JP2005324503A - 金型の冷却方法、樹脂成形方法、樹脂成形装置、金型 - Google Patents

金型の冷却方法、樹脂成形方法、樹脂成形装置、金型 Download PDF

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Abstract

【課題】 金型の冷却時におけるキャビティ部の変形を生じることなく、寸法や形状精度の高い樹脂成形品を高い生産効率にて得る。
【解決手段】 キャビティ28を構成する固定側鏡面駒23および可動側鏡面駒27を、所定のクリアランス量にて固定側中子型22および可動側中子型26に保持させて、固定側型板21および可動側型板25に装着し、固定側中子型22、可動側中子型26に形成された熱媒体通路29に熱媒体を流通させて金型20の加熱、冷却を行う樹脂成形装置において、金型20の交換時の冷却速度を3℃/分から20℃/分の間に制御することで、固定側中子型22(26)と、その内部に収容された固定側鏡面駒23(27)が所定のクリアランス量を保ったまま共に冷却されるようにして、固定側中子型22(26)の急冷による固定側鏡面駒23(27)の締め付け変形を防止しつつ、金型20の冷却所要時間を短縮する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂成形における金型およびその冷却技術等に適用して有効な技術に関する。
近年、ガラス等と比較して耐衝撃性に優れ量産が可能であることから、樹脂成形による光学素子の製造技術が広範に普及してきている。たとえば、従来のプラスチックレンズの製造方法には、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリカーボネート(PC)等の熱可塑性樹脂を射出成形法により製造する方法が知られている。
ところで、従来、射出成形用金型では高精度な成形品を形成するために、金型の温度分布を均一にすることが課題となっていた。そこで、特許文献1のように樹脂が充填されるキャビティの周辺に多数の温度調整用の熱媒体を流す冷却孔と、電熱ヒータとを設けることで金型温度分布の均一化を図っている。また特許文献2に示すように、高精度な偏心精度を要求された光学素子を形成する射出成形用金型においては、キャビティを構成する鏡面駒と、この鏡面駒を支持する型板の取付孔とのクリアランス量を出来るだけ小さくし、鏡面駒の組み付け時のガタを小さくすることが知られている。
このように高精度な形状精度および偏心精度が要求された場合、鏡面駒の略周辺に多数の温度調節機構を設け、且つ、鏡面駒の周囲のクリアランス量を小さくする金型が必須になる。
このような金型を温度調節機構により温度を上昇させた場合、温度調節機構が埋没されている鏡面駒の周囲の型板(金型)が先に熱膨張し、鏡面駒を挿入している取付孔とのクリアランスは大きくなる。その後、鏡面駒にも熱が伝わり、鏡面駒は熱膨張する。従って、金型の温度上昇時には鏡面駒周囲の金型が鏡面駒を締め付けて鏡面を歪ませる問題は発生しない。
一方、成形後の金型を射出成形機から取り外すために、金型を成形温度付近から常温付近まで冷却させる必要があり、その際、温度調整用の冷却孔には冷却された媒体を流すことが多い。この冷却操作は、従来、成形後から金型を早く取り外し、別の金型を装着して早期に成形を再開するために、金型温度を可能な限り速い速度で急冷して冷却所要時間を短縮することが望まれている。特に媒体に水を使用した場合、成形温度よりも遥かに低い温度の水を冷却水として使用することができ、更に型板等が金属製で熱交換率が高いため、金型は急激に急冷される。
しかしながら、従来技術には次のような技術的課題があった。すなわち、金型の温度調節機構により温度を急激に降下させた場合、温度調節機構である冷却孔が設けられている鏡面駒周囲の金型が先に収縮する。また鏡面駒自体には冷却孔が設けられていないため温度低下が遅れる。そのため、鏡面駒は熱膨張したままになる。それに対して鏡面駒周囲の金型が先に収縮するため、膨張している鏡面駒を締め付けてしまい、鏡面(光学面)を歪ませてしまうことになる。
その理由は、キャビティを構成する鏡面駒はキャビティ部を高精度に加工する目的から加工性の良い比較的剛性の低い材料で構成され、一方、鏡面駒を支持する型板部分は、型締め等で変形しないように高剛性の素材で構成されるからである。
