JPH076340A - 磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドおよびその製造方法

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JPH076340A
JPH076340A JP5145301A JP14530193A JPH076340A JP H076340 A JPH076340 A JP H076340A JP 5145301 A JP5145301 A JP 5145301A JP 14530193 A JP14530193 A JP 14530193A JP H076340 A JPH076340 A JP H076340A
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気的絶縁性、耐摩耗性、潤滑性、密着性、
化学的耐久性に優れ、高密度磁気記録技術に必要な10
0A以下の膜厚の保護膜を有するMRヘッドを提供す
る。 【構成】 スライダおよびスライダ上に形成された磁気
抵抗素子とからなる磁気ヘッドにおいて、該スライダの
摺動面および該磁気抵抗素子上に保護膜を設けることを
特徴とする磁気ヘッドであって、該保護膜が硬質炭素あ
るいはケイ素、ホウ素、チタン、アルミニウムおよびこ
れらの炭化物、窒化物、酸化物の中から選ばれる、少な
くとも1種類以上からなる中間層と、該中間層上に形成
された硬質非晶質炭素膜とからなる磁気ヘッドと、該中
間層をスパッタ法で形成し、該硬質非晶質炭素膜を科学
的気相堆積法で形成することを特徴とする磁気ヘッド製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高密度磁気記録媒体の記
録・再生に用いる薄膜磁気ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスクや磁気ヘッドは、磁気ディ
スク装置としてコンピュータ端末情報記憶装置に広く用
いられている。磁気ディスクは、アルミニウムないしは
プラスチック等の基板上に、鉄、コバルト、ニッケルな
いしはこれらの化合物またはネオジウム、サマリウム、
ガドリニウム等の希土類金属やそれらからなる化合物を
磁気記録媒体としてスパッタ法等により薄い膜状に付着
させて用いられている。磁気ヘッドは磁気記録媒体に書
き込まれた磁気からの磁束を電気信号として取り出すも
ので、アルミナと炭化チタンとからなるセラミクス(A
2 3 /TiC)等をの非磁性基板に記録と再生のた
めの素子を搭載してあるが、記録密度を向上させるため
に可能な限り磁気ディスク面に近づけて使用されるもの
であり種々の方式があるが、近年では高密度記録を効率
よく読みとるために磁気抵抗(MR)素子を用いた読み
とりヘッド(MRヘッド)を登載することが必須と考え
られている。
【0003】しかしながらMRヘッドではその原理上、
MR素子に電圧を印加して記録の再生を行うため、MR
ヘッドと磁気ディスクとの間には電位差が生じ、最悪の
場合、この電位差によりMR素子と磁気ディスクとの間
で放電が起こり素子および磁気ディスクの記録媒体が破
壊される。
【0004】このような素子の破壊を防止するために
は、電気的絶縁性に優れた保護膜で素子を覆うことが必
要である。具体的には、MR素子には数V程度の電圧が
印加されており、磁気ヘッド−磁気ディスク間には数M
V/cmの電界が発生する。
【0005】従来、磁気ヘッドの素子は数μm程度の厚
さのAl2 3 膜で保護されていたが、通常Al2 3
保護膜は、磁気ヘッドの摺動面には形成しない。という
のも、このように厚い保護膜で磁気ヘッドの摺動面を覆
うと、磁気ヘッドと磁気ディスクとの距離が大きくなり
高密度記録が困難になるからである。また、このAl2
3 保護膜を高記録密度が可能な程度まで薄くした場合
には、保護膜はいわゆるコンタクト・スタート・ストッ
プ(CSS)サイクルによる磁気ヘッドと磁気ディスク
との摩擦に耐えられず損傷しまうという欠点があった。
【0006】これに対して、比較的薄くても耐摩耗性を
示す保護膜材料としては、スパッタ法によって作られる
