JPH0756348A - 平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版

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JPH0756348A
JPH0756348A JP20321593A JP20321593A JPH0756348A JP H0756348 A JPH0756348 A JP H0756348A JP 20321593 A JP20321593 A JP 20321593A JP 20321593 A JP20321593 A JP 20321593A JP H0756348 A JPH0756348 A JP H0756348A
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JP
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silver
silver halide
halide emulsion
plate
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JP20321593A
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Akio Yoshida
章男 吉田
Masahiko Saikawa
正彦 斉川
Keisuke Iguchi
恵介 井口
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】銀錯塩拡散転写法を利用し、画質、及び、耐刷
力に優れた、アルミニウム板を支持体とする平版印刷版
を提供する。 【構成】粗面化され陽極酸化されたアルミニウム支持体
とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する平版印
刷版において、直径0.03〜0.30μmのピットを
100μm2 当たり500個以上有し、該ハロゲン化銀
乳剤粒子の平均粒子サイズが0.2〜0.6μmであ
り、且つ、該ハロゲン化銀乳剤粒子の全粒子の90重量
%が平均粒子サイズの±30%以内にあることを特徴と
する平版印刷版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム板を支持
体とする平版印刷版、特に銀錯塩拡散転写法を用いる平
版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた
平版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンドン
ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット
及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シル
バー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、第
101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されている。
【0003】その中で述べられているように、DTR法
を用いた平版印刷版には、転写材料と受像材料を別々に
したツーシートタイプ、あるいはそれらを一枚の支持体
上に設けたモノシートタイプの二方式が知られている。
ツーシートタイプの平版印刷版については、特開昭57
−158844号公報に詳しく記載されている。又、モ
ノシートタイプについては、特公昭48−30562
号、同51−15765号、特開昭51−111103
号、同52−150105号などの各公報に詳しく記載
されている。
【0004】紙を支持体とした平版印刷版は、印刷中の
版伸びや水分のしみ込みなどのため耐刷性を含め高品質
の印刷は困難である。これらの問題点を改良し印刷性能
を向上する目的でフィルム支持体が用いられる。例え
ば、酢酸セルロースフィルム、ポリビニルアセタールフ
ィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、或はポリエ
ステル、ポリプロピレン、又はポリスチレンフィルムな
どをポリエチレンフィルムで被覆した複合フィルム等が
支持体として利用できる。
【0005】しかしながら、フィルムを支持体とした平
版印刷版は紙ベースの印刷版と比べ、版伸び性や水分の
しみ込みなどの点で改良されたものの、耐刷性、保水
性、更には印刷機への版掛け性等の点で問題を残してい
る。
【0006】そこで、上に述べた紙やフィルムを支持体
とした平版印刷版の種々の問題点を解決するために、金
属特にアルミニウム板を支持体とした銀塩方式の平版印
