JP2022051464A - 壁面構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】現地での作業を簡素化できるほか、建築物の強度の向上にも寄与し、さらに施工前の輸送や保管にも優れた壁面構造を提供すること。【解決手段】この壁面構造は、木板21とツバ材31からなるパネル体11を複数並べたもので、パネル体11同士の境界では、連結ボルト57でツバ材31同士を一体化する。また木板21に埋設具41を埋め込み、これに向けて結合ボルト53に差し込み、ツバ材31を木板21に取り付ける。パネル体11の組み立ては、結合ボルト53の差し込みで完了するほか、パネル体11を据え付けは、連結ボルト57の差し込みで完了し、現地での作業が簡素化する。そのほか木板21とツバ材31は矩形状で、複数を隙間なく配置でき、輸送や保管が容易である。さらに木板21とツバ材31の一体化でパネル体11の強度が向上するほか、隣接するツバ材31同士が柱として機能し、垂直荷重に対する強度も向上する。【選択図】 図1

Description

本発明は、建築物の側面を覆う壁面構造に関する。
木造建築で広く普及している軸組構法は、柱や梁などの部材を格子状に連結して強固な骨格を構築している。そのため、柱や梁などで囲まれる空間内については、構造上の制約が少なく、窓などを自在に設置できるほか、外壁を簡素な構造に留めることもできる。ただし近年は、断熱性や耐久性などの向上のため、軸組構法についても、外壁の高度化が進んでいる。また軸組構法以外では、構造用合板などを用いた枠組壁構法が知られている。この構法では建築物の側面全体が構造用合板などで覆われるため、強度や断熱性に優れている。
構造用合板などの板材で建築物を構築する場合、板材同士をつなぎ合わせる技術が必要不可欠であり、その例として後記の特許文献が挙げられる。そのうち特許文献1では、地震や風荷重に対して十分な接合強度を有し、しかも工場生産を前提とした木質パネルの接合方法が開示されている。この木質パネルは、合板の外縁に主枠を取り付けた構造で、隣接する木質パネルの主枠同士をボルトで接合することで、建築物の骨格を構築することができる。そして主枠同士の接合面は、双方が単純に面接触するのではなく、それぞれに「せん断伝達鋼板」を取り付ける。この「せん断伝達鋼板」には、凸状の「シェアキー」と凹状の「シェアキー受け孔」の両方を形成してあり、木質パネルの主枠同士をボルトで接合した際、一方の「シェアキー」が相手方の「シェアキー受け孔」に嵌まり込むことで、十分な接合強度が確保される。
次の特許文献2では、連結されている複数のパネルの一部を容易に交換可能で、しかも交換後も連結強度の低下を生じないパネル連結構造が開示されている。このパネルの側端面は、単純な平面状ではなく、側端面の中央線を境として段差を設けてあるため、外側に突出する係合片が形成される。さらにパネルの側端部から少しだけ離れた位置には、平面状のパネル連結具を揺動可能な状態で取り付けてある。そして二枚のパネルを連結する際は、双方の側端部を突き合せ、係合片同士がパネルの厚さ方向に重なるように配置し、二枚のパネルを隙間なく接触させる。その後、パネル連結具を傾け、パネル同士の境界を跨ぐように配置すると、一方のパネルの係合片は、相手方の係合片とパネル連結具との間に挟み込まれ、二枚のパネルの連結が完了する。この構成では、必然的にパネルの交換後も連結強度の低下を生じることがない。
特開2000-144935号公報 特開2015-25284号公報
倉庫や大型店舗などは、その規模や建築コストの面から鉄骨構造が主流である。しかし近年は集成材の製造技術の向上により、大断面の木材を無理なく入手できるようになり、このような大規模な建築物の木造化も実現可能な状況にある。このような用途に適した集成材は様々なものが存在しており、その一つとしてCLTと称される板材が挙げられる。CLTは、通常の合板と比べて十分な厚さを有するため、これだけで建築物の骨格を構築することができ、CLTを水平に敷設すると床として機能し、CLTを直立させると壁として機能する。
