JP2006142521A - 射出成形方法と成形金型及び成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】ナノオーダーレベルや微細な高アスペクト形状の転写により製造される形状精度に優れたプラスチック成形品を成形する。
【解決手段】溶融樹脂12を高速充填中において、メルトフロントがスタンパ4の微細な凹凸パターン3を通過している間、常時、圧力センサ7の検出圧力が2MPa程度になるように可動駒6をアクチュエータ9により変速制御しながら可動させ、キャビティ2内に樹脂圧力を発生させ、溶融樹脂12をスタンパ4の微細な凹凸パターン3のV溝内に瞬時に入り込ませて、溶融樹脂12がスタンパ4に触れた瞬間に微細な凹凸パターン3を転写し、メルトフロントが進行して樹脂固化層13が形成されても、樹脂固化層13の表面にスタンパ4の凹凸パターン3を確実に転写する。
【選択図】 図3
【解決手段】溶融樹脂12を高速充填中において、メルトフロントがスタンパ4の微細な凹凸パターン3を通過している間、常時、圧力センサ7の検出圧力が2MPa程度になるように可動駒6をアクチュエータ9により変速制御しながら可動させ、キャビティ2内に樹脂圧力を発生させ、溶融樹脂12をスタンパ4の微細な凹凸パターン3のV溝内に瞬時に入り込ませて、溶融樹脂12がスタンパ4に触れた瞬間に微細な凹凸パターン3を転写し、メルトフロントが進行して樹脂固化層13が形成されても、樹脂固化層13の表面にスタンパ4の凹凸パターン3を確実に転写する。
【選択図】 図3
Description
この発明は、熱可塑性樹脂の成形品を射出成形するときの、樹脂充填時の転写を促進し、金型表面の微細な凹凸形状を成形品表面に高精度に転写する射出成形方法と成形金型及び成形品、特に回折光学素子(フレネルレンズ)や光ホログラムなどの光情報記録媒体、液晶パネルのバックライト用導光板及び光ディスク基板など樹脂により表面に微細な凹凸形状を有する成形品を高精度な成形に関するものである。
熱可塑性樹脂の射出成形においては、通常、樹脂を金型キャビティに充填するのに十分な流動性を持つ温度まで加熱、溶融して成形する。この溶融樹脂の流動性は、金型キャビティへの充填の容易さを決めるだけでなく、充填後に十分な圧力がキャビティ内の樹脂へ伝わるかどうかも左右するため、成形品に要求される金型表面の微細な凹凸の高精度な転写にも影響を与える。この流動性を表す一つの指標として溶融樹脂の粘度がある。
溶融樹脂の粘度を低く保つためには、例えば樹脂温度を高くする方法や金型温度をガラス転移温度(Tg)以上に高くする方法がある。しかし、樹脂温度を高くすると、樹脂そのものや添加剤の熱分解を引き起こし、成形品の強度低下や樹脂劣化物による異物の発生などの不具合がある。また、金型温度を高くすると、金型内の樹脂の冷却が遅くなり、成形サイクルが長くなる問題もある。
また、射出成形用金型は、通常、熱伝導性の良好な金属材料によって構成されている。このような金型を使用して射出成形する場合、キャビティ内に充填されつつある溶融樹脂は金型表面への放熱によって急速に冷却して表面に固化層が形成する。すなわち、充填工程では金型内における溶融樹脂の内圧が比較的低いため、溶融樹脂は型表面にあまり強く圧接されず型表面の微細な凹凸を高精度に転写しないまま充填が進行する。この状態で固化層が形成されると、充填完了時に所定の高圧が付加されたとしても、型表面の微細な凹凸は成形品に十分に転写されなくなってしまう。
このような問題を解消するため、特許文献1に示された射出成形方法は、樹脂が充填される金型のキャビティの体積を、射出成形機のノズルの先端から樹脂の射出が開始されてから樹脂が金型のキャビティ末端に達するまでの時間で除すことにより求められる充填速度が65cm3/秒以上になるように充填速度を高く設定して冷却固化を減らし、高い転写性を得るようにしている。また、特許文献1に示された成形金型は、固定側の金型と可動側の金型を開いた状態で、金型の表面を高周波誘導コイルで均一に加熱した後、高周波誘導コイルを待避させて型締め動作を行うようにしている。
さらに、特許文献3に示された成形金型は、キャビティ型の表面に断熱層を形成し、充填された溶融樹脂の熱量によりキャビティ型表面を瞬時に昇温して、充填された樹脂を低粘度の状態を保ち、樹脂表面にキャビティ型表面を均一に、かつ忠実に転写するようにしている。この方法は、断熱による樹脂冷却速度の抑制と、樹脂の熱による金型温度の上昇を同時に実現でき、従来よりも低い金型温度による成形が可能であり、結果としてサイクルタイムを短くすることもできている。
また、特許文献4に示すように、特定量の二酸化炭素を溶融樹脂に溶解して溶融粘度を低下させて成形するようにしている。
