JP4919413B2 - プラスチック成形品の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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本発明は、表面に高精度な光学鏡面や微細パターンを有する光学素子及びその成形方法に関するものであり、通例の射出成形法では、極端に高い金型温度設定と長い成形サイクルが必要な高精度な光学鏡面、あるいは微細形状の転写を伴う成形品を製造するについて、非常に短い成形サイクルでこれを実行できるものである。
複写機やレーザービームプリンター等の光走査に用いられるfθレンズやプロジェクションに用いられる投射レンズ等の光学素子は、製品のコストダウンの要求からガラス製からプラスチック製へ移行している。これらの光学素子は、複数の機能を最小限の素子で補うためにその転写面形状も球面のみならず複雑な非球面形状を有するようになってきている。また、レンズの場合には、その形状はレンズ厚さが厚く、レンズ厚が一定ではない偏肉形状である場合が多くなってきている。その製造方法は、製造コストが低く大量生産に適した射出成形法を用いることが一般的になっている。しかしながら、レンズ厚みが偏肉形状のレンズを射出成形法で製造した場合、レンズ厚さの偏差によって充填された樹脂の冷却速度が厚さによって異なるため、場所による収縮率差が生じ、このため精度良く成形することができず、特に、薄肉部やゲート近傍では熱応力が発生し、レンズ内部に複屈折が生じるという問題があった。
こうした射出成形法の欠点を改善する方法として、金型内で樹脂をガラス転移温度以上に加熱し、その後ゆっくりと冷却して成形品を取り出すことによって、内部歪みが小さく、形状精度の良い成形品を得る方法がいくつか提案されている。
その一例は次のとおりである。
1.特開平4−163119号公報の従来技術。
これは、予め作製したプラスチック母材を金型に挿入し、ガラス転移温度以上に加熱溶融させ、樹脂内圧を発生させて後にゆっくり冷却させて、転写加工を行うものである。
2.特開平8−244085号公報の従来技術。
これは、樹脂のガラス転移温度以上に加熱された金型に射出・充填し、一定時間保持して転写させ、その後、ガラス転移温度以下まで冷却して成形品を取り出すものである。
3.特開2000−25120号公報の従来技術。
これは、キャビティ間に樹脂を保持した状態でそのガラス転移温度以上に加熱保持して転写させ、樹脂が受ける圧力が変化しないように外部からの圧力を調節しながら樹脂のガラス転移温度近傍まで冷却するものである。
以上の従来技術のいずれにおいても、樹脂のガラス転移温度以上まで金型を加熱し、その後に冷却するといった工程を必要とするため、非常に成形サイクルが長くなり、その上、1サイクル毎に金型全体をガラス転移温度以上まで加熱することが必要であるので多大な電力を消費するという問題がある。
近年では上記の光学素子において、光学面に微細パターンを形成させ、新たな光学的機能を付加することが試みられている。例えば、光学面に波長の数倍の回折パターンを形成し、前記回折を利用してレンズ効果をもたせる回折レンズがある。光学鏡面に回折レンズを形成することで、光学系の収差特性改善や波長選択性を備えることができる。また、光の波長より小さいピッチの格子や柱、ピットなどが配列された微細構造を光学面に施すことによって、ある屈折率を有する薄膜が存在することと等価となり、前記微細構造の配列や構造を工夫することで反射防止機能が得られることが知られている。
また従来、光学鏡面からの反射光がゴーストやフレアの原因となり、画像品質を劣化させるため、それを抑制するために成形後に、真空蒸着等の手段にて反射防止膜が設けられていた。上述した微細構造を光学表面に形成させることで、成形後の後工程(真空蒸着処理)が不要となり、生産コストを大幅に低減することができる。
一般的なプラスチック部品の製造方法である射出成形では、成形サイクルを速くするため、使用樹脂の軟化温度以下に保持した金型に溶融樹脂を射出充填し、急冷固化させることで成形品を作製している。前述した表面に回折パターンや波長以下の微細なパターン形状(転写パターン)を有する光学素子を射出成形で製造した場合、金型内に溶融樹脂を充填した瞬間にその表層部が軟化温度以下に保持された金型表面に接触して急冷されるため、前記パターンへ樹脂を完全に充填することができないという不具合がある。
このような微細パターンの転写については、下記の技術が知られている。
(1)樹脂温度がそのガラス転移温度+10℃から+150℃の範囲でプレスして転写すること(特開2003−211475号公報)。
(2)型部材に熱伝導率が低く、20W/m・K以下の材料を用いることによって、樹脂の冷却を遅くさせること(特開2004−284110号公報)。
(3)金型内に樹脂を充填後、金型をそのガラス転移温度以上に上げ転写面を押圧すること(特開2005−049829号公報)。
(4)金型を透光性材質で構成し、エネルギー線を照射することで樹脂をそのガラス転移温度以上に上げて転写させること(特開2005−205860号公報)。
上記(1)、(3)の従来技術については、金型をガラス転移温度以上に加熱後に冷却するといった熱サイクルが必要であるため、成形時間が長くなると同時に、温度安定性が確保しづらく、転写性がばらつくという問題がある。