CLTなどの板材を現地で据え付ける際は、建築物の強度を確保するため、その端面同士を強固に連結する必要がある。この連結方法は様々だが、大形の板材は取り扱いが難しいため、現地での作業をできるだけ簡素化すべきであり、しかも建築物の強度の向上にも寄与できることが望ましい。またCLTなどの板材は、その大きさから輸送や保管も難しく、その分だけ建築コストの上昇に結び付く恐れがあり、この点についても何らの配慮が必要である。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、現地での作業を簡素化できるほか、建築物の強度の向上にも寄与し、さらに施工前の輸送や保管にも優れた壁面構造の提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、木板と、該木板の側端面に取り付けるツバ材と、からなるパネル体を用い、前記木板の側端面には埋設具を埋め込み、前記ツバ材から該埋設具に向けて差し込まれた結合ボルトによって該ツバ材が該木板に取り付けられ、前記木板の幅方向に沿って前記パネル体を複数並べ、隣接する該パネル体同士の境界では、双方の前記ツバ材を貫くように連結ボルトを差し込み、該連結ボルトで該ツバ材同士を密着させることで複数の該パネル体を隙間なく一体化することを特徴とする壁面構造である。
本発明による壁面構造は、平面状のパネル体同士を連結したもので、個々のパネル体は、木板とツバ材で構成される。この木板は、単純な平面状の板だが、建築物の骨格として機能することのできる厚さを有しており、CLTなどの板材を所定の大きさに切り出した物である。またツバ材は、木板を直立させた状態において、その側端面に取り付ける板材であり、木板の表面から突出するように配置するため、H形鋼のフランジなどと同様の役割を果たす。なおツバ材についても木材であることを前提としており、さらにツバ材は、原則として木板の上下面を結ぶように配置する。
木板とツバ材は、製材段階で一体化するのではなく、現地で一体化することを想定している。そのため木板の側端面には、何らかの埋設具を事前に埋め込んでおく。埋設具は、木板の側端面から伸びる下穴に埋め込み、木板と一体化させる金属部品である。埋設具の具体例としては、ラグスクリューや異形棒鋼が挙げられ、ラグスクリューの場合、その側周面から突出する凸条を木板の内部に食い込ませ、木板と緩みなく一体化させる。また異形棒鋼は接着剤で木板と一体化させる。なお埋設具は、上下方向に所定の間隔を空けて複数を連続的に埋め込むものとする。さらに埋設具は、その全体を木板に埋め込み、側端面から突出することはない。
結合ボルトは、ツバ材を木板に取り付けるために用い、ツバ材から埋設具に向けて差し込む。そのためツバ材には、結合ボルトの軸部を差し込むため、結合穴を設ける。また埋設具には、結合ボルトと螺合するメネジを設ける。そしてこのメネジに螺合された結合ボルトを締め付けると、ツバ材が木板に密着する。なお、結合ボルトの頭部をツバ材に埋め込むため、結合穴と同心でザグリを設けることがある。そのほか、結合ボルトに作用する軸力でツバ材が変形することを防ぐため、結合ボルトの頭部は、ワッシャなどの金属部品に接触させ、ツバ材に作用する応力を緩和させることがある。
木板の側端面にツバ材を取り付けることで、パネル体が完成する。このパネル体を真上から見ると、両側端部からツバ材が突出したH字状になる。ただしツバ材については、木板の表面または裏面のいずれか一方に偏って配置することも可能であり、極端な場合、木板とツバ材を丁字状ではなく、L字状に配置することもある。なお木板にツバ材を取り付ける作業は、双方の位置合わせの後、結合ボルトの締め付けだけで完了する。
連結ボルトは、隣接するパネル体同士を一体化するために用いる。パネル体は、建築物の側面などに沿って途切れることなく配置するため、必然的に木板の幅方向(両側端面の間を結ぶ方向)に沿って並ぶことになるが、隣接するパネル体同士の境界では、双方のツバ材を段差なく並べて面接触させる。その後、ツバ材同士を貫くように連結ボルトを差し込み、その先端部にナットを螺合させ、これらを締め付けると、ツバ材同士が密着し、隣接するパネル体同士が一体化する。そしてこれを繰り返すことで、建築物の側面が構築される。なお連結ボルトは、木板よりも外側に配置するため、結合ボルトと干渉することはなく、結合ボルトの影響を受けることなく差し込み位置を決めることができる。そのほか連結ボルトについても、その軸力でツバ材が変形することを防ぐため、ワッシャなどの金属部品を組み込み、ツバ材に作用する応力を緩和させることがある。