刷版が知られており、特開昭57−118244号、同
57−158844号、同63−260491号、特開
平3−116151号、同4−282295号などの各
公報に詳しく記載されている。
【0007】特開昭63−260491号、特開平3−
116151号、同4−282295号などの各公報に
は、粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板を支持体
とし、その上に物理現像核を担持し、更にその上に感光
性ハロゲン化銀乳剤層を設けたモノシートタイプでDT
R法を利用する平版印刷版が詳述されている。それによ
れば、上記平版印刷版を像露光し、DTR現像した後、
ハロゲン化銀乳剤層を温水で洗浄して除去し印刷版を作
製する。しかしこれらの特許は、ハロゲン化銀乳剤とア
ルミニウム板とが接触することにより生じるアルミニウ
ム板の腐食を防止することに向けられた技術であり、転
写銀画像の画質、インキ受理性、耐刷力の点では十分と
はいえないものであった。
【0008】一般に、平版印刷版に用いられるアルミニ
ウム支持体は、印刷時における湿し水に対する濡れ(保
水性)を良くするため、また感光層との密着を良くする
ため、その表面を粗面化することが行われる。この粗面
化処理(いわゆるグレイニング)には、ボールグレイニ
ング、ワイヤグレイニング、ブラシグレイニング等の機
械的粗面化処理、塩化物、フッ化物等で化学的にアルミ
ニウムを溶解することにより行う化学的粗面化処理、及
び電気化学的にアルミニウムを溶解することにより行う
電解粗面化処理、及びこれらの方法を併用した粗面化方
法が知られている。例えば特開昭48−28123号、
同53−123204号、同54−146234号、同
55−25381、同55−132294号、同56−
55291号、同56−150593号、同56−28
893号、同58−167196号、米国特許第2,3
44,510号、同第3,861,917号、同第4,
301,229号などがある。アルミ板の表面形状につ
いても、米国特許第2,344,510号は機械的粗面
化と電解粗面化を行い重畳的に複合した砂目構造、米国
特許第4,301,229号はピット径の累積度数分布
と中心線平均粗さ、米国特許第3,861,917号は
粗面の深さ、カナダ特許第955449号は粗面の山の
高さと直径、西ドイツ特許第1,813,443号は粗
面の高低差についてそれぞれ記載されている。
【0009】このような粗面化処理を行なった後、硫
酸、燐酸、硝酸あるいはそれらの混合液などの電解液中
で陽極酸化処理が施される。
【0010】このように印刷版用アルミニウム板の表面
処理は、平版印刷版の種類、印刷用途などによって、粗
面の形状、構造等の異なる極めて多くの粗面化アルミ板
が提案されている。しかし、本発明が対象とする平版印
刷版では、上記の印刷時における湿し水に対する濡れ
(保水性)を良くするため、また感光層との密着を良く
するためという機能に加えて、ハロゲン化銀の拡散転写
現像により、該アルミ表面上に形成される銀膜の印刷機
能に影響を与えること、具体的には、どのような表面形
状のアルミ板がインキ受理性、耐刷力の点で好ましいの
かについては知られていなかった。また、ハロゲン化銀
の拡散転写現像をコントロールして、高画質で、耐刷力
の点で好ましい銀画像を該アルミ表面上に形成させるた
めの諸因子についても、明らかにされていなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解決し、画質、及び、耐刷力の改善された平版印
刷版を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、粗
面化され陽極酸化されたアルミニウム支持体とハロゲン
化銀乳剤層の間に物理現像核を有する平版印刷版におい
て、直径0.03〜0.30μmのピットを100μm
2 当たり500個以上有し、該ハロゲン化銀乳剤粒子の
平均粒子サイズが0.2〜0.6μmであり、且つ、該
ハロゲン化銀乳剤粒子の全粒子の90重量%が平均粒子
サイズの±30%以内にあることを特徴とする平版印刷
版によって達成された。
【0013】本発明者等は、本発明が対象とする平版印
刷版において、画質、インキ受理性、耐刷力を支配する
転写現像銀の出来方がアルミ板の粗面状態及びハロゲン
化銀のハロゲン組成に関係しているのではないかとの考
えに基づいて鋭意検討した結果、極めて微小なピット
(孔)が多数存在する粗面化され陽極酸化されたアルミ
板を用いること、及び、塩化銀主体のハロゲン化銀乳剤
を用いて拡散転写をコントロールすることにより、画質
に優れ、印刷に対して非常に強固な転写銀を形成するこ
とを見出だし、本発明に到ったものである。即ち、前述
した特定の粗面アルミニウム板を用いている本発明の平
版印刷版は、塩化銀主体のハロゲン化銀乳剤層中で、拡
