JP2013193245A - 光走査用レンズおよびその製造方法および画像形成装置 - Google Patents

光走査用レンズおよびその製造方法および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】主走査方向に長い短冊形の2段一体型の光走査用レンズを、ヒケの誘導により形成される凹面部の凹量の主走査方向における変化が単純化されるように成形で製造する。
【解決手段】不完全転写駒43を不完全転写面に直交する方向へ摺動自在とするとともに、不完全転写駒43に、キャビティ外部からキャビティに通じる通気孔431を形成しておき、キャビティ内に、軟化温度以上に加熱溶融した材料樹脂を射出充填し、軟化温度未満に降下した後、不完全転写駒43を変位させることにより、不完全転写面と材料樹脂との間に強制的に空隙V1を形成し、該空隙部に前記通気孔を通して圧縮気体AR1を付与し、凹面部の凹量が、主走査方向において滑らかに一山状に変化し、主走査方向における中心よりも上方で、且つ、前記中心の近傍で最大となるように、圧縮気体の付与を制御する。
【選択図】図4

Description

この発明は、光走査用レンズおよびその製造方法および画像形成装置に関する。画像形成装置は、レーザ方式のデジタル複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ、プロッタ、及びこれらの複合機等として実施できる。
レーザ方式のデジタル複写機やプリンタ、ファクシミリ装置等として知られる電子写真方式の画像形成装置に用いられる光走査装置には「矩形状のレンズ」が多く用いられる。
近来、この種のレンズは、それ自体の低コスト化や光走査装置の低コスト化を目して、プラスチック製のものが多く用いられる。
プラスチック製のレンズは、レンズ面形状が「複雑な非球面形状」でも容易に形成できるところから、少ないレンズ枚数で、必要な光学性能を実現することが可能である。
光走査装置に用いられるレンズのうちで「光偏向器により偏向されたレーザ光束を入射されるレンズ」は、レンズ光軸方向の厚みが長手方向に変化する所謂「偏肉形状」であることが一般的である。
これらのプラスチックによるレンズは、特殊形状でも「成形品の形状に合わせて形成された金型のキャビティ内」に材料樹脂を射出充填することにより、低コストに大量生産することができる。
プラスチック成形では、金型のキャビティ内の溶融材料樹脂を冷却固化させる工程において、キャビティ内での「材料樹脂の圧力、温度を均一にする」ことが、良好な形状精度を実現するのに望ましいが、上記の「偏肉形状のレンズ」の場合、レンズの厚みがレンズ部位で異なるため、冷却固化の途上において「レンズ内部の体積収縮量」が異なることにより、形状精度が悪化し、レンズ肉厚の厚いところに所謂「ヒケ(レンズ面形状における陥没状の変形)」が生ずることがある。
「ヒケ」を抑制する方法としては、溶融状態の材料樹脂をキャビティ内に射出充填する際に、材料樹脂の射出圧力を大きくして射出充填量を多くすることが考えられるが、このようにすると、レンズ内に「内部歪み」が発生する。
特に、厚肉、偏肉形状のレンズの場合には内部歪みが大きくなり、屈折率の不均一や複屈折等が生じ、レンズ自体の光学性能に悪影響が出る。
逆に、溶融状態の材料樹脂の射出充填量を少なくすると、内部歪みは軽減されるが、肉厚部での「ヒケ」が発生しやすくなる。
「ヒケ」による問題を解決するのに、ヒケ自体を生じさせないようにするのではなく、キャビティ内部の「レンズ面形状を転写する転写面」以外の面の一部に、意図的に不完全転写面を設け、この不完全転写面に接する材料樹脂に意図的に「ヒケ」を誘導し、この面に凹形状が形成されるようにすることが知られている。
このように不完全転写面に接する材料樹脂部分に「ヒケ」を意図的に誘導することにより、レンズ内部に内部歪みを残存させずに、厚肉や偏肉形状のレンズでも、薄肉形状のものと同程度のコストで、形状精度良い光学面を持つプラスチックレンズを形成できる。
このような「ヒケ誘導」を行ないつつ、短冊状のプラスチックレンズを製造する技術が特許文献1に開示されている。
短冊状のプラスチックレンズは、効率よく大量に生産できることが重要であり、レンズの製造単価低減のため「4個取り」や「8個取り」といった「多数個取り金型装置」が、一般に使用されている。
多数個取りの金型装置の例を、図1を参照して説明する。この例の金型装置は「4個取り」のものである。
図の如く、金型1内に、4つのキャビティCAV1、CAV2、CAV3、CAV4が、上(天と表示)下(地と表示)に2個ずつ配置されている。
各キャビティCAV1〜CAV4は、同一のキャビティ形状を持ち、キャビティ形状は「成形される短冊状のプラスチックレンズの長手方向が上下方向となる」ように設定されている。
符号2は分岐ランナを示す。符号3は、分岐ランナ2と各キャビティCAV1〜CAV4を連結する材料流路管を示す。
各キャビティの形成された金型1は「材料樹脂の軟化温度未満」に温度を保持され、軟化温度以上に過熱されて溶融状態にある材料樹脂が、分岐ランナ2から材料流路管3に分岐して送られ、各キャビティCAV1〜CVA4に注入充填される。
材料樹脂が各キャビティを満たすと、注入される材料樹脂がさらに加圧され、キャビティ内の材料樹脂はキャビティの内壁に密着し、転写面形状を転写される。その後、キャビティ内で材料樹脂の表面温度が軟化温度未満に降温すると、材料樹脂の表面が固化する。
この状態で、固化したプラスチック光学素子1を射出成形用金型から取り出し、室温で自然冷却させる。
さて、デジタル複写機等の電子写真方式の画像形成装置は、近来、カラー化、高速化が進み、複数(主流は4つ)の光導電性の感光体(以下、単に「感光体」と称する。)を有するタンデム方式の画像形成装置が広く普及しつつある。
