JPH0765274B2 - 防汚性繊維 - Google Patents

防汚性繊維

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JPH0765274B2
JPH0765274B2 JP61081833A JP8183386A JPH0765274B2 JP H0765274 B2 JPH0765274 B2 JP H0765274B2 JP 61081833 A JP61081833 A JP 61081833A JP 8183386 A JP8183386 A JP 8183386A JP H0765274 B2 JPH0765274 B2 JP H0765274B2
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fluorine
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武司 北原
志朗 村上
義之 坂根
徳久 土屋
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Unitika Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,耐洗濯性のある優れた撥水性,撥油性及び耐
ドライソイル性を有する防汚性繊維に関するものであ
る。
(従来の技術) 繊維製品,特にカーペット,スポーツ着,おむつカバー
などに撥水性,撥油性などの防汚性能を付与する方法と
して,その表面をフッ素系防汚剤で処理する方法が一般
的に採用されている。
また,フッ素化合物を繊維形成用重合体にブレンド又は
共重合の形で導入して紡糸したり,繊維形成直後の繊維
糸条にフッ素化合物を固着させる方法が提案されてい
る。
そして,このような目的で使用するフッ素化合物とし
て,ポリアクリル酸型,ポリメタクリル酸型,芳香族エ
ステル型,ウレタン型など種々の含フッ素化合物が知ら
れている(例えば,特開昭55−90677号,同58−13723
号,同59−94621号,同59−204980号,同61−12969号な
ど)。
しかし,従来のフッ素化合物で被覆された繊維は,洗濯
後の防汚性能が十分でないという問題があった。すなわ
ち,ある種の含フッ素化合物で処理したものは洗濯によ
り撥水性,撥油性とも低下し,また,ある種の含フッ素
化合物で処理したものは洗濯により撥油性もしくは撥水
性のいずれかが低下するという問題があった 洗濯による防汚性能の低下は,防汚剤の脱落によるもの
ではなく,洗濯時の界面活性剤の残存によるものと認め
られ,特にカーペットではその傾向が大きい。
洗濯による防汚性能の低下を見込んで,防汚剤の付与量
を多くしても,その効果はわずかであり,かえって操業
性が悪くなるという問題があった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は,耐洗濯性のある優れた撥水性,撥油性及び耐
ドライソイル性を有する防汚性繊維を提供しようとする
ものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は上記課題を解決するもので,その要旨は,フッ
素含有量が40重量%以上であり,平均分子量が1000〜30
00であるフルオロアルキル基を有する脂肪族含フッ素エ
ステル化合物とフルオロアルキル基を有する含フッ素ウ
レタン化合物との混合物で被覆されていることを特徴と
する防汚性繊維にある。
本発明において,脂肪族含フッ素エステル化合物と含フ
ッ素ウレタン化合物との混合割合は,重量比で20/80〜6
0/40が望ましい。この割合が20/80未満であると洗濯に
より撥油性が低下する傾向があり,また,60/40より大き
くなると洗濯により撥水性が低下する傾向がある。
本発明における脂肪族含フッ素エステル化合物は,フッ
素含有量が40重量%以上で,平均分子量が1000〜3000で
あることが必要である。フッ素含有量が40%未満では十