たとえば、50℃冷却した場合で、鏡面駒と鏡面駒周辺の型板の材質の線膨張係数が10〜13×10-6 mm/mm℃、且つ、鏡面駒が収容される取付孔の直径の大きさが10mmの場合、鏡面駒周辺の金型の鏡面駒挿入部の穴の収縮量は片側で0.0025〜0.0033mm収縮される。クリアランス量が片側0.002mmの場合には、50℃以上の急冷では鏡面駒が締め付けられて変形してしまうことになる。
特開平5−4262号公報 特開平11−90964号公報
本発明の目的は、冷却時におけるキャビティ部の変形を防止して、寸法や形状精度の高い樹脂成形品を得ることが可能な樹脂成形技術および金型を提供することにある。
本発明の他の目的は、冷却時におけるキャビティ部の変形を生じることなく、金型の交換のための冷却所要時間を短縮して、寸法や形状精度の高い樹脂成形品を高い生産効率にて得ることが可能な樹脂成形技術および金型を提供することにある。
本発明の第1の観点は、キャビティを構成する第1型部材と、前記第1型部材を保持する第2型部材とを含み、成形温度にて熱可塑性樹脂を前記キャビティに充填して樹脂成形品を得る金型の冷却方法であって、前記成形温度から目的の冷却温度までの前記金型の冷却速度が、3℃/分から20℃/分の間である金型の冷却方法を提供する。
本発明の第2の観点は、キャビティを構成する第1型部材および前記第1型部材を保持する第2型部材を具備し熱可塑性樹脂を前記キャビティに充填して樹脂成形品を得る金型を準備する工程と、前記金型を前記成形温度まで昇温する工程と、前記金型を用いて前記熱可塑性樹脂を成形する工程と、前記成形温度から目的の冷却温度までの前記金型の冷却速度が、3℃/分から20℃/分の間となるように前記金型を冷却する工程と、を含む樹脂成形方法を提供する。
本発明の第3の観点は、キャビティを構成する第1型部材および前記第1型部材を保持する第2型部材を具備し成形温度にて熱可塑性樹脂を前記キャビティに充填して樹脂成形品を得る金型と、前記金型の温度を制御する温度制御機構とを含み、前記温度制御機構は、前記成形温度から目的の冷却温度までの前記金型の冷却速度が、3℃/分から20℃/分の間となるように前記冷却速度を制御する機能を備えた樹脂成形装置を提供する。
本発明の第4の観点は、キャビティを構成する第1型部材と、前記第1型部材を保持する第2型部材とを含み、成形温度にて熱可塑性樹脂を前記キャビティに充填して樹脂成形品を得る金型であって、前記第1型部材の外周と前記第2型部材の内周との間隙寸法(両側)をΔL、前記金型の冷却時の温度差をΔT、前記第2型部材の内径寸法をL2、としたとき、前記第2型部材の線膨張係数α2は、α2≦ΔL/(ΔT×L2)、で定まる条件を満たす金型を提供する。
上記した本発明の第1〜第3の観点によれば、冷却速度を3℃/分から20℃/分の間に制御することで、可能な限り冷却所要時間を含む金型交換の所要時間を短縮するとともに、キャビティを構成する鏡面駒の収縮と、鏡面駒周辺の金型の収縮とをほぼ等しくし、金型冷却時の鏡面駒の締め付けに起因する変形を防止することが可能となる。これにより、キャビティの転写面の形状の崩れに起因する寸法精度の低下が無くなり、キャビティからの樹脂成形品の離型後に行われる金型交換の後に再度この金型を使用する場合でも、寸法や形状精度の高い高品質な光学素子等の樹脂成形品を高い生産効率(単位時間当たりの樹脂成形品の生産数量)にて得ることが可能になる。
また、本発明の第4の観点によれば、キャビティを構成する鏡面駒等の第1型部材を、型板等の第2型部材の取付孔にΔLの間隙寸法にて装着した構成の金型において、線膨張係数α2が、α2≦ΔL/(ΔT×L2)の条件を満たす素材で第2型部材を構成することで、鏡面駒の冷却による収縮に関係なく、また任意の冷却速度にて、冷却時の温度差ΔTで第2型部材を冷却した場合でも、型板側の収縮量が間隙寸法ΔLに収まって、型板による鏡面駒の締め付けが生じることがない。
従って、その装置に備わった冷却機構の最大限の冷却速度にて金型を温度差ΔTで冷却しても、キャビティを構成する鏡面駒の変形に起因する寸法精度の低下が無くなり、冷却所要時間を含む金型交換の所要時間を短縮することによる生産効率の向上と、寸法や形状精度の高い高品質な光学素子等の樹脂成形品を得ること、とを両立させることが可能になる。
