JP4224048B2 - 成形体の製造装置および製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成形体の製造方法および製造装置に関するものであり、詳しくは、超微細加工、高い寸法精度、低残留応力、低複屈折、高光透過性、優れた機械的強度を有する成形体を、超低圧の成形プロセスであっても、三次元、薄肉、かつ大面積の形状でもって提供可能な、成形体の製造装置および製造方法に関するものである。
現在、数十nmから数百μmの超微細な凹凸形状を表面に有するとともに、三次元、薄肉、かつ大面積の形状を有する成形体が、マイクロレンズ・アレイのような電子ディスプレイ用光学部品、マルチモード光導波路のような光情報通信用部品、マイクロ化学チップのようなライフサイエンス部品等として求められている。
下記は、このような表面に微細な凹凸部を有する成形品の製造方法の従来技術である。
特許文献1には、光線透過性、低複屈折性、及び機械的強度特性に優れ、微細な凹凸を有し薄く且つ大型の光学用成形体を効率よく製造する方法を提供することを目的として、少なくとも一方の金型のキャビティ面に、高さ又は深さが50μm未満である微細凹凸が形成され、距離を置いて設けられた上金型及び下金型からなるプレス成形機の下金型に、溶融したハロゲン不含有熱可塑性樹脂を供給し、該溶融樹脂の温度が該樹脂のガラス転移温度(Tg)に対し、(Tg+10℃)以上(Tg+150℃)未満の温度範囲にある間にプレスすることを特徴とする光学用成形体の製造方法が開示されている。
特許文献2には、微細凹凸パターンを正確に形成し、樹脂の不均一充填がなく、離型性が向上し離型時の製品の温度ムラがなくなり、且つ反りのない、広面積で薄い成形体を得るのに好適な製造法を提供することを目的として、ダイヤモンドライクカーボンで内面が被覆された可動側金型と、固定側金型とによって形成されたキャビティーに、溶融した脂環構造含有重合体樹脂を充填し、次いで可動側金型で前記溶融樹脂を圧縮することからなる、成形体の製造法が開示されている。
特許文献3には、効率良く、精度の高い微細形状を転写する方法を提供することを目的として、凹凸パターンが形成された転写面を有する型を準備し、特定温度に加熱により軟化した基材に、前記転写面を加圧して押しつけたのち、強制的に前記型を特定温度で前記基材から引き離して、前記基材の表面に前記凹凸パターンの反転パターンを転写する微細形状転写方法が開示されている。
特許文献4には、微細なフレネルレンズ、レンチキュラーレンズあるいはプリズムレンズ形状などの光学要素を有する光学物品を高品質にしかも安価に提供することを目的として、スリットノズルを用い、成形型の微細凹凸形状全面に放射線硬化型樹脂液を塗布形成する工程を含む光学物品の製造方法が開示されている。
特許文献5には、安価で大量生産が可能な、光の波長以下を含む微細な凹凸パターンを被転写体に形成できる微細パターンの転写加工方法を提供することを目的として、微細な凹凸パターンを備えた転写体を準備し、被転写体となる材料を加熱により溶融している状態で前記転写体の凹凸パターン上に流し込み、その後冷却することにより被転写体となる材料を固化すると共に前記凹凸パターンを転写し、その後前記転写体から分離して被転写体として取り出すことを特徴とする微細パターンの転写加工方法が開示されている。
特開2003−211475号公報 特開2004−98580号公報 特開2001−26052号公報 特開2002−268146号公報 特開2000−39702号公報
しかしながら上記の従来技術では、成形体の光学的なひずみや反り、熱収縮による微細凹凸パターンの寸法変化等の不良が発生したり(特許文献1)、プレスに高圧が必要であったり(特許文献1,2,5)、三次元薄肉大面積の形状の成形品の製造には不適であったり(特許文献2,3)、樹脂液が飛び散り不良品が発生する(特許文献4)等の問題点がある。
したがって本発明の目的は、超微細加工、高い寸法精度、低残留応力、低複屈折、高光透過性、優れた機械的強度を有する成形体を、超低圧の成形プロセスであっても、三次元、薄肉、かつ大面積の形状でもって提供可能な、成形体の製造装置および製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、熱可塑性樹脂を溶融し輸送する樹脂溶融部と、前記樹脂溶融部に連結されているとともに、流入した溶融樹脂を規定量で送出する樹脂送出部と、前記樹脂送出部から送出された溶融樹脂を被塗布面に上方から塗布する吐出部と、前記吐出部を支持する高剛性ガイドと、対向して配置される一対の金型とを備え、
前記樹脂送出部は、流入した溶融樹脂を一旦貯留した後規定量で送出する貯留シリンダであり、
前記貯留シリンダは、溶融樹脂を貯留するシリンダと、前記シリンダ内に設けられるとともに前記溶融樹脂を規定量で押し出し送出するピストンとを有し、前記シリンダとピストンとの間には、前記溶融樹脂が通過可能な間隙部が設けられ、
前記溶融樹脂の被塗布面が、前記一対の金型における下金型の少なくとも1部であり、
前記吐出部の先端リップ部を前記下金型の被塗布面の形状に沿って移動させながら、前記下金型の被塗布面に前記溶融樹脂を、最終製品にほぼ近い形状および厚さに塗布し、
ここで、前記吐出部は、前記溶融樹脂の塗布の反作用によって上下方向に撓まないように、高剛性ガイドに支持されながら移動して前記溶融樹脂の塗布を行い、
その後、両金型の加圧によって成形体を得る成形体の製造装置であって、
前記樹脂溶融部および樹脂送出部間の連結流路に、前記連結流路を開閉するバルブを設け、かつ
前記溶融樹脂を塗布する前記吐出部の先端部と前記下金型の被塗布面との距離を調節できるように、前記下金型の被塗布面を鉛直方向に移動させる移動手段をさらに設けてなることを特徴とする成形体の製造装置である。
請求項2に記載の発明は、前記製造装置は、厚さが50μm〜5mmの範囲である成形体を製造するために用いられることを特徴とする請求項1に記載の成形体の製造装置である。
請求項3に記載の発明は、前記貯留シリンダが、溶融樹脂を貯留するシリンダと、前記シリンダ内に設けられるとともに前記溶融樹脂を規定量で押し出し送出するピストンと、前記ピストンを前後進させるピストン駆動手段とを有し、前記シリンダとピストンとの間には、前記溶融樹脂が通過可能な間隙部が設けられ、前記樹脂溶融部からの溶融樹脂の流入とともに前記ピストン駆動手段によって前記ピストンを後進させ、所定量の溶融樹脂を前記シリンダの先端部から徐々に貯留させた後、前記ピストンを前進させて規定量の溶融樹脂が送出されるように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の成形体の製造装置である。
請求項4に記載の発明は、前記貯留シリンダが、溶融樹脂を貯留するシリンダと、前記シリンダ内に設けられるとともに前記溶融樹脂を規定量で押し出し送出するピストンと、前記ピストンを前後進させるピストン駆動手段とを有し、前記シリンダとピストンとの間には、前記溶融樹脂が通過可能な間隙部が設けられ、所定量の溶融樹脂を貯留できる場所まで前記ピストン駆動手段によって前記ピストンを後進させ、続いて前記樹脂溶融部から溶融樹脂を流入させて前記貯留シリンダ内に所定量の溶融樹脂を前記シリンダの先端部から徐々に貯留させた後、前記ピストンを前進させて規定量の溶融樹脂が送出されるように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の成形体の製造装置である。