タンデム方式の代表的な画像形成装置は、4つの感光体を、記録紙の搬送方向に配列し、各感光体に対応して光源装置を設け、これら複数の光源装置から放射された光束を、共通の偏向手段により偏向走査し、感光体ごとに異なる結像光学系により、各感光体を同時に光走査して静電潜像をつくり、これら静電潜像をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの各々異なる色の現像剤を使用する現像器で個別に可視像化したのち、得られた各色可視像を同一の記録紙に順次重ね合わせて転写・定着してカラー画像を得るように構成されている。
タンデム方式の画像形成装置に用いられる光走査装置で、低コスト性や装置のコンパクト性を追求し、「4つの感光体を持つ画像形成装置に用いられる光走査装置」として、光偏向器であるポリゴンミラーを、4つの感光体に対して共通化し、ポリゴンミラーの両側に「同一仕様の光走査用レンズ」を2個ずつ設け、各光走査用レンズを通った光束を、光路屈曲ミラーにより「光走査用レンズに対応する感光体の走査部」に導光して光走査を行うものが提案されている(特許文献2)。
特許文献2開示の光走査装置では、ポリゴンミラーの各側に配置される2個の光走査用レンズは「副走査方向に2段重ね」とされている。
このように、ポリゴンミラーの各側にそれぞれ設けられる2枚の光走査用レンズは、副走査方向に2段重ねで用いられるので、2枚の光走査用レンズを最小スペースで用いることができ、光走査装置のコンパクト化に有利である。
発明者らは、ポリゴンミラーの各側にそれぞれ設けられ、副走査方向に2段重ねで用いられる2枚の光走査用レンズを一体として、図1に即して説明した如き金型装置を用いて製造することを試みた。その結果、以下の事実が判明した。
即ち、キャビティを構成する駒に、光走査用レンズの副走査方向の側面にヒケを誘導するための不完全転写面を設け、「ヒケ」を誘導した場合、光走査用レンズの上記側面に形成される凹面部の凹部(副走査方向に平行な仮想的断面における凹面の最も深い部分)の凹量(上記仮想的断面における最も深い部分における深さ)が、長手方向に対応する主走査方向において不規則に変化する。
この不規則な変化は、キャビティが異なると異なったものとなりやすい。
上記「凹量の主走査方向における変化」は「主走査方向の中心部で最大となる対称的な変化」であることが好ましいが、実際に成形されたものにおいては「凹量が最大となる位置」は、主走査方向の中心部から離れた位置となる。即ち、凹量の最大位置は、キャビティの上下方向における上側(天側)に発生する。
光走査用レンズに「ヒケの誘導」により形成される凹面部は、2段重ねされた光走査用レンズ(以下、「2段一体型の光走査用レンズ」とも言う。)におけるレンズ面を「副走査方向に傾斜」させる。従って、凹面部の凹量が主走査方向に不規則に変化することは、光走査用レンズを用いて光走査された「走査ライン」が不規則に曲がった形状(以下「走査線曲がり」と言う。)になることを意味する。
2色以上の画像を重ね合わせてカラー画像を形成する場合、各色画像の形成において走査ライン曲がりが揃わないと、重ね合わせられたカラー画像に「色ずれ」と呼ばれる現象が生じ、カラー画像の画質を劣化させる大きな原因となる。
また、上記「凹面部の凹量が主走査方向において最大となる位置」が、主走査方向の中心部から大きくずれる「2段一体型の光走査用レンズ」を用いる場合、走査ラインの「最大曲がり部分」が、画像の走査方向の中心からずれるために、得られる画像において「走査線の曲がりによる画像の歪み」が目立ち易い。
この発明は上述した事情に鑑みて為されたものであって、主走査方向に長い短冊形の2段一体型の光走査用レンズを、長手方向を上下方向とするキャビティにより成形して製造する方法であって、上記凹面部の凹量の主走査方向における不規則な変化を有効に軽減し、また、主走査方向の中央部近傍に凹量の最大が位置させることが可能な製造方法を実現することを課題とする。
この発明の他の課題は、上記製造方法の実施により、上記凹面部の凹量の主走査方向における不規則な変化が有効に軽減され、主走査方向の中央部近傍に凹量の最大が位置する光走査用レンズの提供、および、かかる光走査用レンズを用いる光走査装置、画像形成装置の提供にある。
この発明の光走査用レンズの製造方法は「主走査方向に長い同一仕様の短冊状レンズを2つ、副走査方向に隣接させて一体化したプラスチックによる光走査用レンズを製造する方法」であって、以下の特徴を有する。
即ち、光走査用レンズの入射側および射出側のレンズ面形状を転写面として有する転写駒と、光走査用レンズの副走査方向の側面部に不完全転写による凹面部を形成するための不完全転写面を有する不完全転写駒とを用いて、上下方向を長手方向とするキャビティを形成し、前記不完全転写駒を不完全転写面に直交する方向へ摺動自在とするとともに、該不完全転写駒に、キャビティ外部からキャビティに通じる通気孔を形成しておき、キャビティを形成する金型を、材料樹脂の軟化温度未満に加熱保持し、該キャビティ内に、軟化温度以上に加熱溶融した材料樹脂を射出充填し、加圧して前記キャビティ内の転写面に前記材料樹脂を密着させ、材料樹脂の温度が軟化温度未満に降下した後、前記不完全転写駒を変位させることにより、不完全転写面と材料樹脂との間に強制的に空隙を形成し、該空隙部に前記通気孔を通して圧縮気体を付与し、前記凹面部の凹量が、主走査方向において滑らかに一山状に変化し、主走査方向における中心よりも上方で、且つ、前記中心の近傍で最大となるように、前記圧縮気体の付与を制御する。
上記の如く、この発明の製造方法により製造される光走査用レンズは、ヒケを誘導して不完全転写面に接触する「副走査方向側面部」に凹面部を形成するので、レンズ内部に内部歪みが発生しにくく、内部歪みによる光学特性の劣化が有効に防止されている。
また、凹面部の凹量の変化が「滑らかな一山状」に変化するので、凹量の主走査方向の変化に起因する「走査線曲がり」の形状も単純なものとなり、異なる感光体上で「曲がりの向き」を揃えることにより、色ずれを有効に軽減ないし解消できる。
