JPH0756346A - 平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版

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JPH0756346A
JPH0756346A JP20321393A JP20321393A JPH0756346A JP H0756346 A JPH0756346 A JP H0756346A JP 20321393 A JP20321393 A JP 20321393A JP 20321393 A JP20321393 A JP 20321393A JP H0756346 A JPH0756346 A JP H0756346A
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JP
Japan
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diameter
pits
silver halide
printing plate
pit
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Application number
JP20321393A
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English (en)
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Akio Yoshida
章男 吉田
Keisuke Iguchi
恵介 井口
Masahiko Saikawa
正彦 斉川
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】銀錯塩拡散転写法を利用し、露光不可部の銀析
出が無く、画質、及び、耐刷力に優れた、アルミニウム
板を支持体とするネガ・タイプの平版印刷版を提供す
る。 【構成】アルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の間
に物理現像核を有する平版印刷版において、予めカブラ
された直接ポジ用ハロゲン化銀乳剤を用いることを特徴
とする平版印刷版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム板を支持
体とする平版印刷版、特に銀錯塩拡散転写法を用いるネ
ガ・タイプの平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた
平版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンドン
ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット
及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シル
バー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、第
101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されている。
【0003】その中で述べられているように、DTR法
を用いた平版印刷版には、転写材料と受像材料を別々に
したツーシートタイプ、あるいはそれらを一枚の支持体
上に設けたモノシートタイプの二方式が知られている。
ツーシートタイプの平版印刷版については、特開昭57
−158844号公報に詳しく記載されている。又、モ
ノシートタイプについては、特公昭48−30562
号、同51−15765号、特開昭51−111103
号、同52−150105号などの各公報に詳しく記載
されている。
【0004】紙を支持体とした平版印刷版は、印刷中の
版伸びや水分のしみ込みなどのため耐刷性を含め高品質
の印刷は困難である。これらの問題点を改良し印刷性能
を向上する目的でフィルム支持体が用いられる。例え
ば、酢酸セルロースフィルム、ポリビニルアセタールフ
ィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、或はポリエ
ステル、ポリプロピレン、又はポリスチレンフィルムな
どをポリエチレンフィルムで被覆した複合フィルム等が
支持体として利用できる。
【0005】しかしながら、フィルムを支持体とした平
版印刷版は紙ベースの印刷版と比べ、版伸び性や水分の
しみ込みなどの点で改良されたものの、耐刷性、保水
性、更には印刷機への版掛け性等の点で問題を残してい
る。
【0006】そこで、上に述べた紙やフィルムを支持体