また、上記(2)の従来技術については、樹脂が冷却されにくくなることで転写が促進されるとしているが、金型温度は樹脂の軟化温度以下に維持されているため、樹脂は金型内を流動しながら冷却が進み、特にゲートから離れた位置(末端)では温度が下がるため波長以下(ミクロンオーダー以下)のピッチの微細形状(パターン)にまで十分に樹脂を充填させることはできない。また、母材全てを熱伝動率の低い部材で構成しているので樹脂の冷却が遅くなり、その分だけ成形時間が長くなる。成形品肉厚が大きくなる程その影響が顕著である。
また、上記(4)の従来技術については、型材がサファイア、シリコン等の透光材料に限定されるが、これらの材料は一般的に使用される金属より高価でありかつ強度が低いため、負荷に対する耐圧圧力が限定され、十分な転写ができない場合がある。さらに、大面積の成形品や曲面状の成形品に対しては均一に加熱することが難しく、そのため成形品の精度がばらつくという問題がある。
そこで本発明者は、溶融樹脂を金型に充填して後に、軟化温度近傍まで冷却される間に、転写面を樹脂から強制的に一旦離反させて転写面と樹脂の間に空隙を形成させ、次いで、前記樹脂から離反させた転写面と樹脂表層部と再び密着させることで転写面形状を樹脂表面に高精度に転写させる手法を既に発明した(以下これを「先行技術」という。特願2007−022755号明細書、『プラスチック成形品及びその製造方法、製造装置』)。上記先行技術では、転写面と樹脂との間に空隙を形成した時に当該空隙が断熱層となるため、成形品中心部の熱が金型へ伝達されずに上記空隙内部にこもる。そのため、充填時に金型と接触して一度冷却された樹脂表層部が再び溶融して高い流動性を生じ、易変形性を持つようになる。その結果、前記再溶融した樹脂表面に転写面を再び密着させることにより、光学鏡面もしくは微細パターン(転写面)を高精度で樹脂表面に転写できる。
また、上記先行発明においては、樹脂自身の熱によって、充填時に金型に接触して一旦固化した樹脂表面が再溶融されるため、上記従来技術1,2,3ならびに(1),(3)のように、金型温度を樹脂のガラス転移温度以上まで上げる必要がなく、非常に短い成形サイクルで金型の転写面(光学鏡面もしくは微細パターン)を高精度に樹脂表面に転写できる。さらに、充填後に空隙を形成したときに樹脂内の圧力が開放されるため、キャビティ内樹脂の圧力偏在(応力)が緩和され、内部歪みを低減させることも可能となる。
しかし、前記先行技術では、転写面から強制的に離反させた樹脂表層部の再溶融を、樹脂自身が有する熱によって行うため、比較的肉厚が薄い成形品の場合は、転写面から樹脂を離反させる操作以前までに樹脂全体の冷却が速く進んでしまい、このため、転写面から樹脂を離反させて空隙を形成した時点において樹脂が保有する熱量が小さくなり、樹脂表層を再溶融させるのに必要な熱量を空隙内部に十分にこもらせることができず、再軟化させることができない。その結果、樹脂表面に光学鏡面もしくは微細パターンが形成された転写面を高精度に転写することができなくなる。
また、前記先行技術は、転写面から樹脂を強制的に離反させた後に、樹脂表層部に生じる温度再上昇(言い換えると樹脂表層部の高流動化・易変形性化)を転写面形状の高精度転写のために利用することによって、一般的な成形手法に従って同等の転写を得る場合に比して金型温度を低めに設定することを可能にし、短い成形サイクルで高精度の形状転写を行うことができる。しかし、光の波長より短いピッチの格子や柱、ピットなどが配列された微細構造を光学面に形成することで反射防止機能を得ようとする例を取り上げると、その微細構造周期は光の波長の半波長程度(数百nm)以下、アスペクト比が1又は1以上もの稠密な形状となる。
上記のような微細構造形状を、上記先行技術の手法に従って転写させようとする場合、要求される光学的機能の仕様によっては、その機能実現のために要求される稠密な微細形状を転写するのに十分な温度再上昇(言い換えると、転写するのに必要な樹脂表層部の高流動化・易変形性化)を生じない場合があることが認められる。
特開平4−163119号公報 特開平8−244085号公報 特開2000−25120号公報 特開2003−211475号公報 特開2004−284110号公報 特開2005−049829号公報 特開2005−205860号公報 特開2004−284110号公報 特許第3378840号明細書 特願2007−022755号明細書
本発明は、上記従来技術の問題点、ならびに上記先行技術で不足する部分を勘案してなされたものであり、短い成形サイクルで光学鏡面や微細なパターンが高精度で転写され、かつ内部歪みの小さいプラスチック光学素子を成形できるプラスチック成形方法を提供することを目的とするものであり、樹脂を一旦転写面から離反させた後、転写面と樹脂表面間の空隙内部によく熱がこもるようにして、樹脂の再溶融が促進されるようにすることが課題である。
高精度な転写が要求される転写面を含む面の全部または一部が、断熱材を備えた入子により形成されている金型を用いてプラスチック成形品を製造する。また、必要に応じて、転写面を含む面以外の1つ以上の面の全部または一部についても、断熱材を備えた入子により形成された金型を用いてプラスチック成形品を製造する。
