JP2519726Y2 - ホイストのフックブロック - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 この考案は、ホイスト等に用いられる荷物巾下げのた
めのフックブロックの改良構造に関する。

B.考案の概要 本考案は、ホイスト等に用いる荷物吊下げのためのフ
ックブロックにおいて、 シーブ軸に、中間に所定巾のカラーを介して２つのシ
ーブを軸着して構成することにより、 これらシーブにワイヤロープを巻掛けたときのワイヤ
ロープの片寄りを防止し、ワイヤロープ４本掛から６本
掛に容易に改造可能としたものである。

C.従来の技術 従来、フックブロックには、第７図及び第８図に例示
する如きホイスト用の４本掛のフックブロックがある。

これは、フレーム１のシーブ軸２に２つのシーブ3,4
を相隣接して各々軸受５を介して回動自在に軸着し、こ
れらシーブ3,4を囲むシーブカバ６を設置し、さらにフ
レーム１の下部にフック７を設置して構成する。

そして、ワイヤロープの一端を図示しないホイスト本
体に固定し、これよりフックブロックの一方のシーブ３
に巻掛けてから、さらにホイスト本体に設置したイコラ
イザシーブに巻き掛け、次に他方のシーブ４に巻掛けて
から、ホイスト本体の巻取りドラムにワイヤロープの他
端部を巻装して成る滑車による倍力機構を構成するもの
である。

D.考案が解決しようとする課題 上述の如き従来のフックブロックでは、その荷重の容
量を向上し、又はホイストによる巻上速度を変化させる
等のために、ワイヤロープ４本掛のフックブロックを、
６本掛のフックブロックに改造する場合があり、このよ
うな場合、シーブ軸2,フレーム1,シーブカバ６等の多数
の部品を新たに専用品と交換せねばならないという問題
があった。

また、従来の４本掛のフックブロックでは、２枚のシ
ーブ3,4を最小寸法巾で相隣接させて構成しており、こ
のフックブロックをホイストで上限まで巻上げたとき、
この２枚のシーブ3,4の軸線と、イコライザシーブの軸
線とが直交する状態にあるので、このイコライザシーブ
に巻掛けたワイヤロープの引き出し部が絞られて、２枚
のシーブ3,4の各巻掛溝に対し、斜めに巻き付けられ、
溝の中央からずれるというワイヤロープの片寄りを生
じ、シーブ及びワイヤロープに悪影響を与えるという問
題があった。

本考案は上述の点に鑑み、４本掛のフックブロックを
簡単に６本掛に改良できるとともに、シーブに巻き掛け
るワイヤロープの片寄りを軽減し、シーブ及びワイヤロ
ープに悪影響を与えないようにしたフックブロックを新
たに提供することを目的とする。

E.課題を解決するための手段 本考案のフックブロックは、シーブ軸に、２つのシー
ブを軸着し、これら２つのシーブの中間にシーブ取付に
要する巾をもつカラーを着脱可能に配置して構成したこ
とを特徴とする。

F.作用 上述のように構成することにより、フックブロックの
２つのシーブの軸線と直角をなす軸線方向のイコライザ
シーブをもつホイストにワイヤロープでフックブロック
を吊下した場合、イコライザシーブから引き出され、一
定間隔を置いた各シーブに巻掛けるワイヤロープの片寄
りを極めて緩やかにするという作用を奏する。

さらに、カラーの代わりに他のシーブを取り付け、４
本掛から６本掛に容易に改造できるようにするという作
用を奏する。

G.実施例 以下、本考案のフックブロックの一実施例を、第１図
乃至第６図によって説明する。なお、この第１図乃至第
６図において、前述した第７図及び第８図に示す従来例
に対応する部分には同一符号を附することとし、その詳
細な説明を省略する。

フックブロック部分を示す第１図の縦断面図及び第２
図の正面図で、１は中空匣体を構成するフレームであ
る。

このフレーム１の両側壁の各透孔の間には、３個のシ
ーブを軸支可能なシーブ軸８を渡し、その両端部にそれ
ぞれ止め板９を配し、各止め板９を各々ボルト10でシー
ブ軸８に固定して、シーブ軸８がフレーム１から抜け落
ちないように取り付ける。

