JP4694287B2 - 成形用金型 - Google Patents

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Description

本発明は、成形用金型に関するものである。
従来、射出成形機等の成形機においては、加熱シリンダ内において加熱され、溶融させられた樹脂を高圧で射出して金型装置のキャビティに充填(てん)し、該キャビティ内において樹脂を冷却し、固化させることによって光ディスク等の成形品を成形するようになっている。
そのために、前記射出成形機は、固定側の金型組立体及び可動側の金型組立体から成る成形用金型、前記樹脂をキャビティに充填するための射出装置、並びに、前記可動側の金型組立体を固定側の金型組立体に対して接離させるための型締装置を備える。そして、該型締装置によって前記可動側の金型組立体を進退させ、成形用金型の型閉、型締及び型開を行い、型締時に、固定側の金型組立体の固定側型板と可動側の金型組立体の固定側型板との間にキャビティが形成される。
一方、前記射出装置は、樹脂を加熱して溶融させる加熱シリンダ、及び、該加熱シリンダの前端に取り付けられ、溶融させられた樹脂を射出する射出ノズルを備え、前記加熱シリンダ内にスクリュが回転可能に、かつ、進退可能に配設される。そして、該スクリュを、後端に配設された駆動部によって前進させることにより射出ノズルから樹脂が射出され、前記駆動部によって回転させることにより樹脂の計量が行われる。
ところで、成形品がCDやDVDのような光ディスクである場合、該光ディスクの表面精度を向上させるために、スタンパと型板との間に断熱層を挿入したり、型板の鏡面に断熱層を形成することが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。これにより、スタンパ表面や型板の鏡面の初期冷却を遅延させ、成形された光ディスクの表面精度を向上させることができるとともに、金型温度を低下させることによってサイクルタイムを短縮することができる。
特開平7−178774号公報 特開平6−190833号公報 特開2002−331551号公報
しかしながら、前記従来の成形用金型においては、成形品の表面精度を十分に向上させることができなかった。型板の鏡面に断熱層を形成した場合、該断熱層は、樹脂、セラミクス等の材料から成るものなので、表面精度を型板の鏡面並に向上させることは極めて困難であり、光ディスクのように高い表面精度を要求される成形品を成形することができなくなってしまう。また、スタンパと型板との間に断熱層を挿入した場合、スタンパ本来の表面精度は高くても、断熱層の表面精度が低いので、スタンパの裏面が断熱層の表面に押し付けられると、断熱層表面の凹凸や歪(ゆが)みがスタンパの表面に転写されてしまうので、成形品の表面精度が低下してしまう。さらに、スタンパの裏面が凹凸や歪みのある断熱層表面に押し付けられるので、凹凸や歪みがスタンパの表面に転写されない場合であっても、スタンパの寿命が短くなってしまう。
もっとも、型板が取り付けられる金型のベースプレートと型板との間に断熱層を挿入することによって、断熱層の低い表面精度の影響がスタンパの表面や型板の鏡面に及ばないようにすることも考えられる。しかし、この場合、スタンパの表面や型板の鏡面から断熱層までの距離が長くなるので、スタンパの表面や型板の鏡面の初期冷却を適切に遅延させることができなくなってしまう。
本発明は、前記従来の成形用金型の問題点を解決して、金属材と金属材との間に熱反射層を介在させて一体化した型板を使用することによって、型板の表面を容易に加工することができ、該表面の精度を向上させ、前記表面又は該表面上に配設されたスタンパの表面の温度を適正に制御することができ、成形品を向上させ、成形サイクルを短縮してスループットを向上させることができる成形用金型を提供することを目的とする。
そのために、本発明の成形用金型においては、一対の型板間にキャビティが形成される成形用金型であって、前記型板の少なくとも一方は、金属材から成るベース層、金属材から成る表面層、及び、前記ベース層と表面層との間に介在する熱反射層を備え、該熱反射層は、多数の孔が打ち抜かれた多孔金属板から成り、該多孔金属板と前記ベース層と表面層とは同一金属材から成り、前記多孔金属板は前記ベース層と表面層とに拡散接合されて一体化され、前記多孔金属板の孔は、両側を前記ベース層と表面層とによって塞がれ、内部に断熱材が封入されている。
本発明の更に他の成形用金型においては、さらに、光ディスク、光学素子又は導光板を成形する。
本発明によれば、成形用金型においては、一対の型板間にキャビティが形成される成形用金型であって、前記型板の少なくとも一方は、金属材から成るベース層、金属材から成る表面層、及び、前記ベース層と表面層との間に介在する熱反射層を備え、該熱反射層は前記ベース層と表面層とに接合されて一体化されている。
