JP4881523B2 - クレーン装置の荷吊り用フック構造体 - Google Patents

クレーン装置の荷吊り用フック構造体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クレーン装置のブームの先端からワイヤロープを介して垂下される荷吊り用フック構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自走式クレーンを含む作業機械に搭載されるクレーン装置は、そのブームの先端から垂下されるワイヤロープに荷吊り用のフック構造体が取り付けられており、このフック構造体のフックに荷を引掛けて、荷吊り作業を行なう。
【0003】
前記フック構造体は、荷を引掛けてこれを支持するフックと、複数のシーブを有し且つ前記フックを支持するフック支持体とから成り、ウインチから繰り出されたワイヤロープがブームの先端のシーブと前記フック支持体のシーブとの間で多索巻回されることにより、ブームの先端から昇降自在に垂下される。
【0004】
ところで、このようなクレーン装置においては、一般に、吊り荷の重量に応じて、シーブ間に掛け渡されるワイヤロープの巻回数(索数)も異なってくる。すなわち、大重量の荷(大荷重)を吊り上げる場合には、通常の荷(中小荷重)を吊り上げる場合よりもシーブの数を増やして、シーブ間に掛け渡すワイヤロープの巻回数を増やす必要がある。そのため、例えば、大荷重を吊り上げる能力を有する大型のクレーン装置においては、従来、中小荷重用のフック構造体と、中小荷重用のフック構造体よりもシーブ数が多い大荷重用のフック構造体とが用意され、作業状況に応じてこれら2種類のフック構造体が使い分けられていた。
【0005】
しかしながら、大荷重を吊り上げる作業の頻度は、中小荷重を吊り上げる作業の頻度に比べて著しく低いため、中小荷重用のフック構造体と大荷重用のフック構造体とを共に用意することは非常に不経済である。したがって、大荷重用のフック構造体それ1つで全ての荷重に対応することも可能であるが、その場合には、フック構造体の重量が大きいために、吊り上げ許容荷重の一部がフック構造体の重量によって奪われてしまい、吊り上げ能力の低下を来たすばかりか、ワイヤロープの巻回数も多くなるため、フック構造体の昇降速度が遅くなり、作業性も悪化してしまう。
【0006】
そこで、このような問題を解決すべく、従来から様々な対策が講じられている。図11は、そのような対策の第1の例を示している。この第1の例では、中小荷重用のフック構造体120が常時使用され、大荷重を吊り上げる場合にだけ、シーブを追加して、2種類のフック構造体を別個に用意する不経済性を無くしている。具体的には、大荷重を吊り上げるため、多段伸縮する伸縮ブーム装置の先端ブーム100のブームヘッド102に対して、複数のシーブ108を有する第1のシーブブロック104がピン106を介して取り付けられるとともに、中小荷重用のフック構造体120のフック支持部122に第2のシーブブロック110が取り付けられる。そして、これらの追加されたシーブブロック104,110およびフック支持体122の各シーブ間で、ブームヘッド102のシーブ101から延びるワイヤロープが掛け渡される。
【0007】
図12は、前述した問題を解決するための第2の例を示している。この第2の例では、中小荷重用のフック構造体120が常時使用され、大荷重を吊り上げる場合にだけ、もう1つの中小荷重用フック構造体120Aあるいはシーブブロック120Bとともにハンガ140が追加される。具体的には、大荷重Wを吊り上げるため、多段伸縮する伸縮ブーム装置130の最も基端側のブーム132に対して補助シーブブロック134が取り付けられるとともに、互いに左右に並んで配置された2つの中小荷重用のフック構造体120,120A(あるいは、フック構造体120とシーブブロック120B)の下側にこれらと連結するハンガ140が設けられる。そして、ウインチから繰り出されたワイヤロープ142が、先端ブーム100のブームヘッド102のシーブ101と、補助シーブブロック134のシーブと、フック構造体120,120A(120B)のシーブとの間で多索巻回され、ハンガ140を介して荷重Wが吊り上げられる。
【0008】
