JPH0750371B2 - カラー複写機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、カラー複写機に関する。

「従来の技術」 カラー複写機において、光源、可動ミラー、感光ドラム
および転写ドラム等を、所定のタイミングにしたがって
正確に駆動して画像を形成する必要があるため、駆動状
態におけるこれらの位置関係を制御する位置制御機構が
設けられる。

ここで、第８図は、従来のカラー複写機の構成を示す概
略構成図である。図において、本体１の上面には原稿台
２が設けられており、この原稿台２の下方にスキャンユ
ニット３が設けられている。スキャンユニット３は、ラ
ンプ４、第１、第２ミラー5,6、フィルタ・レンズユニ
ット７、第３、第４ミラー8,9等からなっており、ラン
プ４と第１ミラー５とが一体化されて図面A,B方向に移
動自在に構成されている。また、第２ミラー６は、ラン
プ４、第１ミラー５の移動に対して、これらの1/2の速
度で移動されるよう構成されている。

そして、複写を行う場合には、まず、ランプ４および第
１ミラー５が矢印Ａ方向に移動されると、反時計方向に
回転駆動される感光ドラム11の表面に光学像が照射され
る。この場合、フイルタ・レンズユニット７はイエロー
色以外の光を透過するように切換られており、また、感
光ドラム11は予め帯電器12によって帯電されているの
で、上記光学像は感光ドラム11の表面において原稿のイ
エロー色に対応する静電潜像となる。そして、この静電
潜像に現像部13によってイエロートナーが付着され、こ
れにより、感光ドラム11上には、イエロー色のトナー像
が形成される。

一方、用紙カセット14から送り出された用紙は、時計方
向に回転する転写ドラム15に巻き付けられて感光ドラム
11と転写ドラム15との間に搬送され、これにより、上記
イエロートナー像が転写ドラム15上の用紙に転写され
る。そして、感光ドラム11の表面は、転写が終了した部
分から順次クリーニング装置16によって、クリーニング
される。

以上のようにして、イエロートナー像の転写が終了する
と、次に、フィルタ・レンズユニット７がマゼンタ色以
外を透過するように切換えられるとともに、マゼンタ用
の現像部17が選択されて、上記と同様の転写動作が行な
われ、その後にフィルタ・レンズユニット７がシアン色
以外を透過するように切換られるとともに、シアン用の
現像部18が選択されて同様の転写動作が行なわれる。そ
して、このようにして３原色の転写が終了すると、転写
ドラム15上の用紙の表面には、イエロー、マゼンタ、シ
アンの各色の合成像が形成される。次に、転写ドラム15
上の用紙は、ベルト21によって定着装置22に搬送され、
この定着装置22によって用紙表面に形成されたカラー像
が、用紙に対して確実に定着される。そして、定着が終
了した用紙がトレイ23に排出され、これにより、一連の
カラーコピー動作が終了する。

第９図は、上述したカラー複写機内の各可動部の位置制
御機構の概要を示す斜視図である。図に示す31は、モー
タ（図示略）の駆動力が伝達されるチェーンであり、ス
プロケット33とかみ合っている。32は、スプロケット3
3、ギア34が軸心を共通にして取り付けられているシャ
フトであり、35は、転写ドラム15、ギア36が取り付けら
れているシャフトである。上記構成において、スプロケ
ット33が回転すると、ギア34、および、感光ドラム11が
回転するとともに、ギア34にかみ合っているギア36が回
転してシャフト35が回転し、これにより、転写ドラム15
が回転する。この場合、ギア34,36のピッチ径は同一に
構成されており、この結果、感光ドラム11と転写ドラム
15とは、互いに逆方向に、同一速度で、かつ、同期して
回転する。また転写ドラム15上には、用紙巻き付け位置
を規制するための爪37,37……が設けられており、この
爪37によって用紙の巻さ付け位置が常に一定に制御され
る。