とした平版印刷版の種々の問題点を解決するために、金
属特にアルミニウム板を支持体とした銀塩方式の平版印
刷版が知られており、特開昭57−118244号、同
57−158844号、同63−260491号、特開
平3−116151号、同4−282295号などの各
公報に詳しく記載されている。
【0007】特開昭63−260491号、特開平3−
116151号、同4−282295号などの各公報に
は、粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板を支持体
とし、その上に物理現像核を担持し、更にその上に感光
性ハロゲン化銀乳剤層を設けたモノシートタイプでDT
R法を利用する平版印刷版が詳述されている。それによ
れば、上記平版印刷版を像露光し、DTR現像した後、
ハロゲン化銀乳剤層を温水で洗浄して除去し印刷版を作
製する。しかしこれらの特許は、ハロゲン化銀乳剤とア
ルミニウム板とが接触することにより生じるアルミニウ
ム板の腐食を防止することに向けられた技術であり、転
写銀画像の画質、インキ受理性、耐刷力の点では十分と
はいえないものであった。
【0008】一般に、平版印刷版に用いられるアルミニ
ウム支持体は、印刷時における湿し水に対する濡れ(保
水性)を良くするため、また感光層との密着を良くする
ため、その表面を粗面化することが行われる。この粗面
化処理(いわゆるグレイニング)には、ボールグレイニ
ング、ワイヤグレイニング、ブラシグレイニング等の機
械的粗面化処理、塩化物、フッ化物等で化学的にアルミ
ニウムを溶解することにより行う化学的粗面化処理、及
び電気化学的にアルミニウムを溶解することにより行う
電解粗面化処理、及びこれらの方法を併用した粗面化方
法が知られている。例えば特開昭48−28123号、
同53−123204号、同54−146234号、同
55−25381、同55−132294号、同56−
55291号、同56−150593号、同56−28
893号、同58−167196号、米国特許第2,3
44,510号、同第3,861,917号、同第4,
301,229号などがある。アルミ板の表面形状につ
いても、米国特許第2,344,510号は機械的粗面
化と電解粗面化を行い重畳的に複合した砂目構造、米国
特許第4,301,229号はピット径の累積度数分布
と中心線平均粗さ、米国特許第3,861,917号は
粗面の深さ、カナダ特許第955449号は粗面の山の
高さと直径、西ドイツ特許第1,813,443号は粗
面の高低差についてそれぞれ記載されている。
【0009】このような粗面化処理を行なった後、硫
酸、燐酸、硝酸あるいはそれらの混合液などの電解液中
で陽極酸化処理が施される。
【0010】このように印刷版用アルミニウム板の表面
処理は、平版印刷版の種類、印刷用途などによって、粗
面の形状、構造等の異なる極めて多くの粗面化アルミ板
が提案されている。しかし、本発明が対象とする平版印
刷版では、上記の印刷時における湿し水に対する濡れ
(保水性)を良くするため、また感光層との密着を良く
するためという機能に加えて、ハロゲン化銀の拡散転写
現像により、該アルミ表面上に形成される銀膜の印刷機
能に影響を与えること、具体的には、どのような表面形
状のアルミ板がインキ受理性、耐刷力の点で好ましいの
かについては知られていなかった。また、ハロゲン化銀
の拡散転写現像をコントロールして、高画質で、耐刷力
の点で好ましい銀画像を該アルミ表面上に形成させるた
めの諸因子についても、明らかにされていなかった。
【0011】マイクロフィルムから直接印刷版に出力す
るシステムでは、高感度のネガ・タイプの平版印刷版が
必要である。また、近年のエレクトロニクスの発達に伴
い、文字と画像の統合処理により、中間の製版フィルム
を介さずに、イメージセッターを通して、直接、印刷版
に出力しようとする試みがなされてきた。この際に、用
いられるイメージセッターは、アルゴン・レーザー、ヘ
リウム=ネオン・レーザー、赤色発光ダイオード(赤色
LED)、赤色半導体レーザー(赤色LD)、赤外半導
体レーザー(赤外LD)、等の走査型露光光源を用いて
いる。特開昭63−260491号、特開平3−116
151号、同4−282295号などの各公報に記載さ
れた、粗面化し陽極酸化したアルミニウム板を支持体と
し、その上に物理現像核を担持し、更にその上に感光性
ハロゲン化銀乳剤層を設けたモノシートタイプでDTR
法を利用する平版印刷版は、これらのイメージセッター
では、通常、露光された部分が、非画像部となるため、
出力の際に、画像反転出力を行う必要がある。また、装
置によっては、例えば、外型ドラムの場合のくわえの部
分などのように、露光できない部分が発生することもあ
