JP2004042469A - プラスチック成形品及びこれの製造方法及びこれに使用する金型及びこのプラスチックス成形品を用いた光走査ユニット - Google Patents

プラスチック成形品及びこれの製造方法及びこれに使用する金型及びこのプラスチックス成形品を用いた光走査ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】曲がり、ソリ等の形状特性の劣化、屈折率分布特性の劣化を極力回避することのできるプラスチック成形品を提供する。
【解決手段】本発明のプラスチック成形品20は、溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時にプラスチック樹脂材料が被転写面生成用駒の転写面に密着されることより形成された被転写面21〜23と、溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時に案内駒に対して摺動されて冷却途中のプラスチック樹脂材料の一面側から不完全転写面生成用駒が離間されることにより形成された不完全転写面とを有し、不完全転写面がヒケによる窪みの形成されるヒケ誘導面24とされ、一面側に溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時の放熱を助長するための複数個の放熱用凹凸条部25が形成されている。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック成形品及びその製造方法これに使用する金型及びこのプラスチックス成形品を用いた光走査ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光レーザ走査方式のデジタル複写機、レーザプリンタ装置、ファクシミリ装置等の光走査ユニット、例えば、光走査式書き込みユニットには、レーザービームを結像させるための矩形状のfθレンズ、各種の光学補正を行うためのミラー等の光学素子が用いられ、近年、これらの光学素子は、光走査ユニットひいてはデジタル複写機等の製品のコストダウンの要求に伴って、ガラス製の光学素子からプラスチックス製の光学素子に移行しつつある。
【0003】
また、複数の機能を最小限の個数の光学素子でまかなうようにするために、そのレンズ形状、鏡面形状等も球面形状の他、不完全球面の形状とされる工夫がなされつつある。更に、光学素子がレンズの場合には、そのレンズの光軸方向のレンズ厚を厚くすると共に、光軸と直交する方向に長く延びるレンズ形状とし、しかも、そのレンズの光軸方向のレンズ厚が長手方向に沿って一様でない偏肉形状等の特殊形状とされる場合も多い。
【0004】
このような光学素子をプラスチック樹脂材料を用いて成形する場合には、特殊形状の光学素子であっても、その光学素子の外形形状に対応する形状とされたキャビティを有する金型のキャビティ内に溶融状態のプラスチック樹脂材料を射出充填し、プラスチックス成形品とすることにより、低コストで大量に生産することができる。
【0005】
このようなプラスチック成形品の製造工程では、金型のキャビティに充填された溶融状態のプラスチック樹脂材料を冷却硬化させる過程で、キャビティ内の樹脂圧力、樹脂温度の均一化を図ることが、プラスチックス成形品を設計仕様に沿った所望の形状に精度良く仕上げるうえで望ましいのであるが、特殊な形状の成形品、例えば、光軸方向のレンズ厚が長手方向に沿って連続的に異なる偏肉形状のプラスチック成形品の場合には、プラスチック成形品の長手方向各箇所毎に溶融状態のプラスチック樹脂材料の量が異なるために、溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却速度がその長手方向に沿って異なり、ひいては、プラスチックス成形品の長手方向に沿っての体積収縮量に差が生じ、光軸方向のレンズ厚の厚い箇所にヒケが生じる。
【0006】
光学素子として用いられるプラスチック成形品では、レンズの光学特性が要求される光学特性面、例えば、入射面、出射面、ミラーの光学特性が要求される光学特性面、例えば、鏡面反射面にヒケが生じると、その光学素子の光学特性そのものが損なわれる。
【0007】
また、光学素子として用いられるプラスチック成形品を光走査ユニットの筐体内への組み付けの際に、そのプラスチック成形品の基準面にヒケが生じていると、組み付け精度が劣化する。
【0008】
すなわち、光学素子として用いられるプラスチック成形品の製造工程では、その光学特性面、基準面は、金型のキャビティを形成する被転写面生成用駒の転写面の形状を転写することによって形成されているが、このプラスチック成形品の転写面である光学特性面、基準面に極力ヒケが生じないようにしなければならない。
【0009】
そこで、キャビテイ内への溶融状態のプラスチック樹脂材料の射出充填圧力を大きくしてキャビティ内への射出充填量を多くする射出成形方法が知られているが、キャビティ内への射出充填量を多くすると、内部圧力が大きくなるため、完成品としてのプラスチック成形品の特に薄肉部の内部歪みが大きくなり、光学性能が劣化する。
【0010】
そこで、特開2000−141413号公報等に開示されているように、内部歪みを防止しつつ被転写面そのものにヒケが生じるのを防止して、プラスチック成形品の特性を高精度に保つために、被転写面以外の面の箇所にヒケを誘導する工夫が行われている。