請求項に記載の発明は、前記吐出部の両側が、前記溶融樹脂の塗布方向に沿って設けられた少なくとも2本の高剛性ガイドによって支持され、かつ前記高剛性ガイドが、前記溶融樹脂の塗布方向の上流側および下流側にそれぞれ設けられた2箇所以上の高剛性ガイド用支持部材によって固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成形体の製造装置である。
請求項に記載の発明は、前記製造装置が、前記樹脂溶融部、樹脂送出部、吐出部および金型と、これらを搭載するベッドとを有し、前記吐出部が、吐出部用支持部材を介して、前記溶融樹脂の塗布方向に沿って設けられた少なくとも1本の高剛性ガイドによって支持され、かつ前記高剛性ガイドが、前記ベッドに固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成形体の製造装置である。
請求項に記載の発明は、前記移動手段が、前記下金型を載置するとともに前記両金型の加圧するためのプレス型盤であり、前記プレス型盤の上下動によって前記吐出部の先端部と前記下金型の被塗布面との距離が調節されることを特徴とする請求項記載の成形体の製造装置である。
請求項に記載の発明は、前記移動手段が、前記下金型を載置するとともに前記両金型の加圧するためのプレス型盤と、前記下金型との間に設けられた上下動ステージであり、前記上下動ステージの上下動によって前記吐出部の先端部と前記下金型の被塗布面との距離が調節されることを特徴とする請求項に記載の成形体の製造装置である。
請求項に記載の発明は、下金型上に成形型を載置し、前記成形型を前記被塗布面とし、前記下金型と前記成形型を分離可能に構成し、前記成形型のみを上下動させ、前記吐出部の先端部と前記下金型の被塗布面との距離が調節されることを特徴とする請求項に記載の成形体の製造装置である。
請求項10に記載の発明は、下記の成形体の製造装置を用いて成形体を製造する方法であって、(1)前記一対の金型の少なくとも一方を昇温する工程と、(2)前記樹脂溶融部において熱可塑性樹脂を溶融する工程と、(3)得られた溶融樹脂を樹脂送出部に流入させ、貯留させる工程と、(4)前記樹脂送出部に貯留した溶融樹脂を規定量で送出する工程と、(5)前記吐出部の先端リップ部を前記下金型の被塗布面の形状に沿って移動させながら、前記下金型の被塗布面に前記送出した溶融樹脂を、最終製品にほぼ近い形状および厚さに塗布する工程と、(6)前記塗布された樹脂をプレスして樹脂の形状を整えながら冷却し固化させる工程とを有し、
前記樹脂送出部は、流入した溶融樹脂を一旦貯留した後規定量で送出する貯留シリンダであり、前記貯留シリンダは、溶融樹脂を貯留するシリンダと、前記シリンダ内に設けられるとともに前記溶融樹脂を規定量で押し出し送出するピストンとを有し、前記シリンダとピストンとの間には、前記溶融樹脂が通過可能な間隙部が設けられ、
前記吐出部は、前記溶融樹脂の塗布の反作用によって上下方向に撓まないように、高剛性ガイドに支持されながら移動して前記溶融樹脂の塗布を行うことを特徴とする成形体の製造方法である。
製造装置:
熱可塑性樹脂を溶融し輸送する樹脂溶融部と、前記樹脂溶融部に連結されているとともに、流入した溶融樹脂を規定量で送出する樹脂送出部と、前記樹脂送出部から送出された溶融樹脂を被塗布面に上方から塗布する吐出部と、前記吐出部を支持する高剛性ガイドと、対向して配置される一対の金型とを備え、
前記樹脂送出部は、流入した溶融樹脂を一旦貯留した後規定量で送出する貯留シリンダであり、
前記貯留シリンダは、溶融樹脂を貯留するシリンダと、前記シリンダ内に設けられるとともに前記溶融樹脂を規定量で押し出し送出するピストンとを有し、前記シリンダとピストンとの間には、前記溶融樹脂が通過可能な間隙部が設けられ、
前記溶融樹脂の被塗布面が、前記一対の金型における下金型の少なくとも1部であり、 前記吐出部の先端リップ部を前記下金型の被塗布面の形状に沿って移動させながら、前記下金型の被塗布面に前記溶融樹脂を、最終製品にほぼ近い形状および厚さに塗布し、
ここで、前記吐出部は、前記溶融樹脂の塗布の反作用によって上下方向に撓まないよう
に、高剛性ガイドに支持されながら移動して前記溶融樹脂の塗布を行い、
その後、両金型の加圧によって成形体を得ることを特徴とする成形体の製造装置。
請求項11に記載の発明は、前記貯留シリンダが、溶融樹脂を貯留するシリンダと、前記シリンダ内に設けられるとともに前記溶融樹脂を規定量で押し出し送出するピストンと、前記ピストンを前後進させるピストン駆動手段とを有し、前記シリンダとピストンとの間には、前記溶融樹脂が通過可能な間隙部が設けられ、前記(3)工程において、前記樹脂溶融部からの溶融樹脂の流入とともに前記ピストン駆動手段によって前記ピストンを後進させ、所定量の溶融樹脂を前記シリンダの先端部から徐々に貯留させた後、前記(4)工程において、前記ピストンを前進させて規定量の溶融樹脂を送出することを特徴とする請求項10に記載の成形体の製造方法である。
請求項12に記載の発明は、前記貯留シリンダが、溶融樹脂を貯留するシリンダと、前記シリンダ内に設けられるとともに前記溶融樹脂を規定量で押し出し送出するピストンと、前記ピストンを前後進させるピストン駆動手段とを有し、前記シリンダとピストンとの間には、前記溶融樹脂が通過可能な間隙部が設けられ、前記(3)工程において、所定量の溶融樹脂を貯留できる場所まで前記ピストン駆動手段によって前記ピストンを後進させ、続いて前記樹脂溶融部から溶融樹脂を流入させて前記貯留シリンダ内に所定量の溶融樹脂を前記シリンダの先端部から徐々に貯留させた後、前記(4)工程において、前記ピストンを前進させて規定量の溶融樹脂が送出されるように構成したことを特徴とする請求項10に記載の成形体の製造方法である。
請求項13に記載の発明は、前記樹脂溶融部および樹脂送出部間の連結流路に、前記連結流路を開閉するバルブを設け、前記(3)工程において、前記溶融樹脂の貯留が完了した時点で前記バルブを閉じることを特徴とする請求項11〜12のいずれかに記載の成形体の製造方法である。
請求項14に記載の発明は、前記(5)工程において、被塗布面に塗布した溶融樹脂の厚みが50μm〜5mmであることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の成形体の製造方法である。
本発明によれば、超微細加工、高い寸法精度、低残留応力、低複屈折、高光透過性、優れた機械的強度を有する成形体を、超低圧の成形プロセスであっても、三次元、薄肉、かつ大面積の形状でもって提供可能な、成形体の製造装置および製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明をさらに詳細に説明する。
図1は本発明の製造装置を説明するための模式的断面図である。
図1において、本発明の製造装置1は、熱可塑性樹脂を溶融し輸送する樹脂溶融部10と、樹脂溶融部10に連結されているとともに、流入した溶融樹脂を規定量で送出する樹脂送出部11と、樹脂送出部11から送出された溶融樹脂を被塗布面に上方から塗布する吐出部12とから主に構成されている。また本発明の製造装置1は、詳しくは後述するが、対向して配置される一対の上金型131および下金型132をさらに備え、下金型132の少なくとも1部の表面が溶融樹脂の被塗布面を構成し、成形体の製造工程では、吐出部12を例えば矢印方向に移動させながら、下金型132の被塗布面に溶融樹脂を塗布した後、両金型131,132の加圧によって成形体を得ることができる。