一方、シャフト32には、ベアリング41を介してプリー42
が軸支されている。そして、ソレノイド等によって駆動
される可動爪（図示略）がプリー42側に設けられてお
り、この爪が駆動されて、スプロケット33に設けられた
ピン43に係合すると、シャフト32の回転がプリー42に伝
達され、これによって、プリー42が感光ドラム11と所定
の関係を持って同期回転するようになっている。そし
て、プリー42の回転は、ワイア44を介してプリー48に伝
達され、このプリー48の回転が、軸、プリー、ワイア等
を介してスキャンユニット３に伝達されるようになって
いる。この結果、プリー42が回転すると、ランプ４等が
感光ドラム11の回転に対応して矢印Ａ方向に移動する。
なお、ピン43から駆動爪が外れると、図示せぬバネの付
勢力によって、ランプ４等が矢印Ｂ方向に戻されるよう
になっている。

上述した構成によれば、スキャンユニット３と感光ドラ
ム11とが、各々機械的に連動しているので、感光ドラム
11上に形成される静電潜像の位置が一定となり、また、
感光ドラム11と転写ドラム15とが互いに逆方向に同期回
転し、かつ、転写ドラム15上における用紙の巻き付け位
置が一定であるから、用紙上に転写される各色の像の位
置が一致し、これにより、通常は色ずれを起こすことな
く、多色刷りによるカラー複写が行われる。

「発明が解決しようとする問題点」 ところで、用紙上に転写される各色の像の位置がずれる
と、色ずれが生じるため仕上がりが見づらくなってしま
う。したがって、スキャンユニット３、感光ドラム11お
よび転写ドラム15の駆動位置関係は、極めて正確に制御
する必要がある。

しかしながら、上述した従来のカラー複写機において
は、可動部分の連動が全て機械的に行なわれるため、経
年変化等によって可動部各部の初期位置が変動すること
があり、この結果、静電潜像の生成位置等がずれて色ず
れが発生するという欠点があった。

この発明は、上述した問題に考みてなされたもので、カ
ラー複写における色ずれ等を防止することができるカラ
ー複写機を提供することを目的とするものである。

「問題点を解決するための手段」 この発明は上述した問題点を解決するために、所定の直
線軌道に対して移動自在に設けられ原稿を光学的にスキ
ャンするスキャンユニットと、このスキャンユニットに
よるスキャン動作に対して所定の関係をもって回転し、
その周面に前記スキャンユニットのスキャン動作にとも
なって静電潜像が感光形成される第１のドラムと、用紙
が巻回されるとともに、前記第１のドラムの回転動作に
対して所定の関係をもって回転し、前記第１のドラムに
形成された静電潜像を前記用紙に転写する第２のドラム
とを有し、前記用紙に各色毎の静電潜像を順次転写して
合成像を形成するカラー複写機において、前記スキャン
ユニット、前記第１のドラムおよび前記第２のドラムを
駆動する第１〜第３のモータと、前記第１〜３のモータ
にそれぞれ設けられ、対応するモータの回転量を検出す
るパルスエンコーダと、前記第１〜第３のモータに対応
してそれぞれ設けられ、前記パルスエンコーダの出力パ
ルス列およびモータの回転量を指示する指示パルス列の
いずれか一方をアップカウント、他方をダウンカウント
するカウンタを備えた第１〜第３の制御手段と、所定の
出力指令信号を出力する指示出力手段と、前記出力指令
信号が供給されると、前記第１のドラムと前記第２のド
ラムの回転量の差に対応して設定された数のパルス列を
出力する目標値設定器と、一定周期のパルス信号をカウ
ントするとともに、このカウント値が前記目標値設定器
で設定された数に達する毎に当該カウント値をリセット
し、キャリー信号を前記指示パルス列として前記第１の
ドラムに対応するカウンタへ供給する設定値カウント手
段と、前記目標値設定器および前記設定値カウント手段
の各出力パルスのパルス数の和に対応したパルス数のパ
ルス列を前記指示パルス列として前記第２のドラムに対
応するカウンタへ供給するパルス加算手段とを具備し、
前記第１〜第３の制御手段はそれぞれ、自カウンタのカ
ウント値が０となるよう対応するモータを駆動し、前記
第３の制御手段は、前記用紙に対する転写が開始される
前に前記出力指令信号が前記目標値設定器に供給される
と、前記第２のドラムを前記第１のドラムとを回転量の
差に対応して増速して、前記第１のドラム上の転写開始
位置と前記第２のドラム上に転写開始位置とを一致させ
ることを特徴としている。