シーブ軸８には、２つのシーブ3,4を、中間に１つの
シーブの幅をもつカラー11を介在させることにより所定
間隔を開けて配置する。

なお、これら２つのシーブ3,4は、それぞれシーブ軸
８に対し、軸受５を介して各自回動自在に支受する。ま
た、図で６はシーブカバー,7はフックである。

上述のように構成したフックブロックは、第３図及び
第４図に例示するように、ホイスト本体にワイヤロープ
４本掛で吊下される。すなわち、ホイスト本体12の一部
にワイヤロープ13の一端部を固定し、これよりワイヤロ
ープ13を一方のフックブロック側のシーブ３に巻掛け、
さらにホイスト本体12に支持した、シーブ軸８と軸部が
直角方向に向くようにホイスト本体12に取り付けられた
イコライザシーブ14に巻掛け、次に他方のフックブロッ
ク側のシーブ４に巻掛けてから、ワイヤロープ13の他端
部をホイスト本体12の巻取ドラム15に巻装して４本掛け
とする。

そして、ホイスト本体12のモータで巻取ドラム15を回
動し、ワイヤロープ13を巻き取り又は引き出すことによ
り、ワイヤロープ４本掛の滑車による倍力機構で、フッ
クブロックに吊下した荷物を昇降せしめるものである。

なお、16は上限リミットスイッチ,17は移動用車輪で
ある。

上述のように構成した本例のフックブロックでは、第
３図に示すようにホイスト本体に上限位置まで引き上げ
られた状態で、イコライザシーブ14から一定間隔を開け
た各シーブ3,4に向けて引き出されるワイヤロープ13の
角度が従来の引き出し角を示す一点鎖線18の角度より緩
やかとなり、ワイヤロープ13の片寄りを極めて少さく
し、シーブ3,4及びワイヤロープ13への悪影響を与えな
いようにできるものである。

また、フックブロックの容量の向上又は巻上速度を変
化させるため６本掛に改造する場合には、第５図及び第
６図に示す如く、ボルト10を外して、シーブ軸８からカ
ラー11を外し、代わりに別のシーブ19を支受させ、３つ
のシーブ3,4,19を並べて配置する。

なお、この際交換すべき部品はなく、ただ荷動容量を
増すためにフック７を取り替える程度で、簡単に改造で
きる。

そして、このように６本掛に改造したフックブロック
には、例えばホイスト本体12に一端を固定したワイヤロ
ープ13を、第１のシーブ３に巻き掛け、これを図示しな
いホイスト本体に支持された上シーブに巻き掛け、さら
に、中間にある第２のシーブ19に巻き掛け、次にホイス
トのイコライザシーブ14に巻き掛け、次に第３のシーブ
４に巻き掛け、次に巻取ドラム15に巻き掛けて吊下する
ものである。

H.考案の効果 以上詳述したように本考案のフックブロックによれ
ば、シーブ軸に、２つのシーブを軸着し、これら２つの
シーブの中間にシーブ取付に要する巾をもつカラーを着
脱可能に配置して構成したので、これら２つのシーブの
軸線と直角をなす軸線方向のイコライザシーブ１をもつ
ホイストにワイヤロープでフックブロックを吊下した場
合、イコライザシーブ１から引き出され、一定間隔を置
いた各シーブに巻掛けるワイヤロープの片寄りを極めて
緩やかにし、ワイヤロープ及び各シーブに悪影響を与え
ないようにするという効果がある。

また、このフックブロックを４本掛から６本掛に改造
する場合に、カラーを外して、新たにシーブを取り付け
るだけという部品交換が不用で容易な作業により実行可
能とするという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のフックブロックの一実施例を示す縦断
面図、第２図はその正面図、第３図はそのフックブロッ
クをホイストに吊下した状態を示す縦断面図、第４図は
その概略側面図、第５図はそのフックブロックを６本掛
に改造した状態を示す縦断面図、第６図はその正面図、
第７図は従来のフックブロックを例示する部分断面図、
第８図はその正面図である。 １……フレーム、3,4……シーブ、８……シーブ軸、11
……カラー、13……ワイヤロープ、14……イコライザシ
ーブ、19……シーブ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】相対向するフレーム間にシーブ軸を渡し、
   該シーブ軸に２つのシーブを回動自在に軸支し、前記フ
   レームの下部にフックを設置してフックブロックを構成
   するとともに、一端がホイスト本体に固定したワイヤロ
   ープを、このフックブロックのシーブとホイスト本体に
   設置したイコライザシーブとに交互に巻掛けてワイヤロ
   ープの他端をホイスト本体の巻取ドラムに巻装するよう
   にしたホイストのフックブロックにおいて、 前記フックブロックのシーブ軸は、３つのシーブを軸支
   できる長さとし、ワイヤロープ４本掛のときは２つのシ
   ーブの中間にシーブと同じ幅をもったカラーを介在させ
   て２つのシーブ間の間隔をあけ、ワイヤロープ６本掛の
   ときは、前記カラーを取り外して別のシーブを支受さ
   せ、シーブ軸に３つのシーブを軸支するようにしたこと
   を特徴とするホイストのフックブロック。