【0011】
例えば、図1に示す光学素子としてのプラスチック成形品1(例えば、fθレンズ)を製造する場合について説明する。その図1において、2はそのプラスチック成形品1の入射面、3は出射面、4は基準面である。このプラスチック成形品1を製造するために、図2に模式的に示す金型5が準備される。その金型5は、固定型側の被転写面生成用駒6〜8、可動型側の案内駒9、10、可動型側の不完全転写面生成用駒11から概略構成されている。
【0012】
被転写面生成用駒6にはプラスチック成形品1の基準面4に対応する転写面12が形成され、被転写面生成用駒7にはプラスチック成形品1の出射面3に対応する転写面13が形成され、被転写面生成用駒8にはプラスチック成形品1の入射面2に対応する転写面14が形成されている。
【0013】
プラスチック成形品1の基準面4と対向する一面側である対向面はその主要部がヒケを誘導するヒケ誘導面15とされ、このヒケ誘導面15にヒケを誘導するために、不完全転写面生成用駒11は案内駒9、10に対して摺動する構成とされ、溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化過程で、ヒケ誘導面15から離間する構成とされている。その不完全転写面生成用駒11にはエアー通路11aが形成されている。
【0014】
これらの各駒6〜11によって、キャビティ16が形成される。その各駒6〜11はプラスチック樹脂材料の軟化温度未満の温度に加熱保持された状態で、図示を略すゲートからキャビティ16に軟化温度以上の温度に加熱された溶融状態のプラスチック樹脂材料が低圧で射出充填される。
【0015】
図2(a)はその溶融状態のプラスチック樹脂材料の充填前の状態を示し、図2(b)に示すように、プラスチック成形材料16’が充填される。キャビテイ15内の内部圧力Pは、プラスチック成形材料16’の充填に伴って図3に示すように、上昇した後、時間の経過と共に減少する。
【0016】
そのキャビテイ16内には、溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却過程途中で、例えば、常温のエアーがエアー通路11aを介してヒケ誘導面15に吹き付けられ、そのキャビテイ16内の内部圧力Pがほぼ大気圧と等しくなるタイミングで、図2(c)に示すように、不完全転写面生成用駒11をヒケ誘導面15から離間させるとヒケ誘導面15と不完全転写面生成用駒11との間に空隙17が形成され、プラスチック成形品1が更に冷却されると、図2(d)、図1に示すように、ヒケ誘導面15に窪み18が生じ、入射面2、出射面3、基準面4にヒケが生じるのを防止できると共に、内部歪みがプラスチック成形品1に発生するのが低減される。
【0017】
このプラスチック成形品の製造方法によれば、内部歪みが小さく、かつ、ヒケの発生箇所の制御が可能で、しかも、薄肉成形品と同程度の成形サイクルでプラスチック成形品を製造でき、安定かつ低コストでのプラスチック成形品の量産が可能である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このプラスチック成形品の製造方法による場合、図4に示すように、プラスチック成形品1がその長手方向に沿って曲がり又はソリが生じ、形状特性がいま一つ安定しないという問題が残存している。特に、形状特性により一層高精度が要求される光学素子に用いられるプラスチック成形品1の場合にこの曲がりが問題となる。
【0019】
この長手方向に曲がりの生じたプラスチック成形品1が、例えば、fθレンズであり、この曲がりのあるfθレンズが組み込まれた走査ユニットを用いてレーザーにより書き込みを行うと、走査線曲がりという現象が生じる。
【0020】
また、長手方向に偏肉形状のプラスチックス成形品1の場合には、短手方向の温度分布の相違により屈折率分布特性が異なり、設計上予定されている屈折率特性を期待できないという不都合も生じる。
【0021】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、曲がり、ソリ等の形状特性の劣化、屈折率分布特性の劣化を極力回避することのできるプラスチック成形品、そのプラスチック成形品の製造方法、これに使用する金型、及びそのプラスチック成形品を用いた光走査ユニットを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のプラスチック成形品は、溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時にプラスチック樹脂材料が被転写面生成用駒の転写面に密着されることにより形成された被転写面と、溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時に案内駒に対して摺動されて冷却途中のプラスチック樹脂材料の一面側から不完全転写面生成用駒が離間されることにより形成された不完全転写面とを有し、該不完全転写面がヒケによる窪みの形成されるヒケ誘導面とされ、前記一面側に溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時の放熱を助長するための複数個の放熱用凹凸条部が形成されていることを特徴とする。
【0023】
請求項2に記載のプラスチック成形品は、前記放熱用凹凸条部が前記一面側であって前記ヒケ誘導面に形成されていることを特徴とする。