「作用」 スキャンユニット、第１のドラムおよび第のドラムが、
各々モータによって個別にサーボ駆動される。このた
め、各部の駆動位置関係が安定化し、また、経年変化等
の影響も少なくなる。さらに、用紙に対する転写が開始
される前に、設定パルス出力手段に出力指令信号が供給
されると、前記第２のドラムが、前記第１のドラムとの
回転量の差に対応して増速するため次の転写開始タイミ
ングが早められるとともに、両者の転写開始位置が正確
に一致する。

「実施例」 以下、図面を参照してこの発明の実施例について説明す
る。第１図は、この発明の前提となるカラー複写機の概
略構成を示す斜視図である。なお、同カラー複写機の図
示せぬ部分は前述した従来のカラー複写機と同様に構成
されている。また、この図において、前述した第９図の
各部と対応する部分には同一の符号を付しその説明を省
略する。

第１図において、50はスキャンユニット３を駆動するモ
ータ（第１のモータ）であり、回転速度に対応するパル
ス列P1を出力するパルスエンコーダ51が取り付けられて
いる。パルスエンコーダ51の出力パルス列P1は、コント
ローラ（第１の制御手段）52の入力端52aに供給される
ようになっており、また、コントローラ52の入力端52b
には、プリセットカウンタ53のキャリー信号CY1が指示
パルス列として供給されるようになっている。この場
合、コントローラ52は入力端52bに供給される指示パル
ス列をアップカウント、入力端52aに供給される出力パ
ルス列をダウンカウントし、このカウント差が０となる
ようにモータ50を駆動する。なお、指示パルス列をダウ
ンカウント、出力パルス列をアップカウントするように
してもよい。プリセットカウンタ53は、乗算部54からデ
ータN2が供給されると、発信器55の出力パルスφをカウ
ントし、このカウント値がN2に達する毎に出力端からキ
ャリー信号CY1を出力する。乗算部54は速度指令データN
1に対して、定数Ｋを乗算するものである。この場合、
定数Ｋは無段階調整または微少ステップ調整が行えるよ
うに構成されており、また、等倍複写時にはＫ＝１に、
縮小複写時にはＫ＜１、また、拡大複写時にはＫ＞１に
設定されるようになっている。

上述した構成において、コピースタートボタン（図示
略）が押されると、まず、チェーン31に連動しているモ
ータが回転し、これにより、感光ドラム（第１のドラ
ム）11、転写ドラム（第２のドラム）15が回転を開始す
る。そして、感光ドラム11および転写ドラム15が所定の
回転角に達すると、速度指令データN1が出力され、この
指令データN1に定数Ｋが乗算されてプリセットカウンタ
53に供給される。この結果、プリセットカウンタ53はカ
ウント値がN2に達する毎にキャリー信号CY1を出力し、
指示パルス列としてコントロール52に供給する。プリセ
ットカウンタ53からキャリー信号CY1が出力されると、
コントローラ52内にカウント差が生じるため、モータ50
が駆動される。そして、モータ50が駆動されると、パル
スエンコーダ51から出力パルス列P1が出力され、この出
力パルス列P1がコントローラ52にフィードバックされ
る。この場合、コントローラ52は出力パルス列P1のパル
ス数とキャリー信号（指示パルス列）CY1のパルス数と
の差を０とするようにモータ50を駆動するから、モータ
50はキャリー信号CY1の出力タイミングに追従するよう
に回転駆動される。また、キャリー信号CY1はデータN2
によって定まる一定時間毎に出力されるから、モータ50
の回転速度はデータN2に対応する速度となる。そして、
キャリー信号CY1の出力数が所定数に達すると、モータ5
0の回転が停止され、以後スキャンユニット３は、元の
位置（ホームポジション）に図示せぬバネの付勢力によ
って戻される。また、上記動作において、定数Ｋの値が
１に等しい場合は、ランプ４、第１ミラー６の移動速度
と感光ドラム11、転写ドラム15の周速度とが等しくな
り、この結果、感光ドラム11上に形成される静電潜像の
大ささは、原稿の大きさに等しくなる。一方、定数Ｋの
値が１より大きいと、キャリー信号CY1の出力間隔が長
くなり、この結果、ランプ４、第１ミラー６の移動速度
が感光ドラム11の回転速度に対して相対的に遅くなるか
ら、感光ドラム11上に形成される静電潜像は、原稿を拡
大したものとなる。一方、定数Ｋの値が１より小さい
と、キャリー信号CY1の出力間隔が短くなり、この結
果、ランプ４、第１ミラー６の移動速度が感光ドラム11
に対して相対的に速くなるから、感光ドラム11上に形成
される静電潜像は、原稿を縮小したものとなる。