熱可塑性樹脂は材料の温度を高くし、かつ、非ニュートン流体の特性を生かして高速射出等によりせん断発熱させることによって粘度を低下させるが、約100ポアズ程度が下限であり、金型への充填後、樹脂温度よりも100℃以上と低い温度で温度制御された金型に接することによる急激な表面の粘度上昇は前記方法等で一時的に抑制しても、樹脂そのものがもつ物性以上には変えられないため低粘度化に限界がある。
光ディスク基板などの成形品は、従来、射出圧縮成形法により製造されている。この射出圧縮成形法は、大別して2種類ある。
第1の方法は、特許文献5に示されているように、金型接合面が一定量だけ開くように樹脂の射出圧力よりも金型の型締め力を下げて樹脂を充填し、キャビティ内に溶融樹脂が充満するために射出圧力が増圧することに対応して型締め力を増圧し、金型接合面を所定内に保ち、その後、型締め力を上げてキャビティ内の樹脂に圧縮力を負荷してスタンパの微細凹凸構造を転写するようにしている。この方法は、いわゆるローリンクス法による射出圧縮であり、型の開閉を利用して成形する方法である。すなわち、成立条件としてPL面(金型接合面)が型開する「樹脂圧力>型締め力」の関係が必要である。この射出圧縮成形法は、通常の射出成形のように、スプルー及びランナー部を介して金型キャビティ内の樹脂に圧力を付加するよりも、面内圧力分布を小さくできるため、残留応力分布(複屈折分布)を小さくできる。しかしながら前述したように金型による樹脂冷却により樹脂固化層が形成されているため、型表面の微細な凹凸は成形品に十分に転写されなくなってしまう。
第2の方法は、特許文献6に示すように、樹脂の充填圧力で開かないように高圧で型締めされた金型のキャビティ内に、溶融された熱可塑性樹脂が、せん断発熱で分解されない程度の高速で充填された後、射出圧力を0kg/cm2にし、金型のゲートがシールされてからコア圧縮を行う方法である。この方法は、高速充填後にコア圧縮(圧縮駒による射出圧縮)する成形法であり、高速で充填するため、金型による樹脂冷却は少なくなるが、樹脂表面層において固化層が生成しており、圧縮による効果が十分に得られないという短所がある。
また、その他の転写阻害因子としては、微細な凹凸の内部に樹脂が充填されたときの残留ガスや表面張力(ぬれ性)、あるいは樹脂と金型表面の摩擦等による影響があるものと考えられる。残留ガスに対しては、特許文献7に記載されるように、キャビティ及びキャビティへの樹脂充填箇所を含む成形空間を密閉し、成形空間内を真空排気する方法などがある。
前記した方法を組み合わせることにより、表面の微細な凹凸を転写することが試みられ、例えば、光ディスク基板のパターンレベルであるアスペクト比が「1」程度以下のサブミクロンオーダーの転写では十分であるが、ナノオーダーレベルや微細な高アスペクト形状の転写では限界がある。例えば、DVDのような薄肉円板状ディスクの成形には、表面に情報データが微細な凹凸で形成され、金型内に収納される薄板であるスタンパに形成された微細な凹凸に対する高精度な転写性が要求される。金型キャビティに充填される樹脂は、充填によって金型キャビティ面に接触するが、理想的には金型キャビティ面に充填樹脂が接触し冷却して表面に薄い膜が表面に発生するのとほぼ同時に転写が完了している状態が望ましい。換言すれば、ゲートからキャビティ内に充填された樹脂が転写するべき微細な凹凸パターンに触れた瞬間に樹脂圧力を発生させることができれば、金型による樹脂冷却を防止でき、低粘度な樹脂表面がスタンパの微細な凹凸に密に接触して微細な凹凸を高精度に転写することが可能となる。
このような理由から、微細な凹凸に対する高精度な転写を実現するには、できるだけ低粘度な樹脂に圧力を付与することが効果的である。しかしながら従来の射出成形においては、例えば図24に示すように、キャビティ2内を流動中の樹脂12のフローフロント先端は自由面であり、いくら圧力を付与しようとしても、樹脂は微細な凹凸への充填(転写)よりも容易なフローフロント先端へ流れやすく、樹脂12がスタンパ4に接すると同時に転写を完遂することはできない。換言すれば、キャビティ2内を流動する樹脂先端(以下、メルトフロントという)の進行方向と微細な凹凸3への充填方向の圧力バランスにより転写性が決まると考えられる。
この圧力バランスを変えるために、特許文献9に示すように、キャビティの内圧を大気圧よりも大きくした状態でキャビティに成形材料を導入する方法がある。しかしながらこの方法は、スタンパの微細な凹凸の内部に樹脂が充填される際にガスが残留する不具合がある。
特開平11−216753号公報
特開2002−187181号公報
特許第3366739号公報
特許第3218397号公報
特開平9−109211号公報
特開2001−9883号公報
特開2002−67073号公報
特開平8−281692号公報