散転写現像液に含まれるハロゲン化銀溶剤により、速や
かに溶解され、該アルミ表面上に拡散され、多数の微小
ピットの存在により好ましい拡散コントロールが生じ、
高画質につながるものと推定している。即ち、塩化銀主
体乳剤は、臭化銀主体乳剤と比べ、臭素イオンの放出に
よる強烈な現像抑制が生じることがなく、画像再現性を
劣化させることがない。また、好ましい拡散転写現像に
より、転写銀が多数の微小ピットの中に形成されて投錨
的効果を有し、しかもその転写銀が連続した緻密な親油
性の層を形成してアルミ板に接着しているため、長い印
刷でも転写銀が欠落せず、高耐刷力を示すものと考えら
れる。
【0014】本発明に用いられる粗面化され陽極酸化さ
れたアルミ板は、走査型電子顕微鏡を用い50,000
倍位の拡大倍率の写真により、容易に確認することがで
きる。ピットは0.03〜0.30μmの直径を有する
ものが100μm2 当たり500個、好ましくは約1,
000個以上存在する。上限は約15,000個までが
好ましい。0.03〜0.30μmの直径を有するピッ
トの平均直径は0.05〜0.20μm、好ましくは
0.05〜0.15μmである。ピットの直径は、円形
以外の形状のものについてはその直径は円形と見做した
ときの寸法である。このピットの中心深さは、ピットの
直径に対して1/3(0.01〜0.10μm)以上、
好ましくは1/2(0.015〜0.15μm)〜3
(0.03〜0.90μm)くらいが望ましい。
【0015】前記の特開昭56−28893号公報には
機械的粗面化と化学的エッチングおよび電解粗面化を併
用することによりアルミニウム表面にプラトー(第1次
構造)とピット(プラトーの表面に出来る第2次構造)
からなる複合構造の砂目が記載されている。本発明の微
小ピットは、平均直径3〜15μmの大きなピット(プ
ラトー)の上に存在する複合構造を有するものが好まし
い。微小ピットの投影面積は5〜40%程度が好まし
く、前記の大きなピット(プラトー)の投影面積は50
〜95%程度が好ましい。中心線平均粗さ(Ra)は
0.3〜1.0μmの範囲が好ましい。このような本発
明の表面形状を有するアルミ板は、機械的粗面化処理、
化学的粗面化処理、電解粗面化処理の条件、陽極酸化処
理する方法によって比較的容易に見出すことができる。
前記の微小ピットが500個より少いか若しくは前記の
微小ピットが無く大きなピット(プラトー)のみの場
合、さらに平均直径0.30μmのピットが100μm
2 当たり500個以上の場合であっても本発明の平版印
刷版に比べて劣ったインキ受理性と耐刷力しか得られな
い。
【0016】本発明に用いられる粗面化され陽極酸化さ
れたアルミ板の陽極酸化層の厚みは約0.3〜3.0μ
mの範囲が好ましい。尚、陽極酸化処理に先立ってデス
マット処理を施すことが好ましい。すなわち、粗面化処
理したアルミニウム基板を、10〜50%の熱硫酸(4
0〜60℃)や希薄なアルカリ(水酸化ナトリウム等)
で処理することにより表面に付着したスマットが除去さ
れる。
【0017】また、陽極酸化処理を行なった後、必要に
応じて後処理を行うことが出来る。例えば、英国特許第
1,230,447号に開示されたポリビニルホスホン
酸の水溶液中に浸漬処理する方法が用いられる。また、
必要に応じて、親水性高分子の下塗層を設けることも可
能であるが、その上に設ける感光層の性質により取捨選
択される。
【0018】本発明のハロゲン化銀乳剤の乳剤粒子サイ
ズは0.2〜0.6μmの範囲であり、全粒子の90重
量%が平均粒子サイズの±30%以内にあるものであ
る。0.2μmより小さい場合は、溶解が速すぎ、ハロ
ゲン化銀乳剤層の上からバルクの現像液中へ逃げ易くな
り、拡散転写現像に寄与しない。一方、0.6μmを越
えると、溶解が遅れ、極めて微小なピット(孔)が多数
存在する粗面され陽極酸化されたアルミ表面上での拡散
転写現像の効率が低下するため、画質の低下が起こる。
平均粒子サイズの±30%以内にある粒子が、90重量
%未満の場合、耐刷性が低下する。
【0019】本発明で用いられる物理現像核層の物理現
像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用いられるも
のでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラジウム、亜
鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物などが使
用できる。保護コロイドとして各種親水性コロイドを用
いることもできる。これらの詳細及び製法については、
例えば、フォーカル・プレス、ロンドン ニューヨーク
(1972年)発行、アンドレ ロット及びエディス
ワイデ著、「フォトグラフィック・シルバー・ハライド
・ディヒュージョン・プロセシズ」を参照し得る。