樹脂溶融部10は、当業界で公知の押出機を利用することができ、このような押出機は、よく知られているように、固体樹脂を可塑化・溶融するためのシリンダ101およびスクリュ102、スクリュ102を回転させるためのスクリュ回転機構103、固体樹脂をシリンダ101に導入するためのホッパ104を備え、シリンダ101の外周部に加熱手段としてのヒータ1011を有し、必要に応じて図示していない冷却手段を有する。
樹脂送出部11は、本発明の一実施形態によれば、流入した溶融樹脂を一旦貯留した後規定量で送出する貯留シリンダであるのが好ましい。
図2は、本発明に使用される貯留シリンダを説明するための模式的断面図である。
図2において、貯留シリンダ110は、全体形状が円筒状をなし溶融樹脂を貯留するシリンダ1101と、シリンダ1101内に設けられるとともに溶融樹脂を規定量で押し出し送出するピストン1102と、ピストンを前後進させるピストン駆動手段1103とを有する。また、貯留シリンダ110は、外周部に加熱手段としてのヒータ1107を有し、必要に応じて図示していない冷却手段を有する。図2に示すように、シリンダ1101とピストン1102との間には、溶融樹脂が通過可能な間隙部1104が設けられ、樹脂溶融部10から溶融樹脂が流入口1105を経て流入する際には、この間隙部1104を通って溶融樹脂が矢印方向に流れていく。溶融樹脂の流速を速めに設定することにより、溶融樹脂の滞留を防止することができる。間隙部1104のサイズは、通過する溶融樹脂の流速をできるだけ速くすると同時に、そこに溶融樹脂が滞留しないように、また溶融樹脂を流入させるに際し、樹脂溶融部10に過度の圧力負担がかからない程度で適宜決定すればよいが、例えば数mm程度、具体的には0.5〜5mmである。
溶融樹脂の流入とともに、ピストン駆動手段1103を稼動させ、図3に示すようにピストン1102を後進させる。この操作により、溶融樹脂はシリンダ1101の先端部(吐出部側)から徐々に貯留していくことになる。これとは別に、所定量の溶融樹脂を貯留できる場所までピストン駆動手段1103によってピストン1102を後進させ、続いて樹脂溶融部10から溶融樹脂を流入させてシリンダ1101内に所定量の溶融樹脂を先端部から徐々に貯留させてもよい。溶融樹脂の貯留が規定量でもって完了したら、ピストン駆動手段1103を稼動させ、ピストン1102を所定距離前進させ、規定量の溶融樹脂を送出することができる。なお、ピストン1102の位置制御精度には比較的高い精度が要求される。よって、ピストン駆動手段1103としてサーボモータとボールネジとを組合わせた方法などの精度を確保しやすい機構を用いた手段を用いるのが好ましい。
このような構成によれば、最初に流入した溶融樹脂が最初に吐出部に送出され塗布されることになる。したがって、溶融樹脂の長い滞留時間による熱劣化(透明な樹脂が黄変したり(ヤケ)、茶褐色(黒点)になったりする)が防止される。さらに、樹脂溶融部10と貯留シリンダ110が短い流路でもって連結していることによっても、溶融樹脂の滞留時間が短くなり、熱劣化の問題が一層防止されることになる。なお、熱劣化を起こした溶融樹脂を用いて成形体を製造すると、例えば成形体の用途が光学製品である場合、所望の光透過性や屈折率等が得られなくなる場合があり好ましくない。
なお、溶融樹脂が通過可能な間隙部1104を設けない場合、シリンダ1101とピストン1102が接してしまい、両金属の摩擦により金属粉が発生し、これが製品に悪影響を及ぼす恐れがあるが、本発明における貯留シリンダ110は、シリンダ1101とピストン1102との間に間隙部1104が設けられているため、このような金属粉の発生がない。
また、図2〜3に示すように、貯留シリンダ110には、シリンダ1101内に最初に流入した溶融樹脂がシリンダ1101の先端部とは逆の方向(ピストン駆動手段1103側)に侵入しないように、溶融樹脂を通過させない逆流防止部1106が設けられている。なお逆流防止部1106は、溶融樹脂がシリンダ1101の先端部に容易に導かれるように、溶融樹脂の流入口1105からシリンダ1101の先端部の方向に向かって曲面を形成している。
また本発明によれば、樹脂溶融部10および貯留シリンダ110間の連結流路に、連結流路を開閉するバルブを設けるのが好ましい。
図4は、樹脂溶融部10および貯留シリンダ110間の連結流路にバルブを設けた形態を説明するための製造装置の模式的断面図である。図4の製造装置は、図1とほぼ同様の形態であるが、樹脂溶融部10および貯留シリンダ110間の連結流路14にバルブ15を設けた点が異なっている。前述のように、貯留シリンダ110のシリンダ1101内に溶融樹脂の貯留が完了した後、ピストン駆動手段1103を稼動させ、ピストン1102を所定距離前進させ、規定量の溶融樹脂を吐出部12に送出するが、溶融樹脂の送出量は、成形体の体積によって決定される。したがって、精度よく成形体を製造するには、制御された量でもってシリンダ1101内に溶融樹脂を貯留し、溶融樹脂を送出する必要がある。しかし溶融樹脂の貯留後、樹脂溶融部10および貯留シリンダ110間に圧力差が生じた場合(通常樹脂溶融部10の溶融樹脂圧力が高くなる)、溶融樹脂部10内の溶融樹脂が必要以上に流入し、規定量を超え、溶融樹脂の貯留量が過剰となり、精度よく成形体を製造することができなくなる。そこで、樹脂溶融部10および貯留シリンダ110間の連結流路14にバルブ15を設け、シリンダ1101内への溶融樹脂の貯留が完了した時点でバルブ15を閉じ、樹脂溶融部10からの溶融樹脂の流入を遮断する。これにより、規定量の溶融樹脂の貯留が可能となる。
さらに、溶融樹脂の貯留が完了した後は、ピストン駆動手段1103を稼動させ、ピストン1102を所定距離前進させ、規定量の溶融樹脂を吐出部12に送出するが、このときもバルブ15を閉じておくのが好ましい。バルブ15を閉じておくことで、ピストン1102の前進による溶融樹脂の送出圧力が、連結流路14を経て樹脂溶融部10に逃れることが防止される。これにより、規定量の溶融樹脂が吐出部12に送出され、結果として精度よく成形体を製造することができる。
バルブ15としては、溶融樹脂の流路(連結流路14)を遮断し、溶融樹脂の流入・流出を制御することができれば、とくに制限されないが、例えば公知のロータリーバルブを利用することができる。
また本発明において、樹脂送出部11から送出された溶融樹脂を被塗布面に上方から吐出もしくは金型の被塗布面に塗布する吐出部12は、とくに制限されないが、溶融樹脂を精度よくシート(フィルム)状に変形させて吐出するものが好ましい。通常、吐出部12は樹脂送出部11と直接連結している。
前記では、樹脂送出部11として、流入した溶融樹脂を一旦貯留した後規定量で送出する貯留シリンダ110を例にとり説明したが、本発明ではこの形態に制限されるものではない。例えば樹脂送出部11として貯留シリンダ110の替わりに射出機能を有するシリンダを使用することもできる。
図5は、射出機能を有するシリンダを樹脂送出部として用いた本発明の製造装置の別の形態を説明するための模式的断面図である。
