JPH0762371B2 - 軸組構造用合成梁 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は木造構造の家屋における柱と柱の間を連結する
合成梁に関する。

〔従来の技術〕

従来、柱と柱の間を貫通する梁は断面形が長方体の単材
を長手方向が上下方向となるように両端が柱に取付けら
れていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところで、前記した従来の単材による梁にあっては、断
面形が大きくなるためにコストの高いものとなると共に
乾燥するにしたがって縮みが大きくなって狂いが生じ易
く、また単材であることから自重によってたわんで曲が
ったり割が生じたりするという問題があった。

さらに、単材であるために集中荷重に対して弱く長年の
使用によって柱が傾いたりすることがあると共に、振動
にも弱いので地震等の外部振動によって構築物全体の振
動も大きくなる等の問題があった。

本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その
目的とするところは、断面形が小さい長尺の水平材と、
該水平材と略同じ断面形の短尺の角材とによってトラス
構造を有する合成梁とすることにより、前記した従来の
問題点を解消し得る軸組構造用合成梁を提供せんとする
にある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は前記した目的を達成するためになされたもの
で、その手段は、柱間を接続する少なくとも２本の水平
材の間に一定の長さを有する角材を上下に隣接するもの
同士の端部において重なるように配置すると共に、水平
方向の角材によって形成される空間の長さが一定となる
ように配置し、かつ、前記水平材間に前記角材を介して
ボルトを挿通してナットで締め付け一体化したものであ
る。

〔作 用〕

前記した如く構成された軸組構造用合成梁は、柱間に配
置される断面形が小さい長尺の水平材間に一定の長さを
有する短尺の角材を一定間隔毎に配置すると共に上段の
角材と下段の角材とが上下において端部で重なるように
配置し、かつ、水平材間に角材を介してボルト締めによ
って一体化したので、水平材と角材によって形成される
合成梁はトラス構造となり、従って、従来の単材による
梁よりも製品コストが低下すると共に集中荷重に対して
強く、従って、振動にも強くなり、かつ自重でたわむこ
ともないものである。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の実施例を図面と共に説明する。

第１図は軸組構造により家屋を組み立てた状態の正面図
を示し、１は土台にして、長物の水平材1aと、該水平材
1aの間にボルト・ナット３によって所望間隔毎に介在さ
れた角材1bとより構成されている。2aは土台１の端部お
よび後述する取付金具６を介して固定された柱にして、
その上に後述する取付金具７を介して継柱2bが固定され
ている。

４は１階と２階との間における前記した柱2bおよび2c間
に取付金具７を介して固定される合成梁にして、断面形
が略正方形に形成された２本の長物の水平材4aと、一定
間隔毎に介在された角材4bとより構成されている。さら
に詳述すれば、２本の水平材4a間に一定の長さに形成さ
れ水平材4aと断面形が略同じ断面形の角材4bを上下２段
に端部において重なり合い、かつ、水平方向の角材4b間
の空間の長さが一定となるように配置する。そして、上
下の水平材4aおよび角材4bにボルト挿通孔を形成し、こ
の挿通孔を利用してボルト・ナット３で固定し一体化し
たものである。

５は隣接する柱2bおよび2cに固定された取付金具７間を
斜めに接続する筋違にして、ターンバックルが使用され
ている。

次ぎに、取付金具６および７の構成について説明する。

先ず、取付金具６は平面形においてＴ字型、Ｌ字型ある
いは十文字型をした硬質金属材料で形成されると共に、
一面にＴ字形状、Ｌ字形状あるいは十文形状をした補強
片6aが溶接等の手段で固着されている。そして、補強片
6aにより先端側にはボルト挿通孔が形成されている。

また、取付金具７は側面形においてＬ字型をした硬質金
属材料で形成されると共に、角部に一対の三角形状の補
強片7aが溶接等の手段で固着されている。そして、補強
片7aより先端側にはボルト挿通孔が形成されると共に、
補強片7aにも筋違５の端部をネジ止めするための孔7bが
形成されている。