【0024】
請求項3に記載のプラスチック成形品は、前記放熱用凹凸条部が前記一面側であって前記ヒケ誘導面以外の箇所の面に形成されていることを特徴とする。
【0025】
請求項4に記載のプラスチック成形品は、前記放熱用凹凸条部の頂部が前記一面側から突出形成されていることを特徴とする。
【0026】
請求項5に記載のプラスチック成形品は、前記放熱用凹凸条部の頂部が前記一面側から凹んで形成されていることを特徴とする。
【0027】
請求項6に記載のプラスチック成形品は、前記複数個の放熱用凹凸条部の各断面形状が三角形状又は円弧状又は円柱形状又は台形状又はテーパ形状であることを特徴とする。
【0028】
請求項7に記載の光学素子用のプラスチック成形品は、レーザー光が入射する入射面とレーザー光が出射される出射面と光走査ユニットへの組付けの際の基準面とが溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時にプラスチック樹脂材料が被転写面生成用駒の転写面に密着されることにより形成された被転写面とされ、前記基準面に対向する一面側が溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時に案内駒に対して摺動されて冷却途中のプラスチック樹脂材料の一面側から不完全転写面形成用駒が離間されることにより形成された不完全転写面とされ、該不完全転写面がヒケによる窪みの形成されるヒケ誘導面とされ、前記被転写面が前記入射面と前記出射面とを結ぶ光軸方向と直交する方向に長く延びる形状とされ、前記一面側には溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時の放熱を助長するための複数個の放熱用凹凸条部が形成されていることを特徴とする。
【0029】
請求項8に記載の光学素子用のプラスチック成形品は、入射するレーザー光を鏡面反射する反射面と光走査ユニットへの組付けの際の基準面とが溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時にプラスチック樹脂材料が被転写面生成用駒の転写面に密着されることにより形成された被転写面とされ、前記基準面に対向する一面側が溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時に案内駒に対して摺動されて冷却途中のプラスチック樹脂材料の一面側から不完全転写面生成用駒が離間されることにより形成された不完全転写面とされ、該不完全転写面がヒケによる窪みの形成されるヒケ誘導面とされ、前記被転写面が光軸方向と直交する方向に長く延びる形状とされ、前記一面側には溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時の放熱を助長するための複数個の放熱用凹凸条部が形成されていることを特徴とする。
【0030】
請求項9に光学素子用のプラスチック成形品は、前記プラスチック樹脂材料の樹脂特性が非晶質であることを特徴とする。
【0031】
請求項10に記載の光学素子用のプラスチック成形品は、前記各凹凸条部が光軸方向と平行方向に長く延びる形状とされていることを特徴とする。
【0032】
請求項11に記載の光学素子用のプラスチック成形品は、前記各凹凸条部が光軸方向と直交する方向に長く延びる形状とされていることを特徴とする。
【0033】
請求項12に記載の金型は、溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時にプラスチック樹脂材料が被転写面生成用駒の転写面に密着されることにより形成された被転写面と、溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時に案内駒に対して摺動されて冷却途中のプラスチック樹脂材料の一面側から不完全転写面生成用駒が離間されることにより形成された不完全転写面とを有し、該不完全転写面がヒケによる窪みの形成されるヒケ誘導面とされ、前記一面側には溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時の放熱を助長するための複数個の放熱用凹凸条部が形成されているプラスチック成形品を形成するために用いられるものであって、
前記被転写面生成用駒と前記不完全転写面生成用駒と前記案内駒とによって前記溶融状態のプラスチック樹脂材料が充填されるキャビテイが形成され、前記不完全転写面生成用駒と前記案内駒との少なくとも一方には、前記プラスチック成形品に前記放熱用凹凸条部を形成するための凹凸条部が形成されていることを特徴とする。
【0034】
請求項13に記載の金型は、前記不完全転写面生成用駒にエアーを前記キャビテイ内に導く複数本のエアー通路が形成されていることを特徴とする。
【0035】