なお、上記カラー複写機においては、コピースタートボ
タンが押されて、感光ドラム11あるいは転写ドラム15が
所定角に達すると、この時点において速度指令データN1
が出力されてモータ50の回転が開始されるから、感光ド
ラム11上の静電潜像の形成位置が一定となり、色ずれの
発生が防止される。また、感光ドラム11とスキャンユニ
ット３とが電気的タイミングによって連動されているの
で、これらの位置関係に経年変化等が発生しない利点が
ある。

また、上記装置においては、定数Ｋの値を任意に変化さ
せることにより、任意の拡大率および縮小率を得ること
ができる利点がある。

次に、第２図は、この発明の一実施例の構成を示す概略
構成図であり、図において第１図の各部と対応する部分
には、同一の符号を付しその説明を省略する。

第２図において、60,61は、各々感光ドラム11および転
写ドラム15を回転させるモータ（第2,第３のモータ）で
あり、各々に回転数を検出するパルスエンコーダ62,63
が設けられている。64,65は各々モータ60,61の駆動を制
御するコントローラ（第2,第３の制御手段）であり、前
述したコントローラ52と同様に構成されている。また、
66は前述したプリセットカウンタ53と同様に構成されて
いるプリセットカウンタ（設定値カウント手段）であ
り、このプリセットカウンタ66のキャリー信号CY2が指
示パルス列としてコントローラ64に供給される。

次に、67は目標値設定器であり、例えば、第３図に示す
構成となっている。この第３図に示す回路の動作は以下
の通りである。

まず、プリセット信号発生回路75に図示せぬ指示出力手
段から所定の信号（出力指令信号）Ｌが供給されると、
プリセット信号発生回路75が所定パルス幅の信号S3を出
力する。この信号S3がフリップフロップ74のプリセット
端子PRに供給されると、フリップフロップ74のＱ出力端
子から“1"信号が出力されてアンドゲート76が開状態に
なり、パルスφがアンドゲート76を介して信号S1として
出力される。また、信号S3が出力された時点において
は、プリセットカウンタ73が指示出力手段（図示略）か
ら出力されるプリセットデータPDを読み込み、パルスφ
によってプリセットデータPDのカウントを開始する。そ
して、プリセットカウンタ73がプリセットデータPDをカ
ウントし終えると、キャリー信号S6を出力してフリップ
フロップ74をクリアする。フリップフロップ74がクリア
されると、アンドゲート76が閉状態となって、信号S1が
停止される。以上が、目標値設定器67の動作である。

上述したことから分かるように、目標値設定器67から、
信号S1として出力されるパルスφの数は、プリセットデ
ータPDの値に一致する。次に、第２図に示す68は、信号
S1およびキャリー信号SY2のエッジ（この実施例の場合
は立ち上がりエッジ）を検出するエッジ検出回路であ
り、各信号のエッジが検出される毎に、幅の短いパルス
信号を対応する出力端から送出する。このエッジ検出回
路68は、信号S1とキャリー信号CY2とで、検出タイミン
グをずらしており、この結果、信号S1とキャリー信号CY
2とが同時に立ち上がっても、各々別個に検出し得るよ
うになっている。したがって、オアゲート（パルス加算
手段）69の出力信号S2は、パルス列信号となり、また、
そのパルス数は、信号S1の立ち上がり数と、キャリー信
号SY2の立ち上がり数の和に等しい数となる。以上がこ
の実施例の構成である。

さて、上述した構成から判るように、この実施例におい
ては、感光ドラム11の回転と、転写ドラム15の回転とを
各々別個に制御し得るようにしている。ここで、上述の
ように各ドラムを別個に制御する場合の作用について説
明する。