従って、かかる光走査用レンズを用いる光走査装置により良好な光走査が可能となり、このような光走査装置を用いる画像形成装置により良質の画像を得ることができる。
光走査用レンズを製造するための金型装置を説明するための図である。 光走査装置の例を説明するための図である。 2段一体型の光走査用レンズを説明する図である。 光走査用レンズの成形工程を説明するための図である。 解決課題を説明するための図である。 成形に起因するレンズ面の傾きを説明するための図である。 圧縮気体の付与の制御の1例を説明するための図である。 圧縮気体の付与の制御の効果を説明するための図である。 圧縮気体の付与の制御の別例を説明するための図である。 画像形成装置の実施形態の1例を説明するための図である。
以下、実施の形態を説明する。
先ず、図2を参照して、光走査装置の例を簡単に説明する。
図2を参照して説明する光走査装置は「主走査方向に長い短冊形の2段一体型の光走査用レンズ」を用いる光走査装置の例である。
図2(a)は、光走査の様子を副走査方向から見た状態を示す。符号11A、11Bは光源、符号12A、12Bはアパーチュア、符号13A、13Bはカップリングレンズ、符号14A、14Bはシリンドリカルレンズ、符号15は光偏向器、符号16は光走査用レンズ、符号17A、17Bはミラー、符号18A、18Bは被走査面を示す。
光源11Aは被走査面18Aを光走査するレーザ光束を放射するレーザ光源(LD等)、光源11Bは被走査面18Bを光走査するレーザ光束を放射するレーザ光源(LD等)である。
アパーチュア12A、12Bは、光源11A、11Bから放射されるレーザ光束の光量制御によるビーム整形を行なうためのものである。光源11A、11Bから放射されるレーザ光束は発散性の光束であり、カップリングレンズ13A、13Bはこの発散性の光束を「以後の光学系」に適合する光束形態(平行光束や弱い発散性もしくは弱い収束性の光束)に変換する。
カップリングレンズ13A、13Bにより「光束形態を変換されたレーザ光束」は、それぞれシリンドリカルレンズ14A、14Bにより副走査方向へ収束され、光偏向器15の偏向反射面近傍に「主走査方向に長い線像」として結像する。
上に説明した光源11A、11B、アパーチュア12A、12B、カップリングレンズ13A、13B、シリンドリカルレンズ14A、14Bは、図2(a)に示されているように、副走査方向において互いに重なり合うように配置されている。
光偏向器15は、等速回転により反射レーザ光束を等角速度的に偏向する。
偏向された反射レーザ光束は光源ごとに「偏向レーザ光束」となり、光走査用レンズ16に入射する。光走査用レンズ16は「2段一体型の光走査用レンズ」である。
光偏向器15は「ポリゴンミラーを回転させる方式のもの」であるが、図2(b)に示す、2本のレーザ光束を「同一の偏向反射面」で偏向させる方式のものと、図2(c)に示す「2段に重ねたポリゴンミラーの各偏向反射面」で偏向させる方式のものが可能である。
図2(b)に示す方式のものでは、光偏向器15に入射する2本のレーザ光束は、副走査方向において互いに近づきながら偏向反射面に入射し、偏向光束は副走査方向において互いに離れながら光走査用レンズ16に入射する。この方式では、シリンドリカルレンズ14A、14Bは、これらを共通化して「単一のシリンドリカルレンズ」とすることもできる。
図2(c)に示す方式のものでは、光偏向器15に入射する2本のレーザ光束は、副走査方向において「互いに平行」に偏向反射面に入射し、偏向光束も副走査方向において互いに平行に光走査用レンズ16に入射する。
光走査用レンズ16は、主走査方向に長い同一仕様の短冊状レンズを2つ、副走査方向に隣接させて一体化したプラスチックによる光走査用レンズであり、光源11Aからのレーザ光束は「上段の短冊状レンズ」に入射し、光源11Bからのレーザ光束は「下段の短冊状レンズ」に入射する。
各偏向レーザ光束は、対応する短冊状レンズの光学作用を受けつつ進行し、ミラー17A、17Bにより反射されて被走査面18A、18Bに導光され、これら被走査面上に集光して光スポットを形成し、被走査面を光走査する。
光走査用レンズ16を構成する「副走査方向に重ねられて一体化」された2つの短冊状レンズは、所謂「fθレンズ」であり、被走査面18A、18B上における光走査を等速化する機能を持つ。
なお、ミラー11A、17Bは1枚として描いてあるが、異なる被走査面への光路上に配置されるミラーの数は互いに異なることがある。
光走査用レンズ16のように、異なる被走査面18A、18Bに向かうレーザ光束に共通化することにより、「複数のプラスチックレンズを副走査方向に配置」する場合に比して、副走査方向の上・下段の光ビームの光軸間距離を小さくできるため、光走査装置の小型化、低コスト化に有利であり、部品点数が低減され、部品費以外の管理面においても高効率化、低コスト化が達成可能となる。
光源11A、11Bは何れもLDであるとし、シングルビーム走査の場合を想定して説明したが、光源11A、11BをLDアレイとし、各被走査面18A、18Bをマルチビーム方式で光走査してもよい。
次に、図3を参照して「2段重ねの光走査用レンズ」を説明する。
図3(a)は光走査用レンズLNの外観形状を示す。この図において、上下方向が「副走査方向」であり、レンズ長手方向が「主走査方向」である。
符号につき説明すると、符号LNS21は、光走査用レンズLNを構成する上段の短冊状レンズの射出側のレンズ面、符号LNS22は、下段の短冊状レンズの射出側のレンズ面を示し、符号SF1は、光走査用レンズLNの副走査方向の側面部を示し、符号H1は、側面部SF1に「不完全転写によるヒケの誘導」で形成された凹面部を示す。
図3(b)は、光走査用レンズLNの長手方向中央部において「長手方向に直交する仮想的な断面」による断端面図である。この図における符号LNS11は、上段の短冊状レンズの入射側のレンズ面、符号LNS12は、下段の短冊状レンズの入射側のレンズ面であり、符号SF2は、光走査用レンズLNの副走査方向の他の側面部を示し、符号H2は、側面部SF2に「不完全転写によるヒケの誘導」で形成された凹面部を示す。