硬質炭素膜があり、磁気ディスク保護膜として用いられ
ている。しかしながらスパッタ法で作成した硬質炭素膜
は、例えば、1990年発行の日本国際潤滑会議予稿集
(Proceedings of the Inter
national Tribology Confer
ence)の第1881ページの記載に見られるよう
に、潤滑性や耐摩耗性がまだ不十分で接触摩擦を繰り返
すうちに摩擦係数が大きくなるといった問題があり、実
際にスパッタ法で作成した硬質炭素膜を磁気ディスク保
護膜に用いる場合は必ず潤滑剤を塗布して使用される。
さらに、スパッタ法による硬質炭素膜は、基本的に導電
性であるという致命的な欠点を有している。従って、磁
気ヘッドの場合には潤滑剤は塗布されないことも合わせ
て考えると、スパッタ法による硬質炭素膜をそのまま保
護膜に適用することはできない。
【0007】近年高度に発達した情報処理技術は、ます
ます大容量の情報処理技術を要求しており、これに伴っ
て高密度磁気記録再生技術は重要な位置を占めている。
このためには前述したように、MR素子と磁気ディスク
との間の狭ギャップ化が必要であり、具体的には100
0オングストローム(以下、Aと示す)以下が要求され
ている。したがって、MRヘッドの摺動面に設ける保護
膜は可能な限り薄くすることが望ましく、300A以
下、好ましくは50〜100A程度の極薄いものが要求
されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の種
々の保護膜は、100A程度の厚さで十分な電気的絶縁
性と耐摩耗性とを兼ね備えていない。
【0009】これに対して、化学的気相堆積(CVD)
法によって作られる硬質非晶質炭素膜は、特願昭62−
234328号明細書に見られるように、100A程度
の厚さでも優れた耐摩耗性、潤滑性を有している。さら
に、CVD法による硬質非晶質炭素膜はスパッタ法によ
る硬質炭素膜とは異なり、電気的絶縁性を有しており、
MRヘッド保護膜として有望である。
【0010】しかしながら、CVD法による硬質非晶質
炭素膜は磁気ヘッドを支持するセラミクス基板との付着
性が悪いという欠点を有している。これは、基板上に膜
が堆積するときに、基板に飛来する粒子のエネルギーが
CVD法ではかなり小さいことに由来していると考えら
れる。
【0011】以上述べたように、従来の技術においては
100A程度の膜厚で、電気的絶縁性、耐摩耗性、潤滑
性、密着性等すべてに優れた保護膜を有する磁気ヘッド
は実現されていなかった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、スライダおよ
びスライダ上に形成されたMR素子とからなるMRヘッ
ドにおいて、該スライダの摺動面および該MR素子上に
保護膜を設けることを特徴とする磁気ヘッドであって、
該保護膜がスパッタ法で形成された硬質炭素あるいはケ
イ素、ホウ素、チタン、アルミニウムおよびこれらの炭
化物、窒化物、酸化物の中から選ばれる、少なくとも1
種類以上からなる中間層と、該中間層上に化学的気相堆
積法で形成された硬質非晶質炭素膜とからなる磁気ヘッ
ドである。
【0013】以下図面に基づいて本発明を説明する。図
1は本発明による磁気ヘッドの構造を示す図である。
【0014】図1で、MR素子2を設けたスライダ1の
磁気ディスクとの摺動面上とMR素子とを覆うようにほ
ぼ全面にわたって硬質炭素あるいはケイ素、ホウ素、チ
タン、アルミニウムおよびこれらの炭化物、窒化物、酸
素物の中から選ばれる、少々なくとも1種類以上からな
る中間層3を設ける。スライダ1としては、Al2 3
/TiC等のMR素子2を保持可能な非磁性材料を用い
ればよい。次に中間層3の上に硬質非晶質炭素膜4を設
ける。
【0015】次に、図2は本発明による磁気ヘッドの保
護膜形成に用いた装置の一例を示す図である。
【0016】中間層13の形成には、スパッタ法が用い
られる。スパッタ法としては、直流二極スパッタ法、高
周波(rf)スパッタ法、マグネトロンスパッタ法、イ
オンビームスパッタ法等がありいずれの方法を用いても
良いが、マグネトロンスパッタ法が特に良好な結果を与