る。従って、露光された部分が、画像部となる、ネガ・
タイプの平版印刷版が好ましい。しかしながら、このよ
うなネガ・タイプの平版印刷版については、特開平3−
116151号において、レーザー露光に有利との記載
はあるものの、その好ましい具体的態様については、明
らかにされてはいなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解決し、画質、及び、耐刷力の改善されたネガ・
タイプの平版印刷版を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、粗
面化され陽極酸化されたアルミニウム支持体とハロゲン
化銀乳剤層の間に物理現像核を有する平版印刷版におい
て、直径0.03〜0.30μmのピットを100μm
2 当たり500個以上有し、且つそれらのピットの平均
直径が0.05〜0.20μmである粗面のアルミニウ
ム板を支持体とし、予めカブラされた直接ポジ用ハロゲ
ン化銀乳剤を用いることを特徴とする平版印刷版によっ
て達成された。
【0013】本発明者等は、本発明が対象とする平版印
刷版において、画質、インキ受理性、耐刷力を支配する
転写現像銀の出来方がアルミ板の粗面状態及びハロゲン
化銀のハロゲン組成に関係しているのではないかとの考
えに基づいて鋭意検討した結果、極めて微小なピット
(孔)が多数存在する粗面化され陽極酸化されたアルミ
板を用いることにより、画質に優れ、印刷に対して非常
に強固な転写銀を形成することを見出だした。即ち、前
述した特定の粗面アルミニウム板を用いている本発明の
平版印刷版は、拡散転写現像液に含まれるハロゲン化銀
溶剤により、速やかに溶解され、該アルミ表面上に拡散
され、多数の微小ピットの存在により好ましい拡散コン
トロールが生じ、高画質につながるものと推定してい
る。また、好ましい拡散転写現像により、転写銀が多数
の微小ピットの中に形成されて投錨的効果を有し、しか
もその転写銀が連続した緻密な親油性の層を形成してア
ルミ板に接着しているため、長い印刷でも転写銀が欠落
せず、高耐刷力を示すものと考えられる。
【0014】本発明に用いられる粗面化され陽極酸化さ
れたアルミ板は、走査型電子顕微鏡を用い50,000
倍位の拡大倍率の写真により、容易に確認することがで
きる。ピットは0.03〜0.30μmの直径を有する
ものが100μm2 当たり500個、好ましくは約1,
000個以上存在する。上限は約15,000個までが
好ましい。0.03〜0.30μmの直径を有するピッ
トの平均直径は0.05〜0.20μm、好ましくは
0.05〜0.15μmである。ピットの直径は、円形
以外の形状のものについてはその直径は円形と見做した
ときの寸法である。このピットの中心深さは、ピットの
直径に対して1/3(0.01〜0.10μm)以上、
好ましくは1/2(0.015〜0.15μm)〜3
(0.03〜0.90μm)くらいが望ましい。
【0015】前記の特開昭56−28893号公報には
機械的粗面化と化学的エッチングおよび電解粗面化を併
用することによりアルミニウム表面にプラトー(第1次
構造)とピット(プラトーの表面に出来る第2次構造)
からなる複合構造の砂目が記載されている。本発明の微
小ピットは、平均直径3〜15μmの大きなピット(プ
ラトー)の上に存在する複合構造を有するものが好まし
い。微小ピットの投影面積は5〜40%程度が好まし
く、前記の大きなピット(プラトー)の投影面積は50
〜95%程度が好ましい。中心線平均粗さ(Ra)は
0.3〜1.0μmの範囲が好ましい。このような本発
明の表面形状を有するアルミ板は、機械的粗面化処理、
化学的粗面化処理、電解粗面化処理の条件、陽極酸化処
理する方法によって比較的容易に見出すことができる。
前記の微小ピットが500個より少いか若しくは前記の
微小ピットが無く大きなピット(プラトー)のみの場
合、さらに平均直径0.30μmのピットが100μm
2 当たり500個以上の場合であっても本発明の平版印
刷版に比べて劣ったインキ受理性と耐刷力しか得られな
い。
【0016】本発明に用いられる粗面化され陽極酸化さ
れたアルミ板の陽極酸化層の厚みは約0.3〜3.0μ
mの範囲が好ましい。尚、陽極酸化処理に先立ってデス
マット処理を施すことが好ましい。すなわち、粗面化処
理したアルミニウム基板を、10〜50%の熱硫酸(4
0〜60℃)や希薄なアルカリ(水酸化ナトリウム等)
で処理することにより表面に付着したスマットが除去さ
れる。
【0017】また、陽極酸化処理を行なった後、必要に
応じて後処理を行うことが出来る。例えば、英国特許第
1,230,447号に開示されたポリビニルホスホン
酸の水溶液中に浸漬処理する方法が用いられる。また、
