JPH0745701Y2 - 溶室の内装材張設構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は浴室の壁内面に張設した内装材間の構造に関す
る。

〈従来の技術及びその課題〉 木造建物の浴室においては、浴室側の壁内面を防水処理
した後タイル等を張付けている。しかしタイル等の張付
け作業は、割付け等の専門的技倆を多く要する為、近年
ではタイル等に代って防水、耐食性に富む内装材を直接
浴室の内面に張設している。内装材を直接張設する場合
には、内装材相互を突合わせる為当該突合せ部分に隙間
が生じたりする。その為この隙間をなくすべく施工する
が施工手間がかかる丈でなく完全に隙間をなくすことは
むずかしい。従ってこの隙間を積極的に利用し、すなわ
ち隙間にジョイナを嵌め込む形式の施工が多く採用され
るが、確実なシール構造とすることはむずかしく又経年
的にジョイナが外れ浴室内に発生した結露水はこの外れ
た隙間から壁と内装材間に浸入して建物躯体自体の腐食
を招いている。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は上記に鑑みて案出されたもので、浴室壁に張設
される内装材間の構造に係わるもので、一方の内装材に
壁間調整材を配置して浴室壁の内面に張設し、壁間調整
材に当接させた状態で他の内装材を張設するとともに、
この壁間調整材の調整部に設けた嵌入溝に嵌着したジョ
イナにより両内装材間を封止する。

そして斯かる壁間調整材は、一方の内装材の外方向に添
設される板状の取付部と、その上面が内装材の表面と段
差をもった状態でかつ前記取付部の一側端に沿って設け
られ、一対の立辺間に略長手方向の嵌合溝を形成した調
整部とによりなる。

又、前記ジョイナは、弾性片とそれに略直交して突設さ
れた嵌着部とから断面略Ｔ状に形成されて、前記弾性片
はその両側に、前記両内装材の面内部分に弾接する内弾
性片と、前記両内装材の表面間に亘って弾接する外弾性
片とが夫々形成されたものである。

さらに前記嵌着部としては、前記内装材と前記立辺の当
接により広がりが防止された状態の前記嵌入溝に対し、
落し鎌継ぎ状に嵌着されたものである。

〈作用〉 一方の内装材は、その側端に壁間調整材の調整部を当接
させた状態で張設されるので、この調整部に対し他の内
装材を当接して張設すれば、両内装材間は常に所定幅
（調整部幅）の間隔を有する。従って嵌着したジョイナ
は、その内弾性片が段差内に納まり内装材の面内部分に
弾接する。一方外弾性片は両内装材の表面間に亘って所
定圧で弾接し、所謂二重シールを構成する。

又、立辺の開きが両側の内装材により規制されるので嵌
入溝は広がらずかつ嵌着部が落し鎌継ぎ状に嵌着されて
いるのでジョイナは外れない。

〈実施例〉 以下図面に基づき本考案の浴室の内装材張設構造を説明
する。

第１図は本張設構造を示す平断面概略図である。浴室壁
１の内面11には壁間調整材２を介して内装材3,3…が順
次張設される。内装材３としては、変形の少ない例えば
5mm厚程度の軽カル板が用いられ、又浴室側の面には必
要に応じて防水処理が施される。

斯かる内装材３に対して第２図の一部省略斜視図に示す
壁間調整材２が取付けられる。壁間調整材２は調整部21
と板状の取付部22によって略Ｌ状を成し、この調整部21
には一対の立辺21b,21cの間に嵌入溝21aが略長手方向に
形成されている。

上記構成の壁間調整材２は、内装材３の木口（側端）31
に対し一方の立辺21bを当接させ、且つ取付部22を該内
装材３の浴室の外方面32に添設した状態に取付け、調整
部21の上面と内装材３の表面とは段差が生じる構造にす
る。

具体的には、図例の如く少なくとも取付部22の面22aか
ら調整部21の表面までの高さを内装材３の厚さより小さ
くする。

一方取付施工としては、取付部22の面22aと内装材３の
外方面32とを接着材にて接着させ、若しくは取付部22側
から釘等を内装材３に打込む。この様に壁間調整材２を
配設した内装材３を、浴室壁１の内面11側に張設する。