図5に示される本発明の製造装置2は、図1と同様に、熱可塑性樹脂を溶融し輸送する樹脂溶融部10と、樹脂溶融部10に連結されているとともに、流入した溶融樹脂を規定量で送出する樹脂送出部11と、樹脂送出部11から送出された溶融樹脂を被塗布面に上方から塗布する吐出部12とから主に構成されている。本形態の製造装置2は、樹脂送出部として、射出機能を有するシリンダ111を使用している。シリンダ111としては、射出成形機用のシリンダを用いることができ、例えば、全体形状が円筒状をなしスクリュ1111が内設された貫通内孔1112を有するシリンダであり、このシリンダ111の外周面には複数のヒータ1114を有し、必要に応じて図示していない冷却手段が装着されている。スクリュ1111は駆動手段1113により回転駆動および前後動駆動されるように構成されている。
樹脂溶融部10からの溶融樹脂が連結流路14を経て流入し、スクリュ1111の回転によってシリンダ111の先端部方向に送られる。先端部に所定量の溶融樹脂が貯留された後、スクリュ1111を前進させ、規定量の溶融樹脂を吐出部12に送出する。なお、図4で示した形態と同様に、樹脂溶融部10およびシリンダ111間の連結流路14にバルブ15を設け、シリンダ111内への溶融樹脂の貯留が完了した時点でバルブ15を閉じ、樹脂溶融部10からの溶融樹脂の流入を遮断するのが好ましい。なおかつ、溶融樹脂の貯留が完了した後は、シリンダ111の射出機能によって規定量の溶融樹脂を吐出部12に送出するが、このときもバルブ15を閉じておくのが好ましい。これにより、前記貯留シリンダの場合と同様に、溶融樹脂の所定量の送出が可能となり、精度よく成形体を製造することができる。
さらに本発明の製造装置は、前記で説明した形態とは異なり、熱可塑性樹脂を溶融する機能および規定量で溶融樹脂を射出する射出機能を有する樹脂送出部と、樹脂送出部から送出された溶融樹脂を被塗布面に移動しながら上方から塗布する吐出部とを備えたものであってもよい。
図6は、このような本発明の別の形態の製造装置を説明するための模式的断面図である。
図6において、本発明の製造装置3は、熱可塑性樹脂を溶融する機能および規定量で溶融樹脂を射出する射出機能を有する樹脂送出部21と、樹脂送出部21から送出された溶融樹脂を被塗布面に上方から塗布する吐出部12とから主に構成されている。本形態の製造装置3は、樹脂送出部21として、射出成形機用のシリンダを用いることができ、例えば当該シリンダは、全体形状が円筒状をなしスクリュ211が内設された貫通内孔212を有し、このシリンダの外周面には複数のヒータ215を有し、必要に応じて図示していない冷却手段が装着されている。スクリュ211は駆動手段213により回転駆動および前後方向に駆動されるように構成されている。
固体樹脂をホッパ214から投入すると、固体樹脂はシリンダ内でスクリュ211の回転によって先端部方向に送られるが、この時、シリンダはヒータ215によって加熱されているので、シリンダからの伝熱とスクリュ211の回転による剪断熱により固体樹脂が溶融する。先端部に所定量の溶融樹脂が貯留された後、スクリュ211を前進させ、規定量の溶融樹脂を吐出部12に送出する。
さらにまた本発明の製造装置は、前記した図6の形態において、熱可塑性樹脂を溶融する機能および規定量で溶融樹脂を射出する射出機能を有する樹脂送出部21の替わりに押出機を用いることもできる。よく知られているように、押出機はシリンダとその内部のスクリュと、スクリュを回転駆動する駆動手段が設けられている。この場合、溶融樹脂の送出は、スクリュの単位時間あたりの回転数によって溶融樹脂の送出量、すなわち吐出部からの吐出量を調整し、回転時間によって総吐出量を決定することができる。
次に、本発明の製造装置を用いて成形体を製造する工程について説明する。
本発明の成形体の製造方法は、(1)前記一対の金型の少なくとも一方を昇温する工程と、(2)前記樹脂溶融部において熱可塑性樹脂を溶融する工程と、(3)得られた溶融樹脂を樹脂送出部に流入させ、貯留させる工程と、(4)前記樹脂送出部に貯留した溶融樹脂を規定量で送出する工程と、(5)送出した溶融樹脂を吐出部を用いて下金型の被塗布面に上方から塗布し被塗布面に塗布する工程と、(6)前記塗布された樹脂をプレスして樹脂の形状を整えながら冷却し固化させる工程とを有する。
なお、下記の説明では、樹脂送出部として、図1〜4で示したような、流入した溶融樹脂を一旦貯留した後規定量で送出する貯留シリンダを用いる形態を例示しているが、本発明は下記例に制限されるものではない。
前記(1)工程については下記で説明する。
次に、(2)工程において、固体樹脂を樹脂溶融部10にホッパ104からシリンダ101内に導入し、シリンダ101の外周部の加熱とスクリュ102の回転による剪断熱により固体樹脂が溶融する。
固体樹脂としては、とくに制限されないが、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィン(COP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアリレート(PAR)、ポリイミド(PI)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリアセタール(POM)、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)またはこれらの混合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。また、成形体に求められる性能にあわせて、特別に製造された熱可塑性樹脂でもよい。なお熱可塑性樹脂には必要に応じてガラス繊維やカーボンなどの各種充填材や、耐熱安定剤、耐候安定剤、耐電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックスなどの公知の各種添加剤を配合することもできる。
次に(3)工程において、溶融樹脂を連結流路14を経て貯留シリンダ110に流入させる。貯留シリンダ110には、シリンダ1101とピストン1102との間に溶融樹脂が通過可能な間隙部1104が設けられており、樹脂溶融部10から溶融樹脂が流入口1105から流入する際には、この間隙部1104を通って溶融樹脂が矢印方向に流れていく。樹脂溶融部10からの溶融樹脂の流入とともにピストン駆動手段1103によってピストン1102を後進させ、所定量の溶融樹脂をシリンダ1101の先端部から徐々に貯留させる。貯留が完了した後、図4に示すようにバルブ15を閉じ、樹脂溶融部10からの溶融樹脂の流入を遮断するのが好ましいことは、前述のとおりである。
続いて、(4)工程において、貯留シリンダ110に貯留した溶融樹脂を規定量で吐出部12に送出する。この溶融樹脂の送出は、ピストン駆動手段1103の稼動により、ピストン1102を所定距離前進させることにより行う。ピストン1102の前進により、最初に流入した溶融樹脂が最初に吐出部12に送出され塗布されることになり、溶融樹脂の長い滞留時間による熱劣化が防止される。なお、溶融樹脂の送出時は、バルブ15を閉じ、ピストン1102の前進による溶融樹脂の送出圧力が、連結流路14を経て樹脂溶融部10に逃れることを防止するのが好ましい。
次に、(5)工程において、吐出部12を用いて溶融樹脂を被塗布面に上方から塗布する。
本発明では、溶融樹脂の被塗布面が、対向して配置される一対の金型における下金型の少なくとも1部であり、吐出部12を移動させながら下金型に溶融樹脂を塗布した後、両金型の加圧によって成形体を得ることが好ましい。すなわち、図1に示したように本発明の製造装置1は、対向して配置される一対の上金型131および下金型132をさらに備え、下金型132の少なくとも1部の表面が溶融樹脂の被塗布面を構成し、吐出部12を例えば矢印方向に移動させながら、下金型132の被塗布面に溶融樹脂を塗布した後、両金型131,132の加圧によって成形体を得るのが好ましい。