図3(b)に示す例においては、入射側レンズ面は、副走査方向に2つのレンズ面LNS11、LNS12が形成され、射出側レンズ面は、副走査方向に2つのレンズ面LNS21、LNS22が形成されている。
入射側レンズ面LNS11と、射出側レンズ面LNS21とを有する部分が「上段の短冊状レンズ」を形成し、入射側レンズ面LNS21と、射出側レンズ面LNS22とを有する部分が「下段の短冊状レンズ」を構成する。
これら上下2段の各短冊状レンズは「同一仕様」であり、設計データは同一である。
付言すると、この発明に光走査用レンズの形態は、このような形態に限られるものではない。例えば、図3(b)において、入射側のレンズ面を、レンズ面LNS11、LNS12とで形成する代わりに、入射側レンズ面を単一レンズ面で構成し、この単一レンズ面を上下段の短冊状レンズで共通化してもよい。
同様に、射出側のレンズ面を、レンズ面LNS21、LNS22とで形成する代わりに、射出側レンズ面を単一レンズ面で構成し、この単一レンズ面を上下段の短冊状レンズで共通化してもよい。
いずれにしても、上段の短冊状レンズを通るレーザ光束と、下段の短冊状レンズを通るレーザ光束とに対する光学作用が、設計上(仕様上)同一であれば良く、この場合にも光走査用レンズは「同一仕様の2つの短冊形レンズを副走査方向に隣接させて一体化したもの」である。
なお、光走査用レンズを構成する材料樹脂としては、透明性を要求されるため、非晶質の材料が用いられ、例えば、ポリメタアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式アクリル樹脂、環状オレフィン・コポリマー、シクロオレフィンポリマーを用いることができる。
次に、光走査用レンズの「成形工程」を説明する。
図4において、符号41、42、43、44、435、436、437、438は、金型においてキャビティCVを形成する「駒」の一部を示している。図4において、図面に直交する方向が上下方向であり、キャビティCVは「図面に直交する方向に長い光走査用レンズ」の形状を実現するように各駒を組み合わせられている。
図4(a)において、キャビティCVの「図で上側」の面T1は、入射側のレンズ面形状を転写する転写面を、下側の面T2は、射出側のレンズ面を転写する転写面を示す。
従って、駒41、42は「レンズ面形状を転写面として有する転写駒」であり、以下では転写駒41、42と記す。
駒43および44は、以下において不完全転写駒43、44と記すが、これらは、キャビティCVに接する面が「光走査用レンズの副走査方向の側面部に、不完全転写による凹面部を形成するための不完全転写面」となっている。
駒435〜438は固定駒であって、転写駒41、42や不完全転写駒43、44の位置を設定する。
不完全転写駒43、44は、図4において左右方向に摺動により移動可能である。また、不完全転写駒43、44にはそれぞれ、通気孔431、441が形成され、図示されない通気手段(圧縮気体供給装置)により、金型外部から圧縮気体をキャビティCV側へ付与できるようになっている。
成形は、以下のように行なわれる。キャビティCVを形成する各駒による金型を、光走査用レンズを構成する材料樹脂の軟化温度未満に加熱保持し、キャビティCV内に「軟化温度以上に加熱溶融した材料樹脂」を射出充填し、加圧して前記キャビティ内の転写面に材料樹脂を密着させる。この状態を図4(b)に示す。図4(b)において、符号PLは、溶融状態でキャビティ内に充填された材料樹脂を示す。
キャビティ内に射出充填された材料樹脂PLは、キャビティを構成する駒との温度差によりその温度が降下する。射出充填の開始から「材料樹脂の温度が降下する状態」におけるキャビティ内圧の変化を示すと、図4(c)に示す如くになる。図4(c)における横軸は「大気圧のレベル」である。
そこで、図の如く、キャビティ内圧が大気圧レベルになって時点をタイミングとして、不完全転写駒43、44を摺動し、キャビティCVから離す方向へ変位させる。このとき、材料樹脂PLの表面は「軟化温度未満」まで降下しており、樹脂表面は流動状態ではなくなっているが、表面形状の変化は可能である。
不完全転写駒43、44を上記の如く変位させると、図4(d)の如く、不完全転写面(不完全転写駒43、44のキャビティ側の表面)と材料樹脂PLとの間に強制的に空隙V1、V2が形成される。
空隙V1、V2の形成と同時もしくは形成直後に、例えば常温に設定した圧縮気体(圧縮空気でよい)AR1、AR2を、通気孔431、441を通してキャビティ側へ付与する。この状態を図4(e)に示す。
材料樹脂PLと不完全転写駒43、44の不完全転写面との間に強制的に空隙V1、V2が形成されると、空隙V1、V2に面した材料樹脂面が「自由面」となり、転写面に接している面よりも動き易くなる。
その結果、材料樹脂のさらなる温度降下によって生じる熱収縮は、この部分の材料樹脂が移動することにより吸収され、空隙V1、V2に面した材料樹脂面が優先的に「ヒケ」て、内部歪みが有効に緩和される。同時に、転写面形状を転写されたレンズ面形状にヒケが生じるのを防止する。
この「ヒケ」と同時に、上記自由面に吹き付けられる圧縮気体AR1、AR2の風圧が、上記ヒケによる自由面の変形を有効に助長し、光走査用レンズの副走査方向側面部に、図3に即して説明したような凹面部H1、H2が形成される。
図5に、図4に即して説明した方法で、不完全転写面による凹面部を形成した場合の、光走査用レンズの長手方向(主走査方向)における凹面部の凹量の変化を示す。
図5(b)は、成形された光走査用レンズLNEを、レンズ面の側から光軸方向に見た状態を説明図的に示している。長手方向が主走査方向に対応し、「天」がキャビティ上方側、「地」が下方側である。符号OL1、OL2は、副走査方向側面部に「ヒケの誘導」により形成された「凹面部の凹量」の長手方向の変化(以下、「凹量線」と呼ぶ。)を示している。凹量線OL1、OL2は、左右方向において互いに略対照的に発生している。