このように木板の側端面にツバ材を取り付けることで、木板が補強され、木板を屈曲させるような荷重に対抗することができ、建築物の剛性が向上する。また、隣接する二枚のツバ材を連結ボルトで一体化することで、ツバ材が柱と同等の役割を果たし、建築物の強度を一段と高めることができる。しかも埋設具は木板の側端面に埋め込むため、埋め込み後も木板は単純な矩形状を維持するほか、ツバ材についても単純な矩形状である。そのため、木板やツバ材は、複数を上下左右に隙間なく並べることができる。
請求項2記載の発明は、パネル体を一段と強化するもので、木板とツバ材との接触面を跨ぐように拘束片を埋め込み、木板とツバ材の双方には、拘束片を埋め込むための収容溝を設けてあることを特徴とする。木板とツバ材を結合ボルトだけで一体化した場合、木板とツバ材との間に作用するせん断荷重は、結合ボルトだけで受け止めることになり、結合ボルトの負担が増大する。そこで本発明では、木板とツバ材との接触面に拘束片を埋め込み、これによってせん断荷重を受け止める。
拘束片は、木板やツバ材の内部に埋め込み、外部には露出しないものとする。また拘束片は、その用途から、木板とツバ材との接触面を跨ぐように配置する。そのため木板とツバ材のいずれとも、拘束片を埋め込むための収容溝を設ける。収容溝は、木板とツバ材との接触面を部分的に削り込んで形成し、拘束片を緩みなく嵌め込み可能な大きさとする。なお拘束片の形状は自在であり、円形とすることもあれば、矩形状とすることもある。
請求項1記載の発明のように、複数のパネル体を連結する壁面構造において、個々のパネル体は木板とツバ材で構成し、木板の側端面に埋め込んだ埋設具を介して木板にツバ材を取り付けることで、パネル体の組み立て作業は、ツバ材から埋設具に向けて結合ボルトを差し込むだけで完了するほか、隣接するパネル体同士を一体化する際は、面接触している双方のツバ材を貫くように連結ボルトを差し込むだけであり、現地での作業を簡素化することができる。また木板にツバ材を取り付ける前の時点では、木板とツバ材のいずれも単純な矩形状であり、複数を上下左右に隙間なく並べることができる。そのため占有空間を最小限に留めることができ、輸送や保管に要する場所や費用を抑制可能である。
そのほか、木板とツバ材を一体化することで、ツバ材がH形鋼のフランジなどと同様の役割を果たし、木板の変形を抑制することができる。また、隣接するパネル体同士を連結ボルトで一体化することで、隣接するツバ材同士も実質的に一体化し、これが柱として機能するため、垂直荷重に対する強度も向上する。
請求項2記載の発明のように、木板とツバ材との接触面を跨ぐように拘束片を埋め込むことで、木板とツバ材との間に作用するせん断荷重を確実に受け止めることができる。その結果、結合ボルトの負担が軽減するほか、パネル体の剛性が高まり、建築物の強度が一段と向上する。
本発明による壁面構造の形態例を示す斜視図であり、図の上方では壁面構造を構成するパネル体の全体を描いてあり、図の下方ではパネル体の側端部の詳細を描いてある。 図1のパネル体を組み立てる手順を示す斜視図であり、図の上方は木板に埋設具を埋め込んだ段階で、図の下方は木板にツバ材を取り付けた段階である。 図1のパネル体同士を一体化する過程を示す斜視図であり、図の上方は一体化する直前で、図の下方は一体化した後である。 パネル体を基礎に据え付ける方法の一例を示す斜視図であり、ここでは柱脚金物を用いている。 複数のパネル体を並べた壁面構造を用いた建築物の一例を示す斜視図であり、壁面構造に登り梁を載せている。 直交する二方向に壁面構造を配置した場合の一例を示す斜視図であり、併せて壁面構造の内側に横架材と桁を組み込むことを想定している。 図6の最終段階を示す斜視図であり、壁面構造の内側に横架材と桁が組み込まれている。なお図の上方には、このパネル体の木板とツバ材との関係を描いてある。