この場合、型板の表面を容易に加工することができ、該表面の精度を向上させ、前記表面又は該表面上に配設されたスタンパの表面の温度を適正に制御することができ、成形品を向上させ、成形サイクルを短縮してスループットを向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態における成形用金型の構成を示す断面図、図2は本発明の実施の形態における成形用金型の型板の構成を示す断面図である。
図1において、10は本実施の形態における成形用金型の可動側金型組立体であり、20は前記成形用金型の固定側金型組立体である。前記成形用金型は、射出成形機等の成形機に適用され、光ディスク等の成形品を成形するために使用される金型である。なお、前記成形用金型は、押出成形装置、トランスファー成形装置、ダイキャストマシーン、IJ封止プレス等の各種の成形機に適用することができるものであるが、本実施の形態においては、説明の都合上、射出成形機に適用したものとして説明する。
また、前記成形用金型は、いかなる種類の成形品の成形にも使用することができるものであるが、特に、CDやDVDのような光ディスク、レンズや光学フィルタのような光学素子、バックライトを備える液晶ディスプレイで使用される導光板等の高い精度を要する成形品の成形に好適である。そこで、本実施の形態においては、説明の都合上、成形用金型が光ディスクの成形に使用されるものとして説明する。
射出成形機は、図示されない射出装置、及び、前記可動側金型組立体10を固定側金型組立体20に対して接離させるための型締装置を備える。そして、前記可動側金型組立体10は型締装置の可動プラテンにボルト等の固定手段によって取り付けられ、前記固定側金型組立体20は型締装置の固定プラテンにボルト等の固定手段によって取り付けられる。
ここで、前記可動側金型組立体10は、可動プラテンに取り付けられる可動側ベースプレート11、及び、該可動側ベースプレート11に固定された可動側の型板としての可動側ミラーブロック12を有する。なお、該可動側ミラーブロック12は、図示されないボルト等の固定手段によって可動側ベースプレート11に固定された支持ブロック15により、可動側ベースプレート11に固定されている。また、前記可動側ミラーブロック12の固定側金型組立体20に対向する面(図1における下向きの面)、すなわち、キャビティ面は、鏡面加工が施され、表面精度の高い面となっている。
そして、前記可動側金型組立体10は、可動側ベースプレート11及び可動側ミラーブロック12の中心部を貫通して軸方向(図1における上下方向)に延在する摺(しゅう)動可能なカットパンチ16を有する。該カットパンチ16は、図示されない駆動装置によって、軸方向に移動させられる。さらに、可動側ミラーブロック12の可動側ベースプレート11側の面には、温調媒体流通溝14が形成されている。該温調媒体流通溝14は、可動側ベースプレート11によって開放端を閉止されることにより、可動側ミラーブロック12の温度を調節するための温調媒体が流通する温調媒体流路として機能する。なお、前記温調媒体は、通常、水、油等の媒体であり、所定の温度となるように可動側ミラーブロック12を冷却する。
一方、前記固定側金型組立体20は、固定プラテンに取り付けられる固定側ベースプレート21、及び、該固定側ベースプレート21に固定された固定側の型板としての固定側ミラーブロック22を有する。なお、該固定側ミラーブロック22は、図示されないボルト等の固定手段によって固定側ベースプレート21に固定された支持ブロック25により、固定側ベースプレート21に固定されている。また、前記固定側ミラーブロック22の可動側金型組立体10に対向する面(図1における上向きの面)、すなわち、キャビティ面は、鏡面加工が施され、表面精度の高い面となっている。
そして、前記固定側金型組立体20は、固定側ベースプレート21及び固定側ミラーブロック22の中心部を貫通して軸方向に延在するスプルーブッシュ26を有する。該スプルーブッシュ26には、中心部を貫通して軸方向に延在する樹脂流路26aが形成され、射出装置の射出ノズルから射出された成形材料としての樹脂が前記樹脂流路26aに供給される。なお、前記射出装置は、樹脂を加熱して溶融させる加熱シリンダ、及び、該加熱シリンダの前端に取り付けられ、溶融させられた樹脂を射出する射出ノズルを備え、前記加熱シリンダ内にスクリュが回転可能に、かつ、進退可能に配設される。
また、成形材料としての樹脂は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂であり、例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)、PS(ポリスチレン)、発泡ポリスチレン、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネイト)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、HDPE(高密度ポリエチレン)、AS(スチレン/アクリロニトリル)、ABS樹脂、メタクリル樹脂、生分解性樹脂等であるが、いかなる樹脂であってもよい。さらに、高耐熱性樹脂、スーパーエンジニアリングプラスチック、難燃剤が添加された樹脂、ガラス繊維等のフィラーが混入された樹脂、化学発泡剤が添加された樹脂等であってもよい。なお、光ディスクの成形の場合には、PC又はPMMAが一般的に使用されるので、本実施の形態においては、説明の都合上、前記樹脂がPC又はPMMAであるものとして説明する。
