JP4695485B2 - 成形用金型および成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、キャビティ面を有する入れ子が複数の球状体を介して本体部材で支持された成形用金型に関する。
デジタルカメラや望遠レンズなどの光学系を支持する部材である鏡枠は、光学系の光軸の精度に大きな影響を与えるため、非常に高い加工精度が要求される。また、光軸の精度は、製品の性能・品質にとって特に重要な事項であるから、例えば光学系として10枚のレンズを用いる場合には、そのうちの1枚を微調整できるように鏡枠を製造しておき、その1枚のレンズを微調整することにより、最終的な光軸の調整を行うことが一般的であった。また、最近では、レンズ付きフィルムカメラやカメラ付き携帯電話等の光学系を支持する鏡枠として、プラスチック成形により製造された小型の鏡枠が広く用いられている。さらには、光学系を構成するレンズ自体をプラスチック射出成形によって形成することが行われており、かかるレンズの製造においても光軸の精度は非常に重要である。
製品を精度よく製造することができる成形用金型としては、例えば、図4に示すように、第1の金型600と第2の金型700の間にキャビティC500を形成し、このキャビティC500で製品を射出成形する成形用金型500が知られている(例えば特許文献1参照)。第1の金型600は、キャビティ面610aを有する入れ子610と、この入れ子610を外側から保持するとともに、第2の金型700側の端面に凸型テーパ部621を有する本体部材620と、入れ子610と本体部材620との間に介在させられるボールを保持したボールリテーナ630と、から構成されている。また、第2の金型700は、キャビティ面710aを有する入れ子710と、入れ子710を外側から保持するとともに、第1の金型600側の端面に凹型テーパ部721を有する本体部材720と、入れ子710と本体部材720との間に介在させられるボールを保持したボールリテーナ730と、から構成されている。
かかる金型は、ボールリテーナ630,730を介在させることで、入れ子610と本体部材620、入れ子710と本体部材720の心合わせを行ない、凸型テーパ部621と凹型テーパ部721を嵌合することによって、第1の金型600と第2の金型700の心合わせを行っている。
特開2003−231159号公報(段落0020−0029、図1)
ところで、製品を製造する際は、高温にて溶融した樹脂をキャビティC500内に射出充填し、金型内で冷却固化させた後、型開きして、樹脂成形品を取り出す。
ここで、キャビティC500を形成する入れ子610,710の機能としては、製品の形状を樹脂に転写することと、熱的には樹脂の流動性を支配し、樹脂の熱を奪い、冷却固化させることの2点があるところ、安定した品質の成形品を得るためには、入れ子の温度制御も重要なファクターになっている。
熱伝達速度が遅いと、樹脂の熱を奪うのに時間がかかり、成形サイクルが長くなる問題がある。成形サイクルを短くすると、入れ子の温度が一定にならない結果、成形品の品質が安定しないという問題がある。
そのため、従来から、入れ子を球状体で支持する場合の、入れ子への熱伝達速度の高速化の方法が模索されていた。
そこで、本発明は、従来の成形用金型において、簡単な構造で熱伝達速度を上げることができる成形用金型を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、第1の金型と第2の金型との間でキャビティを形成し、当該キャビティ内で製品を成形するための成形用金型であって、前記第1の金型は、一端側にキャビティ面の一部を有する入れ子と、前記入れ子を外側から保持する本体部材と、前記入れ子と前記本体部材との間に介在して前記入れ子の心合わせを行う複数の球状体と、を備え、前記本体部材の壁部には、前記本体部材と前記入れ子との間の隙間に温調媒体を供給するための供給口が形成され、前記隙間は前記温調媒体が通流する温調流路として構成されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、本体部材と入れ子との間の隙間に温調媒体を供給し、この温調媒体を温調流路内で通流させる。入れ子の周りを温調媒体が通流することで、入れ子に対する熱伝達速度を上げることができる。また、球状体を介在させるための隙間を温調流路として利用するため、簡単な構造で上記効果を達成できる。なお、この供給口は温調媒体が排出される排出口を兼ねるものであってもよい。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の成形用金型において、前記本体部材の壁部には、前記入れ子を挟んで前記供給口の反対側に前記温調媒体を排出するための排出口が形成されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、供給口から供給された温調媒体は、入れ子の周りを通流して、排出口から排出される。