JPS5851196Y2 - 巻上装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は一対のシーブを有するフックブロックのフッ
クに懸架した負荷を各シーブに巻回され且つ巻胴に巻回
されるワイヤロープの４本吊りで巻上げ、または巻下げ
の荷役作業を行なう例えば電気ホイスト等の巻上装置の
改良に関するものである。

従来のこの種の巻上装置を第１図に従って簡単に説明す
る。

図において、１は巻上機本体で、支持枠と、この支持枠
の一端部に結合された電磁ブレーキ付巻土用電動機と、
上記支持枠の他端部に結合されると共に上記電動機に連
結された減速装置（何れも図示せず）と、この減速装置
に連結されると共に上記支持枠に略々包囲された巻胴２
とにより構成されている。

３は上記支持枠に揺動可能に連結されたイコライザシー
ブ吊り手（図示せず）に回転自在に支承されたイコライ
ザシーブ、４は一対のシーブ４ａ 、４ｂを有するフッ
クブロックでフック４ｃには負荷を懸架する。

５は連続状に形成された一本のワイヤロープで、−ｉ部
は上記巻胴２の一端部に固定され該巻胴２の中央側に巻
回されると共に上記一方のシーブ４ａ→イコライザシー
ブ３→他方のシーブ４ｂ→巻胴２の中央部→巻胴２の他
端側に巻回され、他端部は上記巻胴２の他端部に固定さ
れている。

従来のこの種の巻上装置は以上のように構成されている
ので、フックブロック４に負荷を懸架して巻胴２を巻上
げあるいは巻下げの方向に回転して荷役作業を行なう時
は負荷の荷振れ等によりフックブロック４及びフックブ
ロック４を吊持した４本のワイヤロープ５にからみを生
じて荷役作業が不能になる欠点があった。

また、ワイヤロープ５のヨリが戻ってワイヤロープ５が
早期に使用に耐えなくなる欠点があった。

更にワイヤロープ５が損傷してワイヤロープ５の取替え
をする場合、ワイヤロープ５が一連の長尺物であると共
にイコライザシーブ３に巻回されているため、イコライ
ザシーブ３を取り外すと共にフックブロック４を分解し
、イコライザシーブ３、フックシーブ４ａ。

４ｂ及びワイヤロープ５との係合を解くと共に巻胴２に
巻回されたワイヤロープ５を取り外さねばならぬため、
イコライザシーブ３、フックブロック４の分解作業と巻
胴２よりの取り外し作業及び再組立作業が必要となり取
替え作業に著しく長時間を要する欠点があった。

この考案はこのような従来のこの種の巻上装置の欠点を
解消すると共に一対のワイヤロープの切断長さ等をこ相
当量の誤差が生じた時に一対のワイヤロープの吊下長ざ
が略々等長になるように調整し得る巻上装置を提供する
ことを目的としている。

以下第２図ないし第５図に従ってこの考案の一実施例に
ついて説明する。

図において、１は巻上機本体１の支持枠に吊り子軸８で
揺動可能σこ支承されたイコライザ吊り手、９はこのイ
コライザ吊り手γに軸１０を支点に揺動可能ｔこ連結さ
れた支持部材で、上記軸１０の中心は巻胴２の軸線方向
中心部の略々下方ｆこ配設されている。

１１は上記支持部材９に軸１２で揺動可能に連結された
略々筒状に形成された一対の第１の支承部材で、上記軸
１０を中心ｌこ夫々対称位置に配設されている。

１３は上記一対の第１の支承部材１１にスラスト軸受１
４を介して回転自在ｌこ支承された一対の支持軸、１５
はこの一対の支持軸１３に連結された一対の筒状の第２
の支承部材で、第３図、第４図のように、下端の内向き
の鍔部１５ｂには貫通孔１５ａ、また、外周にはこの貫
通孔１５ａと連通ずる切欠き１５Ｃに連続した大幅の切
欠き１５ｄが設けられている。

１６は上記一対の第２の支承部材１５の例えば一方の第
２の支承部材１５内に上記切欠き１５ｄから嵌入され、
ワイヤロープ径よりも大径の切欠部１６ａを有する３個
の平板状の調整部材、５は一方のワイヤロープで、一端
部は巻胴２の図において右端部（こ固定されて中央部側
に巻回されると共に、フックブロック４の一方のシーブ
４ａを吊持し、他端部が上記貫通孔１５ａを貫通し、該
他端部に固着された一方の端末金具１７が上記一対の第
２の支承部材１５の一方に支承されている。

６は他方のワイヤロープで、一端部は巻胴２の図におい
て左端部に固定されて中央部側に巻回されると共にフッ
クブロック４の他方のシーブ４ｂを吊持し、他端部が上
記貫通孔１５ａを貫通すると共に上記３個の調整部材１
６の切欠部１６ａを貫通し、上記ワイヤロープ６の他端
部に固着された他方の端末金具１１が上記調整部材１６
を介して上記一対の第２の支承部材１５の他方に支承さ
れている。

なお、端末金具１７及びワイヤロープ５，６は夫々切欠
き１５ｄ及び切欠き１５ｃを通して第２の支承部材１５
内に配置される。

その他の構成は従来装置と同様であるので説明を省略す
る。

このように構成されたものにおいて、フックブロック４
に負荷を懸架して巻胴２を持上げあるいは巻下げの方向
に回転して荷役作業を行なう時は、一対のワイヤロープ
５，６の吊下長さが略々等長の場合は負荷を懸架したフ
ック４ｃは略々巻胴２の軸線方向の中央部の下方を上下
することになる。