さらに、固定側ミラーブロック22の固定側ベースプレート21側の面には、温調媒体流通溝24が形成されている。該温調媒体流通溝24は、固定側ベースプレート21によって開放端を閉止されることにより、可動側ミラーブロック12の場合と同様に、固定側ミラーブロック22の温度を調節するための温調媒体が流通する温調媒体流路として機能する。
そして、前記固定側ミラーブロック22のキャビティ面上には、光ディスクの情報面に所定形状の凹凸を形成するためのスタンパ31が配設されている。該スタンパ31は、可動側金型組立体10に対向する面に前記凹凸を形成するための凹凸が形成されたドーナツ型の円盤状の薄板部材であり、その外周がスタンパ固定リング32によって、また、その内周が内周ホルダ27の鍔(つば)部27aによって固定側ミラーブロック22に固定されている。
図1に示される例においては、成形用金型が型閉された状態になっていて、一対の型板の間、すなわち、可動側ミラーブロック12と固定側ミラーブロック22との間に閉鎖空間であるキャビティ33が形成されている。該キャビティ33は、成形品である光ディスクに対応した円盤状の形状を有する。なお、前記キャビティ33の外周面はスタンパ固定リング32によって画定されている。
ところで、本実施の形態において、可動側ミラーブロック12は、土台となる部分であるベース層12a、該ベース層12a上に積層された熱反射層12b、及び、該熱反射層12b上に積層された表面層12cから成る三層構造を有する。そして、図2には、可動側ミラーブロック12の三層構造を説明するための断面図が示されている。なお、図2において、17はカットパンチ16が収容される貫通孔である。
また、固定側ミラーブロック22も、前記可動側ミラーブロック12と同様に、土台となる部分であるベース層22a、該ベース層22a上に積層された熱反射層22b、及び、該熱反射層22b上に積層された表面層22cから成る三層構造を有する。なお、固定側ミラーブロック22の三層構造は、可動側ミラーブロック12の三層構造と同様である。そこで、図2を参照して可動側ミラーブロック12の三層構造を説明し、固定側ミラーブロック22の三層構造についての説明は省略する。
この場合、ベース層12a及び表面層12cは金属材から成る。該金属材は、通常の成形用金型で使用される金属材と同様のものであり、例えば、構造用炭素鋼、ステンレス鋼等であるが、時効硬化鋼のような特殊鋼であってもよいし、焼結材であってもよいし、いかなる種類の金属材であってもよい。また、ベース層12aの金属材と表面層12cの金属材とは同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。例えば、ベース層12aの金属材よりも硬度の高い金属材を表面層12cに使用してもよい。さらに、固定側ミラーブロック22のベース層22a及び表面層22cは、可動側ミラーブロック12のベース層12a及び表面層12cと同一の金属材から成るものであってもよいし、異なる金属材から成るものであってもよい。
また、熱反射層12bは、例えば、セラミクス、プラスチック複合材、ガラス、ポリイミドのような樹脂等の断熱材から成るものであってもよいし、多数の孔(あな)が打ち抜かれた多孔金属板であるパンチングメタルから成るものであってもよい。なお、該パンチングメタルの金属板は、ベース層12a及び表面層12cと同一の金属材から成るものであってもよいし、異なる金属材から成るものであってもよい。前記熱反射層12bがパンチングメタルから成るものである場合、該パンチングメタルの多数の孔が、両側をベース層12a及び表面層12cによって塞(ふさ)がれ、空気を封印した多数の密閉小空間となるので、前記パンチングメタルは断熱性を備えたものとなる。あるいはまた、この密閉小空間にセラミクス等の断熱材を溶射等によって封入してもよい。
なお、前記熱反射層12bは、可動側ミラーブロック12のキャビティ面近くに配設されていることが望ましい。そのため、図2に示される例において、表面層12cの厚さαは、例えば、1〔mm〕程度である。なお、熱反射層12bの厚さβは、例えば、0.5〔mm〕程度である。
