JPS597541Y2 - クランク室圧縮型多気筒２サイクルエンジン用リ−ドバルブ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、クランク室圧縮型２サイクルエンジンに用い
られるリードバルブに関する。

特に本考案は、多気筒２サイクルエンジン用のリードバ
ルブに関する。

多気筒一気化器形式の２サイクルエンジンにおいて、気
化器からの混合気を単一のリードバルブに通してそれぞ
れのシリンダのクランク室に送給する構造は既に公知で
ある。

たとえば、２気筒一気化器形式の船外機用２サイクルエ
ンジンにおいては、２個の水平シリンダが上下に直列配
置され、リード弁本体は吸気通路を上下に二分割して、
それぞれ上下シリンダのクランク室に連通させるように
なっており、気化器からの可燃混合気は、リード弁本体
内に導かれたのも該本体の一方又は他方の側部の弁リー
ドを通ってそれぞれ上方又は下方シリンダのクランク室
に導入される。

すなわち、リードバルブ本体の内部は上下両シリンダに
共通で、気化器からの吸気通路に接続されており、吸気
はリードバルブ本体の内部から、一方の側部の弁リード
を通過して一方のシリンダに、また他方の側部の弁リー
ドを通過して他方のシリンダに送られる。

このような形式の多気筒エンジンにおいては、リードバ
ルブ本体内の底壁に、吸気通路壁面を伝って来た壁面流
または本体内壁面に付着液化した燃料がたまりやすく、
このようにしてたまった燃料は、エンジン急加速時等に
一時に大量に吸気行程のシリンダに流入し、該シリンダ
の点火栓を汚染したり、シリンダ間の燃料分配を不均一
にするという問題がある。

本考案は、単一気化器形式の多気筒２サイクルエンジン
において、各シリンダへの均一な混合気分配を達戊でき
るリードバルブを提供することをその目的とするもので
、リードバルブの弁本体内に各シリンダに弁リードを介
して接続される共通の室を形威し、この共通室の下方に
は互に仕切られた二室を形或し、一方の室が弁本体の一
方の側部に、他方の室が他方の側部に開口するようにし
、各開口が弁リードを経てそれぞれ異ったシリンダのク
ランク室に接続されるようにすると共に、前記共通室を
これら二室に接続し、該共通室の底壁にたまった燃料が
前記二室に流入し得るようにしたことを特徴とするもの
である。

以下、本考案の実施例を図について説明すると、第１図
及び第２図は本考案の一実施例であるリード弁を備えた
船外機用２気筒２サイクルエンジンを示すもので、水平
な第一及び第二シリンダ１，２は上下に直列配置され、
これらシリンダにクランクケース３が結合され、該クラ
ンクケース３内には、それぞれ第一及び第二シリンダ１
，２のための第一及び第二クランク室４，５が形或され
ている。

シリンダ１，２内には、ピストン６，７がそれぞれ摺動
自在に配置され、これらピストン６，７は連接棒８，９
を介してクランク軸１０に結合されている。

各クランク室４，５は、掃気通路１１．１２を介してシ
リンダ１，２の内部に接続される。

クランクケース３には、気化器１３からの吸気通路（図
示せず）に内部が連通ずるリードバルブ１４が設けられ
、このリードバルブ１４は第２図に示すようにＶ形の水
平断面形状を有する本体１４ ａを持ち、一方の側部は
通路１５を介して上方のシリンダ１のためのクランク室
４に、他方の側部は通路１６を介して下方のシリンダ２
のためのクランク室５にそれぞれ通じている。

本体１４ ａ内には、上方の共通弁室１７と下方の二つ
に分割された分配室１８．１９とを有する。

本例においては、気化器１３からの吸気通路は第３図に
２８で示す輪郭を有し、吸気通路は共通弁室１７にのみ
連通している。

共通弁室１７は、弁体１４ ａの両側に形威された開口
２０．２１によりクランク室４，５への通路１５．１６
に連通しており、また分配室１８，１９はそれぞれ開口
２２．２３により通路１５．１６に連通している。

第２図により明らかなように、弁本体１４ ａは、通路
１５．１６を互に仕切るように配置され、通路１５．１
６内の混合気は、そのままそれぞれのクランク室４，５
に導入される。

本体１４ ａの両側には、開口２０，２１ ，２２．２
３に対応する弁リード２４．２５が設けられている。

共通弁室１７は、その底壁２６に形或した連通路２７に
より、或いは底壁２６に沿って気化器１３からの吸気通
路とリードバルブ１４との間のガスケットを切断するこ
とにより、各分配室１８．１９に接続されている。

したがって、吸気通路の壁面流及びリードバルブ共通弁
室１７の壁面に付着した液体燃料は、分配室１８．１９
に流入し、該分配室から通路１５．１６に導入される。

第４図に示すように、分配室１８．１９の開口２２ ．
２３は異った面積を有し、その面積の関係は、上下シリ
ンダ１，２への混合気の分配を考慮して定めればよい。

以上の説明から明らかなように、本考案においては、リ
ードバルブの弁本体内に、各シリンダに弁ノードを介し
て接続される共通の弁室を形或し、この共通弁室の下方
に互に仕切られた二つの分配室を形威し、それぞれの分
配室を異ったシリンダのクランク室に連通させるように
すると共に、前記共通室をこれら分配室に接続したので
、気化器からの吸気通路の壁面流及び共通弁室の壁に付
着した液状燃料は、二つの分配室に二分して導入される
ようになり、一方のシリンダのみに集中して吸入される
恐れがなくなる。

エンジンの急加速等において、液状燃料が、たまたまそ
の時吸気行程にあるシリンダのみに一時的に吸入される
としても、その量は従来に比しはるかに少く、両シリン
ダへの燃料分配の不均一が是正される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のリードバルブを備えた船外
機を示す垂直断面図、第２図はその水平断面図、第３図
はリードバルブの弁本体の端面図、第４図は第３図のＩ
Ｖ−ＩＶ線断面図である。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）本体の両側部に弁リードを有し、吸気は本体の内
   部から一方の側部の弁リードを通過して一方のシリンダ
   のクランク室に、また他方の側部の弁ノードを通過して
   他方のシリンダのクランク室に送られるようになったク
   ランク室圧縮型多気筒２サイクルエンジン用リードバル
   ブにおいて、前記本体内部には各シリンダに弁リードを
   介して接続される共通の弁室が設けられ、前記共通弁室
   の下方には互に仕切られた二室が形或され一方の室が一
   方の側部に他方の室が他方の側部に開口し、各開口に弁
   リードが設けられ、これら二室はそれぞれ前記共通弁室
   に接続されたことを特徴とするリードバルブ。
2. （２）前記第１項のリードバルブにおいて、前記二室の
   各々の開口は面積が異ることを特徴とするリードバルブ
   。