前記(6)工程については下記で説明する。
下金型132の被塗布面は、下金型132上に設置されるとともに、表面に微細な凹凸部を有する成形型であることができる。
図7(a)は下金型132に載置された成形型81の平面図であり、図7(b)は正面図である。図7の形態では、図7(a)の矢印82方向に、溶融樹脂をフィルム上に吐出可能な吐出部を用いて溶融樹脂を1回塗布するものとする。また、成形型81の一部として、表面に微細な凹凸部を有するスタンパ83を使用し、これを成形型81の凸部の表面に設置した。なお、微細な凹凸部に溶融樹脂が付着するように、成形型81およびスタンパ83は加熱されている。図7(b)において、吐出部の先端リップ部84を矢印82方向に、かつ成形型81およびスタンパ83の形状に沿って移動させながら、下金型132の被塗布面に溶融した熱可塑性樹脂85を最終製品にほぼ近い形状および厚さに塗布していく。続いて、図7(c)において、上金型131および下金型132の協働により、塗布された熱可塑性樹脂をプレスし、成形体の形状を整える。次に図7(d)において、プレス力を印加したまま前記熱可塑性樹脂を冷却し固化させ、金型を開き、成形体86を取り出す。
ここで本発明によれば、前記図7(b)の工程において、吐出部が溶融樹脂の塗布の反作用によって上下方向に撓まないように、高剛性ガイドに支持されながら移動して溶融樹脂の塗布を行うことが好ましい。
図8は、高剛性ガイドに支持されながら移動する吐出部から溶融樹脂を塗布する工程を説明するための図である。
図8(a)において、吐出部12の両側が、溶融樹脂の塗布方向に沿って設けられた少なくとも2本の高剛性ガイド91,92によって支持され、かつ高剛性ガイド91,92が、溶融樹脂の塗布方向の上流側および下流側にそれぞれ設けられた2箇所以上の支持部材93,94によって固定されている。吐出部から溶融樹脂を塗布する際は、図8(a)に示すように高剛性ガイド91,92に沿って吐出部12が矢印方向に移動し、溶融樹脂を塗布する。これにより、吐出部12が金型の被塗布面に溶融樹脂を塗布するときの反作用によって上下方向に撓むことがなく、設定通りの厚みに溶融樹脂を塗布することができる。
高剛性ガイド91,92は、吐出部12が溶融樹脂の塗布の反作用によって上下方向に撓むことがなければ、どのような材質から構成されていてもよいが、例えばステンレス製のガイドが挙げられる。
また図8(b)は、高剛性ガイドを用いる別の形態を説明する図である(平面図、側面図および正面図を含む)。この形態において、本発明の製造装置は、前記で説明したような樹脂溶融部、樹脂送出部、吐出部および金型と、これらを搭載するベッドとを有する(図8(b)では吐出部、ベッド、高剛性ガイドおよび支持部材のみが示されている)。図8(b)において、吐出部12は、2本の支持部材931,941を介して、溶融樹脂の塗布方向に沿って設けられた少なくとも1本の高剛性ガイド911によって支持されている。図8(b)の形態では、1本の高剛性ガイド911はベアリングを備えたガイドレールの形状であり、支持部材931,941および吐出部12がガイドレール上を塗布方向に沿って移動するようになっている。この高剛性ガイド911は、ベッド950上に固定されている。さらに、金型の被塗布面上に溶融樹脂を塗布する際の剛性をさらに高めるためには、吐出部12の支持をさらに被塗布面に近づけることが好ましく、高剛性ガイドを金型を載置したプレス型盤に固定してもよい。吐出部から溶融樹脂を塗布する際は、図8(b)に示すように高剛性ガイド911に沿って吐出部12が矢印方向に移動し、溶融樹脂を塗布する。これにより、吐出部12が溶融樹脂の塗布の反作用によって上下方向に撓むことがなく、設定通りの厚みに溶融樹脂を塗布することができる。
なお、図7に示した形態では、成形型81が凸部を有し、その凸部の表面に微細な凹凸部を有するスタンパ83を設置している。そこで吐出部の先端リップ部84を成形型81およびスタンパ83の形状に沿って移動させるために、下金型を鉛直方向に移動させる移動手段を設け、吐出部の先端リップ部84とスタンパ83との距離を調節するのが好ましい。吐出部、樹脂溶融部および樹脂送出部を鉛直方向に移動させる大掛かりな装置構成に比べて、この形態では鉛直方向の移動の役割を金型にもたせることにより、迅速な鉛直方向の動作が可能となり、ひいては吐出部の移動速度を高め、生産性を高めることができる。
具体的には、図9に示すように下金型132を設置するとともに一対の金型の加圧機能を有するプレス型盤100を移動手段として用い、プレス型盤100を上下動することにより、吐出部の先端部リップ部84とスタンパ83の距離が調節する方法が挙げられる。
また、図10に示すように、移動手段としてプレス型盤100と、下金型132との間に上下動ステージ1001を設け、この上下動ステージ1001の上下動によって吐出部の先端リップ部84とスタンパ83の距離が調節する方法が挙げられる。
さらにまた、図11に示すように、下金型132と成形型81とを分離可能に構成し、成形型のみを上下動させるようにし、この上下動によって吐出部の先端リップ部84ととスタンパ83の距離が調節する方法が挙げられる。
なお前記の移動手段は各種アクチュエータを用いて行えばよい。前記形態によって、3次元形状に溶融樹脂をスタンパ83上に塗布したり、スタンパ83への溶融樹脂の塗布厚みを容易に変更することができる。
本発明の成形体の製造方法のとくに好適な方法は、下記の(a)〜(i)の一連の工程を含む。
(a) 図7に示したように、上金型131および下金型132の2枚の金型を準備する。そして、上金型131のキャビティ面の温度を、プレス工程で、上金型131のキャビティ面に接触した溶融樹脂85の表層に固化層が形成されず、かつ印加されたプレス力の下で、上金型131のキャビティ面の形状に変形しうる程度の軟化状態を維持できる温度まで昇温する。なおかつ、下金型132のキャビティ面の温度を、溶融樹脂85が微細な凹凸部に粘着する温度まで昇温する(金型昇温工程);
(b) 金型の昇温が完了した後、吐出部の先端リップ部84から微細な凹凸部の全体に溶融樹脂85が充填されるように、リップ部84を移動させながら塗布を行い、かつ成形体の最終形状にほぼ近い形状まで塗布を行う。溶融樹脂85の厚みは、50μm〜3mmであるのが好ましい(塗布工程);
(c) 塗布工程終了後、上金型131と下金型132とを嵌合させ、加力発生器で上金型131のキャビティ面と下金型132のキャビティ面との間に存在する溶融樹脂85をプレスし、閉じられたキャビティ間で形成される閉空間の形状に樹脂の形状を整える(プレス工程);
(d) 溶融樹脂85の冷却に伴う収縮を補償するためにプレス力を印加したまま、所望の温度になるまで熱可塑性樹脂を冷却し固化させる(固化工程);
(e) 固化工程終了後、前記上金型131と下金型132とを、嵌合している範囲で微量開く(型緩め工程);
(f) 前記上金型131のキャビティ面と成形体との間、または下金型132のキャビティ面と成形体との間のいずれか一方で、金型に搭載された剥離手段(図示せず)によって、キャビティ面と成形体とを剥離させる(第一の剥離工程);
(g) 前記(f)工程とは逆の剥離面で、金型に搭載された剥離手段によって、キャビティ面と成形体とを剥離させる(第二の剥離工程);
(h) 成形体を取り出せる程度まで金型を開く(型開き工程);および
