JPS6332344Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は農作業、土木作業その他各種作業の動
力源として使用される汎用内燃機関に関する。こ
の種の内燃機関は小型・軽量であるばかりでな
く、多様な使用目的に対応できるように、例えば
機関本体部分は共通でも、例えばクランクシヤフ
ト、エアクリーナ、マフラなどは用途に合つたも
のを備え、又使用環境・条件等の相違から生じる
機関各部分の維持手入れが容易であることも必要
である。具体的な定期点検項目としては、潤滑油
の点検・補給・交換、エアクリーナ・点火プラ
グ・燃料タンク・ストレーナ・コンタクトブレー
カ・キヤブレータ・燃焼室等の清掃、及びタペツ
ト・吸排気弁・ピストンリング・シリンダ・点火
時期等の交換調整がある。

本考案は汎用内燃機関において必要な上記の要
件を略満足できる内燃機関を得ることを目的とす
る。

汎用内燃機関において、シリンダを水平よりや
や上に傾けることにより機関全体の高さを低くし
て小型化と使用時の安定を図つたものがある。本
考案も上記シリンダが傾斜している型式で且つ吸
排気弁の配置が頭上弁式の汎用内燃機関を基体と
するもので、図面に示すようにクランクケース１
とシリンダ２は一体に形成され、シリンダ２は水
平よりやや上に傾斜している。そのシリンダ２の
上端面を覆つたシリンダヘツド３の頂面に吸気弁
４と排気弁５を並べて略水平に支持し、又上記シ
リンダヘツド３の頂面に点火プラグ６をシリンダ
傾斜角度と略平行の方向に取付けている。そして
吸排気弁用ロツカアーム７を覆うヘツドカバー８
を、シリンダヘツド３に対し略水平方向に着脱で
きるように備えている。ヘツドカバー８は図に省
略したボルトによつて固着される。

燃料タンク９をクランクケース１とシリンダ２
の上方に配置し、ステー１０（タンク下半面保護
板を兼用している）を介してクランクケース１と
シリンダ２にそれぞれボルト１１で固着して支持
している。

第２図・第３図に示すように、キヤブレータ１
２をシリンダヘツド３の一側に配置してシリンダ
ヘツド３の吸気口３Ａに連設し、シリンダヘツド
３より上でそのキヤブレータ１２の上方にエアク
リーナ１３を配置してキヤブレータ１２と連設し
ている。実施例は、エアクリーナ１３とエルボ形
吸気管１４を一体に形成し、その吸気管１４をエ
アクリーナ取付ステーに兼用している。又その吸
気管１４をキヤブレータ１２に固着するボルト１
５を延長してシリンダヘツド３にねじ込むことに
よりキヤブレータ１２とエアクリーナ１３を共締
め固着しているが、キヤブレータ１２及びエアク
リーナ１３の取付け構造に限定はない。

そしてシリンダヘツド３より上でエアクリーナ
１３と反対側にマフラ１６を配置してシリンダヘ
ツド３の排気口３Ｂに排気管１７を介して連設し
ている。

図中１８はピストン、１９はクランク軸、２０
はカム軸、２１はタペツト、２２はプツシユロツ
ド、２３はフアンカバー、２４はクランクケース
カバーを示す。

上記燃料タンク９とエアクリーナ１３とマフラ
１６の各上面は、略同じ高さにそろつている。又
クランクケース１のクランク軸突出面（クランク
ケースカバー２４の外側面）を含む垂直面と、そ
の反対側のフアンカバー２３の外側面を含む垂直
面との間に、上記燃料タンク９・キヤブレータ１
２・エアクリーナ１３及びマフラ１６を略位置さ
せている。

点火プラグ６の清掃交換の際の着脱を容易にす
るために、第２図に示すようにエアクリーナ１３
とマフラ１６の間を若干空けておくを可とする。

エアクリーナ１３は、油を含浸させたウレタン
フオームを濾過材１３Ａに用い、下面開口１３Ｂ
から吸気する構造である。ヘツドカバー８にブリ
ーザチヤンバ２５が設けられ、そのチヤンバ２５
はチユーブ２６でエアクリーナ１３に連結されて
いる。