図1は、本発明による壁面構造の形態例を示し、図の上方では壁面構造を構成するパネル体11の全体を描いてあり、図の下方ではパネル体11の側端部の詳細を描いてある。本発明による壁面構造は、複数のパネル体11を建築物の側面などに沿って並べていき、これらを一体化することで完成となるもので、この図の上方では、三組のパネル体11を描いてある。なおここではパネル体11同士が離れているが、施工を終えた段階ではこれらが隙間なく密着して一体化する。
個々のパネル体11は、木板21とツバ材31で構成されている。木板21は、文字通り木製の板だが、建築物の外壁として機能するよう、相応の厚さを有しており、通常はCLTなどの集成材を必要な大きさに切り出した物を使用する。またツバ材31についても、木板21と同様、木製の板で、木板21と同じ高さとしてある。そしてツバ材31は、木板21の側端面に接触させるが、木板21とツバ材31は直交状態で配置するため、ツバ材31の側端部は、木板21の両面から突出している。なお、図の木板21とツバ材31の中心は一致しており、木板21の表裏面ともツバ材31の突出長さは同じである。したがって木板21とツバ材31との結合箇所を真上から見ると、これらが丁字状に配置されることになる。さらにツバ材31は、木板21の両側端面に取り付けるため、一枚のパネル体11については、これらがH字状に配置されることになる。
木板21とツバ材31は、この図の下方のように、埋設具41と結合ボルト53で一体化する。結合ボルト53は、ツバ材31から木板21に向けて差し込む。したがってツバ材31には、結合ボルト53の軸部を差し込むため、結合穴33を加工する。さらに結合穴33の入り口側には、結合ボルト53の頭部を収容するため、ザグリ34を加工する。また木板21については、結合穴33と同心となる位置に下穴24を加工し、そこに埋設具41を埋め込む。
埋設具41は汎用のラグスクリューと同様の構成であり、その側周面には、螺旋状に伸びる凸条44が突出しているほか、一端側には円筒状の頭部46を設けてある。頭部46は、下穴24に埋め込む際、後端側になる部位で、その端面には六角形の穴を設けてあり、そこに工具を嵌め込むことで、埋設具41を回転させることができる。さらに頭部46の内部中心には、図の左上に示すように、結合ボルト53と螺合するため、メネジ43を設けてある。そして埋設具41を木板21に埋め込むと、その凸条44が下穴24の内周面に食い込み、埋設具41は木板21と強固に一体化する。なお下穴24は、埋設具41の形状に対応し、途中で内径が絞り込まれる。
木板21とツバ材31を結合ボルト53だけで一体化した場合、木板21とツバ材31との間に作用するせん断荷重は、結合ボルト53で受け止めることになり、その負担が大きい。そこでこのせん断荷重については、木板21とツバ材31との接触面に埋め込む拘束片55で受け止めるものとする。拘束片55は矩形状の金属部品であり、木板21の側端面には、拘束片55を埋め込むため、収容溝25を加工してあり、ツバ材31の表面中央にも同様に収容溝35を加工してある。収容溝25、35は、その用途(せん断荷重の伝達)から、拘束片55を緩みなく嵌め込み可能な大きさとしてあるほか、拘束片55が木板21とツバ材31との接触面を跨ぐよう、双方の深さを調整してある。
拘束片55は、単にせん断荷重を伝達するだけであり、木板21とツバ材31との接触面であれば、自在に配置することができる。ただしこの図では、結合ボルト53と同心で配置してある。そのため木板21については、収容溝25の底面中心から下穴24が伸びており、ツバ材31についても、収容溝35の底面中心から結合穴33が伸びている。さらに拘束片55の中心には、埋設具41の頭部46を収容するため、中穴56を設けてある。その結果、結合ボルト53と埋設具41に作用するせん断荷重は、拘束片55で受け止められ、過大なせん断荷重で結合ボルト53が屈曲するといった事態を回避できる。