(i) 成形体を金型外に取り出す(成形体取り出し工程)。
前記(a)工程において、下金型のキャビティ面の温度の、「塗布工程で吐出される熱可塑性樹脂が前記微細な凹凸部に粘着する温度」は、成形型81の表面性状(表面粗さなど)、材質(材質、離型剤処理の有無など)、樹脂の種類や温度、吐出部の先端リップ部84の移動速度(塗布速度)などに鑑みて決定される。
前記(b)工程において、一般的に溶融樹脂85は、例えば液状の紫外線硬化型樹脂とは異なり、溶融状態であっても一定の粘度を有しているため(例えば1000Pa.s以上)、成形体の最終形状にほぼ近い形状にまで塗布を行うことができる。なお、図7の形態では、吐出部の先端リップ部84から樹脂を1回塗布するものであるが、本発明はこれに限定されず吐出部の先端リップ部84を複数回往復させながら、塗布を行ってもよい。
前記(c)工程において、プレス圧力は、10MPa以下であることができる。したがって、加力発生器が小さくても、大面積製品を製造することができる。また、装置の小型化、省スペース化、省エネルギー化、低コスト化に繋がる。また、プレス時にキャビティ内の樹脂が殆ど流動しないため、プレス工程においても樹脂の流動に伴う高分子鎖の配向など、光学的歪みや反りの原因となる現象を生じにくい。さらに、本プレス工程および先の塗布工程において、高粘度となった熱可塑性樹脂を無理矢理流動させることがない。この結果、従来技術の射出成形法などに比べて低残留応力、低複屈折、高光透過性などの光学特性に優れ、反りなどがない高い寸法精度を有する成形体を得ることができる。さらに、成形型81上のスタンパ83の微細な凹凸部が破壊されにくく、長寿命化につながる。さらにまた、強大なプレス力を必要としないので、圧力に耐性のないセレン化亜鉛(ZnSe)やシリコン(Si)などからなる金型を使用することができる。
なお、プレスする直前に、塗布された樹脂の上に加熱板を挿入し、樹脂の上面を加熱することで一時的に粘度を下げてプレスすれば、より低圧で成形体の形状を整えることができる。加熱板は、ハロゲンランプなどの赤外線ランプが設置されたものでもよいし、一般的な電熱ヒータなどで加熱された板(板からのふく射伝熱で樹脂を加熱)でもよい。さらには、上金型のキャビティ面が樹脂に接する直前で一時停止させ、上金型のキャビティ面からの放射熱で樹脂上面の温度が上昇するのを待ってからプレスしてもよい。これらの加熱手段例は、いずれもふく射伝熱であるため真空中でも熱が伝わる。よって、下記の減圧・真空工程を行っても、無駄なく加熱を行うことができる。
なお、上下金型の少なくともいずれか一方を移動させることで金型を開閉させることと型締め・プレスが可能な精密加力発生器は、例えば竪型プレス機などで実現される。
後述する減圧・真空工程では、金型の位置を正確に検出して、上金型キャビティ面と溶融樹脂上面との間に微小間隙を有する状態で型閉じ動作を一時停止する機能を有することが好ましい。また、固化工程では、成形体の体積収縮を補償するために精度よく圧力を設定値に追従させつつ、成形体の体積収縮に対応する量だけ金型を閉じていける(精度の高い圧力制御)ことが好ましい。さらに、下記の型緩め工程では、成形体の厚みよりも小さなストロークだけわずかに金型を開く必要がある。これらより、金型を移動させる際の位置決め精度、速度制御精度および型締時(プレス時)の圧力制御精度には比較的高い精度が要求される。よって、駆動系としてサーボモータとボールネジとを組合わせた方法などの精度を確保しやすい機構を用いた加力発生器の方が好ましい。
前記(c)工程においては、上金型131と下金型132とを嵌合させ、上金型131のキャビティ面と熱可塑性樹脂上面との間に微小間隙を有する状態で、前記微小間隙内の空気を吸引し、減圧または略真空状態とした後に、上金型131のキャビティ面と熱可塑性樹脂上面とを接触させ、プレス力を印加するのがさらに好ましい。このようにすれば、溶融した熱可塑性樹脂とキャビティとの間の空気が排除され、空気の巻き込み・封じ込みによる転写不良を回避できる。
空気吸引口は、キャビティ面に特別に設けてもよいが、例えば機械式エジェクタを有する金型であれば、エジェクタが摺動するために生じるキャビティの間隙から吸引することも可能である。吸引手段は公知の真空ポンプなどを用いればよい。この減圧・真空工程は、上下金型のキャビティが雄雌形状を有し、型閉じ工程で上下金型を嵌合させたとき、雌側キャビティに雄側キャビティが微量入り込み、閉空間を形成する金型である場合により効率よく行える。減圧、略真空とするタイミングは、前記閉空間を形成後、上金型キャビティ面と樹脂上面との間に微小間隙を有している間が好ましい。キャビティ面と樹脂とが接触して空気を閉じこめた後では、閉じこめられた範囲に吸引口がない場合、吸引の効果を得られないためである。減圧・真空工程の動作を適正なタイミングで行うために、例えば加力発生器から金型位置の情報を得て、所望の位置に達したら吸引手段を起動させ、上金型キャビティ面が樹脂上面に完全に接触した位置で吸引手段を停止すればよい。また、吸引手段の起動→型閉じを停止→タイマなどで管理して一定時間吸引→型閉じ再開といった動作を行ってもよいし、キャビティ内の圧力を検出する手段を設け、吸引動作後、所望の圧力まで減圧された時点で型閉じを再開するなど、様々な形態の実施が可能である。
前記工程(d)において、所望の温度になるまでプレス力を印加したままで成形体を冷却するので、樹脂の体積収縮にともなうヒケなどの不良発生を防止し、寸法精度の高い高品位な成形体を得ることができる。
前記工程(e)において、金型の開き量は、大きくても上下金型が嵌合状態を維持できる程度であって、好ましくは、微細な凹凸部の深さ(または高さ)以上の少ない開き量である。例えば微細な凹凸部のの深さまたは(高さ)が50μmであれば、50μm以上開き、微細な凹凸部から成形体が抜ければよい。
前記工程(f)〜(i)において、金型に搭載された剥離手段としては、金型に搭載された機械式エジェクタやエアブロー機構が挙げられ、これによって成形体全面をキャビティ面から剥離することができる。機械的エジェクタの押し力や、流体吐出口から吐出した流体に加わる吐出圧によって、成形体とキャビティ面との間に微量の剥離部が形成されると、そこに流体が入り込み、吐出圧が伝播して次の剥離を促進し、剥離部を徐々に拡大させていく。この現象が連続的に起きることで成形体全面がキャビティ面から剥離する。前記の中でも、より好ましくは、公知のエアブロー機構、すなわち、空気などの流体を吐出するための吐出口をキャビティ面(好ましくは成形体中央)に設け、該吐出口から流体を吐出させる機構を設けることが好ましい。機械式エジェクタ方式では、局所的な部分しか押す(剥離力を作用させる)ことができないため、成形体の厚みが薄くなると、剥離を生じさせる前に成形体が破れる・壊れるなどの問題が生じる。上記のように圧力が印加された気体を剥離部に送り込む方法なら、剥離部全体に圧力が作用して、均等に剥離力を発生させることができるため、薄い成形体の剥離が容易となる。続いて、成形体を取り出せる程度まで金型を開き、成形体を金型外に取り出すことができる。
本発明によれば、厚さが50μm〜5mmの範囲であり、成形体の辺長が厚さの1000倍を超える薄肉大面積の成形体を得ることができる。