分な耐洗濯性を有する防汚性能が発揮されず,また,分
子量が1000未満では洗濯により脱落しやすく,分子量が
3000を超えるものは,十分な防汚性能を発揮しない。
このような脂肪族含フッ素エステル化合物としては,多
価カルボン酸とパーフルオロアルキルアルコールとのエ
ステル及びパーフルオロアルキルカルボン酸と多価アル
コールとのエステルが挙げられる。
多価カルボン酸の具体例としては,マロン酸,コハク
酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,スベリン
酸,アゼライン酸,セバシン酸,クエン酸,アクリル酸
オリゴマー,メタクリル酸オリゴマー,マレイン酸,フ
マル酸などが挙げられる。
パーフルオロアルキルアルコールとしては,その炭素原
子上の水素原子の一部又は全部をフッ素原子で置換した
炭素原子数6〜20のフルオロアルキル基を有するアルコ
ールが挙げられる(スルホンアミド結合,エーテル結合
などを含んでいてもよい。)。
パーフルオロアルキルカルボン酸としては,その炭素原
子上の水素原子の一部又は全部をフッ素原子で置換した
炭素原子数6〜20のフルオロアルキル基を有するカルボ
ン酸が挙げられる(スルホンアミド結合,エーテル結合
などを含んでいてもよい。)。
多価アルコールの具体例としては,グリセリン,ペンタ
エリスリトール,ビニルアルコールオリゴマーなどが挙
げられる。
また,本発明における含フッ素ウレタン化合物として
は,次の一般式で表される化合物が挙げられる。
RfOCONH−R1−NHCOOR2 ここで,Rfはその炭素原子上の水素原子の一部又は全部
をフッ素原子で置換した炭素原子数6〜20のフルオロア
ルキル基(スルホンアミド結合,カルボアミド結合,エ
ーテル結合,エステル結合などを含んでいてもよ
い。),R1は炭素原子数2〜20のアルキレン基,アラル
キレン基又はアリーレン基,R2は炭素原子数1〜20の有
機基(フッ素原子を含むものが好ましい。)を示す。
含フッ素ウレタン化合物の具体例としては2,4−ビス
〔2−パーフルオロアルキル−エトキシカルボニルアミ
ノ〕トリエン,2,4−ビス〔2−N−アルキル(炭素原子
数1〜5)パーフルオロアルカンスルホニルアミノエト
キシカルボニルアミノ〕トルエン,2,4−ビス〔2−N−
アルキル(炭素原子数1〜5)パーフルオロアルカンカ
ルボニルアミノエトキシカルボニルアミノ〕トルエン,
4,4′−ビス(2−パーフルオロアルキルエトキシカル
ボニルアミノ)ジフェニルメタンなどのウレタン化合物
(パーフルオロアルキル基の炭素原子数6〜20)が挙げ
られる。
本発明における繊維としては,ポリエチレンテレフタレ
ート,ポリブチレンテレフタレート,ポリ−p−エチレ
ンオキシベンゾエート及びこれらを主体とするポリエス
テル,ナイロン6,ナイロン12,ナイロン46,ナイロン66,
ナイロン610及びこれらを主体とするポリアミド,ポリ
エチレン,ポリプロピレン及びこれらを主体とするポリ
オレフィン,ポリアクリロニトリルを主体とするポリマ
ー,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン及びこれらを
主体とするポリマーからなる繊維が挙げられる。
本発明の繊維は,好ましくはスピンフィニッシュ法によ
り製造される。すなわち,紡糸口金から押し出された未
延伸繊維に脂肪族含フッ素エステル化合物及び含フッ素
化合物を含有する液を付与し,該繊維の延伸と含フッ素
化合物の固着処理を同時又は別々に行う方法である。こ
の方法によれば,工程が簡略化されるとともに含フッ素
化合物の皮膜と繊維との密着性が良好になるという利点
がある。
脂肪族含フッ素エステル化合物及び含フッ素ウレタン化
合物を含有する液とは,これらの化合物をバルクの形で
又は乳化液,懸濁液,溶液などの形で含有する液であ
り,分散剤,制電剤,耐熱剤,柔軟剤などを必要に応じ
て配合したものである。特に好ましいものは,通常の紡
糸油剤に脂肪族含フッ素エステル化合物及び含フッ素ウ
