JPH0761258A - 自動車のインストルメントパネル構造 - Google Patents

自動車のインストルメントパネル構造

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JPH0761258A
JPH0761258A JP5210532A JP21053293A JPH0761258A JP H0761258 A JPH0761258 A JP H0761258A JP 5210532 A JP5210532 A JP 5210532A JP 21053293 A JP21053293 A JP 21053293A JP H0761258 A JPH0761258 A JP H0761258A
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正志 大塚
Toshiteru Yoshimura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で衝突時に作用する衝撃荷重から
乗員を効果的に保護することができる自動車のインスト
ルメントパネルを提供する。 【構成】 車室の前部に設置されるインストルメントパ
ネルのロアメンバ4に、乗員の膝部26に対向して車体
の前部外方に伸びる左右一対の傾斜面22を形成すると
ともに、この傾斜面22の前方部にイグニッションキー
シリンダ28等の剛性の高い装備品をレイアウトした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車室の前部に設置され
る自動車のインストルメントパネル構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば実開昭63−87128号
公報に示されるように、ポリプロピレン複合材等からな
るパネル本体の表面にパッド材が固着されてなるインス
トルメントパネルを車室の前部に設置することが行われ
ている。この自動車のインストルメントパネルは、車室
内を装飾する内装材として機能を有するとともに、車両
の衝突時に作用する衝撃荷重から乗員を保護する保護部
材としての機能を兼ね備えたものであり、ある程度の剛
性と弾力性とを有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記インストルメント
パネルは、例えば自動車の衝突時に乗員が前方に付勢さ
れた場合に、この乗員の膝部等を支持しつつ塑性変形す
ることにより、衝撃を緩和して衝突時の衝撃荷重から乗
員を保護するように構成されている。このため、上記イ
ンストルメントパネルが塑性変形する際に、その前方に
イグニッションキーシリンダ等の剛性の高い装備品がレ
イアウトされていると、上記インストルメントパネルの
変形が阻害されて上記衝撃の緩和作用が不十分となり易
いという問題がある。
【0004】すなわち、上記イグニッションキーシリン
ダは、その盗難を防止するため、通常ステアリングシャ
フト等の剛性の高い部材に取り付けられ、大きな荷重が
作用した場合においても、その設置位置が変位すること
がないように支持されている。したがって、衝突時に乗
員の膝部等によって押動されたインストルメントパネル
がイグニッションキーシリンダに当接した時点で、上記
インストルメントパネルの移動が急激に阻止されるた
め、この時点において乗員に作用する衝撃を緩和する作
用が損なわれることになる。
【0005】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたものであり、簡単な構成で衝突時に作用する衝
撃荷重から乗員を効果的に保護することができる自動車
のインストルメントパネル構造を提供することを目的と
している。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
車室の前部に設置されるインストルメントパネルに、乗
員の膝部に対向して車体の前部外方側に伸びる左右一対
の傾斜面を形成するとともに、この傾斜面の前方部に剛
性の高い装備品をレイアウトしたものである。
【0007】請求項2に係る発明は、運転席の前方に位
置するインストルメントパネルに形成された左右一対の
傾斜面を、ステアリングシャフトの設置部を挾むように
配設するとともに、この傾斜面の前方にイグニッション
キーシリンダをレイアウトしたものである。
【0008】請求項3に係る発明は、インストルメント
パネルに形成された傾斜面を支持する支持部材をステア
リング支持メンバに設けたものである。
【0009】
【作用】上記請求項1記載の発明によれば、自動車の衝
突時に作用する衝撃荷重に応じて乗員が前方に付勢され
てその膝部がインストルメントパネルに当接すると、こ
の膝部がインストルメントパネルに形成された傾斜面に
沿って側方に摺動し、その前方部に位置する剛性の高い
装備品の設置部から離間した位置に上記乗員の膝部が案
内されることになる。
【0010】上記請求項2記載の発明によれば、自動車
の衝突時に作用する衝撃荷重に応じて運転者の膝部が前
方に付勢されてインストルメントパネルに当接すると、
このインストルメントパネルに形成された傾斜面に沿っ
て運転者の膝部がイグニッションキーシリンダの設置部
の側方に案内されることになる。
【0011】上記請求項3記載の発明によれば、自動車
の衝突時に作用する衝撃荷重に応じて乗員の膝部がイン
ストルメントパネルの傾斜面に当接した場合に、この部
分に作用する衝撃荷重が上記連結部材を介してステアリ
ング支持メンバに伝達され、このステアリング支持メン
バによって上記衝撃荷重が支持されることにより、上記
傾斜面の変形が抑制されることになる。
【0012】