第４図は、感光ドラム11と転写ドラム15との回転位置関
係を示す概略図である。図において、PO1は転写点であ
り、用紙59に対しトナー像の転写が行なわれる点であ
る。今、用紙59の先端点、すなわち、爪37がある点をリ
ードエッジ（第２のドラム上の転写開始位置）PO2と
し、静電潜像（あるいはトナー像）58の先端点をリード
エッジ（第１のドラム上の転写開始位置）PO3とし、ま
た、リードエッジPO2から転写点PO1までの回転角をLC、
リードエッジPO3から転写点PO1までの回転角をLBとす
る。この場合、転写点PO1において、リードエッジPO2と
PO3とが毎回一致すれば色ずれは起こらない。

そして、ある検出タイミングにおいて、回転角LBとLCと
が等しければ、その後は感光ドラム11と転写ドラム15と
を各々等しい速度で回転させることにより、静電潜像58
のリードエッジPO3と用紙59のリードエッジPO2とを合わ
せることがでさ、色ずれのない複写が行なわれる。しか
しながら、ある検出タイミングにおいて、回転角LCとLB
とが異なっていたとすると、この誤差分だけ転写位置が
ずれるために、色ずれが発生してしまう。そこで、この
実施例においては、後述するようにLB＜LCの場合に、転
写ドラム15を誤差分だけ高速回転させ、これによって、
リードエッジの位置合わせを行なうようにしている。

次に、感光ドラム11と転写ドラム15の回転制御動作につ
いて説明する。

今、目標値設定器67が動作していない状態においては、
信号S1が出力されないから、コントローラ64に供給され
るキャリー信号CY2と、コントローラ65に供給される信
号S2とは同一の信号となる。したがって、モータ60、61
が各々等しい速度で回転し、感光ドラム11と転写ドラム
15とが等しい速度で回転する。この場合、信号CY2は指
示パルス列として作用するから、モータ１の回転角と回
転速度とは、各々第５図に示すようになる。

次に、キャリー信号CY2が出力されていない状態におい
て、指示出力手段（図示略）から信号Ｌが出力された場
合を説明する。この場合は、信号S1のみが出力されると
ともに、信号S1とS2とが等しくなる。そして、信号S1の
パルス数はデータPDに対応するから、コントローラ65に
供給されるパルスの数はプリセットデータPDの値に一致
する。したがって、モータ61は、プリセットデータPDに
対応する量だけ回転し、その位置において停止する。す
なわち、プリセットデータPDは位置制御データとして作
用し、モータ61の回転角と回転速度とは、各々第６図に
示すようになる。

そして、指示パルス列としてキャリー信号SY2が出力さ
れているときに、目標値設定器67が起動されると、信号
S2がキャリー信号CY2と信号S1の合成信号となるので、
モータ61は、信号S1が出力されている期間において、一
時加速される。この場合のモータ61の回転角と回転速度
の変化を、第７図に示す。

この場合、第７図に示す動作モードが、リードエッジPO
2、PO3の位置合わせ動作に対応する。すなわち、前述し
たデータPDは、第４図に示す回転角LBとLCの差に対応す
るデータであり、 PD＝LC−LB……（１） なる式によって算出されるデータであるから、第７図に
おける加減速期間の一時加速時において回転する量は、
回転角LBとLCの誤差に対応する量となる。そして、一時
加速が行なわれた時点以降においては、感光ドラム11と
転写ドラム15とが共に等しい速度で駆動されるから（第
５図に示すモードに対応）、リードエッジPO2、PO3が正
確に一致する。

以上が、この実施例における感光ドラム11と転写ドラム
15の回転制御である。そして、このドラム回転位置制御
以外の多の複写動作は、前述した第１図のカラー複写機
と同様となっている。

また、この実施例においては、用紙のサイズに合わせた
最短時間コピーが可能となる。以下、この点について説
明する。

まず、感光ドラム11の外周面は均一面であるから、ある
部分が転写中であっても、クリーニングされている多の
部分には静電潜像を作成することができる。したがっ
て、感光ドラム11上には能率的に順次静電潜像を作成す
ることができる。

一方、１回の転写が終了した時点における用紙のリード
エッジPO2は、用紙サイズが大きいほど転写点PO1に近
く、用紙サイズが小さいほど転写点PO1から遠い。した
がって、前述のようにして、感光ドラム11上に順次静電
潜像を作成した場合には、用紙サイズが小さい程速く転
写ドラム15を回転させ、これによって、リードエッジPO
2、PO3の位置合わせを行なう必要がある。この実施例に
おいては、前述したように、指示出力手段（図示略）か
ら出力されるデータPDによって転写ドラム15を一時加速
するようにしているので、いかなる用紙サイズにおいて
も、確実にリードエッジPO2、PO3を合わせることができ
る。