木板21にツバ材31を取り付ける際は、まず木板21の下穴24に埋設具41を埋め込み、さらに木板21の収容溝25に拘束片55を嵌め込む。この嵌め込みを終えると、埋設具41の頭部46は拘束片55の中穴56に入り込む。次に木板21とツバ材31を接触させ、これらの位置調整をした後、ツバ材31の結合穴33から埋設具41のメネジ43に向けて結合ボルト53を差し込み、その締め付けを終えると、木板21とツバ材31が一体化する。この際、結合ボルト53の頭部は、結合穴33と同心のザグリ34に埋め込まれ、外部に突出することはない。このように、木板21の両側端面にツバ材31を取り付けると、パネル体11の組み立てが完了する。なお、結合ボルト53に作用する軸力でツバ材31が変形しないよう、ザグリ34の奥にはワッシャ54を組み込んである。この変形防止については、筒状の金属部品を埋め込むなど、より厳重な対策を講じることもある。
隣接するパネル体11同士は、連結ボルト57で引き寄せて一体化する。連結ボルト57は、隣接するツバ材31同士を貫くもので、一方のツバ材31から相手方のツバ材31に向けて差し込んだ後、その先端部にナット58を螺合させ、これらを締め付けるとツバ材31同士が密着し、パネル体11同士が一体化する。したがって個々のツバ材31には、連結ボルト57の軸部を差し込むため、連結穴37を加工するほか、連結穴37において、ツバ材31同士の接触面の反対側には、ザグリ38を加工する。ザグリ38は、連結ボルト57の頭部やナット58を収容するためのもので、締め付け後は、連結ボルト57とナット58のいずれもツバ材31に埋め込まれた状態になる。そのほかここでも、連結ボルト57に作用する軸力でツバ材31が変形しないよう、ザグリ38の奥にはワッシャ59を組み込んである。
図2は、図1のパネル体11を組み立てる手順を示し、図の上方は木板21に埋設具41を埋め込んだ段階で、図の下方は木板21にツバ材31を取り付けた段階である。パネル体11の組み立ては、木板21にツバ材31を取り付けるだけの簡単な作業だが、これに先立ち、木板21の下穴24に埋設具41を埋め込んでおく。なお埋め込みの際は、埋設具41の頭部46の端面が木板21の側端面と段差なく並ぶようにする。これにより、埋設具41が木板21から突出しないため、輸送や保管の際、デッドスペースの発生を防止できるほか、身体との接触など、不慮の事故も防止できる。
拘束片55は、収容溝25、35に緩みなく嵌まり込むが、木板21の収容溝25に拘束片55を嵌め込むと、その半分は木板21の側端面から突出し、この部分がツバ材31の収容溝35に嵌まり込む。その結果、拘束片55は、木板21とツバ材31との接触面を跨ぐように配置され、せん断荷重を伝達可能になる。なおこの際、埋設具41の頭部46は、拘束片55の中穴56に入り込む。その結果、拘束片55の移動が抑制され、施工途中で不用意に脱落することを防ぐ。さらに結合ボルト53や埋設具41に作用するせん断荷重は、直接的に拘束片55に伝達され、これらの負担が軽減される。そのほか、図では結合ボルト53と埋設具41を上下に二組だけ描いてあるが、実際には木板21とツバ材31との接触面全域に分散配置し、双方を接着するように一体化する。
木板21の収容溝25に拘束片55を嵌め込んだ後、木板21とツバ材31を接触させ、埋設具41と結合穴33を同心に揃えた後、ツバ材31から埋設具41に向けて結合ボルト53を差し込み、これを締め付けると、図の下方のように、木板21とツバ材31が隙間なく密着する。このように、木板21にツバ材31を取り付ける作業は、結合ボルト53を締め付けるだけであり、現地でも無理なく実施可能である。そのため、木板21やツバ材31の輸送時や保管時は、これらを上下左右に隙間なく並べることができる。なお拘束片55は、木板21やツバ材31から突出するため、その嵌め込み作業は、木板21とツバ材31を接触させる直前が望ましい。
図3は、図1のパネル体11同士を一体化する過程を示し、図の上方は一体化する直前で、図の下方は一体化した後である。木板21にツバ材31を取り付けてパネル体11が完成した後、複数のパネル体11を建築物の側面などに沿って配置し、次に隣接するパネル体11同士を連結ボルト57で一体化する。連結ボルト57は、パネル体11同士の境界で接触する双方のツバ材31の連結穴37を貫くように差し込み、その先端部にナット58を螺合させ、これらを締め付けることでツバ材31同士が密着する。
