JPH075109Y2 - シーブブロック装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、移動式クレーンのジブ先端部に装備するシー
ブブロック装置に関するものである。

［従来の技術］ 一般的な移動式クレーンの一例は第５図に示され、図中
１は下部走行体、２は下部走行体１上に旋回自在に配設
された旋回フレーム、３は旋回フレーム２に起伏自在に
取り付けたジブ、４は荷を吊るためのホイスト用ワイヤ
ロープ５を巻き取り、繰り出すため旋回フレーム２上に
設置されたウインチ、６はワイヤロープ５に吊り下げら
れたフックブロックである。ジブ３は先端ジブ７と下端
ジブ８との間に取り付けられる中間ジブ（図示せず）を
備え、作業半径に対応して適宜中間ジブを継ぎ足し得る
ようになっている。

先端ジブ７の部分の詳細を第３図及び第４図により説明
すると、先端ジブ７の下部左右及び中央部にそれぞれ軸
孔９を設けたシーブ取り付け体10を固着し、シーブ取り
付け体10に、軸受11を介して複数（図では８つ）のシー
ブ12を取り付けた軸13を挿通し、該軸13端を固定用ピン
14により前記取り付け体10に固定している。

また図中15はガイドシーブ、16はペンダントケーブルで
あり、端部を第５図のウインチ４に巻き付けられたワイ
ヤロープ５はガイドシーブ15からシーブ12を通り、シー
ブ12とフックブロック６のシーブの間に複数条巻き掛け
られている。

荷の昇降は、フックブロック６に荷を吊り下げ、ウイン
チ４によりワイヤロープ５を巻き取り、若しくは繰り出
すことにより行う。

上述の移動式クレーンにおいて、多数のシーブ12を用い
るのは、ワイヤロープ５に掛かる荷重は制限されている
ため、ワイヤ条数を多くすることにより、フックブロッ
ク６に大きな荷重を吊れるようにするためである。

上述の移動式クレーンにおいては、先端ジブ７と下端ジ
ブ８の間に取り付けられる中間ジブが少く、ジブ３の長
さが短い場合には、大きな荷重を吊ることができるが、
先端ジブ７と下端ジブ８の間に取り付けられる中間ジブ
の数が増え、ジブ３の長さが長くなると転倒モーメント
の関係でフックブロック６に吊ることのできる荷重は減
少する。

［考案が解決しようとする課題］ ジブ３の長さが長くなり、吊ることのできる荷重が小さ
くなった場合には、ワイヤロープ条数も少なくてすむた
めシーブ12の数を減らすことができ、またシーブ12の数
を減らせば、先端ジブ７の重量が軽減されるため、その
分吊り上げ荷重を大きくできるが、上記従来装置ではシ
ーブ12を外すことが困難で、吊り上げ荷重を増加させる
ことができない。

更に中間ジブを継ぎ足した後ジブ３を起立させる場合に
は、余分なシーブ12があると、それだけジブ３の起立に
余分な引起しモーメントが必要となりしかもジブ３を起
立させるウインチの駆動装置の能力の関係からジブ３の
全長が押えられ、ジブ３を長くすることができない。

本考案は上述の実情に鑑み、先端ジブのフックブロック
吊り下げ用のシーブの着脱を容易に行い得るようにする
ことを目的としてなしたものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、複数のシーブを回動自在に枢支した中央部シ
ーブブロックと、複数のシーブを回転自在に枢支した左
右一対の両側部シーブブロックと、先端ジブの先端部に
設けたシーブブロック取付部材とを備え、前記の中央部
シーブブロックをシーブブロック取付部材の幅方向略中
央部に固着し、中央部シーブブロックを挟むように前記
の両側部シーブブロックを連結部材を介してシーブブロ
ック取付部材に装着したことを特徴とするものである。

［作用］ ジブの長さが短い場合はシーブブロックは全てジブに取
り付けられた状態で荷役作業が行われるため、大きな荷
重を吊り上げることができる。またジブの長さが長い場
合にはシーブブロックの数は少ない状態で吊り上げ作業
が行われるため、取り外したシーブブロックの重量に見
合うだけ吊り上げ荷重を増大でき、しかもシーブブロッ
クが少ないことにより、引起し動力及び転倒モーメント
が減少するためその分、より長いジブの設置が可能とな
る。

［実施例］ 以下図面に基づき本考案の実施例を説明する。

第１図及び第二図は本考案の一実施例を示し、第３図及
び第４図中で示したものと同一のものには同一符号を付
してある。

先端ジブ７にジブ長手方向と直角方向に横部材17を固着
し、該横部材17の下部中央に複数（図では３つ）のシー
ブ12を備えたシーブブロック18を固着し、該シーブブロ
ック18の両側方の前記横部材17の下部に、所定の間隔を
おいてピン孔19を設けた複数（図では４つ）の取り付け
部材20を固着する。該取り付け部材20の間に、複数（図
では３つ）のシーブ12を備えピン孔21を設けた複数（図
では２つ）の分割シーブブロック22を挿入し、ピン23に
より着脱し得るよう構成する。

ジブ３の長さが短い場合は大きな荷重を吊り上げる必要
があるため、ピン23を差し込んですべての分割シーブブ
ロック22を横部材17に取り付けるが、ジブ３の長さが長
い場合は吊り上げ荷重は小さいため、ピン23を抜いて不
必要な分割シーブブロック22を適宜取り外して吊り上げ
作業を行う。このようにピン23の差し込み、抜き出しを
行うだけで分割シーブブロック22の着脱を容易に行うこ
とができる。

また中間ジブを継ぎ足し、ジブ３の長さが長くなった場
合でも、分割シーブブロック22は取り外せばよいため、
ジブ３の起立に要する動力や転倒モーメントも小さく、
ジブ３を容易に起こすことができ且つ取り外した分割シ
ーブブロック22の分だけ吊り上げ荷重が増加する。

このように本実施例では、先端ジブ７の先端部において
並列に枢支されるシーブ12の数を増減させるので、吊り
上げ重量に対応させて先端ジブ７の先端部のシーブ12の
数を適宜選択することができるとともに、シーブ12の数
に関係なくジブ３の長さを適宜選択することができる。

［考案の効果］ 本考案のシーブブロック装置によれば、分割シーブブロ
ックを容易に着脱可能となるので、長尺ジブ時に吊り上
げ荷重の増加を可能にし、またより長いジブの装着をも
可能にし、更に、長尺ジブ時のジブ先端部が軽量化され
ジブの引起しに要する動力や転倒モーメントも減少する
とともに、シーブの数に関係なくジブの長さを適宜選択
することができる等種々の優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の説明図、第２図は第１図の
分割シーブブロックを取り外した状態の説明図、第３図
は従来装置の説明図、第４図は第３図のＡ−Ａ矢視図、
第５図は移動式クレーンの一般的な説明図である。 図中７は先端ジブ、18はシーブブロック、20は取り付け
部材、22は分割シーブブロック、23はピンを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のシーブを回動自在に枢支した中央部
   シーブブロックと、複数のシーブを回転自在に枢支した
   左右一対の両側部シーブブロックと、先端ジブの先端部
   に設けたシーブブロック取付部材とを備え、前記の中央
   部シーブブロックをシーブブロック取付部材の幅方向略
   中央部に固着し、中央部シーブブロックを挟むように前
   記の両側部シーブブロックを連結部材を介してシーブブ
   ロック取付部材に装着したことを特徴とするシーブブロ
   ック装置。