図5(a)は、条件を代えて上記成形を行なったときの凹量線を示している。
成形された光走査用レンズLNEのサイズは、長手方向(主走査方向)の長さが135mm、幅方向(副走査方向)の長さが20mm、光軸方向の最大長さが15mmである。
樹脂材料はシクロオレフィンポリマーを用いた。
図4に示す不完全転写駒43、44には、断面形状が幅:0.003mmのスリット状の通気孔を、長手方向の中央から両側に50mmずつ形成した。従って、通気孔の長さは主走査方向に10mmであり、これはレンズ面の主走査方向の形成領域に等しい。
上に説明した方法で、上記11個の通気孔から圧縮気体として「常温の圧縮空気」を付与した。このとき、圧縮気体の圧力を、条件1:0.1Mpa、条件2:0.15Mpaとした。
図5(a)において、曲線5−1は「条件1のときの凹量線」、曲線5−2は「条件2のときの凹量線」を示す。この凹量線は、図5(b)の凹量線OL1を例にとって示している。
図5(a)に示すように、凹量線5−1、5−2は何れも、歪な形状で「滑らかな一山形状」とはなっていない。また、凹量線の「最大凹量」の位置は、長手方向の中心よりも「天」の側、即ち、キャビティの上部側へずれている。
ここで、凹量線における1次成分および高次成分について簡単に説明する。
凹量線(例えば凹量線5−1)をフーリエ級数に展開した場合を考え、その展開式において「最も周期の大きい成分」を1次成分、それより周期の短いものを「高次成分(高周波成分と呼ぶこともある)」と呼ぶ。
後述するように、この発明の製造方法で凹量の主走査方向の変化即ち「凹量線」が「滑らかな一山状」であるとは、上記高次成分が何れも、1次成分に比して極めて小さいことを意味する。
上記凹量線5−1、5−2は、横軸のマイナス側、即ち「地」の側の形状が波打っており、滑らかな一山状ではない。即ち、凹量線5−1、5−2では、1次成分に対して、高次成分が無視できない大きさを持っている。
凹量線5−1、5−2は何れも、最大凹量の位置が「長手方向の中心部よりも天側」にずれている。このように最大凹量の位置がずれる理由は、キャビティ内に射出充填された材料樹脂に作用する重力の影響であると考えられる。
不完全転写面に接する材料樹脂部分に凹面部が形成する収縮の過程において、材料樹脂は重力(樹脂の自重)の影響を受けるが、レンズ長手方向の天側では、重力の作用が相対的に小さいため「材料樹脂の移動」が容易であり、このため天側において収縮量が大きくなって形成される凹面部の凹量が大きくなる。
この現象は、副走査方向に光学面を積み重ねていない「通常のプラスチック光学素子」と比べ、2段一体型の光走査用レンズは副走査方向に厚く、樹脂量・金型キャビティ容積が増加するため重力の影響を受け易く、現れやすい。
このような「滑らかな一山状の形状にならない凹量線(以下「複雑な凹量線」と呼ぶことにする。)」の影響を以下に説明する。
先に説明した「凹面部の凹量が主走査方向に不規則に変化する」場合とは、説明中の例で言えば、凹量線5−1や5−2の如き場合である。
また、ヒケの誘導により形成される凹面部が、2段一体型の光走査用レンズにおけるレンズ面を「副走査方向に傾斜」させることも先述した。この点を以下に説明する。
成形された光走査用レンズLNEが、図3に示す如きものであるとき、図5(a)に示す凹量線5−1、5−2が、側面部SF1に形成された凹面部H1によるものである場合に、図3(b)に示すレンズ面LNS11の傾きの様子を、図6(a)に示す。
同図において、縦軸の「光学面傾き」は、レンズ面LNS11の傾き(図3(b)において、レンズ面LNS11の中心部における法線の傾き角:min)の、主走査方向位置(横軸)による変化を示したものであり、曲線6−1は上記条件1の場合、曲線6−2は条件2の場合である。
なお、光学面傾きはレンズ面LNS11が時計方向へ傾くときを「正」としている。
図6(b)は、凹量線における凹量と、光学面傾きとを直交2軸でプロットしたものであり、これら両者には図示の如く、相関係数:R=0.89として、光学面傾き:y、凹量:xの間に「y=0.65x−0.04」で表される相関関係が存在することが分かる。この関係は、発明者らによる水準実験により見出されたものである。
この点を鑑みると、光走査用レンズLNEにおける凹量線が、図5の曲線5−1や5−2の如く「主走査方向に不規則に変化」すると、それに応じて「レンズ面の傾き」も、光走査用レンズの長手方向に不規則に変化し、これが光走査の場合に「走査線曲がりを不規則形状」とし、顕著な色ずれを発生させる原因となるのである。
なお、凹量と光学面傾きの相関の考え方は、図3(b)に示す各レンズ面LNS11〜LNS22において上記と同様であるが、光学面傾きに起因する走査線曲がりは、上段の短冊形レンズと下段の短冊形レンズとで「副走査方向において互いに略鏡面対称的」に発生することが確認された。
即ち、光学面傾きはレンズ中央への熱収縮と、ヒケの誘導による収縮の影響を受けて、最終的な光学面傾きが決まり、不完全転写面による凹面部の形成の際に、凹量線の高次成分が生じれば、最終的な光学面傾きにも高次成分が生じる。
「光学面傾きの高次成分」は、最終的に、高次成分をもつ走査の位置ずれ(走査線曲がり)を発生させる。特に、光走査装置をカラー画像形成装置に適用する場合には画像形成装置における色ずれを悪化させる。
この点を鑑みて、この発明においては、前述の如く「不完全転写面と材料樹脂との間に強制的に空隙を形成し、該空隙部に通気孔を通して圧縮気体を付与する」のであるが、圧縮気体の付与に際しては「凹面部の凹量が、主走査方向において滑らかに一山状に変化し、主走査方向における中心よりも上方で、且つ、前記中心の近傍で最大となる」ように付与を制御するのである。