図13は、前述した問題を解決するための第3の例を示している。この第3の例では、中小荷重用のフック構造体120が常時使用され、大荷重を吊り上げる場合にだけ、このフック構造体120に対して同じもう1つの中小荷重用フック構造体120Aが連結される。具体的には、大荷重を吊り上げるため、一方のフック構造体120の凹部160に他方のフック構造体120Aの凸部162がスライド式に係合される。この場合、2つのフック構造体120,120Aは、互いのシーブ152,152Aの軸心が略一致するように同軸的に並設される。そして、これら2つのフック構造体120,120Aのシーブ152,152Aと図示しないブームヘッドのシーブとの間でワイヤロープが掛け渡され、2つのフック構造体120,120Aの各フック150,150Aにわたって荷を引掛けて荷の吊り上げ作業を行なう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図11に示される第1の例の構成では、大荷重用のフック構造体よりも軽量な中小荷重用のフック構造体を常時使用するため、大荷重用のフック構造体それ1つで全ての荷重に対応する場合に生じる前述した許容荷重の問題を解消し得る。また、第1の例の構成は、追加のシーブブロック104,110を必要とするが、2種類のフック構造体を別個に用意する場合に比べて経済的である。しかしながら、この第1の例の構成では、先端ブーム100にシーブブロック104が取り付けられるため、シーブブロック104に見合うだけの強度が先端ブーム100に要求され、ブームの重量増に繋がるとともに、シーブブロック104の付設に伴うブーム先端の重量増が、ブーム最伸長時における安定性に悪影響を与える。また、シーブブロック104,110とフック構造体120とが上下に積み重ねられる形態であるため、最大地上揚程が小さくなってしまう。
【0010】
また、図12に示される第2の例の場合も、大荷重用のフック構造体だけを使用する場合における前述の許容荷重の問題を解消でき、また、大荷重用および中小荷重用といった2種類の異なるフック構造体を用意しなくて済む。しかし、この第2の例の構成では、別個のフック構造体120Aまたはシーブブロック120Bを用意する以外に、ハンガ140も必要となるため、経済的であるとは言い難い。また、先端ブーム100ではなく基端ブーム132にシーブブロック134が取り付けられているため、作業時の安定性が第1の例よりも良好であるが、ハンガ140とフック構造体120とが上下に積み重ねられる形態であるため、第1の例と同様、最大地上揚程が小さくなってしまう。
【0011】
また、図13に示される第3の例では、2つのフック構造体120,120Aが同軸的に配置されており、上下に積み重ねられていないため、最大地上揚程に関する前述した問題が生じない。しかしながら、2つのフック構造体120,120Aを用意する必要があるため、第2の例と同様、重量的および経済的に良好であるとは言い難く、また、荷の吊り上げ作業中にフック150,150A同士が干渉する虞がある。
【0012】
このように、従来にあっては、大荷重の吊り上げ作業時におけるフック構造体の形態が、重量においても、また、経済性においても、満足できるものではなく、したがって、大荷重吊り上げ作業時におけるフック構造体の重量軽減および経済性の更なる向上が切に望まれている。
【0013】
本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、大荷重吊り上げ作業と中小荷重吊り上げ作業との切り換えを、吊り上げ性能に悪影響を及ぼすことなく経済的且つ簡単に行なうことができるクレーン装置の荷吊り用フック構造体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、クレーン装置のブームの先端からワイヤロープを介して垂下される荷吊り用のフック構造体において、前記ワイヤロープが巻回される複数のシーブを有するメインシーブブロックと、荷に引掛けられてこの荷を支持するフックと、前記フックを支持する支持シャフトと、前記支持シャフトと同軸に設けられ、前記支持シャフトと前記メインシーブブロックとを結合する結合部とを備えるフック本体と、前記ワイヤロープが巻回される複数のシーブを有するとともに、前記フック本体の前記メインシーブブロックに前記支持シャフト及び前記結合部を介して着脱自在に且つ選択的に装着される少なくとも1つのサブシーブブロックと、を備えることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係るフック構造体を自走式クレーンのクレーン装置に適用した場合を示している。図示のように、自走式クレーン1は、走行車体としてのキャリア10を備えており、キャリア10上には旋回台12が載置されている。また、旋回台12上には、キャブ14と伸縮ブーム18とを備えた旋回体16が回転自在に搭載されている。この場合、伸縮ブーム18は、複数段のブームが伸縮自在に連結されて成り、図示しない伸縮シリンダによって伸長可能であるとともに、旋回体16と基端側ブーム18aの下面との間に架設された起伏シリンダ19により起伏動作されるようになっている。