また、スタンパ83に設けられる微細凹凸形状は、フォトリソグラフィ法、電気鋳造法、イオンエッチング法などの半導体プロセスを利用して形成することができる。スタンパの材質は、ニッケル(またはニッケル合金)、シリコン、ガラスなどが挙げられ、このような材料のみで形成されてもよいし、例えば数十μm〜数mmの厚さを有する板状母材(シリコン基板)上にニッケルで微細凹凸を形成するなどしてもよい。なお本発明では、スタンパを使用せずに、下金型本体のキャビティ面に直接微細凹凸形状を形成してもよい。凹凸部の断面形状は、矩形を基本とするが、テーパー(台形)型、三角型、半円型、半楕円型などでもよい。
上下金型のキャビティ面を加熱・冷却する手段は様々な方法がある。
加熱手段としては、例えば下記のような方法である。
(1)温調された水(湯)や油などの熱媒体を、金型に設けられた該媒体の流路に流通させ
て加熱する方法。
(2)プレートヒータ、カートリッジヒータなどの電熱ヒータを金型に装着して加熱する
方法。
(3)ハロゲンランプ、遠赤外線ヒータなど、赤外線を放射する装置によって、赤外線を
金型キャビティ表面に照射して加熱する方法。
(4)誘導加熱する方法。
(5)キャビティ本体を電気絶縁体として、キャビティ本体表面に薄い導電性膜を形成し、導電性膜に通電することで、導電性膜を発熱させる方法。
次に、冷却手段としては、例えば下記のような方法である。
(1)金型に設けられた媒体の流路に温調水を流通させて冷却する方法。
(2)金型に設けられた管路に空気を流通させて冷却する方法。
(3)キャビティ表面に空気や揮発性(キャビティ表面で液体から気体に相変化する)の液体と気体とを混合したミストを吹き付けて冷却する方法。
(4)ヒートパイプにより、金型内の熱を金型外に輸送・放出することで冷却する方法。
(5)ペルチェ素子などの電気的冷却器によって、金型内またはキャビティ表面の熱を奪って冷却する方法。
上記の加熱・冷却手段を適宜組み合わせて用いれば良い。
なお、前記は流入した溶融樹脂を一旦貯留した後規定量で送出する貯留シリンダを用いる形態を例示したが、本発明はこれに制限されず、例えば図5で示した射出機能を有するシリンダを樹脂送出部として用いた装置、あるいは図6で示した熱可塑性樹脂を溶融する機能および規定量で溶融樹脂を射出する射出機能を有する樹脂送出部として用いた装置であってもよい。
また、樹脂溶融部、樹脂送出部、上下金型などの温度制御;樹脂溶融部および樹脂送出部におけるスクリュ、ピストン等の回転および前後動制御;樹脂溶融部および樹脂送出部間の連結流路に設けられたバルブのバルブの開閉制御;吐出部を所望の位置に所望の速度で動かす動作の制御;金型の鉛直方向の上下動の制御などは、各々図示されていない制御装置によって行われる。
本発明により得られる成形体は、超微細加工、高い寸法精度、低残留応力、低複屈折、高光透過性、優れた機械的強度を有する成形体を、超低圧の成形プロセスであっても、三次元、薄肉、かつ大面積の形状でもって提供可能であり、例えば、 (a)マイクロレンズアレイ、液晶用導光板、フレキシブルディスプレイ基板、波長板、反射板、位相差板、自由曲面ミラー、LED発光パネル、フレネルレンズなどの電子ディスプレイ分野の基幹部品、(b)フレキシブルポリマー製光導波路、自由曲面回折格子、二次元イメージセンサアレイ、ピックアップレンズ、ホログラム、フレキシブル導波路型照明板などの光情報通信分野の基幹部品、(c)次世代DVD(ブルーレイディスク)、ブルーレイディスクのカバー層、DVD、CD、超薄肉ICカードなどの光記録媒体分野の基幹部品、(d)集積化学チップ、DNAチップ、バイオチップ、プロテインチップ、マイクロ流体デバイス、環境分析チップなどライフサイエンス分野の基幹部品、(e)燃料電池セパレータ、携帯電話超薄肉バッテリーケース、太陽光集光フレネルレンズなど新エネルギー分野の基幹部品、等に好適に用いることができる。
本発明の製造装置を説明するための模式的断面図である。 本発明に使用される貯留シリンダを説明するための模式的断面図である。 本発明に使用される貯留シリンダにおいて、ピストンが後退した形態を説明するための図である。 樹脂溶融部および貯留シリンダ間の連結流路にバルブを設けた形態を説明するための製造装置の模式的断面図である。 射出機能を有するシリンダを樹脂送出部として用いた本発明の製造装置の別の形態を説明するための模式的断面図である。 本発明の別の形態の製造装置を説明するための模式的断面図である。 溶融樹脂を吐出部を用いて被塗布面に上方から塗布する工程を説明するための図である。 (a),(b)ともに、高剛性ガイドに支持されながら移動する吐出部から溶融樹脂を塗布する工程を説明するための図である。 下金型を鉛直方向に移動させる手段の一例を説明するための図である。 下金型を鉛直方向に移動させる手段の別の例を説明するための図である。 下金型を鉛直方向に移動させる手段の別の例を説明するための図である。
符号の説明
1,2,3 本発明の製造装置
10 樹脂溶融部
11,21 樹脂送出部
12 吐出部
14 連結流路
15 バルブ
81 成形型
83 スタンパ
84 吐出部の先端リップ部
85 溶融した熱可塑性樹脂
86 成形体
91,92,911 高剛性ガイド
950 ベッド
100 プレス型盤
101 シリンダ
102,211,1111 スクリュ
103 スクリュ回転機構
110 貯留シリンダ
111,1101 シリンダ
1102 ピストン
1103 ピストン駆動手段
1104 間隙部
1106 逆流防止部
131 上金型
132 下金型
1001 上下動ステージ

Claims (14)

  1. 熱可塑性樹脂を溶融し輸送する樹脂溶融部と、前記樹脂溶融部に連結されているとともに、流入した溶融樹脂を規定量で送出する樹脂送出部と、前記樹脂送出部から送出された溶融樹脂を被塗布面に上方から塗布する吐出部と、前記吐出部を支持する高剛性ガイドと、対向して配置される一対の金型とを備え、
    前記樹脂送出部は、流入した溶融樹脂を一旦貯留した後規定量で送出する貯留シリンダであり、
    前記貯留シリンダは、溶融樹脂を貯留するシリンダと、前記シリンダ内に設けられるとともに前記溶融樹脂を規定量で押し出し送出するピストンとを有し、前記シリンダとピストンとの間には、前記溶融樹脂が通過可能な間隙部が設けられ、
    前記溶融樹脂の被塗布面が、前記一対の金型における下金型の少なくとも1部であり、 前記吐出部の先端リップ部を前記下金型の被塗布面の形状に沿って移動させながら、前記下金型の被塗布面に前記溶融樹脂を、最終製品にほぼ近い形状および厚さに塗布し、
    ここで、前記吐出部は、前記溶融樹脂の塗布の反作用によって上下方向に撓まないよう
    に、高剛性ガイドに支持されながら移動して前記溶融樹脂の塗布を行い、
    その後、両金型の加圧によって成形体を得る成形体の製造装置であって、
    前記樹脂溶融部および樹脂送出部間の連結流路に、前記連結流路を開閉するバルブを設け、かつ
    前記溶融樹脂を塗布する前記吐出部の先端部と前記下金型の被塗布面との距離を調節できるように、前記下金型の被塗布面を鉛直方向に移動させる移動手段をさらに設けてなることを特徴とする成形体の製造装置。
  2. 前記製造装置は、厚さが50μm〜5mmの範囲である成形体を製造するために用いられることを特徴とする請求項1に記載の成形体の製造装置。