図5に即して説明した条件1、2の場合にも、成形に際して「不完全転写面と材料樹脂との間に強制的に空隙を形成し、該空隙部に通気孔を通して圧縮気体を付与する」のであるが、形成された凹面部の凹量線5−1、5−2は何れも「主走査方向において滑らかに一山状に変化」してはいない。即ち、条件1、2では「圧縮気体の付与」の制御が十分ではないのである。
ここで、凹面部の形成に際して「凹面部の形状に影響する因子」を説明する。
凹面部の形成には以下の3因子が影響する。
1.熱収縮
レンズ内部は表面に比べて温度が高く溶融状態であり、不完全転写駒が摺動した後、レンズ表面が固化するまでの間、レンズ内部の熱収縮量に応じた凹量(ヒケ)を生じる。熱収縮量は樹脂温度が高いレンズ中央付近で大きくなるため、長手方向の中心付近で凹量が大きくなる。
2.樹脂密度
レンズ内の樹脂は重力方向に力を受け、不完全転写駒が移動した後、レンズ表面が固化するまでの間、重力方向に移動し、樹脂密度の粗密が生じ、その樹脂密度に応じた凹量を生じる。樹脂密度が疎となる天側は凹量が大きく、樹脂密度が密となる地側は凹量が小さくなる。
また、不完全転写駒が移動した後、レンズ表面が固化するまでの時間が短いほど、重力方向へ樹脂の移動が少ない。そのため樹脂密度の偏りを生じにくくなり、長手方向における凹量の偏りも生じにくい。
3.圧縮気体の圧力
レンズ表面は圧縮気体による圧力を受けるため、不完全転写駒が移動した後、レンズ表面が固化するまでの間、圧縮気体圧力に応じた凹量を生じる。圧縮気体が強い部分は弱い部分と比べてレンズ表面が強く押されるため、その凹量は大きくなる。
これら3因子のうちで、「1と2」は光走査用レンズの設計条件により定まり、成形工程での制御は難しい。
この発明においては、上記「3」に鑑みて「圧縮気体の付与」を制御することにより、凹量線を上記の如く「主走査方向において滑らかに一山状に変化し、主走査方向における中心よりも上方で、且つ、前記中心の近傍で最大となる」ようにするのである。
圧縮気体の付与の制御には、幾つかの方法が考えられる。
先ず、図5(a)における条件1と2の場合を見ると、前述の如く、圧縮気体の圧力は、条件1:0.1Mpa、条件2:0.15Mpaである。凹量線5−1、5−2を比較すると、圧縮気体の圧力を大きくした条件2では「凹量線のピーク(最大凹量)」を、条件1の場合よりも小さくできている。
そこで、発明者らは、先ず、圧縮気体の圧力の大きさの制御を試み、実験を繰り返した結果「圧縮気体の圧力を十分に大きく制御」することにより、所望の「主走査方向に滑らかに一山状に変化し、最大凹量の位置が長手方向中心近傍で、天側に位置する」凹量線を実現できることを見出した。
即ち、図7(b)に示すように、不完全転写駒の長手方向(天地方向)に前述の如く、幅:0.003mmのスリット上の通気孔431を、長手方向の中心に対して対称的に100mmの領域に形成し、この通気孔431により付与する圧縮気体の圧力を、前記条件1(0.1Mpa)としたときの凹量線が、図7(a)の曲線9−1(図5の曲線5−1と同一)である。
これに対して「対策案」として圧縮気体の圧力を「0.2Mpa」としたところ、凹量線は、図9の曲線9−2の如くになった。
図示の如く、凹量線9−2は「主走査方向(長手方向)に滑らかに一山状に変化し、最大凹量の位置は長手方向中心近傍で、天側に位置」しており、まさに求める形状である。
図7(a)に示す曲線9−1、9−2をフーリエ展開し、その結果から「0次成分と1次成分」を差し引いて「高次成分」を抽出し、この高次成分を長手方向にプロットしたものが図7(c)である。曲線9−3は条件1のものであり、曲線9−4は対策案(0.2Mpa)のものである。
なお「対策案」においても、圧縮気体としては「常温の圧縮空気」を用いている。圧縮気体の圧力を強めることは、圧縮気体の流量が増えることに等しく、凹面部の形成される面の表面と比較して温度の低い常温の圧縮空気により、上記表面の冷却が促進され、不完全転写駒移動後、凹面部表面が固化するまでの時間が短くなる。
その結果「重力による樹脂密度の偏り」を生じにくくなり、凹量線の長手方向での偏りをより軽減できる。
また、圧縮気体の圧力を強めたことで、対策案では「凹量が小さい地側の凹面部写面」を、より強く押すため、地側の凹量を大きく出来、このことも凹量線の長手方向における偏りを防ぐことに有効に貢献する。
図8(a)には、形成された凹面部の凹量線の高次成分(図7(c)の曲線9−3(条件1)および曲線9−4(対策案) 図中「凹量高周波成分」と表示)のPV(PEAK TO VALLEY)値を示す。直線8−1、8−2はPV値、直線8−3、8−4は高次成分の目標値である。
不完全転写により形成される凹面部の「凹量の高次成分」は、近年の「走査位置ずれに関する要求仕様」を踏まえると、高次成分による走査位置ずれは「約40μm以下」であることが好ましく、これを勘案すると、光学面傾きの高周波成分のPV値は0.5min以下であることが好ましく、凹量線の高次成分のPV値は0.8mm以下であることが好ましい。
このように、不完全転写された凹面部の凹量が、プラスチック製の光走査用レンズの長手方向において、滑らかな一山状の曲線で表され、且つ、主走査方向の中央部近傍で凹量が最も大きいことにより、凹量線の高次成分を低減し、光学面傾きの高次成分を低減出来る。
また、金型の設計変更等によるコストアップを来たすことなく、画像形成装置における色ずれを改善出来る。
「圧縮気体の付与の制御」としては、上記のように圧縮気体圧力を高く設定する方法のほかにも、種々の方法が考えられる。
即ち、不完全転写面を有する不完全転写駒に形成された通気孔を、キャビティの長手方向に2以上に分割し、圧縮気体の作用を「最も下方(地側)の通気孔において最も強く」する方法が考えられる。
この場合、圧縮気体の注入圧力を「最も下方(地側)の通気孔において最も強く」する方法や「最も下方(地側)の通気孔の幅を最も大きくして、圧縮気体の付与を行なう」方法、さらには、長手方向に2以上に分割して形成された通気孔を通しての「圧縮気体の注入時間」を「最も下方(地側)の通気孔において最も長く」する方法等が可能である。
