JPH07671Y2 - マフラガスケット取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はマフラガスケツトの取付構造に関する。

従来の技術 例えば、携帯用作業機械等で使用される小形汎用内燃機
関は通常そのシリンダ部分をシリンダカバーで覆い、シ
リンダの排気口に連結するマフラをマフラカバーで覆つ
て構成されるが、従来の内燃機関では、断熱の為にシリ
ンダカバーとマフラカバーとの間の仕切り及びマフラカ
バーの下側のクランクケースや燃料タンク等の間の仕切
りをそれぞれ別体のガスケツト等の仕切部材を用いて行
つており、このためこれらのガスケツト等をそれぞれ取
付ける構造が複雑で組付作業が煩雑となり、比較的厳格
な寸法公差をもつた複数の部材を使用しなければならな
い等の不都合があつた。

考案が解決しようとする課題 その対策として、シリンダとマフラの間に一枚の大きな
ガスケツトを挟持せしめ、その自由端部を適宜折り曲げ
る等して仕切部材兼用とすることが行なわれているが、
自由端部が運転時の振動等により、早期に破損し易い。

そこで、本考案はこのような従来の技術の不都合を取除
くと共に、簡単で便利な形のマフラガスケツトの取付構
造を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 本考案によるマフラガスケツトの取付構造は、エンジン
のシリンダを覆うシリンダカバー及びマフラを覆うマフ
ラカバーの間を仕切る上方部分と、前記マフラカバーの
下側を覆う下方部分とを一体的に有するようにマフラガ
スケツトを形成し、該マフラガスケツトの前記上方部分
を前記シリンダ及び前記マフラの間に挟持して保持する
と共に、前記マフラガスケツトの前記下方部分の自由端
側の先端部に係合部を形成し、且つ前記マフラカバーの
下端部には前記係合部を係止せしめる係止部を形成し、
前記係合部及び係止部を互いに係合せしめて前記マフラ
ガスケツトの前記下方部分を保持してなる。

作 用 従つて、一枚のマフラガスケツトがシリンダ及びマフラ
の間の遮熱と冷却風導風との両方の作用をし、且つマフ
ラガスケツトを特別の取付具を用いずに所定の位置に取
付けることができる。

実施例 次に、本考案を図面の実施例に基づいて説明する。

図示した実施例は本考案を刈払機等に搭載される小形汎
用内燃機関に適用したものであり、小形汎用内燃機関１
のシリンダ２はシリンダカバー３によつて覆われてお
り、前記シリンダ２の下部にクランクケース４が配置さ
れている。この実施例では、前記内燃機関１は空冷二サ
イクル形式のものであり、前記シリンダ２内のピストン
５を連接棒６を介してクランクケース４に軸支されたク
ランク軸７に連結し、前記シリンダ２の側部に形成され
た吸気口８をインシユレータ９を介して気化器12へ連結
して混合気の供給を受け、また、前記シリンダ２中の燃
焼ガスは、該シリンダ２の反対側部に形成された排気口
10を通してマフラ11へ排出され、該マフラ11中で排気ガ
スを消音して外部へ排出する。なお、図中25は点火栓で
あり、13は前記気化器12へ空気を供給するエアクリーナ
であり、14は燃料タンクである。

前記マフラ11は、この実施例では前記シリンダカバー３
と一体形に形成されたマフラカバー15によつて覆われて
おり、大きな一枚のマフラガスケツト16が前記シリンダ
２とマフラ11の接続部をシールし、シリンダカバー３と
マフラカバー15の間を仕切つて遮熱するため及びマフラ
11の下側を覆つて前記クランクケース４と燃料タンク14
との間を仕切るために設けられる。前記マフラガスケツ
ト16は、その上方部分17において前記シリンダ２とマフ
ラ11との間に挟持されて保持されると共に、前記上方部
分17の上端部18を前記シリンダカバー３及びマフラカバ
ー15の間に一体形に形成された内部ブラケツト部分19に
当接して保持される。このようにして前記マフラガスケ
ツト16の上方部分17は、前記シリンダ２及びマフラ11の
間を仕切り遮熱するための遮熱仕切板及び冷却風導風板
として作用するように構成される。

更に、前記マフラガスケツト16は、その上方部分17と一
体的に形成された下方部分20を有し、この下方部分20
は，前記上方部分17に対してほぼ直角に外側方へ湾曲し
て前記マフラ11の下側を覆うように延在して配置され
る。そして前記下方部分20の自由端側の先端部21には複
数個の突起部22を係合として一体的に形成しており、一
方、前記マフラカバー15の下端部23には横方向に離間し
て形成された複数個の長穴24を係止部として形成してお
り、前記突起部22を該長穴24へそれぞれ差込んで前記マ
フラガスケツト16の下方部分20をマフラカバー15に保持
する。このようにしてマフラガスケツト16の下方部分20
はマフラ11の下側を覆つて遮熱仕切板及び冷却風導風板
として作用するように構成される。

考案の効果 以上説明した本考案の構成により、本考案は、ボスやボ
ルト等の取付具を用いずにマフラガスケツトを簡単に組
付けることができ、大まかな寸法の安価なマフラガスケ
ツトを使用することができ、マフラガスケツトの振動に
よる破損を防止することができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るマフラガスケツトの取付構造を有
する小形空冷２サイクル内燃機関の断面図であつて、第
２図はマフラガスケツトの下方部分の先端部の取付状態
を示す要部破断図である。 １…エンジン、２…シリンダ、３…シリンダカバー、11
…マフラ、15…マフラカバー、16…マフラガスケツト、
17…マフラガスケツトの上方部分、20…マフラガスケツ
トの下方部分、22…係合部、24…係止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】エンジン（１）のシリンダ（２）を覆うシ
   リンダカバー（３）及びマフラ（11）を覆うマフラカバ
   ー（15）の間を仕切る上方部分（17）と、前記マフラカ
   バーの下側を覆う下方部分（20）とを一体的に有するよ
   うにマフラガスケット（16）を形成し、該マフラガスケ
   ットの前記上方部分を前記シリンダ及び前記マフラの間
   に挟持して保持すると共に、前記マフラガスケットの前
   記下方部分の自由端側の先端部（21）に係合部（22）を
   形成し、且つ前記マフラカバーの下端部（23）には前記
   係合部を係止せしめる係止部（24）を形成し、前記係合
   部及び係止部を互いに係合せしめて前記マフラガスケッ
   トの前記下方部分を保持してなるマフラガスケット取付
   構造。