JPH05116184A

JPH05116184A - 射出成形金型ノズル

Info

Publication number: JPH05116184A
Application number: JP27991691A
Authority: JP
Inventors: Mitsuru Takanuma; 満高沼; Yasushi Kameyama; 裕史亀山
Original assignee: Sony Corp
Current assignee: Sony Corp
Priority date: 1991-10-25
Filing date: 1991-10-25
Publication date: 1993-05-14

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】マニホールドや外部ヒータからの熱をトーピー
ドに良好に伝導させながら、従来技術でトーピードとハ
ウジングとの間に形成されたクリアランスを無くす。【構成】トーピード１００をハウジング２００の材質の
熱膨張係数よりも高い熱膨張係数の材質で構成し、両者
間に生じる間隙を、前記トーピード１００を流れる樹脂
の圧力と共に、樹脂熱による前記トーピード１００の大
なる熱膨張により塞ぐようにした。【効果】従来技術で存在したクリアランスが無くなり、
これまでそこに滞留し、劣化した樹脂が成形品に混入す
ることが無くなったばかりか、そのクリーニングをする
必要が無くなり、成形型の稼働率等が向上した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば、磁気テープ
用のカセットハーフ等のようなプラスチック成形品を成
形する金型のホットランナー方式の射出成形金型ノズル
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のホットランナー方式の射出成形金
型ノズルを図２及び図３を用いて説明する。図２は従来
のホットランナー方式の射出成形金型ノズルの断面図で
あり、図３は図２の一部拡大断面図である。

【０００３】図２において、符号１はトーピードで、こ
のトーピード１はハウジング２の内部中心に形成された
雌ネジ３にねじ込んでハウジング２と一体化され、マニ
ホールドボックス４でマニホールド５に固定されてい
る。そして受け板６がマニホールドボックス４に固定さ
れ、更にこの受け板６に、キャビティ面７を有する型板
８が固定されている。これらのトーピード１及びハウジ
ング２は中空の円筒形で、同心円的に構成されている。
符号９は断面が円形の湯道で、これはマニホールド５、
ハウジング２及びトーピード１を通して形成されてい
る。前記トーピード１がねじ込まれている部分周辺のハ
ウジング２の外周部分には外部ヒータ１０が装着されて
いて、トーピード１を加熱する。符号１１はハウジング
２の前記外部ヒータ１０より先の先端部に形成したセン
サー取付穴で、トーピード１の加熱状態を検知し、前記
外部ヒータ１０の温度を制御するための熱電対（図示し
ていない）が取り付けられる。トーピード１の最先端の
中心部に対応する型板８のキャビティ面７にはゲート１
２が形成されている。このゲート１２を中心に型板８の
裏面には、トーピード１の先端部１３の形状に沿った窪
み１４が形成されていて、この窪み１４と前記トーピー
ド１の先端部分１３とで空間部分１５を形成している。
符号１６はマニホールドボックス４、受け板６及び型板
８の冷却用配管を指す。

【０００４】従来の射出成形金型ノズルは以上のような
構成になっているが、前記センサー取付穴１１近傍のト
ーピード１とハウジング２の構成を詳しく見ると図３に
示したような構成になっている。即ち、トーピード１と
ハウジング２との間に約０．２ｍｍ程度のクリアランス
１７が形成されるように構成されている。このクリアラ
ンス１７を設けた理由は、このクリアランス１７に断熱
効果を持たせて、トーピード１の熱をハウジング２及び
型板８に逃がさないようにしている。つまり、このクリ
アランス１７が無いと、トーピード１の熱損失が大きく
なり、この湯道９を流れる樹脂の温度が下がって良好な
成形ができなくなる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】所が、前記のようなク
リアランス１７があると、前記空間部分１５（図２）を
流れる正常な品質の樹脂がこのクリアランス１７の部分
に浸透し、滞留する。滞留した樹脂は時間が経つにつ
れ、熱により劣化（カーボン化）する。この劣化した樹
脂は、物品の射出成形時に、ノズルから射出された正常
な品質の樹脂に誘発されて、その正常な品質の樹脂に混
じり、成形品に添加されてしまう。その劣化した樹脂が
添加された成形品は、特に透明樹脂で成形された部分に
おいては、その劣化した樹脂が黒色、茶色に変化するた
め、外観上、異色の成形品になってしまう。また、着色
樹脂で成形された部分においても、やはり、劣化した樹
脂が変色してしまうため、外観上色むらが生じたように
なる。そしてこの変色部分は、樹脂が劣化しているた
め、成形品は品質的に不良となる。この発明は、このよ
うな欠点を解決しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】それ故、この発明は、ホ
ットランナー方式の射出成形金型におけるトーピード
を、そのトーピードを保持するハウジングの材質の熱膨
張係数より大なる熱膨張係数の材質で構成し、両者間で
生じる間隙を、トーピード内を流れる樹脂の圧力と共
に、樹脂熱による前記トーピードの大なる熱膨張により
塞ぐようにして、前記欠点を解決した。