以下、図9を参照して、不完全転写駒に形成された通気孔をキャビティの長手方向に2分割し、圧縮気体の作用を「地側の通気孔において最も強く」する方法を3例説明する。
図9(a)は、不完全転写駒43の不完全転写面を示している。不完全転写駒43には、通気孔が天地方向に2分割して形成されている。一方は、通気孔領域A(以下、単に「領域A」と言う。)、他方は、通気孔領域B(以下、単に「領域B」と言う。)
領域Aは地側の通気孔の領域、領域Bは天側の通気孔の領域である。これらが折れ曲がっているのは、光走査用レンズの形状が長手方向に湾曲形状となっていることによる。
これらの通気孔領域A、Bを通して圧縮気体の付与を行なうのであるが、図9(b)に示す方法では、領域Aと領域Bとで付与する圧縮気体の圧力を異ならせ、領域Aにおいては高圧力(0.2Mpa)の圧縮気体を注入し、領域Bにおいては相対的に低圧力(0.1Mpa)の圧縮気体を注入する。
この方法では、圧縮気体の圧力が、不完全転写される樹脂表面の地側部分(重力の作用が強い)に対して強く作用するので、地側の樹脂面を相対的に強く圧迫し、凹面部の凹量線の地側の部分を大きく出来、凹量線を長手方向において「中心部に対してより対称的」な形状に近づけることができる。
また、この方法では、不完全転写による凹面部の「凹量を大きくすべき部分(地側の部分)への圧縮気体の圧力作用」が強くなり、圧縮気体による樹脂表面の急冷が可能となり、内部歪み悪化を低減出来る。
図9(c)に示す方法は、不完全転写により形成される凹面部の凹量の制御を、通気孔領域Aと通気孔領域Bに注入する圧縮気体の「注入時間」を異ならせることによって行なっている。
即ち、上段の図において、射出開始から充填段階をへてキャビティ内への材料樹脂の射出充填が行なわれ、ついで、保圧・冷却過程が行なわれ、その途上において、先ず地側の領域Aに対する圧縮気体注入を開始し、さらに一定の時間後、領域Bへの圧縮気体注入を開始する。そして、所定時間経過後に、領域A、Bともに注入を停止し離型を行なう。
圧縮気体の注入時間を異ならせ、地側の領域Aに対して、より長時間の注入を行なうので、地側の材料樹脂面を「より長時間、押圧」でき、地側の凹量を大きく出来る。
このようにして、圧縮気体の圧力が、不完全転写を行なう面の地側部分(重力の作用が強い)に対して強く、即ち長時間作用するので、地側の樹脂面を相対的に強く圧迫し、凹面部の凹量線の地側の部分を大きく出来、凹量線を長手方向において「中心部に対してより対称的」な形状に近づけることができる。
材料樹脂冷却における圧縮気体の総流量(圧縮気体注入開始から型開きまでの間の圧縮気体の総流量)を不完全転写面の凹量を大きくすべき地側部分でのみ多くでき、圧縮気体による樹脂表面の急冷が可能であり、内部歪み悪化を低減出来る。
なお、この場合、領域A、Bへの注入時間を異ならせるのみならず、領域Aへの注入圧力を高めることを同時に行なうこともできる。
図9(d)に示す方法は、不完全転写により形成される凹面部の凹量の制御を、通気孔領域A、Bにおける通気孔幅を変化させることにより行なう。
即ち、通気孔幅は、天側の領域Bにおいて0.002mm、地側の領域Aにおいてより大きい0.003mmとしている。
このように通気孔の幅に大小を持たせることにより、不完全転写により形成される凹面部の凹量を大きくすべき地側部分で「圧縮気体の流量を相対的に大きく」するので、圧縮気体による「地側部分での樹脂表面の急冷」が可能となり、内部ひずみの悪化を低減出来る。
また、通気口の幅によって「圧縮気体の影響度を制御」するため、圧縮気体の付与条件を「レンズ長手方向に単一に設定可能」となり、圧縮気体供給装置の制御因子を減少させて製造を容易とすることが出来る。
上には、圧縮気体の付与の制御の方法を4種説明したが、これらの方法により、内部歪みが良好に軽減される。
内部歪みは、光走査を行う光スポット径を増大させて、形成される画像の解像度を低下させるが、この発明の方法で製造される光走査用レンズは内部歪みが有効に軽減されているので、光スポット径の増大(光スポット径太り)を有効に軽減できる。
また、凹面部の凹量線が「長手方向に滑らかな一山状」の形状となり、凹量が最大になる位置も主走査方向の中央部近傍となるので、レンズ面の傾きも同様の変化となり、光走査における走査線の曲がりが「単純な曲線」になり、各色画像の書き込みにおいて、走査線曲がりの向きを用意に揃えることができ、カラー画像の形成において「色ずれ」の現象を有効に軽減できる。
即ち、光走査用レンズの光学特性劣化、特に走査面における光スポット径太りの小さい高品位な画像再現性を確保・製造容易にし、また、高次成分の走査位置ずれを改善し、画像形成装置における色ずれを良好に改善出来る。
最後に、図10を参照して「画像形成装置の実施の1形態」を説明する。
この画像形成装置は「タンデム型のフルカラーレーザプリンタ」であり、符号LSで示す部分が光走査装置である。光走査装置は4つの光源からのレーザ光束を、共通の光偏向器で偏向させ、光偏向器の両側に「2段一体型の光走査用レンズ」を設けた構成のものであり、光走査用レンズの用い方は、図2(b)に示すタイプのものである。
なお、光走査用レンズにおけるレンズ面傾きが、前述の如く、2段に重ねられた短冊状レンズにおいて「副走査方向に鏡面対称的」に発生し、走査線曲がりの向きが、上段の短冊状レンズと下段の短冊状レンズとで逆になるので、上段の短冊状レンズを通るレーザ光束を1枚のミラーで感光体に導光し、下段の短冊状レンズを通るレーザ光束は2枚のミラーで感光体に導光して、各感光体における走査線曲がりの向きが揃うようにしている。
図10において、装置内の下部側には、水平に配設された給紙カセット13から給紙される転写紙(図示されず)を搬送する搬送ベルト17が設けられている。
搬送ベルト17上にはイエローY用の感光体7Y、マゼンタM用の感光体7M、シアンC用の感光体7C及びブラックK用の感光体7Kが、転写紙の搬送方向上流側から順に等間隔で配設されている。