これにより、入れ子の全周に亘って熱交換が行われるため、効率よく熱伝達を行うことができる。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の成形用金型において、前記供給口は、前記入れ子の前記キャビティ面寄りに形成されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、温度調節された温調媒体が、入れ子のキャビティ面寄りに直接供給されるため、キャビティ面近傍の熱伝達速度が上がり、キャビティ面の温度をより短時間に制御することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3に記載の成形用金型において、前記温調媒体は、エアであることを特徴とする。
請求項4に係る発明によれば、温調媒体がエアであるため、制御可能な温度範囲が広く、また取扱いが容易であるとともに、温度を容易に制御することができる。
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4に記載の成形用金型において、複数の前記球状体は、互いに間隔を空けて、かつ、回転可能にリテーナに保持されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明によれば、複数の球状体同士が、間隔を空けてリテーナに保持されていることで、温調媒体が通流しやすい空間が形成される。これにより、入れ子に対する熱伝達を一層効率よく行うことができる。
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載された成形用金型を用いた成形方法であって、1サイクルの成形中に異なる温度の前記温調媒体を供給することによって、前記入れ子温度を制御することを特徴とする。
請求項6に係る発明によれば、1サイクルの成形中に異なる温度の温調媒体を供給することで、より一層熱伝達速度を上げることが出来る。なお、熱伝達速度を増加させるために前記温調媒体の流速を増加させても良い。
請求項7に係る発明は、樹脂充填前に前記入れ子を昇温し、樹脂充填後に前記入れ子を降温することを特徴とする。
請求項7に係る発明によれば、樹脂充填時の金型温度が高温であるため、樹脂は固まらずに流れる。このため、薄物や複雑形状でも樹脂を充填することができる。また、保圧力が流動端までかかるため、転写性が向上し、ひけなどの欠陥が生じにくく、外観も向上する。さらに、同様の理由でウェルドラインが激減し、外観だけでなく、衝撃強度も向上する。特に、レンズなどの透明光学部品の場合は、内部歪(複屈折)が小さくなる。なお、金型設計の自由度も向上する。
本発明によれば、温調媒体を入れ子の周りに通流させることで、入れ子に対する熱伝達速度を上げることができる。これにより、高精度な(時間遅れの少ない)温度制御が可能になり、製品の品質および生産性を向上させることができる。また、球状体を介在させるための隙間を温調流路として利用するため、簡単な構造で上記効果を達成できる。
本発明を実施するための第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、本発明を鏡枠の製造に適用した場合について説明する。
はじめに、第1の実施の形態に係る成形用金型の構成について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る成形用金型の断面図であり、(a)は型締め時、(b)は型開き時の状態をそれぞれ示す。
成形用金型1は、図1に示すように、第1の金型100と第2の金型200との間にキャビティCを形成し、当該キャビティCで製品たる鏡枠Kを成形するものである。鏡枠Kは、図1(b)に示すように、光学系を構成する複数のレンズ(図示省略)を保持する部材であり、絞りsを備えて形成される。本実施形態では、鏡枠Kの構成のうち、絞りsより一端側(図1の右側)の部分が、第2の金型200に形成されたキャビティCの一部によって形成され、絞りsより他端側(図1の左側)の部分が、第1の金型100に形成されたキャビティCの一部によって形成されるようになっている。本実施形態に係る成形用金型1は、絞りsの両側に設置されるレンズの光軸が一致するように、鏡枠Kを精度よく成形できる金型である。
第1の金型100は、図1(a)に示すように、先端にキャビティ面の一部(以下、「キャビティ面Ca」という。)を備える入れ子110と、この入れ子110が嵌め入れられる本体部材120と、入れ子110と本体部材120との間に介在させられる金属製の球状体130と、から構成されている。
入れ子110は、鏡枠Kのエッジをシャープに形成するために、本体部材120とは別部品に構成された金属製の部材であり、図1(b)に示すように、入れ子本体111と、この入れ子本体111の一端側の中央部から延出する断面視円形状に形成された柱状部112と、から構成されている。