必要に応じて、親水性高分子の下塗層を設けることも可
能であるが、その上に設ける感光層の性質により取捨選
択される。
【0018】本発明のハロゲン化銀乳剤は、予めカブラ
された直接ポジ用ハロゲン化銀乳剤である。本発明にい
う、予めカブラされた直接ポジ用ハロゲン化銀乳剤と
は、例えば、米国特許第3,501,307号に開示さ
れているように、該ハロゲン化銀乳剤粒子表面上が、予
め還元増感プラス金増感によりカブラされており、電子
受容性化合物を含むハロゲン化銀乳剤のことである。
【0019】本発明において用いられるハロゲン化銀乳
剤は、ハロゲン化銀粒子表面に適当なカブリを賦与され
たものであるが、これはハロゲン化銀乳剤にたいして、
還元剤と金化合物を併用してカブリを賦与される。還元
剤を用いる代わりに、乳剤の化学熟成時のpAgを低く
して金化合物を作用させることにより、カブラせること
もできる。
【0020】本発明で、ハロゲン化銀にカブリを賦与す
るために用いられる還元剤としては、ホルマリンの如き
アルデヒド化合物、ヒドラジン、トリエチレンテトラミ
ン、チオ尿素ジオキサイド、イミノ−アミノ−メタンス
ルフィン酸の如き無機還元剤、又はアミンボランの様な
還元剤等が好適に用いられる。
【0021】本発明で、ハロゲン化銀にカブリを賦与す
るために用いられる金化合物としては、例えば、塩化金
酸カリウム、塩化金酸、チオシアン酸金、等が好適に用
いられる。
【0022】本発明の直接ポジ用ハロゲン化銀乳剤は、
上記の方法と、含硫黄化合物(例えば、チオ硫酸ナトリ
ウム、チオ硫酸カリウム、アリルチオ尿素、等)、又は
チオシアン酸化合物(例えば、チオシアン酸カリウム、
チオ硫酸アンモニウム等)と組み合わせることによって
も、カブらされることができる。
【0023】本発明において用いられる電子受容体は、
そのポーラログラフ半波電位、即ち、ポーラログラフィ
ーで決定されるその酸化還元電位によって特徴づけられ
る。本発明に有用な電子受容体は、ポーラログラフ陽極
電位とポーラログラフ陰極電位の和が正であるものであ
る。これらの酸化還元電位の測定法については、例えば
米国特許第3,501,307号明細書に記載されてい
る。
【0024】本発明において用いられる特に有効な電子
受容体は、ベルギー特許第660,253号明細書に記
載された、イミダゾ[4,5−b]キノキサリン・シア
ニン色素である。また、別の特に有効な電子受容体は、
米国特許第3,314,796号、同第3,505,0
70号等の各明細書に記載された、2位が芳香族置換さ
れたインドール・シアニン色素である。
【0025】本発明において、電子受容体は、ハロゲン
化銀1モル当り、0.1g〜2.0gの範囲の濃度で用
いられることが好ましい。更に好ましくは、0.2g〜
0.6gの範囲の濃度である。本発明において用いられ
る電子受容体の具体例としては、1,1’−ジメチル−
2,2’−ジフェニル−3,3’−インドロカルボシア
ニン・ブロマイド、2,2’−ジ−p−メトキシフェニ
ル−1,1’−ジメチル−3,3’−インドロカルボシ
アニン・ブロマイド、1,1’−ジメチル−2,2’,
8−トリフェニル−3,3’−インドロカルボシアニン
・パークロレート、1,3−ジアリル−2−[2−(9
−メチル−3−カルバゾリル)ビニル]イミダゾ[4,
5−b]キノキサリウム・p−トルエンスルホネート、
1,3−ジエチル−1’−2’フェニル・イミダゾ
[4,5−b]キノキサリノ−3’−インドロカルボシ
アニン・アイオダイド、1,1’,3,3’−テトラエ
チルイミダゾ[4,5−b]キノキサリノカルボシアニ
ン・クロライド、1,1’,3,3’−2−フェニル−
3−インドロピロロ[2,3−b]ピリドカルボシアニ
ン・アイオダイド、1,1’,3,3,3’,3’−ヘ
キサメチルピロロ[2,3−b]ピリドカルボシアニン
・パークロレート、1,1’,3,3−テトラメチル−
5−ニトロ−2’−フェニルインド−3’−インドカル
ボシアニン・アイオダイド、1,1’,3,3,3’,
3’−ヘキサメチル−5,5’−ジニトロインドカルボ
シアニン・p−トルエンスルホネート、3’−エチル−
1−メチル−2−フェニル−6’−ニトロ−3−インド
ロチアカルボシアニン・p−トルエンスルホネート、ピ
ナクリプトール・イエロー、5−m−ニトロベンジリデ
ンローダニン、5−m−ニトロベンジリデン−3−フェ
ニルローダニン、1,3−ジエチル−6−ニトロチア−
2’−シアニン・アイオダイドのヨウ化物、等が挙げら
れる。
【0026】本発明の印刷版の感光性ハロゲン化銀乳剤
層には保護コロイドとして各種親水性コロイドを用いる
ことができる。即ち、酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼ
ラチン、ゼラチン誘導体、グラフト化ゼラチン等各種ゼ
ラチンを用いることが出来る他、ポリビニルピロリド
ン、各種でんぷん、アルブミン、ポリビニルアルコー
ル、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、等の
親水性高分子化合物を含有させることが出来る。用いら
れる親水性コロイドとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導
体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が
挙げられるが、好ましくは、物理現像後の親水性コロイ
ド層の剥離性を容易にするために実質的に硬膜剤を含ま
ない親水性コロイド層を用いることが望ましい。
【0027】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀乳
剤の種類としては、一般に用いられる塩化銀、臭化銀、
ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ臭化銀等から
選択される。好ましくは、85%以上の塩化銀からなる
塩化銀、塩臭化銀、塩ヨウ化銀、塩ヨウ臭化銀等であ
り、更に画質、及び、耐刷に優れたものを得ることがで
きる。
【0028】ハロゲン化銀結晶は、ロジウム塩、イリジ
ウム塩、パラジウム塩、ルテニウム塩、ニッケル塩、白
金塩等の重金属塩を含んでいてもよく、添加量はハロゲ
ン化銀1モル当り10-8〜10-3モルである。ハロゲン
化銀の結晶形態に特に制限はなく、立方体ないし14面
体粒子、さらにはコアシェル型、平板状粒子でもよい。
ハロゲン化銀結晶は、単分散、多分散結晶であってもよ
く、その平均粒径は0.2〜0.8μmの範囲である。
【0029】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は
又、例えばシアニン、メロシアニン等の色素によって増
感され得る。その増感され得る波長域に特に制限はない
が、走査型露光光源の発光波長領域で感光するように、
増感されうる。従って、アルゴン・レーザー用増感、赤
色半導体レーザー(赤色LD)用増感、赤外半導体レー
ザー(赤外LD)用増感、ヘリウム=ネオン・レーザー
用増感、赤色発光ダイオード(赤色LED)用増感もな
し得る。
【0030】物理現像核層の物理現像核としては、公知
の銀錯塩拡散転写法に用いられるものでよく、例えば
金、銀等のコロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と
硫化物を混合した金属硫化物などが使用できる。保護コ
ロイドとして各種親水性コロイドを用いることもでき
る。これらの詳細及び製法については、例えば、フォー
カル・プレス、ロンドン ニューヨーク(1972年)
発行、アンドレ ロット及びエディス ワイデ著、「フ
ォトグラフィック・シルバー・ハライド・ディヒュージ
ョン・プロセシズ」を参照し得る。
【0031】本発明で用いられる現像液には、現像主
薬、例えばポリヒドロキシベンゼン類、3-ピラゾリジノ
ン類、アルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、あ
るいはアミン化合物、保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウ
ム、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセスロース、カブ
リ防止剤、例えば臭化カリウム、1−フェニル−5−メ
ルカプトテトラゾール、現像変成剤、例えばポリオキシ
アルキレン化合物等の添加剤等を含ませることが出来
る。
【0032】現像液のpHとして通常約10〜14、好
ましくは約12〜14であるが、使用する平版印刷版の
アルミニウム支持体の前処理(例えば陽極酸化)条件、
写真要素、所望の像、現像液中の各種化合物の種類及び
量、現像条件等によって異なる。
【0033】ゼラチン層を除去するためのウォッシュオ
フは、温度20〜30℃程度の流水で洗い流すことによ
って行なうことが出来る。
【0034】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。
【0035】実施例1 電解粗面化処理と陽極酸化によって、平均直径約5μm
のプラトー上に直径0.03〜0.30μmのピットを
100μm2 当たり約5,600個有し、且つそれらの
ピットの平均直径が0.08μmである厚さ0.30mmのア
ルミニウム板(A)を得た。このアルミ板は粗面化処理
後に陽極酸化したものであり、平均粗さ(Ra)は0.