えた。スパッタするターゲットとスパッタガスについて
は、形成しようとする単体や化合物そのものの板とアル
ゴンガスを用いる方法と、形成しようとする中間層が炭
化物、窒化物、酸化物の場合には、単体の板と各々炭化
水素ガス、アンモニアガス、酸素ガスを用いる方法とが
ありいずれの方法を用いても良い。
【0017】一方、硬質非晶質炭素膜14の形成手法
は,反応ガスとしてCH4 、H2 とArの混合ガスをも
ちいたrfプラズマCVD(rfPCVD)法が低温で
良好な膜を合成する手法として有効であった。すなわ
ち、図2において、真空槽15中に設置した基板電極1
6に、すでに中間層13を形成済みの磁気ヘッド11を
設置し、基板電極16に平行となるように平板型の対向
電極17を置く。基板電極16にはrf電源18を接続
し、対向電極17は接地して両電極間でrf放電を発生
させる。具体的には、MR素子12と硬質炭素膜13を
設けた磁気ヘッド基板11を真空槽15に設置し、反応
ガスとしてCH4 ガスボンベ19、H2 ガスボンベ20
とArガスボンベ21から混合ガスを導入し、硬質非晶
質炭素膜14の成膜を行う。得られる膜の質は真空度、
ガスの混合比率や電極に印加する電力によって大きく変
化するので、最適値を選ぶ必要がある。真空度は排気ポ
ンプ22およびバルブ23で0.01〜1Torrの真
空度に調整する。またCH4 ガスと希釈ガス(H2 ガス
とArガス)の混合比率がCH4 /(H2 +Ar)=
0.01〜0.2の範囲の時、良好な結果を与える。一
方、電力は0.1〜3W/cm2 の時比較的良好な結果
を与える。
【0018】
【作用】本発明によれば、硬質炭素膜による優れた密着
性、硬質非晶質炭素膜による優れた電気的絶縁性と耐摩
耗性、潤滑性とを兼ね備えた、100A以下の厚みでも
良好な保護膜を有するMRヘッドを形成することができ
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について述べる。
【0020】(実施例1)まず、スライダとしてAl2
3 /TiC焼結体を鏡面研磨したものを用いた。MR
素子の形成は特開昭61−145718によった。中間
層としては硬質炭素膜を,グラファイトをターゲットと
した通常のrfマグネトロンスパッタ装置を用い、真空
度10- 3 〜10- 2 Torrの範囲としてアルゴンス
パッタを用い、rf電力を0.1〜3W/cm2 とし、
室温で成膜した。硬質炭素膜の厚みは20〜50Aとし
た。
【0021】このようにして形成した硬質炭素膜は、ラ
ザフォード後方散乱(RBS)法及びプロトンリコイル
検出(ERDA)法による分析の結果、水素の含有量が
5原子%以下である事が判った。また、透過型電子顕微
鏡(TEM)による観察により膜が炭素の微結晶からな
る事が確認された。
【0022】次に、硬質非晶質炭素膜14の形成は図2
に示した装置を用いた。いったん真空槽15を10- 7
Torrまで排気した後、rf放電は対向電極17をア
ースとし、それに対向する基板電極16に硬質非晶質炭
素14を形成すべき磁気ヘッド基板11を設置し、基板
電極16にrf電源18により0.1〜3W/cm2
電力を印加することにより発生させた。反応ガスとして
CH4 ガス、H2 ガスとArガスの混合ガスを流量比C
4 /(H2 +Ar)=0.01〜0.1の範囲で導入
し、硬質非晶質炭素膜14を形成した。成膜時の圧力は
0.01〜1Torrとし、基板温度はほぼ室温とし
た。また硬質非晶質炭素膜14の膜厚は、反応時間によ
って制御し、30〜100Aとした。
【0023】このようにして形成した硬質非晶質炭素膜
は、RBS法及びERDA法による分析の結果、水素を
10〜30原子%含有している事が判った。また、TE
Mによる観察により膜が非晶質である事も確認した。
【0024】このようにして形成したMRヘッドの保護
膜は、電流−電圧測定から絶縁耐圧が最小で8MV/c
m、平均で10MV/cm以上と非常に良好な絶縁性を
有しており、磁気ディスク記録媒体に記録された信号を
繰り返し再生してもMR素子と磁気ディスクとの間の放
電によるMR素子および磁気ディスクの記録媒体の破壊