前記プラスチック成形品の製造プロセスは、前記先行技術と同様のプロセスであり、溶融樹脂を金型に充填後軟化温度未満まで冷却する間に、転写面を強制的に樹脂から離反させることによって、転写面と樹脂の間に空隙を形成させ、次いで、前記樹脂から離反させた転写面と樹脂表層部とを再密着させることで転写面形状を樹脂表面に高精度に転写させる。
前記本発明の解決手段において、転写面を含む面の全部または一部が、断熱材を備えた入子により形成されているため、転写面と接触している部分の樹脂の冷却が抑制されて遅くなり、前記空隙形成直後における樹脂表層温度は、通常素材の入子を使用した場合に比してその低下が抑制されて、より高温に保持される。その結果、断熱層として働く空隙に遮断されて空隙内部にこもることが助長され、樹脂中心部の熱によって樹脂表層部分は再溶融し、その表層温度がより高い温度まで上昇する。
また、転写面を含む面の全部または一部が、また同時に転写面を含む面以外の面の全部または一部についても、断熱材を備えた入子により形成されているため、溶融樹脂が金型に充填されてから空隙が形成されるまでに樹脂から金型に伝達される熱量が少なくなる。
その結果、空隙内部にこもる熱量が、通常素材の入子を使用する場合と比較してより大きくなることによっても、樹脂表層温度はより高い温度にまで上昇する。さらに、転写面を含む面の全部または一部が、断熱材を備えた入子により形成されているため、空隙を形成し、再び樹脂表層部と密着させる時の金型転写面温度についても、通常素材の入子を使用した場合に比して、より高い温度を保持している。このことは、樹脂表層と転写面が再接触した瞬間に生じる樹脂表層(接触面)の温度低下と固化によって転写面形状の転写が阻害されることが、通常素材の入子を使用した場合に比してより抑制されることを意味している。
上記のように、転写面を含む面を、あるいは同時に転写面を含まない面についても、断熱材を備えた入子により形成させることによって、樹脂を転写面から離反させて空隙を形成した時ならびにその後の樹脂表層温度、また樹脂表層部と再密着する際の金型転写面温度に関して生じる現象を見出し、この現象を利用した点が本発明の技術的基本である。
そして、本発明においては、溶融樹脂を金型に充填後に軟化温度近傍まで冷却する間に、転写面を強制的に樹脂から離反させてその間に空隙を形成し、続いて樹脂自身が有する熱によってその樹脂表面を再び溶融させた後、転写面を再溶融樹脂の表面に再び密着させるプロセスおいて、空隙を形成する前に樹脂から金型への熱の移動を抑制することによって、空隙形成時の樹脂が有する熱量をより多く、また樹脂表層部の温度をより高く保つ。そしてその結果、再密着時の樹脂表層温度と金型の転写面温度をより高くすることによって、通常の手法(上記先行技術)では冷却の進行が速い比較的薄肉の成形品、あるいは極めて転写が困難な形状の微細構造を有する成形品についても、金型温度を上げる必要なしに、非常に短い成形サイクルのままで、光学鏡面もしくは微細構造が形成された転写面を、高精度に樹脂表面に転写することができる。
また、充填後に空隙を形成したときに樹脂内の圧力が開放されるため、キャビティ内樹脂の圧力偏在(応力)が緩和されることに加え、再密着時の転写面温度がより高くなった効果と、さらに断熱材を備えた入子構造による樹脂から金型への熱移動速度低下の効果によって、通常素材の入子を使用した場合に比して、再密着時に転写面に生じる軟化層(スキン層)の厚みが薄く抑えられ、さらに内部歪みを低減させることができる。
次いで、図面を参照しつつ、種々の光学素子の成形に本発明を適用した実施例1、実施例2、実施例3を説明する。
実施例1は、図1(a)に示すようなフレネルレンズL1を作製した例である。フレネルレンズL1はその入射面1に光を屈折させる傾斜面の凹凸パタ−ン、出射面2に平面の高精度な光学鏡面を有し、直径が26mm、肉厚がおよそ5mmの略平板形状丸レンズであり、樹脂素材は、軟化温度110℃のPMMA樹脂である。
図1(b)は、本発明のプラスチック成形品製造装置に搭載した金型(図示略)のキャビティ3の部分を拡大した図で、金型を製造装置(図示略)によって閉じ、溶融したPMMA樹脂をキャビティ3内に充填した状態を示している。キャビティ3は、フレネルレンズL1の凹凸パタ−ン形状が加工されている転写駒8を有するコア入子4、成形品の側面形状を形成する側面入子5、平坦な光学鏡面加工が為された転写面7を有するキャビ入子6によって構成されている。また、コア入子4は、フレネルレンズL1の凹凸パタ−ン形状が加工されている転写駒8と基材9の間に、ジルコニアセラミックス(熱伝導率:3W/m・K)焼結板を使用した断熱材10をサンドイッチした構成を有しているとともに、製造装置(図示略)によって、前後に摺動可能な可動入子となっている。なお、キャビティ3周囲を含めた金型(図示略)は、ヒ−タ−、温調媒体(図示略)などによって、PMMA樹脂の軟化温度以下である90℃に加熱維持されている。
次いで(図1(b))、樹脂がキャビティ温度まで冷却される途中で、少なくともキャビティ3内の樹脂の中心温度がその軟化温度以上、表層部温度がその軟化温度以下でかつ樹脂の平均温度が軟化温度以上のタイミングにおいて、上記製造装置によってコア入子4を後退させてコア入子4と樹脂との密着を強制的に破壊して両者を離反させ、その間に空隙11を形成する。この時に、当該空隙11に面する表層12が現れる。なお、空隙11の形成によって現れた直後の表層12は、キャビティとの接触によって温度が低下し、流動性が大きく低下した表層となっている。