請求項14に記載のプラスチック成形品の製造方法は、溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時にプラスチック樹脂材料が被転写面生成用駒の転写面に密着されることにより形成された被転写面と、溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時に案内駒に対して摺動されて冷却途中のプラスチック樹脂材料の一面側から不完全転写面生成用駒が離間されることにより形成された不完全転写面とを有し、該不完全転写面がヒケによる窪みの形成されるヒケ誘導面とされ、前記一面側には溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時の放熱を助長するための複数個の放熱用凹凸条部が形成されているプラスチック成形品を形成するために用いられる金型であって、かつ、前記被転写面生成用駒と前記不完全転写面生成用駒と前記案内駒とによって前記溶融状態のプラスチック樹脂材料が充填されるキャビテイが形成され、前記不完全転写面生成用駒と前記案内駒との少なくとも一方には、前記プラスチック成形品に前記放熱用凹凸条部を形成するための凹凸条部が形成されている金型を用いて前記プラスチック成形品を製造する方法であって、
溶融状態のプラスチック樹脂材料を前記キャビテイに充填する充填工程と、
溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時に前記不完全転写面生成用駒を前記ヒケによる窪みが形成される一面側から離間させて該一面側と前記不完全転写面生成用駒との間に空隙を形成する空隙形成工程と、
所定時間経過後に冷却硬化されたプラスチック成形品を金型から取り外す取り外し工程と、
を含むことを特徴とする。
【0036】
請求項15に記載のプラスチック成形品の製造方法は、少なくとも空隙形成工程で、前記一面側にエアーを吹き付けることを特徴とする。
【0037】
請求項16に記載のプラスチック成形品の製造方法は、前記不完全転写面生成用駒を前記一面側から離間させるタイミングが前記キャビテイ内の内圧がほぼ大気圧になった時点であることを特徴とする。
【0038】
請求項17に記載の光走査ユニットは、溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時にプラスチック樹脂材料が被転写面生成用駒の転写面に密着されることにより形成された被転写面と、溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時に案内駒に対して摺動されて冷却途中のプラスチック樹脂材料の一面側から不完全転写面生成用駒が離間されることにより形成された不完全転写面とを有し、該不完全転写面がヒケによる窪みの形成されるヒケ誘導面とされ、前記一面側には溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時の放熱を助長するための複数個の放熱用凹凸条部が形成されている光学素子用のプラスチック成形品が筐体内に組み付けられていることを特徴とする。
【0039】
請求項18に記載の光走査ユニットは、前記プラスチック成形品がfθレンズ又はfθミラーであり、前記放熱用凹凸条部がヒケ誘導面に形成されているプラスチック成形品が筐体内に組み付けられていることを特徴とする。
【0040】
請求項19に記載の光走査ユニットは、前記プラスチック成形品の一面側が該プラスチック成形品を前記筐体内に組み付ける際の基準面と対向する面であることを特徴とする。
【0041】
【発明の実施の形態】
図5は本発明に係わるプラスチック成形品20の外観図を示している。このプラスチック成形品20は後述する光走査ユニットの筐体内に組み付けられる光学素子としてのfθレンズとして用いられる。
【0042】
このプラスチック成形品20は、レーザー光が入射する入射面21、レーザー光が出射される出射面22、光走査ユニットの筐体内への組付けの際の基準面23を有する。その基準面23と対向する一面側である対向面は、その主要部がヒケ誘導面24となっている。
【0043】
このプラスチック成形品20は、光軸Oと直交する方向に長く延びる形状とされ、その長手方向中央部分が周辺部に較べて光軸方向に厚肉の偏肉形状とされている。そのヒケ誘導面24には、溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時の放熱を助長するための放熱用凹凸条部25が長手方向一側から他側に向かって多数個形成されている。ここでは、各放熱用凹凸条部は断面三角形状とされ、その各放熱用凹凸条部25は光軸Oの延びる方向に延びるものとされている。そのヒケ誘導面24には、図6〜図8に示す金型27を用いて溶融状態のプラスチック成形材料を冷却硬化させる過程で、ヒケによる窪み26が形成される。
【0044】
金型27は被転写面生成用駒28〜30、案内駒31、不完全転写面生成用駒32、補助駒33を有する。これらの被転写面生成用駒28〜30、案内駒31、不完全転写面生成用駒33によって溶融状態のプラスチック樹脂材料が充填されるキャビティ34が形成されている。
【0045】
被転写面生成用駒28は被転写面としての基準面23をプラスチック成形品20に形成するための転写面28aを有する。被転写面生成用駒29は被転写面としての出射面22をプラスチックス成形品20に形成するための転写面29aを有する。被転写面生成用駒30は被転写面としての入射面21をプラスチック成形品20に形成するための転写面30aを有する。
【0046】
不完全転写面生成用駒32には、複数本のエアー通路32aが形成され、このエアー通路32aはキャビティ34内に向かって開口され、溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却に用いられる。
【0047】
