JP5122119B2 - 等断面集積木材構造 - Google Patents

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Description

本発明は等断面集積木材構造に係り、従来の軸組木構造建物に用いられる角材を、複数本重ねて集積して用いることにより、部材の断面形数を増加させたり、平面部材として利用し、大スパンの梁を有する、設計自由度の高い木造建築物の構築を行えるようにした等断面集積木材構造に関する。
従来の木造建築では木構造設計規準の規定に合致する構造用木材として製材された木材(角材)が提供され、その木材を用いて軸組構造等の種々の木造建築の設計がなされている。また、建物の住空間を広げるために、従来の軸組構造においても種々の接合金物等が利用され、規格木材による木造建物の大型化の向上が図られている。
従来の住宅等の木造建築物の規格を越えた、大規模な木造建築物は種々、構築されている。たとえば、大スパンの木造ドーム構造建築物では、集成木材からなる所定スパンのアーチ部材を工場等で製造し、現場において多数のアーチ部材を立体的に集合させて組み合わせることにより、大スパンドームを建設した例も多い(非特許文献1)。通常、集成木材は高性能の接着剤を用いて複数枚の板材(ラミナ)を張り合わせることにより、脚部等において大断面となるアーチ部材の製造を可能としている。
また、従来の住宅用木造建築においても、集成木材を用いて、スパンの大きな住空間を得ることが可能であり、簡易な構成の集成木材の接合部を工夫し、これにより住空間を広げた住宅の設計の提案もされている。(特許文献1)
特許文献1に開示された集成木材は、複数枚の薄い板材を接着剤で張り合わせた断面からなり、各板材の接合端部をずらして設け、ボルト及びナットにより補強することで、接合部の強度を高め、スパンの大きなラーメン構造を実現している。
http://www.takenaka.co.jp/techno/14_cabl/14_cabl.htm 特開平5−148896号公報
ところで、上述したような特許文献1や非特許文献1に開示された構法では、いずれも複数の薄板材を接着剤によって集成した集成木材により、構造上必要な所定の合成梁断面等を確保するようにしている。このため、建物を内部から見たとき、部材の外観として一応、木目の表れた木造建築であることが認められるが、実際の無垢の角材等を用いたわけではないため、薄板材の積層断面やひき板を多数接合して構成された木面しか現れず、利用者が建物内部から見たときに、木造建築固有の木の味わいが乏しいという点がある。
しかし、集成木材によって達成するような大スパン梁等は、市場に流通する従来の角材等の規格木材を用いては実現することができない。そこで、本発明の目的は、関係法令及び構造的な可能な限りの条件の下に、従来の製材品である角材を利用した木造建築であって、大空間構造を実現可能な等断面集積木材構造を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は略正方形断面からなる構成角材を積層する際の対向面に形成された各溝内に鋼製リングを埋設し、所定段数およびスパン長分に集積して締結手段で一体化した組み梁を、該組み梁を挟持可能な隙間を有するように、前記構成角材と等断面の構成角材を、該構成角材間に挿入される補剛部材との間の対向面に形成された溝内に鋼製リングを配設して組んでなる、桁方向に所定間隔をあけて立設された組み柱と、桁方向に隣り合う前記組み柱間に形成される面空間を、前記構成角材と等断面の構成角材を立てて幅方向に面状となるように集積して締結手段で一体化して、前記組み柱間を塞いでなる耐震壁体と、桁方向に列設された前記複数本の組み柱の構成部材間の隙間を貫通して挟持されるように、前記複数本の組み柱間に掛け渡されてなる桁梁とで構造主体を構成し、張間方向に所定のスパンだけ離れて構成された構造主体間に、前記組み柱に形成された隙間に挟持させて掛け渡して支持させ、耐震木造建築物を構築したことを特徴とする。
前記組み梁は、梁中間位置に所定間隔をあけて配置されたスペーサ部材を介して締結され、梁内に所定間隔をあけて中空部を形成することが好ましい。
前記耐震壁体は、壁中間位置に所定間隔をあけて配置されたスペーサ部材を介して締結され、壁内に所定間隔をあけて透過部を形成することが好ましい。
前記鋼製リングは、所定高さを有する鋼製円管で、配設される前記構成角材の対向面に円形溝が形成され、該円形溝内に、前記鋼製円管の高さ方向のほぼ半分が埋設されるように設置することが好ましい。