そして、前記熱反射層12bは、放電プラズマ接合、拡散接合、溶接等の方法によって、ベース層12a及び表面層12cに接合されているので、ベース層12a、熱反射層12b及び表面層12cは一体化された状態となっている。この場合、熱反射層12bは、ベース層12a及び表面層12cとの境界面全域においてベース層12a及び表面層12cに接合されてもよいし、前記境界面の一部においてベース層12a及び表面層12cに接合されてもよい。そして、ベース層12a、熱反射層12b及び表面層12cが一体化されているので、可動側ミラーブロック12は、金属材から成る単一のブロックと同様に取り扱うことができ、従来の成形用金型における型板の場合と同様の方法によって加工を施すことができる。したがって、表面層12cの表面であるキャビティ面は、従来の成形用金型における型板の場合と同様に、鏡面加工を施すことができ、表面精度の高い鏡面となっている。
また、熱反射層12bの表面精度が低く、熱反射層12bの表面に凹凸や歪みがある場合でも、熱反射層12bをベース層12a及び表面層12cに接合して一体化した後に、表面層12cのキャビティ面に加工を施すので、表面層12cの厚さが薄くても、熱反射層12bの表面の凹凸や歪みが加工後の表面層12cのキャビティ面に影響を及ぼすことがない。したがって、表面層12cのキャビティ面は、熱反射層12bの影響を受けることなく、表面精度の高い面となっている。
なお、図1に示される例においては、固定側ミラーブロック22のキャビティ面、すなわち、表面層22cのキャビティ面上にスタンパ31が配設されている。この場合、可動側ミラーブロック12の表面層12cと同様に、固定側ミラーブロック22の表面層22cのキャビティ面は、熱反射層22bの影響を受けることなく、表面精度の高い面となっている。そのため、スタンパ31の表面に、「発明が解決しようとする課題」で説明したような凹凸や歪みが転写されてしまうことがない。また、スタンパ31の寿命が短くなってしまうこともない。
次に、前記構成の成形用金型の動作について説明する。
まず、射出成形機の型締装置が作動し、可動プラテンを固定プラテンに向けて移動させて型閉が行われる。型閉が完了すると、成形用金型は、図1に示されるような状態になる。そして、射出装置において計量工程が終了した後、射出ノズルの先端をスプルーブッシュ26に押し付け、加熱シリンダ内のスクリュを前進させると、溶融されて計量された樹脂が射出ノズルから射出され、樹脂流路26aを通ってキャビティ33内に充填される。このとき、樹脂流路26aから流出した樹脂は、カットパンチ16先端の突出部とスプルーブッシュ26先端の突出部との間に形成されたゲート部34を通り、キャビティ33内に流入する。
ここで、該キャビティ33内に流入した樹脂は、高温なので、可動側ミラーブロック12及び固定側ミラーブロック22に熱を奪われ、特に、キャビティ面及びスタンパ31の表面に接した部分の樹脂が冷却される。しかし、断熱性を備えた熱反射層12b及び熱反射層22bが存在するので、樹脂の熱は、熱容量が大きく、温調媒体によって冷却されているベース層12a及びベース層22aへ伝達されることがない。そして、キャビティ面及びスタンパ31の表面に接した部分の樹脂の温度は、一旦(たん)低下するものの、すぐに上昇する。この場合、前記熱反射層12b及び熱反射層22bが樹脂の熱を反射する機能を発揮する。なお、表面層12c及び表面層22cの厚さが薄いほど、前記熱反射層12b及び熱反射層22bの熱を反射する機能が大きく発揮されるので、前記表面層12c及び表面層22cの厚さは薄い方が望ましい。
このように、前記熱反射層12b及び熱反射層22bの機能によって、キャビティ面及びスタンパ31の表面に接した部分の樹脂は、急冷されることがない。すなわち、キャビティ面及びスタンパ31の表面に接した部分の樹脂の初期冷却が遅延される。そのため、分子の配向状態等の性質が他の部分の樹脂と同様になるので、成形後において、キャビティ面及びスタンパ31の表面に接した部分の樹脂の屈折率等の光学的性質が他の部分の樹脂と同様になり、成形品全体において、光学的性質が均一となる。
そして、キャビティ33内に充填され、ゲート部34の樹脂が固化すると、型締装置によって型締が行われ、成形用金型に型締力が加えられる。これにより、情報面にスタンパ31の凹凸が転写された光ディスクが成形される。この場合、スタンパ31の表面に、「発明が解決しようとする課題」で説明したような凹凸や歪みが転写されてしまうことがないので、スタンパ31が本来備える凹凸が正確に転写される。
続いて、キャビティ33内の樹脂が冷却されると、カットパンチ16が前進させられ、該カットパンチ16先端の突出部とスプルーブッシュ26先端の突出部とが協働して、ゲート部34において樹脂を切断する。これにより、ドーナツ型の円盤状の光ディスクが成形される。そして、成形用金型の型開が行われ、光ディスクがキャビティ33から取り出される。この場合、光学的性質が均一な高精度の光ディスクを得ることができる。
