JPH0721872Y2 - ２サイクルエンジン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、２サイクルエンジンに関するものである。

（従来の技術） 従来の２サイクルエンジンを第3,4,5図により説明する
と，（１）がシリンダ，（２）がクランクケース，
（３）がピストン，（４）が点火プラグ，（５）がエア
クリーナ，（６）が気化器，（７）が吸気孔，（８）が
排気孔，（９）（９）が掃気孔，（10）（10）が掃気通
路で，掃気孔（９）（９）が吸気孔（７）と排気孔
（８）とを結ぶ中心線を挟んだシリンダ（１）の対称位
置に設けられ，掃気通路（10）（10）の入口がクランク
ケース（２）の外周部に設けられており，ピストン
（３）が上昇するときには、新しい混合気がエアクリー
ナ（５）→気化器（６）→吸気孔（７）を経てクランク
ケース（２）内に吸入される。またピストン（３）が下
降して，下死点手前の位置に達すると，排気孔（８）が
開口して，シリンダ（１）内の排気ガスが排気孔（８）
からシリンダ（１）外へ排出され，次いで掃気孔（９）
（９）が開口して，新しい混合気が掃気通路（10）（1
0）を経てシリンダ（１）内の燃焼室へ流入する。

（考案が解決しようとする課題） 前記第3,4,5図に示す従来の２サイクルエンジンでは，
掃気孔（９）（９）が開口するとき，排気孔（８）が既
に開口しているので，シリンダ（１）に流入した新しい
混合気の一部が燃焼に関与せずに排気孔（８）からシリ
ンダ（１）外へ吹き抜けて，燃費を悪化させる上に，排
気ガスの性状を悪化させていた。

本考案は前記の問題点に鑑み提案するものであり，その
目的とする処は，燃費を向上できる上に，排気ガスを清
浄化できる２サイクルエンジンを提供しようとする点に
ある。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するために，本考案の２サイクルエン
ジンは，シリンダの排気孔に近い側と遠い側とに掃気孔
を設け，排気孔に遠い側の掃気孔とクランクケース内と
掃気通路により連通し、またクランクケースに容積部を
設けて互いを連通し，同容積部と上記排気孔に近い側の
掃気通路とを空気通路により連通し，上記容積部とエア
クリーナとを空気通路により連通し，同空気通路にリー
ドバルブを設けている。

（作用） 本考案の２サイクルエンジンは前記のように構成されて
おり，ピストンが上昇するとき，クランクケース内の負
圧により混合気をエアクリーナ→気化器→吸気孔を経て
クランクケース内へ吸入する。また空気を別のエアクリ
ーナ→リードバルブ→空気通路を経て容積部へ充填す
る。またピストンが下降を始めて，クランクケース内が
正圧になると，同クランクケース内の混合気を排気孔か
ら遠い方の掃気通路→掃気孔を経てシリンダ内へ流入さ
せる一方，容積部に充填していた空気を空気通路→排気
孔に近い方の掃気通路→掃気孔を経てシリンダ内へ流入
させる。

（実施例） 次に本考案の２サイクルエンジンを第1,2図に示す一実
施例により説明すると，（１）がシリンダ，（２）がク
ランクケース，（３）がピストン，（４）が点火プラ
グ，（５）がエアクリーナ，（６）が気化器，（７）が
吸気孔，（８）が排気孔，（101）がエアクリーナ，（1
02）がリードバルブ，（103）が空気通路，（104）が容
積部，（105）が空気通路，（106）（107）が掃気通
路，（108）（109）が掃気孔で，シリンダ（１）の排気
孔（８）に近い側の中心線（吸気孔（７）と排気孔
（８）とを結ぶ中心線）を挟んだ対称位置に掃気孔（10
8）（108）が設けられ，シリンダ（１）の排気孔（８）
から遠い側の上記中心線を挟んだ対称位置に掃気孔（10
9）（109）が設けられ，各掃気孔（108）は掃気通路（1
07）を介してクランクケース（２）内に開口している。
容積部（104）がクランクケース（２）内に設けられ
て，互いが連通し，同容積部（104）と排気孔（８）に
近い側の掃気通路（106）とが空気通路（105）により連
通し，容積部（104）とエアクリーナ（101）とが空気通
路（103）により連通し，同空気通路（103）にリードバ
ルブ（102）が設けられている。

各掃気孔（108）は排気口（８）に近い側の掃気通路（1
06）、空気通路（105）を介して容積部（104）につなが
っている。ここで掃気通路（106）はクランクケース（1
02）に直接つながっている。

次に前記第1,2図に示す２サイクルエンジンの作用を具
体的に説明する。ピストン（３）が上昇するとき，クラ
ンクケース（２）内の負圧により混合気がエアクリーナ
（５）→気化器（６）→吸気孔（７）を経てクランクケ
ース（２）内へ吸入される。なお上記気化器（６）は，
混合気中の燃料量を従来の２サイクルエンジンのそれと
略等量に，空気量を従来の２サイクルエンジンのそれよ
り少なくするようにセツトされている。またこのとき，
空気がエアクリーナ（101）→リードバルブ（102）→空
気通路（103）を経て容積部（104）に充填される。また
ピストン（３）が下降を始めて，クランクケース（２）
内が正圧になると，同クランクケース（２）内の混合気
が排気孔（８）から遠い方の掃気通路（107）→掃気孔
（109）を経てシリンダ（１）内へ流入する一方，容積
部（104）に充填されている空気が空気通路（105）→排
気孔（８）に近い方の掃気通路（106）→掃気孔（108）
を経てシリンダ（１）内へ流入する。

（考案の効果） 本考案の２サイクルエンジンは前記のようにピストンが
上昇するとき，クランクケース内の負圧により混合気を
エアクリーナ→気化器→吸気孔を経てクランクケース内
へ吸入する。また空気を別のエアクリーナ→リードバル
ブ→空気通路を経て容積部へ充填する。またピストンが
下降を始めて，クランクケース内が正圧になると，同ク
ランクケース内の混合気を排気孔から遠い方の掃気通路
→掃気孔を経てシリンダ内へ流入させる一方，容積部に
充填していた空気を空気通路→排気孔に近い方の掃気通
路→掃気孔を経てシリンダ内へ流入させるので，混合気
の排気孔からシリンダ外へ吹き抜けを可及的に防止でき
て，燃費を向上できる上に，排気ガスを清浄化できる効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わる２サイクルエンジンの一実施例
を示す縦断側面図，第２図は第１図の矢視II−II線に沿
う横断平面図，第３図は従来の２サイクルエンジンを示
す縦断側面図，第４図は第３図の矢視IV−IV線に沿う横
断平面図，第５図はその作用説明図である。 （１）……シリンダ，（２）……クランクケース，
（３）……ピストン，（４）……点火プラグ，（５）…
…エアクリーナ，（６）……気化器，（７）……吸気
孔，（８）……排気孔，（101）……エアクリーナ，（1
02）……リードバルブ，（103）……空気通路，（104）
……容積部，（105）……空気通路，（106）（107）…
…掃気通路，（108）（109）……掃気孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シリンダの排気孔に近い側と遠い側とに掃
   気孔を設け、排気孔に遠い側の掃気孔とクランクケース
   内とを掃気通路により連通し、またクランクケースに容
   積部を設けて互いを連通し、同容積部と上記排気孔に近
   い側の掃気通路とを空気通路により連通し、上記容積部
   とエアクリーナとを空気通路により連通し、同空気通路
   にリードバルブを設けたことを特徴とする２サイクルエ
   ンジン。