5〜0.6μmであった。
【0036】このアルミ支持体上にカレー・レー(Care
y Lea )法により作成された銀ゾルからなる物理現像核
液を塗布した。
【0037】不活性ゼラチンの水溶液を60゜Cに保
ち、強く攪拌しながら、塩化ナトリウム水溶液を同時に
4ml/min の添加速度で加えることにより、塩化銀乳剤
を調整した。これらの乳剤粒子は平均サイズが0.3μ
であり、晶癖は立方体であり、全粒子の90重量%以上
が平均粒子サイズの±30%以内に含まれていた。こう
して得られた乳剤を通常の方法で、沈澱、水洗処理を行
った後、再溶解し、ゼラチン溶液を加えて、ゼラチン対
銀の重量比を1:1にした。(原乳剤A)
【0038】次に、0.01mole/mole Ag となるよう
にヨウ化カリウム水溶液を加え、pH6.5、EAg2
30mVに調整して、二酸化チオ尿素及び塩化金酸カリ
ウムを加え、60゜Cで90分熟成して、カブらせた。
この後、化1の色素300mg/mole Ag 及び、ピナクリ
プトール・イエロー200mg/mole Ag を加えて、硬膜
剤、界面活性剤を加え、pH=6.5に調整して、直接
ポジ用ハロゲン化銀乳剤を作成し、上記の処理を施し、
物理現像核液を塗布したアルミ支持体上に塗布した。
(A−1)
【0039】
【化1】
【0040】比較として、原乳剤Aにチオ硫酸ナトリウ
ム及び塩化金酸カリウムを加え、50゜Cで30分熟成
して、化2の色素150mg/mole Ag を加えて、硬膜
剤、界面活性剤を加え、pH=5.0に調整して、上記
の処理(A)を施し、物理現像核液を塗布したアルミ支
持体上に塗布した。(A−2)
【0041】
【化2】
【0042】このようにして得られた平版印刷版に外型
ドラムのアルゴン・レーザー出力機を用いて画像出力を
行った。平版印刷版A−1に対してはポジモードで、A
−2に対してはネガモードで出力した後、特開平4−2
82295号公報の実施例1に記載の拡散転写現像液
に、N−メチルエタノールアミン10ml/l加えた現
像液で現像を行なった後、直ちに流水でゼラチン層を洗
い流し(ウォッシュオフ)した。
【0043】平版印刷版A−2は、出力機の感材のくわ
え部分に銀が析出しており、印刷に余分な部分が生ずる
のに対し、平版印刷版A−1は銀の析出が無く、印刷に
好ましい状態となる。この様にして作成した平版印刷板
を、印刷機ハイデルベルグTOK(Heidelberg社製オフ
セット印刷機の商標)にかけ印刷したところ、5万枚の
印刷ができた。また、画質は良好であった。
【0044】本発明であるネガ・タイプの印刷版A−1
は画質、及び、耐刷力に優れ、且つ、外型ドラムタイプ
の出力機でも、露光不可部の銀析出が無く、好ましいも
のであるのに対し、比較のA−2は、画質、及び、耐刷
力に優れてはいるが、露光不可部の銀析出が有るため、
外型ドラムタイプの出力機でのくわえの部分に銀画像が
生じ、本発明の目的には、適さない。
【0045】実施例2 電解粗面化処理の違いと陽極酸化によって、以下の表1
の示す表面形状の厚さ0.30mmのアルミニウム板を得た。
【0046】
【表1】
【0047】表1において、ピット数は平均直径約5μ
mのプラトー上に存在する直径0.03〜0.30μm
のピットを100μm2 当たりの個数であり、平均直径
はそれらのピットの直径の平均値である。これらのアル
ミ板の平均粗さ(Ra)は0.5〜0.6μmであっ
た。
【0048】これらのアルミ支持体上にカレー・レー
(Carey Lea )法により作成された銀ゾルからなる物理
現像核液を塗布した。以下、実施例1と同様にして、直
接ポジ用ハロゲン化銀乳剤を塗布し、平版印刷版A−
1、B−1、C−1、D−1、及びE−1を作製した。
【0049】このようにして得られた平版印刷版に像露