本発明によれば、冷却時におけるキャビティ部の変形を防止して、寸法や形状精度の高い樹脂成形品を得ることが可能となる。
また、冷却時におけるキャビティ部の変形を生じることなく、金型の交換のための冷却所要時間を短縮して、寸法や形状精度の高い樹脂成形品を高い生産効率にて得ることが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である樹脂成形方法を実施する樹脂成形装置の構成の一例を示す略断面図であり、図2は、本実施の形態の樹脂成形装置に装着される金型の一部を拡大して示す平面図、図3は、本実施の形態の樹脂成形方法および装置の作用の一例を示す線図である。
本実施の形態の樹脂成形装置10は、固定プラテン11および図示しない駆動機構にて動作する可動プラテン12と、これらの間に配置された金型20を備えている。
金型20は、固定プラテン11の側に支持された固定側型板21と、可動プラテン12の側に支持された可動側型板25を備えている。固定側型板21および可動側型板25の対向面には、ポケット穴22aおよびポケット穴26aがそれぞれ形成された筒状の固定側中子型22および可動側中子型26が互いに同軸となるように対向して配置されており、各々のポケット穴22aおよびポケット穴26aの内部には、固定側鏡面駒23および可動側鏡面駒27が、それぞれ着脱自在に支持されている。
固定側鏡面駒23および可動側鏡面駒27の対向する先端部の成形面23aおよび成形面27aは、目的の樹脂成形品の形状に対応した所望の凹凸部が高精度に鏡面仕上げにて形成され、固定側型板21と可動側型板25を密着させる型締め時に、固定側鏡面駒23と可動側鏡面駒27とが、目的の樹脂成形品(本実施の形態の場合は凸レンズ)の外形形状に応じたキャビティ28の形状に形成されるようになっている。
固定側型板21の側には、固定側鏡面駒23の配列領域の中央部に位置するように樹脂供給路24が形成されている。この樹脂供給路24の外端部は、図示しない樹脂供給機構に接続されている。樹脂供給路24の内端部は、個々のキャビティ28に向かって分岐しており、分岐端は、可動側中子型26に溝として形成され、固定側中子型22の端面と密着することで樹脂通路となるゲート部26bを介して個々のキャビティ28に連通している。
すなわち、固定側型板21と可動側型板25を密着させた状態で、樹脂供給路24の外端部から圧入される樹脂は、樹脂供給路24の内端側で分岐してゲート部26bを通じて個々のキャビティ28に充填され、これにより、樹脂成形が行われる。
可動プラテン12には、可動側型板25を貫通して、樹脂供給路24内に出入りする離型ピン13が設けられており、上述の成形後、固定側型板21と可動側型板25を離間させる離型時に、樹脂供給路24内で硬化した樹脂を固定側型板21の側に突き出すことで、樹脂供給路24およびゲート部26bの樹脂の通路に充填されて硬化した樹脂、および当該樹脂に連なる個々のキャビティ28内の樹脂成形品の離型動作が行われる。
金型20の固定側型板21、可動側型板25、および固定側鏡面駒23、可動側鏡面駒27を支持する固定側中子型22、可動側中子型26には、温度制御用の熱媒体が流通する熱媒体通路29が形成されている。
この熱媒体通路29は、複数の熱媒体配管31を介して、外部に設けられた温度調節装置30に接続されている。温度調節装置30は、たとえば、水やオイル等の熱媒体を熱媒体配管31を介して熱媒体通路29を流通させることで、金型20の成形温度までの加熱や冷却操作を行うことが可能になっている。
すなわち、熱媒体配管31には、流量調節のための流量調節弁32が設けられているとともに、金型20には、温度測定のための温度センサ33が設けられている。そして、温度調節装置30は、温度センサ33にて金型20の温度変化を計測しつつ、温度および流量が制御された水やオイル等の熱媒体を熱媒体通路29に流通させることで、金型20の加熱温度や加熱速度、さらには冷却温度や冷却速度を制御することが可能になっている。