この発明は、前記不具合を解消し、ナノオーダーレベルや微細な高アスペクト形状の転写により製造される形状精度に優れたプラスチック成形品を成形することができる射出成形方法と成形金型及び成形品を提供することを目的とするものである。
この発明の射出成形方法は、少なくとも一つ以上の面に微細な凹凸パターンを有する成形金型を用いて成形品を射出成形により製造する射出成形方法において、前記成形金型のキャビティ内を流動中の樹脂先端の流動を抑制して流動中の樹脂が微細な凹凸パターン通過時における樹脂圧力を高めることを特徴とする。
前記樹脂先端の流動を、樹脂流動方向と同一方向に可動する可動部材により抑制したり、樹脂先端の流動抵抗を高めて抑制すると良い。
また、前記樹脂先端の流動を、樹脂の流動にしたがってキャビティ厚さを可変して抑制したり、高粘性流体の流体圧により抑制しても良い。
この発明の成形金型は、少なくとも一つ以上の面に微細な凹凸パターンを有し、成形品を射出成形により製造する成形金型において、キャビティ内を流動中の樹脂先端の流動を抑制して流動中の樹脂が微細な凹凸パターン通過時における樹脂圧力を高める流動抑制手段を有することを特徴とする。
前記流動抑制手段は、樹脂流動方向と同一方向に可動する可動部材により抑制すると良い。また、可動部材の背面に設けた弾性部材の弾性力により樹脂流動を抑制すると良い。
また、前記流動抑制手段は、樹脂の流動方向に弾性変形するシール部材を有しても良い。
さらに、前記流動抑制手段は、樹脂の流動にしたがってキャビティ厚さを可変しても良い。
また、前記流動抑制手段は、キャビティの樹脂流動方向の末端に断面積の小さな連絡路を介して連結された流体貯留部とあらかじめキャビティに封入された高粘性流体とを有し、キャビティに充填された樹脂により高粘性流体が連結路を通って流体貯溜部に流入するときの流体抵抗により樹脂の流動を抑制しても良い。
この発明の成形品は、前記成形金型により成形され、微細な凹凸パターンを高精度に転写されたことを特徴とする。
この発明は、少なくとも一つ以上の面に微細な凹凸パターンを有する成形金型を用いて成形品を射出成形するとき、成形金型のキャビティ内を流動中の樹脂先端の流動を抑制して流動中の樹脂が微細な凹凸パターン通過時における樹脂圧力を高め、溶融樹脂がキャビティのスタンパに触れた瞬間に微細な凹凸パターンを転写することにより、微細な凹凸パターンを高精度に転写することができ、形状精度に優れた成形品を成形することができる。
図1は、この発明の射出成形金型におけるキャビティ周辺の断面概略図である。成形金型1のキャビティ2は、微細な凹凸パターン3が形成されたスタンパ4と、スタンパ4の対向面を形成するキャビティ入れ子5と、溶融樹脂がスタンパ4の微細な凹凸パターン3を通過する時に、流動する樹脂先端(以下、メルトフロントという)の流動を防止し、流動に伴ってメルトフロントの流動方向と同一方向に可動するキャビティ2の末端に備えられた可動駒6で構成し、キャビティ2及びキャビティ2への樹脂充填箇所を含む成形空間を密閉するため、シール部材例えばOリングをPL面に備えている。可動駒6にはキャビティ2内の樹脂圧力を検出するための圧力センサ7とキャビティ2内を脱気するためのガスベント8を有し、背面はアクチュエータ9に取り付けられている。圧力センサ7とアクチュエータ9は制御装置に連結され、ガスベント8はバルブを介して真空ポンプに連結されている。また、成形金型1には、キャビティ2周辺を加熱するために、温度制御装置に連結されたカートリッジヒーターと熱電対を有する。
この成形金型1は、例えば図2(a)の平面図と(b)の側面図及び(c)の部分拡大図に示す液晶パネルのバックライトモジュール等に用いられる導光板10を形成するものである。この導光板10は熱可塑性非晶性樹脂であるPMMA樹脂(光ディスクグレード)、例えば三菱レイヨン社製のMFR(メルトマスフローレート)が21g/10min(230℃、37.3N);試験方法ASTM D1238で、HDT(熱変形温度)が90℃(1.82MPa);試験方法ASTM D648の商品名アクリペットで形成され、上面に例えばV溝ピッチ1μmで深さ0.5μmの微細な凹凸パターンの転写面11を有し、この転写面11をスタンパ3に形成された微細な凹凸パターンで転写する。
この導光板10を成形金型1で成形するときの工程を図3の工程図を参照して説明する。成形金型1を射出成形機、例えばファナック社製の超高速射出成形機(SUPERSHOT100i)にセットし、成形金型1を使用樹脂材料のガラス転移温度直下の例えば95℃になるようにカートリッジヒーターで加熱しておく。そしてガスベント8から真空ポンプによりキャビティ2内を脱気する。この状態で図3(a)に示すように、キャビティ2内に溶融樹脂12を高速充填する。このとき成形金型1を使用樹脂材料のガラス転移温度以下である95℃の温度に保持するように、カートリッジヒーターの温度を調節しておく。