その不完全転写面生成用駒30には、キャビティ34に臨む面の側に、プラスチック成形品20のヒケ誘導面24に複数個の放熱用凹凸条部25を形成するために、断面三角形状の凹凸条部32bが彫り込んで形成されている。この各凹凸条部32bは転写面29aから転写面30bに向かって延びている。
【0048】
金型27はプラスチック樹脂材料の軟化温度以下の温度T°Cに予備加熱され、キャビテイ34内にプラスチック樹脂材料の軟化温度(ガラス転移温度)以上に加熱された溶融状態のプラスチック樹脂材料35が図7に示すように低圧で射出充填される。
【0049】
そのプラスチック樹脂材料には、透明性を要求されるため、非晶質の材料が用いられ、例えば、ポリメタアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式アクリル樹脂、環状ポリオレフィンコポリマーを用いることができる。キャビテイ34内の内部圧力Pは、プラスチック樹脂材料の冷却硬化に伴って図3に示すように変化する。
【0050】
その溶融状態のプラスチック樹脂材料25の冷却硬化時にプラスチック樹脂材料35の被転写面生成用駒28〜30の各転写面28a〜30aにプラスチック樹脂材料35が密着維持されるため、プラスチック成形品20に被転写面が形成される。
【0051】
不完全転写面生成用駒32はキャビテイ34内の圧力Pがほぼ大気圧となるタイミングでヒケ誘導面34から離間される。これにより、ヒケ誘導面34と不完全転写面生成用駒32との間に図8に示すように空隙36が形成される。また、不完全転写面生成用駒32がキャビテイ34から離間されるので、ヒケ誘導面34は不完全転写面となる。この空隙形成工程で、冷却用のエアーがエアー通路32aからヒケ誘導面34に吹き付けられる。
【0052】
空隙36は断熱部として作用するので熱伝導効率が小さく、これに対して、被転写面生成用駒28〜30は金属であるので熱伝導効率大きい。従って、被転写面生成用駒28〜30が接触している各被転写面側の溶融状態のプラスチック樹脂材料35の部分が先に冷却され、ヒケ誘導面24の側は後から冷却されることになる。このように、ヒケ誘導面24が後から冷却されるため、ヒケ誘導面24にヒケが積極的に誘導され、ヒケによる窪み26が形成されることになる。
【0053】
ところで、溶融状態のプラスチック樹脂材料35の被転写面生成用駒28から空隙36に向かう方向の温度勾配(例えば、放熱用凹凸条部25を設けないときの光軸Oの方向の温度差は15°C)が大きいと、金型27を型開きして金型27からプラスチック成形品20を取り外して環境雰囲気内で冷却硬化させたときに、長手方向に沿っての冷却速度にアンバランスが生じ、プラスチック成形品20の曲がり、ソリを生じる原因となり易いが、このプラスチック成形品20によれば、放熱用凹凸条部25が成形の際に形成され、ヒケ誘導面24となる一面側の表面積が基準面23よりも大きく形成され、ヒケ誘導面24の側の放熱が助長されるので、プラスチック成形品20の光軸Oの方向の温度勾配(エアーを吹き付けないときの温度差は約5°C)が小さくなり、プラスチック成形品20の曲がり、ソリの発生を抑制できる。なお、エアーを吹き付けたときの温度勾配は、基準面23の側とその対向面の側とでほぼ温度差0°Cとなる。
【0054】
このようにして形成されたプラスチック成形品20は、平面的に見ると、図9に示すように、その各放熱用凹凸条部25の頂部25aがヒケ誘導面24から突出するものとなっているが、不完全転写面生成用駒32の凹凸条部32bの彫り込みを変更することにより、図10に示すように、各放熱用凹凸条部25の頂部25aをヒケ誘導面24から凹んだ形状とすることもできる。
【0055】
また、ここでは、ヒケ誘導面24に複数個の放熱用凹凸条部25を形成することにしたが、図11に示すように、基準面23と対向する一面側の対向面であってヒケ誘導面24以外の箇所に複数個の放熱用凹凸条部25の頂部25aを対向面から突出形成することもできるし、図12に示すように、放熱用凹凸条部25の頂部25aを対向面から凹ませて形成することもできる。
【0056】
以上の実施例では、各放熱用凹凸条部25の断面形状を三角形状としたが、図13に示すように、各放熱用凹凸条部25の形状を円弧形状(円柱形状)としても良く、また、図示は略すが各放熱用凹凸条部25の断面台形状又はテーパ形状としても良い。
【0057】
更に、これらの実施例では、各放熱用凹凸条部25を光軸Oと平行に延びる方向に形成したが、図14に示すように、複数個の放熱用凹凸条部25を光軸Oの方向と直交する方向に延びる構成とすると共に、各放熱用凹凸条部25の各頂部25aをヒケ誘導面24から突出形成する構成とすることもできるし、図15に示すように、複数個の放熱用凹凸条部25を光軸Oの方向と直交する方向に延びる構成とすると共に、放熱用凹凸条部25の各頂部25aをヒケ誘導面24から凹ませて形成する構成とすることもできる。
【0058】
この種のプラスチック成形品20は図16に示す光走査ユニット33の筐体34に基準面23を基準にして組み付けられる。その光走査ユニット33には、ポリゴンミラー34が設けられ、その筐体内34にはポリゴンミラー駆動用モータ(図示を略す)が設けられている。
【0059】