ここで、図2に示されるように、本実施の形態では、固定側中子型22(可動側中子型26)のポケット穴22a(ポケット穴26a)の内周と固定側鏡面駒23(可動側鏡面駒27)の外周とのクリアランス量tは片側0.002mm〜0.005mmになっている。
このtの値は、ポケット穴22a(ポケット穴26a)に対する固定側鏡面駒23(可動側鏡面駒27)の円滑な挿抜作業を確保しつつ、互いに対向してキャビティ28を形成する固定側鏡面駒23(成形面23a)と可動側鏡面駒27(成形面27a)の偏心量が、キャビティ28に対する樹脂の充填にて得られる凸レンズの光軸のずれが許容誤差範囲内に収まるように制御するために、上述のような値に設定されている。
すなわち、キャビティ28を構成する固定側鏡面駒23および可動側鏡面駒27の偏心等の形状精度の観点からはクリアランス量tは小さいほど良いが、固定側鏡面駒23(可動側鏡面駒27)のポケット穴22a(ポケット穴26a)に対する挿抜等の組み立て作業を円滑に行うためには、ある程度の大きさのクリアランス量tが必要であり、上述のクリアランス量tの設定値は、両者をバランスよく満たす値として設定されている。
以下、本実施の形態の作用の一例について、図4のフローチャート等を参照して説明する。
まず、図1のように樹脂成形装置10に装着されている金型20に、温度調節装置30から、加熱された熱媒体を熱媒体配管31を介して金型20内の熱媒体通路29に流通させることで、金型20を、たとえば100℃から160℃の間の温度に制御する(ステップ101)。
その後、可動プラテン12を前進させて、可動側型板25を固定側型板21に密着させる型締め操作を行い、固定側鏡面駒23と可動側鏡面駒27にてキャビティ28を形成し、その状態で、与圧された熱可塑性樹脂を樹脂供給路24およびゲート部26bを通じて個々のキャビティ28に充填することで、樹脂成形を行う。そして、所定の硬化時間だけ上述の型締め状態を維持して、キャビティ28内の樹脂を十分に硬化させた後、可動プラテン12を後退させて、可動側型板25を固定側型板21から離間させる型分離を行うとともに、離型ピン13を突出させてキャビティ28内や樹脂供給路24内で硬化した樹脂を樹脂成形装置10から剥離する離型処理を行う。この型締め、樹脂充填、型分離、離型の一連の操作を反復することで、多数の樹脂製のプラスチックレンズを高精度に樹脂成形にて製造することができる(ステップ102)。
そして、樹脂成形品の品種の切換等のために金型20の交換が必要となった場合(ステップ103)、高温の成形温度のままでは取り扱えないので、キャビティ28内に樹脂を充填しない状態で、すなわちキャビティ28から樹脂成形品が離型されて完全に除去された後の状態で、温度調節装置30から、低温の熱媒体を熱媒体配管31を介して金型20内の熱媒体通路29に流通させることで、100℃〜160℃の成形温度から、たとえば、金型20の手作業等による取り扱いが可能となる50℃程度の冷却温度まで、50℃から110℃の温度差を冷却する。
この時、本実施の形態の場合には、温度調節装置30は、金型20における冷却速度が、図3に示されるように、3℃/分から20℃/分の間となるように制御する。なお、冷却速度が遅すぎると金型20の冷却が遅れるため段取り作業までの時間が掛かってしまいタクトタイムが伸びてしまうため、3℃/分以上が好ましい。更に鏡面駒周囲のクリアランス量tが、上述の片側0.002mm〜0.003mmの場合には、5℃/分から10℃/分の冷却速度が好ましい(ステップ104〜ステップ105)。
すなわち、一例として固定側鏡面駒23の外形の大きさL1を5mm〜15mmとし、また、金型20に使用する素材として、一般の樹脂成形金型用のステンレス鋼(線膨張係数は10〜14.5×10-6 /℃)を用いた場合を想定すると、ポケット穴22a(ポケット穴26a)の収縮量は、0.0025mm〜0.032mmとなり、急冷してポケット穴22a(ポケット穴26a)のみが収縮した場合には、固定側鏡面駒23(可動側鏡面駒27)における成形面23a(成形面27a)の締め付けによる変形が懸念される。
そこで、本実施の形態では、上述のように、3℃/分から20℃/分の間に、望ましくは、5℃/分から10℃/分の間に金型20の冷却速度を制御することで、固定側鏡面駒23(可動側鏡面駒27)と、ポケット穴22a(ポケット穴26a)がともに徐々に冷却されて、両者が所定のクリアランス量tを保ちつつ目的の冷却温度まで冷却されるように制御し、しかも、冷却待ちに起因する段取りの所要時間が必要以上に長くならないようにする。