しかし、前記空隙11は、極めて優れた断熱体(熱伝導率:0.024W/m・K)としての機能を奏するため、樹脂の中心部から樹脂表層12に伝わった熱の中で、さらに外部へ伝えられる熱量は極く少なく、空隙11に熱が「こもる」状態になる。そのため、樹脂表層12部分の樹脂(樹脂の軟化温度以下の温度に制御されているコア入子4の転写駒8に接触して一旦流動性が大きく低下した樹脂)の温度が再び上昇し、当該樹脂表層12部分の樹脂が再び溶融して平滑面になるとともに、その表層部樹脂の流動性が大きくなる。
他方、コア入子4の転写駒8の背面には、断熱材10が備えられているため、樹脂とコア入子4が接触している間に樹脂からコア入子4、さらに金型の外へ向けて伝えられる熱量は、通常素材のコア入子4を使用した場合に比して少なくなるため、樹脂とコア入子4が離反した時点における転写駒8部と樹脂表層12部の温度はより高い温度を保持している。そして、空隙11にこもる熱量もより多くなるため、樹脂表層12部の樹脂は、通常素材(例えばクロム合金ステンレス鋼STAVAXの熱伝導率:20W/m・K)のコア入子4を使用した場合に比して、より高い温度にまで上昇しながら再溶融する。そのため、断熱材10を備えたコア入子4を使用する本発明の手法にて再溶融した状態における樹脂表層12部の樹脂の粘度が、より低下し、転写駒8形状に倣って変形しやすい状態になる。
上記のように樹脂表層12が再溶融して後、これに続いてコア入子4を製造装置(図示略)によって前進させて樹脂表層12に再び密着させる(図1(d))。そしてこれによって、通常素材のコア入子4を使用した場合(上記先行技術)に比してより高い精度で、転写駒8の転写面形状を樹脂に転写させることができる。また上記の再密着時におけるコア入子4の転写駒8の表面温度は、断熱材10の断熱効果によって、通常素材のコア入子4を使用した場合に比してより高い温度に保持され、この状態で樹脂と再密着する。この再密着時における転写面温度の上昇効果によって、より高精度な転写が実現される。
そして、樹脂全体が金型温度まで冷却されて後、作製されたフレネルレンズL1を金型から離型させる(図1(e))。
キャビティ3内に樹脂が充填されて後、コア入子4を樹脂から離反させることによって空隙11を形成させる。この空隙11に面した樹脂表層12は、キャビティ3の壁面に拘束されることのない自由面となり、金型壁面に密着している他の部分より動きやすくなるため、樹脂の充填プロセスとその際の温度偏差に起因して生じる冷却時の内部応力が緩和されるが、この応力緩和が、通常素材のコア入子4を使用した場合に比してより高温・高流動状態になった樹脂表層12によって行われるため、より大きな応力緩和効果が得られる。
樹脂表面が再溶融したタイミングでコア入子4と樹脂表層12部を再密着させることで、自由面となった樹脂表層12に転写駒8の転写面の形状を忠実に精度良く転写させることができる。更に、金型(図示略)の温度を軟化温度以上に上げる必要がないので、その分だけ射出成形サイクルは短くなり、製造時の消費電力を低減させることもできる。
実施例2は、図2(a)に示すようなレーザービームプリンターの光走査に用いられるfθレンズを作製した例である。入射面25、出射面26ともに非球面のレンズ面となる。このfθレンズL2は、長さ150mm、幅8mmで、中心部肉厚3mmに対して端部肉厚1.5mmの偏肉形状でかつ全体として薄肉の矩形レンズである。樹脂素材としては、軟化温度135℃のアモルファスポリオレフィン樹脂を使用した。
図2(b)は、キャビティ13部分を拡大した図で、ヒ−タ−、温調媒体など(図示略)によって、アモルファスポリオレフィン樹脂の軟化温度以下の130℃に加熱維持されている金型を製造装置(図示略)によって閉止し、溶融したアモルファスポリオレフィン樹脂をキャビティ13内に充填した状態であり、以下、同図(b)〜(e)にその後の製造プロセスを示している。そのプロセスの流れ、また、プロセスの特徴や効果は基本的に実施例1と同様であるので、その詳細な説明を省き、実施例1と比較して実施例2が異なる点について説明する。
実施例2のfθレンズは、図2(a)に示すように非常に薄肉であり、言い換えるとキャビティ13内に充填された樹脂全体が冷却され速度が非常に速い。そのため、樹脂表層部を再溶融させるだけの熱量が残された状態にて、キャビティ13内に充填した樹脂と転写面(レンズ面形状を加工した入子表面とを離反させて空隙を形成するタイミングをとること、つまり、少なくともキャビティ13内の樹脂の中心温度がその軟化温度以上、表層部温度がその軟化温度以下かつ樹脂の平均温度が軟化温度以上となるタイミングをとることが極めて難しい。
そこで図2(b)に示すように、コア入子14とキャビ入子16の双方ともにジルコニアセラミックスの焼結板を使用した断熱材20をサンドイッチする構成、さらに側面入子15もジルコニアセラミックス製のブロックにて作製し、キャビティ23全体を断熱材20で囲うことによって、キャビティ23内に充填された樹脂全体の冷却速度が遅らされるようにしている。なお、このキャビティ23の構成では、側面入子15に使用したジルコニアセラミックスの断熱材20がキャビティ表面に露出している。