すなわち壁間調整材２の取付部22の外面22bを浴室壁１
の内面11に沿わせた状態で配置する。同様にして隣接す
る他の内装材３本例ではその木口31を、調整部21の他の
立辺21cに当接させた状態で張設する。これにより両内
装材3,3間には所定幅の調整部21が配置され、後述のジ
ョイナの弾接圧が一定となることを可能にする。しかも
その立辺21b,21cは図例の如く内装材3,3の対向する木口
31,31により外方へ開くことが規制される。尚、他の内
装材３にも前記同様に壁間調整材２が配設されている。
そして順次追い回し的に張設してゆく。斯かる状態の壁
間調整材２に対し、その調整部21に設けた嵌入溝21aに
はジョイナ４の嵌着部42を嵌着させる。ジョイナ４は第
３図に示す様に封止部41とそれに略直交して突設された
嵌着部42により略Ｔ状を成し、前記壁間調整材２の高に
対応した長尺可撓性材である。通常押し出し成形部材と
して高い寸法精度で形成される。封止部41はその左右に
弾性片43,44を設け、又封止部41の裏面側に嵌着部42を
突設させている。弾性片43,44は各々内弾性片43a,44a及
び外弾性片43b,44bを有し、内弾性片43a,44aは、図面の
如く、調整部21の上面と内装材３がなす段差内に納ま
り、内装材３の面内部分（図例では木口31,31）に弾接
する。一方外弾性片43b,44bは両内装材3,3の表面間に亘
って弾接する。すなわち内外弾性片により弾接部の異な
る二重シール構造が得られる。又、嵌着部42と嵌入溝21
aとは落し鎌継ぎ状の嵌着構造として形成される。

よってジョイナ４の嵌着部42を壁間調整材２の嵌入溝21
aに嵌入すれば、その後は両側の内装材3,3により立辺21
b,21cの動き（開き）が規制され、嵌着部42は抜け出る
ことはない。従ってジョイナ４は壁間調整材２に対し外
れることなく確実に嵌着されることになる。しかも内弾
性片43aと同44aの成す幅を調整部21の横幅と略等しいか
僅かに大きく形成し、一方外弾性片43bと同44bとの成す
幅を調整部21の横幅よりも大きく形成すれば上述の如く
内弾性片43a,44aは段差内に収まり内装材3,3の両小口3
1,31に弾接し、一方外弾性片43b,44bは内装材3,3の表面
に亘って弾接する。よって浴室内に生じた結露水の、浴
室壁１の内面11側への浸入が確実に防止される。

第４図は他の実施例を示す平断面概略図である。すなわ
ち浴室壁１の入隅部における内装材3,3の張設状態を示
すもので、この場合も前記同様一方の内装材３における
木口31に壁間調整材２の立辺21bを当接させた状態で配
設し、他の立辺21cに隣接する内装材３を当接させて所
謂追い回し的に張設するものである。当該入隅部におい
ても前記同様にジョイナ４による二重シールとともに外
れ防止が図られ、確実な封止効果が得られる。

〈考案の効果〉 以上説明した様に本考案の内装材張設構造においては、
内装材間に壁間調整材の調整部が介在するので、予め所
定形状に形成されたジョイナの弾性片は常に所定の弾接
圧で接し、かつ内装材の表面間、両面内部分に弾接して
所謂二重シールを構成し、封止効果を確実なものにす
る。

さらに調整部からジョイナの外れはないので確実な封止
効果を経年的に維持できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の構造を説明する平断面概略図、 第２図は、壁間調整材の一部省略斜視図、 第３図は、ジョイナの一部省略斜視図、 第４図は、他の実施例の平断面概略図である。 １……浴室壁,2……壁間調整材,21……調整部,21a……
嵌入溝,21b,21c……立辺,22……取付部,3……内装材,31
……木口,4……ジョイナ,41……封止部,42……嵌着部,4
3,44……弾性片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】浴室壁に張設される内装材間の構造におい
   て、 一方の内装材に壁間調整材を配置して浴室壁の内面に張
   設し、 該壁間調整材に当接させた状態で他の内装材を張設する
   とともに、 前記壁間調整材の調整部に設けた嵌入溝に嵌着したジョ
   イナにより両内装材間を封止するものであって、 前記壁間調整材は、 一方の内装材の外方面に添設される板状の取付部と、そ
   の上面が内装材の表面と段差をもった状態でかつ前記取
   付部の一側端に沿って設けられ、一対の立辺間に略長手
   方向の嵌合溝を形成した調整部とからなり、 前記ジョイナは、 弾性片とそれに略直交して突設された嵌着部とから断面
   略Ｔ状に形成されて、 前記弾性片はその両側に、前記段差内に納まりかつ両内
   装材の面内部分に弾接する内弾性片と、前記両内装材の
   表面間に亘って弾接する外弾性片とが夫々形成されてな
   り、 前記嵌着部は、 前記内装材と前記立辺の当接により広がりが防止された
   状態の前記嵌入溝に対し、落し鎌継ぎ状に嵌着されたこ
   とを特徴とする浴室の内装材張設構造。