JPH0738627Y2 - サッシ開口枠接合部の水密構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、建物の開口部に設置するサッシ開口枠におけ
る上枠と縦枠の接合部の水密構造に関する。

〔従来の技術〕 サッシ開口枠の上枠と縦枠は、縦枠の接合面にシーラー
を介して上枠の接続端面を接合してビスで連結するのが
一般的である。

他方、鉄筋コンクリート、軽量発泡コンクリートなどに
より成る建物の開口部に設置するサッシ開口枠において
は、サッシ開口枠自体の剛性を高めるために縦枠を中空
形状としている。

このために、サッシ開口枠と建物の開口部との間をシー
ルする際に縦枠の中空部にシール材が入り込んでシール
性が低下するばかりか、シール材の装着作業が面倒とな
る。

そこで、本出願人は先に実願昭63-169190号としてサッ
シ開口枠接合部の水密構造を提案した。

つまり、第６図に示すように縦枠ａの端面に蓋材ｂをシ
ーラーｃを介して接合してビスｄで連結することで、縦
枠ａの中空部ｅを蓋材ｂで閉塞し、その蓋材ｂをシール
材受けとしてシール材ｆを容易に装着できるようにして
ある。

〔考案が解決しようとする課題〕

前述の水密構造であると、蓋体ｂがシーラーｃを介して
縦枠ａの端面に接しているから、蓋体ｂとシーラーｃが
室外側より見えて見栄えが悪くなるばかりか、シーラー
ｃは縦枠ａの端面ｇに圧着するので圧着面積が狭く水密
性があまり良くなく、シーラーｃと端面ｇとの間より雨
水等が縦枠ａの中空部ｅ内に浸入し、表面処理していな
い縦枠ａの中空部内面が早期に腐食してしまうことがあ
る。

そこで、本考案は前述の課題を解決できるようにしたサ
ッシ開口枠接合部の水密構造を提供することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段及び作用〕

縦枠の接合面における中空部と対向した部分に切欠きを
形成し、この切欠きと中空部を閉塞する閉塞ブロックを
パッキング材を介して中空部内面に取付け、この閉塞ブ
ロックと縦枠の接合面とに亘ってシーラーを介して上下
枠の接続端面を突き当てて接合して、閉塞ブロックが縦
枠より突出せずに室外側より見えないようにできると共
に、中空部内に雨水が浸入することを防止できるように
したものである。

〔実施例〕

第３図，第４図に示すように、サッシ開口枠Ａは上枠１
と下枠２と左右の縦枠3,3を方形状に枠組みしてあり、
建物の開口部Ｂ内に配設されてアンカー４で連結してあ
る。

前記上枠１は室内側縦板５と室外側縦板６を連結板７で
連結し、かつ室外側縦板６と連結板７とに亘って上横板
８と中間縦板９が一体的に設けられて中空部10を構成し
ていると共に、上横板８に立上り片11が一体的に設けて
ある。

前記縦枠３は室内側縦板12と室外側縦板13を連結板14で
連結し、室外側縦板13と連結板14とに亘って外側縦板15
と中間板16が鉤形状に一体的に設けられて室外側に中空
部17を構成していると共に、連結板14に複数の突片18が
内方に向けて一体的に設けてある。

第１図に示すように、縦枠３の室内・外側縦板12,13に
おける連結板14より内方に突出した部分12a,13aと突片1
8の上下端部を切欠き除去して連結板14の上下端部を平
坦面として接合面ｃとし、かつ連結板14の接合面ｃとな
る部分における中空部17と対向する上下端部分に切欠き
19を形成し、この切欠き19よりアルミダイキャスト製あ
るいは合成樹脂製の閉塞ブロック20を外側板15の内面と
室外側縦板13の内面に軟質ゴム製のパッキン材21を介し
て圧着し、ビスで外側板15に固着して縦枠３の室外側上
下部を閉塞する。

前記閉塞ブロック20は中空部17の横断面形状と略同一の
横断面形状の直方体となり、かつビス孔22と透孔23が形
成してあると共に、上面20aに立上り片24が一体的に設
けられ、前記パッキン材21は一側片25と他側片26でＬ字
状となり、一側片25に透孔27が前記ビス孔22、透孔23と
対向して形成してあると共に、その一側片25と他側片26
が閉塞ブロック20の一側面20bと一端面20cに接着され、
縦枠３の外側縦板15に形成した透孔28よりビス29をビス
孔22に螺合して固着してあり、閉塞ブロック20の上面20
aが縦枠３の端面と面一で、かつ立上り片24が上方に突
出していると共に、他側面20dが接合面ｃと面一となっ
ている。

第２図に示すように、縦枠３の接合面ｃにシーラー30,3
1を介して上下枠1,2の接続端面1a,2aが突き当てられ、
長尺なビス32を閉塞ブロック20の透孔23及びシーラー3
0,31の透孔33を挿通して上下枠1,2のビスホール1b,2bに
螺合されて接合してある。

前記シーラー30,31は上下枠1,2の接続端面1a,2aと略同
一形状となり、突出片34が立上り片11と閉塞ブロック20
の立上り片24に圧着するようにしてある。

このようであるから、縦枠３の中空部17を閉塞ブロック
20とパッキング材21で閉塞できると共に、縦枠３の接合
面ｃに形成された切欠き19が閉塞ブロック20で閉塞さ
れ、縦枠３の接合面ｃに上下枠1,2の接続端面1a,2aをシ
ーラー30,31を介して水密性良く接合できる。

また、第５図のように閉塞ブロック20の上面20aをシー
ル材受けとしてシール材35を容易に装着できると共に、
閉塞ブロック20が縦枠３の上下端より突出しないから、
外部より見えずに見栄えが良くなる。

〔考案の効果〕

縦枠３の中空部17を閉塞する閉塞ブロック20の上面と縦
枠３の端面が面一であるから、閉塞ブロック20が室外側
より見えずに見栄えが良くできる。

閉塞ブロック20は中空部17の内面にパッキング材21を介
して圧着しているから水密性が良く、しかも閉塞ブロッ
ク20と縦枠３の接合面ｃに亘ってシーラー30が圧着して
いるから縦枠３と上下枠の接合部の水密性が良くなり、
縦枠３の中空部に雨水が浸入することがなく、縦枠３の
中空部内面が腐虫することを防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本考案の実施例を示し、第１図は閉塞
ブロックと縦枠の分解斜視図、第２図は縦枠と上下枠の
分解斜視図、第３図，第４図はサッシ開口枠取付状態の
縦断面図，横断面図、第５図は第４図のＶ−Ｖ線断面
図、第６図は従来例の縦断面図である。 １は上枠、1aは接続端面、２は下枠、2aは接続端面、３
は縦枠、17は中空部、19は切欠き、20は閉塞ブロック、
21はパッキング材、30,31はシーラー、ｃは接合面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中空部17を有する縦枠３の内面上下端部に
   平坦面となった接合面ｃを形成し、この接合面ｃにおけ
   る中空部17と対向した部分に切欠き19を形成し、この切
   欠き19と中空部とを閉塞する閉塞ブロック20を、その中
   空部の内面にパッキング材21を介して閉塞ブロック20の
   上面が縦枠３の端面と面一に取り付け、この閉塞ブロッ
   ク20と縦枠３の接合面ｃとに亘って上下枠1,2の接続端
   面1a,2aをシーラー30,31を介して突き当て接合したこと
   を特徴とするサッシ開口枠接合部の水密構造。