そして、金型20の冷却が完了したら、金型20を樹脂成形装置10の固定プラテン11および可動プラテン12から取り外し(ステップ106)、別の金型20を固定プラテン11および可動プラテン12に装着して(ステップ107)、ステップ101から反復する。
このように、本実施の形態では、金型20における成形温度からの冷却に際して、3℃/分から20℃/分の間に、望ましくは、5℃/分から10℃/分の間に金型20の冷却速度を制御することで、キャビティ28を構成する固定側鏡面駒23および可動側鏡面駒27の、固定側中子型22や可動側中子型26の収縮による締め付け変形等を生じることなく、短時間に金型20の交換を行うことが可能になる。
従って、冷却時における固定側鏡面駒23および可動側鏡面駒27における成形面23aおよび成形面27a等のキャビティ部の変形を防止して、寸法や形状精度の高いレンズ等の樹脂成形品を得ることが可能となる。
また、冷却時における固定側鏡面駒23および可動側鏡面駒27等のキャビティ部の変形を生じることなく、金型20の交換のための冷却所要時間を短縮して、寸法や形状精度の高いレンズ等の樹脂成形品を高い生産効率にて得ることが可能となる。
なお、上述の本実施の形態では、固定側型板21および可動側型板25の各々に固定側中子型22、可動側中子型26を装着し、その内部に固定側鏡面駒23および可動側鏡面駒27をそれぞれ保持させる構成としたが、固定側中子型22、可動側中子型26を用いずに、固定側型板21および可動側型板25に、固定側鏡面駒23および可動側鏡面駒27を直接に埋没させて支持させる構成としてもよい。
次に、本発明の別の実施の形態について説明する。以下の実施の形態では、金型20を構成する固定側中子型22や可動側中子型26の材料を適切に選択することで、金型20の冷却速度に関係なく、確実に固定側鏡面駒23、可動側鏡面駒27の締め付け変形を防止する。なお、説明が煩雑になるので、以下では、固定側型板21の側の固定側鏡面駒23と固定側中子型22の関係について説明するが、可動側型板25の側の可動側中子型26と可動側鏡面駒27との関係も同様である。
すなわち、図2に示すように、内側の固定側鏡面駒23の外径をL1、その線膨張係数をα1、温度をT1とし、外側の固定側中子型22におけるポケット穴22aの内径をL2、その線膨張係数をα2、温度をT2とした場合、
L2×α2×T2−L1×α1×T1 > 0
が満たされるようにすることが、冷却時に固定側中子型22による固定側鏡面駒23の締め付け変形を防止する条件となる。
ところで、急冷時の最悪の場合を考えると、内側の固定側鏡面駒23の温度が全く低下せず、外側の固定側中子型22の温度のみが低下して、その収縮量が両者の寸法差ΔL=L2−L1(=片側のクリアランス量t×2)よりも小さくなった場合に、固定側鏡面駒23の成形面23aの締め付け変形が発生することになる。
そこで、必要な冷却温度範囲において、冷却による収縮量が上述のΔLよりも小さくならないようなα2を持つ素材にて固定側中子型22を構成すれば、その冷却温度範囲では、いくら固定側中子型22を急速に冷却しても固定側鏡面駒23の成形面23aの締め付け変形が生じる懸念がなくなる。
すなわち、α2≦ΔL/(ΔT×L2)を満たすようなα2を持つ素材にて、固定側中子型22を構成すればよい。
たとえば、L2が15mmで、ΔLが0.002mmの、本実施の形態で最も厳しい寸法関係を想定し、成形温度160℃から手作業で取り扱い可能な50℃まで、110℃(=ΔT)だけ金型20を冷却することを想定すると、必要なα2は、ほぼ、1.8×10-6/℃となる。
アンバー等の低線膨張率の材料は、ほぼ1×10-6/℃であり、この条件を満たすので、固定側中子型22を、たとえば、アンバー等の低線膨張率の材料を用いて制作することで、冷却速度に影響されることなく、固定側中子型22による固定側鏡面駒23の冷却時の締め付け変形を確実に防止できる。
したがって、金型20の冷却待ち時間を含む段取り時間(タクトタイム)が大幅に短縮され、高い生産効率にて、高精度のレンズ等の樹脂成形品を製造することが可能になる。