レタン化合物を配合したものであり,これを紡糸時に付
与することにより工程が単純化される。
繊維の延伸と含フッ素化合物の固着処理は,延伸時に
適度の熱を与える方法,延伸前に熱を与えてから延伸
する方法,延伸後,熱を与える方法などによって行わ
れる。
繊維表面に形成する含フッ素化合物の皮膜の量は,繊維
の0.05重量%以上,好ましくは0.09〜0.3重量%とする
のが適当である。
繊維の断面形状を凹凸のある形状とすると含フッ素化合
物含有液が付着しやすくなり好ましい。
また,洗濯時の再汚染を防止するために,繊維を形成す
る重合体中にポリアルキレンオキシド成分をブレンド又
は共重合の形で導入したり,含フッ素化合物と網目状
(三次元化)ポリマー形成性ポリアルキレンオキシド化
合物を併用することも好ましい。
さらに,含フッ素化合物皮膜形成による繊維の染色性低
下を防止するために,界面活性剤(湿潤剤),特に含フ
ッ素界面活性剤を皮膜中に導入することも好ましい。
(実施例) 次に,実施例によって本発明をさらに具体的に説明する
が,防汚性能は次の方法で評価したものである。
(「部」は重量部を示す。) (1)撥水性:第1表に示す組成のイソプロピルアルコ
ール/水混合液の1滴(約0.3ml)を試験布上の9カ所
に静かに置き,3分後に5カ所以上の液滴が試験布に浸み
込まない混合液の組成を撥水度(1未満は0)とした。
(2)撥油性:AATCC標準試験法118−1975に拠った。判
定は,第2表の各試薬(油)の浸透に対する耐浸透性に
基づいて,撥油度(1未満は0)とした。
(3)耐ドライソイル性:第3表に示す組成の乾燥汚れ
と10cm×10cmで乾燥汚れの2倍の重量の試験片とをポリ
エチレン容器に入れて3分間激しく混合振とうした後,
試験片を取り出し,電気掃除機で吸引してから,明度を
測定して,汚染前後の明度差で示した。
(4)耐洗濯性:100cm2の試料に市販のカーペット用発
泡性洗剤(リンレイ)を30g/含んだ洗濯液3mlを噴霧
し,直ちにナイロンブラシで,経緯方向に各10回往復ブ
ラッシングを行い,減圧吸引し,次いで市販のカーペッ
ト用リンス剤(リンレイ)を20g/含んだリンス液5ml
を噴霧し,再びナイロンブラシで,経緯方向に各10回往
復ブラッシングを行い,減圧吸引し,一昼夜自然乾燥
後,前記(1)〜(3)の試験を行った。
実施例1〜5及び比較例1〜5 第4表の含フッ素化合物を第5表の割合で混合したもの
の20%水分散液20部をエステル系油剤を主成分とする濃
度13%の水性紡糸油剤液80部に分散させた。
溶融紡出したナイロン6の糸条に,この分散液を6%付
着させて,700m/分の速度で巻き取った。次いで,温度90
℃,倍率1.1,時間0.1秒の条件で第1段延伸し,さらに
温度180℃,倍率3.2,時間0.2秒の条件で第2段延伸し
て,1000d/60fの延伸糸を得た。(製糸時にトラブルは発
生しなかった。) この延伸糸を編地にした後,酸性染料を用い,100℃で30
分間染色し,泡ベージュ色の染色布を得た。この染色布
を乾燥後,135℃で5分間熱処理し,防汚性能を測定し
た。
以上の各例の結果を第6表に示す。
(発明の効果) 本発明によれば,耐洗濯性のある優れた撥水性,撥油性
及び耐ドライソイル性を有する防汚性繊維をが提供され
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素含有量が40重量%以上であり,平均
    分子量が1000〜3000であるフルオロアルキル基を有する
    脂肪族含フッ素エステル化合物とフルオロアルキル基を
    有する含フッ素ウレタン化合物との混合物で被覆されて
    いることを特徴とする防汚性繊維。
  2. 【請求項2】脂肪族含フッ素エステル化合物と含フッ素
    ウレタン化合物との混合割合が重量比で20/80〜60/40で
    ある特許請求の範囲第1項記載の繊維。
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