この溶融樹脂12を高速充填中において、メルトフロントがスタンパ4の微細な凹凸パターン3を通過している間、常時、キャビティ2内に樹脂圧力を発生させて、圧力センサ7の検出圧力が2MPa程度になるように可動駒6をアクチュエータ9により変速制御しながら可動させる。このようにメルトフロントの圧力を、常時、2MPa程度に保持することにより、キャビティ2内に高速充填されている溶融樹脂12は、図3(a)に示すように、スタンパ4の微細な凹凸パターン3のV溝内に瞬時に入り込むことができ、溶融樹脂12がスタンパ4に触れた瞬間に微細な凹凸パターン3を転写することができる。したがってメルトフロントが進行し、図3(b)に示すように、樹脂固化層13が形成されても、樹脂固化層13の表面にスタンパ4の凹凸パターン3を確実に転写して導光板10の転写面11を高精度に形成することができる。キャビティ2内に溶融樹脂12を充填した後、固化したプラスチック成形品を成形金型1から成形品取出装置を用いて取り出し、室温放冷して導光板10を作製する。
このように可動駒6をアクチュエータ9により可動させる速度は、キャビティ2内のフローフロント速度及び設定・制御する圧力センサー7の値によるが、転写に必要なメルトフロントの樹脂圧力が確保される限りにおいては、できるだけ高速で可動させることが望ましい。すなわち、溶融樹脂12はキャビティ2の壁に接した段階で冷却されるため、溶融樹脂12の内部が冷却される前に、流動に伴って微細な凹凸パターン3の溝に随時転写していく必要がある。また、キャビティ2内を溶融樹脂12充填前に脱気しておくことにより、残留ガスがなくなり、スタンパ4の微細な凹凸パターン3の末端まで溶融樹脂12を充填(転写)することができる。
ここで、比較例1として、図4に示すように、可動駒6を可動させずに、キャビティ2の最終可動位置に固定したまま、同一条件で成形した場合を、比較例2として、図5に示すように、可動駒6を可動させずに、キャビティ2の最終可動位置に固定して射出圧縮成形を行った場合、具体的には、PL面が一定量だけ開くように溶融樹脂12の射出圧力よりも金型の型締め力を下げて溶融樹脂12を高速充填し、キャビティ2内に溶融樹脂12が充満するために射出圧力が増圧することに対応して型締め力を増圧し、PL面を所定位置に保ち、その後、型締め力を上げてキャビティ2内の樹脂に圧縮力を負荷(コア圧縮)してスタンパ4の微細な凹凸パターン3を転写した。
この発明の成形方法と比較例1及び比較例2により成形された導光板10の短手方向中央の形状を測定した結果を、導光板10の長手方向(樹脂流動方向)の座標値Hに対する微細な凹凸パターン3の転写率Tの変化を図6に示す。図6においてAはこの発明の成形方法で成形した導光板10の転写率、Bは比較例1、Cは比較例2により形成した導光板10の転写率を示す。図6に示すように、この発明の成形方法で成形した導光板10は比較例1や比較例2と比べて導光板10の長手方向に対して優れた形状精度を有している。すなわち、比較例1では、長手方向全体に渡って転写率が小さく、また、キャビティ3末端に向かうに従い、転写率が小さくなっている。この傾向は、成形条件における射出圧力及び保圧水準を変えても変わらなかった。すなわち、射出圧力及び保圧をいくら高く設定しても、射出成形により樹脂に圧力を付与する場合、キャビティ2内を流動中のメルトフロントは自由面であり、いくら圧力を付与しようとしても、溶融樹脂12は微細な凹凸パターン3の溝への充填(転写)よりも容易なメルトフロントへ流れやすく、溶融樹脂12が金型に接すると同時に転写を完遂することはできないと考えられる。また、比較例2では、長手方向全体の転写率分布は比較例1と比べて改善されているが、転写率はこの発明の成形方法と比べて小さい。すなわち比較例2では、比較例1のように、スプルー及びランナー部を介してキャビティ2内の溶融樹脂12に圧力を付加するよりも、面内圧力分布を小さくできるため、転写率分布を小さくできる。しかし前述したように樹脂表層においては、金型による樹脂冷却により樹脂固化層が形成されているため、圧縮を行っても十分に転写されないと考えられる。
また、可動駒6のメルトフロントに接する面の形状を、図7の断面図に示すように、スタンパ4側に溶融樹脂12が流れやすいようにテーパ形状にすることにより、スタンパ4の微細な凹凸パターン3方向に、より大きな樹脂圧力を発生させることができ、より高転写を得ることができる。
前記説明では樹脂圧力を一定に保つように、可動駒6を変速制御したが、転写に必要なメルトフロントの樹脂圧力が確保される限りにおいては、可動駒6を一定速度制御にしても良い。このように可動駒6を一定速度制御することにより、金型構造及び可動駒制御を簡素化することができる。