低線膨張率の材料としては、アンバー等に限らず、上述の条件を満たすα2を持つ任意の材料を用いることができる。
なお、上記各実施の形態の説明では、固定側中子型、可動型中子型を筒状突出、図2では円筒形状で説明したが、これに限らず四角形状であってもよい。
本発明の一実施の形態である樹脂成形方法を実施する樹脂成形装置の構成の一例を示す略断面図である。 本発明の一実施の形態である樹脂成形装置に装着される金型の一部を拡大して示す平面図である。 本発明の一実施の形態である樹脂成形方法および装置の作用の一例を示す線図である。 本発明の一実施の形態である樹脂成形方法および装置の作用の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
10 樹脂成形装置
11 固定プラテン
12 可動プラテン
13 離型ピン
20 金型
21 固定側型板
22 固定側中子型(第2型部材)
22a ポケット穴
23 固定側鏡面駒(第1型部材)
23a 成形面
24 樹脂供給路
25 可動側型板
26 可動側中子型(第2型部材)
26a ポケット穴
26b ゲート部
27 可動側鏡面駒(第1型部材)
27a 成形面
28 キャビティ
29 熱媒体通路
30 温度調節装置
31 熱媒体配管
32 流量調節弁
33 温度センサ

Claims (10)

  1. キャビティを構成する第1型部材と、前記第1型部材を保持する第2型部材とを含み、成形温度にて熱可塑性樹脂を前記キャビティに充填して樹脂成形品を得る金型の冷却方法であって、
    前記成形温度から目的の冷却温度までの前記金型の冷却速度が、3℃/分から20℃/分の間であることを特徴とする金型の冷却方法。
  2. 前記成形温度から目的の冷却温度までの温度差が50℃以上であることを特徴とする請求項1記載の金型の冷却方法。
  3. 前記冷却速度は5℃/分から10℃/分の間であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の金型の冷却方法。
  4. キャビティを構成する第1型部材および前記第1型部材を保持する第2型部材を具備し、熱可塑性樹脂を前記キャビティに充填して樹脂成形品を得る金型を準備する工程と、
    前記金型を前記成形温度まで昇温する工程と、
    前記金型を用いて前記熱可塑性樹脂を成形する工程と、
    前記成形温度から目的の冷却温度までの前記金型の冷却速度が、3℃/分から20℃/分の間となるように前記金型を冷却する工程と、
    を含むことを特徴とする樹脂成形方法。
  5. 前記成形温度から目的の冷却温度までの温度差が50℃以上であり、前記冷却温度にて前記金型の交換が行われることを特徴とする請求項4記載の樹脂成形方法。
  6. 前記冷却速度は5℃/分から10℃/分の間であることを特徴とする請求項4または請求項5記載の樹脂成形方法。
  7. キャビティを構成する第1型部材および前記第1型部材を保持する第2型部材を具備し成形温度にて熱可塑性樹脂を前記キャビティに充填して樹脂成形品を得る金型と、前記金型の温度を制御する温度制御機構とを含み、
    前記温度制御機構は、前記成形温度から目的の冷却温度までの前記金型の冷却速度が、3℃/分から20℃/分の間となるように前記冷却速度を制御する機能を備えたことを特徴とする樹脂成形装置。
  8. 前記成形温度から目的の冷却温度までの温度差が50℃以上であることを特徴とする請求項7記載の樹脂成形装置。
  9. 前記冷却速度は5℃/分から10℃/分の間であることを特徴とする請求項7または請求項8記載の樹脂成形装置。
  10. キャビティを構成する第1型部材と、前記第1型部材を保持する第2型部材とを含み、成形温度にて熱可塑性樹脂を前記キャビティに充填して樹脂成形品を得る金型であって、
    前記第1型部材の外周と前記第2型部材の内周との間隙寸法(両側)をΔL、前記金型の冷却時の温度差をΔT、前記第2型部材の内径寸法をL2、としたとき、前記第2型部材の線膨張係数α2は、α2≦ΔL/(ΔT×L2)、で定まる条件を満たすことを特徴とする金型。

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