入れ子本体111は、図示しない成形用金型の突出板等に取り付けられる部分であり、後記する本体部材120の太穴部122よりも大径に形成されている。
柱状部112は、本体部材120と嵌合する部分であり、本実施形態においては、図1(b)に示すように、一端側にキャビティ面Caを備える円柱形状の細径部114と、この細径部114の他端側に連続して該細径部114よりも太径に形成された円柱形状の太径部115と、から構成されている。
本体部材120は、入れ子110を外側から保持するための金属製の部材であり、図1(b)に示すように、その中心に中空部を備える円筒形状を呈している。本体部材120の中空部は、入れ子110の柱状部112の一端側に形成された細径部114が嵌め込まれる細穴部121と、入れ子110の太径部115と遊嵌する太穴部122と、を構成している。また、本体部材120の一端側の端面には、凸型テーパ部123が設けられている。さらに、本体部材120の壁部には、一端側(キャビティ面Ca寄り)に形成される給気口124と、他端側に形成される排気口125とが設けられている。
細穴部121は、入れ子110の細径部114に対して略同程度か若干大きく形成されている。具体的には、細穴部121は、細径部114に対して直径10〜30μm程度(半径5〜15μm程度)大きく形成するのが好ましく、直径10〜20μm程度(半径5〜10μm程度)大きく形成するのがさらに好ましい。また、細穴部121の一端側は本体部材120の一端側の面に開口しており、当該細穴部121に入れ子110の細径部114を嵌め入れると、細径部114の一端側に形成されたキャビティ面Caが、本体部材120の一端面に露出するようになっている。また、細穴部121の一端側には、キャビティ面Cbが形成されている。
太穴部122は、当該太穴部122に入れ子110の太径部115を挿入したときに、太径部115の周囲に、球状体130の直径と同一かそれよりも若干小さい程度の隙間が空く大きさ(内径)に形成されている。また、太穴部122の他端側は本体部材120の他端側の端面に開口しており、入れ子110の柱状部112を挿入可能になっている。また、太穴部122の一端側は、細穴部121の他端側と連通している。
凸型テーパ部123は、一端側に先細りする円錐台形状に形成されている。凸型テーパ部123は、後記する第2の金型200の本体部材220の凹型テーパ部223と嵌合することで、第2の金型200に対して心合わせができるようになっている。
給気口124は、外部空間と、太径部115と太穴部122の間の隙間SAとを連通するように形成されている。給気口124には、図示しない温度調節装置を備えたエア供給手段が接続されており、温調されたエア(温調媒体)が隙間SAに供給され、隙間SA内を通流するようになっている。また、給気口124が本体部材120における一端側に設けられていることで、温調されたエアは、キャビティ面Caに近い方に直接供給されるため、キャビティ面Caの温度を容易に制御することができる。なお、供給エアの流速も適宜設定できるように構成されていることが好ましい。
排気口125は、入れ子110を挟んで給気口124と反対側に、隙間SAと外部空間とを連通するように形成されている。このことにより、供給エアは隙間SAを全域に亘って満遍なく通流した後排出されるので、エアの温度を効率的に入れ子110に伝達することが出来る。
球状体130は、本体部材120と入れ子110との間に介在して入れ子110を支持するとともに調心するための金属球である。複数の球状体130は、互いに間隔を空けて、かつ、回転可能にリテーナ131に保持されており、球状体130同士の隙間にエアを通流させることができる。
また、球状体130は、太径部115と太穴部122の間の隙間SAの大きさに対して、略同一あるいは若干大きな直径に形成されている。具体的には、球状体130は、前記隙間SAの間隔に対してその直径が1〜6μm程度大きいものを用いるのが好ましく、1〜3μm程度大きいものがより好ましい。このようにすれば、球状体130は、弾性的に押し潰された状態で太径部115と太穴部122との隙間SAに詰め込まれることとなり、球状体130の復元力が予圧として作用することにより、入れ子110がしっかりと支持されることとなる。なお、太径部115の外周面と太穴部122の内周面も、球状体130に当接することによって弾性変形し、その復元力が予圧として作用することとなる。
第2の金型200は、図1(a)に示すように、先端にキャビティ面の一部(以下、「キャビティ面Cb」という。)を備える入れ子210と、この入れ子210が嵌め入れられる本体部材220と、から構成されている。
入れ子210は、図1(b)に示すように、入れ子本体211と、この入れ子本体211の他端側(図1の左側)から延出する断面円形状の柱状部212と、から構成されている。柱状部212は、円錐台形状(テーパ形状)を呈しており、他端側に向かうほど先細りになっている。柱状部212の他端側には、キャビティ面の一部(以下、「キャビティ面Cc」という。)が形成されている。また、入れ子210は、入れ子本体211の一端側とキャビティ面Ccとを連通するスプルーSP及びゲートGを備えている。