【0017】
キャリア10の前後の両側にはそれぞれアウトリガ26が取り付けられている。これらのアウトリガ26は、クレーン作業時にキャリア10の側方にビームを張り出し、ビームの先端に取着されたシリンダ・ピストン構造のジャッキ部26aを伸長させることにより、ジャッキ部26aの下端に取り付けられた接地板26bを地面に圧接させて、キャリア10を支えるようになっている。
【0018】
また、旋回体16にはウインチ17が設けられており、このウインチ17によりワイヤロープ24が巻き取られ、或いは、繰り出されるようになっている。ウインチ17から繰り出されたワイヤロープ24は、ブーム18の先端ブーム18bのブームヘッド25に取着されたシーブ29に掛け渡された後、このシーブ29と後述するフック構造体30のシーブとの間で多索巻回されて、ブーム18の先端からフック構造体30を昇降自在に垂下させることができるようになっている。
【0019】
図2および図3に示されるように、フック構造体30は、複数のシーブ33を有するメインシーブブロック30Aと、複数のシーブ43を有し且つメインシーブブロック30Aに着脱自在に装着される少なくとも1つ(本実施形態では、1つ)のサブシーブブロック30Bと、これらのシーブブロック30A,30Bに支持されるフック32とから成る。この場合、フック32は、荷を引掛けてこれを支持するものであり、シーブブロック30A,30Bに共通に設けられた支持シャフトとしてのトラニオンシャフト53(図3参照)に支持されている。
【0020】
また、フック構造体30は、中小荷重を吊り上げる場合には、サブシーブブロック30Bが取り外された状態で使用され、フック32と、フック32を支持するメインシーブブロック(フック支持体)30Aとによってフック本体を成すとともに、大荷重を吊り上げる場合には、図2および図3に示されるように、フック本体(メインシーブブロック30A)にサブシーブブロック30Bが装着されるようになっている。
【0021】
図2および図3に示されるように、メインシーブブロック30Aは、互いに対向する一対の側板35,36と、これらの側板35,36間に架設されたシャフト37によって支持される複数のシーブ33とを備えており、それ単体では、例えば70tの荷を吊り上げることができる中小荷重用として設計されている。また、メインシーブブロック30Aの各側板35,36の周縁部近傍には、ピン挿入孔34と、複数のピン取付孔38,39とが形成されている。この場合、ピン挿入孔34には、サブシーブブロック30Bの装着時に、シーブブロック30A,30B同士の相対的な回動を規制する回動規制ピン65が挿入される。また、ピン取付孔38,39には、シーブ33に巻回されるワイヤロープ24をガイドするロープガイドアッセンブリ90の取付ピン91(図5参照)が挿入される。また、メインシーブブロック30Aの下端部中央には、トラニオンシャフト53とシーブブロック30A(30B)とを結合する結合ピン50が挿入される挿入穴70が設けられている。
【0022】
図3に明確に示されるように、トラニオンシャフト53は、フック32を支持するとともに、サブシーブブロック30Bの装着時には、結合ピン50と協働して、シーブブロック30A,30B同士を連結する。また、結合ピン50は、トラニオンシャフト53の両端に形成されたピン嵌合穴53aに挿入嵌合されることにより、トラニオンシャフト53をシーブブロック30A(30B)に対して支持する。
【0023】
一方、サブシーブブロック30Bは、図2〜図4に示されるように、互いに対向する一対の側板45,46と、これらの側板45,46間に架設されたシャフト47によって支持される複数のシーブ43とを備えており、メインシーブブロック30Aと組み合わされることにより、大重量の荷、例えば120tの荷を吊り上げることができるように設計されている。また、サブシーブブロック30Bの各側板45,46の周縁部近傍には、回動規制ピン65が挿入されるピン挿入孔44と、ロープガイドアッセンブリ90の取付ピン91が挿入される複数のピン取付孔41,42とが形成されている。また、サブシーブブロック30Bの下端部中央には、結合ピン50が挿入される挿入穴80が設けられている。なお、図4におけるサブシーブブロック30Bは、ロープガイドアッセンブリ90および回動規制ピン65が装着された状態で示されている。また、サブシーブブロック30Bの側板45,46は、地面に接触され且つ容易な組み立てに寄与する第1および第2の側面81,82を有している。