本発明によれば、従来の製材品である角材を組み合わせて利用し、大スパンの梁や柱耐震壁などを構成したことにより、外観的にまた内部空間においても古風な木材の表面が多く露出した木造建築とすることができ、今までに例のない木造空間としての構造的機能および意匠的な効果を果たすことができる。
以下、本発明の等断面集積木材構造の実施するための最良の形態として、以下の実施例について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明による等断面集積木材構造からなる大スパン木造建築物1の施工状況を説明するために示した概略斜視図である。図1には、建物基礎2上に立設された組み柱10と、組み柱10間の面空間を塞ぐように立設された組み壁20と、桁行方向に組み柱10を貫通して支持された桁梁35と、組み柱10位置で桁梁35に支持される、張間方向の大スパン組み梁が組み柱10間に架設され、次の大スパン組み梁30が組み柱10位置に吊り込まれている状況が模式的に示されている。以下、図1に示した本発明の等断面集積木材構造を構成する組み柱10,組み壁20,大スパン組み梁30,桁梁35、(以下、これらを総称する場合、集積部材と呼ぶ。)及び集積部材としての各接合部、補強手段について説明する。
[集積部材の共通構造]
本発明の集積部材に用いられる木材は、すべて等断面の角材(本実施例では135mm角の無垢ひのき製材)で、所定の材長に加工された製材である(以下、構成角材と呼ぶ。)。梁については梁せい及び梁スパン長を確保するように、構成角材を高さ方向と長さ方向とに集積して組み梁30、桁梁35が構成されている。柱については、桁梁等の構成角材を挟持できる程度の間隔(本実施例では135mm+クリアランス)をあけて4本の単位柱を一組とした組み柱10が構成されている。壁については、構成角材を縦使いして幅方向に集積して所定の面材としての組み壁20が構成されている。このように、等断面の構成角材を集積してなる各集積部材は、木造建築物の適用個所に合わせて設計され、工場等で高精度に製造され、現場で組み立られる。これにより、建築物全体を短期間で組み上げることができ、迅速施工可能なプリファブリケーション工法としても有効に機能する。なお、各構成角材は、後述する締結手段としての貫通ボルトおよびせん断抵抗部材としての鋼製の円管(以下、本明細書ではスプリットリングと呼ぶ。)のみを用いて集積部材に組み立てることができる。
[大スパン組み梁の構成]
図2は、図1において張間方向に吊り下げられた状態が示された大スパン組み梁30の正面図である。この大スパン組み梁30は、図1に示したように、建物の桁行方向に約4m間隔で立設された組み柱10(詳細は後述する)に、桁行方向に連続して架設された桁梁35上に支点が載置されるように所定間隔(一例として0.8m)で支持され、張間方向の大スパン梁として架設される。
大スパン組み梁30は、図1,図2に示したように、上下方向に5段組みされた集積部材からなり、下から1,3,5段において定尺の構成角材31が長手方向に接合され、その接合個所の間に2,4段にスペーサ部材としての短尺の構成角材32が配置され、全体として5段の高さを有するように、あらかじめ工場で組み立てられている。本実施例において、この大スパン組み梁30は、最上段での梁全長約17m、組み柱10間の梁スパン長約10.5mの大スパン梁材として組み立てられている。また、意匠上の効果および部材の軽量化のために、組み柱10から外側に張出し部30Aが設けられている。軒に相当する張出し部30Aの部材長さは下段から所定長さずつ短くなっている。さらに、上下方向の中間に位置する下から2,4段目の構成角材32は、上述したようにスペーサ部材として機能することにより、集積部材の2,4段目に中空部34が所定間隔をあけて形成されている。このように梁スパンの中間位置に中空部が形成されても、各部において1,3,5段の構成角材31の断面係数が十分確保されているので、スパン中間個所での梁断面応力の問題は発生しない。そして梁質量を軽減でき、内部から見た梁の外観上の軽快さを生じさせる効果を奏することができる。
図3(a)は梁部材としての構成角材31の接合部位置(A部拡大図)を拡大して示した部分断面図である。図3(b)は梁中間位置の構成角材32の設置位置(B部拡大図)を示した部分拡大図である。