本体部材220は、入れ子210の柱状部212が嵌め入れられる部材であり、また、第1の金型100と第2の金型200との位置関係を調節する役割を担う部材である。本体部材220は、略円筒形状を呈しており、他端側にフランジが形成されている。本体部材220の中空部分は、図1に示すように、一端側から、入れ子210の柱状部212が嵌め入れられる太穴部222と、柱状部212の他端側に形成されたキャビティ面Ccに外嵌する細穴部221と、第1の金型100の凸型テーパ部123と嵌合する凹型テーパ部223と、から構成されている。太穴部222は、他端側に向かうほど先細りになるテーパ形状の空間に形成されており、嵌め入れられた入れ子210の柱状部212を調心可能になっている。また、凹型テーパ部223は、一端側に向かうほど先細りになるテーパ形状の空間に形成されており、前記した通り、第1の金型100の本体部材120の凸型テーパ部123と嵌合することで、第1の金型100と第2の金型200とを調心可能になっている。また、細穴部221は、太穴部222よりも小径に形成されており、その内周面にはキャビティ面Cdが形成されている。
つまり、成形用金型1は、図1(a)(b)に示すように、第1の金型100の凸型テーパ部123と、第2の金型200の凹型テーパ部223とを嵌合させることにより、心合わせがなされるようになっている。また、第1の金型100と第2の金型200とを組み合わせることにより、各キャビティ面Ca,Cb,Cc,Cdが連結されてキャビティCが形成されることとなる。
次に、成形用金型1による鏡枠Kの成形方法について説明する。
まず、図1(a)に示すように、成形用金型1を型締めした状態で、所定温度で溶融した樹脂をスプルーSPからゲートGを経て、キャビティC内に射出充填する。そして、図示しない温度調節装置により冷却されたエアが、給気口124を介して隙間SAに供給されて、入れ子110の周りを通流し、排気口125から排出される。これにより、入れ子110および本体部材120が冷却されて、鏡枠Kが成形される。その後、図1(b)に示すように、成形用金型1を型開きし、入れ子110を一端側にスライドさせることで、本体部材120から突出させて、鏡枠Kを取り出す。
ここで、成形時における時間と入れ子温度(設定値に対する差)の関係を図2に示す。図2に示すように、エアを供給した本実施形態の場合、エアを供給しない場合より、温度調節する際の入れ子温度と設定値の差が小さく、短時間で設定値に到達する。つまり、本実施形態による成形方法では、入れ子110への熱伝達速度が高速化されていることがわかる。
以上によれば、本実施の形態において、以下の効果を得ることができる。
本体部材120と入れ子110との間の隙間SAにエアを供給し、このエアを隙間SA内で通流させる。入れ子の周りをエアが通流することで、入れ子110に対する熱伝達を効率よく、かつ、満遍なく行うことができる。また、温度調節されたエアが、一端側寄り、つまり、キャビティ面Caに近い方に直接供給されるため、キャビティ面Caの温度を高精度に制御することができる。これにより、鏡枠Kの成形品質と生産性が向上する。
また、球状体130を介在させるための隙間SAをエアが通流する温調流路として利用するため、簡単な構造で上記効果を達成できる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図3は、第2の実施の形態に係る成形用金型の断面図であり、(a)は型締め時、(b)は型開き時の状態をそれぞれ示す。第2の実施の形態は、第1の実施の形態の構成を一部変更したものであるので、同一の構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第2の実施形態に係る成形用金型2は、図3(a)に示すように、第1の金型100と、第2の金型300との間にキャビティC’を形成し、当該キャビティCで製品たる鏡枠Kを成形するものである。第2の実施形態では、第1の金型100と第2の金型300との構成は、ほぼ同一である。
具体的には、図3(b)に示すように、第1の金型100は、先端側にキャビティ面Caを有する入れ子110と、この入れ子が嵌め入れられる本体部材120と、入れ子110と本体部材120との間に介在させられる球状体130とから構成され、第2の金型300は、先端側にキャビティ面Ceを有する入れ子310と、この入れ子が嵌め入れられる本体部材320と、入れ子310と本体部材320の間に介在させられる球状体130とから構成される。