また、fθレンズL2の入射面25、出射面26をともに非球面のレンズ面にする転写面を良好に転写させるため、そのレンズ面形状が加工されているコア入子4とキャビ入子16の双方をともに、製造装置(図示略)によって前後に摺動可能な可動入子構造にしている(因みに、上記の実施例1では、キャビ側の面が比較的転写が容易な平鏡面であるため、転写が難しい凹凸パタ−ンを有するコア側のみ可動入子構造にしている)。そして、樹脂がキャビティ温度まで冷却される途中で、上記両可動入子を後退させてキャビティ23内に充填された樹脂のコア側、キャビ側の双方に空隙21を形成し、このとき現れた樹脂表層22部分の樹脂の再溶融後、両可動入子を前進させてそのレンズ面形状の転写面を樹脂表層22と再密着させることによって、レンズ面形状が高精度に転写させる。
実施例23は、図3(a)に示すような80mm×60mm、厚さが1mmの平板状の導光板L3を作製したものである。この実施例3についても、他の2つ実施例と同じ点の説明は省略し、異なる点について説明する。
前記の導光板L3の一方の面は平坦な光学鏡面、他の一方には図3(a)に示すように、同心円状にレイアウトされた微細凹形状40が形成されている。この微細凹形状40は、フォトリソプロセスなどで形成した母型を、厚さ0.3mm程度のスタンパと呼ばれるメッキ層(例えばニッケルメッキ層)の薄膜板に転写させ、さらにこのスタンパを金型キャビティに装着後、射出成形法によって樹脂表面に転写させて、導光板L3を成形する。
しかし、上記の微細な凹形状の大きさ、配列されるピッチはともにサブμm以下の大きさであり、その微細な形状を高精度に転写させることは難しい。そのため、スタンパを装着した金型の温度をほぼ使用する樹脂の軟化点近傍まで高めた状態で成形加工を行うのが通例であるが、金型温度を高めに制御しながら成形を行うのでそのため冷却時間が長くなり、その結果、製造効率が低下するという問題や、型外に取り出した導光板L3に反りやうねりなどの形状不良が生じる可能性があるという問題がある。
また、上記先行技術における冷却工程中に転写面と樹脂の間に空隙を形成し、現れた樹脂表層部の樹脂を再溶融させた後に金型の転写面を再密着させる手法についても、導光板L3の厚みが薄く、充填された樹脂全体の冷却が速く進むため、空隙形成後に樹脂表層部を再溶融させること、また再溶融した樹脂の温度を、上記の微細な凹形状を高精度に樹脂表面に転写させるのに十分な温度にまで上昇させることが難しい。
そこで、実施例3では、図3(b)ならびにその拡大図に示すように、上述の微細形状転写面35が形成された厚さ0.3mmのスタンパ内部に、ポリアミドイミド系の有機材料(熱伝導率:0.3W/m・K。ちなみにニッケルの熱伝導率:90.7W/m・K)の断熱層30を設けた断熱スタンパ46を作製し、可動入子構造を有しているコア入子34に装着している。また、対向する平鏡面転写面37についても、上述と同様の構成を有する鏡面断熱スタンパ46を作製し、キャビ入子36に装着し、キャビティ33の両面を断熱構造とした状態で導光板の成形を行う。
上記の断熱スタンパ46の構成、製法については、特許第3378840号明細書、「光ディスク基板製造方法及び光ディスク製造方法」に詳細に記載されているので、その詳細な説明は省略するが、これをこの実施例3に適用する場合、ポリアミドイミド系の有機材料からなる断熱層30の厚みをおよそ80〜100μm、樹脂が接する微細形状転写面35あるいは平鏡面転写面37と断熱層30との間のニッケル金属層38の厚みを15〜20μmとする構成が好ましい。ただし、断熱層30ならびに微細形状転写面35あるいは平鏡面転写面37を形成する金属層の材料ならびに構成は上記のものに限られるものではなく、断熱層材料として各種有機系・セラミックス材料、また金属層材料として微細形状の母型からメッキによる転写や鏡面加工・微細形状加工が容易な銅などが採用される。また各層の厚みについても、使用する成形材料、転写が要求される微細形状の大きさ、さらに目的とする成形サイクルなどによって最適な調整が可能であり、また必要となる。
上記の断熱スタンパ46を装着した金型を使用した導光板の製造プロセスの流れを図3(b)〜(e)に示しているが、これはほぼ実施例1と同様の流れであるので、その説明は省略する。なお、使用した射出成形材料は軟化点温度:145℃のポリカ−ボネ−トであり、また成形時の金型温度は、ヒ−タ−、温調媒体(図示略)などによって、ポリカ−ボネ−ト樹脂の軟化温度以下の120℃に保持されている。
以上、本発明の実施例の説明から明らかなように、通例の射出成形法では、極端に高い金型温度設定と長い成形サイクルが必要な高精度な光学鏡面、あるいは微細形状の転写を伴う成形品の製造について、非常に短い成形サイクルで実行できる。また、上記効果について、薄板形状の成形品全体の形状、あるいは転写が極めて困難な微細形状といった微視的・巨視的レベルで、より広い範囲に適用範囲を広げることが可能である。
尚、適用できる樹脂は上記実施例で用いたものに限定されるものではないことは言うまでもなく、また、本発明は以上の実施例で説明したフレネルレンズ、fθレンズ、導光板等にその適用が限定されるものでもなく、各種高精度な光学鏡面、あるいは微細形状の転写を伴う成形品の製造に広く適用することが可能である。
