JPH06328537A - 射出成形用ホットランナー金型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】製品を成形するのに関与する部分の表面温度の
均一化が図れ、成形サイクルタイムの短縮化および成形
品の精度の向上が図れる射出成形用ホットランナー金型
を提供すること。 【構成】ゲートを備える射出成形用ホットランナー金型
において、上記ゲート１８に関連して冷却媒体を通すた
めの冷却回路３０が設けられている射出成形用ホットラ
ンナー金型。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、射出成形用ホットラン
ナー金型の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の射出成形用のホットランナーの金
型、たとえばプラスチック射出成形用のホットランナー
の金型の場合には、図６に示すようにゲート１を有して
いる。このゲート１の近くにはヒータ８が設けられてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】通常、製品形状部２の
表面は、溶融樹脂６の熱を奪って固化させて成形品を得
るために、キャビティ３内に水管７を設定してある。

【０００４】しかし、このような構造では、ヒータ８の
熱が、円筒状の部材９の位置決め用の接触部分４からゲ
ート１を介して製品形状部２に伝わるために、製品形状
部２の表面の温度が不均一となりやすく、温度の制御性
が悪い。

【０００５】このために、溶融樹脂６により成形される
成形品の冷却過程での変形が起こり、しかも成形品の冷
却時間が長くなってしまうなどの問題があり、成形品の
精密成形を行えず、成形サイクルタイムの短縮が図れな
い。

【０００６】本発明は上記課題を解消するためになされ
たものであり、製品を成形するのに関与する部分の表面
温度の均一化が図れ、成形サイクルタイムの短縮化およ
び成形品の精度の向上が図れる、射出成形用ホットラン
ナー金型を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明にあ
っては、ゲートを備える射出成形用ホットランナー金型
において、上記ゲートに関連して冷却媒体を通すための
冷却回路が設けられている射出成形用ホットランナー金
型により、達成される。

【０００８】本発明においては、好ましくは前記冷却回
路は、キャビティと溝により構成された流路を有してい
る。また、本発明においては、好ましくは前記冷却回路
は並列に形成されている。

【０００９】

【作用】冷却回路を通る冷却媒体により、ゲートとその
付近の温度上昇が抑えられる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基
づいて詳細に説明する。尚、以下に述べる実施例は、本
発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々
の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明
において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、こ
れらの態様に限られるものではない。

【００１１】図１は、本発明の射出成形用ホットランナ
ー金型を示す断面図である。図１において、円筒状部品
１０の周囲にはヒータ１２が設けられている。この円筒
状部品１０は、例えば溶融樹脂２０の溶融状態を保持し
たままでゲート１８まで導くための流路である。

【００１２】製品形状部１４はキャビティ１６により形
成されている。製品形状部１４は、たとえば光磁気ディ
スクのシェルを成形する。このキャビティ１６への入口
はゲート１８である。キャビティ１６には、冷却用の水
管７０が設けられている。

【００１３】上述したようにヒータ１２を円筒状の部品
１０の周りに設けるのは、樹脂２０を溶融状態にして円
筒状の部品１０によりゲート１８まで導くために、円筒
状の部品１０の周囲を、外部加熱方式で加熱するためで
ある。

【００１４】しかし、このヒータ１２がキャビティ１６
とヒータ１２の外側部に熱的な影響を与えないようにす
るために、隙間２２を確保するように設定されている。

【００１５】また、ゲート１８は、キャビティ１６に対
して直接加工するか、または図２に示すようにメンテナ
ンスが容易なようにゲートブッシュ２４を設定すること
により、設ける。このゲートブッシュ２４の材質として
は、熱を伝えにくく、強度が良く、加工性に優れ、しか
も耐腐食性があり、入手し易い材料、好ましくはチタン
合金やＳＵＳ４２０系鋼などである。

【００１６】ゲートブッシュ２４とキャビティ１６の間
には、シール用のＯリング２６が設けられている。ゲー
トブッシュ２４の外周とキャビティ１６の間において冷
却回路３０を備えている。この冷却回路３０は、ゲート
ブッシュ２４の外周に形成された複数本の流路ともいう
溝３２，３４，３６，３８により構成されている。