また、図8(a),(b)に示すように、可動駒6の背面に、固定部材14に固定されたばねやゴム等の弾性部材15を設け、弾性部材15の弾性力でメルトフロントの樹脂圧力を確保するようにしても良い。このように弾性部材15でメルトフロントの樹脂圧力を確保することにより、可動駒6の制御装置を不要にすることができ、成形金型装置の構成を簡略化することができる。
前記説明では導光板10を成形する成形金型1について説明したが、例えば、回折光学素子(フレネルレンズ)、マイクロレンズアレイ、光ホログラムなどの光情報記録媒体、光ディスク読み取り及び書き込み装置に用いられるピックアップレンズなど、成形品形状には依らず、メルトフロントに常時、樹脂圧力を発生させることで、高速充填中に溶融樹脂12がスタンパ4の微細な凹凸からなるパターンに触れた瞬間に転写させることができるすべての成形品形状に適用することができる。また、微細な凹凸パターン3は両面にあっても、同様にして適用することができる。さらに、微細な凹凸パターン3は複数あっても良く、連続パターンであっても単独パターンであっても良い。また、高精度な形状精度を要求される転写形状に関しても平面、球面、非球面、自由曲面、あらゆる形状に適用される。また、使用樹脂材料によらず、すべての熱可塑性プラスチックに適用することができる。
例えば図9(a)の平面図と(b)の側面図及び(c)の部分拡大図に示す光ディスク基板16を成形する成形金型1aは、図10に示すように、キャビティ2a内部に円筒状の弾性リング17、例えば耐熱ゴム製のOリング等を設けておけば良い。この場合、ゲート18からキャビティ2aに高速射出された溶融樹脂12は弾性リング17の弾性力によりメルトフロントの樹脂圧力が確保され、スタンパに形成された微細な凹凸パターンを高精度に転写することができる。
また、図11(a)の斜視図と(b)の部分拡大断面図に示すように、表面19に微小な円錐構造20が例えば周期250nmで配列されている無反射板21の微小な円錐構造20のパターンも同様にして高精度に転写して成形することができる。
この無反射板21は表面19の円錐構造20に光を入射すると、円錐構造20により上部から下部に向かって屈折率の平均値が徐々に増加することを利用している。光の反射は屈折率に差のあるところで生じるが、徐々に平均屈折率が変化する構造を作ることにより反射が抑制される。また、反射抑制効果は広い波長帯域、入射角度に対しても有効である。
この無反射板21を成形する成形金型1bは、図12に示すように、円錐構造20に相当する微細な凹凸パターン22を有するスタンパ4bとスタンパ4bの対向面を形成するキャビティ入れ子5bと、キャビティ入れ子5bに備えられた複数の可動駒6bでキャビティ2bを構成している。複数の可動駒6bは、樹脂の流動方向に対して傾斜方向に配置され、樹脂充填に伴って上流側から順次可動するように制御装置に連結し、樹脂充填に伴って上流側から順次可動する。この成形金型1bを使用して無反射板21を成形するとき、高速充填されている溶融樹脂12のメルトフロントがスタンパ4bの微細な凹凸パターン22を通過している間、上流側の可動駒6bで樹脂圧力を発生させ、溶融樹脂12の流動に伴って可動駒6bを順次可動させ、流動中のメルトフロントに自由面を設けず、メルトフロントの樹脂圧力を高めるように成形する。このようにメルトフロントに、常時、樹脂圧力を発生させることにより、溶融樹脂12がスタンパ4bの微細な凹凸パターン22に触れた瞬間に円錐構造20を転写させることができている。この場合、複数の可動駒6bを可動させる方法は、油圧シリンダ、空圧シリンダ、ボールネジ(ネジ送り機構)、アクチュエータなどのいずれを適用しても良い。
前記説明では可動駒6や弾性リング17でキャビティ2内の溶融樹脂12のメルトフロントに、常時、樹脂圧力を発生させる場合について説明したが、他の流体の流体圧によりメルトフロントに、常時、樹脂圧力を発生させるようにしても良い。
例えば図13(a)の平面図と(b)の断面図に示すように、上面に微細なブレーズド形状の凹凸パターン3cを有し、格子ピッチが徐々に微細になる回折光学素子であり、レーザープリンタ等の走査レンズとして用いられるフレネルレンズ23を成形する成形金型1cのキャビティ2cは、微細な凹凸パターン3cに相当する微細な凹凸パターンを有するスタンパ4cと、スタンパ4cの対向面を形成するキャビティ入れ子5cで構成されている。このキャビティ2cは、ゲートと反対側には、キャビティ2cと略同等の体積で構成された流体貯留部24が、樹脂流動直交方向のキャビティ断面積よりも小さく、スタンパ4cの微細な凹凸パターンの開口面積よりはるかに大きな断面積の連結路25により連結されている。流体貯留部24の末端位置にはアクチュエータに連結した可動部材26を有し、連結路25には開閉自在なシール機構27を有する。また、キャビティ2cにはあらかじめ充填される溶融樹脂よりも高粘度なシリコーン誘導体やゲル上高分子等の高粘性流体28をあらかじめ封入しておく。