【実施例】図1は、左ハンドル用の自動車に適用される
本発明に係るインストルメントパネル構造の実施例を示
している。このインストルメントパネルは、運転席の前
方に位置するステアリングハンドル1の設置部、コンビ
ネーションメータ2の設置部および助手席の前方に位置
するグローブボックス3の設置部等を備えたアッパーメ
ンバ4と、上記ステアリングハンドル1の設置部の前部
下方に配設されたロアメンバ5とを有している。
【0013】上記インストルメントパネルの前方には、
図2に示すように、後述のステアリングシャフトを支持
するステアリング支持メンバ6が設置されている。この
ステアリング支持メンバ6は、車幅方向に伸びるように
設置される丸パイプ材からなっている。このステアリン
グ支持メンバ6の左右両端部には、車体の側辺部に固着
される取付ブラケット7が取り付けられるとともに、中
央部には、車体のフロアパネル上に立設される左右一対
の支持ブラケット8が取り付けられている。
【0014】また、上記ステアリング支持メンバ6の右
方側、つまり助手席側には、グローブボックス3の取付
ブラケット10と、ストライカ11の支持ブラケット1
2と、エアバッグの取付ブラケット13とが取り付けら
れている。さらに、上記ステアリング支持メンバ6の左
方側、つまり運転席側には、ステアリングシャフト用の
支持ブラケット14が取り付けられるとともに、上記ロ
アメンバ5の取付プレート15が斜め下方に向けて突設
されている。
【0015】上記取付プレート15は、左端部がブラケ
ット16によってステアリング支持メンバ6に支持され
るとともに、右端部がブラケット17によって上記支持
ブラケット8の側面に支持されている。また、上記取付
プレート15の中央部には、車体の後方側に突出する膨
出部18が形成され、その左右両側面には車体の前部外
方に向けて伸びる先広がりの傾斜面19がそれぞれ形成
されるとともに、この傾斜面19が連結部材20を介し
て上記ステアリング支持メンバ6に連結されている。
【0016】上記取付プレート15に取り付けられるロ
アメンバ5は、プラスチック製のプレート材からなり、
その中央部に上記取付プレート15の膨出部18および
傾斜面19に対応する膨出部21および傾斜面22が形
成されるとともに、その上部にステアリングシャフト設
置用の切欠き23と、イグニッションキーシリンダ設置
用の切欠き24とが形成されている。
【0017】そして、図3および図4に示すように、上
記支持ブラケット14にステアリングシャフト25をボ
トル止め等の手段で取り付けるとともに、上記インスト
ルメントパネルのロアメンバ5を取付プレート15に取
り付けることにより、このロアメンバ5および取付プレ
ート15の傾斜面19,22が、上記ステアリングシャ
フト25の設置部を挾むように配設されて運転者の膝部
26に対向することになる。
【0018】また、上記のようにして設置されたロアメ
ンバ5の左右一対の傾斜面22のうち、右方に位置する
傾斜面の前方には、ステアリングシャフト25にブラケ
ット27によって固着されたイグニッションキーシリン
ダ28からなる装備品がレイアウトされている。
【0019】このようにインストルメントパネルのロア
メンバ5に、車体の前部外方に向けて伸びる左右一対の
傾斜面22を形成し、この両傾斜面22をステアリング
シャフト25の設置部を挾むように配設することによ
り、上記傾斜面22を運転者の膝部26に対向させると
ともに、この傾斜面22の前方にイグニッションキーシ
リンダ28をレイアウトしたため、自動車の衝突時に作
用する衝撃荷重から運転者を効果的に保護することがで
きる。
【0020】すなわち、衝突時に作用する衝撃荷重に応
じて乗員が車体の前方側に付勢されると、その膝部26
が上記ロアメンバ5の傾斜面22に当接し、この傾斜面
22に沿って摺動することにより、上記膝部26が図4
の矢印に示すように、車体の前部外方側に案内され、上
記イグニッションキーシリンダ28の設置部から離れた
位置においてロアメンバ5に圧接されることになる。
【0021】したがって、上記ロアメンバ5を介して運
転者の膝部26が剛性の高い上記イグニッションキーシ
リンダ28に当接するという事態の発生が防止される。
そして、上記ロアメンバ5の側方部によって運転者の膝
部26を安定状態で支持しつつ、このロアメンバ5の側
方部を塑性変形させることにより、上記衝撃荷重を効果
的に吸収して運転者に作用する衝撃を緩和することがで
きる。
【0022】また、上記実施例では、ロアメンバ5の取
付プレート15に上記傾斜面22に対応する傾斜面19
を形成するとともに、この傾斜面19と、ステアリング
支持メンバ6とを連結する連結部材20を設けたため、
この連結部材20からなる支持部材を介して上記取付プ
レート15および上記ロアメンバ5の傾斜面19,22
が上記ステアリング支持部材6に支持されることにな
る。
【0023】したがって、自動車の衝突時に、運転者の
膝部26が上記傾斜面22に当接した場合に作用する荷
重が、上記連結部材(支持部材)20を介して上記ステ
アリング支持メンバ6に伝達されて支持され、これによ
って上記傾斜面22が前方に押動されて変形することが
防止される。この結果、上記傾斜面22がイグニッショ
ンキーシリンダ28に当接して運転者の膝部28に衝撃
荷重が作用したり、上記傾斜面22による膝部26の案
内作用が損なわれたりするという事態の発生を確実に防
止することができる。
【0024】なお、上記傾斜面22の前方にレイアウト
される剛性の高い装備品としては、上記イグニッション
キーシリンダ28に限定されることなく、種々の変形が
可能である。すなわち、自動車の衝突時に衝撃荷重が作
用した場合においてもその設置位置が容易に変化するこ