入れ子110,310は、入れ子本体111,311と、この入れ子本体111の一端側の中央部から延出する断面視円形状に形成された柱状部112,312と、から構成されている。柱状部112,312は、一端側にキャビティ面Ca,Ceを備える細径部114,314と、この細径部114,314の他端側に連続して該細径部114よりも太径に形成された円柱形状の太径部115,315と、から構成されている。
本体部材120,320は、円筒形状を呈しており、その中空部は、入れ子110,310の細径部114,314が嵌め込まれる細穴部121,321と、入れ子110,310の太径部115,315と遊嵌する太穴部122,312と、を構成している。細径部121,321の一端側には、キャビティ面Cb,Cfが形成されている。本体部材120の一端側の端面には、凸型テーパ部123が設けられ、本体部材320の一端側の端面には、凹型テーパ部323が設けられており、凸型テーパ部123と凹型テーパ部133とが嵌合することで、第1の金型100と第2の金型300とを調心可能になっている。さらに、本体部材120,320の壁部には、一端側寄り(キャビティ面Ca,Ce寄り)に形成される給気口124,324と、排気口126,326とが設けられている。即ち、給気口124,324と排気口126,326は入れ子110の径方向に一致して設けられている。そして、本体部材120,320の太穴部122,322からは球状体130の位置ズレ防止のためのストッパ122b,322bが入れ子110,310に向けて突出している。なお、第2の実施の形態では、入れ子110は本体部材120に対してスライドせず、互いの位置関係は変化しないようになっている。
球状体130は、リテーナ131に保持された状態で隙間SAに詰め込むように構成した第1の実施形態(図1参照)と異なり、第2の実施の形態では、図3に示すように、第1の金型100,第2の金型300において、球状体130を直接隙間SAに詰め込むように構成した。
具体的には、球状体130は、第1の実施の形態と同一の部材であり、太径部115,315と太穴部122,322との各隙間SAに密に、換言すると、複数の球状体130同士が互いに接触して詰め込まれている。これにより、入れ子110,310は、球状体130同士の間にリテーナやスペーサが介在する場合に比して、多数の支持点で支えられることとなる。そのため、本体部材120,320に対する入れ子110,310の支持剛性が向上する。
次に、第2の実施の形態に係る成形用金型1による鏡枠Kの成形方法について説明する。第2の実施形態では、1サイクル中の入れ子温度を適宜制御するヒートサイクル成形を行う。この入れ子温度の制御は、隙間SAに供給するエア温度の制御によって行う。エアは、給気口124,324を介して隙間SAに供給され、排気口126,326を介して排出される。
まず、図3(a)に示すように、成形用金型1を型締めした状態で、樹脂充填前、図示しない温度調節装置によってエア温度を高く設定し(樹脂のガラス転移点以上)、入れ子110,320の温度および本体部材120,320の温度をガラス転移点以上にしておく。その後、所定温度で溶融した樹脂を図示しないスプルー,ゲートを経て、キャビティC’内に射出充填する。
そして、樹脂充填後、エア温度を下げて、入れ子110,320の温度および本体部材120,320の温度を下げる。これにより、樹脂が固化され、鏡枠Kが成形される。それから、図3(b)に示すように、成形用金型1を型開きし、本体部材120,320に設けられる図示しない押出し機構によって鏡枠Kを押し出して、取り出す。その後、エア温度を上げて、入れ子温度を再び高温にし、次の成形を行う。
以上によれば、第2の実施の形態において、第1の実施の形態で得られる効果の他、以下の効果を得ることができる。
第2の実施の形態においては、球状体130同士の間にリテーナやスペーサが介在する場合に比して、多数の支持点で支えられることとなる。そのため、本体部材120に対する入れ子110の支持剛性が向上する。
また、給気口124と排気口126とが、入れ子110の径方向に一致して設けられているため、供給エアの流速を容易に制御することができる。これにより、冷却速度を一層高精度(短時間)に制御することができ、鏡枠Kの成形品質と生産性が向上する。
さらに、ヒートサイクルを行うことで、製品の品質が向上する。具体的には、樹脂充填時の金型温度が高温(好ましくは樹脂ガラス転移点以上)であるため、樹脂は固まらずに流れる。このため、薄物や複雑形状でも樹脂を充填することができる。また、保圧力が流動端までかかるため、転写性が向上し、ひけなどの欠陥が生じにくく、外観も向上する(品質の向上)。さらに、前記と同様の理由でウェルドラインが激減し、外観だけでなく、衝撃強度も向上する。特に、レンズなどの透明光学部品の場合は、内部歪(複屈折)が小さくなる(品質の向上)。なお、金型設計の自由度も向上する。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態においては、鏡枠Kを製造するための金型に本発明を適用した例について説明したが、これに限られるものではなく、例えばプラスチック光学レンズ等高い同心度を必要とする高精度部品を製造するための金型に適用してもよい。レンズ等の透明光学部品を製造する際、ヒートサイクルを用いると、内部歪(複屈折)が小さくなり、品質が向上する。