この成形金型1cでフレネルレンズ23を成形するとき、シール機構27を開にした状態でシリンダ29から溶融樹脂12をキャビティ2cに高速充填する。キャビティ2cに溶融樹脂12を充填すると、図14(b)に示すように、充填している溶融樹脂12の充填圧力によりキャビティ2cに封入した高粘性流体28が連結路25を通って流体貯留部24内に流入する。この高粘性流体28が断面積の小さい連結路25を通るときの流体抵抗により流動が抑制され、溶融樹脂12のメルトフロントがスタンパ4cの微細な凹凸パターンを通過している間、高粘性流体28が溶融樹脂12のメルトフロントの流動を抑制、常時、メルトフロントに樹脂圧力が発生し、溶融樹脂12がスタンパ4cの微細な凹凸パターンに触れた瞬間に、溶融樹脂12に微細な凹凸パターンを転写することができる。
溶融樹脂12をキャビティ2cに充填後、図14(c)に示すように、シール機構27により連結路24を閉にしてキャビティ2cと流体貯留部24を分離し、キャビティ2c内で固化した成形品を取り出す。その後、図14(d)に示すように、シール機構24を開にしてアクチュエータにより可動部材26を可動させて、流体貯留部24に流入された高粘性流体28をキャビティ2cに戻し、再び成形サイクルを繰り返す。
このように高粘性流体28が連結路24を通るときの流体抵抗を利用して溶融樹脂12のメルトフロントがスタンパ4cの微細な凹凸パターンを通過している間、常時、メルトフロントに樹脂圧力を発生させるようにしたから、溶融樹脂12がスタンパ4cの微細な凹凸パターンに触れた瞬間に、溶融樹脂12に微細な凹凸パターンを忠実に転写することができ、良質なフレネルレンズ23を成形することができる。
また、図15に示すように、流体貯留部24の代わりにキャビティ2cを、連結路4を介して直列に連結し、一方のキャビティ2cに高粘性流体28を封入しておき、高粘性流体28を封入したキャビティ2cに溶融樹脂12を高速充填して他方のキャビティ2cに高粘性流体28を送り込むことを繰り返すことにより、フレネルレンズ23を連続的に成形することができる。
このように高粘性流体28を利用する場合、あらかじめ封入しておく高粘性流体28としては、充填される溶融樹脂12よりも高粘度な材料であり、スタンパ4cの微細な凹凸パターンに流入して残留しないように、ぬれ性の低い材料であることが望ましい。ここで、ぬれ性を決めるのは、ぬれの起きる前後の表面エネルギの差であり、ぬれ性の程度としては、例えば、液滴が固体であるスタンパ4c面上に落ちてレンズ状になる「付着ぬれ」程度であることが望ましく、「付着ぬれ」程度の接触角が大きい材料であれば、使用樹脂材料が流動中、カウンタープレッシャー相当の圧力を付与しても流入を防ぐことができる。逆に、液滴がスタンパ4c面上を広がる「拡張ぬれ」のような材料では残留する可能性がある。
また、高粘性流体28の温度を制御することにより、スタンパ2c表層からの放熱を防ぎ、且つ、スタンパ2cを表面加熱することも可能である。
また、図9に示す光ディスク基板16の微小凹凸パターンも同様にして高粘性流体28を利用して転写することができる。例えば図16の(a)の平面図と(b)の側面断面図に示すように、光ディスク基板16を成形する成形金型1dのキャビティ2dの外周部に流体貯留部24が、樹脂流動直交方向のキャビティ断面積よりも小さな断面積の連結路25により連結されている。
この成形金型1dで光ディスク基板16を成形するとき、まず、図16(B)に示すように、ゲート18からキャビティ2dに高粘性流体28を溶融状態で充填し、次に光ディスク基板16を形成する溶融樹脂12をキャビティ2dに充填する。キャビティ2dに溶融樹脂12を充填すると、図16(C)に示すように、充填している溶融樹脂12の充填圧力によりキャビティ2dに充填した高粘性流体28が連結路25を通って流体貯留部24内に流入し、断面積の小さい連結路25を通るときの流体抵抗により流動が抑制され、溶融樹脂12のメルトフロントがスタンパの微細な凹凸パターンを通過している間、高粘性流体28が溶融樹脂12のメルトフロントの流動を抑制し、常時、メルトフロントに樹脂圧力が発生して溶融樹脂12がスタンパの微細な凹凸パターンに触れた瞬間に溶融樹脂12に微細な凹凸パターンを転写することができる。
前記各説明ではキャビティ2に溶融樹脂12を高速充填しているときに、キャビティ2内を流動する溶融樹脂12のメルトフロントに直接圧力を加えてメルトフロントの流動を抑制する場合について説明したが、溶融樹脂12のメルトフロントの流体抵抗を高めてメルトフロントの流動を抑制しても良い。