は見られなかった。
【0025】比較のために、スライダの摺動面上に今回
の発明になる保護膜を設けた場合、保護膜をまったく設
けなかった場合、rfマグネトロンスパッタ法による硬
質炭素膜のみの保護膜を設けた場合、そしてrfPCV
D法による硬質非晶質炭素膜のみの保護膜を設けた場合
のMRヘッドについて、MR素子に印加する電圧の大き
さを変化させた時の素子の破壊の割合(%)を複数のサ
ンプルについて調べた。保護膜の厚さはいずれも100
Aとした。その結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】実際ににMRヘッドに印加する電圧は約2
Vであることから、今回の発明になる保護膜と硬質非晶
質炭素保護膜単独とは電気的絶縁性に関しては十分実用
に耐え得ることがわかった。
【0028】さらに、スライダの摺動面上に今回の発明
になる保護膜を設けた場合とCVD法による硬質非晶質
炭素膜のみの保護膜を設けた場合のMRヘッドについ
て、CSSサイクルを繰り返したときの信号の再生状態
を複数のサンプルについて観察した。本実施例では,保
護膜の厚さをいずれも100Aとし、MRヘッドの印加
電圧は2Vとした。その結果、硬質非晶質炭素保護膜単
独のヘッドでは、数100回のCSSサイクルを繰り返
した後に90%以上のサンプルが再生不良となったのに
対し、今回の発明になる保護膜を設けたヘッドではいず
れのサンプルにおいても、2万回のCSSサイクル後も
再生信号は良好であった。また、再生不良となった、硬
質非晶質炭素保護膜単独のヘッドを顕微鏡で観察したと
ころ、保護膜の剥離とMR素子の破壊が見られた。
【0029】一方、MR素子はその製造材料の点から非
常に腐食し易いが、今回の発明になる保護膜を設けたM
Rヘッドを種々の温度、湿度下で放置しMR素子の腐食
の有無を調べたところ、10000時間放置してもMR
素子の腐食は見られなかった。比較のため保護膜を設け
ない場合にも同様の試験を行ったが、その場合は50時
間でMR素子の腐食が明らかに認められた。
【0030】さらに、保護膜の耐摩耗性および潤滑性を
CSSサイクルを繰り返しながら摩擦係数μを同時に測
定する、いわゆるCSS−μ試験法により評価した。本
実施例においては、スパッタ法による硬質炭素保護膜を
最表面に設けた直径3.5インチの磁気ディスクを用
い、磁気ディスクに加わる磁気ヘッドの接触荷重を20
g/cm2 、磁気ディスクの回転数を1分間に3600
回転とした。磁気ヘッド保護膜を100A形成したとき
のCSS回数と、MRヘッドと磁気ディスクとの間の摩
擦係数変化を測定した結果、潤滑剤を用いなくとも2万
回のCSS回数後の摩擦係数は0.1以下で、優れた潤
滑性を示した。またこのMRヘッド保護膜の硬度はビッ
カース硬度に換算して8000〜10000kg/mm
2 であり、CSS試験によって磁気ヘッド表面に摩耗が
発生していないことは言うまでもない。比較例として、
rfマグネトロンスパッタ法で形成した膜厚100Aの
硬質炭素膜のみを保護膜とした場合に同様の試験を行っ
た結果、2万回のCSS試験後摩擦係数は1.0まで上
昇し、保護膜の摩耗が認められた。
【0031】(実施例2)まず、スライダとしてAl2
3 /TiC焼結体を鏡面研磨したものを用いた。MR
素子の形成は特開昭61−145718によった。中間
層には単体のケイ素、ホウ素、チタン、アルミニウム、
と各々の単体の炭化物、窒化物、酸化物をそれぞれ作製
した。作製法は、形成する中間層の材料となる単体ない
しは化合物をターゲットとした通常のrfマグネトロン
スパッタ装置で、真空度を10- 3〜10- 2 Tor
r、rf電力を0.1〜3W/cm2 の範囲としてアル
ゴンを用いて室温で行った。中間層の厚みは全て20〜
50A以下とした。
【0032】次に、硬質非晶質炭素膜14の形成は実施
例1と同様の方法で行った。
【0033】このようにして形成した磁気ヘッドの保護
膜は全て、電流−電圧測定から絶縁耐圧が最小で7MV
/cm、平均で10MV/cm以上と非常に良好な絶縁
性を有しており、磁気ディスク記録媒体に記録された信
号を繰り返し再生してもMR素子と磁気ディスクとの間