〔請求項の意義〕
各請求項の意義は、次のように整理される。
(1)請求項1の意義
転写面を含む面の全部または一部が、断熱材を備えた入子で形成されている金型を用い、転写面が形成された可動入子を移動させることによって、キャビティ内に充填された樹脂と転写面を離反させてキャビティ壁と接触して冷却された樹脂の表層が樹脂の熱で再溶融し、その後更に可動入子を移動させて前記転写面と樹脂を再密着させることによって、キャビティ壁と接触して冷却された樹脂が再溶融しながらその温度が上昇し、入子に備えられた断熱材の効果によってよりキャビティ壁面の温度が高くなるので、金型温度を上げることなしに、より高い精度で光学鏡面や微細パターンを短い成形サイクルで樹脂に転写させることができ、また、キャビティ内樹脂の歪み低減についても、より大きな効果が得られる。
(2)請求項2の意義
1つ以上の前記転写面を含む面の全部または一部が、断熱材を備えた入子で形成されている金型を用いたプラスチック成形品の製造方法おいて、前記転写面を含む面以外の1つ以上の面の全部または一部が、断熱材を備えた入子で形成されている金型を用いることによって、キャビティ内に充填された樹脂全体の冷却が速く進む薄型・小型の成形品についても、請求項1で述べた、転写面が形成された可動入子を移動させることによって、キャビティ内に充填された樹脂と転写面を一旦離反させてキャビティ壁と接触して冷却された樹脂を再溶融させ、その後更に可動入子を移動させて、前記転写面と樹脂を再密着させる成形手法を適用することができ、この成形手法の効果を得ることができる。
(3)請求項3の意義
請求項3は、請求項1の意義で述べた高度な転写を得る効果、請求項2の意義で述べた高度な転写を得られる成形品の全体形状あるいは微細形状の範囲を広げる効果を得るために必要な断熱材の熱伝導率について、実施例の記載で述べた結果等を通じて適切に規定している。また、これにより、請求項1の意義で述べた高度な転写を得る効果、請求項2の意義で述べた高度な転写を得られる成形品の全体形状あるいは微細形状の範囲を広げる効果を実現できる。
(4)請求項4の意義
請求項4は、請求項3の意義で述べた断熱材の材料を選択する範囲について、実施例による結果等を通じて適切に規定している。また、この規定に従うことによって、狙い通りに請求項1で述べた高度な転写を得る効果、請求項2で述べた高度な転写を得られる成形品の全体形状あるいは微細形状の範囲を広げる効果を実現できる。
(5)請求項5の意義
請求項5では、請求項1の意義で述べた高度な転写を得る効果、請求項2の意義で述べた高度な転写を得られる成形品の全体形状あるいは微細形状の範囲を広げる効果を得るために必要な断熱材レイアウトの例の一つを実施例による結果等を通じて適切に規定している。また、これによって、請求項1の意義で述べた高度な転写を得る効果、請求項2の意義で述べた高度な転写を得られる成形品の全体形状あるいは微細形状の範囲を広げる効果を実現できる。
(6)請求項6の意義
請求項6では、請求項1の意義で述べた高度な転写を得る効果、請求項2の意義で述べた高度な転写を得られる成形品の全体形状あるいは微細形状の範囲を広げる効果を得るために必要な断熱材レイアウトの例の一つを実施例に述べた結果等を通じて適切に規定している。また、これによって、断熱材上に形成された金属層部分に、成形品に様々な機能を出現させる形状加工を、多くの選択可能な加工法の中から適切に選択した上で施すことが可能となり、良好な機能を有する成形品を、請求項1の意義及び請求項2の意義で述べた効果とともに得ることができる。
(7)請求項7の意義
請求項7では、請求項6に述べた金属層に関し、母材の微細形状を転写することが容易な、また層形成後の後加工が容易な材料を選択している。また、これらの材料で断熱材表面上に金属層を形成することによって、成形品に良好な機能を実現させる微細パターンの転写面を加工することが可能となる。
(8)請求項8の意義
請求項8では、前記プラスチック成形品の製造方法又は製造装置により作製されたプラスチック成形品において、空隙が形成される部位と形成されない部位で構成され、前記空隙が形成された部位が、空隙が形成されない部位より歪みが小さくなっていることを特徴とするプラスチック成形品であり、この歪みが小さくなった部分の光学的機能を選択し、より良好な光学特性を利用することにより、それを使用する機器の性能向上を図ることができる。
(9)請求項9の意義
前記プラスチック成形品の製造方法又は製造装置により作製されたプラスチック成形品において、転写面に高精度な光学鏡面を有することを特徴とする光学素子であり、その高精度な光学鏡面により得られる良好な光学特性を利用することにより、それを使用する機器の性能向上に展開できる。
(10)請求項10の意義
前記プラスチック成形品の製造方法又は製造装置により作製されたプラスチック成形品において、転写面に微細な凹凸パターンが形成されていることを特徴とする光学素子であり、前記微細な凹凸パタ−ンから得られる光学的あるいはその他機能を、また、それを使用する機器の性能を向上させ、コストダウンを図ることができる。
(11)請求項11の意義