例えば導光板10を成形する成形金型1eは、図17に示すように、微細な凹凸パターン3が形成されたスタンパ4eは複数に分割され、分割された各スタンパ片4i〜4mの背面には、それぞれ制御装置に連結されたアクチュエータ29i〜29mを有する。スタンパ4eの対向面を形成するキャビティ入れ子5の各スタンパ片4i〜4mと対向する位置には制御装置のアンプに接続された圧力センサ30i〜30mを有し、キャビティ2の溶融樹脂流動方向の先端部には、キャビティ2内を脱気するためのガスベント8を有する。スタンパ4eとキャビティ入れ子5で形成するキャビティ2の初期厚さは、溶融樹脂12のメルトフロントが通過するときの抵抗が大きくなるように導光板10の厚さよりはるかに小さく設定されている。
この成形金型1eを使用して導光板10を成形するときは、成形金型1eを使用樹脂材料のガラス転移温度直下の温度になるようにカートリッジヒーターで加熱し、ガスベント8から2真空ポンプによりキャビティ2内を脱気した状態で、図18(a)に示すように、キャビティ2内に溶融樹脂12を高速充填する。この高速充填中に、溶融樹脂12のメルトフロントが、例えばスタンパ片4iの微細な凹凸パターン3に接触する。このときキャビティ2の初期厚さが導光板10の厚さよりはるかに小さく設定されているため、溶融樹脂12のメルトフロントの流体抵抗は大きくなってメルトフロントの流動を抑制し、溶融樹脂12の樹脂圧力は大きくなる。この樹脂圧力をスタンパ片4iと対向するキャビティ入れ子5に設けた圧力センサ30iで検出し、検出した圧力が一定値例えば2MPaを超えたときに、アクチュエータ29iによりスタンパ片4iを樹脂流動方向とは垂直方向に移動して、キャビティ入れ子5とスタンパ片4iの間隔を導光板10の厚さに応じた厚さにする。この動作を溶融樹脂12のメルトフロントの流動に伴い、図18(b)に示すように、各スタンパ片4j,4kと順次行い、図18(c)に示すように、キャビティ2の末端であるスタンパ片4mまで繰り返す。
このように圧力センサ30i〜30mの検出圧力が例えば2MPaを超えるまでキャビティ入れ子5とスタンパ片4i〜4mの間隔を小さく保持するから、溶融樹脂12がスタンパ片4i〜4mの微細な凹凸パターン3に触れる瞬間の樹脂圧力を大きくすることができ、溶融樹脂12に微細な凹凸パターン3を忠実に転写することができる。
キャビティ2に高速充填された溶融樹脂12はキャビティ壁に接した段階で冷却されるため、樹脂内部が冷却される前に流動に伴って微細な凹凸に逐次転写していく必要があり、スタンパ片4i〜4mを可動させるタイミングは、キャビティ2内のメルトフロント速度及び設定・制御する圧力によるが、転写に必要なメルトフロントの樹脂圧力が確保される限りにおいては、できるだけ樹脂が低粘度なうちに可動させることが望ましい。
ここで比較のために、図19に示すように、スタンパ片4i〜4mを最終可動位置に固定したまま、同一条件で成形し、成形した導光板10の長手方向(樹脂流動方向)の座標値に対する微細な凹凸パターン3の転写率の変化を図20に示す。図20においてAはスタンパ片4i〜4mを可動した場合、Bはスタンパ片4i〜4mを最終可動位置に固定した場合を示す。図20に示すように、スタンパ片4i〜4mを可動した場合は優れた形状精度を有していることが確認できた。また、図21の長手方向の座標値に対する樹脂圧力の変化特性図に示すように、キャビティ2の初期厚さを小さくすることにより、メルトフロントのみ圧力勾配を大きくとることができ、流動中に転写を完遂することができる。さらに、メルトフロント通過後のキャビティ厚さを大きくすることにより、ゲートからメルトフロント全体の圧力勾配を小さく抑えることができ、メルトフロントへ効率良く圧力を伝播することができる。
なお、スタンパ片4i〜4mを最終可動位置に固定した場合は、長手方向全体に渡って転写率が小さく、キャビティ末端に向かうに従い転写率が小さくなっている。この傾向は、成形条件における射出圧力及び保圧水準を変えても変わらなかった。すなわち、射出圧力及び保圧をいくら高く設定しても、射出成形により樹脂に圧力を付与する場合、スプルー及びランナー部を介して、金型キャビティ内の樹脂に圧力を付加するため、いくら圧力を付与しようとしても、樹脂が金型に接すると同時に転写を完遂することはできないと考えられる。
前記説明ではスタンパ4eを複数のスタンパ片4i〜4mに分離して各スタンパ片4i〜4mを順次移動してキャビティ2の厚さを可変した場合について説明したが、図22に示すように、キャビティ入れ子5を複数に分離して、溶融樹脂12の流動方向に沿って順次キャビティ2の厚さを変えるようにしても良い。
また、前記説明では導光板10を成形する場合について示したが、光ディスク基板や回折光学素子(フレネルレンズ)、マイクロレンズアレイ、光ホログラムなどの光情報記録媒体、光ディスク読み取り及び書き込み装置に用いられるピックアップレンズなども同様にして成形することができる。