連結ボルト57の頭部やナット58は、ザグリ38に埋め込まれるため、施工後に何らかの手段でこれらを覆い隠し、美観を向上させることも容易である。また、ザグリ38の奥にはワッシャ59を組み込んである。そのほか連結ボルト57とナット58についても、パネル体11同士を強固に一体化するため、ツバ材31の全域に分散配置する。なお連結ボルト57は、ツバ材31の外側(木板21の表裏面よりも外側)に配置される。対して結合ボルト53は、ツバ材31の内側(木板21の表裏面よりも内側)に配置される。そのため、連結ボルト57と結合ボルト53が干渉することはなく、いずれも、他方の影響を受けることなく差し込み位置を決めることができる。
図4は、パネル体11を基礎81に据え付ける方法の一例を示している。パネル体11は建築物の骨格となるため、その下部は基礎81などと強固に一体化し、地震などの外力に耐える必要がある。そこでこの図のように、柱脚金物61を介してパネル体11を基礎81に据え付けることがある。ここでの基礎81はコンクリート製であり、地盤から壁状に立ち上がっており、その上面にパネル体11を載せる。なお基礎81の上面では、所定の位置にアンカーボルト86が突出しており、これを利用して柱脚金物61を基礎81に固定する。この柱脚金物61は、下方の胴部63と上方の棒部64が一体化した金属製であり、胴部63は円筒状で、その内部にアンカーボルト86が入り込む。そして胴部63に入り込んだアンカーボルト86にワッシャ67を組み込み、さらにナット66を螺合させると、柱脚金物61は基礎81に固定される。また棒部64は単純な丸棒状で、その側周面にはピン穴65を設けてある。
木板21には、柱脚金物61を埋め込むため、空洞部26を加工してあるほか、ツバ材31にも同様に空洞部36を加工してある。空洞部26、36は、柱脚金物61全体を緩みなく埋め込み可能な大きさであり、胴部63と棒部64に対応し、途中で内径が絞り込まれる。そして木板21やツバ材31を柱脚金物61と一体化するため、木板21やツバ材31からピン穴65に向けて固定ピン69を打ち込む。そのため木板21には、ピン穴65と同心に揃う位置に側穴29を加工してあり、ツバ材31にも同様に側穴39を加工してある。なお図のパネル体11は、木板21にツバ材31を取り付ける前の状態だが、実際にはツバ材31を取り付けた後、パネル体11を基礎81に載せることになる。
柱脚金物61は、要求される強度に応じて複数を配置することになる。そのためこの図では、木板21の空洞部26が一箇所だけとなっているが、実際には木板21の幅方向に沿って複数の空洞部26や柱脚金物61を配置することになる。またこの図では、ツバ材31にも空洞部36を加工してあるが、ツバ材31の厚さとの兼ね合いで空洞部36の加工が難しい場合、ツバ材31については、基礎81との固定を省略することもある。なおパネル体11を基礎81に据え付ける方法は、この図のような形態に限定されるものではなく、様々な従来技術を導入することができる。
図5は、複数のパネル体11を並べた壁面構造を用いた建築物の一例を示している。隣接するパネル体11同士を連結することで壁面構造が形成され、これを利用することで建築物の骨格を構築することができる。この図では、三組のパネル体11を連結した壁面構造を対向配置しており、この間を結ぶように登り梁71を載せている。登り梁71は、建築物の頂部から左右の壁面構造に向けて下降するように配置するが、頂部を境に対向する登り梁71同士を拝み形状に維持するため、登り梁71の下端部同士をタイロッド72で引き寄せている。そして登り梁71の下端部は、木板21の上面に載せている。
パネル体11同士の接触面では、双方のツバ材31が重なるため、その断面積が増大して柱のように機能する。そのためこの図のように、ツバ材31を利用して登り梁71などの屋根構造を無理なく載せることができる。なお個々の壁面構造において、その側端部では、ツバ材31同士が重なることなく、一枚だけ配置されることになる。これでは登り梁71を載せることが難しいため、この箇所についても、ツバ材31を二枚重ねとしてある。このように本発明では、壁面構造の強度が優れているため、登り梁71など、重厚な屋根構造を載せることができる。その結果、対向する壁面構造を引き離して配置することができ、広大な室内空間を確保することも容易である。