図3(a)に示した梁部材接合部は、1,3,5段の構成角材31を長手方向に接合するとともに、構成角材32を集積部材として上下方向にも一体化して補剛するために構成角材32を挟んで上下方向に締結する役割を果たす。この梁部材接合部においては、5段の梁を構成する構成角材31,32を上下に貫通する4本の貫通ボルト40が配置され、さらに各角材31,32間の接触面での面外せん段力の抵抗部材として、スプリットリング45が構成角材31,32間を跨ぐように埋設されている。貫通ボルト40の定着部である、組み梁30の上下面には鋼板製の定着プレート41Uが配置され、貫通ボルト40の締結力による角材31への応力集中を緩和させるようになっている。また、接合部下面の定着プレート41Lは、最下段の構成角材31を切欠いた部分に設置してナット定着を行い、定着プレート41L全体を構成角材31と同材料の板状の埋木33で覆うようにする。このように意匠上の配慮として、建物内部(室内側)に鋼製の定着プレート41Lが露出しないようにしている。スプリットリングの構成及びその作用については図4を参照して後述する。
図3(b)に示した中間集積部は、1,3,5段の構成角材31を、中間位置で上下方向に一体化し補剛し、また図3(a)に示した接合部との外観上の整合を図り、2,4段目のスペーサ部材としての構成角材32を上下方向に締結する役割を果たす。これにより、梁接合部以外にも組み梁30に所定間隔をあけて中空部34が形成される。この中間集積部においても、図3(b)に示したように、貫通ボルト40とスプリットリング45とを用いて各段間が接合されている。中間集積部では、定着プレートは用いられていないので、最下段の構成角材31の下面にはナット頭が隠れる程度の丸穴状の凹所が形成され、この凹所も埋木33で塞がれ、接合金物の端部が室内側から外観上露出しないようになっている。本実施例では、梁部材接合部、中間集積部位置は梁長手方向に等間隔を開けて配置され、また構成角材32はともに長さ0.9mの部材が使用されているため、大スパン組み梁30として、約1.5mの中空部が2,4段目に4個所ずつ等間隔に配置されるようになっている。このため、組み梁30は、自重による撓みの軽減とともに、意匠的にもバランスがとれた軽快さが得られている。
[スプリットリング、貫通ボルトの構成]
図4は、スプリットリング45の構成角材への取付状態を模式的に示したカットモデルである。本実施例では、スプリットリング45は直径76mm、肉厚3mmのステンレス製の円管を、高さ50mmにカットした円管部材が使用されている。このスプリットリング45は、図示したように、上下に位置する構成角材の表面にリングカッタ(図示せず)により削孔された深さ25mm(リングの高さの半分に相当)のリング溝内に嵌着することで構成角材31,31…間に位置させることができる。
従来の集成材では接着剤で複数枚の板材を貼り合わせて部材自体を一体化させて断面剛性を高めていたのに対して、スプリットリング45を用いた集積部材では、図4に示したように、隣接した構成角材同士は接着されることなく面接触し、角材内にそれぞれ半分の高さが埋設されたスプリットリング45が位置するので、スプリットリング45がせん断抵抗材として接合面に生じる面外せん断力による部材間ずれに抵抗する。
さらに、各スプリットリング45の中心位置に貫通孔(φ14mm)を削孔し、組み段数に相当するボルト長の貫通ボルト40(φ12mm)を貫通させて他端をナット定着することにより、各構成角材は集積方向に締結される。このように、貫通ボルト40とスプリットリング45とを同じ接合位置で使用することにより、貫通ボルト40が負担するせん断力以上のせん断力をスプリットリング45が効果的に負担し、集積部材の各構成角材間の部材間変形を効果的に防止することができる。
[組み柱の構成]
図5,図6は2種類の構造からなる組み柱10を示した正面図、側面図である。組み柱10は、高さ方向に構成角材を3本継ぎした各単位柱11,11…間を、それぞれ角材幅分(本実施例では135mm+クリアランス)だけ離して立設し、各単位柱11間を横方向角材12で一体化させた構造からなる。本実施例の組み柱10は、図5(a),(b)に示した充実柱10Aと、図6(a),(b)に示した中空柱10Bとからなる。
充実柱10Aは、平面構造計画において、水平方向抵抗部材として機能する位置に配置された柱で、4本の単位柱11,11…間に水平方向の補剛を図る横方向角材12を積み上げて充実部材とすることにより、組み柱10の横方向剛性を高めた柱である。一方、中空柱10Bは図6(c),(d)に示したように、4本の単位柱11,11…の間隔を保持する横方向角材12を桁梁35の支持部のみに配置した構造からなる、主に鉛直荷重を負担とする間柱として機能する柱である。