例えば図9に示す光ディスク基板16を成形する場合、図22に示すように成形金型1fの微細な凹凸パターンが形成されたスタンパ4fの対向面を形成してキャビティ2を構成するキャビティ入れ子5を、溶融樹脂12の流動方向とは垂直な方向に可動する複数の可動入れ子5a〜5gで構成し、キャビティ2の初期厚さを光ディスク基板16の厚さより小さくしておく。そしてゲート18から溶融樹脂を高速充填しているとき、溶融樹脂12のメルトフロントの流動を抑制して溶融樹脂12の樹脂圧力は大きくしながら、可動入れ子5a〜5gを順次移動してキャビティ2の厚さを可変し、光ディスク基板16を成形する。
このようにしてキャビティ2の初期厚さを光ディスク基板16の厚さより小さい状態で、溶融樹脂12を射出することにより、微細な凹凸からなるパターンに触れる瞬間の樹脂圧力を大きくし、溶融樹脂12がスタンパ4fの微細な凹凸からなるパターンに触れた瞬間に樹脂に凹凸パターンを転写させることができ、高精度な光ディスク基板16を作製することができる。
1;成形金型、2;キャビティ、3;微細な凹凸パターン、4;スタンパ、
5;キャビティ入れ子、6;可動駒、7;圧力センサ、8;ガスベント、
9;アクチュエータ、10;導光板、11;転写面、12;溶融樹脂、
13;樹脂固化層、14;固定部材、15;弾性部材、16;光ディスク基板、
17;弾性リング、18;ゲート、21;無反射板、22;凹凸パターン、
23;フレネルレンズ、24;流体貯留部、25;連結路、26;可動部材、
27;シール機構、28;高粘性流体、29;アクチュエータ、
30;圧力センサ。
5;キャビティ入れ子、6;可動駒、7;圧力センサ、8;ガスベント、
9;アクチュエータ、10;導光板、11;転写面、12;溶融樹脂、
13;樹脂固化層、14;固定部材、15;弾性部材、16;光ディスク基板、
17;弾性リング、18;ゲート、21;無反射板、22;凹凸パターン、
23;フレネルレンズ、24;流体貯留部、25;連結路、26;可動部材、
27;シール機構、28;高粘性流体、29;アクチュエータ、
30;圧力センサ。
Claims (12)
- 少なくとも一つ以上の面に微細な凹凸パターンを有する成形金型を用いて成形品を射出成形により製造する射出成形方法において、
前記成形金型のキャビティ内を流動中の樹脂先端の流動を抑制して、流動中の樹脂が微細な凹凸パターン通過時における樹脂圧力を高めることを特徴とする成形品の射出成形方法。 - 前記樹脂先端の流動を、樹脂流動方向と同一方向に可動する可動部材により抑制する請求項1記載の成形品の射出成形方法。
- 前記樹脂先端の流動を、樹脂先端の流動抵抗を高めて抑制する請求項1記載の成形品の射出成形方法。
- 前記樹脂先端の流動を、樹脂の流動にしたがってキャビティ厚さを可変して抑制する請求項1記載の成形品の射出成形方法。
- 前記樹脂先端の流動を、高粘性流体の流体圧により抑制する請求項1記載の成形品の射出成形方法。
- 少なくとも一つ以上の面に微細な凹凸パターンを有し、成形品を射出成形により製造する成形金型において、
キャビティ内を流動中の樹脂先端の流動を抑制して流動中の樹脂が微細な凹凸パターン通過時における樹脂圧力を高める流動抑制手段を有することを特徴とする成形金型。 - 前記流動抑制手段は、樹脂流動方向と同一方向に可動する可動部材により抑制する請求項6記載の成形金型。
- 前記可動部材は、背面に設けた弾性部材の弾性力により樹脂流動を抑制する請求項7記載の成形金型。
- 前記流動抑制手段は、樹脂の流動方向に弾性変形するシール部材を有する請求項6記載の成形金型。
- 前記流動抑制手段は、樹脂の流動にしたがってキャビティ厚さを可変する請求項6記載の成形金型。
- 前記流動抑制手段は、キャビティの樹脂流動方向の末端に断面積の小さな連絡路を介して連結された流体貯留部とあらかじめキャビティに封入された高粘性流体とを有し、キャビティに充填された樹脂により高粘性流体が連結路を通って流体貯溜部に流入するときの流体抵抗により樹脂の流動を抑制する請求項6記載の成形金型。
- 請求項6乃至11のいずれかに記載の成形金型により成形されたことを特徴とする成形品。
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-
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- 2004-11-17 JP JP2004332549A patent/JP2006142521A/ja active Pending
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