以下、符号に付したY、M、C、Kを適宜付けて区別するものとする。
感光体7Y、7M、7C、7Kは、全て同一径に形成され、その周囲には、電子写真プロセスにしたがって各プロセスを実行するプロセス手段が順に配設されている。
感光体7Yを例に採ると、帯電チャージャ8Y、光走査光学系6Y、現像装置10Y、転写チャージャ11Y、クリーニング装置12Y等が順に配設されており、他の感光体7M、7C、7Kに対しても同様である。
即ち、感光体7Y、7M、7C、7Kの表面を、色毎に設定された被走査面とするものであり、各感光体に対して光走査装置より対応する光ビームを光スポットとして結像させて光走査を行う。
光走査装置LSは対向走査方式で、光偏向器は単一、光走査用レンズは、M、Yで共有し、K、Cで共有している。
搬送ベルト17の周囲には、感光体7Yよりも上流側に位置させて、レジストローラ16と、ベルト帯電チャージャ20が設けられ、感光体7Kよりもベルト17の回転方向下流側に位置させて、ベルト分離チャージャ21、除電チャージャ22、クリーニング装置23等が順に設けられている。
ベルト分離チャージャ21よりも転写紙搬送方向下流側には、定着装置24が設けられ、排紙トレイ26に向けて排紙ローラ25で結ばれている。
このような構成において、例えば、フルカラーモード(複数色モード)時であれば、各感光体7Y、7M、7C、7Kに対してY、M、C、K用の各色の画像信号に基づき各々の光走査装置LSによる光走査で、各感光体表面に、各色信号に対応した静電潜像が形成される。
これらの静電潜像は各々、対応する現像装置で色トナーにより現像されてトナー像となり、搬送ベルト17上に静電的に吸着されて搬送される転写紙上に順次転写されることにより重ね合わせられ、転写紙上にフルカラー画像が形成される。
フルカラー画像は定着装置24で定着された後、排紙ローラ25により排紙トレイ26に排紙される。
光走査装置LSに用いる光走査用レンズとして、この発明の方法で製造される光走査用レンズを用いることで、光学特性、特に高次成分の走査位置ずれが小さく、色ずれの小さな高品位な画像再現性が確保できる画像形成装置を実現できる。
41、42 転写駒
43 不完全転写駒
431、441 通気孔
PL 材料樹脂
V1、V2 空隙
AR1、AR2 圧縮気体
LN 光走査用レンズ
特開2010−60962号公報 特開2004−226864号公報

Claims (10)

  1. 主走査方向に長い同一仕様の短冊状レンズを2つ、副走査方向に隣接させて一体化したプラスチックによる光走査用レンズを製造する方法であって、
    光走査用レンズの入射側および射出側のレンズ面形状を転写面として有する転写駒と、前記光走査用レンズの副走査方向の側面部に不完全転写による凹面部を形成するための不完全転写面を有する不完全転写駒とを用いて、上下方向を長手方向とするキャビティを形成し、
    前記不完全転写駒を不完全転写面に直交する方向へ摺動自在とするとともに、該不完全転写駒に、キャビティ外部からキャビティに通じる通気孔を形成しておき、
    上記キャビティを形成する金型を、材料樹脂の軟化温度未満に加熱保持し、
    該キャビティ内に、前記軟化温度以上に加熱溶融した材料樹脂を射出充填し、加圧して前記キャビティ内の転写面に前記材料樹脂を密着させ、
    前記材料樹脂の温度が軟化温度未満に降下した後、前記不完全転写駒を変位させることにより、前記不完全転写面と材料樹脂との間に強制的に空隙を形成し、該空隙部に前記通気孔を通して圧縮気体を付与し、
    前記凹面部の凹量が、主走査方向において滑らかに一山状に変化し、主走査方向における中心よりも上方で、且つ、前記中心の近傍で最大となるように、前記圧縮気体の付与を制御することを特徴とする光走査用レンズの製造方法。
  2. 請求項1記載の光走査用レンズの製造方法において、
    不完全転写面を有する不完全転写駒に形成された通気孔が、キャビティの長手方向に2以上に分割され、
    圧縮気体の作用を、最も下方の通気孔において最も強くすることを特徴とする光走査用レンズの製造方法。
  3. 請求項2記載の光走査用レンズの製造方法において、
    圧縮気体の注入圧力を、最も下方の通気孔において最も強くすることを特徴とする光走査用レンズの製造方法。
  4. 請求項2記載の光走査用レンズの製造方法において、
    不完全転写面を有する不完全転写駒の、キャビティの長手方向に2以上に分割して形成された通気孔において、最も下方の通気孔の幅を最も大きくして、圧縮気体の付与を行なうことを特徴とする光走査用レンズの製造方法。
  5. 請求項2記載の光走査用レンズの製造方法において、
    不完全転写面を有する不完全転写駒の、キャビティの長手方向に2以上に分割して形成された通気孔を通しての圧縮気体の注入時間を、最も下方の通気孔において最も長くすることを特徴とする光走査用レンズの製造方法。
  6. 請求項1〜5の任意の1に記載の製造方法により製造される光走査用レンズ。
  7. 請求項6記載の光走査用レンズにおいて、
    同一仕様の短冊状レンズが、fθ機能を有することを特徴とする光走査用レンズ。
  8. 請求項7記載の光走査用レンズにおいて、
    同一仕様の2つの短冊状レンズは、光偏向器による2種の偏向光束を、異なる被走査面上に集光させるものであることを特徴とする光走査用レンズ。
  9. 光導電性の感光体に光走査による書き込みで静電線像を形成し、この静電線像を可視化し、転写紙上に転写・定着して画像形成を行なう画像形成装置における光走査装置であって、請求項6〜8の任意の1に記載の光走査用レンズを有することを特徴とする光走査装置。
  10. 光導電性の感光体を2以上有し、請求項9記載の光走査装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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