【0024】
次に、上記構成のフック構造体30の使用方法および組立方法について説明する。
【0025】
まず、通常の荷(中小荷重)を吊り上げる場合には、フック32とメインシーブブロック30Aとから成るフック本体だけを使用する。すなわち、ウインチから繰り出されたワイヤロープ24をブームヘッド25のシーブ29とメインシーブブロック30Aのシーブ33との間で多索巻回することにより、ブーム18の先端からフック構造体30のフック本体(30A,32)を昇降自在に垂下させ、フック32によって荷を吊り上げる。
【0026】
一方、大重量の荷(大荷重)を吊り上げる場合には、まず、図5に示されるように、メインシーブブロック30Aを地面95上に載置する。この場合、メインシーブブロック30Aは、例えば、ワイヤロープ24によって吊り下げられた状態で、ブーム18を倒伏させることにより、トラニオンシャフト53が装着される部位を下側にして地面95上に載置される。続いて、メインシーブブロック30Aの両側板35,36の挿入穴70に取り付けられていた結合ピン50を取り外すとともに、ピン取付孔38,39に挿入されていた取付ピン91を抜いて、メインシーブブロック30Aからロープガイドアッセンブリ90を取り外す。
【0027】
次に、図6に示されるように、サブシーブブロック30Bを地面95に寝かせた状態でメインシーブブロック30Aに組み合せる。具体的には、サブシーブブロック30Bの側板45,46間にメインシーブブロック30Aが挟み込まれるようにサブシーブブロック30Bの側板45,46をメインシーブブロック30Aの側板35,36に重ね合わせるとともに、サブシーブブロック30Bの挿入穴80をメインシーブブロック30Aの挿入穴70と重なるように位置合わせする。そして、この状態で、位置合わせされた挿入穴70,80を通じて結合ピン50をトラニオンシャフト53のピン嵌合穴53aに挿入する。これにより、トラニオンシャフト53がシーブブロック30A,30Bに対して支持されるとともに、トラニオンシャフト53を介してメインシーブブロック30Aとサブシーブブロック30Bとが連結される。
【0028】
なお、挿入穴70,80同士の位置合わせは、サブシーブブロック30Bの側板45,46の第1側面81を地面95に接触させた図6の倒伏状態で簡単に行なえるようになっている。すなわち、サブシーブブロック30Bを地面95に寝かせた状態で挿入穴70,80同士の位置合わせが行なえるように、サブシーブブロック30Bの側板45,46の形状が設定されている。また、サブシーブブロック30Bをメインシーブブロック30Aに組み合せる前に、予め、サブシーブブロック30Bにロープガイドアッセンブリ90を装着(ロープガイドアッセンブリ90の取付ピン91をピン取付孔41,42に挿入する)しておくことが望ましい。
【0029】
トラニオンシャフト53と結合ピン50とによってメインシーブブロック30Aとサブシーブブロック30Bとを連結したら、今度は、ブーム18を更に倒伏させるなどして、図7に示されるように、メインシーブブロク30Aをサブシーブブロック30B側に傾け、メインシーブブロック30Aのピン挿入孔34をサブシーブブロック30Bのピン挿入孔44と重なるように位置合わせする。そして、その状態で、位置合わせされたピン挿入孔34,44に回動規制ピン65を挿入する。これにより、メインシーブブロック30Aとサブシーブブロック30Bとの相対的な回動が規制され、シーブブロック30A,30B同士が完全に一体となる。
【0030】
以上の組立作業が完了したら、ブーム18を起伏させるなどして、図8に示されるように、シーブブロック30A,30Bを起こし、サブシーブブロック30Bの第2の側面82を地面に接触させる。これにより、2本のシャフト37,47が水平方向で平行に並ぶ平行2軸のV字型のフック構造体30を地面95上に起立状態で保持することができる。そして、このV字型のフック構造体30を用いて大荷重を吊り上げる場合には、図1に示されるように、基端側ブーム18aの先端に補助シーブブロック88を取り付けるとともに、ウインチ17から繰り出されたワイヤロープ24を、ブームヘッド25のシーブ29と、補助シーブブロック88のシーブと、フック構造体30の各シーブブロック30A,30Bのシーブ33,43との間で多索巻回することにより、ブーム18の先端からV字型のフック構造体30を昇降自在に垂下させ、フック32によって荷を吊り上げる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態のフック構造体30は、