また、一対のワイヤロープ５，６の切断長さ、巻胴２の
ロープ溝加工誤差、あるいは巻胴２とワイヤロープ５，
６の固定部の寸法等に小量の誤差が生じ一対のワイヤロ
ープ５，６の吊下長ざに小量の誤差が生じた場合には、
支持部材９は軸１０を支点としてワイヤロープの短い方
が上方になるように回動すると共に、一対の第１の支承
部材１１が軸１２を支点として回動し、一対のシーブ４
ａｔ４ｂに加わる荷重を略々平衡させることができる。

然し上記の誤差が大きい場合には一対のワイヤロープ５
，６の吊下長さが大幅に異なるようｌこなり、支持部材
９及びフックブロック４は大きく傾斜し、ワイヤロープ
５．６とシーブ４ａ、４ｂとが片すり状態になりワイヤ
ロープ５，６及びフックブロック４が早期に損傷するば
かりか荷役作業に支障をきたすことになる。

調整部材１６はこのような不具合を解消するためのもの
でワイヤロープ５゜６の吊下長ざの長い方の第２の支承
部材１５内に所要個数の調整部材１６を嵌入することに
より支持部材９及びフックブロック４を略々水平に保持
することになる。

また負荷の荷振れ等により一対のワイヤロープ５，６が
よじれようとするが、対のワイヤロープ５，６の一端部
が一対の第１の支承部材１１に回動可能に支承されてい
るのでよじれが防止される。

また一対の第１の支承部材１１が軸１２で支持部材９に
揺動可能に支承されているため支持部材９が揺動しても
スラスト軸受１４及びワイヤロープ５，６の端末金具１
７との結合部分の損傷がない。

この考案は以上のように本体の巻胴の軸線方向中央部の
下方に形成された支持枠に両端部が嵌着された吊り手軸
、この吊り手軸に揺動可能に支承されたイコライザシー
ブ吊り手、このイコライザシーブ吊り手の軸線方向中央
部に結合された支承軸、この支承軸を揺動中心として支
承された支持部材、この支持部材に揺動中心から対称位
置に夫夫結合された一対の支承軸、この一対の支承軸に
夫々揺動可能に支承された筒状の一対の第１の支承部材
、この−則の第１の支承部材の下端に夫々配置されたス
ラスト軸受を介して鉛直線を中心として回転自在に支承
された一対の支持軸、この一対の支持軸に夫々連結され
、下端に内向きの鍔部を有して筒状に形成された一対の
第２の支承部材、上記巻胴の両端部に夫々の一端部が結
合されて該巻胴の中央側に巻回されると共に一対のシー
ブを有するフックブロックを吊持し、且つ夫々の他端部
に結合された一対の端末金具が上記一対の第２の支承部
材の夫々の上記鍔部に支承された一対のワイヤロープ、
及び上記一対の第２の支承部材内の少なくとも一方の上
記端末金具と上記鍔部との間に挿入され、上記一対のワ
イヤロープの吊下長ざを略々等長に調整する中空平板状
の調整部材を備えた構成としたのでワイヤロープのから
み、よりの戻りが防止される。

また、フックブロックを略々水平状に保持できるので荷
役の作業性がよい。

またワイヤロープ端末部の回転機構の損傷が生じないた
めワイヤロープの支承端末部の損傷が防止される。

またワイヤロープの取替作業が迅速になる等の効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のワイヤローブ４本吊りの奏上装置の構成
図、第２図はこの考案の一実施例を示す構成図、第３図
はこの考案の要部の一部断拵図である。 第４図は第２の支承部材の側面図、第５図は調整部材の
平作図である。 図中、１は巻上機本体、２は巻胴、４はフックブロック
、４ａ、４ｂはシーブ、５，６はワイヤロープ、９は支
持部材、１０は軸、１１は一対の第１の支承部材、１２
は軸、１３は支持軸、１４はスラスト軸受、１５は一対
の第２の支承部材、１５ｂは鍔部、１７は端末金具、１
６は調整部材である。 なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 巻上機本体、この本体の巻胴の軸線方向中央部の下方に
   形成された支持枠に両端部が嵌着された吊り手軸、この
   吊り手軸に揺動可能に支承されたイコライザシーブ吊り
   手、このイコライザシーブ吊り手の軸線方向中央部に結
   合された支承軸、この支承軸を揺動中心として支承され
   た支持部材、この支持部材に揺動中心から対称位置に夫
   々結合された一対の支承軸、この一対の支承軸に夫々揺
   動可能に支承された筒状の一対の第１の支承部材、この
   一対の第１の支承部材の下端に夫々配置されたスラスト
   軸受を介して鉛直線を中心として回転自在に支承された
   一対の支持軸、この一対の支持軸１こ夫々連結され、下
   端に内向きの鍔部を有して筒状に形成された一対の第２
   の支承部材、上記巻胴の両端部に夫々の一端部が結合さ
   れて該巻胴の中央側に巻回されると共に一対のシーブを
   有するフックブロックを吊持し、且つ夫々の他端部に結
   合された一対の端末金具が上記一対の第２の支承部材の
   夫々の上記鍔部に支承された一対のワイヤロープ、及び
   上記一対の第２の支承部材内の少なくとも一方の上記端
   末金具と上記鍔部との間に挿入され、上記一対のワイヤ
   ロープの吊下長さを略略等長に調整する中空平板状の調
   整部材を備えてなる巻上装置。