前記プラスチック成形品の製造方法又は製造装置により作製されたプラスチック成形品において、転写面に高精度な光学鏡面と微細な凹凸パターンの双方が形成されていることを特徴とする光学素子であり、両者によって得られる高度な光学的あるいはその他機能を、またそれを使用する機器の性能を向上させ、コストダウンを図ることができる。
(12)請求項12、請求項13の意義
請求項1、請求項2の製造方法を実施する製造装置である。
(13)請求項14、請求項15の意義
請求項3,請求項4の製造方法を実施する製造装置である。
(14)請求項16の意義
請求項6の製造方法を実施する製造装置である。
(15)請求項17の意義
請求項7の製造方法を実施する製造装置である。
(16)請求項18の意義
請求項8の製造方法の意義と同じ。
(17)請求項19の意義
請求項9の製造方法の意義と同じ。
(18)請求項20の意義
請求項10の製造方法の意義と同じ。
は、本発明の実施例1によるフレネルレンズの成形プロセスを説明する模式図であり、(a)はフレネルレンズの概形、(b)は金型を閉止し樹脂を充填した状態、(c)は可動入子を後退させて空隙を形成し、樹脂表層が再溶融した状態、(d)は可動入子を前進させて金型転写面と樹脂表層を再密着させた状態、(e)は樹脂全体を軟化温度以下まで冷却後、金型を開いて成形品を取り出した状態を示す。 は、本発明の実施例2によるf−θレンズの成形プロセスを説明する模式図であり、(a)はf−θレンズの概形、(b)は金型を閉止し樹脂を充填した状態、(c)は可動入子を後退させて空隙を形成し、樹脂表層が再溶融した状態、(d)は可動入子を前進させて金型転写面と樹脂表層を再密着させた状態、(e)は樹脂全体を軟化温度以下まで冷却後、金型を開いて成形品を取り出した状態を示す。 は、本発明の実施例3による導光板の成形プロセスを説明する模式図であり、(a)は導光板を上面より見た概形、(b)は金型を閉止し樹脂を充填した状態、(c)は可動入子を後退させて空隙を形成し、樹脂表層が再溶融した状態、(d)は可動入子を前進させて金型転写面と樹脂表層を再密着させた状態、(e)は樹脂全体を軟化温度以下まで冷却後、金型を開いて成形品を取り出した状態を示す。
符号の説明
1:入射面
2:出射面
3:キャビティ
4:コア入子
5:側面入子
6:キャビ入子
7:平鏡面(転写面)
8:転写駒
9:基材
10:断熱材
11:空隙
12:樹脂表層
13:レンズ
14:コア入子
15:側面入子
16:キャビ入子
20:断熱材
23:キャビティ
25:入射面
26:出射面
30:断熱層
33:キャビティ
34:コア入子
35:微細形状転写面
36:キャビ入子
37:平鏡面転写面
38:ニッケル層
46:断熱スタンパ
40:微細凹形状
L1:フレネルレンズ
L2:fθレンズ
L3:導光板

Claims (20)

  1. 1つ以上の転写面を有するキャビティが構成されている金型を準備し、前記転写面を構成する全部または一部に移動可能な可動入子を設け、キャビティ内に充填した溶融樹脂を軟化温度以下まで冷却する間に、前記可動入子を移動させることによって、前記転写面の一部または全部と樹脂の間に強制的に空隙を発生させ、その後前記可動入子を移動させて、前記転写面と樹脂を再び密着させることを特徴とするプラスチック成形品の製造方法であって、
    前記転写面を含む面の全部または一部が、断熱材を備えた入子により形成されている金型を用いていることを特徴とするプラスチック成形品の製造方法。
  2. 1つ以上の前記転写面を含む面の全部または一部が、断熱材を備えた入子により形成されている金型を用い、前記転写面を構成する全部または一部に移動可能な可動入子を設け、前記キャビティ内に充填した溶融樹脂を軟化温度以下まで冷却する間に、前記可動入子を移動させて、前記転写面の一部または全部と樹脂の間に強制的に空隙を発生させ、その後、前記可動入子を移動させて、前記転写面と樹脂を再密着させる請求項1のプラスチック成形品の製造方法であって、
    前記転写面を含む面以外の少なくとも1つ以上の面の全部または一部が、断熱材を備えた入子により形成されている金型を用いていることを特徴とするプラスチック成形品の製造方法。
  3. 前記金型の断熱材の熱伝導率が5W/m・K以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2のプラスチック成形品の製造方法。
  4. 前記金型の断熱材はセラミック材料または有機材料からなることを特徴とする請求項1又は請求項2のプラスチック成形品の製造方法。
  5. 1つ以上の前記転写面を含む面の全部または一部が、断熱材を備えた入子により形成されている金型を用い、前記転写面を構成する全部または一部に移動可能な可動入子を設け、前記キャビティ内に充填した溶融樹脂を軟化温度以下まで冷却する間に、前記可動入子を移動させて、前記転写面の一部または全部と樹脂の間に強制的に空隙を発生させ、その後前記可動入子を移動させて、前記転写面と樹脂を再密着させる請求項1又は請求項2のプラスチック成形品の製造方法において、
    前記断熱材を備えた入子の断熱材が、キャビティ表面に露出するように形成されていることを特徴とするプラスチック成形品の製造方法。