とのない種々の装備品、例えばステアリングシャフト2
5に取り付けられるステアリングロック等を上記傾斜面
22の前方にレイアウトした構造としてもよい。
【0025】また、上記実施例では、運転席の前方に設
置されるインストルメントパネルのロアメンバ5に上記
傾斜面22を形成した例について説明したが、助手席の
前方に位置するインストルメントパネルのアッパメンバ
4もしくはグローブボックス3のリッドに、乗員の膝部
に対向する傾斜面を形成するとともに、その前方にエア
バッグの支持部材もしくはクーラユニット等の剛性の高
い装備品をレイアウトした構成としてもよい。この構成
によれば、衝突時に作用する衝撃荷重に応じて乗員の膝
部を上記傾斜面に沿って側方に案内することにより、そ
の前方の上記装備品に乗員の膝部が当接することを効果
的に防止することができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、インス
トルメントパネルに、乗員の膝部に対向して車体の前部
外方側に伸びる左右一対の傾斜面を形成するとともに、
この傾斜面の前方に剛性の高い装備品をレイアウトした
ため、衝突時に作用する衝撃荷重に応じて乗員が前方に
付勢された場合に、乗員の膝部を上記傾斜面に沿って側
方に摺動させて上記装備品の設置部から離間した位置に
案内することができる。したがって、上記傾斜面を介し
て乗員の膝部が上記装備品に当接するのを防止し、乗員
を安定状態で支持しつつ、上記衝撃荷重から乗員を効果
的に保護することができるという利点がある。
【0027】また、運転席の前方に位置するインストル
メントパネルに形成された左右一対の傾斜面を、ステア
リングシャフトの設置部を挾むように配設し、この傾斜
面の前方にイグニッションキーシリンダをレイアウトし
た構成によると、自動車の衝突時に作用する衝撃荷重に
応じて運転者が前方に付勢された場合に、運転者の膝部
が上記イグニッションキーシリンダに当接するのを確実
に防止し、上記衝撃荷重から運転者を効果的に保護する
ことができる。
【0028】また、インストルメントパネルに形成され
た傾斜面を支持する支持部材をステアリング支持メンバ
に設けた場合には、衝突時の衝撃荷重に応じて運転者の
膝部が上記傾斜面に当接した場合に、この傾斜面が前方
に押圧されて変形することを効果的に防止し、これによ
って上記傾斜面がイグニッションキーシリンダ等に当接
して運転者の膝部に衝撃荷重が作用したり、上記傾斜面
による膝部の案内作用が損なわれたりするという事態の
発生を確実に防止できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車のインストルメントパネル
構造の実施例を示す斜視図である。
【図2】上記インストルメントパネルの支持部の構成を
示す斜視図である。
【図3】上記インストルメントパネル構造の側面断面図
である。
【図4】上記インストルメントパネル構造の平面断面図
である。
【符号の説明】
4 インストルメントパネルのアッパメンバ 5 インストルメントパネルのロアメンバ 6 ステアリング支持メンバ 20 連結部材(支持部材) 22 傾斜面 25 ステアリングシャフト 28 イグニッションキーシリンダ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室の前部に設置されるインストルメン
    トパネルに、乗員の膝部に対向して車体の前部外方側に
    伸びる左右一対の傾斜面を形成するとともに、この傾斜
    面の前方部に剛性の高い装備品をレイアウトしたことを
    特徴とする自動車のインストルメントパネル構造。
  2. 【請求項2】 運転席の前方に位置するインストルメン
    トパネルに形成された左右一対の傾斜面を、ステアリン
    グシャフトの設置部を挾むように配設するとともに、こ
    の傾斜面の前方にイグニッションキーシリンダをレイア
    ウトしたことを特徴とする請求項1記載の自動車のイン
    ストルメントパネル構造。
  3. 【請求項3】 インストルメントパネルに形成された傾
    斜面を支持する支持部材をステアリング支持メンバに設
    けたことを特徴とする請求項1記載の自動車のインスト
    ルメントパネル構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19843211B4 (de) * 1997-09-17 2006-07-06 Suzuki Motor Corp., Hamamatsu Lenkungslagerungsträgerkonstruktion für Kraftfahrzeuge
KR20180044142A (ko) * 2016-10-21 2018-05-02 한국 한의학 연구원 감나무 묵은 꽃받침에서 분리한 메치니코비아 퍼시모네시스 균주 kiom_g15050 신규 효모 및 이의 용도

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE19843211B4 (de) * 1997-09-17 2006-07-06 Suzuki Motor Corp., Hamamatsu Lenkungslagerungsträgerkonstruktion für Kraftfahrzeuge
KR20180044142A (ko) * 2016-10-21 2018-05-02 한국 한의학 연구원 감나무 묵은 꽃받침에서 분리한 메치니코비아 퍼시모네시스 균주 kiom_g15050 신규 효모 및 이의 용도

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