光を行った後、特開平4−282295号公報の実施例
1に記載の拡散転写現像液に、N−メチルエタノールア
ミン10ml/l加えた現像液で現像を行なった後、直
ちに流水でゼラチン層を洗い流し( ウォッシュオフ) し
た。版面が乾かないうちに版面保護液を脱脂綿等で塗布
し乾燥させる。この様にして作成した平版印刷板を、印
刷機ハイデルベルグTOK(Heidelberg社製オフセット
印刷機の商標)にかけ、画質及び耐刷力を評価した。
【0050】画質については、密着原稿を通して露光さ
れ、現像された印刷版面上で、10μmのネガ罫線及び
ポジ罫線が同時に再現できるものを○とし、15μmの
ネガ罫線及びポジ罫線が同時に再現できるものを△と
し、20μmのネガ罫線及びポジ罫線が同時に再現でき
るものを×とした。耐刷力は版圧を5ミリに設定して画
像部のインキ乗りの不良、あるいは線飛びが生じる時の
いずれかにより印刷が不可能となったときの印刷枚数で
評価した。結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】表2の結果より明かなように、直径0.0
3〜0.30μmのピットを100μm2 当たり500
個以上有し、且つそれらのピットの平均直径が0.05
〜0.20μmであるアルミ板を用いた本発明のネガ・
タイプの平版印刷版A−1、B−1、及び、C−1は画
質、及び、耐刷力に優れたものであることが判った。一
方、ピットの平均直径が0.20μm以上のアルミ板を
用いた比較の平版印刷版D−1、及び、E−1は、これ
らの点で劣る。
【0053】実施例3 実施例1のアルミニウム板(A)にカレー・レー(Care
y Lea )法により作成された銀ゾルからなる物理現像核
液を塗布した。さらに乾燥後、表3に示されたハロゲン
組成で平均粒子サイズ約0.3μmのハロゲン化銀乳剤
粒子を含む乳剤を用いること以外、実施例1と同様にし
て、直接ポジ用ハロゲン化銀乳剤を作成し、乳剤層を塗
布乾燥し感光性平版印刷版を作成した。
【0054】このようにして得られた平版印刷版に実施
例2と同様にして、露光・現像処理を行い、直ちに流水
でゼラチン層を洗い流し( ウォッシュオフ) した。版面
が乾かないうちに版面保護液を脱脂綿等で塗布し乾燥さ
せる。以下、実施例2と同様にして、印刷評価を行い、
表3の結果を得た。
【0055】
【表3】
【0056】表3の結果より明かなように、塩化銀含有
量が85%以上のネガ・タイプの印刷版A−1、A−
2、及び、A−3は画質、及び、耐刷力により優れたも
のであることが判った。
【0057】
【発明の効果】露光不可部の銀析出が無く、画質に優
れ、且つ、極めて高い耐刷性能を有する平版印刷版を得
ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗面化され陽極酸化されたアルミニウム
    支持体とハロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する
    平版印刷版において、直径0.03〜0.30μmのピ
    ットを100μm2 当たり500個以上有し、且つそれ
    らのピットの平均直径が0.05〜0.20μmである
    粗面のアルミニウム板を支持体とし、予めカブラされた
    直接ポジ用ハロゲン化銀乳剤を用いることを特徴とする
    平版印刷版。
  2. 【請求項2】 ピットの深さが直径の1/3以上である
    請求項1記載の平版印刷版。
  3. 【請求項3】 該ハロゲン化銀乳剤が85%以上の塩化
    銀からなることを特徴とする請求項1記載及び請求項2
    記載の平版印刷版。
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