調油経路１９および冷却水経路２０は、型外
の加熱用温調機１２および冷却用温調機１３（図７参
照）に接続されており、金型と加熱用温調機１２および
冷却用温調機１３との間には、制御装置１４に接続され
た電磁弁１６が介装されている。射出成形工程におい
て、キャビティに樹脂を射出し、取出し温度まで冷却を
行い、外径嵌合面ｄの外径スリーブ４を急速加熱および
内径嵌合面ｃの内径スリーブ３を急速冷却を行い、型を
開いて成形品を取出す。
【００２１】（作用）成形品を取出し温度以下まで冷却
後、制御装置１４からの信号により電磁弁１５を開き、
冷却用温調機１３により冷却水経路２０に低温の冷却を
流し、抜け勾配の無い内径嵌合面ｃを形成する内径スリ
ーブ３を更に急速冷却して成形品との温度差を−５０℃
にし、また加熱用温調機１２により温調油経路１９に高
温の温調油を流し、抜け勾配の無い外径嵌合面ｄを形成
する外径スリーブ４を急速加熱して成形品との温度差を
＋５０℃とする。これにより外径嵌合面ｄを形成する外
径スリーブ４は外側に膨張し、内径嵌合面ｃを形成する
内径スリーブ３は内側に収縮する。その結果、外径スリ
ーブ４と成形品のクリアランスは０．０３３ｍｍ、成形
品と内径スリーブ３とのクリアランスは０．０２６ｍｍ
となる。次に、外径スリーブ４と内径スリーブ３の熱が
成形品に伝わり、外径嵌合面ｄが膨張および内径嵌合面
ｃが収縮してクリアランスが小さくなる前に型を開いて
入子１によって突出し、成形品を取出す。
後、制御装置１４からの信号により電磁弁１５を開き、
冷却用温調機１３により冷却水経路２０に低温の冷却を
流し、抜け勾配の無い内径嵌合面ｃを形成する内径スリ
ーブ３を更に急速冷却して成形品との温度差を−５０℃
にし、また加熱用温調機１２により温調油経路１９に高
温の温調油を流し、抜け勾配の無い外径嵌合面ｄを形成
する外径スリーブ４を急速加熱して成形品との温度差を
＋５０℃とする。これにより外径嵌合面ｄを形成する外
径スリーブ４は外側に膨張し、内径嵌合面ｃを形成する
内径スリーブ３は内側に収縮する。その結果、外径スリ
ーブ４と成形品のクリアランスは０．０３３ｍｍ、成形
品と内径スリーブ３とのクリアランスは０．０２６ｍｍ
となる。次に、外径スリーブ４と内径スリーブ３の熱が
成形品に伝わり、外径嵌合面ｄが膨張および内径嵌合面
ｃが収縮してクリアランスが小さくなる前に型を開いて
入子１によって突出し、成形品を取出す。
【００２２】（効果）内径および外径の抜け勾配が無い
成形品で、内側および外径スライドといった型構造にし
なくてもキャビティ壁と成形品との間にクリアランスを
生じるので、離型時の抵抗が小さくなり、離型による変
形が少なくなるので、光学的に面精度の良い成形品が得
られ、また離型剤を使用していないので、成形品表面の
品質も良くすることができる。
成形品で、内側および外径スライドといった型構造にし
なくてもキャビティ壁と成形品との間にクリアランスを
生じるので、離型時の抵抗が小さくなり、離型による変
形が少なくなるので、光学的に面精度の良い成形品が得
られ、また離型剤を使用していないので、成形品表面の
品質も良くすることができる。
【００２３】なお、上記実施例においては、入子１を、
ＴｉＣ、Ａｌ2 Ｏ3 またはＳｉ3 Ｎ3 により形成した
が、本発明はかかる実施例に限定されるものではなく、
Ａｌ2ＴｉＯ5 等の他の熱伝導率の低いセラミックスを
用いてもよい。
ＴｉＣ、Ａｌ2 Ｏ3 またはＳｉ3 Ｎ3 により形成した
が、本発明はかかる実施例に限定されるものではなく、
Ａｌ2ＴｉＯ5 等の他の熱伝導率の低いセラミックスを
用いてもよい。
【００２４】
【発明の効果】以上のように、本発明の光学素子の射出
成形金型および射出成形方法によれば、抜け勾配の無い
光学素子を変形することなしに離型でき、光学的に面精
度の良い成形品を得るために離型剤を使用しないため
に、成形品表面の品質が良く、また特殊な型構造を用い