(A)荷に引掛けられてこの荷を支持するフック32と、ワイヤロープ24が巻回される複数のシーブ33およびフック32を支持する支持シャフト53を有するメインシーブブロック30Aとから成るフック本体と、
(B)ワイヤロープ24が巻回される複数のシーブ43を有するとともに、前記フック本体のメインシーブブロック30Aに支持シャフト53を介して着脱自在に且つ選択的に装着されるサブシーブブロック30Bと、
を備えている。
【0032】
したがって、以下に示すような様々な作用効果を奏することができる。
【0033】
(1)通常の荷(中小荷重)を吊り上げる場合には、フック32とメインシーブブロック30Aとから成るフック本体だけを使用することができるため、大荷重用のフック構造体それ1つで全ての荷重に対応する場合に生じる許容荷重の問題を解消し得る。
【0034】
(2)大荷重の吊り上げ作業時には、サブシーブブロック30Bをメインシーブブロック30Aに連結するだけで済み、しかも、その場合、メインシーブブロック30Aに既存の部品であるトラニオンシャフト(支持シャフト)53を連結部材として共通に使用するため、それ以外の部品を何ら必要としない(多数の結合部材や、2種類のフック構造体、あるいは、2つのフック本体を別個に用意する必要がない)。したがって、部品点数が前述した従来の第1ないし第3の例よりも格段に少なく、重量を大幅に軽減できるとともに、経済性も格段に向上する。また、2つのフック本体を使用することによるフック同士の干渉といった問題も生じない。
【0035】
(3)大荷重吊り上げ作業と中小荷重吊り上げ作業との切り換えは、結合ピン50の脱着だけで済むため、簡単且つスムーズであるとともに、結合ピン50(トラニオンシャフト53)の取付位置がシーブブロック30A,30Bの下端部に設けられているため、シーブブロック30A,30Bを地面に載置して重心を下げた低い位置で安全に切り換え作業を行なうことができる。
【0036】
(4)フック32が支持される強度が高いトラニオンシャフト53を、2つのシーブブロック30A,30Bを連結するための共通軸として使用し、また、補助シーブブロック88を基端側ブーム18aに設置してブーム18の重量増を招くこと無く作業時の安定性を図っているため、吊り上げ性能に悪影響を及ぼさないで済む。
【0037】
(5)シーブブロック同士を上下に積み重ねないV字型の平行2軸構造を採用しているため、最大地上揚程を大きく確保できる。
【0038】
図9および図10には、メインシーブブロック30Aに2つのサブシーブブロック30B,30Cを装着した形態が示されている。これら3つのシーブブロックのうち、新たに追加された第3のサブシーブブロック30Cは、互いに対向する一対の側板95,96と、これらの側板95,96間に架設されたシャフトによって支持される複数のシーブ93とを備えており、メインシーブブロック30Aと組み合わされることにより、更に大重量の荷を吊り上げることができるように設計されている。また、サブシーブブロック30Cの各側板95,96の周縁部近傍には、第2の回動規制ピン65Aが挿入されるピン挿入孔97が設けられるとともに、メインシーブブロック30A側にもピン挿入孔97と対応する挿入孔98が設けられている。また、サブシーブブロック30Cの各側板95,96の周縁部近傍には、ロープガイドアッセンブリ90の取付ピン91が挿入される複数のピン取付孔76,77が設けられ、サブシーブブロック30Cの下端部中央には、結合ピン50が挿入される挿入穴89が設けられている。
【0039】
メインシーブブロック30Aと第1のサブシーブブロック30Bとが組み合わされて成るV字型のフック構造体に第2のサブシーブブロック30Cを更に組み合せる場合には、メインシーブブロック30Aに対して第1のサブシーブブロック30Bと反対側から第2のサブシーブブロック30Bをセットする。具体的には、第2のサブシーブブロック30Cの側板95,96間に第1のサブシーブブロック30Bが挟み込まれるように第2のサブシーブブロック30Cの側板95,96を第1のサブシーブブロック30Bの側板45,46に重ね合わせるとともに、第2のサブシーブブロック30Cの挿入穴89をメインシーブブロック30Aの挿入穴70および第1のサブシーブブロック30Bの挿入穴80と重なるように位置合わせする。そして、この状態で、位置合わせされた挿入穴70,80,89を通じて結合ピン50をトラニオンシャフト53のピン嵌合穴53aに挿入する。なお、それ以外は前述した実施形態と同一であるため、同一符号を付してその説明を省略する。