なお、従来のカラー複写機においては、前述したように
感光ドラム11と転写ドラム15とが常に同期して回転する
という構成であるため、用紙サイズに対応するようなエ
ッジ合わせは行なえない。したがって、使用する用紙の
中の最も大きなサイズの用紙に合うように静電潜像の作
成タイミングを取っており、この結果、サイズの小さい
用紙にコピーを行なう場合は、ランプ４のスキャニング
動作をウエイトさせるなどのタイミング調整処理を行な
っていた。したがって、従来の複写器においては、小サ
イズ用紙にコピーを行なう場合においても、大サイズの
用紙にコピーを行なう場合と同じ時間がかかるという欠
点があった。

「発明の効果」 以上説明したように、この発明によれば、所定の直線軌
道に対して移動自在に設けられ原稿を光学的にスキャン
するスキャンユニットと、このスキャンユニットによる
スキャン動作に対して所定の関係をもって回転し、その
周面に前記スキャンユニットのスキャン動作にともなっ
て静電潜像が感光形成される第１のドラムと、用紙が巻
回されるとともに、前記第１のドラムの回転動作に対し
て所定の関係をもって回転し、前記第１のドラムに形成
された静電潜像を前記用紙に転写する第２のドラムとを
有し、前記用紙に各色毎の静電潜像を順次転写して合成
像を形成するカラー複写機において、前記スキャンユニ
ット、前記第１のドラムおよび前記第２のドラムを駆動
する第１〜第３のモータと、前記第１〜第３のモータに
それぞれ設けられ、対応するモータの回転量を検出する
パルスエンコーダと、前記第１〜第３のモータに対応し
てそれぞれ設けられ、前記パルスエンコーダの出力パル
ス列およびモータの回転量を指示する指示パルス列のい
ずれか一方をアップカウント、他方をダウンカウントす
るカウンタを備えた第１〜第３の制御手段と、所定の出
力指令信号を出力する指示出力手段と、前記出力指令信
号が供給されると、前記第１のドラムと前記第２のドラ
ムの回転量の差に対応して設定された数のパルス列を出
力する目標値設定器と、一定周期のパルス信号をカウン
トするとともに、このカウント値が前記目標値設定器で
設定された数に達する毎に当該カウント値をリセット
し、キャリー信号を前記指示パルス列として前記第１の
ドラムに対応するカウンタへ供給する設定値カウント手
段と、前記目標値設定器および前記設定値カウント手段
の各出力パルスのパルウ数の和に対応したパルス数のパ
ルスを前記指示パルス列として前記第２のドラムに対応
するカウンタへ供給するパルス加算手段とを具備し、前
記第１〜第３の制御手段はそれぞれ、自カウンタのカウ
ント値が０となるよう対応するモータを駆動し、前記第
３の制御手段は、前記用紙に対する転写が開始される前
に前記出力指令信号が前記目標値設定器に供給される
と、前記第２のドラムを前記第１のドラムとの回転量の
差に対応して増速して、前記第１のドラム上の転写開始
位置と前記第２のドラム上の転写開始位置とを一致させ
ることを特徴としたので、各モータの速度や回転量を制
御を、簡単かつ正確に行うことができる。これにより、
各部の駆動位置関係が安定化し、また、経年変化等の影
響も少なくなる。さらに、用紙に対する転写が開始され
る前に、目標値設定器に出力指令信号が供給されると、
前記第２のドラムが、前記第１のドラムとの回転差に対
応して増速するため、次の転写開始タイミングが速めら
れ、両者の転写開始位置を正確かつ容易に合わせること
ができる。したがって、カラー複写において、色ずれを
防止することができる。