【0020】本発明の印刷版の感光性ハロゲン化銀乳剤
層には保護コロイドとして各種親水性コロイドを用いる
ことができる。即ち、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼ
ラチン、ゼラチン誘導体、グラフト化ゼラチン等各種ゼ
ラチンを用いることが出来る他、ポリビニルピロリド
ン、各種でんぷん、アルブミン、ポリビニルアルコー
ル、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、等の
親水性高分子化合物を含有させることが出来る。用いら
れる親水性コロイドとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導
体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が
挙げられるが、好ましくは、物理現像後の親水性コロイ
ド層の剥離性を容易にするために実質的に硬膜剤を含ま
ない親水性コロイド層を用いることが望ましい。
【0021】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀乳
剤の種類としては、一般に用いられる塩化銀、臭化銀、
ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ臭化銀等から
選択される。好ましくは、85%以上の塩化銀からなる
塩化銀、塩臭化銀、塩ヨウ化銀、塩ヨウ臭化銀等であ
り、更に画質、及び、耐刷に優れたものを得ることがで
きる。
【0022】ハロゲン化銀結晶は、ロジウム塩、イリジ
ウム塩、パラジウム塩、ルテニウム塩、ニッケル塩、白
金塩等の重金属塩を含んでいてもよく、添加量はハロゲ
ン化銀1モル当り10-8〜10-3モルである。ハロゲン
化銀の結晶形態に特に制限はなく、立方体ないし14面
体粒子、さらにはコアシェル型、平板状粒子でもよい。
ハロゲン化銀結晶は、単分散、多分散結晶であってもよ
い。
【0023】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀乳
剤のタイプとしては、一般に用いられるネガ型、ポジ型
のいずれでもよい。ハロゲン化銀乳剤は、それが製造さ
れる時又は塗布される時に種々な方法で増感することが
出来る。例えば、チオ硫酸ナトリウム、アルキルチオ尿
素によって、又は金化合物、たとえばロダン金、塩化金
によって、又はこれらの両者の併用など当該技術分野に
おいて良く知られた方法で化学的に増感することが好ま
しい。ハロゲン化銀乳剤は又、例えばシアニン、メロシ
アニン等の色素によってポジティブにもネガティブにも
増感又は減感され得る。その増感又は減感され得る波長
域に特に制限はない。従って、オルソ増感、パンクロ増
感、ヘリウム−ネオンレーザー用増感、アルゴンレーザ
ー用増感、LED用増感、半導体レーザー用増感もなし
得るし、明室用にUV増感、可視光減感もなし得る。
【0024】本発明で用いられる現像液には、現像主
薬、例えばポリヒドロキシベンゼン類、3-ピラゾリジノ
ン類、アルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、あ
るいはアミン化合物、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウ
ム、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセスロース、カブ
リ防止剤、例えば臭化カリウム、1−フェニル−5−メ
ルカプトテトラゾール、現像変成剤、例えばポリオキシ
アルキレン化合物等の添加剤等を含ませることが出来
る。
【0025】現像液のpHとして通常約10〜14、好
ましくは約12〜14であるが、使用する平版印刷版の
アルミニウム支持体の前処理(例えば陽極酸化)条件、
写真要素、所望の像、現像液中の各種化合物の種類及び
量、現像条件等によって異なる。
【0026】ゼラチン層を除去するためのウォッシュオ
フは、温度20〜30℃程度の流水で洗い流すことによ
って行なうことが出来る。
【0027】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。
【0028】実施例1 電解粗面化処理の違いと陽極酸化によって、以下の表1
の示す表面形状の厚さ0.30mmのアルミニウム板を得た。
【0029】
【表1】
【0030】表1において、ピット数は平均直径約5μ
mのプラトー上に存在する直径0.03〜0.30μm
のピットを100μm2 当たりの個数であり、平均直径
はそれらのピットの直径の平均値である。これらのアル
ミ板の平均粗さ(Ra)は0.5〜0.6μmであっ
た。
【0031】これらのアルミ支持体上にカレー・レー
(Carey Lea )法により作成された銀ゾルからなる物理