【0040】
このような構成によれば、更に大きな荷重の吊り上げ作業に対応できるだけでなく、例えばメインシーブブロック30Aを小荷重用として小型軽量に形成し、第1のサブシーブブロック30Bを装着した状態で中荷重に対応させ、更に、第2のサブシーブロック30Cを装着した図9および図10の状態で大荷重に対応させるなど、作業状況に細かく対応させて吊り上げ能力を最大限に利用することもできるようになる。
【0041】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは言うまでもない。例えば、前述した実施形態では、本発明が自走式クレーンのクレーン装置に適用されているが、本発明は、全ての産業機械におけるクレーン装置に適用可能である。また、前述した実施形態では、1つ又は2つのサブシーブブロックがメインシーブブロックに装着されているが、メインシーブブロックに装着されるサブシーブブロックの数はこれらに限定されない。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のクレーン装置の荷吊り用フック構造体によれば、大荷重吊り上げ作業と中小荷重吊り上げ作業との切り換えを、吊り上げ性能に悪影響を及ぼすことなく経済的且つ簡単に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るフック構造体を自走式クレーンに適用した状態を示す図である。
【図2】(a)は本発明の一実施形態に係るフック構造体の平面図、(b)は(a)のフック構造体の側面図である。
【図3】図2の(b)のA−A線に沿う断面図である。
【図4】サブシーブブロックの斜視図である。
【図5】メインシーブブロックにサブシーブブロックを組立てる第1の段階を示す図である。
【図6】メインシーブブロックにサブシーブブロックを組立てる第2の段階を示す図である。
【図7】メインシーブブロックにサブシーブブロックを組立てる第3の段階を示す図である。
【図8】メインシーブブロックにサブシーブブロックを組立てる第4の段階を示す図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るフック構造体を自走式クレーンに適用した状態を示す図である。
【図10】(a)は図9に示されたフック構造体の平面図、(b)は(a)のフック構造体の側面図である。
【図11】従来のフック構造体の第1の例を示す斜視図である。
【図12】従来のフック構造体の第2の例を示す概略図である。
【図13】従来のフック構造体の第3の例を示す側面図である。
【符号の説明】
24…ワイヤロープ
30…フック構造体
30A…メインシーブブロック
30B,30C…サブシーブブロック
32…フック
33,43,93…シーブ
53…トラニオンシャフト(支持シャフト)

Claims (2)

  1. クレーン装置のブームの先端からワイヤロープを介して垂下される荷吊り用のフック構造体において、
    前記ワイヤロープが巻回される複数のシーブを有するメインシーブブロックと、荷に引掛けられてこの荷を支持するフックと、前記フックを支持する支持シャフトと、前記支持シャフトと同軸に設けられ、前記支持シャフトと前記メインシーブブロックとを結合する結合部とを備えるフック本体と、
    前記ワイヤロープが巻回される複数のシーブを有するとともに、前記フック本体の前記メインシーブブロックに前記支持シャフト及び前記結合部を介して着脱自在に且つ選択的に装着される少なくとも1つのサブシーブブロックと、
    を具備することを特徴とするフック構造体。
  2. 前記メインシーブブロックの前記複数のシーブは、前記サブシーブブロックの前記複数のシーブに対して上下に積み重ねられていない状態で、配置されていることを特徴とする請求項1のフック構造体
JP2001304358A 2001-09-28 2001-09-28 クレーン装置の荷吊り用フック構造体 Expired - Lifetime JP4881523B2 (ja)

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