【００１７】図１と図２に示す実施例では、好ましくは
冷却回路３０は冷却媒体として水を用いる水管回路であ
る。

【００１８】溝３６，３８は、ゲート１８の付近に同心
円状に形成されている。また、溝３２，３４はゲートブ
ッシュ２４の外周囲に円周方向に沿って並べて形成され
ている。溝３２，３４は縦溝３７，３９を介して溝３
６，３８とつながっている。

【００１９】この縦溝３７，３９は、図２に示すゲート
ブッシュ２４の向こう側にも形成されている。これによ
り、たとえば、図３に示すような冷却回路３０の流路を
形成している。

【００２０】図２に示すように、この冷却回路３０に水
を注入する注入口４０と、その水を出す排出口４２は、
キャビティ１６に設けられている。

【００２１】このように、ゲートブッシュ２４の周囲に
冷却回路３０を設けることにより、特にプラスチック射
出成形用のホットランナー金型の場合には、ヒータ１２
の熱が位置決め用の接触部分４８から伝わるために、製
品形状部１４の表面の温度が不均一となりやすい。

【００２２】しかし、本発明の好ましい実施例において
は、ゲートブッシュ２４を利用して、ゲート１８付近に
おけるヒータ１２からの熱の影響を最も受けやすい位置
決め用の接触部分４８において、冷却回路３０を設定し
ているので、次のような利点がある。

【００２３】すなわち、ヒータ１２の熱を接触部分４８
やゲート１８を介して製品形状部１４の表面に伝えにく
く、製品形状部１４の均一な温度分布の確保と温度制御
が容易となる。

【００２４】ところで、図４と図５に示すように、この
冷却回路の流路は、図３に示すような冷却回路３０に限
らない。図４の冷却流路１３０では並列の部分流路６
０，６２，６４，６６を有している。

【００２５】これに対して図５の冷却回路２３０におけ
る流路は１つの流路である。すなわちこれは１回路の流
路の例である。

【００２６】この様に、本発明の実施例においては、ゲ
ートブッシュとヒータとの接触部分を極力少なくして、
しかも空気断熱層を備えている。そして、ゲートブッシ
ュを利用して、ゲート付近のヒータ熱の影響を最も受け
易い箇所近くに、冷却回路を円周状に設定する構造とし
て、ヒータ熱を製品形状部に伝えにくくして、より均一
な温度分布を得ることができることから、その温度制御
が容易となる。従って、成形した製品に反りが発生しに
くく、高精度に成形製品を得ることができる。

【００２７】ところで、本発明は上記実施例に限定され
ない。たとえば、図３に示すような冷却回路の流路は、
特に溝加工に制約がない限り自由な形に設定することが
できる。たとえば、冷却回路の流路は螺旋状に形成する
ようにしても良い。

【００２８】また図１に示す各溝３２，３４，３６，３
８のそれぞれに対して冷却媒体の注入口および取り出し
口を設けるようにしても良い。また冷却媒体は水に限ら
ず、たとえば他の液体もしくは気体の媒体を用いること
もできる。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、製
品を成形するのに関与する部分の表面温度の均一化が図
れ、成形サイクルタイムの短縮化および成形品の精度の
向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の射出成形用ホットランナー金型の好ま
しい実施例を示す斜視図。

【図２】図１における冷却回路を示す分解斜視図。

【図３】図１の射出成形用ホットランナー金型における
冷却回路例を示す図。

【図４】図３に対応して示す冷却回路の他の例を示す
図。

【図５】図３に対応して示す冷却回路のさらに他の例を
示す図。

【図６】従来の射出成形用ホットランナー金型を示す断
面図。

【符号の説明】

１０ 円筒状部品 １２ ヒータ １４ 製品形状部 １６ キャビティ １８ ゲート ２０ 溶融樹脂 ３０ 冷却回路 ３２，３４，３６，３８ 溝（冷却媒体の流路）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ゲートを備える射出成形用ホットランナ
   ー金型において、 上記ゲートに関連して冷却媒体を通すための冷却回路が
   設けられていることを特徴とする、射出成形用ホットラ
   ンナー金型。
2. 【請求項２】 前記冷却回路は、キャビティと溝により
   構成された流路を有している、請求項１に記載の射出成
   形用ホットランナー金型。
3. 【請求項３】 前記冷却回路は並列に形成されている、
   請求項１または請求項２に記載の射出成形用ホットラン
   ナー金型。