次ぎに、この取付金具６および７を用いて合成梁４を柱
2cに取付ける施工方法について第２図と共に説明する。

先ず、柱2cの側面に合成梁４の厚み分だけ下方に下がっ
た位置に取付金具７をボルト・ナット8,9によって固定
する。次いで、合成梁４を取付金具７の一片に乗せると
共に合成梁４における最上段の水平材4aの上面に取付金
具６の補強片6aを差し込むための溝4cを形成する。そし
て、柱2cの上端にＴ字状の溝2dを形成し、この溝4cおよ
び2dに補強片6aを差し込む。次いで、取付金具６のボル
ト挿通孔よりボルト８を挿通し、水平材4aの端部および
端部に配置された角材4bに形成した孔を貫通して取付金
具７の下面より突出してナット９で締め付け固定する。
さらに、隣接する水平材4aおよび角材4b同士をＬ字状の
連結金具10をクギ止めして水平材4a、角材4bの夫々のず
れを防止し、柱2cに対する最上段の合成梁４の固定は終
了する。

次ぎに、取付金具７を用いて柱2b,2cに合成梁４を取付
ける施工方法について第３図、第４図と共に説明する。

先ず、柱2bの側面に取付金具７をボルト・ナット8,9に
よって固定する。次いで、合成梁４の端部を取付金具７
の一片に乗せると共に柱2cに取付金具７を一片が最上段
の水平材4aに接触するようにボルト・ナット8,9を利用
して固定する。そして、下側の取付金具７のボルト挿通
孔よりボルト８を挿通し、水平材4aおよび端部に配置さ
れた角材4bの孔を貫通して取付金具７の上面より突出し
てナット９で締め付け固定する。さらに、隣接する水平
材4aおよび角材4b同士をＬ字状の連結金具10をクギ止め
して水平材4a、角材4bの夫々のずれを防止し、柱2b,2c
に対する中間部の梁４の接合は終了する。

このようにして、土台１に柱2a,2bを固定すると共に柱2
b,2cに合成梁４を固定した後、取付金具７における補強
片7aの孔7bを利用して筋違５を取付ける。

前記した如く合成梁４は水平材4aと角材4bとにより構成
すると共に、水平材4aに対し角材4bが互い違いに配置さ
れ、上下水平材4a間に交互に一定間隔で空間が形成され
るトラス構造となっているので、水平および垂直荷重に
対して強度が大でたわむことがないものである。なお、
水平材4aと角材4bおよび角材4bとの間には接着剤を介在
しても良い。

〔発明の効果〕

本発明は前記したように、柱間に配置される長尺の水平
材間に一定の長さを有する短尺の角材を一定間隔毎に配
置すると共に上段の角材と下段の角材とが上下において
端部で重なるように配置すると共に上下水平材4a間に交
互に一定間隔で空間を形成し、かつ、水平材間に角材を
介してボルト締めによって一体化して合成梁としたの
で、該合成梁はトラス構造となり、従って、従来の単材
による梁よりも材料コストが低下し、また、集中荷重に
対して強くなり自重でたわむことがなく、かつ、振動に
も強くなる外、多量生産に適し安価に製作できる等の効
果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る軸組構造の実施例を示し、第１図は
全体の正面図、第２図は柱と最上段の梁との接合部の斜
面図、第３図は柱と中間部の梁との接合部の斜面図、第
４図は同上の平面図である。 2a,2b,2c……柱、３……ボルト・ナット、４……合成
梁、4a……水平材、4b……角材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】柱間を接続する少なくとも２本の水平材の
   間に一定の長さを有する角材を上下に隣接するもの同士
   の端部において重なるように配置すると共に、水平方向
   の角材によって形成される空間の長さが一定となるよう
   に配置し、かつ、前記水平材間に前記角材を介してボル
   トを挿通してナットで締め付け一体化したことを特徴と
   する軸組構造用合成梁。