また、用紙の大きさに応じて第２のドラムの増速の程度
を調整することにより、用紙サイズに合わせた最短時間
コピーが可能となる。さらに、スキャン速度を第１のド
ラムに対して一定の割合で増速、または減速することに
より、縮小コピーや拡大コピーが自在にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の前提となるカラー複写機の構成を示
す概略構成図、第２図はこの発明の一実施例の構成を示
す概略構成図、第３図は目標値設定器67の構成を示すブ
ロック図、第４図は感光ドラム11と転写ドラム15の回転
位置を説明するための図、第５図〜第７図は各々モータ
回転角とモータ速度の変化を示す特性図、第８図は従来
の複写器の構成を示す概略構成図、第９図は従来の複写
器における可動部位置制御機構の構成を示す斜視図であ
る。 ３……スキャンユニット、４……ライト、６……第１ミ
ラー、11……感光ドラム（第１のドラム）、15……転写
ドラム（第２のドラム）、50,60,61……モータ（第1,第
2,第３のモータ）、51,62,63……パルスエンコーダ、66
……プリセットカウンタ（設定値カウント手段）、54…
…乗算部、67……目標値設定器、69……オアゲート（パ
ルス加算手段）、CY1,CY2……キャリー信号（指示パル
ス列）、P1〜P3……出力パルス列、S2……信号（指示パ
ルス列）。

フロントページの続き (72)発明者 井上 堅治 三重県伊勢市竹ケ鼻町100番地 神鋼電機 株式会社伊勢工場内 (72)発明者 田中 正明 神奈川県海老名市本郷2274番地 (72)発明者 荻田 明 神奈川県海老名市本郷2274番地 (56)参考文献 特開 昭56−88144（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−72958（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−22252（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−123557（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−69438（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−24363（ＪＰ，Ａ)

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定の直線軌道に対して移動自在に設けら
   れ原稿を光学的にスキャンするスキャンユニットと、こ
   のスキャンユニットによるスキャン動作に対して所定の
   関係をもって回転し、その周面に前記スキャユニットの
   スキャン動作にともなって静電潜像が感光形成される第
   １のドラムと、用紙が巻回されるとともに、前記第１の
   ドラムの回転動作に対して所定の関係をもって回転し、
   前記第１のドラムに形成された静電潜像を前記用紙に転
   写する第２のドラムとを有し、前記用紙に各色毎の静電
   潜像を順次転写して合成像を形成するカラー複写機にお
   いて、 前記スキャンユニット、前記第１のドラムおよび前記第
   ２のドラムを駆動する第１〜第３のモータと、 前記第１〜第３のモータにそれぞれ設けられ、対応する
   モータの回転量を検出するパルスエンコーダと、 前記第１〜第３のモータに対応してそれぞれ設けられ、
   前記パルスエンコーダの出力パルス列およびモータの回
   転量を指示する指示パルス列のいずれか一方をアップカ
   ウント、他方をダウンカウントするカウンタを備えた第
   １〜第３の制御手段と、 所定の出力指令信号を出力する指示出力手段と、 前記出力指令信号が供給されると、前記第１のドラムと
   前記第２のドラムの回転量の差に対応して設定された数
   のパルス列を出力する目標値設定器と、 一定周期のパルス信号をカウントするとともに、このカ
   ウント値が前記目標値設定器で設定された数に達する毎
   に当該カウント値をリセットし、キャリー信号を前記指
   示パルス列として前記第１のドラムに対応するカウンタ
   へ供給する設定値カウント手段と、 前記目標値設定器および前記設定値カウント手段の各出
   力パルスのパルス数の和に対応したパルス数のパルス列
   を前記指示パルス列として前記第２のドラムに対応する
   カウンタへ供給するパルス加算手段とを具備し、 前記第１〜第３の制御手段はそれぞれ、自カウンタのカ
   ウント値が０となるよう対応するモータを駆動し、 前記第３の制御手段は、前記用紙に対する転写が開始さ
   れる前に前記出力指令信号が前記目標値設定器に供給さ
   れると、前記第２のドラムを前記第１のドラムとの回転
   量の差に対応して増速して、前記第１のドラム上の転写
   開始位置と前記第２のドラム上の転写開始位置とを一致
   させる ことを特徴とするカラー複写機。
2. 【請求項２】前記第１のドラムに順次静電潜像を形成
   し、これらの静電潜像を前記用紙に順次転写して合成像
   を形成するカラー複写機であって、 前記目標値設定器は、該目標値設定器で設定される数を
   前記用紙の大きさが小さい程大きく設定し、 前記指示出力手段は、前記用紙に対する転写が開始され
   る前に、前記目標値設定器に前記出力指令信号を供給す
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載のカラー
   複写機。