図5,図6各図に示した単位柱11,11…は、各単位柱11の底面が直接基礎2の基礎コンクリート上に置かれた状態で、各柱の下端に羽子板形状の定着プレート5とアンカーボルト6とが一体となったアンカー部材が取付られ、アンカーボルト6が直接基礎2のアンカー定着孔3にグラウト4で固定されて定着され、自立柱として機能する。
図7(a),(b),(c)は4本の単位柱11,11…の間に補剛および間隔保持を目的として配置された横方向角材12の接合例を示した平断面図である。図7各図に示したようにこの柱の鉛直方向の荷重を負担するとともに柱に作用する横方向荷重に抵抗するために3種類のスプリットリング45の使用例が採用されている。図7(a)に示した接合部は、単位柱11と横方向角材12との間にスプリットリング45を配置して横方向角材12を単位柱11に固定した構造形式を示している。
図7(b)に示した接合部は、横方向角材12の上下方向においてもスプリットリング45を設置することで、より堅固な柱構造の横方向抵抗力を得られるようにした接合構造である。図7(c)に示した接合部は、一般の横方向角材12の取り付け箇所を示した断面図であり、大きな水平外力が作用しない場合には、同図に示したように貫通ボルト40のみで横方向角材12と単位柱11とを固定するようになっている。
図8(a),(b)は図7各図に示した組み柱10において、単位柱11,11の間に組み込まれた3本の横方向角材12の接合状態を示した柱の一部断面図である。図8(a)に示した接合部では、3段に積み重ねられた横方向角材12はそれぞれ貫通ボルト40とスプリットリング45とにより、4本の単位柱11,11…の側面に堅固に固定されている。一方、図8(b)に示した接合部では、貫通ボルト40を用いず単位柱11との間および上下の横方向角材12間に、スプリットリング45を配置し、スプリットリング45のみでせん断ずれを防止するように設計されている。
図9(a),(b)は組み柱10の所定高さに、桁梁35が架設され、その桁梁35の上に大スパン組み梁30が架設された状態を示した部分組立図である。同図(a)は外観図、(b)は桁梁35内の金物の配置例を示した断面図(図の簡単化のため桁梁35断面のハッチングを省略している)である。
図9両図に示したように、3段に集積された桁梁35は、組み柱10内の所定レベルに設けられた支持部36上に載置され、隣接した組み柱10の単位柱11の間を通じて桁行方向に架設されている。このとき、組み柱10の支持部36として3段の横方向角材12が、貫通ボルト40とスプリットリング45とを用いて、各組み柱10の所定高さに揃えられて取り付けられている(同図(b)参照)。この支持部36上に桁梁35が載置され、さらに単位柱11と貫通ボルト40およびスプリットリング45とで接合交点およびその両側の桁梁35位置が補剛され、集積部材の交点部分の一体化が図られている。また、この組み柱10と桁梁35との接合交点には太径ボルト(φ20:他の一般部はφ12)が貫通ボルト40Bとして使用され、柱梁接合部としてのせん断剛性の向上が図られている。そして、図1にも示したように、この桁梁35上に大スパン組み梁30が約0.8m間隔で架設される。この大スパン組み梁30は、組み柱10以外の設置場所では、図9(b)に示したように、3段積みの桁梁35上での支持位置では5段積みされている。この構成角材が8段となる組み梁30の支持部では組み梁30と桁梁35とを上下に貫通する貫通ボルト40を用いて小屋組としての組み梁30の倒れ防止が図られている。
[組み壁の構成]
図10(a),(b)は壁高の異なる2種類の組み壁20を示した正面図である。各組み壁20は壁高にあわせて構成角材を縦方向に接合するとともに、幅方向に所定本数を集積して水平貫通ボルト40Hで締結されたパネル状体である。壁幅は、組み柱10間の距離に応じて、また壁高も軒高に応じて設定され、定尺の構成角材21の継ぎ本数及び端部の角材の長さを調整して適宜設定することができる。この組み壁20も、集積した構成角材21を貫通ボルト40Hで締結した構成からなるため、十分な壁厚が確保された高い壁剛性を有するため、建物の耐震設計上、耐震壁として考慮することができる。
また、大スパン組み梁30と同様に、幅方向に構成角材21とスペーサ部材としての構成角材22とを交互に配置して、両図に示したように、構成角材21を1本おきに用いることにより、組み壁20の所定範囲に、透過部23を設けることができる。これにより、組み壁20に窓を設けることなく、壁面に均等に透過部23を配置することができ、この透過部23を介して外部光を内部に取り入れることができる。内部の明るさは、壁面に対しての透過部23の比率を適宜設定することで自由に調整することができる。また、大スパン組み梁30と同様に、あらかじめ所定寸法のパネル状に工場で組み立てられるが、パネル状の組み壁20としての質量軽減を図ることができる。各組み壁20は組み柱10と同様の形状のアンカーボルト6が構成角材21の下端に設けられており、これらのアンカーボルト6を基礎2に定着することにより、組み壁20自体を自立構造とすることができる。