ないので、型費を安価ですませることができる。
成形金型および射出成形方法によれば、抜け勾配の無い
光学素子を変形することなしに離型でき、光学的に面精
度の良い成形品を得るために離型剤を使用しないため
に、成形品表面の品質が良く、また特殊な型構造を用い
ないので、型費を安価ですませることができる。
【図１】本発明の実施例１の射出成形金型を示す縦断面
図である。
図である。
【図２】同実施例１の射出成形金型を示す平面図であ
る。
る。
【図３】同実施例１で成形するプリズムを示す斜視図で
ある。
ある。
【図４】本発明の実施例２の射出成形金型を示す縦断面
図である。
図である。
【図５】同実施例２の射出成形金型を示す平面図であ
る。
る。
【図６】本発明の実施例３の射出成形金型を示す縦断面
図である。
図である。
【図７】同実施例３の射出成形金型を示す平面図であ
る。
る。
ａ 光学面 ｂ 成形品側面 ｃ 内径嵌合面 ｄ 外径嵌合面 １ 入子 ２ スリーブ ３ 内径スリーブ ４ 外径スリーブ １２ 加熱用温調機 １３ 冷却用温調機 １４ 制御装置 １５ 電磁弁 １９ 温調油経路 ２０ 冷却水経路
Claims (3)
- 【請求項１】 抜け勾配を持たない側面を持つ光学素子
を射出成形する際に用いる射出成形金型において、抜け
勾配を持たない側面を形成する部分のキャビティ壁を熱
伝導率が高くかつ熱膨張係数の大きい材料により形成す
るとともに、前記キャビティ壁に温調経路を設けたこと
を特徴とする光学素子の射出成形金型。 - 【請求項２】 請求項１記載の射出成形金型を用いて外
側に抜け勾配を持たない側面を持つ光学素子を射出成形
するにあたり、キャビティ内に樹脂を射出して取出し温
度まで冷却する工程と、抜け勾配の無い成形品外側側面
のキャビティ壁の温調経路に加熱媒体を流して抜け勾配
の無い成形品外側側面のキャビティ壁のみを部分的に急
速加熱する工程と、型を開いて成形品を取出す工程とを
具備したことを特徴とする光学素子の射出成形方法。 - 【請求項３】 請求項１記載の射出成形金型を用いて内
側に抜け勾配を持たない側面を持つ光学素子を射出成形
するにあたり、キャビティ内に樹脂を射出して取出し温
度まで冷却する工程と、抜け勾配の無い成形品内側側面
のキャビティ壁の温調経路に冷却媒体を流して抜け勾配
の無い成形品内側側面のキャビティ壁のみを部分的に更
に急速冷却する工程と、型を開いて成形品を取出す工程
とを具備したことを特徴とする光学素子の射出成形方
法。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP24375393A JPH0768614A (ja) | 1993-09-03 | 1993-09-03 | 光学素子の射出成形金型および射出成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP24375393A JPH0768614A (ja) | 1993-09-03 | 1993-09-03 | 光学素子の射出成形金型および射出成形方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0768614A true JPH0768614A (ja) | 1995-03-14 |
Family
ID=17108476
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24375393A Withdrawn JPH0768614A (ja) | 1993-09-03 | 1993-09-03 | 光学素子の射出成形金型および射出成形方法 |
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| JP (1) | JPH0768614A (ja) |
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