  6. 1つ以上の転写面と前記転写面を含むキャビティを構成する面の全部または一部が、断熱材を備えた入子により形成されている金型を用い、前記転写面を構成する全部または一部に移動可能な可動入子を設け、前記キャビティ内に充填した溶融樹脂を軟化温度以下まで冷却する間に、前記可動入子を移動させることによって、前記転写面の一部または全部と樹脂の間に強制的に空隙を発生させ、その後前記可動入子を移動させることによって、前記転写面と樹脂を再密着させる請求項1又は請求項2のプラスチック成形品の製造方法において、
    前記入子の断熱材が、断熱材上に形成された金属層によって被覆されており、当該金属層でキャビティ表面が形成されていることを特徴とするプラスチック成形品の製造方法。
  7. 前記キャビティ表面を形成する断熱材表面上の金属層が、ニッケル又は銅からなるものであることを特徴とする請求項6のプラスチック成形品の製造方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のプラスチック成形品の製造方法で作製されたプラスチック成形品であって、空隙が形成される部位と形成されない部位で構成され、前記空隙が形成された部位が、空隙が形成されない部位より歪みが小さくなっていることを特徴とするプラスチック成形品。
  9. 請求項1乃至請求項7のプラスチック成形品の製造方法で作製されたプラスチック成形品であって、転写面に高精度な光学鏡面を有する光学素子。
  10. 請求項1乃至請求項7のプラスチック成形品の製造方法で作製されたプラスチック成形品であって、転写成形された光学面が微細な凹凸パターンが形成されている光学素子。
  11. 請求項1乃至請求項7のプラスチック成形品の製造方法で作製されたプラスチック成形品であって、転写成形された光学面に高精度な光学鏡面と微細な凹凸パターンの双方が形成されている光学素子。
  12. 1つ以上の転写面を有するキャビティが構成される金型が、前記転写面を構成する全部または一部に移動可能な可動入子を有し、キャビティ内に充填した溶融樹脂を軟化温度以下まで冷却する間に、前記可動入子が移動することによって、前記転写面の一部または全部と樹脂の間に強制的に空隙が発生し、その後、前記可動入子が移動して、前記転写面と樹脂が再び密着するようになっていることを特徴とするプラスチック成形品の製造装置であって、
    前記転写面を含む面の全部または一部が、断熱材を備えた入子により形成されていることを特徴とするプラスチック成形品の製造装置。
  13. 1つ以上の前記転写面を含む面の全部または一部が、断熱材を備えた入子により形成されている金型が、前記転写面を構成する全部または一部に移動可能な可動入子を有しており、前記キャビティ内に充填した溶融樹脂が軟化温度以下まで冷却する間に、前記可動入子が移動して、前記転写面の一部または全部と樹脂の間に強制的に空隙が発生し、その後前記可動入子が移動して、前記転写面と樹脂が再密着するようになっていることを特徴とするプラスチック成形品の製造装置であって、
    前記転写面を含む面以外の少なくとも1つ以上の面の全部または一部が、断熱材を備えた入子により形成されていることを特徴とするプラスチック成形品の製造装置。
  14. 前記金型の断熱材の熱伝導率が5W/m・K以下であることを特徴とする請求項12又は請求項13のプラスチック成形品の製造装置。
  15. 前記金型の断熱材がセラミック材料又は有機材料からなることを特徴とする請求項12又は請求項13のプラスチック成形品の製造装置。
  16. 1つ以上の転写面と前記転写面を含むキャビティを構成する面の全部または一部が、断熱材を備えた入子により形成されている金型が、前記転写面を構成する全部または一部に移動可能な可動入子を有しており、前記キャビティ内に充填した溶融樹脂を軟化温度以下まで冷却する間に、前記可動入子が移動して、前記転写面の一部または全部と樹脂の間に強制的に空隙が発生し、その後、前記可動入子が移動することによって、前記転写面と樹脂が再密着するようになっている請求項12又は請求項13のプラスチック成形品の製造装置であって、
    前記入子の断熱材が、断熱材上に形成された金属層によって被覆されており、当該金属層でキャビティ表面が形成されていることを特徴とするプラスチック成形品の製造装置。
  17. 前記キャビティ表面を形成する断熱材表面上の金属層が、ニッケル又は銅からなるものであることを特徴とする請求項16のプラスチック成形品の製造装置。
  18. 請求項12又は請求項13のプラスチック成形品の製造装置で作製されたプラスチック成形品であって、空隙が形成される部位と形成されない部位で構成され、前記空隙が形成された部位が、空隙が形成されない部位より歪みが小さくなっていることを特徴とするプラスチック成形品。
  19. 請求項12又は請求項13のプラスチック成形品の製造装置で作製されたプラスチック成形品であって、転写面に高精度な光学鏡面を有することを特徴とする光学素子。
  20. 請求項12乃至請求項17のプラスチック成形品の製造装置で作製されたプラスチック成形品であって、転写成形された光学面に微細な凹凸パターンが形成されていることを特徴とする光学素子。
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