その光走査ユニット33はその筐体34内の雰囲気温度がポリゴンミラー駆動用モータによって上昇する。その筐体34には放熱を助長するための金属製放熱板(図示を略す)が設けられているが、プラスチック成形品20がそのポリゴンミラー駆動用モータの熱を受けて温度上昇すると、プラスチック成形品20の膨張収縮により光学特性が変化する。従って、従来から金属製放熱板をプラスチック成形品20に接触させて、プラスチック成形品20の放熱を図る工夫が行われているが、本発明に係わるプラスチック成形品20によれば、プラスチック樹脂材料の冷却硬化の際の各放熱用凹凸条部25が光走査ユニット33にプラスチック成形品を組み込んだ際の放熱用凹凸条部としても機能するため、光走査ユニット33の使用中の光学特性品質の向上も期待できる。
【0060】
なお、プラスチック成形品20のヒケ誘導面24に形成された窪み26の深さは、図17に示すように、レーザー光束の有効透過領域20Aに侵入しない深さであるため、光走査ユニット33にプラスチック成形品20を組み付けたとしてもその機能に支障を生じない。
【0061】
特に、図18に示すように、二重走査式の光学素子としてのプラスチック成形品20を形成する場合には、光軸O方向の厚さのみならず、光軸Oと直交する方向の厚さも厚くなるので、何らの対策も施さないと、その体積収縮量が大きくなるため、曲がり、ソリが発生しやすくなるが、この発明の実施の形態によれば、放熱用凹凸条部25を形成したので、冷却硬化時の曲がり、ソリを低減できる。
【0062】
以上、実施例においては、fθレンズとして用いられるプラスチック成形品20の製造方法及びこれに用いる金型について説明したが、図19、図20に示すように、入射するレーザー光を鏡面反射する反射面36と光走査ユニット33の筐体34内への組付けの際の基準面37とを有しかつfθミラーとして用いられるプラスチック成形品20の基準面37に対向する一面側である対向面にヒケ誘導面24を形成し、このヒケ誘導面24に複数個の凹凸条部25を形成する構成とすることもできる。なお、この場合には、透明性を要求されないので、結晶性樹脂を用いても良い。
【0063】
なお、この発明の実施の形態では、低圧の射出成形方法について説明したが、射出圧縮成形方法、ガスアシスト成形方法にも適用できる。
【0064】
また、放熱用凹凸条部25の長手方向の長さ、各放熱用凹凸条部25の頂部25aの高さを適宜工夫することにより、ヒケによる窪み26の発生箇所をコントロールすることも可能である。
【0065】
なお、不完全転写面生成用駒をヒケ誘導面24から離間させた直後にヒケ誘導面24にエアーを吹き付ける構成としたが、エアーを吹き付けない製造方法を採用することもできる。
【0066】
【発明の効果】
請求項1〜請求項6に記載の発明によれば、プラスチック成形品の曲がり、ソリ等の形状特性の劣化、屈折率分布特性の劣化を回避でき、高精度のプラスチック成形品を形成できる。
【0067】
プラスチック成形品に形成された放熱用凹凸条部の断面形状を三角、又は、テーパ形状にすると、不完全転写駒をヒケ誘導面から離間させやすく、また、そのプラスチック成形品に放熱用凹凸条部を形成するのが容易である。
【0068】
また、ヒケ誘導面に放熱用凹凸条部を形成すれば、型内での冷却過程において、転写面からこの転写面に対向するヒケ誘導面に向かう方向の温度勾配の低減を図ることができると共に、型開き後の温度分布のアンバランスの低減を図ることができる。
【0069】
請求項7〜請求項11に記載の発明によれば、請求項1〜請求項6に記載の効果に加えて、高精度の光学素子を形成できる。
【0070】
請求項12〜請求項16に記載の発明によれば、高精度のプラスチック成形品を成形できる。
【0071】
請求項17又は請求項19に記載の発明によれば、環境温度に対して画像劣化の小さい光走査ユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のプラスチック成形品を示す外観図である。
【図2】従来のプラスチック成形品の製造工程の一例を示す説明図であって、(a)はプラスチック樹脂材料のキャビティ内への充填前の状態を示し、(b)はキャビテイ内へのプラスチック樹脂材料の充填後の状態を示し、(c)はプラスチック樹脂材料の充填後ヒケ誘導面から不完全転写面を離隔させた状態を示し、(d)はヒケ誘導面に窪みが生じた状態を示している。
【図3】キャビテイ内の内部圧力と経過時間との関係を示す圧力変化特性図である。
【図4】プラスチック成形品の曲がりの一例を示す説明図である。
【図5】本発明に係わるプラスチック成形品としてのfθレンズの外観図である。
【図6】本発明に係わるプラスチック成形品の成形に用いる金型の一例を示す説明図である。
【図7】金型のキャビティ内にプラスチック樹脂材料を充填した状態を示す説明図である。
【図8】不完全転写面を基準面と対向する一面側から離隔させた状態を示す説明図である。
【図9】図5に示すプラスチック成形品の平面図である。
【図10】プラスチック成形品の平面図であって、放熱用凹凸条部がヒケ誘導面から凹んだ状態を示す変形例である。
【図11】プラスチック成形品の平面図であって、放熱用凹凸条部をヒケ誘導面以外の箇所でかつ対向面から突出させて形成した状態を示す。
【図12】プラスチック成形品の平面図であって、放熱用凹凸条部をヒケ誘導面以外の箇所でかつ対向面から凹ませた状態を示す。
【図13】プラスチック成形品の外観図であって、円柱形状の放熱用凹凸条部を形成した変形例を示す。
【図14】プラスチック成形品の側面図で、放熱用凹凸条部をプラスチック成形品の長手方向に延びる形状とし、かつ、放熱用凹凸条部をヒケ誘導面から突出形成した状態を示す。