の放電によるMR素子および磁気ディスクの記録媒体の
破壊は見られなかった。
【0034】比較のために、スライダの摺動面上に今回
の発明になる保護膜を設けた場合と中間層のみで硬質非
晶質炭素膜を設けない場合のMRヘッドについて、MR
素子に印加する電圧の大きさを変化させた時の素子の破
壊の有無を複数のサンプルについて調べた。保護膜の厚
さはいずれも100Aとした。その結果、今回の発明に
なる保護膜を設けたMRヘッドではいずれのサンプルに
おいても7VまでMR素子の破壊は見られなかったが、
中間層のみを設けたMRヘッドではいずれの場合も2V
以下でMR素子が破壊するサンプルが見受けられた。
【0035】さらに、磁気ヘッドの摺動面上に今回の発
明になる保護膜を厚さ100A設けたMRヘッドについ
て、CSSサイクルを繰り返したときの信号の再生状態
を複数のサンプルについて観察した。本実施例では、M
Rヘッドの印加電圧は2Vとした。その結果、いずれの
サンプルにおいても、2万回のCSSサイクル後も再生
信号は良好であった。
【0036】次に、今回の発明になる保護膜を設けたM
Rヘッドを種々の温度、湿度下で放置しMR素子の腐食
の有無を調べたところ、10000時間放置してもMR
素子の腐食は見られなかった。
【0037】加えて、保護膜の耐摩耗性および潤滑性を
CSS−μ試験法により評価した。試験の方法は実施例
1と同じとした。その結果、MRヘッドと磁気ディスク
との間の摩擦係数は潤滑剤を用いなくとも2万回のCS
Sサイクル後も0.1以下と優れた潤滑性を示した。ま
たこのMRヘッドの保護膜の硬度はビッカース硬度に換
算して8000〜10000kg/mm2 であり、CS
S試験によって磁気ヘッド表面に摩耗が発生していない
ことは言うまでもない。
【0038】以上の実施例は、中間層に単体もしくは単
体の炭化物、窒化物、酸化物を用いたが、これらの中の
2種類以上を組み合わせて中間層とした場合でも、同様
の結果が得られた。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による磁気
ヘッドは、高密度磁気記録技術に要求される膜厚100
A以下の、極めて電気的絶縁性、耐摩耗性、潤滑性、密
着性と化学的耐久性に優れた保護膜を有し、実用性が高
いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる磁気ヘッド構造を示す図である。
【図2】本発明になる磁気ヘッドの保護膜形成に用いる
装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 スライダ 2 MR素子 3 中間層 4 硬質非晶質炭素膜 11 磁気ヘッド基板 12 MR素子 13 中間層 14 硬質非晶質炭素膜 15 真空槽 16 基板電極 17 対向電極 18 高周波電源 19 CH4 ガスボンベ 20 H2 ガスボンベ 21 Arガスボンベ 22 排気ポンプ 23 バルブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スライダおよびスライダ上に形成された
    磁気抵抗素子とからなる磁気ヘッドにおいて、該スライ
    ダの摺動面および該磁気抵抗素子上に保護膜を設けるこ
    とを特徴とする磁気ヘッドであって、該保護膜が硬質炭
    素あるいはケイ素、ホウ素、チタン、アルミニウムおよ
    びこれらの炭化物、窒化物、酸化物の中から選ばれる、
    少なくとも1種類以上からなる中間層と、該中間層上に
    形成された硬質非晶質炭素膜とからなる磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 スライダの摺動面および磁気抵抗素子上
    に、スパッタ法によって中間層を形成し、さらに該中間
    層上に化学的気相堆積法によって硬質非晶質炭素膜を形
    成することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
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