【０００７】

【作用】従って、トーピードとハウジングとは一時的に
一種の焼きばめ状態になり、両者間の周面は面密着でシ
ールされた状態になる。従って、前記クリアランスが無
くなる。

【０００８】

【実施例】以下、この発明の実施例を図１を用いて説明
する。図１はこの発明のホットランナー方式の射出成形
金型ノズルの断面図である。なお、図２に示した従来の
射出成形金型ノズルと同一の構成部分には同一の符号を
付し、その構成部分の説明は省略する。

【０００９】図１において、符号１００はトーピード
を、符号２００はハウジング２００を指し、これらはこ
の発明の主構成要素である。中心に湯道９を形成した円
筒状のトーピード１００の先端部分１３は、従来技術と
同様に、型板８の裏面に形成された窪み１４内に位置
し、両者間で空間部分１５を形成するように配置する。
また、この窪み１４内に入っている先端部分１３の管壁
は他の部分の管壁よりも肉薄に形成されている。即ち、
この先端部分１３の外周部に段部１０１を形成して肉薄
にしている。このトーピード１００の後端部分１０２は
鍔状に広げて円板１０３に形成し、この円板１０３がマ
ニホールド５に広範囲な面で接触するように構成してい
る。このトーピード１００は、後述のハウジング２００
の材料の熱膨張係数よりも大なる熱膨張係数を有する材
料で構成する。この実施例ではベリリュームカッパー
（ＢｅＣｕ）を用いた。その熱膨張係数は０．００００
１７である。

【００１０】次に、円筒状のハウジング２００は、その
先端部分２０１に、前記トーピード１００の先端部分１
３をその段部１０１まで嵌め込む貫通孔２０２があけら
れており、また後端部分２０３は、前記円板１０３の直
径よりも大なる円板状の基部２０４に形成されている。
この基部２０４は断面がＩ字状にも形成されていて、マ
ニホールド５に接触する面には、前記トーピード１００
の円板１０３を丁度嵌め込める大きさの円形凹部２０５
が形成されている。この円形凹部２０５は、その外周内
面に、更に環状溝２０６が形成され、前記トーピード１
００の円板１０３のマニホールド５と接触しない面の外
周面との間に空間２０７を形成し、また円形凹部２０５
の外周部分がマニホールド５とマニホールドボックス４
とに接触するように形成されている。更にまた、ハウジ
ング２００の外部ヒータ１０が巻装される円筒部の内径
はトーピード１００を嵌着できるよう、トーピード１０
０の外径とほぼ同一の寸法でであり、それ以外のマニホ
ールド５側の円筒部の内径はトーピード１００の外径よ
りもやや大きい外径になっていて、トーピード１００の
外周部分とハウジング２００の基部２０４の内周面との
間に空間２０８が形成される構造になっている。このハ
ウジング２００の材料として鉄系のものを使用する。こ
の実施例ではＮＡＫ材を用いた。このＮＡＫ材の熱膨張
係数は０．００００１２である。

【００１１】以上のようなトーピード１００とハウジン
グ２００の構成により物品の射出成形を行うと、外部ヒ
ータ１０による熱と、マニホールド５からの熱と、そし
て湯道９で導かれた溶融した樹脂の熱とがトーピード１
００に伝導し、トーピード１００の直径方向の熱膨張と
その内部を流れる樹脂の圧力により、トーピード１００
の先端部分１３の段部１０１はハウジング２００の先端
部分２０１より大きく熱膨張し、その段部１０１と先端
部分２０１とが一時的に一種の焼きばめ状態になり、両
者が面密着してシールされた状態になる。従って、両者
間に図２で示したようなクリアランス１７が存在しない
ので、樹脂は滞留せず、劣化した樹脂が生成することが
ない。

【００１２】また、外部ヒータ１０部分のトーピード１
００の外周部分は、樹脂の圧力及び樹脂の熱による熱膨
張によりハウジング２００の内周面に面で密着するた
め、外部ヒータ１０の熱を効率よくトーピード１００に
伝導できる。