【図15】プラスチック成形品の側面図で、放熱用凹凸条部をプラスチック成形品の長手方向に延びる形状とし、かつ、放熱用凹凸条部をヒケ誘導面から凹ませた状態を示す。
【図16】本発明に係わるfθレンズの光走査ユニットへの組み付け状態の一例を示す平面図である。
【図17】本発明に係わるfθレンズの光束有効透過領域の説明図である。
【図18】本発明に係わる2重走査式fθレンズの光束有効透過領域の説明図である。
【図19】本発明に係わるプラスチック成形品としてのfθミラーの正面図である。
【図20】図19に示すfθミラーの平面図である。
【符号の説明】
20…プラスチック成形品
21…入射面(被転写面)
22…出射面(被転写面)
23…基準面(被転写面)
24…ヒケ誘導面(不完全転写面)
25…放熱用凹凸条部

Claims (19)

  1. 溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時にプラスチック樹脂材料が被転写面生成用駒の転写面に密着されることにより形成された被転写面と、溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時に案内駒に対して摺動されて冷却途中のプラスチック樹脂材料の一面側から不完全転写面生成用駒が離間されることにより形成された不完全転写面とを有し、該不完全転写面がヒケによる窪みの形成されるヒケ誘導面とされ、前記一面側に溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時の放熱を助長するための複数個の放熱用凹凸条部が形成されていることを特徴とするプラスチック成形品。
  2. 前記放熱用凹凸条部が前記一面側であって前記ヒケ誘導面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック成形品。
  3. 前記放熱用凹凸条部が前記一面側であって前記ヒケ誘導面以外の箇所の面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック成形品。
  4. 前記放熱用凹凸条部の頂部が前記一面側から突出形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のプラスチック成形品。
  5. 前記放熱用凹凸条部の頂部が前記一面側から凹んで形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のプラスチック成形品。
  6. 前記複数個の放熱用凹凸条部の各断面形状が三角形状又は円弧状又は円柱形状又は台形状又はテーパ形状であることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック成形品。
  7. レーザー光が入射する入射面とレーザー光が出射される出射面と光走査ユニットへの組付けの際の基準面とが溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時にプラスチック樹脂材料が被転写面生成用駒の転写面に密着されることにより形成された被転写面とされ、前記基準面に対向する一面側が溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時に案内駒に対して摺動されて冷却途中のプラスチック樹脂材料の一面側から不完全転写面形成用駒が離間されることにより形成された不完全転写面とされ、該不完全転写面がヒケによる窪みの形成されるヒケ誘導面とされ、前記被転写面が前記入射面と前記出射面とを結ぶ光軸方向と直交する方向に長く延びる形状とされ、前記一面側には溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時の放熱を助長するための複数個の放熱用凹凸条部が形成されていることを特徴とする光学素子用のプラスチック成形品。
  8. 入射するレーザー光を鏡面反射する反射面と光走査ユニットへの組付けの際の基準面とが溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時にプラスチック樹脂材料が被転写面生成用駒の転写面に密着されることにより形成された被転写面とされ、前記基準面に対向する一面側が溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時に案内駒に対して摺動されて冷却途中のプラスチック樹脂材料の一面側から不完全転写面生成用駒が離間されることにより形成された不完全転写面とされ、該不完全転写面がヒケによる窪みの形成されるヒケ誘導面とされ、前記被転写面が光軸方向と直交する方向に長く延びる形状とされ、前記一面側には溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時の放熱を助長するための複数個の放熱用凹凸条部が形成されていることを特徴とする光学素子用のプラスチック成形品。
  9. 前記プラスチック樹脂材料の樹脂特性が非晶質であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の光学素子用のプラスチック成形品。