現像核液を塗布した。
【0032】不活性ゼラチンの水溶液を60゜Cに保
ち、強く攪拌しながら、塩化ナトリウムと臭化カリウム
の混合水溶液(臭化カリウム29.5モル%)及び硝酸
銀水溶液を同時に加えることにより、表2に示された平
均粒子サイズの塩臭化銀乳剤を調整し、0.5モル%/
1モルAgに相当するヨウ化カリウムを添加し、表面置
換させた。これらのハロゲン化銀乳剤粒子を含む乳剤層
を上記のアルミ支持体上に塗布し乾燥して、感光性平版
印刷版を作成した。ハロゲン化銀乳剤は、塩化銀70
%、臭化銀29.5%、及び、ヨウ化銀0.5%からな
る塩ヨウ臭化銀乳剤であり、全粒子の90重量%が平均
粒子サイズの±30%以内にあった。(以下、単分散と
呼ぶ)
【0033】比較として、シングルジェット法により、
平均粒子サイズが0.30μmであるが、平均粒子サイ
ズの±30%以内の粒子が90重量%未満のものを調製
し、表2に従って、同様に塗布した。(非単分散と呼
ぶ)
【0034】このようにして得られた平版印刷版に像露
光を行った後、特開平4−282295号公報の実施例
1に記載の拡散転写現像液に、N−メチルエタノールア
ミン40ml/l加えた現像液で現像を行なった後、直
ちに流水でゼラチン層を洗い流し( ウォッシュオフ) し
た。版面が乾かないうちに版面保護液を脱脂綿等で塗布
し乾燥させる。この様にして作成した平版印刷板を、印
刷機ハイデルベルグTOK(Heidelberg社製オフセット
印刷機の商標)にかけ、画質、インキ受理性及び耐刷力
を評価した。
【0033】画質については、密着原稿を通して露光さ
れ、現像された印刷版面上で、10μmのネガ罫線及び
ポジ罫線が同時に再現できるものを○とし、15μmの
ネガ罫線及びポジ罫線が同時に再現できるものを△と
し、20μmのネガ罫線及びポジ罫線が同時に再現でき
るものを×とした。耐刷力は版圧を5ミリに設定して画
像部のインキ乗りの不良、あるいは線飛びが生じる時の
いずれかにより印刷が不可能となったときの印刷枚数で
評価した。結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2の結果より明かなように、本発明であ
る印刷版A−2、B−2、B−3、及び、C−2は画
質、及び、耐刷力に優れたものであることが判った。一
方、比較のA−4、B−1、B−4、B−5、D−2、
E−2は、これらの点で、本発明に劣る。
【0036】実施例2 実施例1の粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板
(A)の上にカレー・レー(Carey Lea )法により作成
された銀ゾルからなる物理現像核液を塗布した。さらに
乾燥後、実施例1と同様にして、表3に示されたハロゲ
ン組成で平均粒子サイズ約0.3μmであり、全粒子の
90重量%が平均粒子サイズの±30%以内にあったハ
ロゲン化銀乳剤粒子を含む乳剤層を塗布乾燥し感光性平
版印刷版を作成した。
【0037】このようにして得られた平版印刷版に像露
光を行った後、特開平4−282295号公報の実施例
1に記載の拡散転写現像液で現像を行なった後、直ちに
流水でゼラチン層を洗い流し( ウォッシュオフ) した。
版面が乾かないうちに版面保護液を脱脂綿等で塗布し乾
燥させる。この様にして作成した平版印刷板を、耐刷力
を厳しく評価するために印刷時の版圧を6ミリにするこ
とを除き、実施例1と同様にして、画質、及び、耐刷力
を評価した。
【0038】
【表3】
【0039】表3の結果より明かなように、塩化銀含有
量が85%以上の印刷版A−5、A−6、及び、A−7
は画質、及び、耐刷力により優れたものであることが判
った。
【0040】
【発明の効果】画質に優れ、且つ、極めて高い耐刷性能
を有する平版印刷版を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗面化され陽極酸化されたアルミニウム
    支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する
    平版印刷版において、直径0.03〜0.30μmのピ
    ットを100μm2 当たり500個以上有し、該ハロゲ
    ン化銀乳剤粒子の平均粒子サイズが0.2〜0.6μm
    であり、且つ、該ハロゲン化銀乳剤粒子の全粒子の90
    重量%が平均粒子サイズの±30%以内にあることを特
    徴とする平版印刷版。
  2. 【請求項2】 ピットの深さが直径の1/3以上である
    請求項1記載の平版印刷版。
  3. 【請求項3】 該ハロゲン化銀乳剤が85%以上の塩化
    銀からなることを特徴とする請求項1記載の平版印刷
    版。
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