また、断熱性を備えた熱反射層12b及び熱反射層22bの存在によって、表面層12c及び表面層22cとベース層12a及びベース層22aとの間での熱伝達が遮断されるので、ベース層12a及びベース層22aの温度を低くしても、樹脂がキャビティ33内に流入した際に、キャビティ面に接した部分の樹脂の温度が大きく低下してしまうことがなく、初期冷却を遅延させることができる。そのため、ベース層12a及びベース層22aの温度を低く設定することができ、成形用金型の冷却速度を高めることができる。したがって、成形サイクルのサイクルタイムを短縮することができ、スループットを向上させることができる。
このように、本実施の形態において、可動側ミラーブロック12は金属材から成るベース層12a、金属材から成る表面層12c、及び、前記ベース層12aと表面層12cとの間に介在する熱反射層12bを備え、該熱反射層12bは前記ベース層12aと表面層12cとに接合されて一体化されている。また、同様に、固定側ミラーブロック22は金属材から成るベース層22a、金属材から成る表面層22c、及び、前記ベース層22aと表面層22cとの間に介在する熱反射層22bを備え、該熱反射層22bは前記ベース層22aと表面層22cとに接合されて一体化されている。なお、前記熱反射層12b及び熱反射層22bは、断熱材又は多孔金属板から成るものである。
そのため、可動側ミラーブロック12及び固定側ミラーブロック22は、金属材から成る単一のブロックと同様に取り扱うことができ、従来の成形用金型における型板の場合と同様の方法によって加工を施すことができる。したがって、表面層12c及び表面層22cの表面は、従来の成形用金型における型板の場合と同様に、鏡面加工を施すことができ、表面精度の高い鏡面とすることができる。
また、固定側ミラーブロック22の表面層22c上に配設されたスタンパ31は、表面層22cの表面が表面精度の高い鏡面となっているので、凹凸や歪みが転写されることがなく、かつ、寿命が短くなることもない。
さらに、断熱性を備えた熱反射層12b及び熱反射層22bの存在によって、表面層12c及び表面層22cとベース層12a及びベース層22aとの間での熱伝達が遮断される。そのため、キャビティ33内に流入した樹脂の初期冷却を遅延させることができ、高品質の成形品を得ることができる。また、ベース層12a及びベース層22aの温度を低く設定することができるので、成形サイクルのサイクルタイムを短縮することができ、スループットを向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、可動側ミラーブロック12及び固定側ミラーブロック22の両方が熱反射層12b及び熱反射層22bを備える場合について説明したが、可動側ミラーブロック12又は固定側ミラーブロック22のいずれか一方のみが熱反射層12b又は熱反射層22bを備えるようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、固定側ミラーブロック22のみにスタンパ31が配設された場合について説明したが、該スタンパ31は、可動側ミラーブロック12及び固定側ミラーブロック22の両方に配設してもよいし、可動側ミラーブロック12のみに配設してもよいし、可動側ミラーブロック12及び固定側ミラーブロック22のいずれにも配設しないようにしてもよい。
さらに、本実施の形態においては、光ディスクの成形を例に取ったため、表面層12c及び表面層22cの表面が平面である場合について説明したが、表面層12c及び表面層22cの表面形状は、成形品の形状に対応した形状のキャビティを形成する面であるので、成形品の形状に応じて、凹面であってもよいし、凸面であってもよいし、任意の形状とすることができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の実施の形態における成形用金型の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態における成形用金型の型板の構成を示す断面図である。
符号の説明
12 可動側ミラーブロック
12a、22a ベース層
12b、22b 熱反射層
12c、22c 表面層
22 固定側ミラーブロック
33 キャビティ

Claims (2)

  1. (a)一対の型板間にキャビティが形成される成形用金型であって、
    (b)前記型板の少なくとも一方は、金属材から成るベース層、金属材から成る表面層、及び、前記ベース層と表面層との間に介在する熱反射層を備え、
    (c)該熱反射層は、多数の孔が打ち抜かれた多孔金属板から成り、
    (d)該多孔金属板と前記ベース層と表面層とは同一金属材から成り、
    (e)前記多孔金属板は前記ベース層と表面層とに拡散接合されて一体化され
    (f)前記多孔金属板の孔は、両側を前記ベース層と表面層とによって塞がれ、内部に断熱材が封入されていることを特徴とする成形用金型。
  2. 光ディスク、光学素子又は導光板を成形する請求項に記載の成形用金型。
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