  3. 前記貯留シリンダが、溶融樹脂を貯留するシリンダと、前記シリンダ内に設けられるとともに前記溶融樹脂を規定量で押し出し送出するピストンと、前記ピストンを前後進させるピストン駆動手段とを有し、前記シリンダとピストンとの間には、前記溶融樹脂が通過可能な間隙部が設けられ、前記樹脂溶融部からの溶融樹脂の流入とともに前記ピストン駆動手段によって前記ピストンを後進させ、所定量の溶融樹脂を前記シリンダの先端部から徐々に貯留させた後、前記ピストンを前進させて規定量の溶融樹脂が送出されるように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の成形体の製造装置。
  4. 前記貯留シリンダが、溶融樹脂を貯留するシリンダと、前記シリンダ内に設けられるとともに前記溶融樹脂を規定量で押し出し送出するピストンと、前記ピストンを前後進させるピストン駆動手段とを有し、前記シリンダとピストンとの間には、前記溶融樹脂が通過可能な間隙部が設けられ、所定量の溶融樹脂を貯留できる場所まで前記ピストン駆動手段によって前記ピストンを後進させ、続いて前記樹脂溶融部から溶融樹脂を流入させて前記貯留シリンダ内に所定量の溶融樹脂を前記シリンダの先端部から徐々に貯留させた後、前記ピストンを前進させて規定量の溶融樹脂が送出されるように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の成形体の製造装置。
  5. 前記吐出部の両側が、前記溶融樹脂の塗布方向に沿って設けられた少なくとも2本の高剛性ガイドによって支持され、かつ前記高剛性ガイドが、前記溶融樹脂の塗布方向の上流側および下流側にそれぞれ設けられた2箇所以上の高剛性ガイド用支持部材によって固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成形体の製造装置。
  6. 前記製造装置が、前記樹脂溶融部、樹脂送出部、吐出部および金型と、これらを搭載するベッドとを有し、前記吐出部が、吐出部用支持部材を介して、前記溶融樹脂の塗布方向に沿って設けられた少なくとも1本の高剛性ガイドによって支持され、かつ前記高剛性ガイドが、前記ベッドに固定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成形体の製造装置。
  7. 前記移動手段が、前記下金型を載置するとともに前記両金型の加圧するためのプレス型盤であり、前記プレス型盤の上下動によって前記吐出部の先端部と前記下金型の被塗布面との距離が調節されることを特徴とする請求項記載の成形体の製造装置。
  8. 前記移動手段が、前記下金型を載置するとともに前記両金型の加圧するためのプレス型盤と、前記下金型との間に設けられた上下動ステージであり、前記上下動ステージの上下動によって前記吐出部の先端部と前記下金型の被塗布面との距離が調節されることを特徴とする請求項に記載の成形体の製造装置。
  9. 下金型上に成形型を載置し、前記成形型を前記被塗布面とし、前記下金型と前記成形型を分離可能に構成し、前記成形型のみを上下動させ、前記吐出部の先端部と前記下金型の被塗布面との距離が調節されることを特徴とする請求項に記載の成形体の製造装置。
  10. 下記の成形体の製造装置を用いて成形体を製造する方法であって、(1)前記一対の金型の少なくとも一方を昇温する工程と、(2)前記樹脂溶融部において熱可塑性樹脂を溶融する工程と、(3)得られた溶融樹脂を樹脂送出部に流入させ、貯留させる工程と、(4)前記樹脂送出部に貯留した溶融樹脂を規定量で送出する工程と、(5)前記吐出部の先端リップ部を前記下金型の被塗布面の形状に沿って移動させながら、前記下金型の被塗布面に前記送出した溶融樹脂を、最終製品にほぼ近い形状および厚さに塗布する工程と、(6)前記塗布された樹脂をプレスして樹脂の形状を整えながら冷却し固化させる工程とを有し、
    前記樹脂送出部は、流入した溶融樹脂を一旦貯留した後規定量で送出する貯留シリンダであり、前記貯留シリンダは、溶融樹脂を貯留するシリンダと、前記シリンダ内に設けられるとともに前記溶融樹脂を規定量で押し出し送出するピストンとを有し、前記シリンダとピストンとの間には、前記溶融樹脂が通過可能な間隙部が設けられ、
    前記吐出部は、前記溶融樹脂の塗布の反作用によって上下方向に撓まないように、高剛性ガイドに支持されながら移動して前記溶融樹脂の塗布を行うことを特徴とする成形体の製造方法。
    製造装置:
    熱可塑性樹脂を溶融し輸送する樹脂溶融部と、前記樹脂溶融部に連結されているとともに、流入した溶融樹脂を規定量で送出する樹脂送出部と、前記樹脂送出部から送出された溶融樹脂を被塗布面に上方から塗布する吐出部と、前記吐出部を支持する高剛性ガイドと、対向して配置される一対の金型とを備え、
    前記樹脂送出部は、流入した溶融樹脂を一旦貯留した後規定量で送出する貯留シリンダであり、
    前記貯留シリンダは、溶融樹脂を貯留するシリンダと、前記シリンダ内に設けられるとともに前記溶融樹脂を規定量で押し出し送出するピストンとを有し、前記シリンダとピストンとの間には、前記溶融樹脂が通過可能な間隙部が設けられ、
    前記溶融樹脂の被塗布面が、前記一対の金型における下金型の少なくとも1部であり、 前記吐出部の先端リップ部を前記下金型の被塗布面の形状に沿って移動させながら、前記下金型の被塗布面に前記溶融樹脂を、最終製品にほぼ近い形状および厚さに塗布し、
    ここで、前記吐出部は、前記溶融樹脂の塗布の反作用によって上下方向に撓まないよう
    に、高剛性ガイドに支持されながら移動して前記溶融樹脂の塗布を行い、
    その後、両金型の加圧によって成形体を得ることを特徴とする成形体の製造装置。
  11. 前記貯留シリンダが、溶融樹脂を貯留するシリンダと、前記シリンダ内に設けられるとともに前記溶融樹脂を規定量で押し出し送出するピストンと、前記ピストンを前後進させるピストン駆動手段とを有し、前記シリンダとピストンとの間には、前記溶融樹脂が通過可能な間隙部が設けられ、前記(3)工程において、前記樹脂溶融部からの溶融樹脂の流入とともに前記ピストン駆動手段によって前記ピストンを後進させ、所定量の溶融樹脂を前記シリンダの先端部から徐々に貯留させた後、前記(4)工程において、前記ピストンを前進させて規定量の溶融樹脂を送出することを特徴とする請求項10に記載の成形体の製造方法。
  12. 前記貯留シリンダが、溶融樹脂を貯留するシリンダと、前記シリンダ内に設けられるとともに前記溶融樹脂を規定量で押し出し送出するピストンと、前記ピストンを前後進させるピストン駆動手段とを有し、前記シリンダとピストンとの間には、前記溶融樹脂が通過可能な間隙部が設けられ、前記(3)工程において、所定量の溶融樹脂を貯留できる場所まで前記ピストン駆動手段によって前記ピストンを後進させ、続いて前記樹脂溶融部から溶融樹脂を流入させて前記貯留シリンダ内に所定量の溶融樹脂を前記シリンダの先端部から徐々に貯留させた後、前記(4)工程において、前記ピストンを前進させて規定量の溶融樹脂が送出されるように構成したことを特徴とする請求項10に記載の成形体の製造方法。
  13. 前記樹脂溶融部および樹脂送出部間の連結流路に、前記連結流路を開閉するバルブを設け、前記(3)工程において、前記溶融樹脂の貯留が完了した時点で前記バルブを閉じることを特徴とする請求項11〜12のいずれかに記載の成形体の製造方法。
  14. 前記(5)工程において、被塗布面に塗布した溶融樹脂の厚みが50μm〜5mmであることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の成形体の製造方法。
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