  10. 前記各凹凸条部が光軸方向と平行方向に長く延びる形状とされていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の光学素子用のプラスチック成形品。
  11. 前記各凹凸条部が光軸方向と直交する方向に長く延びる形状とされていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の光学素子用のプラスチック成形品。
  12. 溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時にプラスチック樹脂材料が被転写面生成用駒の転写面に密着されることにより形成された被転写面と、溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時に案内駒に対して摺動されて冷却途中のプラスチック樹脂材料の一面側から不完全転写面生成用駒が離間されることにより形成された不完全転写面とを有し、該不完全転写面がヒケによる窪みの形成されるヒケ誘導面とされ、前記一面側には溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時の放熱を助長するための複数個の放熱用凹凸条部が形成されているプラスチック成形品を形成するために用いられる金型であって、
    前記被転写面生成用駒と前記不完全転写面生成用駒と前記案内駒とによって前記溶融状態のプラスチック樹脂材料が充填されるキャビテイが形成され、前記不完全転写面生成用駒と前記案内駒との少なくとも一方には、前記プラスチック成形品に前記放熱用凹凸条部を形成するための凹凸条部が形成されていることを特徴とする金型。
  13. 前記不完全転写面生成用駒にエアーを前記キャビテイ内に導く複数本のエアー通路が形成されていることを特徴とする請求項12に記載の金型。
  14. 溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時にプラスチック樹脂材料が被転写面生成用駒の転写面に密着されることにより形成された被転写面と、溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時に案内駒に対して摺動されて冷却途中のプラスチック樹脂材料の一面側から不完全転写面生成用駒が離間されることにより形成された不完全転写面とを有し、該不完全転写面がヒケによる窪みの形成されるヒケ誘導面とされ、前記一面側には溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時の放熱を助長するための複数個の放熱用凹凸条部が形成されているプラスチック成形品を形成するために用いられる金型であって、かつ、前記被転写面生成用駒と前記不完全転写面生成用駒と前記案内駒とによって前記溶融状態のプラスチック樹脂材料が充填されるキャビテイが形成され、前記不完全転写面生成用駒と前記案内駒との少なくとも一方には、前記プラスチック成形品に前記放熱用凹凸条部を形成するための凹凸条部が形成されている金型を用いて前記プラスチック成形品を製造するプラスチック成形品の製造方法であって、
    溶融状態のプラスチック樹脂材料を前記キャビテイに充填する充填工程と、
    溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時に前記不完全転写面生成用駒を前記ヒケによる窪みが形成される一面側から離間させて該一面側と前記不完全転写面生成用駒との間に空隙を形成する空隙形成工程と、
    所定時間経過後に冷却硬化されたプラスチック成形品を金型から取り外す取り外し工程と、
    を含むことを特徴とするプラスチック成形品の製造方法。
  15. 少なくとも空隙形成工程で、前記一面側にエアーを吹き付けることを特徴とする請求項14に記載のプラスチック成形品の製造方法。
  16. 前記不完全転写面生成用駒を前記一面側から離間させるタイミングが前記キャビテイ内の内圧がほぼ大気圧になった時点であることを特徴とする請求項14に記載のプラスチックス成形品の製造方法。
  17. 溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時にプラスチック樹脂材料が被転写面生成用駒の転写面に密着されることにより形成された被転写面と、溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時に案内駒に対して摺動されて冷却途中のプラスチック樹脂材料の一面側から不完全転写面生成用駒が離間されることにより形成された不完全転写面とを有し、該不完全転写面がヒケによる窪みの形成されるヒケ誘導面とされ、前記一面側には溶融状態のプラスチック樹脂材料の冷却硬化時の放熱を助長するための複数個の放熱用凹凸条部が形成されている光学素子用のプラスチック成形品が筐体内に組み付けられている光走査ユニット。
  18. 前記プラスチック成形品がfθレンズ又はfθミラーであり、前記放熱用凹凸条部がヒケ誘導面に形成されているプラスチック成形品が筐体内に組み付けられていることを特徴とする請求項17に記載の光走査ユニット。
  19. 前記プラスチック成形品の一面側が該プラスチック成形品を前記筐体内に組み付ける際の基準面と対向する面であることを特徴とする請求項17に記載の光走査ユニット。
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