従つてクランク室１Ａは通路２７・ロツカアー
ム室８Ａ・ブリーザチヤンバ２５・チユーブ２６
を経てエアクリーナ１３に連通する。２８はブリ
ーザバルブ、２９，３０は油戻し穴である。

本考案汎用内燃機関は上記のように、水平より
やや上に傾いているシリンダ２・シリンダヘツド
３に対し、ヘツドカバー８を略水平方向に着脱で
きるようにしたから、ヘツドカバー８を外すのみ
でタペツト部が現れ、吸排気弁４，５が水平に支
持されているから、タペツト部の間隙は上下方向
を向いていてタペツト調整が容易である。またシ
リンダ２・シリンダヘツド３・ヘツドカバー８を
上記のように配置したことにより、吸排気弁４，
５を始めとしてブリーザバルブ２８・点火プラグ
６・キヤブレータ１２等がシリンダヘツド側の側
面に集中し、それらの部品の調整点検が容易であ
る。 燃料タンク９は、一体に形成されているク
ランクケース１とシリンダ２にのみ支持させたか
ら、他部品例えばシリンダヘツド３、キヤブレー
タ１２等を清掃等のために取外すとき、タンク９
まで外す必要がなくて迅速容易に着脱できる。

キヤブレータ１２及びマフラ１６は、シリンダ
ヘツド３の両側にそれぞれ配置し、エアクリーナ
１３はキヤブレータ１２の上方に配置したから、
それらの部品１２，１３，１６は互いに干渉する
ことなく個々に着脱できて、前記各部の保守点検
作業を容易にする効果がある。

燃料タンク９は前記のようにクランクケース１
と傾斜しているシリンダ２の上方に、エアクリー
ナ１３及びマフラ１６はシリンダヘツド３の上方
にそれぞれ配置して、それらをクランクケース１
のクランク軸突出面を含む垂直面と、その反対側
のフアンカバー２３の外側面を含む垂直面との間
に略収まるように位置させたから、クランクケー
ス１・シリンダ２・シリンダヘツド３・ヘツドカ
バー８の上方に、燃料タンク９・エアクリーナ１
３・マフラ１６を可能な限り大きな容積スペース
を保つて設置することができ、又燃料タンク９・
エアクリーナ１３・マフラ１６の３部品をコンパ
クトに配置できてデザイン的にも良好である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案内燃機関の縦断正面図、第２図
は側面図、第３図は一部横断平面図。 １はクランクケース、２はシリンダ、３はシリ
ンダヘツド、４は吸気弁、５は排気弁、６は点火
プラグ、７はロツカアーム、８はヘツドカバー、
９は燃料タンク、１２はキヤブレータ、１３はエ
アクリーナ、１４は吸気管、１６はマフラ、１７
は排気管、１８はピストン、１９はクランク軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダを水平よりやや上に傾け、吸排気弁の
   配置を頭上弁式とした汎用内燃機関において、吸
   排気弁を略水平に支持すると共に、ヘツドカバー
   をシリンダヘツドに対し略水平方向に着脱可能に
   備え、燃料タンクをクランクケースとシリンダの
   上方に配置してそのクランクケースとシリンダに
   支持させ、キヤブレータをシリンダヘツドの一側
   に配置してシリンダヘツドの吸気口と接続すると
   共に、シリンダヘツドより上でエアクリーナをキ
   ヤブレータの上方に配置してキヤブレータと接続
   し、同じくシリンダヘツドより上でエアクリーナ
   と反対側にマフラを配置してシリンダヘツドの排
   気口と接続することによつて、シリンダヘツドお
   よびヘツドカバーより上でエアクリーナとマフラ
   を左右に振分けて配置し、上記燃料タンクとエア
   クリーナとマフラの各上面を略そろえると共に、
   クランクケースのクランク軸突出面を含む垂直面
   と、その反対側のフアンカバーの外側面を含む垂
   直面との間に上記燃料タンク・キヤブレータ・エ
   アクリーナ及びマフラを略位置させた汎用内燃機
   関。