【００１３】更にまた、前記空間２０８を設けたことに
より、トーピード１００の熱がハウジング２００の基部
２０４を通じてマニホールド５及びマニホールドボック
ス４の方へ逃げるのを防ぐ役割をしていて、従って、マ
ニホールド５からの予熱と外部ヒータ１０からの熱とで
加熱されたトーピード１００の温度を均一化し、そして
安定化する。

【００１４】更にまた、マニホールドボックス４の鍔状
の円板１０３はその面積が大であるのでマニホールド５
の熱をトーピード１００に有効に伝導することができる
が、より一層有効に伝導するために前記空間２０７が設
けられている。この空間２０７の存在により、円板１０
３の外周面から逃げようとする熱は阻止される。

【００１５】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明の射出成形金型ノズルは、従来技術に見られたような
クリアランス１７を設けていないので、樹脂の滞留は無
く、従って、樹脂の劣化で生じた成形品の品質上の問題
点が解決できた。そしてクリアランス１７が無くても、
空間２０７及び空間２０８を設け、更にトーピード１０
０の後端部分１０２である基部２０４を円板１０３に構
成したので、トーピード１００から熱が逃げ出すのを防
いでいるばかりか、マニホールド５からトーピード１０
０への熱伝導を良くし、更にまた、トーピード１００の
先端部分１３の段部１０１と外部ヒータ１０部分のハウ
ジング２００との密着を良くしたので、外部ヒータ１０
の熱をトーピード１００に良好に伝導することができ
た。そのため成形品の成形性が向上した。また、クリア
ランス１７が無いので、従来技術のように、クリアラン
ス１７に滞留し、劣化した樹脂のクリーニング作業が無
くなり、射出成形型の稼働率が大幅に向上した。更にま
た、構造が簡素化されたので、射出成形型の組立時間を
短縮することができ、またその型の寸法出しも向上させ
ることができた。その他、これまで劣化した樹脂の生成
により使用できなかった射出成形金型も、この発明の技
術思想を応用することにより使用可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のホットランナー方式の射出成形金型
ノズルの断面図である。

【図２】従来のホットランナー方式の射出成形金型ノズ
ルの断面図である。

【図３】図２の一部拡大断面図である。

【符号の説明】

４マニホールドボックス５マニホールド６受け板７キャビティ面８型板９湯道１０外部ヒータ１２ゲート１３先端部分１４窪み１５空間部分１００トーピード１０１段部１０２後端部分１０３円板２００ハウジング２０１先端部分２０２貫通孔２０３後端部分２０４基部２０５円形凹部２０６環状溝２０７空間２０８空間

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ホットランナー方式の射出成形金型におけ
るトーピードを、該トーピードを保持するハウジングの
材質の熱膨張係数より大なる熱膨張係数の材質で構成
し、両者間で生じる間隙を、前記トーピード内を流れる
樹脂の圧力と共に、樹脂熱による前記トーピードの大な
る熱膨張により塞ぐことを特徴とする射出成形金型ノズ
ル。
【請求項２】トーピードとハウジングとが面密着する部
分の前記ハウジングの外周面に外部ヒータを装着したこ
とを特徴とする請求項１に記載の射出成形金型ノズル。
【請求項３】ホットランナー方式の射出成形金型におけ
るトーピードの先端部が型板に、その基部がマニホール
ドまで延長しており、該基部の部分で該トーピードとこ
れを保持するハウジングとの間に空間部を形成し、そし
て該先端部と該空間部との間の該ハウジングの外周面に
外部ヒータを装着し、前記トーピードが該外部ヒータに
よる熱と前記マニホールドからの予熱とで加熱された
時、前記空間部により前記トーピードの温度の均一化と
安定化を計るようにしたことを特徴とする射出成形金型
ノズル。
【請求項４】ホットランナー方式の射出成形金型におけ
るトーピードの先端部が型板に、その基部がマニホール
ドまで延長しており、そして該基部を鍔状の円板に形成
して、該マニホールドに接触する部分の面積を大にし、
前記マニホールドからの熱を有効利用するように構成し
たことを特徴とする射出成形金型ノズル。
【請求項５】前記鍔状の円板のマニホールドと接触して
いない面の外周部分で、該外周部分と前記ハウジングと
の間に空間部を形成し、前記マニホールドからの熱をト
ーピードに有効に伝導するように構成したことを特徴と
する請求項４に記載の射出成形金型ノズル。