図6は、直交する二方向に壁面構造を配置した場合の一例を示している。壁面構造は、建築物の側面に沿って配置するため、二箇所の壁面構造が直交するように配置されることもある。その場合、この図ように、二箇所の壁面構造の角部となる位置に柱76を設置し、その側面にパネル体11のツバ材31を接触させ、さらに柱76とパネル体11を連結ボルト57で一体化する。なおこの図のパネル体11は、木板21とツバ材31が丁字状ではなくL字状に配置してあり、パネル体11の片面では、木板21とツバ材31が段差なく並んでいる。
そのほかこの図では、壁面構造の内側に中間階を設置するため、横架材77と桁78を組み込むことを想定している。横架材77は、パネル体11の内側において、ほぼ中間の高さに取り付ける部材であり、木板21を挟んで対向するツバ材31を結ぶように配置する。なお、横架材77をツバ材31に取り付ける方法は自在に選択可能だが、ここでは汎用の連結具79を用いている。このように、パネル体11を構成する木板21とツバ材31を丁字状ではなくL字状に配置することで、横架材77の配置スペースを無理なく確保することができる。また桁78は、中間階の床を支持する部材であり、桁78の端部を横架材77に取り付けるが、この取り付けについても連結具79を用いている。
図7は、図6の最終段階を示しており、壁面構造の内側に横架材77と桁78が組み込まれている。なお図の上方には、このパネル体11の木板21とツバ材31との関係を描いてある。この図のように、壁面構造を柱76と一体化し、さらに個々のパネル体11に横架材77を取り付けることで、桁78を無理なく組み込むことができる。このように本発明では、ツバ材31を利用して横架材77を取り付けることができ、木板21と横架材77を接続する必要はない。そのため木板21を傷つけることがなく、気密性などを損ねることがない。そのほか、この図のパネル体11のように、木板21に対してツバ材31を偏って配置する場合、連結穴37は、木板21を挟み込むように左右に配置できないことがある。この場合でも曲げモーメントなどに対抗できるよう、この図の上方に描くように、連結穴37を縦一列ではなく複数列とすることがある。
11 パネル体
21 木板
24 下穴
25 収容溝
26 空洞部
29 側穴
31 ツバ材
33 結合穴
34 ザグリ
35 収容溝
36 空洞部
37 連結穴
38 ザグリ
39 側穴
41 埋設具
43 メネジ
44 凸条
46 頭部
53 結合ボルト
54 ワッシャ
55 拘束片
56 中穴
57 連結ボルト
58 ナット
59 ワッシャ
61 柱脚金物
63 胴部
64 棒部
65 ピン穴
66 ナット
67 ワッシャ
69 固定ピン
71 登り梁
72 タイロッド
76 柱
77 横架材
78 桁
79 連結具
81 基礎
86 アンカーボルト

Claims (2)

  1. 木板(21)と、該木板(21)の側端面に取り付けるツバ材(31)と、からなるパネル体(11)を用い、
    前記木板(21)の側端面には埋設具(41)を埋め込み、前記ツバ材(31)から該埋設具(41)に向けて差し込まれた結合ボルト(53)によって該ツバ材(31)が該木板(21)に取り付けられ、
    前記木板(21)の幅方向に沿って前記パネル体(11)を複数並べ、隣接する該パネル体(11)同士の境界では、双方の前記ツバ材(31)を貫くように連結ボルト(57)を差し込み、該連結ボルト(57)で該ツバ材(31)同士を密着させることで複数の該パネル体(11)を隙間なく一体化することを特徴とする壁面構造。
  2. 前記木板(21)と前記ツバ材(31)との接触面を跨ぐように拘束片(55)を埋め込み、該木板(21)と該ツバ材(31)の双方には、該拘束片(55)を埋め込むための収容溝(25、35)を設けてあることを特徴とする請求項1記載の壁面構造。
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