[大空間木造建築物への適用例]
図11は図2に示した大スパン組み梁30及び図5,図6の各図に示した組み柱10を用いて大空間を構成する木造建築物に適用した例を示した架構正面図である。同図に示したように、シンプルな組み柱10と、組み柱10で支持された桁梁35上に架設された大スパン組み梁30とを組み合わせることにより、図示したような大空間建物を実現することができる。また、この建築物は、すべて角材を組み合わせた構造からなるため、外観上も内部から見た場合も、木造建築としての高い味わいが得られる。
図12は図11における柱と梁の接合部(C部、D部)の詳細構造を示した拡大断面図である。図12(a)に示したように、1本の組み柱10の所定の高さに支持部および桁梁35を設置して、2箇所の梁を支持させることにより多段の屋根からなる内部空間を構成することができる。また同図(b)の拡大図に示したように、組み梁30の端部30Aを組み柱10から片持ち状に十分張り出させることにより、軒下にも有効な利用空間を確保することができる。
本発明による等断面集積木材構造における大スパン組み梁の架設状況を示した施工状態説明図。 図1に示した大スパン組み梁の全体正面図。 大スパン組み梁の部材接合部及び中間接合部の拡大断面図。 貫通ボルトとスプリットリングとを用いた補強部の拡大断面図。 充実角材が組み込まれた組み柱を示した正面図、側面図。 充実角材が組み込まれていない組み柱を示した正面図、側面図。 組み柱に用いられる横方向角材の接合状況を示した平断面図。 組み柱に用いられる横方向角材の取り付け状況を示した断面図。 組み柱に架設された桁梁上に大スパン組み梁を架設した状況を示した部分説明図。 組み壁の一実施例を示した正面図。 本発明の大空間木造建築物への適用例を示した架構図。 図11に示した(C部)及び(D部)の拡大正面図。
符号の説明
1 大スパン木造建築物
2 基礎
6 アンカーボルト
10 組み柱
11 単位柱
12 横方向角材
20 組み壁
23 透過部
30 組み梁
35 桁梁
36 支持部
40 貫通ボルト
40B 貫通ボルト(太径)
41 定着プレート
45 スプリットリング

Claims (4)

  1. 略正方形断面からなる構成角材を積層する際の各構成部材の対向面に形成された溝内に鋼製リングを埋設し、所定段数およびスパン長分に集積して締結手段で一体化した組み梁を、
    該組み梁を挟持可能な隙間を有するように、前記構成角材と等断面の構成角材を、該構成角材間に挿入される補剛部材との間の対向面に形成された溝内に鋼製リングを配設して組んでなる、桁方向に所定間隔をあけて立設された組み柱と、
    桁方向に隣り合う前記組み柱間に形成される面空間を、前記構成角材と等断面の構成角材を立てて幅方向に面状となるように集積して締結手段で一体化して、前記組み柱間を塞いでなる耐震壁体と、
    桁方向に列設された前記複数本の組み柱の構成部材間の隙間を貫通して挟持されるように、前記複数本の組み柱間に掛け渡されてなる桁梁とで構造主体を構成し、
    張間方向に所定のスパンだけ離れて構成された構造主体間に、前記組み柱に形成された隙間に挟持させて掛け渡して支持させ、
    耐震木造建築物を構築したことを特徴とする等断面集積木材構造。
  2. 前記組み梁は、梁中間位置に所定間隔をあけて配置されたスペーサ部材を介して締結され、梁内に所定間隔をあけて中空部が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の等断面集積木材構造。
  3. 前記耐震壁体は、壁中間位置に所定間隔をあけて配置されたスペーサ部材を介して締結され、壁内に所定間隔をあけて透過部が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の等断面集積木材構造。
  4. 前記鋼製リングは、所定高さを有する鋼製円管で、配設される前記構成角材の対向面に円形溝が形成され、該円形溝内に、前記鋼製円管の高さ方向のほぼ半分が埋設されるように設置されたことを特徴とする請求項1に記載の等断面集積木材構造。
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