また、前記実施形態では、温調媒体としてエアを用いた場合について説明したが、これに限られるものではなく、例えば、気体のほか、水や油などの液体や水銀等、種々の流体を用いることができる。
また、製品の品質をさらに向上させるため、成形サイクルの短縮のため、供給エアの温度だけでなく流速も変化させても良い。
また、前記実施形態においては、入れ子110の柱状部112を、細径部114と太径部115とから構成したが、これに限られるものではなく、柱状部112を、本体部材120の細穴部121と同じ一定の太さで構成してもよい。かかる場合には、太穴部122の半径と細穴部121の半径との差よりも若干大きい寸法(直径)の球状体を用いるのが好適である。
また、給気口124の位置や排気口125,126の位置は、適宜設計変更することができる。例えば、給気口124を他端側寄りに設け、排気口125,126を一端側寄りに設ける構成にすることもできる。例えば、吸気口と排気口を入れ子に対して同じ方向や直角方向などに設けても良い。
また、第2の実施の形態においては、図3に示すように、入れ子110と本体部材120との間の隙間に球状体130を規則的に詰め込むこととしたが、これに限られるものではなく、球状体130を不規則に詰め込んでもよい。
前記実施形態では、第1の金型100を可動側に、第2の金型200(300)を固定側に取り付けているが、それらに限定されず、突き出し機構を持った第1の金型100を可動側に取り付けても良い。
前記実施形態では、球状体はベアリング鋼、工具鋼としたが、それらに限定されるものではなく、セラミック製のボールなど一般に市販されているベアリングボール等であってもよい。また、前記実施形態では、金型を真鍮とステンレス系鋼材したが、アルミニウム合金、銅、各種鋼材など一般に金型として使用される材料であれば限定しない。なお、それら材料製の部材に、種種のコーティング(高精度加工用のメッキや酸化防止層など)がされていてもよい。
第1の実施の形態に係る成形用金型の断面図であり、(a)は型締め時、(b)は型開き時の状態をそれぞれ示す。 成形時における時間と入れ子温度(設定値に対する差)の関係を示す図である。 第2の実施の形態に係る成形用金型の断面図であり、(a)は型締め時、(b)は型開き時の状態をそれぞれ示す。 従来の成形用金型の断面図である。
符号の説明
1 成形用金型
100 第1の金型
110 入れ子
120 本体部材
124 給気口
125,126 排気口
130 球状体
131 リテーナ
200 第2の金型
210 入れ子
220 本体部材
C キャビティ
Ca,Cb,Cc,Cd キャビティ面
G ゲート
K 鏡枠
SA 隙間

Claims (7)

  1. 第1の金型と第2の金型との間でキャビティを形成し、当該キャビティ内で製品を成形するための成形用金型であって、
    前記第1の金型は、
    一端側にキャビティ面の一部を有する入れ子と、
    前記入れ子を外側から保持する本体部材と、
    前記入れ子と前記本体部材との間に介在して前記入れ子の心合わせを行う複数の球状体と、を備え、
    前記本体部材の壁部には、前記本体部材と前記入れ子との間の隙間に温調媒体を供給するための供給口が形成され、前記隙間は前記温調媒体が通流する温調流路として構成されていることを特徴とする成形用金型。
  2. 前記本体部材の壁部には、前記入れ子を挟んで前記供給口の反対側に前記温調媒体を排出するための排出口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の成形用金型。
  3. 前記供給口は、前記入れ子の前記キャビティ面寄りに形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成形用金型。
  4. 前記温調媒体は、エアであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の成形用金型。
  5. 複数の前記球状体は、互いに間隔を空けて、かつ、回転可能にリテーナに保持されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の成形用金型。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の金型を用い、1サイクルの成形中に、異なる温度の温調媒体を供給することによって、前記入れ子の温度を制御することを特徴とした成形方法。
  7. 請求項6において、樹脂充填前に前記入れ子を昇温し、樹脂充填後に前記入れ子を降温することを特徴とした成形方法。
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