JPH061958Y2 - パネル用枠材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、室内・外装壁面、仕切板等の建築資材として
用いられるパネルの周囲に額ぶち状に装着される枠材に
関する。

〔従来の技術〕

従来、パネル用枠材としては、複合板やアルミパネル等
のパネル面材の端面がシーリング材（シリコン等）を介
して嵌着される凹溝（凹部）を備えたものが知られてい
る。

すなわち、従来、枠材１は第４図に示す如く、パネル面
材接着用の張り出し片１ａとパネル面材押え片１ｂとに
よって形成された凹溝２内にシーリング材５を充填後パ
ネル面材４を嵌着・圧締してシーリングし額ぶち状に固
着してパネル単位体が形成されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記パネル単位体において、パネル板を
シーリング材５を介して枠材１の凹溝２内に圧縮する
際、シーリング材の充填量不足や圧締の不足等によっ
て、シーリングが不完全となる場合かあり、これにより
漏水を生じるという問題点がある。

すなわち、パネル面材表面を伝わって流れる水が押え片
１ｂの間から嵌着凹溝２内に浸入する場合と、枠材相互
の突付け角部（この部分は第５図及び第６図に(イ)，(ロ)
で示すように通常隙間が生じ易い）から浸入する場合が
あり、これらの部分にシーリングの不充分な個所がある
と水漏れを生ずる。そして塩水その他腐食性物質を含ん
だ水が枠内に浸入するとパネル面材端面特にアルミ板が
積層されたパネル面材はアルミ板のこぐち部分から腐食
が発生して進行しパネル面が破壊し耐用年数が低下する
原因となる。

本考案の目的はこのような不都合を防止し、パネル面材
に対する枠材取付に際し、嵌着用凹溝内にシーリング材
の充填によるシーリングが確実に、かつ容易に行なわ
れ、漏水のおそれのない枠付パネルを提供するにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は枠材のパネル嵌着用凹溝内全体に亘ってシーリ
ング材が充分充填され、シーリングが確実に行なわれて
いるかどうか、一見してすぐ確認できるようにして上記
の課題を解決し得たものである。

すなわち本考案は、パネル面材の周縁に額ぶち状に嵌着
固定する枠材において、該枠材の両端部に、該枠材１を
パネル面材４の周縁に取付けたとき、隣接枠材との各突
付け角部に、前記パネル面材４を嵌着せしめる凹溝２内
から枠外に貫通する小孔３ａを形成せしめる切欠部３を
設けたことを特徴とするパネル用枠材である。

上記切欠部３の位置は枠体１の両端部で凹溝２の奥の下
部、すなわち張出し片１ａ基部近傍が好ましい。この位
置であると、第３図に示されるようにパネルを施工した
際切欠部３，３によって形成される小孔３ａは、単位パ
ネル間に充填されるシーリング材１０によって埋められ
るので、該小孔３ａから押し出されたシーリング材は確
実に覆い隠される。

〔作用〕

上記の構成であるから、この枠材をパネル面材の四辺に
嵌着すると第２図に示すように、パネル本体の四角の各
突付け角部に互いに対応する切欠部３，３によりパネル
面材嵌着用凹溝２内と外部とを貫通する小孔３ａが形成
される。したがって凹溝２内にシーリング材５が充分充
填された状態でパネル面材４と枠体が圧締され凹溝内の
所定深さまでパネル面材端面が圧入されると、第３図に
示すように余分のシーリング材５はこの小孔３ａから押
し出されてくる。したがって各コーナー部の小孔３ａか
らシーリング材が押出されまた凹溝２内の空気も排出さ
れることによって各枠材とパネル面材が確実にシーリン
グされていることを一目で確認することができる。また
パネル枠材の突付部から１ｃ方向やパネル裏面に裏廻り
していた浸入水は３ａで完全に遮断できる。

〔実施例〕

第１図は本考案の枠材の一実施例の端部付近の斜視図で
ある。１はアルミ材等よりなる本体で、１ｂはパネル表
面押え片、１ａはパネル面材裏面に対する接着用張出し
片で、両者の間にパネル面材が嵌着される凹溝２が形成
されている。３は切欠部である。凹溝２内にシーリング
材５を充填し、張出し片１ａに接着剤を施し凹溝２内に
パネル面材４の各片に嵌合し、所要のシーリング厚を保
つようにして、パネル面材に圧締すると、四隅のパネル
枠突付け角部に形成された小孔３ａから余分のシーリン
グ材５′が押し出される（第２図及び第３図参照）。

かくして枠材とパネル面材との間が確実にシーリングさ
れた枠付パネル単位体が形成される。第３図はこれを用
いて壁面に施工した時の各単位体間の連結部における断
面図で、単位パネル間の間隙にポリエチレン発泡体等の
バックアップ材１１（間隙の膨張、収縮に適応）、シー
リング材１０等の詰物を示す。この詰物によってシーリ
ング材のはみ出た部分は隠れる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、枠材の突付け角部に小孔が形成されて
いるのでシーリングが確実にむらなく行われると、該小
孔からシーリング材の一部がはみ出すので、一見して突
付け角部まで確実にシーリングが行なわれていることが
確認できる。したがって品質管理が容易であり、本考案
の枠材を施したパネルは漏水が防止され耐用度も高いも
のとなる。またはみ出したシーリング材は施工後隠され
る位置であるから外観上の影響もなく、簡単な一部の加
工によって優れた効果を奏するもので極めて有益であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の要部を示す斜視図、第２図
は突付け部の斜視図、第３図は施工時のパネル連結部の
断面図、第４図は従来の枠付パネルの断面図、第５〜６
図は突付け角部における漏水個所を示す斜視図及び平面
図である。 １…枠材本体、１ａ…接着用張出し片、１ｂ…押え片、
３…切欠部、３ａ…小孔、４…パネル面材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】パネル面材の周縁に額ぶち状に嵌着固定す
   る枠材において、該枠材(1)をパネル面材(4)の周縁に取
   付けたとき、隣接枠材との各突付け角部となる両端部
   に、前記パネル面材(4)を嵌着せしめる凹溝(2)内から枠
   外に貫通する小孔(3a)を形成せしめる切欠部(3)を設け
   たことを特徴とするパネル用枠材。